JP2005296265A - 中空糸型モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】
簡単な構造で中空糸膜間の全域に処理液を行き渡らせ易く、処理効率の向上を図ることができる中空糸型モジュールを提供する。
【解決手段】
ケーシング2内に装填された中空糸束5の両端部を樹脂組成物10で封止してケーシング内を被処理液が通る被処理液空間と処理液が通る処理液空間とに区画し、ケーシングの両端近傍に処理液の注入口13または流出口14となる接続口を配置し、ケーシング2内のうち、注入口が開口する部分に、ケーシングの内周面と所定の間隙を隔ててバッフル板41を設けた中空糸型モジュールにおいて、バッフル板は、ケーシング2の内周面に固定した基端部からポッティング部10に向けて延設され、その先端部をポッティング部10の手前まで延出し、当該バッフル板の一方の側部とケーシングの内周面との間を壁部42で閉塞し、他方の側部とケーシング2の内周面との間には、ケーシングの周方向に向けて開放部43を設けた。
【選択図】 図3

Description

本発明は、血液浄化等に使用する中空糸型モジュールに関し、特に筒型ケーシングの処理液流入部に設けるバッフル板の構造を改良した中空糸型モジュールに関する。
従来の中空糸型モジュールは、筒型ケーシング内に中空糸束を充填するとともに、この中空糸束の両端を樹脂組成物でケーシング内面に固定し、ケーシングの両端に被処理液の供給口または排出口となる接続口を備えるキャップ部材をそれぞれ装着し、ケーシングの外周部両端近傍に処理液の注入口及び流出口となる接続口を設けている。そして、上記供給口から被処理液を供給して各中空糸膜の内部を通過する際にその外側の処理液により浄化処理を行う。
この中空糸型モジュールに関連する技術は、例えば、特開2001−70759号公報(特許文献1)に提案されている。特許文献1には、ケーシング内の処理液注入口及び流出口に対応する位置に、使用時に注入される処理液を分散し、また製造時に注入される液状の樹脂組成物を案内するバッフル板が設けられている旨が開示されており、このバッフル板は、基端部がケーシングの内周面に固定されると共に、先端部がケーシングの開口端部に向かって延出した舌片状であり、先端部が樹脂層部内に届く長さを有し、基端部から先端部に向けて縮幅している。
特開2001−70759号公報
図7及び図8に示すように、上述した従来の中空糸型モジュール81では、筒型ケーシング82内の処理液の注入口83に対応する位置に舌片状のバッフル板85が設けられており、使用時には注入口83から流入した処理液をバッフル板85によって周方向の左右両方向に案内し、これにより処理液が中空糸束に直接当たるのを防止している。しかし、このような構成を採ると、中空糸膜の充填率が低い場合には、処理液の注入口83と流出口84とを最短距離で結んだ部分(図7においてXで示す部分)を処理液が流れ易くなり、その結果、筒型ケーシング2内の反対側の部分(図7においてYで示す部分)では処理液が流れ難くなっていた。一方、中空糸膜の充填率が高く、密度が均一な場合には、処理液は中空糸膜間を流れて行くが、中空糸膜の分布が全体にわたって均一でないと、処理液が流れ難い部分が生じ、処理効率が低下するという問題があった。
本発明は、上記に鑑みて提案されたものであり、簡単な構造で中空糸束間の全域に亘って処理液を行き渡らせ易く、処理効率の向上を図ることができる中空糸型モジュールを提供することを目的とする。
上記の目的を達成すべく、請求項1に記載のものは、筒型ケーシング内に装填された中空糸束の両端部を樹脂組成物で封止してケーシング内を被処理液が通る被処理液空間と処理液が通る処理液空間とに区画し、前記ケーシングの両端に被処理液空間と連通して被処理液の供給口または排出口となる接続口を配置し、ケーシングの両端近傍に処理液空間と連通して処理液の注入口または流出口となる接続口を配置し、前記ケーシング内のうち、処理液の注入口が開口する部分に、ケーシングの内周面と所定の間隙を隔ててバッフル板を設けた中空糸型モジュールにおいて、
前記バッフル板は、ケーシングの内周方向に沿う方向の一方の側部とケーシングの内周面との間を閉塞部で閉塞し、他方の側部とケーシングの内周面との間には、ケーシングの周方向に向けて開放された開放部を設けたことを特徴とする中空糸型モジュールである。
請求項2に記載のものは、前記バッフル板は、ケーシングの内周面に固定した基端部から樹脂組成物層に向けて延設され、その先端部を樹脂組成物層の手前または樹脂組成物層まで延出し、当該バッフル板の一方の側部とケーシングの内周面との間を閉塞部で閉塞し、他方の側部とケーシングの内周面との間には、ケーシングの周方向に向けて開放された開放部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の中空糸型モジュールである。
請求項3に記載のものは、前記バッフル板は、他方の側部をケーシングの周方向に沿って前記閉塞部の近傍まで一周弱延出し、
前記バッフル板の周方向に沿って複数の開口部を開設したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の中空糸型モジュールである。
請求項4に記載のものは、前記ケーシング内のうち、処理液の流出口が開口する部分にも前記バッフル板を設け、
前記流出口側に設けられたバッフル板の開放部を、注入口側に設けられたバッフル板の開放部が開放された方向とは反対方向のケーシング周方向に向けて開放し、
前記流出口側に設けられたバッフル板の閉塞部を、注入口側に設けられたバッフル板の閉塞部が閉塞した方向とは反対方向のバッフル板の側部とケーシング内周面との間を閉塞したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の中空糸型モジュールである。
本発明の中空糸型モジュールによれば、次のような優れた効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、前記バッフル板は、ケーシングの内周方向に沿う方向の一方の側部とケーシングの内周面との間を閉塞部で閉塞し、他方の側部とケーシングの内周面との間には、ケーシングの周方向に向けて開放された開放部を設けたので、注入口からケーシング内に流入した処理液がケーシング内面とバッフル板との間を開放部に向けて、すなわちケーシングの周方向の一方向へ導かれて流れる。したがって、処理液の流れが注入口とは反対側にも到達して周回流となり、処理液は、徐々に中空糸束の間に流れ込むことができる。このため、簡単な構造で中空糸束の間の全域に処理液を行き渡らせ易くなり、これにより、処理効率の向上を図ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、バッフル板は、ケーシングの内周面に固定した基端部から樹脂組成物層に向けて延設され、その先端部を樹脂組成物層の手前または樹脂組成物層まで延出したので、ケーシングに中空糸束を装填する前の状態においては、バッフル板を、ケーシングの内周面との間の空間がケーシングの周方向だけでなくケーシングの端部の方向にも向けて開放する状態で形成することができる。したがって、このバッフル板を、ケーシングの端部開口に対して進退する金型を用いて、ケーシングの内周面に一体成型することができる。このことから、処理効率の向上を期待できる中空糸型モジュールのケーシングを、工程を複雑にすることなく容易に製造することができ、上記中空糸型モジュールの製造工数やコストを抑えることができる。
請求項3に記載の発明によれば、バッフル板は、他側部をケーシングの周方向に沿って前記閉塞部の近傍まで一周弱延出し、上記バッフル板の周方向に沿って複数の開口部を開設したので、注入口からケーシング内に流入した処理液がバッフル板に案内されてケーシングの周方向に一周弱に亘って確実に流れる。そして、バッフル板の周方向に複数の開口部を開設したので、これらの開口部からも中空糸束の間に処理液が流れ込む。したがって、中空糸束の周方向の全域に亘って処理液を略均等に流し込むことができ、処理液の偏流や滞留を防止することができる。
請求項4に記載の発明によれば、ケーシング内のうち、処理液の流出口が開口する部分にも前記バッフル板を設け、流出口側に設けられたバッフル板の開放部を、注入口側に設けられたバッフル板の開放部が開放された方向とは反対方向のケーシング周方向に向けて開放し、流出口側に設けられたバッフル板の閉塞部を、注入口側に設けられたバッフル板の閉塞部が閉塞した方向とは反対方向のバッフル板の側部とケーシング内周面との間を閉塞したので、中空糸束を装填したケーシングを該ケーシングの円筒軸と直交する軸周りに回転し、この状態で注入口および流出口から樹脂組成物を導入して、中空糸束を樹脂組成物によりケーシングに固定する工程(ポッティング工程)において、各バッフル板に設けた壁部がそれぞれ回転方向とは反対側に位置するようにケーシングをセットすることができ、注入口および流出口から注入された樹脂組成物を壁部に寄せながらケーシングの端部へ案内することができる。したがって、樹脂組成物が両方のバッフル板の側部や裏面に回り込むことを防止できる。そのため、両方のバッフル板の側部や裏面に中空糸膜の一部が接触していても、この中空糸膜が樹脂組成物によってバッフル板に固定される不都合を防ぐことができる。このことから、バッフル板に接着した中空糸膜が破れて被処理液が処理液空間にリークしてしまうことを防止することができる。
以下、本発明の実施の最良形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明における中空糸型モジュールの第1実施形態の片半を断面図にした正面図である。
第1実施形態の中空糸型モジュール1は、図1に示すように、筒型ケーシング2の内部に中空糸束5を装填し、ケーシング2の一方の端部に、被処理液(例えば、血液)を導入する供給口6を突設したキャップ部材7を螺合装着し、他方の端部には、処理された血液が流出する排出口8を突設したキャップ部材9を螺合装着し、ケーシング2内の両端部に、中空糸束5の端部をポリウレタン樹脂等の樹脂組成物(接着剤)により接着固定するポッティング部10(本発明における樹脂組成物層に相当)をそれぞれ設けて封止し、ケーシング2内の空間を被処理液が通る被処理液空間(各中空糸膜の内側)と処理液が通る処理液空間(各中空糸膜の外側)とに区画してある。また、ケーシング2の外周両端部、具体的には途中部分よりも内径と外径とを増大した拡径部2′に浄化処理する処理液(例えば、透析液)の注入口13及び流出口14となる接続口を処理液空間と連通する状態で設け、上記供給口6から供給する血液等の被処理液を中空糸膜11を介して上記注入口13から注入される透析液等の処理液により浄化処理する。
本実施形態の中空糸型モジュール1の本体であるケーシング2は、両端に拡径部2′を形成した略円筒体を呈しており、例えば、ポリカーボネート、オレフィン系樹脂(例えば、ポリプロピレン)等の合成樹脂材料により上記注入口13及び流出口14とともに一体成型されており、中空糸束5の状況等が把握し易いように透明の容器として形成されている。
上記中空糸束5は多数の中空糸膜11の束であり、この中空糸膜11としては、セルロースアセテート、銅アンモニアセルロース、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリアミド、ポリエステル系ポリマーアロイ等、セルロース系中空繊維や合成高分子中空繊維等、適宜な材質の中空繊維を用いることができる。そして、各中空糸膜11は、中空孔の開口端が封止されることなくポッティング部10の外側の面で開口している。
キャップ部材7,9は、ケーシング2の両端開口部を閉塞するように螺合装着される蓋状の部材であり、例えば、ポリカーボネート、オレフィン系樹脂(例えば、ポリプロピレン)等の合成樹脂材料により成型されている。また、一方のキャップ部材7には被処理液の供給口6を、他方のキャップ部材9には排出口8をそれぞれ突設している。供給口6と排出口8とは、血液等の被処理液の移送チューブの接続口として機能するものであり、キャップ部材7,9と共に一体成型され、キャップ部材7,9の中心部、すなわち、上記中空糸束5の中心部に相当する部位に軸方向外方へ突設しており、先端側へ向けて順次縮径されたノズル状の短管口として成形されている。そして、供給口6および排出口8は、ケーシング2に各キャップ部材7,9を装着した状態でケーシング2内の処理液空間に連通する。
また、キャップ部材7,9の内周面には雌ネジ部21が形成されている。この雌ネジ部21は、ケーシング2の両端のキャップ装着部20に形成した雄ネジ部22に螺合して装着され、この螺合状態のまま、例えば超音波溶着等により固定される。また、キャップ部材7,9の液密性はその内部に装着したOリング23のシール性で確保している。
そして、ケーシング2内のうち、注入口13が開口する部分、すなわち処理液流入部30には、バッフル板41がケーシング2の内周面から所定の間隙を隔てた箇所に注入口13と対向する状態で設けられている。このバッフル板41は、注入口13から注入される処理液が中空糸束5に直接当たるのを防止するためのものであり、図2−1に示すように、ケーシング2の内周面に、具体的には拡径部2′の根元に固定した基端部からポッティング部10に向けて延設され、その先端部をポッティング部10の手前(直前)まで延出して、ポッティング部10の表面との間に僅かな間隙を形成している。さらに、図3に示すように、当該バッフル板41の幅方向(ケーシング2の内周方向に沿う方向)の一方の側部(図中左側部)とケーシング2の内周面との間に壁部42(本発明の閉塞部に相当/図3のB部参照)を設けてバッフル板41とケーシング2との間の空間の一側(図中左側)を閉塞している。そして、他方の側部(図中右側部)とケーシング2の内周面との間には開放部43を設けて、バッフル板41とケーシング2との間の空間の他側(図中右側)をケーシング2の周方向に向けて開放している。
このようなバッフル板41を備えた中空糸型モジュール1に注入口13から処理液を流入すると、処理液は、バッフル板41の先端部とポッティング部10との間隙へ多少流れ込むが、ほとんどがバッフル板41とケーシング2の内周面との間を開放部43へ向けて案内される。そして、開放部43から流出した処理液は、一方向(図3中時計方向)に回転しながら、図2−1中太線で示すように、流出口14、詳しくはケーシング2内のうち流出口14が開口する部分、すなわち処理液流出部31へ向かいつつ、徐々に中空糸束5の内部に流れ込みながら螺旋状に流れる。したがって、この中空糸型モジュール1は、簡単な構造で中空糸束5の間の全域に処理液を行き渡らせることができ、処理効率の向上を図ることができる。また、バッフル板41の先端部とポッティング部10との間隙へ僅かに流れた処理液がポッティング部10の表面を沿うようにして緩やかに流れるので、ポッティング部10の近傍に処理液が滞留するのを防ぐことができ、さらに、中空糸束5の根元(接着部分)を傷め難い。
なお、バッフル板41をポッティング部10まで延出、言い換えると、ポッティング部10をバッフル板41に接触するまで形成してもよい。このようにしてバッフル板41の先端部とポッティング部10との間に間隙が形成されないようにすれば、注入口13からの処理液を全て開放部43へ案内することができる。したがって、処理液の流れの回転を強めることができ、中空糸束5の間へ処理液を迅速に行き渡らせることができ、処理効率を一層向上させることができる。
また、上記したバッフル板41は、ケーシング2の内周面に固定した基端部からポッティング部10に向けて延設し、その先端部をポッティング部10の手前またはポッティング部10まで延出しているので、ケーシング2に中空糸束5を装填する前の状態では、当該バッフル板41とケーシング2の内周面との間の空間をケーシング2の周方向だけでなくケーシング2の端部方向にも向けて開放している。したがって、このバッフル板41をケーシング2の端部開口に対して進退する金型を用いて成形することができ、さらにはケーシング2の内周面に一体成型することができる。このことから、ケーシング2を複雑な工程を必要とせず容易に製造することができ、中空糸型モジュール1の製造工数やコストを抑えることができる。
そして、バッフル板41は、中空糸型モジュール1の製造時においては、ポッティング部10を形成するために注入口13から注入される液状の樹脂組成物をケーシング2の端部方向へ案内する機能も有する。具体的に説明すると、中空糸束5を樹脂組成物によりケーシング2に固定する工程(ポッティング工程)では、中空糸束5を装填したケーシング2を該ケーシング2の円筒軸と直交する軸周りに回転し、この状態で注入口13から樹脂組成物を導入する。すると、この樹脂組成物は、ケーシング2の外側端向きの遠心力を受けるとともに、バッフル板41によりケーシング2の円筒軸方向へ流れるのを阻止され、ケーシング2の端部へ向かって迅速に流れることができる。したがって、ポッティング部10の形成を効率よく行うことができる。
しかも、バッフル板41に設けた壁部42が回転方向とは反対側に位置するようにケーシング2をセットすれば、言い換えると、バッフル板41のうちケーシング2の回転方向とは反対側の側部に壁部42を設ければ、注入口13から注入された樹脂組成物を壁部42に寄せながらバッフル板41の先方(すなわちケーシング2の端部)へ案内することができる。したがって、樹脂組成物がバッフル板41の側部や裏面(注入口13に対向する面とは反対側の面)に回り込むことを防止できる。そのため、バッフル板41の側部や裏面に中空糸膜11の一部が接触していても、この中空糸膜11は、樹脂組成物によってバッフル板41に固定されない。さらに、ポッティング部10の表面近く、すなわち中空糸膜11の固定端の近傍までバッフル板41の先端部を延ばしてあるので、中空糸膜11は、バッフル板41の先端部に接触し難く、樹脂組成物によって固定されることはない。このことから、所謂バッフル板リーク、すなわち、中空糸型モジュール1の使用中に、中空糸膜11のうちバッフル板41に接着した箇所から破れて、被処理液が処理液空間にリークしてしまうことを防止することができる。
なお、中空糸型モジュール1は、処理液流入部30にだけでなく、処理液流出部31にもバッフル板41をケーシング2の内周面と所定の間隙を隔てた状態で設けて、流出口14から注入される樹脂組成物をケーシング2の処理液流出部31側の端部へ案内するように構成してもよい。このとき、図2−2に示すように、流出口14側に設けられたバッフル板41の開放部を、注入口13側に設けられたバッフル板41の開放部が開放された方向とは反対方向のケーシング周方向に向けて開放し、流出口14側に設けられたバッフル板41の閉塞部を、注入口13側に設けられたバッフル板41の閉塞部が閉塞した方向とは反対方向のバッフル板41の側部とケーシング内周面との間を閉塞すると、ポッティング工程において、各バッフル板41に設けた壁部42がそれぞれ回転方向とは反対側に位置するようにケーシング2をセットすることができ、注入口13および流出口14から注入された樹脂組成物を各壁部42に寄せながらケーシング2の端部へ案内することができ、樹脂組成物が両方のバッフル板41の側部や裏面に回り込むことを防止できる。
また、本実施形態の中空糸型モジュール1は、図3に示す処理液流入部30においては、バッフル板41の左側部を注入口13の近傍で壁部42より閉塞し、右側部をケーシング2の周方向に向けて開放されているが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、右側部を注入口13の近傍で壁部42より閉塞し、左側部をケーシング2の周方向に向けて開放してもよい。このように壁部42を形成したケーシング2に対しては、ポッティング工程においては、壁部42が回転方向とは反対側に位置するようにケーシング2をセットした状態で回転して、樹脂組成物を注入すればよい。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図4は第2実施形態の中空糸型モジュールにおけるバッフル板の構造を示す模式図であり、図5は図4のC−C′線断面図である。なお、第2の実施形態の中空糸型モジュール51は、バッフル板61の構造のみが第1の実施形態と異なっており、他の部分は同一の構造を有しているため、共通部分については同一の符号を付して説明する。
第2実施形態のケーシング2内の処理液流入部30には、図4および図5に図示するように、略円弧状のバッフル板61がケーシング2の内周面から所定の間隙を隔てた状態で設けられている。このバッフル板61は、ケーシング2の内周面に、具体的には拡径部2′の根元に固定した基端部からポッティング部10に向けて延設され、その先端部をポッティング部10の手前まで延出して、ポッティング部10の表面との間に僅かな間隙を形成している。また、図5に示すように、ケーシング2の内周方向に沿う方向の一側部(図中左側部)を注入口13の近傍に臨ませ、この一側部とケーシング2の内周面との間に壁部62(本発明の閉塞部に相当)を設けて当該バッフル板61とケーシング2との間の空間の一側(図中左側)を閉塞している。さらに、一側部とは反対側の他側部をケーシング2の内周面に沿って壁部62の近傍に至る一周弱に亘って延出し、他側部とケーシング2の内周面との間に開放部64を設けて、バッフル板61とケーシング2との間の空間の他側(図中右側)をケーシング2の周方向および壁部62に臨ませて開放している。なお、バッフル板61の先端部は、ポッティング部10まで延出して隙間が形成されない状態にしてもよい。
そして、バッフル板61は、周方向に、ケーシング2の軸方向に長尺な複数のスリット63(本発明の開口部に相当)を等間隔に開設してある。このスリット63は、バッフル板61の外周側の開口部分を処理液の上流側(注入口13側)に、バッフル板61の内周側の開口部分を他側部寄りにそれぞれずらして開口内面が傾斜した状態で開設されている。したがって、処理液が注入口13から流れてスリット63を通ると、この処理液は、図5中の小さい矢印で示すように、周方向成分の流速を残しながらケーシング2の中央部分へ向かうことができる。
このようなバッフル板61を備えた中空糸型モジュール51に注入口13から処理液を注入すると、処理液は、ケーシング2の内周面とバッフル板61との間の円弧状空間を流れて、他側部の延出端の開放部64から周方向へ回転しながら中空糸束5の間に流れ込む。また、複数のスリット63からも処理液が周方向へ回転しながら中空糸束5に向かって流れ込む。したがって、中空糸束5の間の全域に亘って処理液を均等に流すことができ、処理液の偏流や滞留を防止することができる。
なお、本実施形態では、複数のスリット63は、バッフル板61の周方向に略等間隔を隔てて、軸方向に沿うように形成されているが、これに限るものではなく、処理液の流量や中空糸束5の装填密度に合わせて、スリット63の開設数や開設ピッチを設定し、バッフル板61から中空糸束5へ流れ込む処理液の状態(流量や流速)を調整してもよい。また、中空糸束5の損傷を防止するため、バッフル板61のうち注入口13に対向する箇所にはスリット63を開設しないで、流れの強い処理液が中空糸束5に直接当たらないようにする。
そして、上記実施形態では、壁部および開放部を備えたバッフル板をケーシング2の拡径部2′の内周面から延設したが、本発明はこれに限定されない。例えば、図6に示すように、ケーシング2の開口端部周辺の内周面に固定した基端部から拡径部2′の根元に向けてバッフル板71を延出してもよい。なお、図6では、当該バッフル板71の幅方向の一方の側部とケーシング2の内周面との間に壁部72を、他方の側部とケーシング2の内周面との間に開放部73を設けているが、他方の側部をケーシング2の内周面に沿って壁部72の近傍に至る一周弱に亘って延出し、他側部とケーシング2の内周面との間に開放部を設けてもよい。
このとき、バッフル板71の基端部とケーシング2の開口端部との間に貫通孔74を開口して、ポッティング工程において樹脂組成物がこの貫通孔74を通ってケーシング2の端部へ迅速に案内されるようにすることが好ましい。また、バッフル板71は、先端部(拡径部2′の根元側に位置する端部)を拡径部2′の内周面の手前まで延設してもよいが、図6(a)に示すように、拡径部2′の内周面に達するまで延設することが好適である。このようにしてバッフル板71の先端部と拡径部2′の内周面との間に間隙が形成されないようにすれば、注入口13からの処理液を全て開放部73へ案内することができる。したがって、中空糸束5の間へ処理液を迅速に行き渡らせることができ、処理効率を一層向上させることができる。
上記実施形態では、説明の便宜上から、ケーシング2の接続口の一方を注入口13、他方を流出口14と称し、またキャップ部材7,9の接続口の一方を供給口6、他方を排出口8と称しているが、それぞれ一方は他方の、他方は一方の機能を有し、使用目的に応じて適宜、被処理液及び処理液の流れ方向を変更し得るものである。また、注入口13と流出口14とは、ケーシング2の両端近傍に一体成型したものに限らない。例えば、キャップ部材7,9に注入口13または流出口14を一体成型してケーシング2の両端近傍に配置してもよい。
また、上記の実施形態では血液浄化処理(透析)用の中空糸型モジュールについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、血液成分抽出器や飲料の浄化器などでもよい。
本発明に係る中空糸型モジュールにおける第1の実施形態の片半を断面図にした正面図である。 第1の実施形態の中空糸型モジュールにおけるバッフル板の構造を示す模式図及び拡大図である。 処理液流入部および処理液流出部にバッフル板を設けたケーシングの概略図である。 図2−1のA−A′線断面図である。 第2の実施形態の中空糸型モジュールにおけるバッフル板の構造を示す模式図である。 図4のC−C′線断面図である。 第3の実施形態の中空糸型モジュールにおけるバッフル板の構造を示す模式図であり、(a)は拡大断面図、(b)は拡大側面図である。 従来の中空糸型モジュールを示す模式図である。 図7のD−D′線断面図である。
符号の説明
1 中空糸型モジュール
2 ケーシング
5 中空糸束
6 供給口
7,9 キャップ部材
8 排出口
10 ポッティング部
11 中空糸膜
13 注入口
14 流出口
20 キャップ装着部
21 雌ネジ部
22 雄ネジ部
23 Oリング
30 処理液流入部
31 処理液流出部
41 バッフル板
42 壁部
43 開放部
51 中空糸型モジュール
61 バッフル板
62 壁部
63 スリット
64 開放部
71 バッフル板
72 壁部
73 開放部
74 貫通孔

Claims (4)

  1. 筒型ケーシング内に装填された中空糸束の両端部を樹脂組成物で封止してケーシング内を被処理液が通る被処理液空間と処理液が通る処理液空間とに区画し、前記ケーシングの両端に被処理液空間と連通して被処理液の供給口または排出口となる接続口を配置し、ケーシングの両端近傍に処理液空間と連通して処理液の注入口または流出口となる接続口を配置し、前記ケーシング内のうち、処理液の注入口が開口する部分に、ケーシングの内周面と所定の間隙を隔ててバッフル板を設けた中空糸型モジュールにおいて、
    前記バッフル板は、ケーシングの内周方向に沿う方向の一方の側部とケーシングの内周面との間を閉塞部で閉塞し、他方の側部とケーシングの内周面との間には、ケーシングの周方向に向けて開放された開放部を設けたことを特徴とする中空糸型モジュール。
  2. 前記バッフル板は、ケーシングの内周面に固定した基端部から樹脂組成物層に向けて延設され、その先端部を樹脂組成物層の手前または樹脂組成物層まで延出し、当該バッフル板の一方の側部とケーシングの内周面との間を閉塞部で閉塞し、他方の側部とケーシングの内周面との間には、ケーシングの周方向に向けて開放された開放部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の中空糸型モジュール。
  3. 前記バッフル板は、他方の側部をケーシングの周方向に沿って前記閉塞部の近傍まで一周弱延出し、
    前記バッフル板の周方向に沿って複数の開口部を開設したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の中空糸型モジュール。
  4. 前記ケーシング内のうち、処理液の流出口が開口する部分にも前記バッフル板を設け、
    前記流出口側に設けられたバッフル板の開放部を、注入口側に設けられたバッフル板の開放部が開放された方向とは反対方向のケーシング周方向に向けて開放し、
    前記流出口側に設けられたバッフル板の閉塞部を、注入口側に設けられたバッフル板の閉塞部が閉塞した方向とは反対方向のバッフル板の側部とケーシング内周面との間を閉塞したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の中空糸型モジュール。
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