JP2018072379A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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【課題】無端ベルトの回転軸方向両端部に潤滑剤吸収部材が設けられていない構成に比べて、無端ベルトの回転軸方向両端部での潤滑剤の漏出を抑制できる定着装置を得る。【解決手段】回転部材62に接触して回転する無端ベルト70と、無端ベルト70の回転軸方向が長手方向とされて無端ベルト70の内周面側に配置され、無端ベルト70を回転部材62に押圧することで無端ベルト70と回転部材62との間に記録媒体Pが通過するニップ部Nを形成する押圧部材76と、無端ベルト70の回転軸方向が長手方向とされて無端ベルト70の内周面側に配置され、無端ベルト70の内周面に接触して、その内周面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給部材80と、潤滑剤供給部材80と一体に形成されるとともに無端ベルト70の回転軸方向両端部に配置され、無端ベルト70の回転軸方向両端部において漏出した潤滑剤を吸収する潤滑剤吸収部材82と、を備えた定着装置60とする。【選択図】図3

Description

本発明は、定着装置及び画像形成装置に関する。
表面が弾性変形する回転可能な定着ロールと、定着ロールに接触したまま走行可能な無端ベルトと、無端ベルトの内周面側に非回転状態で配置された押圧部材と、押圧部材と無端ベルトとの間に設けられた摩擦抵抗の低いシート状の低摩擦部材と、を備えたフリーベルトニップ方式の定着装置は、従来から知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
また、フリーベルトニップ方式の定着装置において、無端ベルトの回転軸方向両端部に設けられたガイド部材に溝部を設け、押圧部材上に設けられた低摩擦部材と無端ベルトとの摺擦面に供給された潤滑剤の漏出を、その溝部によって抑制した構成が、従来から知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開平11−133776号公報 特開2010−140061号公報 特開2002−148985号公報
本発明は、無端ベルトの回転軸方向両端部に潤滑剤吸収部材が設けられていない構成に比べて、無端ベルトの回転軸方向両端部での潤滑剤の漏出を抑制できる定着装置を得ることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の定着装置は、回転する回転部材と、前記回転部材に接触して回転する無端ベルトと、前記無端ベルトの回転軸方向が長手方向とされて該無端ベルトの内周面側に配置され、前記無端ベルトを前記回転部材に押圧することで該無端ベルトと前記回転部材との間に記録媒体が通過するニップ部を形成する押圧部材と、前記無端ベルトの回転軸方向が長手方向とされて該無端ベルトの内周面側に配置され、前記無端ベルトの内周面に接触して該内周面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給部材と、前記潤滑剤供給部材と一体に形成されるとともに前記無端ベルトの回転軸方向両端部に配置され、該無端ベルトの回転軸方向両端部において漏出した潤滑剤を吸収する潤滑剤吸収部材と、を備えている。
また、請求項2に記載の定着装置は、請求項1に記載の定着装置であって、前記潤滑剤吸収部材は、前記無端ベルトの回転方向が長手方向とされて前記押圧部材の長手方向外側に配置されている。
また、請求項3に記載の定着装置は、請求項1又は請求項2に記載の定着装置であって、前記無端ベルトは、回転駆動される前記回転部材に従動して回転し、前記潤滑剤供給部材は、前記ニップ部よりも前記無端ベルトの回転方向上流側に配置されている。
また、請求項4に記載の定着装置は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の定着装置であって、前記潤滑剤供給部材及び前記潤滑剤吸収部材は、編物状、不織布状、又は多孔質状に形成されている。
また、請求項5に記載の定着装置は、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の定着装置であって、前記潤滑剤は、動粘度が200cst以下の液体である。
また、本発明に係る請求項6に記載の画像形成装置は、像保持体上に静電潜像を形成する像形成手段と、前記像形成手段によって形成された静電潜像をトナーにより現像する現像手段と、前記現像手段によって現像されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記転写手段によって前記記録媒体に転写されたトナー像を該記録媒体に定着する請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の定着装置と、を備えている。
請求項1に係る発明によれば、無端ベルトの回転軸方向両端部に潤滑剤吸収部材が設けられていない構成に比べて、無端ベルトの回転軸方向両端部での潤滑剤の漏出を抑制することができる。
請求項2に係る発明によれば、無端ベルトの回転方向における潤滑剤吸収部材の寸法が潤滑剤供給部材と同じ寸法とされている構成に比べて、無端ベルトの回転軸方向両端部での潤滑剤の漏出を抑制することができる。
請求項3に係る発明によれば、潤滑剤供給部材が、ニップ部よりも無端ベルトの回転方向下流側に配置されている構成に比べて、無端ベルトの内周面に対して潤滑剤をより多く供給させ易い。
請求項4に係る発明によれば、潤滑剤供給部材及び潤滑剤吸収部材が、織布状に形成されている場合に比べて、毛細管現象により、潤滑剤吸収部材側から潤滑剤供給部材側へ長期に亘って安定的に潤滑剤を移動させることができる。
請求項5に係る発明によれば、動粘度が200cstを超える潤滑剤を用いる場合に比べて、潤滑剤吸収部材側から潤滑剤供給部材側へ潤滑剤が移動し易い。
請求項6に係る発明によれば、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の定着装置を備えていない構成に比べて、長期的な摺動安定性(ニップ部の低摺動性)の確保と高品質な画像形成とを両立することができる。
本実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示した概略図である。 本実施形態に係る定着装置の構成を示す図4のX−X線矢視側断面図である。 本実施形態に係る定着装置の構成を示す図4のY−Y線矢視側断面図である。 本実施形態に係る定着装置の潤滑剤供給部材、潤滑剤吸収部材、無端ベルト、圧力パッドの位置関係を模式的に示す正面図である。 本実施形態に係る定着装置の変形例の構成を示す図2に相当する側断面図である。 本実施形態に係る定着装置の変形例の構成を示す図2に相当する側断面図である。
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を基に詳細に説明する。なお、説明の便宜上、各図に適宜示される矢印UPを画像形成装置10の上方向とする。また、以下において、記録媒体の一例としての記録用紙Pの搬送方向を単に「搬送方向」と言い、その搬送方向上流側及び搬送方向下流側を、それぞれ単に「上流側」、「下流側」と言う場合がある。
図1に示されるように、画像形成装置10は、電子写真方式により各色のトナー像を形成する複数の画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kと、各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kによって形成された各色のトナー像を中間転写ベルト30に順次転写(一次転写)させる一次転写部14と、中間転写ベルト30上に転写された重畳トナー像を記録用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部16と、二次転写されたトナー像を記録用紙P上に定着させる定着装置60と、各部の動作を制御する制御部18と、を有している。
各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kは、中間転写ベルト30の回転方向(周回方向)上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に、略直線状に配置されている。そして、各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kは、それぞれ像保持体の一例としての矢印A方向に回転する感光体ドラム20を有している。
各感光体ドラム20の周囲には、その回転方向上流側から順に感光体ドラム20の周面を帯電させる帯電器22と、感光体ドラム20の周面に静電潜像を形成するための露光ビームLBを照射する像形成手段の一例としてのレーザ露光器24と、感光体ドラム20の周面に形成された静電潜像をトナーにより現像して可視化する現像手段の一例としての現像器26と、感光体ドラム20の周面に形成された各色のトナー像を一次転写部14にて中間転写ベルト30に転写する一次転写ロール40と、感光体ドラム20の周面に残留した残留トナーを除去するドラムクリーナ28と、が配置されている。
中間転写ベルト30は、ポリイミド又はポリアミド等の樹脂にカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたフィルム状の無端ベルトで構成されている。なお、中間転写ベルト30の体積抵抗率は、10Ωcm〜1014Ωcmであり、その厚さは、例えば0.1mm程度とされている。そして、中間転写ベルト30は、後述する駆動ロール32等により、矢印B方向に予め決められた速度で循環駆動(周回駆動)されている。
すなわち、中間転写ベルト30は、定速性に優れたモーター(図示省略)により回転駆動される駆動ロール32と、各感光体ドラム20の配列方向に沿って略直線状に中間転写ベルト30を支持する支持ロール34と、中間転写ベルト30に対して一定の張力を付与するとともに中間転写ベルト30の蛇行を防止する補正ロールとしても機能するテンションロール36と、二次転写部16に設けられるバックアップロール38と、に巻き掛けられている。
一次転写部14は、中間転写ベルト30を挟んで感光体ドラム20に対向して配置される一次転写ロール40によって構成されている。一次転写ロール40は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層と、で構成されている。シャフトは、例えば鉄やステンレス鋼(SUS)等の金属で構成された円柱棒とされている。
スポンジ層は、例えばカーボンブラック等の導電剤を配合したアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)とスチレン−ブタジエンゴム(SBR)とエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)とのブレンドゴムで形成されており、体積抵抗率が10Ωcm〜10Ωcmのスポンジ状の円筒ロールとされている。
また、一次転写ロール40には、トナーの帯電極性(マイナス極性)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、各感光体ドラム20上のトナー像が中間転写ベルト30に順次静電吸引され、中間転写ベルト30上において、重畳されたトナー像が形成されるようになっている。
二次転写部16は、中間転写ベルト30のトナー像が形成された外周面側に配置される転写手段の一例としての二次転写ロール42と、上記したバックアップロール38と、によって構成されている。バックアップロール38は、EPDMゴムからなる内層部と、カーボンを分散したEPDM及びNBRのブレンドゴムからなるチューブ状の表面層と、で構成されている。
また、バックアップロール38は、その表面抵抗率が10Ω/□〜1010Ω/□となるように形成されており、その硬度は、例えば70°(アスカーC)に設定されている。そして、バックアップロール38には、中間転写ベルト30の内周面側に配置されて二次転写ロール42の対向電極を構成し、二次転写バイアスを安定的に印加する金属製の給電ロール44が接触配置されている。
二次転写ロール42は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層と、で構成されている。シャフトは、例えば鉄やステンレス鋼(SUS)等の金属で構成された円柱棒とされている。スポンジ層は、例えばカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムから形成されており、体積抵抗率が10Ωcm〜10Ωcmのスポンジ状の円筒ロールとされている。
そして、二次転写ロール42は、中間転写ベルト30を挟んでバックアップロール38に予め決められた圧力で接触するように配置されるとともに接地されている。これにより、二次転写ロール42は、バックアップロール38との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写部16に搬送される記録用紙P上にトナー像を二次転写する構成になっている。
また、二次転写部16よりも中間転写ベルト30の回転方向下流側には、二次転写後の中間転写ベルト30の外周面に残留する残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト30の外周面をクリーニングするベルトクリーナ46が接離自在に設けられている。なお、中間転写ベルト30の内周面側には、ベルトクリーナ46と中間転写ベルト30を挟んで対向するクリーニングバックアップロール48が配置されている。
また、イエローの画像形成ユニット12Yよりも中間転写ベルト30の回転方向上流側には、各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kにおける画像形成タイミングを取るための基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)33が配設されている。そして、ブラックの画像形成ユニット12Kよりも中間転写ベルト30の回転方向下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ35が配設されている。
基準センサ33は、中間転写ベルト30の裏側に設けられたマーク(図示省略)を認識して基準信号を発生するようになっており、この基準信号の認識に基づく制御部18からの指示により、各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kが画像形成を開始するように構成されている。
また、中間転写ベルト30の下方側には、記録用紙Pを収容する収容部50と、収容部50に収容された記録用紙Pを予め決められたタイミングで取り出して搬送するピックアップロール52と、ピックアップロール52により繰り出された記録用紙Pを搬送する搬送ロール54と、搬送ロール54により搬送された記録用紙Pを二次転写部16へ送り込む搬送ガイド55と、二次転写ロール42により二次転写された記録用紙Pを定着装置60へ搬送する搬送ベルト56と、記録用紙Pを定着装置60の後述するニップ部Nへ導く入口ガイド58と、が配置されている。
ここで、本実施形態に係る画像形成装置10の基本的な作像プロセスについて説明する。なお、定着装置60については後で詳述する。
図1に示される画像形成装置10では、画像読取装置(図示省略)やパーソナルコンピュータ(PC:図示省略)等から出力された画像データが、画像処理装置(図示省略)によって画像処理されると、画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kによって作像作業が開始される。すなわち、各感光体ドラム20の周面が帯電器22によって帯電される。
なお、画像処理装置では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度及び色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、各レーザ露光器24から出力される。
すなわち、各レーザ露光器24では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームLBを各感光体ドラム20に照射する。すると、帯電器22によって周面が帯電された各感光体ドラム20では、レーザ露光器24によって、その周面が走査露光され、その周面に静電潜像が形成される。そして、その静電潜像は、各現像器26によって、Y、M、C、Kの各色のトナー像として現像される。
各感光体ドラム20の周面に形成されたトナー像は、各感光体ドラム20と中間転写ベルト30とが接触する一次転写部14において、中間転写ベルト30の外周面に転写される。より具体的には、一次転写部14において、一次転写ロール40により、中間転写ベルト30の基材に対し、トナーの帯電極性(マイナス極性)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加され、トナー像が中間転写ベルト30の外周面に順次重ね合わされる一次転写が行われる。
中間転写ベルト30の外周面に順次一次転写されたトナー像は、中間転写ベルト30が周回移動することにより二次転写部16に搬送される。トナー像が二次転写部16に搬送されると、そのタイミングに合わせて、収容部50からピックアップロール52により繰り出され、搬送ロール54により搬送された記録用紙Pが、搬送ガイド55を経て二次転写部16に到達し、二次転写部16において、記録用紙Pの位置とトナー像の位置との位置合わせが実行される。
すなわち、記録用紙Pは、二次転写部16に到達する前に一旦停止させられ、トナー像が一次転写された中間転写ベルト30の移動タイミングに合わせてレジストロール(図示省略)が回転することで、二次転写部16へ送られる。ここで、二次転写部16では、中間転写ベルト30を介して、二次転写ロール42がバックアップロール38によって押圧されている。したがって、タイミングを合わせて搬送された記録用紙Pは、中間転写ベルト30と二次転写ロール42との間に挟み込まれる。
その際、給電ロール44からトナーの帯電極性(マイナス極性)と同極性の電圧(二次転写バイアス)が印加され、二次転写ロール42とバックアップロール38との間に転写電界が形成される。したがって、中間転写ベルト30上に一次転写された未定着トナー像は、二次転写ロール42とバックアップロール38とによって押圧される二次転写部16において、記録用紙P上に一括して静電転写される。
その後、トナー像が静電転写された記録用紙Pは、二次転写ロール42によって中間転写ベルト30から剥離された状態で搬送され、二次転写ロール42の下流側に設けられた搬送ベルト56へ搬送される。搬送ベルト56へ搬送された記録用紙Pは、その搬送ベルト56により適切な搬送速度で定着装置60へ搬送される。
定着装置60に搬送された記録用紙P上の未定着トナー像は、定着装置60によって加熱及び加圧されることで記録用紙P上に定着される。そして、トナー像が定着された記録用紙Pは、画像形成装置10の排出部(図示省略)へ排出される。なお、記録用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト30の外周面に残留している残留トナー等は、中間転写ベルト30の周回移動に伴ってベルトクリーナ46まで搬送され、そのベルトクリーナ46によって中間転写ベルト30上から除去される。
次に、本実施形態に係る定着装置60について詳細に説明する。
図2、図3に示されるように、定着装置60は、回転駆動される回転部材の一例としての定着ロール62と、定着ロール62に接触して従動周回(従動回転)する無端ベルト70と、無端ベルト70の回転軸方向が長手方向とされて無端ベルト70の内周面側に配置され、無端ベルト70を定着ロール62に押圧することにより、無端ベルト70と定着ロール62との間に記録用紙Pが通過するニップ部Nを形成する押圧部材の一例としての圧力パッド76と、を備えている。
定着ロール62は、金属製で円筒状の芯金64の周囲に耐熱性弾性体層66及び離型層68を積層して構成された円筒状ロールであり、予め決められた表面速度(例えば194mm/sec)で回転駆動するように構成されている。なお、この定着ロール62は、外径が軸方向で一様な所謂ストレートロールとされている。また、この定着ロール62は、駆動モーター(図示省略)により図示の矢印C方向に回転駆動されている。
定着ロール62の芯金64の内部には、発熱源として例えば800Wのハロゲンヒータ65が配置されている。また、定着ロール62の表面には、感温素子である温度センサ69が接触して配置されている。この温度センサ69による温度計測値に基づいて、制御部18がハロゲンヒータ65の点灯を制御することにより、定着ロール62の表面温度が予め決められた設定温度(例えば170℃)を維持するように調整している。
定着ロール62の芯金64は、鉄、アルミニウム(例えばA−5052材)、ステンレス鋼(SUS)、銅等の熱伝導率の高い金属又は合金、セラミックス、繊維強化金属(FRM)で形成された、例えば外径φ30mm、肉厚1.8mm、長さ360mmの円筒体で構成されている。
耐熱性弾性体層66は、耐熱性の高い弾性体で構成されており、特にゴム硬度が15°〜45°(JIS−A)程度のゴム、エラストマー等の弾性体で構成されるのが好ましい。具体的には、シリコーンゴム、フッ素ゴム等で構成される。中でも、表面張力が小さく、かつ弾性に優れるシリコーンゴムで構成されるのが好ましい。
このようなシリコーンゴムとしては、例えばRTVシリコーンゴム、HTVシリコーンゴムなどが挙げられ、具体的には、ポリジメチルシリコーンゴム(MQ)、メチルビニルシリコーンゴム(VMQ)、メチルフェニルシリコーンゴム(PMQ)、フルオロシリコーンゴム(FVMQ)などが挙げられる。
本実施形態に係る定着装置60では、ゴム硬度が35°(JIS−A)のHTVシリコーンゴムを600μmの厚さで芯金64に被覆している。耐熱性弾性体層66の厚さは、通常3mm以下、好ましくは0.1mm〜1.5mmの範囲内である。耐熱性弾性体層66を芯金64の表面に形成する方法としては、特に制限はなく、例えば公知のコーティング法などが採用可能である。
また、本実施形態に係る定着装置60では、定着ロール62の耐熱性弾性体層66の外周面に離型層68が形成されている。これにより、トナー像のオフセットが効果的に抑制又は防止され、安定した状態で定着装置60が稼動されるようになっている。離型層68の材質としては、トナー像に対して適度な離型性を示すものであれば特に制限はなく、例えばフッ素ゴム、シリコーンゴム、フッ素樹脂等が挙げられる。これらの材質の中でも、特にフッ素樹脂が好適に挙げられる。
フッ素樹脂としては、特に制限はなく、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE);テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体(MFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロエチルビニルエーテル共重合体(EFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロプロピルビニルエーテル共重合体等のテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等が挙げられる。
また、フッ素樹脂としては、例えばテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等が挙げられる。
これらの中でも、特に耐熱性、機械特性等の観点から、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及びテトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体(MFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロエチルビニルエーテル共重合体(EFA)等のテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)が好適に用いられる。
離型層68の厚さは、通常10μm〜50μmの範囲、好ましくは15μm〜30μmの範囲内である。離型層68を形成する方法としては、特に制限はなく、例えば上記したコーティング法や押出成型によって形成されたチューブを被覆する方法などが挙げられる。なお、本実施形態に係る定着装置60では、離型層68として厚さ30μmのPFAが耐熱性弾性体層66に被覆されている。
無端ベルト70は、出力画像に継ぎ目に起因する欠陥が生じないように、原形が円筒形状に形成された継ぎ目がないベルトであり、その内周面側に配置された支持部材71の上流側、下流側及び下方側に設けられた複数のベルトガイド部材72と、支持部材71の上方側に設けられた圧力パッド76と、その回転軸方向両端部に配置されたエッジガイド部材(図示省略)と、によって回転自在に支持されている。
そして、この無端ベルト70は、ニップ部Nにおいて、定着ロール62に対して予め決められた圧力で接触するように配置されており、定着ロール62に従動して同速で回転するように構成されている。また、無端ベルト70は、ベース層と、ベース層の定着ロール62側の面(外周面)又は両面に被覆された離型層(表面層)と、で構成されている。
ベース層としては、熱硬化性ポリイミド樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂等から選ばれた1つ又は複数の混合体が、耐熱性及び機械特性等の観点から好適に用いられる。また、ベース層の表面に被覆される離型層(表面層)としては、フッ素樹脂が用いられる。
フッ素樹脂としては、特に制限はなく、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE);テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体(MFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロエチルビニルエーテル共重合体(EFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロプロピルビニルエーテル共重合体等のテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)等が挙げられる。
また、フッ素樹脂としては、例えばテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリクロロ三フッ化エチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等が挙げられる。
これらの中でも、特に耐熱性、機械特性等の観点から、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及びテトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体(MFA)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロエチルビニルエーテル共重合体(EFA)等のテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)が好適に用いられる。なお、離型層(表面層)の厚さは、通常5μm〜100μm程度、好ましくは10μm〜30μm程度に設定される。
圧力パッド76は、無端ベルト70の内周面側において支持部材71に設けられた金属製のホルダ78によって支持されており、無端ベルト70を介して定着ロール62を押圧するように構成されている。具体的には、圧力パッド76は、無端ベルト70の回転軸方向から見て、略「凹」字状に形成されており、バネや弾性体等の押圧手段により、定着ロール62を、例えば350Nの荷重で押圧するように、略「凹」字状に形成されたホルダ78に支持されている。
これにより、圧力パッド76は、定着ロール62との間でニップ部Nを形成している。なお、圧力パッド76は、無端ベルト70の回転軸方向両端部は押圧しない構成になっている。つまり、無端ベルト70の回転軸方向における圧力パッド76の長さは、無端ベルト70の長さよりも短くなっている(図4参照)。
また、圧力パッド76は、ニップ部Nの入口側(上流側)が、幅の広いニップ部Nを確保するためのプレニップ部76Aとされている。そして、圧力パッド76は、ニップ部Nの出口側(下流側)が、定着ロール62の表面を局所的に押圧することで、トナー像の表面を平滑化して画像光沢を付与するとともに、定着ロール62の表面に歪み(凹み)を与えて記録用紙Pにダウンカールを形成するための剥離ニップ部76Bとされている。
プレニップ部76Aには、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の弾性体等が用いられ、定着ロール62側の面は、定着ロール62の外周面に略倣う凹状曲面に形成されている。本実施形態に係る定着装置60では、圧力パッド76のプレニップ部76Aに、幅5mm、厚さ5mm、長さ320mmのシリコーンゴムを用いている。また、圧力パッド76の硬度は、特に限定されず、10°〜40°(JIS−A)の範囲である。
剥離ニップ部76Bは、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド等の耐熱性を有する樹脂、又は鉄、アルミニウム、ステンレス鋼(SUS)等の金属で形成されている。剥離ニップ部76Bの形状としては、ニップ部Nにおける外面形状が一定の曲率半径を有する凸状曲面に形成されている。
本実施形態に係る定着装置60の圧力パッド76は、プレニップ部76Aの定着ロール62側とは反対側の基部と、剥離ニップ部76Bの定着ロール62側とは反対側の基部とが一体的に接合されることで略「凹」字状に形成されている。この圧力パッド76により、無端ベルト70が定着ロール62に対して約25°の巻付角度θでラップされ、約6mm幅のニップ部Nを形成している。
また、圧力パッド76には、無端ベルト70の内周面と接触する面側に低摩擦部材の一例としての低摩擦シート74が設けられている。低摩擦シート74は、ニップ部Nに対する無端ベルト70の回転方向上流側端部が、支持部材71に設けられたシート固定部75とホルダ78とに挟持されることで固定されている。そして、低摩擦シート74は、無端ベルト70の回転方向(矢印D方向)に沿って、圧力パッド76と無端ベルト70の内周面との間に挟持された状態で、ニップ部Nの全域に亘って配設されている。
なお、低摩擦シート74のニップ部Nに対する無端ベルト70の回転方向下流側端部は、低摩擦シート74に歪みが生じないように、固定されずに自由端(フリー)の状態で配置されている。この低摩擦シート74により、圧力パッド76と定着ロール62との間に押圧力が作用している状態のニップ部Nにおいて、無端ベルト70の内周面と圧力パッド76との摺動抵抗(摩擦抵抗)が低減されるようになっている。
低摩擦シート74には、摩擦係数が小さく、耐摩耗性及び耐熱性に優れた材質が適している。具体的には、シンタード成型したPTFE樹脂シート、テフロン(登録商標)を含浸させたガラス繊維シート、ガラス繊維にフッ素樹脂からなるスカイブフィルムシートを加熱融着サンドした積層シート等が、低摩擦シート74に適している。なお、低摩擦シート74は、プレニップ部76Aや剥離ニップ部76Bと別体に構成してもよいし、プレニップ部76Aや剥離ニップ部76Bと一体的に構成してもよい。
また、図2〜図4に示されるように、無端ベルト70の内周面側で、かつニップ部Nに対して無端ベルト70の回転方向上流側、詳細には上流側のベルトガイド部材72の上方側で、かつシート固定部75の上流側には、無端ベルト70の内周面に接触して、その内周面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給部材80が配置されている。潤滑剤供給部材80は、無端ベルト70の回転軸方向が長手方向とされており、その回転軸方向に沿って、詳細には圧力パッド76の長手方向全体に亘って配設されている(図4参照)。
ここで、無端ベルト70が定着ロール62の回転駆動により従動周回(従動回転)する場合、ニップ部Nに対する無端ベルト70の回転方向上流側では、その無端ベルト70が張架され、ニップ部Nに対する無端ベルト70の回転方向下流側では、その無端ベルト70が緩む。したがって、潤滑剤供給部材80から効率よく潤滑剤を滲出させるためには、ニップ部Nに対する無端ベルト70の回転方向上流側において、無端ベルト70の1周の約1/3の範囲に潤滑剤供給部材80を配置することが好ましい。
また、図3、図4に示されるように、潤滑剤供給部材80の長手方向両端部には、その潤滑剤供給部材80と一体に潤滑剤吸収部材82が形成されている。潤滑剤吸収部材82は、無端ベルト70の回転方向が長手方向とされており、圧力パッド76の長手方向外側(無端ベルト70の回転軸方向両端部)に配置されている。これにより、無端ベルト70の回転軸方向両端部において漏出した潤滑剤が、潤滑剤吸収部材82によって吸収されるようになっている。
なお、図示の潤滑剤吸収部材82は、潤滑剤供給部材80の長手方向両端部から、無端ベルト70の回転方向下流側及び上流側へ延びているが、潤滑剤吸収部材82は、潤滑剤供給部材80の長手方向両端部から、少なくとも無端ベルト70の回転方向下流側へ延びていればよい。また、潤滑剤供給部材80及び潤滑剤吸収部材82は、アラミド繊維などの耐熱性繊維を編んだ編物状、フェルトのような不織布状、又はスポンジのような多孔質状に形成されている。
また、潤滑剤としては、定着温度環境下での長期使用に対する耐久性を有し、かつ無端ベルト70の内周面との濡れ性を維持可能な液体が好適である。例えば、シリコーンオイルやフッ素オイル等の液体状のオイルや、固形物質と液体とを混合させた合成潤滑油グリース、更にはこれらを組み合わせたものなどを用いることが好適である。
シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、有機金属塩添加ジメチルシリコーンオイル、ヒンダードアミン添加ジメチルシリコーンオイル、有機金属塩及びヒンダードアミン添加ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、有機金属塩添加アミノ変性シリコーンオイル、ヒンダードアミン添加アミノ変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、シラノール変性シリコーンオイル、スルホン酸変性シリコーンオイル等が挙げられる。
また、フッ素オイルとしては、パーフルオロポリエーテルオイル、変性パーフルオロポリエーテルオイル等が挙げられる。なお、潤滑剤の動粘度は、潤滑剤が回転抵抗になるのを抑制するため、200cst(mm/sec)以下であることが好ましい。本実施形態に係る定着装置60では、動粘度(25℃)が100cstのアミノ変性シリコーンオイル(X22−9470:信越化学(株)製)を用いている。
また、図1〜図3に示されるように、ニップ部Nよりも下流側近傍には、剥離補助部材84が配設されている。剥離補助部材84は、定着ロール62に近接して配置された剥離バッフル86を有しており、その剥離バッフル86は、定着ロール62の回転方向と対向する向き(カウンタ方向)にバッフルホルダ88によって保持されている。この剥離バッフル86により、圧力パッド76の剥離ニップ部76Bによって定着ロール62から剥離された記録用紙Pが定着ロール62から完全に分離され、画像形成装置10の排出部へ誘導されるようになっている。
以上のような構成とされた定着装置60において、次にその作用について説明する。
図2〜図4に示される定着装置60において、定着ロール62が矢印C方向に回転駆動すると、この回転に従動して無端ベルト70が、矢印C方向とは逆方向の矢印D方向に回転する。一方、二次転写部16においてトナー像が静電転写された記録用紙Pは、入口ガイド58によって案内されて、ニップ部Nに搬送される。
そして、記録用紙Pがニップ部Nを通過する際に、記録用紙P上のトナー像がニップ部Nに作用する圧力と、定着ロール62から供給される熱と、によって定着される。本実施形態に係る定着装置60では、定着ロール62の外周面に略倣う圧力パッド76の凹状曲面のプレニップ部76Aによりニップ部Nが広く取れるため、安定した定着性能が確保される。
また、ニップ部Nよりも無端ベルト70の回転方向上流側に設けられた潤滑剤供給部材80により、無端ベルト70の内周面に対して潤滑剤が供給される。すなわち、無端ベルト70の周回時(回転時)には、ベルトガイド部材72及びシート固定部75によって支持された潤滑剤供給部材80が、無端ベルト70の内周面に相対的に強く接触して潤滑剤を滲出するため、潤滑剤供給部材80が、ニップ部Nよりも無端ベルト70の回転方向下流側に配置されている構成に比べて、無端ベルト70の内周面に対して潤滑剤をより多く供給させ易い。したがって、無端ベルト70と低摩擦シート74との摺動抵抗(摩擦抵抗)が低減され、無端ベルト70がより円滑に周回(回転)可能となる。
また、潤滑剤は、ニップ部Nで掻き取られるため、そのニップ部Nを構成する無端ベルト70の回転軸方向両端部において漏出する(圧力パッド76の長手方向両端部から、その長手方向外側へ漏出する)おそれがある。潤滑剤が、無端ベルト70の回転軸方向両端部において漏出すると、記録用紙Pに付着して潤滑剤しみとなる画像不具合が発生するおそれがある。
また、定着ロール62の耐熱性弾性体層66にシリコーンゴムが使われ、潤滑剤がシリコーンオイルの場合には、無端ベルト70の回転軸方向両端部において漏出した(圧力パッド76の長手方向両端部から、その長手方向外側へ漏出した)潤滑剤(シリコーンオイル)がシリコーンゴムに付着することにより、そのシリコーンゴムが膨潤し、形状不良、接着不良及び強度劣化が発生するおそれがある。
しかしながら、本実施形態に係る定着装置60では、潤滑剤吸収部材82が潤滑剤供給部材80の長手方向両端部に、無端ベルト70の回転方向を長手方向として一体に設けられているため、無端ベルト70の回転軸方向両端部において漏出した潤滑剤は、無端ベルトの回転軸方向両端部に潤滑剤吸収部材82が設けられていない構成に比べて、その潤滑剤吸収部材82によって吸収される(潤滑剤の漏出が抑制又は防止される)。
特に、潤滑剤吸収部材82は、無端ベルト70の回転方向が長手方向とされて圧力パッド76の長手方向外側に配置されているため、無端ベルト70の回転方向における潤滑剤吸収部材82の寸法が潤滑剤供給部材80と同じ寸法とされている構成に比べて、無端ベルト70の回転軸方向両端部での潤滑剤の漏出がより効果的に抑制又は防止される。
したがって、無端ベルト70の回転軸方向両端部において漏出した潤滑剤が、記録用紙Pに付着して潤滑剤しみとなる画像不具合が発生したり、無端ベルト70の回転軸方向両端部において漏出した潤滑剤が、定着ロール62の耐熱性弾性体層66(シリコーンゴム)に付着して形状不良、接着不良及び強度劣化が発生したりするのが抑制又は防止される。
また、潤滑剤供給部材80及び潤滑剤吸収部材82は、編物状、不織布状、又は多孔質状に形成されている。このため、潤滑剤供給部材80及び潤滑剤吸収部材82が、例えば織布状に形成されている場合に比べて、潤滑剤吸収部材82によって吸収された潤滑剤は、毛細管現象により、潤滑剤吸収部材82側から潤滑剤供給部材80側へ長期に亘って安定的に移動する。
特に、無端ベルト70の非周回(非回転)時には、潤滑剤供給部材80が、無端ベルト70の内周面に緩く接触又は非接触となり、かつ潤滑剤は、その動粘度が200cst以下とされているため、その動粘度が200cstを超える潤滑剤を用いる場合に比べて、潤滑剤吸収部材82で吸収された潤滑剤が、毛細管現象により、潤滑剤供給部材80へ移動し易い。
なお、潤滑剤供給部材80に戻された潤滑剤は、無端ベルト70の従動周回(従動回転)時に、ベルトガイド部材72及びシート固定部75によって支持された潤滑剤供給部材80と無端ベルト70の内周面とが相対的に強く接触することにより、再度、ニップ部Nよりも無端ベルト70の回転方向上流側における無端ベルト70の内周面へ供給される。
このように、本実施形態に係る定着装置60によれば、潤滑剤供給部材80と潤滑剤吸収部材82とが一体に形成されているので、特別な機構を使用することなく、長期的な摺動安定性が確保される(長期的にニップ部Nの低摺動状態が維持される)。つまり、本実施形態に係る定着装置60によれば、耐熱安定性及び低摩擦性に優れた信頼性の高い無端ベルト70の走行が長期に亘って実現されるため、長期に亘って高品質な画像が形成される。
以下に示す実施例に基づき、本実施形態に係る定着装置60を更に具体的に説明する。評価に用いた定着装置60の各構成部品の仕様は、以下の通りである。なお、本実施形態に係る定着装置60は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
外径26mm、肉厚1.8mm、長さ360mmの鉄製で円筒状の芯金64の外周面に、耐熱性弾性体層66として、厚さ600μmのHTVシリコーンゴム(ゴム硬度33度:JIS−A)を設けた。そして、この耐熱性弾性体層66の表面に、厚さ30μmのテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)のチューブを離型層68として被覆した。こうして、表面が鏡面状態に近づくまでに仕上げられた定着ロール62を得た。
なお、定着ロール62の芯金64の内部には、加熱源として800Wのハロゲンヒータ65を配置した。定着ロール62の表面温度は、定着ロール62の表面に接触した状態で配置された温度センサ69と、制御部18に設けられた温度コントローラー(図示省略)とにより175℃に制御した。
無端ベルト70は、周長94mm、厚さ80μm、幅344mmの熱硬化性ポリイミド樹脂を基材とし、この基材の外周面に、離型層としてテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)を厚さ30μmにコーティングして形成した。
圧力パッド76は、幅6mm、厚さ5mm、長さ340mmのシリコーンゴムの上に低摩擦シート74を設けて構成した。低摩擦シート74の大きさは、幅340mm、長さ60mmとし、低摩擦シート74の表面には、予め潤滑剤として動粘度(25℃)が100cstのアミノ変性シリコーンオイル(X22−9470:信越化学(株)製)を0.3cc塗布した。
更に、圧力パッド76は、低摩擦シート74及び無端ベルト70を介して圧縮コイルスプリングにより定着ロール62を345Nの荷重で押圧するように構成した。また、定着ロール62への無端ベルト70の巻付角度θを約27°とし、ニップ部Nの幅を約7mmとした。更に、駆動モーターから定着ロール62に伝達された駆動力により、定着ロール62及び無端ベルト70を速度264mm/secで回転させた。
また、圧力パッド76の長手方向全体に亘って潤滑剤供給部材80を配置し、その潤滑剤供給部材80に、潤滑剤として、動粘度(25℃)が100cstのアミノ変性シリコーンオイルを1.5cc塗布した。潤滑剤供給部材80及び潤滑剤吸収部材82の材質は、耐熱性の繊維で形成された不織布(フェルト)状とした。
この定着装置60を画像形成装置10(富士ゼロックス株式会社製:カラー複合機DCC6550)に組み込み、20万枚までの通紙試験を行い、初期と経時(20万枚プリント後)でプリントした際の無端ベルト70の回転状態と駆動トルク及び回転軸方向(長手方向)端部においてオイル漏れ及び画質を確認した。
その結果、無端ベルト70の回転軸方向端部においてオイルのしみ出しが未発生であり、定着ロール62も、その耐熱性弾性体層66に膨潤がなく、その形状が安定していた。また、画質にも問題が無かった。更に、駆動トルクは、初期と経時で0.41Nmと変動がなく、画質も極めて良好であった。また、そのまま更に30万枚まで通紙したが、問題は発生しなかった。
(比較例1)
実施例1の定着装置60において、潤滑剤吸収部材82を設けず、潤滑剤供給部材80のみとした比較例に係る定着装置を用意した。そして、その潤滑剤供給部材80に、潤滑剤として、動粘度(25℃)が100cstのアミノ変性シリコーンオイルを1.5cc塗布した。この比較例に係る定着装置を実施例1と同様に画像形成装置10(富士ゼロックス株式会社製:カラー複合機DCC6550)に組み込み、通紙試験を行った。
その結果、5000枚辺りから、無端ベルト70の回転軸方向端部においてオイル漏れが発生し、通紙した記録用紙Pの端部にオイル付着が発生した。更に、20000枚辺りで定着ロール62のシリコーンゴム層(耐熱性弾性体層66)がオイルによって膨潤し、シリコーンゴム層(耐熱性弾性体層66)と芯金64との接着が剥れた。つまり、定着ロール62において、形状不良とゴム剥がれが発生してしまった。
このように、実施例1及び比較例1の結果から、本実施形態に係る定着装置60によれば、無端ベルト70の回転軸方向両端部での潤滑剤の漏出(圧力パッド76の長手方向両端部から、その長手方向外側への潤滑剤の漏出)が抑制又は防止され、長期的な摺動安定性の確保と高品質な画像形成とが両立されることが判明した。
以上、本実施形態に係る定着装置60について、図面を基に説明したが、本実施形態に係る定着装置60は、図示のものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能なものである。例えば、無端ベルト70は、定着ロール62に従動して周回(回転)する構成に限定されるものではなく、定着ロール62とは独立して周回(回転)駆動される構成とされていてもよい。
また、本実施形態に係る定着装置60は、加圧側に無端ベルト70を用い、加熱側に定着ロール62を用いた構成で説明したが、加熱側が無端ベルト70の場合であっても、同様に適用することが可能である。すなわち、図5に示されるように、無端ベルト70が加熱手段90によって加熱される定着装置60の場合であっても、本実施形態に係る潤滑剤供給部材80及び潤滑剤吸収部材82の適用が可能である。
また、図6に示されるように、ニップ部Nにおいて、定着ロール62の表面に歪み(凹み)を与えない定着装置60の場合でも、本実施形態に係る潤滑剤供給部材80及び潤滑剤吸収部材82の適用が可能である。なお、図5、図6において、図2、図3に示される定着装置60と同等の部位は、同じ符号を付している。
10 画像形成装置
20 感光体ドラム(像保持体の一例)
24 レーザ露光器(像形成手段の一例)
26 現像器(現像手段の一例)
42 二次転写ロール(転写手段の一例)
60 定着装置
62 定着ロール(回転部材の一例)
70 無端ベルト
76 圧力パッド(押圧部材の一例)
80 潤滑剤供給部材
82 潤滑剤吸収部材
N ニップ部
P 記録用紙(記録媒体の一例)

Claims (6)

  1. 回転する回転部材と、
    前記回転部材に接触して回転する無端ベルトと、
    前記無端ベルトの回転軸方向が長手方向とされて該無端ベルトの内周面側に配置され、前記無端ベルトを前記回転部材に押圧することで該無端ベルトと前記回転部材との間に記録媒体が通過するニップ部を形成する押圧部材と、
    前記無端ベルトの回転軸方向が長手方向とされて該無端ベルトの内周面側に配置され、前記無端ベルトの内周面に接触して該内周面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給部材と、
    前記潤滑剤供給部材と一体に形成されるとともに前記無端ベルトの回転軸方向両端部に配置され、該無端ベルトの回転軸方向両端部において漏出した潤滑剤を吸収する潤滑剤吸収部材と、
    を備えた定着装置。
  2. 前記潤滑剤吸収部材は、前記無端ベルトの回転方向が長手方向とされて前記押圧部材の長手方向外側に配置されている請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記無端ベルトは、回転駆動される前記回転部材に従動して回転し、
    前記潤滑剤供給部材は、前記ニップ部よりも前記無端ベルトの回転方向上流側に配置されている請求項1又は請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記潤滑剤供給部材及び前記潤滑剤吸収部材は、編物状、不織布状、又は多孔質状に形成されている請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の定着装置。
  5. 前記潤滑剤は、動粘度が200cst以下の液体である請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の定着装置。
  6. 像保持体上に静電潜像を形成する像形成手段と、
    前記像形成手段によって形成された静電潜像をトナーにより現像する現像手段と、
    前記現像手段によって現像されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
    前記転写手段によって前記記録媒体に転写されたトナー像を該記録媒体に定着する請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の定着装置と、
    を備えた画像形成装置。
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