JP2005300559A - 前掛け式メガネフレーム及び磁石付きネジ - Google Patents

Abstract

【課題】前掛けフレームをフロントフレームの正面に磁石を利用して着脱自在に取付けて成る前掛け式メガネフレームであって、その構造が簡単でしかも安く製作できる前掛け式メガネフレームの提供。
【解決手段】メガネのフロントフレームを構成する部品を組立てる為のネジ１５の頭部１６に磁石１７を取付け、前掛けフレームの後方へ延びるアーム先端にも磁石４を備え、該磁石４をフロントフレームのネジ頭部１６に載置すると共に磁石１７によって吸着する。
【選択図】 図６

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は前掛けフレームをメガネのフロントフレームの正面に安定して取付けた前掛け式メガネフレームに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来においても、メガネのフロントフレームに前掛けフレームを取付けたメガネは多用されている。これは周知の通り、近眼の人がサングラスを必要とする場合や、老眼であるにもかかわらず近眼でもあるといったケースは多く、このような場合に近眼用のメガネにサングラスの前掛けフレームを取付けたり、近眼用のメガネに老眼用レンズを入れた前掛けフレームを使用するといった具合である。
【０００３】
ところで、従来型式の前掛けフレームを備えたメガネフレームには幾つかの問題がある。その１つは取付け構造が複雑である為に製作コストが高くなると共に、嵌合状態があまくなってガタ付きを生じ、前掛けフレームが安定しないと言った点である。
【０００４】
図１６は従来多用されている前掛け式メガネフレームを示し、(ａ)はメガネフレーム、(ｂ)は上記メガネフレーム(イ)のフロントフレーム(ハ)に取付けられる前掛けフレーム(ロ)を表している。フロントフレーム(ハ)の両側に設けているヨロイ(ニ)、(ニ)には磁石(ホ)、(ホ)が取着され、前掛けフレーム(ロ)の両側に設けているヨロイ(ヘ)、(ヘ)にも同じく磁石(ト)、(ト)を有している。
【０００５】
そこで、上記前掛けフレーム(ロ)はフロントフレーム(ハ)の正面に重ね合わされ、磁石(ホ)に磁石(ト)が引き付けられて取着される。勿論、磁石(ホ)、(ト)を介して取付けられる前掛けフレームが位置ズレしないように何らかの工夫はされている。特許第２７０８１００号に係る「眼鏡セット及びツル無しサングラス」、及び特許第２６２８５６９号に係る「マグネットによる着脱式サングラス」はこの前掛け式メガネフレームに相当する。
【０００６】
又、特許第２９９７４１８号に係る「着脱眼鏡取付装置」はフロントフレームのヨロイ部に受部を設けると共に該受部には磁石を取付け、前掛けフレームを該受部に載せて磁石にて吸着する構造と成っている。このように、従来の構造では前掛け式フレームのフロントフレームは特別な構造と成ってしまい、製作費が高くなってしまう。すなわち、磁石を備えることで一般メガネのフロントフレームとは構造が異なり、構造を共通化することはできていない。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の前掛け式メガネフレームには上記のごとき問題がある。本発明が解決しようとする課題はこの問題点であり、前掛けフレームが安定して取付けられると共に、簡単な構造にて安く製作出来る前掛け式メガネフレームを提供する。
【０００８】
【課題を解決する為の手段】
本発明に係る前掛け式メガネフレームは、前掛けフレームをメガネのフロントフレームの正面に取付け可能な構造とし、不要な場合には取外し出来るものであり、その基本的な作用は従来と共通する。そして前掛けフレームを取付ける手段には磁石が用いられ、フロントフレームに掛けられた前掛けフレームは磁石の磁気力にて外れないで取付けられる。
【０００９】
ところで、本発明では磁石をフレームの構成部材に取着するのではなく、構成部材を連結するネジの頭に取付けている。すなわち、磁石付きネジを使用して部材を組付けすることで特別に磁石を取付ける手間が省ける構造としている。前掛けフレームには少なくとも２本のアームを後方へ延ばし、該アーム先端はネジの頭に嵌合して位置決めされると共に磁石の磁気力に引かれて外れないようになる。以下、本発明に係る実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【００１０】
【実施例】
図１は本発明の前掛けフレームを示している実施例である。該前掛けフレームは両レンズ１，１が連結部材２によって連結されているが、レンズ１，１はリムを持たず、連結部材２にて直接挟み込んで取付けられている。連結部材２はその両側に止着片３，３を有し、止着片３，３に切込んだスリット溝５にレンズ１，１を嵌入し、そしてスリット溝５から外れないように接着剤にて固着されている。時には、スリット溝に嵌めると共にネジ止めやピン止めする場合もあり、スリット溝に嵌めないでネジ止めすることも出来る。
【００１１】
そして、レンズ１，１を繋いでいる連結部材２の裏側両端には磁石４，４が設けられ、図２(ａ)、(ｂ)に示すように構成している。磁石４は連結部材２から延びるアーム６の先端に取着されている。ここで、レンズ１は度付きレンズの場合、又サングラスの場合があり、本発明ではレンズ１の種類は限定しないことにする。
【００１２】
図３は上記前掛けフレームが掛けられるフロントフレームを示している。両リム７，７は連結部材８にて連結され、リム７，７の外側にはヨロイ９，９がロウ付けされ、そして該ヨロイ９，９には蝶番１０，１０を介してツル１１，１１が折畳み出来るように取付けられている。これらは一般のメガネフレームの構造と同じであるが、本発明では、上記連結部材８の裏側両サイドに磁石付き受け１２，１２を備えている。
【００１３】
リム７にはレンズを嵌めることが出来るように内側にブローチを設け、該ブローチはリム７に嵌めたレンズが外れないようにネジ締めされている。本発明はこのブローチ締付け用のネジ頭に磁石を取付け、ネジ頭が受け１２として機能する。すなわち、前掛けフレームから後方へ延びたアーム先端の磁石４，４が連結部材８の裏側に設けた受け１２，１２に載置されて掛けられる。
【００１４】
図４は上記ブローチ１３を示し、ブローチ１３はブローチ片１４ａ，１４ｂから成ってネジ１５にて締付けられ、そしてネジ頭１６は比較的大きくて凹部が形成され、凹部底には磁石１７が取着されている。この磁石付きネジ頭１６が受け１２と成っている。
【００１５】
図５はフロントフレームの前面に前記図１に示す前掛けフレームを取付けた場合を示している。前掛けフレームに設けている磁石４，４はフロントフレームの受け１２，１２に載置される。すなわち、受け１２，１２のネジ頭部１６，１６に形成した凹部に磁石４，４が嵌合して位置決めされ、そして凹部底の磁石１７，１７にて吸着される。図６は受け１２となるネジ頭部１６に磁石４が載置され、磁石１７に吸着されている場合を示している。
【００１６】
図７、図８は本発明の前掛けフレームを示す他の具体例であり、共にリムを持たない縁無しタイプから成り、図７の前掛けフレームは左右のレンズ１，１が連続している。そして裏側両サイドには磁石４，４が取着されている。又図８に示す前掛けフレームは両レンズ１，１が連結部材１８によってネジ止め連結されて構成している。そして裏側両サイドには磁石４，４が取付けられている。この磁石４，４はレンズ１の裏側に直接固着されている。
【００１７】
図９は前掛けフレームが掛けられるフロントフレームを示している。このフロントフレームは縁無しタイプであって、両レンズ１９，１９は連結部材２０によって連結され、該連結部材２０から延びる脚の先端には鼻当てパット２１，２１が取付けられている。ところで、このメガネは縁無しメガネである為に両レンズ１９，１９は連結部材２０の両サイドにネジ止めされ、そしてレンズ１９，１９の外側にはヨロイ２２，２２がネジ止めされている。
【００１８】
ヨロイ２２を取付けているネジ２３は図１０に示しているように、磁石２４を頭部２５に取着している。頭部２５は凹部を有し、この凹部に磁石２４が嵌り、頭部２５の縁２６は磁石２４の上面より僅かに突出している。図１１はこのフロントフレームの正面に図７に示している前掛けフレームを取付けた場合である。フロントフレームの両ネジ頭部２５，２５にフロントフレームの磁石４，４が嵌合し、同時に磁石２４に吸着して止着される。
【００１９】
磁石４は頭部２５に嵌ることで突出した縁２６にガイドされて位置決めがされ、前掛けフレームはフロントフレームに正しく位置決めされて取付けられる。ここで、受けとなるネジ頭部には凹部が形成されているが、凸部を設けて取付ける前掛けフレームを位置決めすることも出来る。勿論、この場合には凸部が嵌る凹部を前掛けフレームの磁石に形成することが必要となる。
【００２０】
図１２は本発明に係る前掛け式メガネフレームを示す他の実施例である。この前掛けフレーム２７はフロントフレームに取付けられるが、さらに(ｃ)に示すように跳ね上げることが出来る構造と成っている。前掛けフレーム２７の両サイドには止着部材２８，２８を取付け、継手２９，２９を介して前掛けフレーム２７が連結し、そして止着部材２８，２８は(ａ)に示しているように磁石を介してフロントフレームに固定される。
【００２１】
従って、前掛けフレーム２７は止着部材２８，２８がフロントフレームに固定された状態で跳ね上げることが出来る。ここで、止着部材２８の取付け構造は前記図１１にて説明した実施例の場合と同じであり、図１０に示している磁石付きネジが使用されている。
【００２２】
図１３は前掛けフレームの他の実施例であり、縁無しタイプを表わしている。両レンズ１，１は連結部材３０にて連結され、レンズ１，１の外側にはヨロイ３１，３１が取付けられている。そしてヨロイ３１，３１の下側には磁石３２，３２が取着された構造と成っている。
【００２３】
この前掛けフレームが取付けられるフロントフレームを図１４に示しているように、ハーフリム３３，３３にレンズ１，１の上側半分が嵌り、下側は水糸にて保持されている。そしてハーフリム３３，３３は連結部材３４によって連結され、そしてハーフリム３３，３３の外側にはネジ継手３５，３５を介してツル３６，３６が取付けられている。従ってツル３６，３６はネジ継手３５，３５を介して折畳むことが出来る。
【００２４】
ところで、このネジ継手３５は頭部に磁石を取付け、該頭部には図１３のフロントフレームのヨロイ３１，３１の下側に取付けた磁石３２，３２が載って固定される。図１５はフロントフレームに正面に前掛けフレームを取付けた状態を示している。前掛けフレームの両サイドに設けている磁石３２，３２はネジ継手３５，３５の頭部に形成している凹部に嵌って位置決めされ、この状態で磁石に吸着して外れないように固定される。
【００２５】
以上述べたように、本発明の前掛け式メガネフレームはフロントフレームを組立てる為に使用するネジの頭部に磁石を設け、該磁石を介して前掛けフレームを取付けするものであり、次のような効果を得ることが出来る。
【００２６】
【発明の効果】
本発明の前掛け式メガネフレームは前掛けフレームをフロントフレームの正面に磁石を介して取付け出来るが、該磁石はフロントフレームを組立てるネジの頭部に設けている。従って、磁石を特別にフレームに取付ける必要はなく、メガネフレームを組立てることで前掛け式のメガネフレームを得ることが出来、製作コストは安くなる。
【００２７】
フロントフレームを組み立てる磁石付きネジの箇所は限定しないが、ネジの頭部は凹部又は凸部が形成されていて、前掛けフレームに設けている磁石が頭部に嵌合して位置決めされ、この状態で磁石の磁気力にて固定される。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の前掛けフレームを示す実施例。
【図２】前掛けフレームの連結部材に取付けられる磁石。
【図３】メガネのフロントフレーム。
【図４】フロントフレームのブローチの磁石付きネジ。
【図５】フロントフレームに取付けられた前掛けフレーム。
【図６】磁石付きネジ頭部に嵌ったフロントフレームの磁石。
【図７】前掛けフレームの他の実施例。
【図８】前掛けフレームの他の実施例。
【図９】フロントフレームの他の実施例。
【図１０】フロントフレームを組立てる磁石付きネジ。
【図１１】フロントフレームに取付けられた前掛けフレーム。
【図１２】本発明に係る前掛け式メガネフレームの他の実施例。
【図１３】前掛けフレームの他の実施例。
【図１４】フロントフレームの他の実施例。
【図１５】フロントフレームに取付けた前掛けフレーム。
【図１６】従来の前掛け式メガネフレーム。
【符号の説明】
１ レンズ
２ 連結部材
３ 止着片
４ 磁石
５ スリット溝
６ アーム
７ リム
８ 連結部材
９ ヨロイ
10 蝶番
11 ツル
12 受け
13 ブローチ
14 ブローチ片
15 ネジ
16 ネジ頭部
17 磁石
18 連結部材
19 レンズ
20 連結部材
21 鼻当てパット
22 ヨロイ
23 ネジ
24 磁石
25 頭部
26 縁
27 前掛けフレーム
28 止着部材
29 継手
30 連結部材
31 ヨロイ
32 磁石
33 ハーフリム
34 連結部材
35 ネジ継手
36 ツル

Claims (8)

1. 前掛けフレームをフロントフレームの正面に着脱自在に取付けて成る前掛け式メガネフレームにおいて、フロントフレームを構成する部品を組立てる為のネジの頭部に磁石を設け、該磁石によって上記前掛けフレームを取付けることを特徴とする前掛け式メガネフレーム。
2. 上記フロントフレームのブローチを締付けるネジの頭部に磁石を取付けた請求項１記載の前掛け式メガネフレーム。
3. 上記フロントフレームの両側に取付けるツルを折畳み可能に連結するネジ継手の頭部に磁石を取付けた請求項１記載の前掛け式メガネフレーム。
4. フロントフレームはリムを持たない縁無しタイプとして構成した場合、レンズ外側に設けるヨロイをネジ止めする為のネジ頭部に磁石を取付けた請求項１記載の前掛け式メガネフレーム。
5. 前掛けフレームにも磁石を取付けし、該磁石をフロントフレームの上記ネジ頭部に設けた凹部に嵌めると共に磁石に吸着して前掛けフレームを取付けた請求項１、請求項２、請求項３、請求項４記載の前掛け式メガネフレーム。
6. 上記前掛けフレームに止着部材を設けると共に継手によって連結し、そして該止着部材をフロントフレームの磁石に吸着して固定することで、前掛けフレームを跳ね上げ可能とした請求項１記載の前掛け式メガネフレーム。
7. 前掛けフレームを着脱自在に取付ける為のフロントフレームを構成する部品を組立てるネジにおいて、該ネジの頭部に凹部を設けると共に磁石を取付けたことを特徴とする前掛け式メガネフレームの磁石付きネジ。
8. 前掛けフレームを着脱自在に取付ける為のフロントフレームを構成する部品を組立てるネジにおいて、該ネジの頭部に凸部を設けると共に磁石を取付けたことを特徴とする前掛け式メガネフレームの磁石付きネジ。

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