JP2000281391A - ガラス繊維集束剤、ガラス繊維およびそれを含有するポリプロピレン樹脂組成物 - Google Patents
ガラス繊維集束剤、ガラス繊維およびそれを含有するポリプロピレン樹脂組成物Info
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Abstract
脂との接着性に優れる集束剤、それを用いたガラス繊維
およびそのガラス繊維を含有するポリプロピレン樹脂組
成物を安価に提供する。 【解決手段】 (A)ポリウレタン樹脂エマルジョン、
(B)変成ポリプロピレン樹脂エマルジョン、(C)シ
ランカップリング剤および(D)ポリカルボジイミド系
樹脂エマルジョンを含有するガラス繊維集束剤、その集
束剤を塗布したガラス繊維およびそのガラス繊維を補強
材とするポリプロピレン樹脂組成物を公知の方法で製造
する。
Description
剤(以下、単に「集束剤」とする)、ガラス繊維および
そのガラス繊維を含有するポリプロピレン樹脂組成物に
関する。さらに詳しくは、ポリプロピレン樹脂との接着
性に優れた集束剤、それにより集束したガラス繊維およ
びそのガラス繊維を含有し機械的強度が向上したポリプ
ロピレン樹脂組成物に関する。
ガラス繊維に塗布され、ガラス繊維の表面に存在して、
それらを互いに接着するものである。また、ガラス繊維
は、様々な産業素材の補強材として広く用いられてお
り、例えばゴム、樹脂またはセメントなどの成形物に配
合されて、その成形物の寸法安定性や機械的強度を向上
させる。しかるに、樹脂にガラス繊維を補強材として含
有させることは、従来から広く行われてきた。
るプロピレン(C3H6)の重合によりつくられる結晶性熱可
塑性樹脂であって、硬く強靱で、耐湿性、耐油性、耐溶
剤性および電気絶縁性などに優れる。これらの特性を利
用して、この樹脂は繊維、フィルム、ロープ、印刷版、
おもちゃの製造などに広く用いらている。しかし、この
樹脂は極性基を持たないためガラス繊維を含有させても
接着性が悪く、ガラス繊維の補強材としての機能が十分
に発揮されていなかった。そこで、この樹脂に添加剤と
して変成ポリプロピレン樹脂を加えることにより、ガラ
ス繊維との接着性を向上させる方法が行われてきた。
樹脂中に添加剤が拡散するため、ガラス繊維との接触面
にのみ存在すれば足りる添加剤が大量に必要となり、製
造コストの面で問題があった。そのため、集束剤にポリ
プロピレン樹脂との接着性を高める成分を配合する技術
が開発されるに至った。例えば、特公昭52−1232
0号公報には、ポリプロピレンもしくはポリエチレン−
ポリプロピレンエマルジョンを2〜15重量%、シラン
もしくはシロキサン化合物の如き結合剤およびガラス繊
維潤滑剤を含有してなるガラス繊維ストランド形成集束
剤が開示されている。また、特開昭52−5391号公
報には、ポリ酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂またはポリ
エステル樹脂エマルジョンの少なくとも1種と、ポリオ
レフィン系樹脂エマルジョンとを含有するガラス繊維被
膜形成剤サイジング組成物が開示されている。なお、ポ
リオレフィン系樹脂エマルジョンとは、未変成のポリオ
レフィンを空気酸化あるいは酸、酸無水物で処理して変
成したものを乳化したものである。さらに、特開昭55
−27888号公報には、シランもしくはシロキサンの
如き結合剤、エチレン性不飽和カルボン酸の如き安定
剤、化学的に変成されたポリプロピレンエマルジョンの
如き潤滑剤、エポキシ、ポリエステル、ポリウレタン、
ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールもしくはアクリ
ルの如き非橋かけ性塗膜形成重合体、ポリエチレンイミ
ン誘導体の如き柔軟剤および界面活性剤からなるガラス
繊維ストランド用エマルジョンが開示されている。特開
昭57−111265号公報には、塩素化ポリプロピレ
ンの水分散性エマルジョン3〜30重量%、有機シラン
系カップリング剤0.1〜3重量%および潤滑剤0.1
〜2重量%を含有するガラス繊維用サイジング液が開示
されている。特開昭60−96549号公報には、シラ
ンまたはシロキサンの如き結合剤、ポリエステル、ポリ
ウレタン、アクリル重合体あるいはビニル重合体の如き
フィルム形成剤、湿潤剤および/または他の常用の添加
剤ならびに水溶性もしくは水分散性のブロックイソシア
ネートを含有するガラス繊維用水性サイズ剤が開示され
ている。
報で開示されたサイジング剤すなわち集束剤は、ガラス
繊維とマトリックス樹脂との接着性を向上させるが、そ
れでもなおポリプロピレン樹脂組成物の機械的強度は十
分とは言えなかった。現在ポリプロピレン樹脂の使用用
途は多岐に渡っているが、その機械的強度がさらに向上
すれば、現状の用途における性能向上ばかりでなく、新
たな用途への応用が可能となる。例えば、ポリブチレン
テレフタレートまたはナイロンが一般的に用いられてい
る歯車や建造物のようなエンジニアリング的な用途であ
る。
問題に着目してなされたものである。その目的とすると
ころは、ポリプロピレン樹脂との接着性に優れる集束
剤、それを用いたガラス繊維およびそのガラス繊維を含
有するポリプロピレン樹脂組成物を安価に提供すること
にある。
に、請求項1に記載の発明の集束剤は、(A)ポリウレ
タン樹脂エマルジョン、(B)変成ポリプロピレン樹脂
エマルジョン、(C)シランカップリング剤および
(D)ポリカルボジイミド系樹脂エマルジョンを含有す
るものである。
1に記載の発明において、上記(A)〜(D)成分の固
形分合計重量を基準として、それぞれ固形分で(A)を
25〜60重量%、(B)を15〜45重量%、(C)
を5〜20重量%および(D)を2〜10重量%含有す
るものである。
1または2に記載の発明において、(B)変成ポリプロ
ピレン樹脂エマルジョンが、マレイン酸変成ポリプロピ
レン樹脂エマルジョン、無水マレイン酸変成ポリプロピ
レン樹脂エマルジョン、カルボン酸変成ポリプロピレン
樹脂エマルジョン、グリシジルメタクリル酸変成ポリプ
ロピレン樹脂エマルジョン、アクリル酸変成ポリプロピ
レン樹脂エマルジョンおよび塩素化ポリプロピレン樹脂
エマルジョンよりなる群から選ばれた少なくとも1種で
あるものである。
1〜3のいずれか1項に記載の発明において、(C)シ
ランカップリング剤が、γ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシランおよびN−(β−アミノエチル)
N’−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエ
トキシシランよりなる群から選ばれた少なくとも1種で
あるものである。
2〜4のいずれか1項に記載の発明において、(A)〜
(D)成分の固形分合計重量を基準にして、(E)ブロ
ックイソシアネートを固形分で15重量%以下含有する
ものである。
求項1〜5のいずれか1項に記載の集束剤を用いて集束
したものである。
求項6に記載の発明において、集束剤を固形分で0.1
〜2.5重量%含有するものである。
求項6または7に記載の発明において、ガラス繊維の乾
燥重量を基準として、それぞれ固形分で(A)ポリウレ
タン樹脂を0.1〜1重量%、(B)変成ポリプロピレ
ン樹脂を0.1〜1重量%、(C)シランカップリング
剤を0.01〜0.3重量%、(D)ポリカルボジイミ
ド系樹脂0.02〜0.1重量%および(E)ブロック
イソシアネートを0〜0.2重量%含有するものであ
る。
脂組成物は、請求項6〜8のいずれか1項に記載のガラ
ス繊維を含有したものである。
樹脂組成物は、請求項9に記載の発明において、ポリプ
ロピレン樹脂100重量部、変成ポリプロピレン樹脂1
〜20重量部およびガラス繊維5〜150重量部を含有
するものである。
樹脂組成物は、請求項9または10に記載の発明におい
て、初期引張強度が80MPa以上かつ初期曲げ強度が1
40MPa以上であるものである。
て詳細に説明する。この発明の集束剤は、マトリックス
樹脂としてのポリプロピレン樹脂と高い接着性を示すも
のであるが、同様な効果を上げ得るマトリックス樹脂で
あれば、その種類を特に限定するものではない。
として(A)ポリウレタン樹脂エマルジョンを含有す
る。ポリウレタン樹脂は、ポリヒドロキシ化合物とポリ
イソシアネートとから得られる。ポリウレタン樹脂エマ
ルジョンは市販品として種々のものが入手可能である。
ポリウレタン樹脂エマルジョンは、ガラス繊維をポリプ
ロピレン樹脂に配合する際に、ガラス繊維が毛羽立つの
を防止する。ガラス繊維は、その構成単位であるフィラ
メントと呼ばれる10μm程度のガラス繊維が数百本〜
数千本、集束剤により1本にまとめられたものである。
ガラス繊維は、一般に0.1〜50mm程度に切断され、
短繊維状のままマトリックス樹脂と混合される。そし
て、樹脂中にガラス繊維が均一に存在するよう、よく練
り込まれる。この際集束剤にフィルム形成成分が存在し
ないと、フィラメント間の結合力が弱くなり、フィラメ
ントがバラバラとなって毛羽が発生し易くなる。ガラス
繊維に毛羽が発生すると、ガラス繊維がマトリックス樹
脂中に均一に存在し難くなり、樹脂組成物の強度に部分
的なバラツキが生じ、またその外観上の欠点となり易く
なる。
は、集束剤の(A)〜(D)成分の固形分合計重量を基
準として、固形分で25〜60重量%、さらには25〜
50重量%であることが好ましい。この含有率が25重
量%より低い場合は、マトリックス樹脂中でガラス繊維
の毛羽が発生し易くなるため、射出成形機などを用いた
機械的な混合が難しくなる。対して、60重量%より高
い場合は、フィラメントおよびガラス繊維間の結合力が
強くなり過ぎ、ガラス繊維が団子状にかたまりマトリッ
クス樹脂中で均一拡散し難くなり、結果として樹脂組成
物の外観上の欠点が発生し易くなる。
ピレン樹脂エマルジョンを含有する。変成ポリプロピレ
ン樹脂エマルジョンとしては、例えばマレイン酸変成ポ
リプロピレン樹脂のエマルジョン、無水マレイン酸変成
ポリプロピレン樹脂エマルジョン、カルボン酸変成ポリ
プロピレン樹脂エマルジョン、グリシジルメタクリル酸
変成ポリプロピレン樹脂エマルジョン、アクリル酸変成
ポリプロピレン樹脂エマルジョンおよび塩素化ポリプロ
ピレン樹脂エマルジョンよりなる群から選ばれた少なく
とも1種が好適に用いられる。
時点では必ずしも明確ではない。しかし、ポリプロピレ
ン樹脂がマトリックス樹脂の場合ポリプロピレン基本骨
格が共通するためマトリックス樹脂とよく馴染み、また
変成により導入された官能基例えばカルボキシル基が
(A)ポリウレタン樹脂エマルジョンのイソシアネート
基や水酸基と水素結合を形成するため、結果としてガラ
ス繊維とマトリックス樹脂の一体性を高める働きをする
と考えられる。
有率は、集束剤の(A)〜(D)成分の固形分合計重量
を基準として、固形分で15〜45重量%、さらには1
5〜40重量%が好ましい。この含有率が15重量%よ
り低い場合は、集束剤とマトリックス樹脂との馴染みが
向上し難い。対して、45重量%より高い場合は、樹脂
組成物が黄変着色し易くなり好ましくない。
リング剤を含有する。シランカップリング剤は、無機物
であるガラス繊維と有機物であるその他集束剤成分との
馴染みを向上させるために配合される成分である。シラ
ンカップリング剤としては、アミノ系シランカップリン
グ剤が特に有効である。
ノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチ
ル)γ−アミノプロピルトリエトキシシランおよびN−
(β−アミノエチル)N’−(β−アミノエチル)γ−
アミノプロピルトリエトキシシランよりなる群から選ば
れた少なくとも1種が好適に用いられる。
の(A)〜(D)成分の固形分合計重量を基準として、
固形分で5〜20重量%、さらには10〜15重量%が
好ましい。この含有率が5重量%より低い場合は、ガラ
ス繊維の全面にシランカップリング剤が行き渡らなくな
り、ガラス繊維とその他集束剤成分との馴染みが向上し
難い。対して、20重量%より高い場合は、それ以上含
有することによる効果の向上を期待し難く、また樹脂組
成物が黄変着色し易くなり好ましくない。
ルボジイミド系樹脂を含有する。カルボジイミド系樹脂
は、一般式RN=C=NRで表される化合物であって、集束剤
中におけるその作用機構は必ずしも明確ではない。しか
し、ポリカルボジイミド樹脂は、その化学構造より、
(B)変性ポリプロピレン樹脂のカルボキシル基と反応
してカルバモイルアミドを形成し、また(A)ポリウレ
タン樹脂エマルジョンのイソシアネート基や水酸基と水
素結合を形成し、さらに(C)シランカップリング剤の
アミノ基と反応してグアニジンを形成する一連の架橋を
起こすものと考えられる。したがって、ポリカルボジイ
ミド系樹脂を含有する集束剤を用いることにより、ガラ
ス繊維とマトリックス樹脂との一体性を高めることがで
きると考えられる。なお、集束剤に(D)ポリカルボジ
イミド系樹脂を含有させることは、従来の技術では全く
示されておらず、この発明特有の技術的思想である。
含有率は、集束剤の(A)〜(D)成分の固形分合計重
量を基準として、固形分で2〜10重量%、さらには3
〜5重量%が好ましい。この含有率が2重量%より低い
場合は、従来の集束剤と比較して著しい効果は期待し難
い。対して、10重量%より高くい場合は、樹脂組成物
が黄変着色し易くなり好ましくない。
ックイソシアネートを含有することが好ましい。ブロッ
クイソシアネートとしては、例えばヘキサメチレンジイ
ソシアネート系ポリイソシアネートのε−カプロラクタ
ムまたはオキシムブロック体が挙げられる。これらは単
独であるいは2種以上を併用することができる。ブロッ
クイソシアネートは、(A)ポリウレタン樹脂と化学構
造が類似するため、(B)変成ポリプロピレンと結合し
て集束剤成分の結合を高める働きをすると考えられる。
剤の(A)〜(D)成分の固形分合計重量を基準とし
て、15重量%以下であることが好ましく、さらには1
1重量%以下であることが好適である。この含有率が1
5重量%より高い場合は、樹脂組成物が黄変着色し易く
好ましくない。
量に対し固形分で0.1〜2.5重量%、さらには0.
2〜2重量%、最適には0.4〜1.5重量%付着する
よう塗布されることが好ましい。この範囲内であれば、
ガラス繊維表面に均一に集束剤が存在し得るからであ
る。集束剤の塗布量が0.1重量%より少ない場合は、
ガラス繊維表面全体に集束剤が行き渡り難くなり、対し
て2.5重量%より多い場合は、集束剤の飛散やガラス
繊維同士の結合が強くなり過ぎ糸解きが困難になるなど
の新たな問題が発生する。なお、ガラス繊維に集束剤を
塗布する方法は、公知の方法がそのまま利用できる。
分をその乾燥重量に対して、(A)ポリウレタン樹脂
0.1〜1重量%、(B)変成ポリプロピレン樹脂0.
1〜1重量%、(C)シランカップリング剤0.01〜
0.3重量%、(D)ポリカルボジイミド系樹脂0.0
2〜0.1重量%および(E)ブロックイソシアネート
0〜0.2重量%で含有することが好ましい。これらの
範囲にある場合に、ガラス繊維とポリプロピレン樹脂と
の接着性が最も良好であることが経験的に知られている
からである。
20μm、さらには約9〜13μmのものが好ましい。ま
た、その長さは1〜25mm、さらには1.5〜6mmが好
ましい。フィラメント直径が上記範囲にあるガラス繊維
は、既に製造条件が確立されているため、安定して低コ
ストで製造される。また、その長さが上記範囲のガラス
繊維は、振動フィーダーを用いて射出成形機に直接供給
することができるので、樹脂組成物を製造する上で作業
性がよい。
マトリックス樹脂としてのポリプロピレン樹脂に配合さ
れた場合に、その樹脂組成物の機械的強度を著しく向上
させることができる。この場合、ポリプロピレン樹脂1
00重量部、変成ポリプロピレン樹脂1〜20重量部お
よびガラス繊維5〜150重量部の混合比率とすること
が好ましい。変成ポリプロピレン樹脂は、高価であるた
め製造コストの面から使用しない方が好ましい。しか
し、マトリックス樹脂とガラス繊維との接着性を高める
効果は高く、その効果が有効に発揮される範囲であれば
使用する価値がある。すなわち、費用対効果の観点から
バランスの取れた混合比率が上記範囲であると考えられ
る。また、ガラス繊維は、樹脂組成物の機械的強度を向
上させるものではあるが、上記混合比率よりその含有量
が多くなると、ガラス繊維が主体的となり却って樹脂組
成物の一体性を低下させるおそれがある。
従来のものに比べ、機械的強度が大幅に向上するもので
ある。例えば、下記実施例で示す初期引張強度および初
期曲げ強度試験においては、従来のポリプロピレン樹脂
組成物が達成できなかった初期引張強度80MPaおよび
初期曲げ強度140MPaを大きく上回る。これは、この
発明特有の効果である。
をさら具体的に説明する。
ン、マレイン酸変成ポリプロピレン樹脂エマルジョン、
シランカップリング剤(γ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン)、ポリカルボジイミド系樹脂エマルジョンお
よびブロックイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシ
アネート系ポリイソシアネートのε−カプロラクタム)
を配合して定法に従い集束剤を製造した。集束剤におけ
る各成分の含有率を下記「表1」に記載する。
るよう、その濃度を3〜20重量%にして、10μm径
のガラスフィラメントに塗布した。このフィラメントを
集束しガラス繊維に成形した後、長さ3mmに切断してチ
ョップドストランドを製造した。
ずチョップドストランドを加熱乾燥機に入れ溶媒を除去
した後の重量を測定し、その後さらに加熱して集束剤も
揮発させた後の重量を測り、その差をみることにより測
定した。その結果を下記「表1」に記載する。
プロピレン樹脂および変成ポリプロピレン樹脂を混合
し、押し出し機で混合造粒した。ガラス繊維の含有量は
20重量%とした。射出成形機により下記測定法で定め
る寸法の成形片を製造し、初期引張強度、初期曲げ強度
および初期アイゾット衝撃値を測定した。その測定結果
を下記「表1」に示す。なお、ポリプロピレン樹脂組成
物の物性測定方法は、以下の通りである。
う。 〔初期曲げ強度〕ASTM−D790に従う。 〔初期アイゾット衝撃値〕ASTM−D256に従う。
は、チョップドストランドの毛羽による外観上の欠点が
なく、かつ透明で電気絶縁性に優れたものであった。
イミド系樹脂を使用せず、また集束剤の付着率が少ない
以外は、実施例1と同様にしてポリプロピレン樹脂組成
物を製造した。集束剤の各成分の含有率などを下記「表
1」に記載する。
ポリプロピレン樹脂組成物における混合比率とを下記
「表1」のようにした以外は、実施例1と同様にしてポ
リプロピレン樹脂組成物を製造した。
の集束剤の付着率などを下記「表2」にようにした以外
は、実施例1と同様にしてポリプロピレン樹脂組成物を
製造した。
判る。実施例1と比較例1とを比較することにより、集
束剤に(D)ポリカルボジイミド系樹脂を含有すると、
ポリプロピレン樹脂組成物の機械的強度が著しく向上す
ることが判る。
により、集束剤の(D)ポリカルボジイミド系樹脂の含
有率が増加すると、ポリプロピレン樹脂組成物の機械的
強度がさらに向上することが判る。
るため、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発
明の集束剤によれば、(A)〜(D)成分を含有するも
のであるので、マトリックス樹脂としてのポリプロピレ
ン樹脂とガラス繊維との接着性を高めることができる。
請求項1に記載の発明の効果に加えて、(A)〜(D)
成分を所定量含有するものであるので、各成分の効果を
バランス良く発揮させることができる。
請求項1または2に記載の発明の効果に加えて、(B)
成分が限定されているので、マトリックス樹脂とガラス
繊維との一体性を効果的に高めることができる。
請求項1〜3に記載の発明の効果に加えて、(C)成分
が限定されているので、ガラス繊維の有機物に対する馴
染みを効果的に改善させることできる。
請求項2〜4の発明の効果に加えて、(E)成分が所定
量含有されているので、集束剤の各成分の結合力をさら
に高めることができる。
ば、請求項1〜5に記載の集束剤を用いるので、ポリプ
ロピレン樹脂と接着性の高いものが得られる。
ば、請求項6に記載の発明の効果に加えて、集束剤の含
有率が限定されているので、集束剤の機能を有効に発揮
させることができる。
ば、請求項6または7に記載の発明の効果に加えて、ガ
ラス繊維に対する集束剤の各成分の付着率が限定されて
いるので、集束剤の各成分の機能が相互に協調し有効に
発揮される。
脂組成物によれば、請求項6〜8に記載のガラス繊維を
含有するので、機械的強度の高いポリプロピレン樹脂組
成物が得られる。
樹脂組成物によれば、その構成要素の混合比率が一定範
囲内にあるので、一体性の高いポリプロピレン樹脂組成
物が得られる。
樹脂組成物によれば、従来のポリプロピレン樹脂組成物
では到達し得ない機械的強度を発揮し得るものが得られ
る。
Claims (11)
- 【請求項1】 (A)ポリウレタン樹脂エマルジョン、
(B)変成ポリプロピレン樹脂エマルジョン、(C)シ
ランカップリング剤および(D)ポリカルボジイミド系
樹脂エマルジョンを含有するガラス繊維集束剤。 - 【請求項2】 上記(A)〜(D)成分の固形分合計重
量を基準として、それぞれ固形分で(A)を25〜60
重量%、(B)を15〜45重量%、(C)を5〜20
重量%および(D)を2〜10重量%含有する請求項1
に記載のガラス繊維用集束剤。 - 【請求項3】 上記(B)変成ポリプロピレン樹脂エマ
ルジョンが、マレイン酸変成ポリプロピレン樹脂エマル
ジョン、無水マレイン酸変成ポリプロピレン樹脂エマル
ジョン、カルボン酸変成ポリプロピレン樹脂エマルジョ
ン、グリシジルメタクリル酸変成ポリプロピレン樹脂エ
マルジョン、アクリル酸変成ポリプロピレン樹脂エマル
ジョンおよび塩素化ポリプロピレン樹脂エマルジョンよ
りなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項1ま
たは2に記載のガラス繊維集束剤。 - 【請求項4】 上記(C)シランカップリング剤が、γ
−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミ
ノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシランおよ
びN−(β−アミノエチル)N’−(β−アミノエチ
ル)γ−アミノプロピルトリエトキシシランよりなる群
から選ばれた少なくとも1種である請求項1〜3のいず
れか1項に記載のガラス繊維集束剤。 - 【請求項5】 上記(A)〜(D)成分の固形分合計重
量を基準にして、(E)ブロックイソシアネートのエマ
ルジョンをブロックイソシアネートの固形分で15重量
%以下含有する請求項2〜4のいずれか1項に記載のガ
ラス繊維集束剤。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載のガ
ラス繊維集束剤を用いて集束したガラス繊維。 - 【請求項7】 上記ガラス繊維集束剤を固形分で0.1
〜2.5重量%含有する請求項6に記載のガラス繊維。 - 【請求項8】 ガラス繊維の乾燥重量を基準として、そ
れぞれ固形分で (A)ポリウレタン樹脂を0.1〜1重量%、 (B)変成ポリプロピレン樹脂を0.1〜1重量%、 (C)シランカップリング剤を0.01〜0.3重量
%、 (D)ポリカルボジイミド系樹脂0.02〜0.1重量
%および (E)ブロックイソシアネートを0〜0.2重量%含有
する請求項6または7に記載のガラス繊維。 - 【請求項9】 請求項6〜8のいずれか1項に記載のガ
ラス繊維を含有したポリプロピレン樹脂組成物。 - 【請求項10】 ポリプロピレン樹脂100重量部、変
成ポリプロピレン樹脂1〜20重量部および上記ガラス
繊維5〜150重量部を含有する請求項9に記載のポリ
プロピレン樹脂組成物。 - 【請求項11】 初期引張強度が80MPa以上かつ初期
曲げ強度が140MPa以上である請求項9または10に
記載のポリプロピレン樹脂組成物。
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---|---|---|---|
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JP2000281391A true JP2000281391A (ja) | 2000-10-10 |
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JP (1) | JP3729675B2 (ja) |
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