JP2005298758A - 繊維強化樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 強度が高い繊維強化樹脂組成物及び成形品を提供する。
【解決手段】 下記成分(A)〜(C)を下記配合比で含む繊維強化樹脂組成物。
[成分]
(A)カップリング剤とエマルジョンで表面を処理されたガラス繊維
(B)熱可塑性樹脂
(C)アミノ基含有熱可塑性樹脂
[配合比]
(A):[(B)+(C)]=1〜80質量%:99〜20質量%
【選択図】 無し

Description

本発明は、繊維強化樹脂組成物及びその成形品に関する。
ガラス繊維強化ポリプロピレン(GFPP)においては、通常、アミノシラン等のシランカップリング剤で処理されたガラス繊維にカルボン酸変性ポリプロピレンを添加することにより、GFPPを高物性化することできる。
しかし、ポリプロピレンの物性を向上するために、変性ポリプロピレンにおいて、カルボン酸以外の官能基で変性することについては、ほとんど検討されていない。例えば、特許文献1では、変性ポリプロピレンとして、「カップリング剤と化学結合できる官能基を有する変性ポリプロピレン」だけしか開示されていない。つまり、シランカップリング剤の官能基(通常アミノ基)と反応しない官能基については知られていない。
工業的にGFPPを製造する場合、通常はエマルジョン及びシランカップリング剤を含むサイジング剤で処理されたガラス繊維を用いる。そのため、繊維表面上はシランカップリング剤とエマルジョンの混合状態になっている。さらに、通常はシランカップリング剤の量よりもエマルジョンの量の方が多いため、シランカップリング剤と反応する官能基が結合できる面積は比較的狭く、GFPPの一定以上の強度の向上は限られていた。
特開平07−232324号公報
本発明の目的は、強度が高い繊維強化樹脂組成物及び成形品を提供することである。
本発明者らは鋭意研究の結果、サイジング剤中のエマルジョンと結合しうるアミノ基をもつ熱可塑性樹脂を添加することでGFPPの強度を向上できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下の繊維強化樹脂組成物及びその成形品が提供される。
1.下記成分(A)〜(C)を下記配合比で含む繊維強化樹脂組成物。
[成分]
(A)カップリング剤とエマルジョンで表面を処理されたガラス繊維
(B)熱可塑性樹脂
(C)アミノ基含有熱可塑性樹脂
[配合比]
(A):[(B)+(C)]=1〜80質量%:99〜20質量%
2.前記カップリング剤がエポキシシランを含むシランカップリング剤である1に記載の繊維強化樹脂組成物。
3.前記カップリング剤がアミノシランを含むシランカップリング剤である1に記載の繊維強化樹脂組成物。
4.前記エマルジョンがウレタン系又はオレフィン系エマルジョンである1〜3のいずれか一に記載の繊維強化樹脂組成物。
5.前記熱可塑性樹脂(B)がポリオレフィン系樹脂である1〜4のいずれか一に記載の繊維強化樹脂組成物。
6.前記熱可塑性樹脂(B)がポリプロピレン系樹脂である1〜4のいずれか一に記載の繊維強化樹脂組成物。
7.前記アミノ基含有熱可塑性樹脂(C)がアミノ基含有ポリプロピレン系樹脂である1〜6のいずれか一に記載の繊維強化樹脂組成物。
8.1〜7のいずれか一に記載の繊維強化樹脂組成物を成形してなる成形品。
本発明によれば、強度が高い繊維強化樹脂組成物及び成形品を提供することができる。
本発明の組成物は、カップリング剤とエマルジョンで表面を処理されたガラス繊維(A)、熱可塑性樹脂(B)及びアミノ基含有熱可塑性樹脂(C)を含む。
本発明の組成物に使用するガラス繊維(A)としては、例えば、Eガラス(Electrical glass)、Cガラス(Chemical glass)、Aガラス(Alkali glass)、Sガラス(High strength glass)及び耐アルカリガラス等のガラスを溶融紡糸してフィラメント状の繊維にしたものを挙げることができる。
ガラス繊維の繊維径は、好ましくは3〜30μmであり、さらに好ましくは6〜25μm、特に好ましくは10〜18μmである。繊維径が過小であると、繊維が破損しやすいため、強化繊維束の生産性が低下することがあり、またペレットを連続製造するときに、繊維を多数本束ねなければならなくなり、繊維束をつなぐ手間が煩雑となったり生産性が低下するため好ましくない。また、好ましいペレット長が決まっているときは、繊維径が過大であると、繊維のアスペクト比が低下することとなり、補強効果が充分発揮されなくなることがあることから好ましくない。
ガラス長繊維としては、連続状ガラス繊維束が用いられ、これはガラスロービングとして市販されている。通常、その平均繊維径は4〜30μm、フィラメント集束本数は400〜10,000本、及びテックス番手は300〜20,000g/kmであるが、好ましくは平均繊維径9〜23μm、集束本数1,000〜6,000本である。
連続状ガラス繊維束は、ガラスロービングの他に特開平6−114830号公報に記載のケーキ等も制限なしに使用できる。
他に、ガラス繊維として、ガラスチョップドストランドを用いることもできる。このチョップドストランドの長さは、通常3〜50mm、繊維の径は3〜25μm程度、好ましくは8〜14μmである。
樹脂組成物中のガラス繊維の繊維長は、通常0.01〜200mm、好ましくは0.2〜60mm、より好ましくは4〜20mm、特に好ましくは6〜12mmである。
樹脂組成物中のガラス繊維のアスペクト比は通常1〜10000、好ましくは20〜4000、特に好ましくは50〜2000、さらに好ましくは100〜1000である。
さらに、特開昭61−187137号公報、特開昭61−219732号公報、特開昭61−219734号公報、特開平7−291649号公報、特開平7−10591号公報、成形加工 第15巻 第9号 2003 612(山尾他)等に記載の異形断面(楕円形、まゆ型、偏平)ガラス繊維を使用できる。特に、ガラス断面の短径D1に対する長径D2の比D2/D1が1.3〜10(特に好ましくは2〜5)で短径D1が3〜30μm(特に好ましくは4〜20μm)が好ましい。
本発明では、ガラス繊維表面に、熱可塑性樹脂との界面接着性付与又は向上のため、カップリング剤とエマルジョンで表面処理が施されている。
表面処理量は強熱減量として通常0.05〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%、特に好ましくは0.2〜1質量%である。また、カップリング剤とエマルジョン(固形)の割合は、通常80:20〜1:99、好ましくは60:40〜2:98、より好ましくは50:50〜5:95、さらに好ましくは40:60〜10:90である。カップリング剤とエマルジョンによる表面処理は、同時に行ってもよいし、別々に行ってもよい。
ガラス繊維表面処理に使用するカップリング剤としては、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤として従来から使用されているものの中から適宜選択することができる。
シラン系カップリング剤はアミノシラン、エポキシシランを含むものが好ましく、エポキシシランを含むものが特に好ましい。
具体的には、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(2,4−エポキシシクロヘキシル)エトキシメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシランやエポキシシランが使用できる。
ガラス繊維表面処理に使用するエマルジョン(樹脂エマルジョン)としては、エポキシ系、ウレタン系、オレフィン系、アクリル系、酢酸ビニル系、ポリエステル系エマルジョンが好ましく、ウレタン系あるいはオレフィン系エマルジョンが特に好ましい。
ここで、ウレタン系エマルジョンは、通常、ジイソシアネート化合物と多価アルコールとの重付加反応により得られるポリイソシアネートを50重量%以上の割合で含有するものであれば、油変性型、湿気硬化型及びブロック型等の一液タイプ、触媒硬化型及びポリオール硬化型等の二液タイプのいずれもが採用できる。
さらに、ウレタン系エマルジョンとして、公知の水性ポリウレタン樹脂を特に制限なく使用できる。また、水溶性あるいは水分散性のいずれを用いてもよい。水分散性としては、自己乳化タイプ、乳化剤を含む強制乳化タイプのいずれを用いてもよい。
自己乳化タイプのものとしては、ポリウレタン樹脂中に水との親和性を有するエチレンオキサイドブロックを導入したノニオン系タイプやアニオン性官能基を導入したアニオン系タイプ、これらの両方を合わせ持つノニオン/アニオン共存系タイプ等が挙げられる。
本発明では、カップリング剤(シランカップリング剤)を添加することから、カップリング剤の凝集を抑制しエマルジョン安定性に優れるノニオン系又はノニオン/アニオン共存系タイプが好ましい。
強制乳化タイプに用いる乳化剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系のいずれを用いてもよいが、一般的なウレタン系乳化剤であるノニオン系又はアニオン系が好ましい。ノニオン系、又はノニオン/アニオン共存系がカップリング剤の凝集を抑制する観点から特に好ましい。
市販のものとしては、大日本インキ化学製の水性ウレタン樹脂ハイドラシリーズ(HW−301、311、312B、337、111、112、920、930、935、940、AP−70、ボンディック1940NS、2210)、吉村油化製ユカレジンU−004、007、009、バイエル製インプラニールDLSが挙げられる。
一方、オレフィン系エマルジョンとしては、不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性された変性ポリオレフィン系樹脂が使用できる。
特に熱可塑性樹脂がポリプロピレン系樹脂の場合、好ましいのは、カルボン酸変性ポリプロピレン系樹脂で、マレイン酸変性ポリプロピレン系樹脂が好ましい。エマルジョンに用いるマレイン酸変性ポリプロピレン系樹脂の数平均分子量は2000〜50000が好ましく、6000〜30000がより好ましく、9000〜28000がさらに好ましく、13000〜24000がさらに好ましい。
上記の他、エマルジョンの種類、調整・作成方法、ガラス繊維への処理方法は、下記文献等公知のものが利用できる。
特開2003−192911号公報、特開平6−200094号公報、特開2003−253563号公報、特開2003−191236号公報、特開平7−309979号公報法、特開平7−286050号公報、特開2004−011030号公報、特開平9−301746号公報、特開2000−281391号公報、特開平7−223846号公報。
カップリング剤・エマルジョンで処理済のガラス繊維として、市販品を利用することもできる。
市販のガラスロービングとしては、下記のものが挙げられる。
(1)旭ファイバーグラス(株)製
ER2220(繊維径16μm、アミノシランカップリング剤、オレフィン系エマルジョン使用、約4000本を収束)
ER740(繊維径13μm、アミノシランカップリング剤、オレフィン系エマルジョン使用、約2000本を収束)
(2)日本電気硝子(株)製
ER2310T−441N(繊維径17μm、アミノシランカップリング剤、オレフィン系エマルジョン使用、約4000本を収束)
(3)セントラル硝子(株)製
ERS2310−LF701(繊維径17μm、アミノシランカップリング剤、ウレタン系・オレフィン系混合エマルジョン使用、約4000本を収束)
ERS2310−LF702(繊維径17μm、アミノシランカップリング剤、ウレタン系エマルジョン使用、約4000本を収束)
(4)エヌエスジー・ヴェトロテックス(株)製
RO99 2400 P319(繊維径17μm、アミノシランカップリング剤、オレフィン系エマルジョン使用、約4000本を収束)
また、チョップドストランドとしては、下記のものが挙げられる。
(1)旭ファイバーグラス(株)製
03 JA FT17(繊維径10μm、アミノシランカップリング剤、ウレタン系エマルジョン)
03 MA FT170(繊維径13μm、アミノシランカップリング剤、ウレタン系エマルジョン)
03 JA 486A(繊維径10μm、アミノシランカップリング剤、エポキシ系エマルジョン)
03 MA 486A(繊維径13μm、アミノシランカップリング剤、エポキシ系エマルジョン)
03 JA FT760A(繊維径10μm、アミノシランカップリング剤、オレフィン系エマルジョン)
03 MA FT170A(繊維径13μm、アミノシランカップリング剤、オレフィン系エマルジョン)
(2)日本電気硝子(株)製
T−480H(繊維径10.5μm、アミノシランカップリング剤、オレフィン系エマルジョン)
T−488GH(繊維径10.5μm、アミノシランカップリング剤、ウレタン系エマルジョン)
(3)エヌエスジー・ヴェトロテックス(株)製
EC10 968(繊維径10μm、アミノシランカップリング剤、オレフィン系エマルジョン)
EC13 968(繊維径13μm、アミノシランカップリング剤、オレフィン系エマルジョン)
RES03−TP15(繊維径10μm、アミノシランカップリング剤、オレフィン系エマルジョン)
RES03X−TP B0160(繊維径10μm、エポキシシラン/アミノシラン併用カップリング剤、エポキシ系エマルジョン)
(4)日東紡
CS 3J−956(繊維径11μm、アミノシランカップリング剤、アクリル系エマルジョン)
CS 3J−254(繊維径13μm、アミノシランカップリング剤、アクリル系エマルジョン)
CS 3PE−956(繊維径11μm、アミノシランカップリング剤、ウレタン系エマルジョン)
本発明の組成物に使用する熱可塑性樹脂(B)には特に制限はない。例えば、ポリプロピレン、プロピレン・エチレンブロック共重合体、プロピレン・エチレンランダム共重合体、高密度ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン、ゴム変性耐衝撃性ポリスチレン、シンジオタクチック構造を含むポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂等のスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリ芳香族エーテル又はアクリレート系樹脂等を使用できる。
これらの熱可塑性樹脂のうち、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、特に、ポリプロピレン、プロピレンと他のオレフィンとのブロック共重合体、ランダム共重合体、又はこれらの共重合体等のポリプロピレン系樹脂を使用するのが好ましい。高い引張り強度を得るためには、プロピレン単独重合体が好ましく、高い衝撃強度を得るためにはプロピレン・エチレン共重合体が好ましい。
尚、上記熱可塑性樹脂は単独で用いることもできるが、二種類以上を混合して用いてもよい。
ポリプロピレン系樹脂のMFRは、JIS K 7210−1999に準拠し、温度230℃、荷重2.16kgの条件で測定した値で、好ましくは1〜500g/10分、より好ましくは5〜300g/10分、さらに好ましくは10〜200g/10分である。
MFRが1g/10分未満であると成形体中の強化繊維の分散性が低下し、成形体の外観不良が見られることがあり、MFRが500g/10分より大きいと、衝撃強度に劣ることがあり好ましくない。
ポリプロピレン系樹脂の立体規則性指標は、好ましくは93%以上、より好ましくは95%以上、特に好ましくは97%である。
立体規則性指標の測定の方法は以下の通りである。
即ち、NMR試料管に試料220mgを採取し、これに1,2,4−トリクロロベンゼン/重ベンゼン混合溶媒(容量比90/10)3ミリリットルを加えたのち、キャップをして130℃で均一に溶解後、13C−NMRの測定を次に示す測定条件で行う。
装置:日本電子(株)製JNM−EX400
パルス幅:9μs(45°)
パルス繰り返し時間:4秒
スペクトル幅:20000Hz
測定温度:130℃
積算回数:1000〜10000回
ポリプロピレン系樹脂のDSCで測定した結晶化温度(Tc)は通常80〜140℃、好ましくは90〜130℃、特に好ましくは110〜125℃である。
ポリプロピレン系樹脂のGPCで測定した分子量分布(Mw/Mn)は通常2〜20、好ましくは2〜10、特に好ましくは2.5〜6である。
ポリプロピレン系樹脂の分子量は特開2002−226510号公報に記載されているように水素量等で調整できる。
また、プロピレン・エチレン共重合体を用いる場合、その非晶部の割合は通常1〜70質量%、好ましくは2〜40質量%、特に好ましくは4〜20質量%で、非晶部のη(135℃、デカリン中)は、通常0.5〜10、好ましくは1〜6、特に好ましくは2〜4である。
ポリプロピレン系樹脂の製造方法は、特開平11−71431号報、特開2002−249624号報に記載の公知の方法で製造できる。具体的には、ポリプロピレン系樹脂は、重合用触媒を用いてプロピレン等をスラリー重合、気相重合、あるいは、液層塊状重合することにより製造でき、重合方式としては、バッチ重合、連続重合のどちらの方式も採用することができる。
また、ポリプロピレン系樹脂は市販のものを使用できる。また、市販のポリプロピレン系樹脂を有機過酸化物で流動性を調整したものや複数のものを混合したものも使用できる。これらは樹脂組成物としても、希釈ブレンド用としても使用できる。
市販のポリプロピレン系樹脂の例として以下のものが挙げられる。ただし、これらに限定されない。
(1)出光石油化学(株)製
(a)プロピレン単独重合体
J−2003GP(MFR=21)、J−2000GP(MFR=21)、J−903GP(MFR=13)、J−900GP(MFR=13)、J−700GP(MFR=8)、J−3003GV(MFR=30)、J−3000GV(MFR=30)、J−3000GP(MFR=30)、Y−2000GP(MFR=20)、Y−6005GM(MFR=60)、E−105GM(MFR=0.5)、F−300SV(MFR=3)、Y−400GP(MFR=4)
(b)プロピレン・エチレンブロック共重合体
J−6083HP(MFR=60)、J−5066HP(MFR=50)、J−5051HP(MFR=50)、J−3054HP(MFR=40)、J−3056HP(MFR=40)、J−950HP(MFR=32)、J−762HP(MFR=13)、J−466HP(MFR=3)、JR3070HP(MFR=30)、J−786HV(MFR=13)
(c)プロピレン・エチレンランダム共重合体
J−3021GA(MFR=30)、J−3021GR(MFR=30)、J−2021GR(MFR=20)
(2)サンアロマー(株)製
(a)プロピレン単独重合体
PM900M(MFR=30)、PM900A(MFR=30)、PM802A(MFR=20)、PM801Z(MFR=13)、PM600Z(MFR=7.5)、PM600M(MFR=7.5)、PM600H(MFR=7.5)、PM600A(MFR=7.5)、PF−611(MFR=30)、PF−814(MFR=3)
(b)プロピレン・エチレンブロック共重合体
PMB70X(MFR=63)、PMB65X(MFR=63)、PMB60W(MFR=63)、PMB60A(MFR=63)、PMA60Z(MFR=45)、PMA80X(MFR=43)、PMA60A(MFR=43)、PM965C(MFR=35)、PM953M(MFR=30)、PM761A(MFR=9.5)
(c)プロピレン・エチレンランダム共重合体
PVC20M(MFR=85)、PMC20M(MFR=85)、PMA20V(MFR=45)、PV940M(MFR=30)、PM822V(MFR=20)、PM811M(MFR=13)、PM731V(MFR=9.5)
(3)日本ポリプロ(株)製(ノバテックPP)
(a)プロピレン単独重合体
MA3(MFR=11)、MA3AH(MFR=12)、MA03(MFR=25)
(b)プロピレン・エチレンランダム共重合体
BC06C(MFR=60)、BC05B(MFR=50)、BC03GS(MFR=30)、BC03B(MFR=30)、BC03C(MFR=30)、BC2E(MFR=16)、BC3L(MFR=10)、BC3H(MFR=8.5)、BC3F(MFR=8.5)、BC4ASW(MFR=5)、BC6DR(MFR=2.5)、BC6C(MFR=2.5)、BC8(MFR=1.8)
(4)三井化学(株)製(三井ポリプロ)
(a)プロピレン単独重合体
J139(MFR=50)、J136(MFR=20)、CJ700(MFR=10)、J108M(MFR=45)、J107G(MFR=30)、J106G(MFR=15)、J105G(MFR=9)
(b)プロピレン・エチレンブロック共重合体
J709UG(MFR=55)、J708UG(MFR=45)、J830HV(MFR=30)、J717ZG(MFR=32)、J707EG(MFR=30)、J707G(MFR=30)、J715M(MFR=9)、J705UG(MFR=9)、J704UG(MFR=5)、J702LB(MFR=1.8)
(c)プロピレン・エチレンランダム共重合体
J229E(MFR=52)、J226E(MFR=20)
本発明の組成物に使用するアミノ基含有熱可塑性樹脂(C)は、熱可塑性樹脂中にアミノ基を導入したものである。変性される熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂が挙げられる。
好適なアミノ基含有熱可塑性樹脂(C)として、アミノ基含有ポリプロピレン系樹脂が挙げられる。
アミノ基含有ポリプロピレン系樹脂及びその製造方法は、特公昭44−1540号公報、特開平4−296340号公報、特開平4−296366号公報、特開平7−53812号公報、特開平8−3379号公報及び特開平8−34887号公報等に記載されている。
熱可塑性樹脂(B)としてポリプロピレン系樹脂又はその混合物を使用する場合は、アミノ基含有熱可塑性樹脂(C)としてアミノ基含有ポリプロピレン系樹脂を用いることが好ましい。アミノ基含有ポリプロピレン系樹脂には、上述のポリプロピレン系樹脂と同様に、プロピレン単独重合体、プロピレンランダム共重合体、プロピレンブロック共重合体を含む。
熱可塑性樹脂にアミノ基を導入する方法には、グラフト変性、共重合化、末端変性等の方法を使用することができる。
アミノ基含有熱可塑性樹脂(C)の1分子当たりの平均アミノ基数は、通常1.5〜50個/分子、好ましくは3〜30個/分子、特に好ましくは5〜20個/分子である。1分子当たりの平均アミノ基数が1.5個/分子以上であれば、網目構造を形成し強度が得られ易く、50個/分子を超えると製造時にゲル化しやすく好ましくない。
アミノ基含有熱可塑性樹脂(C)の1分子当たりの平均アミノ基数は、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)で測定したアミノ基の付加量、GPCで測定した数平均分子量から算出することができる。
また、極限粘度η(テトラリン中、135℃)は、通常0.1〜5、好ましくは0.3〜3、さらに好ましくは0.5〜2である。
アミノ基含有熱可塑性樹脂(C)のGPCで測定した分子量5,000以下の成分は、10質量%以下が好ましく、6質量%以下がさらに好ましく、3質量%以下が特に好ましい。アミノ基含有熱可塑性樹脂(C)のGPCで測定した分子量分布(Mw/Mn)は通常2〜20、好ましくは2〜10、さらに好ましくは2〜6、特に好ましくは2.5〜5である。
また、アミノ基含有熱可塑性樹脂(C)がポリプロピレン系樹脂の場合、DSCで測定した結晶化温度(Tc)が、通常80〜140℃、好ましくは90〜130℃、特に好ましくは100〜120℃である。
本発明の組成物の成分(A)〜(C)の配合量は、(A):[(B)+(C)]=1〜80質量%:99〜20質量%の関係を満たす。好ましくは、(A):[(B)+(C)]=3〜65質量%:97〜35質量%の関係を満たす。特に好ましくは、(A):[(B)+(C)]=5〜45質量%:95〜55質量%の関係を満たす。
また、(B)と(C)の配合量は、通常(B):(C)=0.1〜99.9:99.9〜0.1、好ましくは(B):(C)=0.5〜20:99.5〜80、さらに好ましくは(B):(C)=1〜10:99〜90である。
本発明の組成物には、用途に応じて各種の添加剤、例えば、分散剤、滑剤、可塑剤、離型剤、難燃剤、酸化防止剤(フェノール系酸化防止剤、リン酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤)、帯電防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、金属不活性剤、結晶化促進剤(増核剤)、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等のアルカリ土類金属化合物、発泡剤、架橋剤、抗菌剤等の改質用添加剤、カーボンブラック、硫化亜鉛、顔料、染料等の着色剤、酸化チタン、ベンガラ、アゾ顔料、アントラキノン顔料、フタロシアニン、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、クレー、グラファイト、ガラスフレーク等の粒子状充填剤、ワラストナイト、ミルドファイバー等の短繊維状充填剤、セルロース、竹繊維、アラミド繊維等の有機系充填剤、チタン酸カリウム等のウィスカー等の公知の添加剤を添加することができる。
本発明の組成物には、用途に応じて各種のエラストマーを添加することができる。オレフィン系エラストマーとしては例えば、特開2002−3616号公報の記載のものが利用できる。
本発明の繊維強化樹脂組成物はマット(ガラスマットシート)、プレプリグ、樹脂ペレット等の形態で使用できるが、加工が容易な樹脂ペレットであることが好ましい。
また、成形機にガラス繊維ロービングを直接導入し、成形機内で熱可塑性樹脂、アミノ基含有熱可塑性樹脂と混合し直接成形する方法(Plastics Info World Vol.4 No.11 21-35(2002))も使用できる。
繊維強化樹脂ペレットの形状は、パウダー状、フレーク状、ペレット状のいずれでも構わない。
繊維強化樹脂ペレットのペレット長は通常1〜200mmの長さである。繊維長が短すぎると、剛性、耐熱性及び衝撃強度の改善効果が低く、反り変形も大きくなる場合があり、また、ペレット長が長すぎると成形が困難となる場合がある。ペレット長は2〜100mmの範囲が好ましく、2〜50mmの範囲がより好ましく、2〜25mmの範囲がさらに好ましい。
次に、本発明の組成物の製造方法について説明する。
本発明の組成物は、短繊維強化樹脂ペレットである場合は、押出し機等に上記(A)〜(C)成分の一部又は全部を溶融混練して製造することができ、長繊維強化樹脂ペレットである場合は、引き抜き法等公知の方法で製造することができる。上記(A)〜(C)成分の一部を別途溶融混練した後、混合(ブレンド)してもよい。
長繊維強化樹脂ペレットは、組成物中の繊維のアスペクト比が大きくなり、強度が高い組成物を得やすいため、より顕著な効果が得られる。
長繊維強化樹脂ペレットは、特開平10−264152号公報、文献(成形加工、第5巻、第7号、454(1993))等に記載の方法やその他公知の方法で作ることができるが、例えば、以下の方法で製造できる。
長繊維強化樹脂ペレットは、数千本からなる強化繊維のロービングを含浸ダイスに導き、フィラメント間に溶融した熱可塑性樹脂を均一に含浸させた後、必要な長さ(例えば、2〜200mm)に切断することにより容易に得ることができる。
例えば、押出機先端に設けられた含浸ダイス中に、押出機より溶融樹脂を供給する一方、連続状ガラス繊維束を通過させ、ガラス繊維束に溶融樹脂を含浸させたのちノズルを通して引抜き、所定の長さ(例えば、2〜50mm)にペレタイズする方法がとられる。熱可塑性樹脂、変性剤、有機過酸化物等をドライブレンドして押出機のホッパーに投入し、変性も同時に行いながら供給する方法も取り得る。
含浸させるための方法としては、特に制限はなく、ロービングを樹脂粉体流動床に通した後、樹脂の融点以上に加熱する方法(特開昭46−4545号公報)、強化繊維のロービングを熱可塑性樹脂粉体流動層中に通して、これに熱可塑性樹脂粉体を付着させた後、熱可塑性樹脂の融点以上に加熱して熱可塑性樹脂を含浸させる方法(特開昭46−4545号公報)、クロスヘッドダイを用いて強化繊維のロービングに溶融させた熱可塑性樹脂を含浸させる方法(特開昭62−60625号公報、特開昭63−132036号公報、特開昭63−264326号公報、特開平1−208118号公報)、樹脂繊維と強化繊維のロービングとを混繊した後、樹脂の融点以上に加熱して樹脂を含浸させる方法(特開昭61−118235号公報)、ダイ内部に複数のロッドを配置し、これをロービングをじぐざぐ状に巻き掛けて開繊させ、溶融樹脂を含浸させる方法(特開平10−264152号公報)、開繊ピン対の間をピンに接触させずに通過させる方法(WO97/19805)、ローラーによって撚りを与え含浸させる方法(特開平5−169445号公報)、ガラス繊維と熱可塑性樹脂の混合系を作り加熱させる方法(Vetrotex社)、吸気エアーを利用する方法(特開平9−323322号公報)、ガラスフィラメントの直径の変動を一定内に制御する方法(特開2003−192911号公報)等、何れの方法も用いることができる。
また、上記の異形断面(楕円形、まゆ型、偏平)ガラス繊維を用いると、含浸性が良く、好ましい。
樹脂を溶融する過程において、2以上のフィード部を持つ押出機を使用し、トップフィードから、樹脂と樹脂の分解剤(ポリプロピレン系樹脂の場合有機過酸化物が好ましい)、サイドフィードから別の樹脂を投入して製造できる。
樹脂を溶融する過程において、2台以上の押出機(押出し部)を使用し、そのうち1台以上の押出機には樹脂と樹脂の分解剤(ポリプロピレン系樹脂の場合有機過酸化物が好ましい)を投入して製造できる。
公知の製造方法で、押出機の少なくとも1個所に樹脂、変性剤、分解剤及び/又は架橋剤(ポリプロピレン系樹脂の場合有機過酸化物が好ましい)を投入して製造してもよい。
短繊維強化樹脂ペレットは公知の方法で製造することができるが、例えば、以下の方法で製造できる。
各成分を所定の割合にてロールミル、バンバリーミキサー、ニーダー等でよく混練分散させる。タンブラー式ブレンダー、ヘンシェルミキサー、リボンミキサー等でドライブレンドしてもよい。
一軸押出機、二軸押出機等で混練してペレット状の成形材料とする。
本発明の成形品は、射出成形法、押出成形法、中空成形法、圧縮成形法、射出圧縮成形法、ガス注入射出成形、又は発泡射出成形等の公知の成形法により製造できる。特に射出成形法、圧縮成形法及び射出圧縮成形法が好ましい。
成形品は、本発明の組成物をそのまま成形してもよいし、希釈材とブレンドしてから成形してもよい。繊維強化樹脂ペレットと希釈材(繊維強化ペレットと同じ熱可塑性樹脂等)との配合は、ドライブレンド方式でかまわない。むしろ、組成物中の繊維長を保持し、より高い剛性、耐衝撃性、耐久性の改良効果を得るためには、ドライブレンド後は押出機を通さず、直接射出成形機等の成形機に供する方が好ましい。希釈材の配合比率については、繊維強化樹脂組ペレットの強化繊維含有量と、最終成形品に求められる強化繊維含有量とによって決まるが、剛性、耐衝撃性、耐久性の改良効果の点から、20〜85重量%が好ましい。
成形後に残存する補強繊維の重量平均繊維長は、通常0.1mm以上、好ましくは1mm以上、より好ましくは2mm以上である。
ブレンド方法に特に制限はなく、特定のMFRのものとの組み合わせ(特開平7−232324号公報、特開平6−340784号公報、特開2002−220538号公報)や、予備加熱しての使用(特開2003−181877号公報)等が制限なく利用できる。
実施例と比較例で使用した成分は以下の通りであった。
(1)ガラス繊維
03JA FT 17(旭ファイバーグラス(株)製、繊維径10μm、アミノシランとウレタン系エマルジョンで表面処理)
T−480H(日本電気硝子(株)製、繊維径10.5μm、アミノシランとオレフィン系エマルジョンで表面処理)
RES03X−TP B0160(エヌエスジー・ヴェトロテックス(株)製、繊維径10μm、エポキシシラン/アミノシラン併用とエポキシ系エマルジョンで表面処理)
ERS2310−CF702(セントラル硝子(株)製、繊維径17μm、アミノシランとウレタン系エマルジョンで表面処理、約4000本を収束)
(2)ポリオレフィン系樹脂
J−3000GP(プロピレン単独重合体、出光石油化学(株)製、MFR=30g/10分、立体規則性指標94%)
J−3054HP(プロピレン・エチレン共重合体、出光石油化学(株)製、MFR=40g/10分、立体規則性指標94%)
(3)官能基含有ポリオレフィン系樹脂
ポリポンド3200(マレイン酸変性ポリプロピレン、白石カルシウム(株)製、酸付加量=0.4重量%、MFR=250g/10分)
(4)アミノ基含有ポリプロピレン系樹脂(アミノ基含有PP):
以下の方法でアミノ基含有ポリプロピレンを製造した。
真空ベント付き35ミリ二軸押出機(ラボテックス社製)を用い、真空ベント引きを実施し、原料全量をトップフィードからブレンドした。原料として、マレイン酸変性ポリプロピレン(ポリポンド3200)6kgとヘキサメチレンジアミン(HMDA、東京化成社製)167g(アミノ基当量/カルボン酸当量=5)を用いた。尚、添加剤として、イルガノックス1010(チバスペシャリティーケミカルズ社製;酸化防止剤)及びイルガフォス168(チバスペシャリティーケミカルズ社製;酸化防止剤)を、ポリプロピレン6kg当たり、それぞれ3.6g及び8.4g(トータル2000ppm)添加した。混練条件は温度230℃、チャージ15kg/hであった。
アミノ基含有ポリプロピレンが製造されたか否かは、製造前後の赤外線吸収スペクトルを測定し、1670〜1810cm−1のマレイン酸・無水マレイン酸によるものと考えられるピークが消失し、新たに1500〜1700cm−1にアミノ基によるものと推定される吸収帯が出現することで確認した。
実施例1
混練には、二軸混練機(東芝機械製TEM20)をシリンダー温度200℃、スクリュー回転数350rpmで使用し、プロピレン単独重合体(J−3000GP)67重量%、アミノ基含有ポリプロピレン3重量%をドライブレンド後、トップフィードから供給した。ガラス繊維(03JA FT 17)30重量%をサイドフィードから供給した。総吐出量は30kg/hrであった。ストランドを水冷後、ペレタイザで切断し、ガラス繊維強化樹脂ペレットを得た。
得られたペレットは、ペレット長径2mm、短径1.5mm、ペレット長2mm、ガラス繊維含有率30質量%であった。ペレット長径、ペレット短径、ペレット長を図1に示す。
得られた組成物から、JIS K 7152−1:1999に準拠し射出成形サンプルを作成後、以下の方法で測定し、評価した。
引っ張り破壊応力
JIS K 7161−1994に準拠して測定した。
(2)曲げ強さ
JIS K 7171−1994に準拠して測定した。
(3)曲げ弾性率
JIS K 7171−1994に準拠して測定した。
(4)シャルビー衝撃強さ(23℃、ノッチ付)
JIS K 7111−1996に準拠して測定した。
(5)シャルビー衝撃強さ(23℃、ノッチ無)
JIS K 7111−1996に準拠して測定した。
また、組成物中の重量平均繊維長は、電気炉で灰化後、画像処理装置(ルーゼックス社製)により500〜2000本分の繊維長を測定し、下記式にて算出した。
Σ(繊維長)/Σ繊維長
組成物中の繊維のアスペクト比は、平均繊維長/平均繊維径で算出した。
実施例2〜6及び比較例1〜7
実施例2〜6及び比較例1〜7は表1に示した組成で、実施例1と同様に製造した。それぞれの組成物の評価も表1に示す。
アミノ基含有ポリプロピレンを添加したGFPPは、マレイン酸変性ポリプロピレンを添加した場合に比し、高い強度(引張り、曲げ、シャルピー衝撃)を示した。
実施例7
図2に示した製造装置を用い、長繊維強化樹脂ペレットを製造した。
溶融したプロピレン単独重合体(J−3000GP)と、実施例1と同じアミノ基含有ポリプロピレンを押出機7から含浸ダイ3に供給した。ガラスロービング(ERS2310−CF702)1を用意し、これから引き出した繊維束を、プロピレン単独重合体とアミノ基含有ポリプロピレンで満たされた含浸ダイ3に導入した。引き取り速度15m/分、樹脂温度280℃でガラス繊維束に樹脂成分を含浸させた後、冷却槽9、引き取り機11、切断装置13を使用しペレット15とした。ダイス5の口径は直径2.3mmの円形のものを使用した。配合比率は表3に示すよう調整した。
得られたペレットは、ペレット長径2.3mm、短径1.9mm、ペレット長8mm、ガラス繊維含有率50質量%であった。
実施例1と同様に評価し、その結果を表1に示す。
実施例8、比較例8、9
表1に示した組成で実施例7と同様に製造した。それぞれの組成物の評価も表1に示す。
Figure 2005298758
本発明の繊維強化樹脂組成物及び成形品は、フロントエンド、ファンシェラウド、クーリングファン、エンジンアンダーカバー、エンジンカバー、ラジエターボックス、サイドドア、バックドアインナー、バックドアアウター、外板、ルーフレール、ドアハンドル、ラゲージボックス、ホイールカバー、ハンドル、トルコンブラケット、ステップ、バッテリートレー、クーリングモジュール、エアークリーナー、ペダル等の自動車部品、ラゲージボックス、ハンドル、ホイール等の二輪・自転車部品、温水洗浄弁座部品、浴室部品、椅子の脚、バルブ類、メーターボックス、ヘヤーキャッチャー等の住宅関連部品、その他、ケーブルエンクロージャー、電動工具部品、草刈り機ハンドル、ホースジョイント、樹脂ボルト、コンクリート型枠等に使用できる。特に剛性や耐久性の要求されるフロントエンドモジュール(ファンシェラウド・ファン・クーリングモジュールを含む)、エアークリーナー、ドア部品等の自動車部品やバルブ類に好適に使用できる。
ペレット長径、ペレット短径、ペレット長を示す図である。 実施例7,8、比較例8,9で使用した長繊維強化樹脂ペレットの製造装置を示す図である。
符号の説明
1 ガラスロービング
3 含浸ダイ
5 ダイ口
7 押出機
9 冷却槽
11 引き取り機
13 切断装置
15 長繊維強化樹脂ペレット

Claims (8)

  1. 下記成分(A)〜(C)を下記配合比で含む繊維強化樹脂組成物。
    [成分]
    (A)カップリング剤とエマルジョンで表面を処理されたガラス繊維
    (B)熱可塑性樹脂
    (C)アミノ基含有熱可塑性樹脂
    [配合比]
    (A):[(B)+(C)]=1〜80質量%:99〜20質量%
  2. 前記カップリング剤がエポキシシランを含むシランカップリング剤である請求項1に記載の繊維強化樹脂組成物。
  3. 前記カップリング剤がアミノシランを含むシランカップリング剤である請求項1に記載の繊維強化樹脂組成物。
  4. 前記エマルジョンがウレタン系又はオレフィン系エマルジョンである請求項1〜3のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂組成物。
  5. 前記熱可塑性樹脂(B)がポリオレフィン系樹脂である請求項1〜4のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂組成物。
  6. 前記熱可塑性樹脂(B)がポリプロピレン系樹脂である請求項1〜4のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂組成物。
  7. 前記アミノ基含有熱可塑性樹脂(C)がアミノ基含有ポリプロピレン系樹脂である請求項1〜6のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の繊維強化樹脂組成物を成形してなる成形品。
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