JP2005298550A - 粘着剤用シリコーン組成物及び該組成物から得られる粘着テープ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 アルケニル基を有するポリオルガノシロキサンと、R1 3SiO0.5単位およびSiO2単位を有するポリオルガノシロキサンと、SiH基を含有するポリオルガノシロキサンとを含む粘着剤用シリコーン組成物であって、
(1)該組成物を、硬化後の厚みが28〜32μmになるように基材テープ上に塗布した後110℃〜140℃で1〜3分加熱して粘着テープを調製し、
(2)該粘着テープの粘着面側をステンレス鋼表面に圧着した後、最高温度250℃〜300℃で、少なくとも10分間加熱し、次いで、
(3)室温まで冷却した後、該粘着テープを手動によりステンレス鋼から剥がして、ステンレス鋼表面を目視観察した場合に、
該ステンレス鋼表面上に該シリコーン組成物由来の残存物が観察されないことを特徴とする粘着剤用シリコーン組成物。
【選択図】 なし
Description
(1)該組成物を、硬化後の厚みが28〜32μmになるように基材テープ上に塗布した後110℃〜140℃で1〜3分加熱して粘着テープを調製し、
(2)該粘着テープの粘着面側をステンレス鋼表面に圧着した後、最高温度250℃〜300℃で、少なくとも10分間加熱し、次いで、
(3)室温まで冷却した後、該粘着テープを手動によりステンレス鋼から剥がして、ステンレス鋼表面を目視観察した場合に、
該ステンレス鋼表面上に該シリコーン組成物由来の残存物が観察されないことを特徴とする粘着剤用シリコーン組成物である。
上記本発明の好ましい態様は以下のとおりである。
前記工程(1)において、基材テープとして25mm巾のポリイミドテープを使用して調製した粘着テープを、室温で18〜22時間放置後に、25℃において引張り試験機を用いて、300mm/分の引張り速度で測定した該テープの180度剥離が0.05〜4N/25mmである上記粘着剤用シリコーン組成物。
(A)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、アルケニル基含有量が0.0015〜0.06モル/100gである、ポリオルガノシロキサンを20〜95質量部、
(B)R1 3SiO0.5単位およびSiO2単位を含有し、SiO2単位モル数に対するR1 3SiO0.5単位モル数の比が0.6〜1.7であるポリオルガノシロキサン(但しR1は互いに異なっていてよい、炭素数1〜10の1価炭化水素基)を80〜5質量部、
(C)1分子中にSiH基を3個以上含有するポリオルガノシロキサンを、(A)成分中のアルケニル基モル数に対する(C)成分中のSiH基モル数の比が0.5〜20となる量、
(D)制御剤を(A)と(B)の合計100質量部に対して0〜8.0質量部、及び、
(E)白金触媒を(A)と(B)の合計100質量部に対して、白金分として1〜5000ppm
を含むことを特徴とする上記粘着剤用シリコーン組成物。
ポリオルガノシロキサン(A)のアルケニル基含有量が0.002〜0.04モル/100gである、上記粘着剤用シリコーン組成物。
ポリオルガノシロキサン(C)が、(A)成分中のアルケニル基モル数に対する(C)成分中のSiH基モル数の比が3〜15となる量で含まれる、上記粘着剤用シリコーン組成物。
ポリオルガノシロキサン(C)が、下記式で表されるポリオルガノシロキサンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする上記粘着剤用シリコーン組成物。
(式中、R1は互いに異なっていてよい、脂肪族不飽和結合を含まない1価炭化水素基であり、bは0または1であり、xは1以上の整数、但しbが0のときは3以上の整数であり、yは1以上の整数であり、sは2以上の整数であり、及び、tは1以上の整数である)
(F)ヒンダードアミン化合物を(A)と(B)の合計100質量部に対して0.01〜1質量部、および/または、(G)フェノール系酸化防止剤を(A)と(B)の合計100質量部に対して0.1〜10質量部をさらに含むことを特徴とする上記粘着剤用シリコーン組成物。
また、本発明は、基材テープと、該基材テープ上に施与された粘着層からなる粘着テープにおいて、該粘着層が、上記粘着剤用シリコーン組成物のいずれかを含むことを特徴とする粘着テープである。
(1)シリコーン組成物を、硬化後の厚みが28〜32μmになるように基材テープ上に塗布した後110℃〜140℃で1〜3分加熱して粘着テープを調製し、
(2)該粘着テープの粘着面側をステンレス鋼表面に圧着した後、最高温度250℃〜300℃で、少なくとも10分間加熱し、次いで、
(3)室温まで冷却した後、該テープを手動によりステンレス鋼から剥がして、ステンレス鋼表面を目視観察する、
において、ステンレス鋼表面上にシリコーン組成物由来の残存物が何も観察されないことを特徴とする。該評価法は、実際の半導体部品製造工程、特にリフロー工程、を反映する。ステップ(1)において、市販の基材テープ、例えばポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド、ポリカーボネート等ポリマーテープ、アルミニウム箔、銅箔などの金属箔テープ、和紙、合成紙、ポリエチレンラミネート紙などの紙テープ、布、ガラス繊維製のテープを使用することができ、糊残りの有無は外基材テープの種類には依存しない。ステップ(2)において、工程における特性要求に応じて、最高温度及び最高温度の維持時間を適宜調整すれば、顧客ニーズに応える組成物を製造するための評価基準となる。また、ステンレス鋼以外の金属、例えば、銅、アルミニウム、金メッキ付き銅、及び銅合金等、のいずれかを使用することができる。ステップ(3)の観察は、機器分析法によることも可能であるが、発明者らが検討したところ、目視観察で残渣が認められなければ、部品の後処理において何ら問題を生じなかった。
(A)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、アルケニル基含有量が0.002〜0.04モル/100gである、ポリオルガノシロキサンを20〜95質量部、
(B)R1 3SiO0.5単位およびSiO2単位を含有し、SiO2単位モル数に対するR1 3SiO0.5単位モル数の比、即ち、R1 3SiO0.5単位モル数/SiO2単位モル数、が0.6〜1.7であるポリオルガノシロキサン(但しR1は互いに異なっていてよい、炭素数1〜10の1価炭化水素基)を80〜 5質量部、
(C)1分子中にSiH基を3個以上含有するポリオルガノシロキサンを、(A)成分中のアルケニル基モル数に対する(C)成分中のSiH基モル数の比、即ち、(C)成分中のSiH基モル数/(A)成分中のアルケニル基モル数、が0.5〜20となる量、
(D)制御剤を(A)と(B)の合計100質量部に対して0〜8.0質量部、及び、
(E)白金触媒を(A)と(B)の合計100質量部に対して、白金分として1〜5000ppm。
以下、各成分について説明する。
R1 (3-a)XaSiO-(R1XSiO)m-(R1 2SiO)n-SiR1 (3-a)Xa
R1 2(HO)SiO-(R1XSiO)m+2-(R1 2SiO)n-SiR1 2(OH)
(式中、R1は互いに異なっていてよい、脂肪族の不飽和結合を含まない1価炭化水素基であり、Xはアルケニル基含有有機基であり、aは0〜3の整数、好ましくは1、mは0以上、nは100以上の数であり、aとmは同時に0にならない。また、m+nはこのポリジオルガノシロキサンの25℃における粘度を500 mPa・s以上とする数である。)
R1 2(HO)SiO-(R1XSiO)m+2-(R1 2SiO)n-SiR1 2(OH)
(R1、m、nは上記ポリオルガノシロキサン(A)について上記したのと同様である。)
(B)成分と縮合反応する。縮合反応を行うには、トルエンなどの溶剤に溶解した(A)成分と(B)成分の混合物をアルカリ性触媒を用い、室温乃至還流下で反応させればよい。
(R1は前記の炭化水素であり、bは0または1、xは1以上の整数、但しbが0のときは、xは3以上の整数であり、yは1以上の整数であり、また、sは3以上の整数、tは1以上の整数であり、好ましくは8≧s+t≧3の整数を示す。)
上記ポリオルガノシロキサンは、y又はtが1以上の整数であり、SiH基を含むシロキサン単位に加えて、SiH基を含まないシロキサン単位を含む。これらの単位は、ブロックとして含まれていても、ランダムに含まれていてもよい。ポリオルガノシロキサン(C)が、SiH基を含有するシロキサン単位のみで構成されていると、250℃を超える高温の熱履歴を与えた場合、糊残り評価において、非常に軽度な「糊残り」とも言い得る「粘着剤の痕跡」が認められる場合がある。
[実施例]
糊残り性
粘着剤用シリコーン組成物溶液を、厚み25μm、幅25mmのポリイミドフィルムに硬化後の厚みが30μmとなるようにアプリケータを用いて塗工した後、130℃、1分の条件で加熱して硬化させ、粘着テープを作成した。この粘着テープを金属板(研磨したステンレス板)に貼りつけ、重さ2kgのゴム層で被覆されたローラーを、該テープ基材上で1往復させることにより該テープを圧着した後、金属板を280℃の恒温槽中で放置した。表1に示す所定時間後に金属板を取り出し、室温まで冷やした後、粘着テープを手で剥がして、金属板の表面に粘着剤由来の物質が残留するかどうかを目視観察した。糊残りなく剥離できたものをA、一部糊残りするものをB、ほぼ全面が糊残りするものをCとした。
糊残り性評価と同様の方法で粘着テープを作成し、同様の方法によりステンレス板に圧着した。室温で約20時間放置した後、25℃において、引っ張り試験機を用いて300mm/分の引張り速度で180゜の角度でテープをステンレス板から引き剥がすのに要する力(N/25mm)を測定した。
Me3SiO−[MeHSiO]45−[Me2SiO]17−SiMe3
上記の混合物(シロキサン分60%)100部にトルエン50部と、白金触媒CAT−PL−50T(信越化学工業社製)0.5部を添加してさらに混合し、シロキサン分約40%の粘着剤用シリコーン組成物溶液を調製した。このシリコーン粘着剤の糊残り性、粘着力測定した結果を表1に示す。
上記の混合物(シロキサン分60%)100部にトルエン50部と、白金触媒CAT−PL−50T(信越化学工業社製)0.5部を添加してさらに混合し、シロキサン分約40%の粘着剤用シリコーン組成物溶液を調製した。このシリコーン粘着剤の糊残り性、粘着力を測定した結果を表1に示す。
上記の混合物(シロキサン分60%)100部にトルエン50部と、白金触媒CAT−PL−50T(信越化学工業社製)0.5部を添加してさらに混合し、シロキサン分約40%の粘着剤用シリコーン組成物溶液を調製した。このシリコーン粘着剤の糊残り性、粘着力を測定した結果を表1に示す。
上記の混合物(シロキサン分60%)100部にトルエン50部と、白金触媒CAT−PL−50T(信越化学工業社製)0.5部を添加してさらに混合し、シロキサン分約40%の粘着剤用シリコーン組成物溶液を調製した。このシリコーン粘着剤の糊残り性、粘着力を測定した結果を表1に示す。
上記の混合物(シロキサン分60%)100部にトルエン50部、白金触媒CAT−PL−50T(信越化学工業社製)0.5部を添加してさらに混合し、シロキサン分約40%の粘着剤用シリコーン組成物溶液を調製した。このシリコーン粘着剤の糊残り性、粘着力を測定した結果を表1に示す。
30%トルエン溶液での粘度が粘度が20000mPa・sであり、アルケニル基含有量が0.0014モル/100gであり、分子鎖末端がSiMe2Vi基で封鎖されたビニル基含有ポリジメチルシロキサン40部、Me3SiO0.5単位、SiO2単位からなるポリシロキサン(Me3SiO0.5単位/SiO2単位=0.80)の60%トルエン溶液100部、トルエン30部からなる溶液に、実施例1で使用したポリオルガノシロキサン(C)0.28部、エチニルシクロヘキサノール(0.1部)を添加して混合した。
上記の混合物(シロキサン分60%)100部にトルエン50部、白金触媒CAT−PL−50T(信越化学工業社製)0.5部を添加してさらに混合し、シロキサン分約40%の粘着剤用シリコーン組成物溶液を調製した。このシリコーン粘着剤の糊残り性、粘着力を測定した結果を表1に示す。
30%トルエン溶液での粘度が23000mPa・sであり、アルケニル基含有量が0.07モル/100gであり、分子鎖末端がSiMe2Vi基で封鎖されたビニル基含有ポリジメチルシロキサン40部、Me3SiO0.5単位、SiO2単位からなるポリシロキサン(Me3SiO0.5単位/SiO2単位=0.80)の60%トルエン溶液100部、トルエン30部からなる溶液に、実施例1で使用したポリオルガノシロキサン(C)12.5部、エチニルシクロヘキサノール(0.1部)を添加して混合した。
上記の混合物(シロキサン分60%)100部にトルエン50部、白金触媒CAT−PL−50T(信越化学工業社製)0.5部を添加してさらに混合し、シロキサン分約40%の粘着剤用シリコーン組成物溶液を調製した。このシリコーン粘着剤の糊残り性、粘着力を測定した結果を表1に示す。
30%トルエン溶液での粘度が24000mPa・sであり、アルケニル基含有量が0.007モル/100gであり、分子鎖末端がSiMe2Vi基で封鎖されたビニル基含有ポリジメチルシロキサン40部、Me3SiO0.5単位、SiO2単位からなるポリシロキサン(Me3SiO0.5単位/SiO2単位=0.80)の60%トルエン溶液 100部、トルエン30部からなる溶液に、次式の架橋剤0.87部、エチニルシクロヘキサノール0.1部を添加して混合した。
Me3SiO−[MeHSiO]40−SiMe3
上記の混合物(シロキサン分60%)100部にトルエン50部、白金触媒CAT−PL−50T(信越化学工業社製)0.5部を添加してさらに混合し、シロキサン分約40%の粘着剤用シリコーン組成物溶液を調製した。このシリコーン粘着剤の糊残り性、粘着力を測定した結果を表1に示す。
30%トルエン溶液での粘度が27000mPa・sであり、アルケニル基含有量が0.007モル/100gであり、分子鎖末端がSiMe2Vi基で封鎖されたビニル基含有ポリジメチルシロキサン60部、Me3SiO0.5単位、SiO2単位からなるポリシロキサン(Me3SiO0.5単位/SiO2単位=0.80)の60%トルエン溶液 67部、トルエン30部からなる溶液に、比較例2で使用した架橋剤1.31部、エチニルシクロヘキサノール0.1部を添加して混合した。
上記の混合物(シロキサン分60%)100部にトルエン50部、白金触媒CAT−PL−50T(信越化学工業社製)0.5部を添加してさらに混合し、シロキサン分約40%の粘着剤用シリコーン組成物溶液を調製した。このシリコーン粘着剤の糊残り性、粘着力を測定した結果を表1に示す。
Claims (8)
- アルケニル基を有するポリオルガノシロキサンと、R1 3SiO0.5単位およびSiO2単位を有するポリオルガノシロキサンと、SiH基を含有するポリオルガノシロキサンとを含む粘着剤用シリコーン組成物であって、
(1)該組成物を、硬化後の厚みが28〜32μmになるように基材テープ上に塗布した後110℃〜140℃で1〜3分加熱して粘着テープを調製し、
(2)該粘着テープの粘着面側をステンレス鋼表面に圧着した後、最高温度250℃〜300℃で、少なくとも10分間加熱し、次いで、
(3)室温まで冷却した後、該粘着テープを手動によりステンレス鋼から剥がして、ステンレス鋼表面を目視観察した場合に、
該ステンレス鋼表面上に該シリコーン組成物由来の残存物が観察されないことを特徴とする粘着剤用シリコーン組成物。 - 前記工程(1)において、基材テープとして25mm巾のポリイミドテープを使用して調製した粘着テープを、室温で18〜22時間放置後に、25℃において引張り試験機を用いて、300mm/分の引張り速度で測定した該テープの180度剥離が0.05〜4N/25mmである、ことを特徴とする請求項1記載の粘着剤用シリコーン組成物。
- (A)1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、アルケニル基含有量が0.0015〜0.06モル/100gである、ポリオルガノシロキサンを20〜95質量部、
(B)R1 3SiO0.5単位およびSiO2単位を含有し、SiO2単位モル数に対するR1 3SiO0.5単位モル数の比が0.6〜1.7であるポリオルガノシロキサン(但しR1は互いに異なっていてよい、炭素数1〜10の1価炭化水素基)を80〜5質量部、
(C)1分子中にSiH基を3個以上含有するポリオルガノシロキサンを、(A)成分中のアルケニル基モル数に対する(C)成分中のSiH基モル数の比が0.5〜20となる量、
(D)制御剤を(A)と(B)の合計100質量部に対して0〜8.0質量部、及び、
(E)白金触媒を(A)と(B)の合計100質量部に対して、白金分として1〜5000ppm
を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の粘着剤用シリコーン組成物。 - ポリオルガノシロキサン(A)のアルケニル基含有量が0.002〜0.04モル/100gである、請求項3記載の粘着剤用シリコーン組成物。
- ポリオルガノシロキサン(C)が、(A)成分中のアルケニル基モル数に対する(C)成分中のSiH基モル数の比が3〜15となる量で含まれる、請求項3または4記載の粘着剤用シリコーン組成物。
- (F)ヒンダードアミン化合物を(A)と(B)の合計100質量部に対して0.01〜1質量部、および/または、(G)フェノール系酸化防止剤を(A)と(B)の合計100質量部に対して0.1〜10質量部をさらに含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の粘着剤用シリコーン組成物。
- 基材テープと、該基材テープ上に施与された粘着層からなる粘着テープにおいて、該粘着層が、請求項1〜7のいずれか1項記載の粘着剤用シリコーン組成物を含むことを特徴とする粘着テープ。
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