JP2005299111A - 仮ストラットとその架設工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 長手方向に連設された少なくとも二つのストラット部材22b同士が折りたたみ自在に接続されてなる仮ストラットを、ストラット部材22bが折りたたまれた状態で柱部材5,5の間に吊り下ろした後、ストラット部材22bを開いて直線状に組み立てる仮ストラット組立工程と、仮ストラット組立工程において組み立てられた仮ストラットを吊部材にて吊持して柱部材5,5の間に架設する仮ストラット架設工程とを含む仮ストラットとその架設工法。
【選択図】 図6
Description
当該主塔1は、主桁Bを吊設する斜材が定着される斜材定着部2と、前記斜材定着部2を支える柱部3と、橋脚部Pの上に構築されて前記柱部3を支持する主塔基部4とから構成されている。ここで、柱部3は、上方にいくにつれて互いの間隔が狭まる2本の柱部材5,5により構成されている。
ここで、柱部材5,5の間に設置される仮ストラット10,20,30を、下から第1仮ストラット10、第2仮ストラット20、第3仮ストラット30とする。
本実施の形態にかかる仮ストラットの架設工法は、図3に示すように、端部載置工程S1と、仮ストラット組立工程S2と、仮ストラット架設工程S3とからなり、前記各工程を2回繰り返し行うことにより、図2(a)に示すように、第2仮ストラット20を柱部材5の前後2箇所に設置するものである。
端部載置工程S1は、図4及び図5に示すように、クライミング足場60の中央に形成された狭小空間61を利用して、第2仮ストラット20の左分割ストラット21及び右分割ストラット23を第1仮ストラット10の上面に仮置き(載置)する工程である。ここで、第2仮ストラット20は、予め左分割ストラット21と中分割ストラット22と右分割ストラット23とに3分割されており、左分割ストラット21と右分割ストラット23は左右対称に略同一形状に形成されている。
そして、狭小空間61を通過した左分割ストラット21は、図4(b)に示すように、その長手方向が、第1仮ストラット10と平行になるように回転させた後、左側に寄せて第1仮ストラット10の上に仮置きする。この際、第1仮ストラット10の上面には、第2仮ストラット20を仮置きするための枕木11が、所定の位置に配置されている。
仮ストラット組立工程S2は、端部載置工程S1において、第1仮ストラット10の上面に仮置きされた左分割ストラット21と右分割ストラット23との間に中分割ストラット22を吊り下ろし、各分割ストラット21,22,23を一体化する工程である(図6参照)。
仮ストラット架設工程S3は、仮ストラット組立工程S2において組み立てられた、第2仮ストラット20を、両柱部材5,5の所定の位置に架設する工程である。
ここで、本実施の形態における吊り部材50は、第2仮ストラット20の架設時及び取り外し時であって固定部材25による圧力が柱部材5,5に作用しておらず第2仮ストラット20が固定されていない時に、一時的に吊持する部材である。ただし、圧力を作用させずに架設する仮ストラットや自重を支持できるだけの摩擦力を得られない圧力の範囲で架設する仮ストラットの場合は、この限りではなく、吊り部材50により常時吊持することとなる。
ここで、第2仮ストラット20の架設時には、仮ストラット架設工程において吊り部材50,50により吊持した状態で位置決めを行ったが、第1仮ストラットの架設時には、柱部材5,5に固定されたブラケット40,40に第1仮ストラットを架設した状態で、位置決めを行うものとする。
また、第3仮ストラット30の組立時における左右の分割ストラットの仮置きは、第2仮ストラット20の上面で行うことが可能である。
図8は、中分割ストラット22の折れ点24の拡大図であり、同図に示すように、中分割ストラット22は、その折れ点24において中部材(ストラット部材)22aと左右の翼部材22b,22bとがヒンジ部材26を介して接続されている。ここで、図8には中部材22aと右側の翼部材22bとの折れ点24のみが記載されているが、当該中分割ストラット22は左右対称に構成されており、中部材22aと左側の翼部材22bとの折れ点24も同様に構成されている。
例えば、前記実施の形態では斜張橋の主塔の傾斜を有する柱の構築について本発明の仮ストラットの架設工法を採用するものとしたが、上方にいくに従いその間隔が狭まる柱を有する構造物であれば、斜張橋の主塔に限定されるものではないことは言うまでもない。
また、前記実施の形態では2本の柱が互いに傾斜を有していたが、これに限定されるものではなく、どちらか一方が傾斜を有して上方にいくに従い互いの間隔が狭まる構造物の構築の際に本発明の仮ストラットの架設工法を適用しても良い。
また、各仮ストラットを吊持する吊部材は、形式、形状等は限定されるものではなく、仮ストラットを吊持する能力を有しているもの中から、現場の状況に応じて適宜選定して使用する。
また、前記実施の形態では、仮ストラットを3体架設するものとしたが、左右の柱部材の基端部に作用する応力を制御することが可能であれば、架設する仮ストラットの数は限定されるものではない。同様に、各仮ストラットは、それぞれ前後方向に2体架設するものとしたが、架設する仮ストラットの数は限定されるものではなく、柱部材の構造等の応じて適宜設定する。
また、前記実施の形態では主ワイヤを利用して補助ワイヤを引き上げるとともに両翼部が引き上げられる構成としたが、例えば手動により翼部を開閉させてもよいことはいうまでもなく、その方法は限定されるものではない。
また、前記実施の形態では、左右の翼部材にワイヤ挿通部材、中部材にワイヤ固定部材を設置する構成としたが、例えば左右の翼部材にも中部材と同様にワイヤ固定部材を設置して、左右の翼部材には短めの吊ワイヤ、中部材には長めの吊ワイヤをそれぞれ固定することにより、翼部材を引き上げて折りたたむ構成とするなど、中部材と翼部材との接合部の構成は限定されるものではない。
さらに、各分割ストラットの接合方法は、ボルトによる締着に限定されるものではない。
2 斜材定着部
3 柱部
4 主塔基部
5 柱部材
10 第1仮ストラット
20 第2仮ストラット
21 左分割ストラット(左端部)
22 中分割ストラット(中央部)
22a 中部材(ストラット部材)
22b 翼部材(ストラット部材)
23 右分割ストラット(右端部)
24 折れ点
26 ヒンジ部材
27a 吊ピース(ワイヤ固定部材)
27b 吊ピース(ワイヤ挿通部材)
28a シャックル(ワイヤ固定部材)
28b シャックル(ワイヤ挿通部材)
29 補助ワイヤ
30 第3仮ストラット
50 吊部材
51 主ワイヤ
61 狭小空間
B 主桁
P 橋脚部
Claims (5)
- 上方にいくにつれて互いの間隔が狭まる少なくとも2本の柱部材の施工時において、前記柱部材の基端部に作用する応力を低減するために前記柱部材の間に横設される仮ストラットであって、
長手方向に連設された少なくとも二つのストラット部材からなり、隣接する前記ストラット部材同士が折りたたみ自在に接続されていることを特徴とする仮ストラット。 - ワイヤ固定部材が配設された中央のストラット部材とワイヤ挿通部材が配設された両端のストラット部材とが長手方向に連設されており、
隣接する前記ストラット部材同士がヒンジ部材を介して接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の仮ストラット。 - 上方にいくにつれて互いの間隔が狭まる少なくとも2本の柱部材の施工時において、前記柱部材の基端部に作用する応力を低減するために前記柱部材の間に横設される仮ストラットの架設工法であって、
前記仮ストラットを、前記柱部材の間に上方から吊り下ろした後に、直線状に組み立てる仮ストラット組立工程と、
前記仮ストラット組立工程において組み立てられた仮ストラットを前記2本の柱部材の間に架設する仮ストラット架設工程とを含み、
前記仮ストラットは、長手方向に連設された少なくとも二つのストラット部材同士が折りたたみ自在に接続されてなり、
前記仮ストラット組立工程において、前記ストラット部材が折りたたまれた状態で前記柱部材の間に吊り下ろされた後、前記ストラット部材を開いて直線状に組み立てられることを特徴とする、仮ストラットの架設工法。 - 前記仮ストラット組立工程の前に、前記仮ストラットの左端部と右端部とを前記2本の柱部材の間の所定の位置に載置する端部載置工程を含み、
前記仮ストラット組立工程において、前記端部載置工程で所定の位置に載置された前記左端部と前記右端部との間に、長手方向に連設された少なくとも二つのストラット部材同士が折りたたみ自在に接続されてなる中央部を折りたたまれた状態で上方から吊り下ろした後、前記ストラット部材を開いて前記中央部と前記左端部及び前記右端部とを一体に接続して、前記仮ストラットを直線状に組み立てることを特徴とする、請求項3に記載の仮ストラットの架設工法。 - 前記仮ストラット架設工程において、前記柱部材の所定の位置から吊り下ろされた吊部材により前記仮ストラットが吊設されることを特徴とする、請求項3又は請求項4に記載の仮ストラットの架設工法。
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