JP2005299830A - トルクコンバータ - Google Patents

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    • F16H41/00Rotary fluid gearing of the hydrokinetic type
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Abstract

【課題】トルクコンバータにおいて,ポンプハブ及びタービンハブの間隔を狭めて,軸方向寸法の短縮化を可能にする。
【解決手段】ステータハブ4hと,ステータ軸12との間にフリーホイール11を配設したトルクコンバータTにおいて,フリーホイール11のアウタレース15を,その軸方向両端面が露出するようにステータハブ4hに固着し,このアウタレース15と,ポンプハブ2h及びタービンハブ3h間に一対のスラストニードルベアリング34,34′を,それぞれのニードルローラ34a群がアウタレース15の両端面に接するように介装し,これらスラストニードルベアリング34,34′の内周側に,ポンプハブ2h及びタービンハブ3hにそれぞれ当接してケージ18の軸方向移動を規制する一対の端板35,35′を配設した。
【選択図】 図2

Description

本発明は,車両や産業機械に使用されるトルクコンバータに関し,特に,入力軸に結合されるポンプ羽根車と,このポンプ羽根車に対置されて出力軸が結合されるタービン羽根車と,それらポンプ羽根車及びタービン羽根車の内周部間に配置されるステータ羽根車とを備え,このステータ羽根車のハブ(以下,ステータハブという。)と,その中心部に配置されるステータ軸との間に介装されるフリーホイールが,ステータハブに結合されるアウタレース,ステータ軸に結合されるインナレース,その両レース間に介装される環状配列の一方向クラッチ素子群及び,この一方向クラッチ素子群を保持するケージより構成され,ポンプ羽根車のハブ(以下,ポンプハブという。)とタービン羽根車のハブ(以下,タービンハブという。)との間で一対のスラストニードルベアリングを介してステータ羽根車の軸方向移動を規制するようにしたトルクコンバータの改良に関する。
かゝるトルクコンバータは,例えば特開2003−343690号公報に開示されているように,既に知られている。
従来のかゝるトルクコンバータでは,フリーホイールのアウタレース及びケージの一端を支承する端壁をステータハブに一体に形成する一方,ステータハブ内には,アウタレースの外端面に当接すると共に,ケージの他端部を外側方から押さえるべくアウタレースの内周面に嵌合する端板を配設し,前記端壁とポンプハブとの間,並びに前記端板とステータハブとの間に前記一対のスラストニードルベアリングを介装している。したがって,前記一対のスラストニードルベアリングは,フリーホイールのアウタレース及びケージを軸方向で保持する,ステータハブの端壁及び端板の両外側に配置されることになるから,これらスラストニードルベアリングの両外側に配置されるポンプハブ及びタービンハブの間隔が広がってしまい,これがトルクコンバータ全体の軸方向寸法の短縮化の障害となっている。
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,ポンプハブ及びタービンハブの間隔を狭めることができて,軸方向寸法の短縮化を可能にした前記トルクコンバータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために,本発明は,入力軸に結合されるポンプ羽根車と,このポンプ羽根車に対置されて出力軸が結合されるタービン羽根車と,それらポンプ羽根車及びタービン羽根車の内周部間に配置されるステータ羽根車とを備え,このステータ羽根車のハブ(以下,ステータハブという。)と,その中心部に配置されるステータ軸との間に介装されるフリーホイールが,ステータハブに結合されるアウタレース,ステータ軸に結合されるインナレース,その両レース間に介装される環状配列の一方向クラッチ素子群及び,この一方向クラッチ素子群を保持するケージより構成され,ポンプ羽根車のハブ(以下,ポンプハブという。)とタービン羽根車のハブ(以下,タービンハブという。)との間で一対のスラストニードルベアリングを介してステータ羽根車の軸方向移動を規制するようにしたトルクコンバータにおいて,前記フリーホイールのアウタレースを,その軸方向両端面が露出するようにしてステータハブの内周に固着し,このアウタレースと,ポンプハブ及びタービンハブ間に前記一対のスラストニードルベアリングを,それぞれのニードルローラ群がアウタレースの両端面に接するように介装し,これらスラストニードルベアリングの内周側に,ポンプハブ及びタービンハブにそれぞれ当接して前記ケージの軸方向移動を規制する一対の端板を配設したことを第1の特徴とするトルクコンバータ。
尚,前記入力軸は,後述する本発明の実施例中のクランク軸に対応し,一方向クラッチ素子はスプラグ17に対応する。
また本発明は,第1の特徴に加えて,ステータハブの内周面に雌スプラインと,この雌スプラインの一端に隣接する環状の支持壁とを形成する一方,前記アウタレースには,前記環状の支持壁の内周面に嵌合する同心位置決め部と,前記雌スプラインに嵌合して前記支持壁の内端面に当接する雄スプラインとを形成し,前記支持壁と協働して前記雄スプラインの軸方向移動を規制する係止部材をステータハブに設けたことを第2の特徴とする。
さらに本発明は,第1又は第2の特徴に加えて,前記各端板には,それのポンプハブ又はタービンハブに支承される外端面で半径方向に延びる複数のオイル溝を設けたことを第3の特徴とする。
さらにまた本発明は,第3の特徴に加えて,前記各端板には,前記オイル溝を前記アウタレース内に連通する複数のオイル孔とを設けたことを第4の特徴とする。
本発明の第1の特徴によれば,各一対のスラストニードルベアリング及び端板が,互いに半径方向に同心配置されることになり,ポンプハブ及びタービンハブの間隔を充分に狭めて,トルクコンバータ全体の軸方向寸法の短縮化を図ることができる。
また本発明の第2の特徴によれば,アウタレースのステータハブに対する同心精度を確保しつゝ,両者の結合を簡単,確実に行うことができ,組立性が良好であり,しかもアウタレースの両端面を,前記スラストニードルベアリングに支承させるべく露出させることができる。
さらに本発明の第3の特徴によれば,作動オイルがオイル溝及びスラストニードルベアリングを通してトルクコンバータの循環回路に出入りすることになり,スラストニードルベアリングのみならず,端板とポンプハブ及びタービンハブとの各当接面をも良好に潤滑することができる。
さらにまた本発明の第4の特徴によれば,オイル溝を通る作動オイルの一部がオイル孔からアウタレース内に流入して,プラグ17,17…群などフリーホイール11内部を確実に潤滑することができる。
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の実施例に基づいて以下に説明する。
図1は本発明の第1実施例に係るトルクコンバータの縦断側面図,図2は図1の2部拡大図,図3は図2の3−3線断面図,図4は図2におけるフリーホイールの端板の外側端面図,図5は本発明の第2実施例を示す,図2との対応図である。
先ず,本発明の第1実施例の説明より始める。図1において,トルクコンバータTは,ポンプ羽根車2と,それと対置されるタービン羽根車3と,それらの内周部間に配置されるステータ羽根車4とを備え,これら羽根車2,3,4間には作動オイルによる動力伝達のための循環回路6が画成される。
ポンプ羽根車2には,タービン羽根車3の外側面を覆うサイドカバー5が溶接により一体的に連設される。サイドカバー5の外周面には,始動用のリングギヤ7が嵌合して溶接されており,このリングギヤ7に,クランク軸1に結合した駆動板8がボルト9で固着される。タービン羽根車3のハブ3h(以下,タービンハブ3hという。)とサイドカバー5との間にスラストニードルベアリング26が介裝される。
トルクコンバータTの中心部にクランク軸1と同軸上に並ぶ出力軸10が配置され,この出力軸10は,タービンハブ3hにスプライン嵌合されると共に,サイドカバー5中心部の支持筒5aに軸受ブッシュ23を介して回転自在に支承される。出力軸10は図示しない多段変速機の主軸となる。
出力軸10の外周には,ステータ羽根車4のハブ4h(以下,ステータハブ4hという。)をフリーホイール11を介して支承する中空円筒状のステータ軸12が配置され,これら出力軸10及びステータ軸12間には,それらの相対回転を許容するラジアルニードルベアリング13が介裝される。ステータ軸12の外端部はミッションケース14に回転不能に支持される。
図2及び図3に明示するように,フリーホイール11は,ステータハブ4hの内周面に圧入により結合されるアウタレース15と,ステータ軸12の外周にスプライン結合されるインナレース16と,これらレース15,16間に介裝される環状配列のスプラグ17,17…群と,このスプラグ17,17…群を保持する環状配列の保持窓18c,18c…群を有する環状のケージ18とからなっている。
ステータ羽根車4は,Al合金等の軽合金製であり,そのステータハブ4hの内周面に鋼鉄製のアウタレース15が次のように取り付けられる。
即ち,ステータハブ4hの内周には雌スプライン27と,この雌スプライン27の一端に隣接する環状の支持壁28とが形成される。また,アウタレース15には,前記環状の支持壁28の内周面に嵌合する同心位置決め部29と,前記雌スプライン27に嵌合して前記支持壁28の内端面に当接する雄スプライン30とが形成され,支持壁28と協働して雄スプライン30を軸方向に挟持するサークリップ32がステータハブ4hに係止される。こうして,ステータハブ4hの内周に取り付けられたアウタレース15は,軸方向両端面を露出させている。
一方,インナレース16の軸方向両端部には,スプラグ17,17…群との接触部より小径の支持部16a,16aが形成され,これら支持部16a,16aには,前記ケージ18を挟んでその軸方向移動を規制する一対の環状の端板35,35′がそれぞれ回転可能に嵌合され,またこれら端板35,35′の外周には,一対のスラストニードルベアリング34,34′が配設される。一側のスラストニードルベアリング34及び端板35には,ポンプ羽根車2のハブ2h(以下,ポンプハブ2hという。)の内端面が,また他側のスラストニードルベアリング34′及び端板35′にはタービンハブ3hの内端面がそれぞれ対向配置され,これによってポンプハブ2h及びタービンハブ3hは,ステータハブ4hと固着したアウタレース15を一対のスラストニードルベアリング34,34′を介して軸方向に支承すると共に,一対の端板35,35′の軸方向移動を規制する。
上記スラストニードルベアリング34,34′は,何れも放射状配列のニードルローラ34a,34a…群と,これらニードルローラ35a,35a…群を保持するニードルケージ34aと,このニードルケージ34aの内周面に嵌合してニードルローラ34a,34a…群の外側面に接する硬質のスラスト板34cとからなっており,ニードルローラ34a,34a…群は,アウタレース15の対応する端面に転動可能に接し,スラスト板34cは,対応するポンプハブ2h又はタービンハブ3hの内端面に当接して軸方向移動が規制されるようになっている。而して,両スラストニードルベアリング34,34′は,ポンプハブ2h及びタービンハブ3h間でアウタレース15を軸方向定位置に保持し,また両端板35,35′は,ポンプハブ2h及びタービンハブ3h間でインナレース16及びケージ18を軸方向定位置に保持する。
図2及び図4に示すように,各端板35,35′の,ポンプハブ2h又はタービンハブ3hとの対向面には,放射状配置の複数のオイル溝36,36…が形成され,またこれらオイル溝36,36…をアウタレース15内に連通する複数のオイル孔37,37…が各端板35,35′に穿設される。
再び図1において,ステータ軸12の外周には,ポンプ羽根車2に結合した補機駆動軸20が相対回転可能に配置され,この補機駆動軸20によって,トルクコンバータTに作動オイルを供給するオイルポンプ21が駆動されるようになっている。
タービン羽根車3及びサイドカバー5には,前記循環回路6と外周部で連通するクラッチ室22画成され,このクラッチ室22には,タービン羽根車3及びサイドカバー5間を直結し得るロックアップクラッチLが設けられる。即ち,ロックアップクラッチLの主体をなすクラッチピストン25が,クラッチ室22をタービン羽根車3側の内側室22aとサイドカバー5側の外側室22bとに区画するようにクラッチ室22に配置される。クラッチピストン25は,その一端面に備えた摩擦ライニング25aをサイドカバー5内側壁に圧接させる接続位置と,その内壁から離間する非接続位置との間を軸方向に移動し得るように,タービンハブ3hの外周面に摺動可能に支承される。
またクラッチ室22には,クラッチピストン25及びタービン羽根車3間を緩衝的に連結する公知のトルクダンパDが配設される。
出力軸10の中心部には,横孔24及びスラストニードルベアリング26を介してクラッチ室22の外側室22bに連通する第1油路40が設けられる。また補機駆動軸20とステータ軸12との間には,前記オイル溝36,36…及びオイル孔37,37…を介して循環回路6の内周部に連通する第2油路41が画成され,これら第1油路40及び第2油路41は,ロックアップ制御弁42により,オイルポンプ21の吐出側とオイル溜め43とに交互に接続されるようになっている。
次に,この実施例の作用について説明する。
エンジンのアイドリングないし極低速運転域では,ロックアップ制御弁42は,図1に示すように,第1油路40をオイルポンプ21の吐出側に接続する一方,第2油路41をオイル溜め43に接続するように,図示しない電子制御ユニットにより制御される。したがって,エンジンのクランク軸1の出力トルクが駆動板8,サイドカバー5,ポンプ羽根車2へと伝達して,それを回転駆動し,更にオイルポンプ21をも駆動すると,オイルポンプ21の吐出作動オイルがロックアップ制御弁42から第1油路40,横孔24及びスラストニードルベアリング26,クラッチ室22の外側室22b,内側室22aを順次経て循環回路6に流入し,該回路6を満たした後,スラストニードルベアリング34,34′及びオイル溝36,36…を経て第2油路41に移り,ロックアップ制御弁42からオイル溜め43に還流する。
その間,スラストニードルベアリング34,34′は,それらを通過する作動オイルによって潤滑され,またオイル溝36,36…を通過する作動オイルによって端板35,35′とポンプハブ2h及びタービンハブ3hとの当接面が潤滑され,さらにオイル溝36,36…を通過する作動オイルの一部がオイル孔37,37…を通してアウタレース15内に流入することにより,プラグ17,17…群などフリーホイール11内部が潤滑される。
而して,クラッチ室22では,上記のような作動オイルの流れにより外側室22bの方が内側室22aよりも高圧となり,その圧力差によりクラッチピストン25がサイドカバー5の内壁から引き離される方向へ押圧されるので,ロックアップクラッチLは非接続状態となっており,ポンプ羽根車2及びタービン羽根車3の相対回転を許容している。したがって,クランク軸1からポンプ羽根車2が回転駆動されると,循環回路5を満たしている作動オイルが矢印のように循環回路5を循環することにより,ポンプ羽根車3の回転トルクをタービン羽根車4に伝達し,出力軸10を駆動する。
このとき,ポンプ羽根車2及びタービン羽根車3間でトルクの増幅作用が生じていれば,それに伴う反力がステータ羽根車4に負担され,ステータ羽根車4は,フリーホイール11のロック作用により,即ちスプラグ17,17…群がアウタレース15及びインナレース16の相対回転を阻止するように両レース15,16間にロックされることにより,ステータ軸12に連結,固定される。
トルク増幅作用を終えると,ステータ羽根車4は,これが受けるトルク方向の反転により,フリーホイール11が空転すること,即ちスプラグ17,17…群が両レース15,16の相対回転を許容することでポンプ羽根車2及びタービン羽根車3と共に同一方向へ回転するようになる。
トルクコンバータTがこのようなカップリング状態となったところで,電子制御ユニットによりロックアップ制御弁42を切換える。その結果,オイルポンプ21の吐出作動オイルは,先刻とは反対に,ロックアップ制御弁42から第2油路41を経て循環回路6に流入して,該回路6を満たした後,クラッチ室22の内側室22aに移って,該内側室22aをも満たす。一方,クラッチ室22の外側室22bは,第1油路40及びロックアップ制御弁42を介してオイル溜め43に開放されるので,クラッチ室22では,内側室22aの方が外側室22bよりも高圧となり,クラッチピストン25は,その圧力差によりサイドカバー5側に押圧され,摩擦ライニング25aをサイドカバー5の内側壁に圧接させ,ロックアップクラッチLは接続状態となる。すると,クランク軸1からポンプ羽根車2に伝達した回転トルクは,サイドカバー5からクラッチピストン25,トルクダンパDを介してタービン羽根車3に機械的に伝達することになるから,ポンプ羽根車2及びタービン羽根車4は直結の状態となり,クランク軸1の出力トルクを出力軸10に効率良く伝達することができ,燃費の低減を図ることができる。
ところで,このようなトルクコンバータTにおいて,フリーホイール11のアウタレース15を,その両端面が露出するようにしてタービンハブ3hに固着し,このアウタレース15と,ポンプハブ2h及びタービンハブ3h間に一対のスラストニードルベアリング34,34′を,それぞれのニードルローラ34a,34a…群がアウタレース15の両端面に接するように介装し,これらスラストニードルベアリング34,34′の内周側に,ポンプハブ2h及びタービンハブ3hにそれぞれ当接してフリーホイール11のケージ18の軸方向移動を規制する一対の端板35,35′を配設したので,各一対のスラストニードルベアリング34,34′及び端板35,35′は,互いに半径方向に同心配置されることになり,ポンプハブ2h及びタービンハブ3hの間隔を充分に狭めて,トルクコンバータT全体の軸方向寸法の短縮化を図ることができる。
またアウタレース15のステータハブ4hへの固着構造は,ステータハブ4hの内周面に雌スプライン27と,この雌スプライン27の一端に隣接する環状の支持壁28とを形成する一方,前記アウタレース15には,前記環状の支持壁28の内周面に嵌合する同心位置決め部29と,前記雌スプライン27に嵌合して前記支持壁28の内端面に当接する雄スプライン30とを形成し,前記支持壁28と協働して雄スプライン30を挟持するサークリップ32をステータハブ4hに係止して構成されるので,アウタレース15のステータハブ4hに対する同心精度を確保しつゝ,両者の結合を簡単,確実に行うことができ,組立性が良好であり,しかもアウタレース15の両端面を,前記スラストニードルベアリング34,34′に支承させるべく露出させることができる。
またアウタレース15と,ポンプハブ2h及びタービンハブ3hとの各間に介装される一対のスラストニードルベアリング34,34′の半径方向内側に,フリーホイール11の一対の端板35,35′を配設し,これら端板35,35′の,ポンプハブ2h及びタービンハブ3hとの対向面に放射状の複数のオイル溝36,36…を形成したことにより,作動オイルがオイル溝36,36…及びスラストニードルベアリング34,34′を通してトルクコンバータTの循環回路6に出入りすることになり,スラストニードルベアリング34,34′の良好な潤滑状態を得ることができる他,端板35,35′とポンプハブ2h及びタービンハブ3hとの当接面をも良好に潤滑することができる。
しかも端板35,35′には,上記オイル溝36,36…をアウタレース15内に連通する複数のオイル孔37,37…を設けたので,オイル溝36,36…を通る作動オイルの一部がオイル孔37,37…からアウタレース15内に流入して,プラグ17,17…群などフリーホイール11内部を確実に潤滑することができる。
次に,図5に示す本発明の第2実施例について説明する。
この第2実施例は,スラストニードルベアリング34,34′からスラスト板を取り去り,ニードルローラ34a,34a…群の外側面をもポンプハブ2h及びタービンハブ3hに直接接触させるようにしたものであり,その他の構成は,前実施例を同様の構成であるので,図中,前実施例と対応する部分については同一の符号を付して,その説明を省略する。
この第2実施例によれば,スラストニードルベアリング34,34′からスラスト板を取り去った分,ポンプハブ2h及びタービンハブ3hの間隔を狭めることができて,トルクコンバータTの軸方向寸法の更なる短縮化を図ることができる。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
本発明に係るトルクコンバータの縦断側面図 図1の2部拡大図 図2の3−3線断面図 図2におけるフリーホイールの端板の外側端面図。 本発明の第2実施例を示す,図2との対応図
符号の説明
T・・・・・・トルクコンバータ
1・・・・・・入力軸(エンジンのクランク軸)
2・・・・・・ポンプ羽根車
3・・・・・・タービン羽根車
4・・・・・・ステータ羽根車
10・・・・・出力軸
11・・・・・フリーホイール
12・・・・・ステータ軸
15・・・・・アウタレース
16・・・・・インナレース
17・・・・・一方向クラッチ素子(スプラグ)
18・・・・・ケージ
27・・・・・雌スプライン
28・・・・・支持壁
29・・・・・同心位置決め部
30・・・・・雄スプライン
32・・・・・係止部材(サークリップ)
34,34′・・・スラストニードルベアリング
35,35′・・・端板

Claims (4)

  1. 入力軸(1)に結合されるポンプ羽根車(2)と,このポンプ羽根車(2)に対置されて出力軸(10)が結合されるタービン羽根車(3)と,それらポンプ羽根車(2)及びタービン羽根車(3)の内周部間に配置されるステータ羽根車(4)とを備え,このステータ羽根車(4)のハブ(以下,ステータハブという。)(4h)と,その中心部に配置されるステータ軸(12)との間に介装されるフリーホイール(11)が,ステータハブ(4h)に結合されるアウタレース(15),ステータ軸(12)に結合されるインナレース(16),その両レース(15,16)間に介装される環状配列の一方向クラッチ素子(17,17…)群及び,この一方向クラッチ素子(17,17…)群を保持するケージ(18)より構成され,ポンプ羽根車(2)のハブ(以下,ポンプハブという。)とタービン羽根車(3)のハブ(以下,タービンハブという。)との間で一対のスラストニードルベアリング(34,34′)を介してステータ羽根車(4)の軸方向移動を規制するようにしたトルクコンバータにおいて,
    前記フリーホイール(11)のアウタレース(15)を,その軸方向両端面が露出するようにしてステータハブ(4h)の内周に固着し,このアウタレース(15)と,ポンプハブ(2h)及びタービンハブ(3h)間に前記一対のスラストニードルベアリング(34,34′)を,それぞれのニードルローラ(34a)群がアウタレース(15)の両端面に接するように介装し,これらスラストニードルベアリング(34,34′)の内周側に,ポンプハブ(2h)及びタービンハブ(3h)にそれぞれ当接して前記ケージ(18)の軸方向移動を規制する一対の端板(35,35′)を配設したことを特徴とするトルクコンバータ。
  2. 請求項1記載のトルクコンバータにおいて,
    ステータハブ(4h)の内周には,雌スプライン(27)と,この雌スプライン(27)の一端に隣接する環状の支持壁(28)とを形成する一方,前記アウタレース(15)には,前記環状の支持壁(28)の内周面に嵌合する同心位置決め部(29)と,前記雌スプライン(27)に嵌合して前記支持壁(28)の内端面に当接する雄スプライン(30)とを形成し,前記支持壁(28)と協働して前記前記雌スプライン(27)の軸方向移動を規制する係止部材(32)をステータハブ(4h)に設けたことを特徴とするトルクコンバータ。
  3. 請求項1又は2記載のトルクコンバータにおいて,
    前記各端板(35,35′)には,それのポンプハブ(2h)又はタービンハブ(3h)に支承される外端面で半径方向に延びる複数のオイル溝(36,36…)を設けたことを特徴とするトルクコンバータ。
  4. 請求項3記載のトルクコンバータにおいて,
    前記各端板(35,35′)には,前記オイル溝(36,36…)を前記アウタレース(15)内に連通する複数のオイル孔(37)とを設けたことを特徴とするトルクコンバータ。
JP2004118278A 2004-04-13 2004-04-13 トルクコンバータ Expired - Lifetime JP4537752B2 (ja)

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