JP2005300355A - 測定試薬用担体粒子及び測定試薬 - Google Patents
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Abstract
び高い測定精度で抗原抗体反応を測定することが可能であるとともに、長期安定性にも優
れる測定試薬用担体粒子及び測定試薬を提供する。
【解決手段】 フェニル基を有する重合性単量体及びフェニル基とスルホン酸リチウム塩
とを有する重合性単量体を共重合して得られる担体粒子からなる測定試薬用担体粒子であ
って、サイクリックボルタンメトリ測定による粒子表面のスルホン酸リチウム荷電量が異
なる2種類以上の担体粒子からなる測定試薬用担体粒子。
【選択図】 なし
Description
検査物質)の担持用として好適な測定試薬用担体粒子及びそれを用いてなる測定試薬に関
する。
)させて免疫血清学的凝集反応又は凝集反応を行い、対応する抗体又は抗原等の存在を検
査する免疫血清学的検査は、簡便かつ鋭敏な方法であるので、広く利用されている。
C反応性タンパク質を検出するCRPテストや、B型肝炎表面抗原(HBs抗原)、抗H
Bs抗体、β2ミクログロブリン抗体、マイコプラズマ抗原、核酸、核タンパク質、エス
トロゲン、抗エストロゲン抗体等を検出するための多くの検査試薬が開発されている。
用いられている。免疫血清学的検査試薬用の担体として用いられるポリスチレンラテック
ス粒子は、一般に粒径が0.05〜1μmであり、粒径分布が狭く粒径の揃ったものが好
ましい。このようなラテックス粒子は、公知の乳化重合の方法を用いて製造することがで
きる(特許文献1、特許文献2参照)。
免疫血清学的検査試薬用の担体として用いられる重合体粒子に要求される性能としては、
抗原又は抗体等を重合体粒子に感作した状態のラテックス(以下、感作ラテックスという
)中での重合体粒子のコロイド化学的安定性と免疫血清学的凝集反応性とが挙げられる。
下し(感度の低下)、逆に免疫血清学的凝集反応性を高めるためにコロイド化学的安定性
を低下させると、非特異的に凝集し実用に共し得なくなる。
満足させる重合体粒子を得ることは従来極めて困難であった。特に近年、免疫血清学的検
査の分野において、抗原又は抗体等の微量物質を定性的だけでなく定量的に測定すること
が重要な課題となっている。
中の重合体粒子の凝集状態を肉眼で観察することによって、被測定物質を定量的に検出し
ていたが、最近では、凝集反応の肉眼観察の代わりに、例えば、分光光度計、濁度計、光
錯乱測定装置等の光学的装置を用いて被測定物質を定量的に検出しようとする試みが多く
なされている。このような方法としては、例えば、感作ラテックスが凝集する現象を利用
して上澄液の濁度の減少率を測定する方法、感作ラテックス中の重合体粒子の凝集による
吸光度や散乱光の変化を測定する方法等が知られている(非特許文献1、特許文献3、特
許文献4)。
150、7170、LPIA−A700、S500他多数の自動分析機が市販されている
。これらの分析機は感作ラテックスの免疫血清学的凝集反応による反応系の吸光強度、散
乱光強度等の光学的特性の変化を測定することによって被測定物質を定量的に検出しよう
とするものであり、それらに適した担体粒子としては特許文献5、特許文献6に記載の技
術に基づき製造されたポリスチレン粒子が汎用されている。
産が大きな社会問題として取り上げられ新聞等をにぎわしており、医療現場では治療から
予防への転換がなされている。
また、医療現場においては、上記の各種検査後の血液等の医療廃棄物問題がにわかにクロ
ーズアップされ医療保険同様に社会問題化している。このため、RF、CRP、ASO等
の一般検査項目については勿論のこと、癌マーカー、梅毒、肝炎、エイズ等の感染ウイル
スに関連する項目についても、今まで以上に低濃度域で再現性良く検出できる測定試薬が
求められている。これらの検査に用いられる自動分析機では、めざましい技術革新により
、少量検体、少量試薬使用が可能となり、上記問題が改善されつつあるが、これら自動分
析機に搭載し使用される測定試薬に用いられる不溶性担体粒子には満足しうるものが未だ
開発されていない。
としては、これまでに、特許文献7に記載のような、平均粒径の異なる2種類又は3種類
以上のラテックスにそれぞれ抗体又は抗原を感作し、一定の比率で混合して用いるという
方法が開示されているが、この技術によれば、小粒径ラテックスに起因する測定範囲の広
さと、大粒径ラテックスに起因する低濃度領域での高感度という2つの性質をもった試薬
を提供できると言うメリットがあり、現在多くの試薬に適用されている。
しかし、試薬調製時に、特許文献7に記載されている粒径及びCV値と同じ値になるよう
に定められた試薬プロトコールに従い製造しても、現行試薬と比較し乖離幅の大きい試薬
、又は、全く異なる試薬性能しか得られないことがある。
れている。
(イ)特許文献5
特許文献5には、スチレンとスチレンスルホン酸塩とを乳化剤の不存在下で過硫酸塩を開
始剤として共重合させ、このラテックスをアルカリ性の条件下で加熱処理することを特徴
とするラテックスの製造方法が記載されている。
特許文献8には、少なくとも2つの異なった量の同一抗原又は抗体を負荷された二種の異
なった粒径のラテックス粒子を含有する、抗体及び抗原の検出及び測定のためのラテック
ス試薬が開示されている。
特許文献7には、平均粒径の異なる2種類以上のラテックスに抗体若しくは抗原を感作し
て混合した懸濁液、又は、平均粒径の異なる2種類以上のラテックスを混合した後、抗体
又は抗原を感作した懸濁液と、感作した抗体に対する抗原若しくは感作した抗原に対する
抗体とを水溶媒中で反応させ、特定波長の光を照射してその吸光度変化又は散乱光の強度
を測定する様にして、広い濃度範囲にわたって抗原抗体反応の測定を可能にする技術が開
示されている。
特許文献9には、免疫学的反応により測定しようとする成分の量に応じて、該測定しよう
とする成分と反応する成分を不溶化した粒子径が0.1μm以下の担体粒子と、該測定し
ようとする成分と反応する成分、該反応する成分を不溶化した粒子径が0.1μmよりも
大きい担体粒子の少なくとも一種とを組み合わせ、測定しようとする成分を含む検体と反
応させる技術が開示されている。
得られにくいという問題点がある。スチレンモノマーに対する触媒量を(イ)の技術より
増量すれば均一な粒子からなるラテックスの製造も可能ではあるが、得られたラテックス
を試薬化した場合感度が低く、また、非特異的凝集反応をおこす確率が高く、充分な安定
性が得られにくい。
後に混合することにより、広い濃度範囲にわたる抗原抗体反応の測定が可能となるが、粒
子表面の荷電量については全く検討されていない。
、高い測定感度及び高い測定精度で抗原抗体反応を測定することが可能であるとともに、
長期安定性にも優れる測定試薬用担体粒子及び測定試薬を提供することを目的とする。
子表面の荷電量を調節することにより試薬特性が大幅に改善されることを突き止め、本発
明を完成するに至った。
即ち、本発明は、フェニル基を有する重合性単量体及びフェニル基とスルホン酸リチウム
塩とを有する重合性単量体を共重合して得られる担体粒子からなる測定試薬用担体粒子で
あって、サイクリックボルタンメトリ測定による粒子表面のスルホン酸リチウム荷電量が
異なる2種類以上の担体粒子からなる測定試薬用担体粒子である。
以下に本発明を詳述する。
及び、フェニル基とスルホン酸リチウム塩とを有する重合性単量体を共重合して得られる
ものである。
上記フェニル基を有する重合性単量体としては特に限定されず、例えば、スチレン、ジビ
ニルベンゼン、エチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロ
スチレン、クロロメチルスチレン等が挙げられる。中でも、スチレンが好ましく用いられ
る。これらのフェニル基を有する重合性単量体は単独で用いられてもよく、2種以上が併
用されてもよい。
粒子表面にスルホン酸リチウム塩基を含有せしめることができる単量体であれば特に限定
されず、例えば、スチレンスルホン酸リチウム塩、ジビニルベンゼンスルホンリチウム酸
塩、エチルスチレンスルホン酸リチウム塩、α−メチルスチレンスルホン酸リチウム塩等
が挙げられる。中でも、スチレンスルホン酸リチウム塩が好ましく用いられる。これらの
フェニル基とスルホン酸リチウム塩とを有する重合性単量体は単独で用いられてもよく、
2種以上が併用されてもよい。
を有する重合性単量体100重量部に対して、好ましくは、下限が0.0001重量部、
上限が10重量部である。0.0001重量部未満であると、スチレンスルホン酸リチウ
ム塩を有する重合性単量体の添加効果が認められ難くなり、10重量部を超えると、得ら
れた担体粒子の凝集反応性が低下し感度が鈍くなる場合がある。より好ましくは、下限が
0.0001重量部、上限が4重量部であり、更に好ましくは、下限が0.0001重量部
、上限が2重量部であり、特に好ましくは、下限が0.001重量部、上限が1.5重量
部である。
よる粒子表面のスルホン酸リチウム荷電量が異なる2種類以上の担体粒子からなる。本発
明において、担体粒子のサイクリックボルタンメトリ測定による粒子表面のスルホン酸リ
チウム荷電量は、以下のようにして測定する。即ち、透析セルロースチューブ膜に濾過処
理後ラテックスを注入後、自動注廃水及び攪拌機能付ガラス円筒管透析装置(積水化学工
業社製)を用い、7日間連続処理したラテックスを10%に調整後5mL採取し、蒸留水
にて2〜10%濃度に希釈した試料を用い、W(作用電極、特殊カーボン電極)で、Re
f(Ag・AgCl)電極、C(対極電極、Pt)を用い、−1〜1Vまでサイクリック
ボルタンメトリ(CV)を測定する。
のスルホン酸リチウム荷電量が、下限が−10μA、上限が−40μAであることが好ま
しい。−10μA未満であると、非特異的な凝集を起こしやすく、−40μAを超えると
、凝集反応性が低下し感度が鈍くなることがある。
上記担体粒子を製造するにあたり、上記フェニル基を有する重合性単量体、及び、上記フ
ェニル基とスルホン酸リチウム塩とを有する重合性単量体を、乳化剤の不存在下で共重合
することにより、上記担体粒子表面のスルホン酸リチウム荷電量を−10〜−40μAと
することができる。
であって、同一の平均粒径を有するものであることが好ましい。平均粒径が0.01μm
未満であると、凝集による光学的変化量が小さすぎて、測定に必要な感度が得られなかっ
たり、又は、試薬調製時の遠心分離工程に多くの時間がかかりすぎて効率が悪く試薬コス
トが高くなってしまう。また、平均粒径が1.5μmを超えると、被測定物質の濃度が高
いときに、担体粒子の凝集による光学的変化量が測定可能領域を超えてしまい、高濃度領
域では被測定物質の量に応じた光学的変化量が得られず、定量的な測定ができなくなって
しまう。上記担体粒子の好適な平均粒径は該粒子が使用される測定方法、測定機器によっ
て異なるが、より好ましくは、下限が0.01μm、上限が1μmであり、更に好ましく
は、下限が0.05μm、上限が0.8μmである。
適な粒径分布は、該粒子が使用される測定方法、測定機器によって異なるが、粒径分布が
狭く粒子径が揃っていることが好ましい。粒径が揃っていないと試薬製造時のロット再現
性が悪く、これらを試薬に用いた場合、測定結果の再現性が低下するため好ましくない。
上記担体粒子の粒径分布は、下記式で定義される担体粒子の変動係数(Cv値)が10%
以下であることが好ましく、より好ましくは5%以下であり、特に好ましくは3%以下で
ある。
変動係数(Cv値)=(粒子径の標準偏差/平均粒径)×100
ン酸リチウム荷電量が−10〜−25μAである担体粒子(A)、及び、サイクリックボ
ルタンメトリ測定による粒子表面のスルホン酸リチウム荷電量が−30〜−40μAであ
る担体粒子(B)であることが好ましい。
ぼすことを見出し、担体粒子の表面荷電量を特定の範囲に限定した。
上記担体粒子(A)のサイクリックボルタンメトリ測定による粒子表面のスルホン酸リチ
ウム荷電量が−10μA未満であると、調製された測定試薬が非特異的凝集を起こし易く
なり、逆に−25μAを超えると、担体粒子及び得られる測定試薬の長期安定性が不充分
となる。
ウム荷電量が−30μA未満であると、得られた測定試薬の免疫血清学的凝集反応性が、
特に高濃度領域において低下して、測定感度や測定精度が不充分となり、逆に−45μA
を超えると、得られた測定試薬の免疫血清学的凝集反応性が、低濃度領域から高濃度領域
にいたる全ての濃度範囲において低下して、測定感度や測定精度が不充分となる。
の重量比で、担体粒子(A)/担体粒子(B)=1/10〜10/1であることが好まし
い。上記範囲外であると、低濃度領域から高濃度領域にいたる幅広い濃度範囲において、
特に高濃度領域において、高い測定感度及び高い測定精度で抗原抗体反応を測定すること
が不可能となる。
上記フェニル基を有する重合性単量体、及び、上記フェニル基とスルホン酸リチウム塩と
を有する重合性単量体を加え、重合開始剤を添加し、窒素雰囲気下で攪拌しながら加熱し
て共重合を行う方法等が挙げられる。この製造方法における重合反応温度は、下限が50
℃、上限が100℃であり、好ましくは、下限が60℃、上限が85℃である。また、重
合反応に要する時間は、重合性単量体組成、重合性単量体濃度、重合開始剤等により変わ
るが、通常5〜50時間である。
は、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等が好適に用いられる。上
記重合開始剤の添加量としては、重合性単量体100重量部に対して、下限が0.01重
量部、上限が1重量部であることが好ましい。0.01重量部未満であると、重合がスム
ースに進行しない場合があり、1重量部を超えると、重合時にエマルションがクリーム状
化したり、得られた担体粒子を試薬として使用する際に、抗原・抗体が吸着し難くなり非
特異凝集を起こし易く、凝集反応性が低下し感度が鈍くなることがある。
在(非共存)下で行ってもよい。
上記乳化剤としては特に限定されず、例えば、エーテル型、エーテルエステル型、エステ
ル型、含窒素型等のノニオン性(非イオン性)界面活性剤;カルボン酸塩、スルホン酸塩
、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩等のアニオン性(陰イオン性)界面活性剤、脂肪族
4級アンモニウム塩等のカチオン性(陽イオン性)界面活性剤;ベタイン型、アミノカル
ボン酸塩型等の両面界面活性剤等が挙げられる。これらの乳化剤は、単独で用いられても
よく、2種以上が併用されてもよい。
上記乳化剤を用いた場合には、重合後の後処理工程において、例えば、重合後に透析等を
行うことにより乳化剤を除去することが好ましい。
トリ測定による粒子表面のスルホン酸リチウム荷電量が、担体粒子(A)では−10〜−
25μAとなり、上記担体粒子(B)では−30〜−40μAとなる量であるのが好まし
く、具体的には、フェニル基を有する重合性単量体に対して、1重量%以下であることが
好ましく、より好ましくは0.5重量%以下であり、更に好ましくは、下限が0.01重
量%、上限が0.02重量%である。
、乳化剤の非存在(非共存)下で行ってもよいが、得られる担体粒子の耐湿性や耐水性が
より優れたものとなることから、乳化剤の非存在下で共重合反応を行うことが好ましい。
換言すれば、上記担体粒子は、実質的に乳化剤を含有していないことが好ましい。
物質を担持させることにより測定試薬を得ることができる。このような測定試薬もまた、
本発明の1つである。
阻止反応を利用する免疫血清学的検査試薬や生化学測定法において、通常使用される生理
活性物質であれば特に限定されないが、なかでも、抗原又は抗体として機能するものが好
ましく用いられる。
質、エストロゲン脂質等が挙げられる。
上記抗原としては、例えば、各種抗原、レセプター、酵素等が挙げられ、より具体的には
、β2マイクログロブリン、C反応性タンパク質(CRP)、ヒトフィブリノーゲン、フ
ェリチン、リウマチ因子(RA)、α−フェトプロテイン(AFP)、マイコプラズマ抗
原、HBs抗原等が例示される。
には、抗ストレプトリジンO抗体、抗エストロゲン抗体、β2マイクログロブリン抗体、
梅毒トレポネーマ抗体、梅毒脂質抗原に対する抗体、HBs抗体、HBc抗体、HBe抗
体等が例示される。また、上記抗体としては、免疫グロブリン分子自体の他、例えば、F
(ab’)2のような免疫グロブリン分子の断片であってもよい。
されない。
本発明の測定試薬用担体粒子に、被測定物質と特異的に結合する物質を担持する方法とし
ては特に制限されず、従来公知の方法により、物理的及び/又は化学的結合により担持さ
せればよい。
H5.0〜9.0の緩衝液であれば特に限定されないが、例えば、リン酸緩衝液、グリシ
ン緩衝液、トリス緩衝液、ホウ酸緩衝液、クエン酸緩衝液等が挙げられる。
るため、又は、試薬の安定性を高めるために、アルブミン(牛血清アルブミン、卵性アル
ブミン)、カゼイン、ゼラチン等のタンパク質、タンパク質分解物、アミノ酸、界面活性
剤等を含有してもよい。
質との反応により生じる凝集の度合いを光学的に測定することにより、検体中の被測定物
質の反応量を測定することができる。
集の形成を濁度の増加としてとらえる比濁法、凝集の形成を粒度分布又は平均粒径の変化
としてとらえる方法、凝集の形成による前方散乱光の変化を積分球を用いて測定し透過光
強度との比を比較する積分球濁度法等が挙げられる。上記の測定法においては、異なる時
点で少なくとも2つの測定値を得、これらの時点間における測定値の増加分、すなわち増
加速度に基づき凝集の程度を求める速度試験(レートアッセイ)、及び、通常は反応の終
点と考えられるある時点で1つの測定値を得、この測定値に基づき凝集の程度を求める終
点試験(エンドポイントアッセイ)を利用できるが、測定の簡便性、迅速性の点から比濁
法による速度試験を行うことが好ましい。
できる光学機器が挙げられ、一般的に使用されている生化学自動分析機であればいずれの
ものであっても使用することができる。
度領域において、高い測定感度及び高い測定精度で抗原抗体反応を測定することが可能で
あり、且つ、長期安定性にも優れる測定試薬用担体粒子及び測定試薬を得ることができる
。
されるものではない。
攪拌機、冷却コイル、温度検出器、ジャケット等を装備したガラス反応器(容量2L)に
、表1に記載した組成で水、スチレン及びスチレンスルホン酸リチウム塩を仕込み、窒素
置換したのち、攪拌しながら反応温度を71〜73℃に制御して48時間共重合反応を行
なった。重合開始剤としては過硫酸カリウムを用い、過硫酸カリウム0.5gを蒸留水1
0gに溶解し水溶液として使用した。得られたラテックスを取り出し、ペーパー濾紙にて
濾過した。濾過処理後、得られた担体粒子の平均粒径、粒径分布、及び、サイクリックボ
ルタンメトリ測定による担体粒子表面のスルホン酸リチウム荷電量を測定した。なお、担
体粒子の平均粒径は、透過型電子顕微鏡にて担体粒子を撮影し、直接続された画像解析装
置により測定した。
析セルロースチューブ膜に濾過処理後ラテックスを注入後、自動注廃水及び攪拌機能付ガ
ラス円筒管透析装置(積水化学工業社製)を用い、7日間連続処理したラテックスを10
%に調整後5mL採取し、蒸留水にて2〜10%濃度に希釈調整した試料を用い、W(作
用電極、特殊カーボン電極)で、Ref(Ag・AgCl)電極、C(対極電極、Pt)
を用い、−1〜1Vまでサイクリックボルタンメトリ(CV)の測定を行った。
結果を表1及び2に示した。
試料1の担体粒子を固形分濃度が10%濃度となるようにグリシン緩衝液に分散させたも
のを、8mLガラス管に250μL注入し、次いで、抗ヒトCRP山羊血清(DAKO社
製、タンパク質濃度18mg/mL;以下、抗体溶液という)170μLを添加し、37
℃で1時間攪拌し、担体粒子に抗ヒトCRP山羊抗体を吸着させた後、BSA(牛血清ア
ルブミン)を1%含むグリシン緩衝液(pH8.5)2080μLを加え、37℃にて6
0分攪拌してブロッキング処理を行った。次にブロッキング処理品を、8mL遠心管に分
取し、15000rpmで50分間遠心分離処理した後、上清を廃棄し、BSA含有グリ
シン緩衝液(pH8.5)に再分散させて、余剰抗体を除去するための洗浄処理を2回繰
り返し行なった後、BSA含有グリシン緩衝液(pH8.5)を2.5mL添加し、超音
波処理した後、更にBSA含有グリシン緩衝液(pH8.5)を追加し、最終液量を5m
Lにし、測定試薬とした。
積当たりの抗体感作量が試料1と同じになるようBSA含有グリシン緩衝液(pH8.5
)を調整したこと、並びに、試料2及び比較試料1の担体粒子に対する遠心処理条件を1
5000rpmで45分間とし、試料3、4及び比較試料2の担体粒子に対する遠心処理
条件を15000rpmで30分間としたこと以外は、試料1の担体粒子を用いた場合と
同様にして調製した。
上記の方法にて調製した各測定試薬を用いて以下の測定条件にて、CRP濃度0.08〜
20mg/dLの検体測定時の吸光度変化量を測定した。
測定機種:日立7150形自動分析装置
検体:3μL
希釈液:270μL(1%BSA含有グリシン緩衝液(pH8.5))
測定試薬:90μL
測定波長:800nm
測光ポイント:2ポイント30−50p
測定結果を、図1及び2に示した。
各試料及び比較試料の担体粒子を1:10又は0.5:10で混合した試薬を用い、各試
料及び比較試料の担体粒子(単品)と同様にして、CRP濃度0.08〜20mg/dL
の検体測定時の吸光度変化量を測定した。
測定結果を、図3〜5に示した。
において、特に高濃度領域において、高い測定感度及び高い測定精度で抗原抗体反応を測
定することが可能であるとともに、長期安定性にも優れる測定試薬用担体粒子及び測定試
薬を提供することができる。
Claims (6)
- フェニル基を有する重合性単量体及びフェニル基とスルホン酸リチウム塩とを有する重合
性単量体を共重合して得られる担体粒子からなる測定試薬用担体粒子であって、
サイクリックボルタンメトリ測定による粒子表面のスルホン酸リチウム荷電量が異なる2
種類以上の担体粒子からなることを特徴とする測定試薬用担体粒子。 - 2種類以上の担体粒子は、サイクリックボルタンメトリ測定による粒子表面のスルホン酸
リチウム荷電量が−10〜−40μAであって互いに異なる荷電量を有し、かつ、平均粒
径が0.01〜1.5μmであって同一の平均粒径を有することを特徴とする請求項1記
載の測定試薬用担体粒子。 - 2種類以上の担体粒子は、サイクリックボルタンメトリ測定による粒子表面のスルホン酸
リチウム荷電量が−10μA〜−25μAである担体粒子(A)、及び、サイクリックボ
ルタンメトリ測定による粒子表面のスルホン酸リチウム荷電量が−30μA〜−40μA
である担体粒子(B)であることを特徴とする請求項1又は2記載の測定試薬用担体粒子
。 - 担体粒子(A)及び担体粒子(B)の混合比は、固形分換算の重量比で、担体粒子(A)
/担体粒子(B)=1/10〜10/1であることを特徴とする請求項3記載の測定試薬
用担体粒子。 - 担体粒子は、フェニル基を有する重合性単量体及びフェニル基とスルホン酸リチウム塩と
を有する重合性単量体を、乳化剤の不存在下で共重合して得られることを特徴とする請求
項1、2、3又は4記載の測定試薬用担体粒子。 - 請求項1、2、3、4又は5記載の測定試薬担体粒子に、被測定物質と特異的に結合する
物質を担持させてなることを特徴とする測定試薬。
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