JP6728743B2 - 浄化カラム - Google Patents

浄化カラム Download PDF

Info

Publication number
JP6728743B2
JP6728743B2 JP2016027760A JP2016027760A JP6728743B2 JP 6728743 B2 JP6728743 B2 JP 6728743B2 JP 2016027760 A JP2016027760 A JP 2016027760A JP 2016027760 A JP2016027760 A JP 2016027760A JP 6728743 B2 JP6728743 B2 JP 6728743B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
casing
diameter
fiber
adsorbent
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016027760A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016193178A (ja
Inventor
洋暁 藤枝
洋暁 藤枝
上野 良之
良之 上野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Publication of JP2016193178A publication Critical patent/JP2016193178A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6728743B2 publication Critical patent/JP6728743B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、繊維状の吸着体をケーシング内に内蔵した浄化カラムに関する。
従来、被処理液中の除去対象物質を吸着により除去せんとする吸着カラムは、多くがケーシングの両端に被処理液の流入口又は流出口となる接続口を備えるキャップ部材をそれぞれ装着し、被処理液を吸着材が充填されたケーシングへと導く構造となっている。
かかる吸着材の形態としては、多孔質のビーズを用いることが多かった。この理由としては、ビーズ形状の吸着担体は吸着カラム内に均一に充填できるため、血液流れの偏りが少なく、カラム設計をしやすいという利点を有することが挙げられる。一方で、吸着性能向上のための手段としては、吸着担体の体積あたりの表面積を増やすことが挙げられる。しかし、吸着担体がビーズ状である場合は、吸着担体の体積あたりの表面積の増大のためにビーズ径を小さくすると、各ビーズ間の隙間が狭くなり、流路抵抗が高くなって圧力損失が増大することにより、被処理液を流すことが困難になる。また、吸着担体として用いられるビーズは通常球形であるために、もともと体積あたりの表面積が小さいというデメリットがある。すなわち、ビーズ内部に吸着余力があっても、有効にそれらの吸着サイトが活用できなくなる。
ビーズ以外の吸着材の形態として繊維が挙げられ、その形態としては、多数の繊維をカラムケースの長手方向に対して平行にストレート形状で挿入したものや編み地などに加工にしたものが挙げられる。
吸着カラムの端部封止方法としては、メッシュや不織布などのフィルターを充填した吸着材の両端に固定するものが主流である。長繊維の場合には、樹脂を用いて繊維端部を固定するものも挙げられる。カラム端部を樹脂で固定する、とは、例えば人工腎臓のように筒型ケーシング内に繊維を充填し、この繊維の両端を樹脂組成物でケーシング内面に固定して隔壁となし、ケーシングの両端に被処理液の流入口又は流出口となる接続口を備えるキャップ部材をそれぞれ装着するものである。特許文献1には、樹脂部に貫通孔を設けることで、被処理液をケーシングへと導く発明が記載されている。
上記発明の一方で、ケーシングの端部をフィルターで固定する技術があり、特許文献2、3には液体の流れの分配に関する発明が記載されている。特許文献2には、長繊維をケースのTD方向(ケーシング長手方向と直交する方向)中心部に拘束する器具が記載されている。また、特許文献3においては、カラムのメッシュの開口率を局所的に変更することで、流体への抵抗に差を設け、外周部への流れを向上させている。ただし、この発明は吸着材の分散性向上には何ら奇与しない。
一方で、特許文献4においては、端部を樹脂で封止した中空糸型人工腎臓モジュールにおいて、ケーシングの側面に設けられた透析液接続口から流入させる透析液などの処理液を、中空糸膜間にまで均一に流して、中空糸膜型流体処理器の物質除去性能を向上させる目的で、筒状容器の処理液入口側内面に、中空糸膜を処理液入口端面に向かって徐々に中空糸膜間の間隔が拡大するように配置させることが可能な拡径部を設ける発明が記載されている。
Kazuhiko Ishikiriyama et al. ; JOURNAL OF COLLOID AND INTERFACE SCIENCE, 171, 103−111, (1995)
特開2014−210174号公報 特開2013−81771号公報 特開2011−156022号公報 国際公開第2004/094047号公報
吸着カラムは、吸着効率を高めるため、カラム内には吸着材を極力高い充填率で充填する、すなわち、カラム容積あたりの吸着材量を多くすることが重要である。しかし、これにより吸着材同士が密着し、特に、流入側の吸着体端部において吸着材が密着すると、そこで被処理液の流れがほぼ決定し、密着した部分の下流に位置する吸着体を有効に活用できず、被処理液と接触する吸着材表面積が大幅に減少するという欠点がある。
上記特許文献1に記載の発明は、かかる課題を解決し得るものではない一方、ケーシングの端部をフィルターで固定する技術に関しては、液体の流れにムラができやすいという欠点があった。これは、被処理液は、その流入口となる接続口の直下(通常はケースの軸方向の中心部)を流れやすく、外周部へ流れにくいためであり、その結果、外周部に位置する吸着材を吸着に十分活用できなかったり、被処理液が外周部に残存するなどのデメリットがあった。
上記特許文献2、3に記載の発明においては、束を上記拘束器具内に収束することが容易ではなく、また、束端部が圧縮されることにより繊維同士が密着し、繊維の分散性が低下するという欠点があった。また、中心部のメッシュ編み目を密にする必要があり、被処理液中の異物などにより目詰まりし易かったり、被処理液が血液の場合には血餅が付着し容易に閉塞するなどの懸念があるものであった。
特許文献4に記載の発明は、被処理液流入側端部からケーシングを通して被処理液流出側端部に到るまでの空間が連続した空間となっていないため、中空糸における吸着可能な領域を十分活用できていない。また、処理液である透析液の分配について記載があるものの、被処理液が糸の外側を通過する場合に、被処理液を十分に分散させて糸による吸着性能を向上することについては何ら記載がない。
本発明は、被処理液流入側端部からケーシングを通して被処理液流出側端部に到るまでの空間が連続した空間である浄化カラムにおいて、カラム内に被処理液が均一に分配されないことによる偏流や、吸着体同士が密着することなどにより処理効率の低下を招くことなく、浄化処理効率等を向上できるような浄化カラムを提供することを目的とする。
本発明は上記の目的を達成するため、以下の構成を採用する。すなわち、
[1] ケーシングと、上記ケーシングの内部に収容された繊維状の吸着体と、を有し、
上記ケーシングにおける両端部は、それぞれが被処理液流入側端部又は被処理液流出側端部で、かつ、いずれもが開放端であり、
上記被処理液流入側端部から、上記ケーシングにおける吸着体の外側の領域を通り、被処理液流出側端部に到るまでの空間が連続しており、
上記両端部の一方又は両方は、内径がケーシングの胴部の内径に比較して拡大した拡径部を有する、浄化カラム。
[2] 上記拡径部は、端部方向に向けて傾斜しながら拡径する逆テーパ状を有しており、下式で定義されるθが3°以上87°以下である、上記1に記載の浄化カラム。
θ=tan−1(L1/D1)
ここで、
L1:拡径部のLD方向(ケーシング長手方向)長さ
D1:拡径部のTD方向(ケーシング長手方向と直交する方向)長さ
[3] 上記拡径部がケーシング内周面の全周にわたって設けられている、上記1又は2に記載の浄化カラム。
[4] 上記ケーシングの拡径部における吸着体の充填率d2が24%以上69%以下であり、
上記ケーシングのLD方向中央部における吸着体充填率d1が30%以上70%以下であり、
かつd2/d1が0.95以下である、上記1又は2記載の浄化カラム。
[5] 上記吸着体を構成する繊維が、ストレート形状を有する、上記1〜4のいずれか1項に記載の浄化カラム。
[6] 上記ストレート形状の繊維状吸着体が、カラム長手方向に並行に引き揃えて配置されている、上記5記載の浄化カラム。
[7] 上記ストレート形状の繊維状吸着体は、両端が自由端として配置されている、上記5又は6記載の浄化カラム。
[8] 上記ストレート形状の繊維状吸着体を構成する繊維について、以下に示す断面の径が、10μm以上1000μm以下である、上記5〜7のいずれか1項に記載の浄化カラム。
上記断面形状が円形の場合:糸の外径
上記断面形状が円形ではない場合:糸の最外周の円相当直径
[9] 上記吸着体を構成する繊維の形態が中実糸状である、上記1〜8のいずれか1項に記載の浄化カラム。
[10] 上記中実糸状の繊維が、外周部に3個以上の突起が長手方向に連続して存在する形状を有し、
繊維の横断面において、内接円の直径をDi、外接円の直径をDoとすると、異形度Do/Diが1.2〜6.6である、上記9記載の浄化カラム。
[11] 上記被処理液が血液又は血漿である、上記1〜10のいずれか1項に記載の浄化カラム。
[12] 人工腎臓と直列に接続する用途に用いられる、上記1〜11のいずれか1項に記載の浄化カラム。
本発明によれば、ケーシング両端における吸着体の分散性を向上させるが可能であると共に、カラム内の流れをより均一に近いものにし、浄化処理効率等の向上が可能な浄化カラムを提供することができる。
ケーシング及び、拡径部を示す図である。 拡径部を含む部分の一例を示す図である。 拡径部を含む部分の一例を示す図である。 拡径部を含む部分の一例を示す図である。 繊維断面における内接円、外接円を説明する図である。 β2−MGの除去率測定の図である。 突起数4の繊維を製造するための口金の図である。 ケーシングの被処理液流入側最端部、ケーシングLD方向中心部を示す図である。
本発明の浄化カラムは、ケーシングと、ケーシング内部に収容された吸着体を有する。本発明に係るケーシングは、その両端部の一方が被処理液流入側端部であり、他方が被処理液流出側端部である。ここで、本発明において、両端部とは、ケーシング端面及び端面付近の部分を含む概念である。本発明に係るケーシングの両端部は開放端であり、閉じられてはいない。本発明に係るケーシングにおいては、上記被処理液流入側端部から、ケーシングにおける吸着体の外側の領域を通り、被処理液流出側端部に到るまでの空間が連続している。すなわち、被処理液流入側端部から流入した被処理液は、ケーシングにおける吸着体の外側の領域を通過して、吸着体と接触して吸着処理を受けつつ、ケーシング被処理液流出側端部から流出する。
上記ケーシングの両端部は、その一方又は両方の内径がケーシングの胴部の内径に比べて拡大した拡径部を有する。上記拡径部がケーシングの被処理液流入側端部に設けられることにより、流入した被処理液をカラム軸方向全体に行き渡らせることが出来る。
また、両端部の両方、すなわち被処理液流入側端部及び被処理液流出側端部の双方に上記拡径部を設けることにより、繊維束の分散性を向上させることが出来、これにより繊維束の隙間に均一に処理液を接触させることが可能となる。このことから、上記拡径部は被処理液流入側端部及び被処理液流出側端部のいずれか片方のみでも本発明の効果を発現するが、両端に設けることが好ましい。また、拡径部の形状は両側同じ構造であってもよいし異なっていても良い。以下、吸着体が繊維の形態をとる場合について記載するが、下記本発明の態様、効果が繊維の形態の場合に限られるものではない。
本発明に係る浄化カラムにおいては、上記被処理液流入側端部からケーシングにおける吸着体の外側の領域を通り被処理液流出側端部に到るまでの空間が連続した空間であり、好ましくはストレートに連続した空間である。かかる態様は、上記拡径部断面における広い面積を利用して吸着体全面に均一に被処理液の流れを分配する観点から好ましく、例えば、ケーシング端部におけるケーシング内周面と吸着体との間隙を封止するような封止部材を有して、上記空間が非連続となる場合には、ケーシング内の吸着体の外周面に被処理液が流入できないため、吸着体の吸着領域を十分に活用できない。一方で、吸着体をケーシング内部に留めておくために端部封止を行うこともできる。その方法としては、貫通孔をもつ隔壁部を形成する設ける手法や、メッシュ、不織布などのフィルターを配する方法などが挙げられる。中でもフィルターなどを配する方が本発明に係る拡径部による効果がより発現され、しかも隔壁部形成のための樹脂固定化工程も不要である。一方で、貫通孔をもつ隔壁部を形成する設ける手法においては、隔壁部の厚みの分だけ上記拡径部を有効利用できず、被処理液の流れが不均一になる方向となる。
上記の効果をムラなく最大限に発揮できるよう、ケーシング内周面の内50%以上の周囲にわたって、断面が拡径されていることが好ましく、より好ましくは85%以上、特に好ましくは100%、すなわち拡径部が内周面の全周にわたって設けられている、すなわち、LD方向において対応する方向の胴部内径に比べて拡大した内径を有することがよい。
尚、拡径部を有するケーシングの製造方法としては、円筒状のパイプの肉厚部を切削により切り出す方法や、射出成形法が挙げられる。特に射出成形法による製造が一般的であり、射出成形機に取り付けられた金型に対し、シリンダーで加熱溶融された樹脂を加圧注入し、冷却後に前記金型を開いて取り出される。該金型は、前記筒状容器の外周面を形成するキャビ型と、前記筒状容器の内周面を形成するコアー型とで構成される。本発明のようなケーシングを射出成形する場合には、いわゆる「抜きテーパ」を設けたコアー型が用いられている。これは、前記キャビ型と前記コアー型との間に注入されて前記胴部を構成する樹脂部分が、冷却によって収縮し、前記コアー型を締め付けて該コアー型と前記胴部との剥離が困難になるのを防ぐためである。本発明でいうところの拡径部とは、このような「抜きテーパ」とは異なるものであり、具体的には以下のようなD1、L1、θを満たすことが好ましい。
さらに、拡径部は、そのTD方向長さD1、LD方向長さL1を制御することが好ましい。ここで、TDとは、Transverse Directionの略であり、ケーシング軸方向と直交する方向の長さ(ケーシングが円筒状の場合にはケーシングの内径)を示す。また、LDとはLongitudinal Directionの略であり、ケーシング軸方向の長さを示すものである。
拡径部のTD方向長さD1は、短すぎる場合には繊維束分散効果、及び外周部への被処理液の分配量が十分に得られない。一方で長すぎる場合には、被処理液が外周部に偏ったりカラム全体でみた場合の容量が増すため好ましくない。そのため、D1の下限としては0.5mm以上が好ましく、より好ましくは3mm、特に好ましくは5mm以上となる。またD1の上限として好ましくは50mm以下であり、より好ましくは25mm以下、に好ましくは15mm以下となる。また、ケーシングの内径Dに対して以下の式を満たすことが好ましい。
D1≦D×0.5
ケーシングの断面が真円状でない場合、D、D1は以下の式にて算出できる円相当直径のことをいう。
円相当直径=2×(S/π)1/2
ここでいうところのSとしては、Dの算出の際はケーシングLD方向中心部におけるケーシング内部の断面積を用い、D1の算出の際はケーシング端面(最端部)におけるケーシング内部の断面積を用いる。
拡径部のLD方向長さL1は、短すぎる場合には、繊維束分散効果、及び外周部への被処理液の分配量が十分に得られない。一方で長すぎる場合には、吸着体が十分に固定されず、カラム内で動いてしまう問題や、被処理液が外周部に偏る、カラム容量が増すなどの理由があり、好ましくない。そのため、L1の下限としては0.5mm以上が好ましく、より好ましくは1mm、特に好ましくは3mm以上となる。またL1の上限として好ましくは50mm以下であり、より好ましくは20mm以下、特に好ましくは10mm以下となる。また、L1の上限については、ケーシングの有効長Lに対して以下の式を満たすことが好ましい。
L1≦L×X
ここでいうところのXは代数であるが、好ましくは0.45以下、より好ましくは0.30以下、更に好ましくは0.20以下、特に好ましくは0.10以下となる。
拡径部の形状としては、特に限定されるものではない。例えば、拡径部のケーシング軸方向と垂直の方向から断面を見た時の形状が、図1のように三角形であるものや、図2,3のように多角形であるもの、図4のように釣り鐘状であってもよい。中でも、図1に示すような端部方向に向けて傾斜しながら拡径する逆テーパ状のものが好ましい。これは、拡径部の血液容量を最小に出来るためである。この場合の拡径部は図1に示すようなθをもつ。θは、ケーシングの端部に向かって徐々にケーシング内径が拡大するその傾斜角度であり、小さすぎる場合には繊維の分散効果が十分に得られず、大きすぎる場合には被処理液が滞流しやすくなるため好ましくない。拡径部のθの下限としては3°以上であることが好ましく、より好ましくは9°以上、特に好ましくは15°以上となる。また上限としては87°以下であることが好ましく、より好ましくは65°以下、更に好ましくは59°以下、特に好ましくは45°以下となる。
尚、θは以下の式より算出できる。
θ=tan−1(L1/D1)
また、本発明においては、カラムに内蔵する吸着体の充填率も重要である。ケーシングのLD方向中央部での吸着体の充填率d1が大きすぎると、吸着体をケーシングに充填しにくくなる。一方で、d1が小さすぎると、余分な空間ができ輸送時に吸着体がカラム内で動きやすくなり、吸着体が偏る、吸着体同士が衝突した衝撃で破損するなどが懸念される。また、カラムの容積も増大する方向である。そのためd1の下限として好ましくは30%以上であり、より好ましくは38%以上、さらに好ましくは44%以上となる。また、上限として好ましくは70%以下であり、より好ましくは65%以下、さらに好ましくは60%以下となる。
ケーシングの拡径部での吸着体の充填率d2が大きすぎると、吸着体の分散性が低下するというデメリットがある。また、d2が小さすぎる場合には、輸送時の吸着体の破損、偏り、カラム容量の増大につながる。そのためd2の下限として好ましくは24%以上であり、より好ましくは32%以上、さらに好ましくは38%以上となる。また、上限として好ましくは69%以下であり、より好ましくは64%以下、さらに好ましくは59%以下となる。
また、d1とd2の比率d2/d1も重要である。d2/d1が高すぎる場合には、ケーシング端部における吸着体の分散性向上が見込めなくなる。そのため、d2/d1の上限として好ましくは0.95以下であり、より好ましくは0.92以下、さらに好ましくは0.89以下となる。
d1は、ケーシングLD方向中心部におけるケーシング断面積(Sc)と繊維断面積及び繊維本数から計算される繊維断面積(Sf)の比率であり、以下のように求められる。
Sc=ケーシングのLD方向中心部の断面積
Sf=繊維断面積×繊維本数
(Sf/Sc)×100(%)
d2の測定方法としては、ケーシングの被処理液流入側最端部の断面積(Sce)と繊維断面積及び繊維本数から計算される繊維断面積(Sf)の比率であり、以下のように求められる。
Sce=ケーシングのLD方向最端部の断面積
Sf=繊維断面積×繊維本数
(Sf/Sce)×100(%)
ここでいうSceは、ヘッダーやヘッダーキャップと呼ばれるような被処理液の出入口ポートとなる部材は含まず、繊維が充填されたケーシング胴部の最端部を差す。また、Sfも、ヘッダー、ヘッダーキャップについての体積は含まないものとする。また、Sfについては、ケース内で繊維同士の密着を防ぐためのスペーサー糸などを用いる場合には、その体積も含むものである。 本発明に用いるケーシングの形状としては、筒状体のものが好ましいが、その中でも例えば四角筒体、六角筒体等の角筒体や円筒体が挙げられ、中でも円筒体、特に断面が真円状若しくは略真円状の筒体が好ましい。これはケーシングが角をもたないことで、角部での被処理液の滞留を抑制できるためである。また、両側を開放端とすることで、被処理液の流れが乱流になりにくく圧力損失を最小限に抑えることができる。また、ケーシングはプラスチックや金属等により構成される器具であることが好ましい。プラスチックの場合は、例えば機械的強度、熱安定性に優れる熱可塑性樹脂が用いられる。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、及びこれらの混合物が挙げられる。これらの中でもケーシングに求められる成形性、透明性、放射線耐性の点においてポリスチレン、ポリカーボネート又はそれらの誘導体が好ましい。透明性に優れた樹脂は、被処理液灌流時に内部の様子を確認できるため安全性の確保に好都合であり、放射線耐性に優れる樹脂は滅菌時に放射性照射する場合に好ましいためである。前者の場合には、金型による射出成形や、素材を切削加工することにより製作され、後者の場合には、素材を切削加工することにより器具が製作される。中でもコストや成型性、重量、また、医療機器として用いる場合などには血液適合性といった観点からプラスチックが好適に用いられる。
本発明で言うところの吸着体とは、被処理液中の除去対象物質を吸着、除去するものである。充填する吸着体の形態としては、不織布状、編み地状、管状、中空糸状、中実糸状、粒状、板状、破砕中空糸状、破砕中実糸状などのいずれの形状であってもよい。中でも、カラム長手方向に並行に引き揃えて配置することが可能なストレート形状である管状、中空糸状、中実糸状であると、流路もストレート形状となり、また流路長さも最小にできるため、エアがカラム内に混入した際などにトラップされにくく、好ましい。さらに、中空糸状や中実糸状の場合、それぞれ膜厚部や繊維内部の形態を吸着に適した多孔質とすることで吸着面積を十分に確保でき、被処理液中に含まれる吸着標的物質を効率的に吸着除去でき、また、極細繊維や破砕中空糸、破砕中実糸等と比べて、患者の全血など被処理液の粘性が高くカラム内で凝固などのリスクが高い場合であっても使用することができるメリットが有る。また、特に好ましくは中実糸状である。これは、中空糸の場合には、中空糸の内側と外側で圧力損失が異なる場合などでは、中空糸内外で被処理液の流量に差が生じ、結果としてカラムの吸着効率の低下を引き起こすことが懸念されるためである。また、中空糸の内側と外側の圧力損失を同等にするためには、中空糸の内径及びカラム充填率に大きな制約が生じる。さらに、被処理液として血液を中空糸充填カラムに流した場合、中空糸の中空部は、カラム内における中空糸外部の環境に比べて固定された閉鎖的な環境であり(中空糸外部の隙間は、繊維がカラム内で動くことで変形する)血栓などが形成しやすいことが懸念される。
また、中実糸の場合には、その単繊維を複数絡み合わせることでマルチフィラメントにしても良い。なお、ここでいうマルチフィラメントとは、多数の単繊維で構成されている糸のことを意味するが、同一繊維から構成されているもの、異なる種類の繊維から構成されているものの両方を含むものである。
また、先述した通り、吸着担体がビーズ状である場合は、吸着担体の体積あたりの表面積の増大のためにビーズ径を小さくすると、各ビーズ間の隙間が狭くなり、流路抵抗が高くなって圧力損失が増大することにより、被処理液を流すことが困難になるため好ましくない。
なお、ここでいう上記カラム長手方向に並行に配置されているストレートな形状とは、1本の繊維の両側端面が、可能な限り最短距離に近い長さでカラムの入口・出口端面に接している形状のことである。ただし、繊維にクリンプ等の捲縮がかかっていてもよい。また、かかる捲縮以外にも、カバリング糸と呼ばれるスペーサー糸を繊維に巻き付けたり、撚糸加工や嵩高加工を行う手段により、繊維間の密着を抑制し、拡径部における繊維の分散性をより向上させることが見込めるため好ましい。
ストレートな形状を有する繊維は、ケーシング端部において固定されていない、すなわち自由端として配置されていることが好ましい。ケーシング端部において繊維が樹脂などにより固定された、いわゆる固定端として配置されている場合、被処理液流入側端部から流入した被処理液が、吸着体の外側の領域を通過してケーシング被処理液流出側端部から流出するためには、たとえば、上記特開2014−210174号公報(特許文献1)に記載されたように、樹脂を用いて繊維を端部に固定した上で、樹脂部に貫通孔を設ける等の方法が考えられるが、この方法では工程が複雑になる。また、隔壁部で繊維の端部を固定する場合には、貫通孔を設けることでその分だけ端部に固定できる吸着体の量が減少する、すなわち充填率が低下する、という欠点もある。
また、多孔質の吸着体は、その多孔質構造が厚み方向に均質であることが好ましい。これにより、吸着に寄与する面積を増大させることができる。一方孔構造がグラジエントである非対称構造や厚み方向に不規則な構造を持つ場合、吸着体の比表面積が低下するため好ましくない。
クリンプ等の捲縮がかかった繊維の場合、前述の充填率を求めるためには、繊維両端を伸ばしたストレートな形状の状態で糸長さを測定するが、カラム内に内蔵されたストレートな形状の繊維の長手方向長さの測定方法としては、カラムから取り出した繊維の一片をテープ等で固定し、もう一片には3gのおもりを付与し、繊維が直線状になった際の全長を速やかに測定する。もしも、3gのおもりの付与によって繊維が切れたり塑性変形したりする場合には、3g以下のおもりを適宜選択する。糸がこの測定をカラム内の繊維に対して任意に30本行い、30本の平均値を算出する。
吸着体がストレート形状の繊維の場合には、その糸径(中空糸の場合には糸外径)は、小さすぎるとカラムの圧力損失を増大させたり、繊維自体がフィルタを通り抜ける危険性がある。また、単糸当りの物理的強度が低下することでカラム組み立て時などに破片や微粒子が発生する可能性がある。一方で大きすぎる場合には、吸着体と血液の接触面積が低下し、血液浄化の効率を悪化させる。そのため、糸径は好ましくは1000μm以下、より好ましくは400μm以下、さらに好ましくは190μm以下であり、下限として好ましくは10μm以上、より好ましくは20μm以上、さらに好ましくは50μm以上である。
糸径の測定方法としては、カラム内に充填された繊維のうち、任意に50本を抽出し、該繊維を洗浄した後、純水で完全に置換し、スライドグラスとカバーガラスの間に挟み、投影機(たとえばNikon社製V-10A)を用いて同一の繊維について任意に2箇所ずつ、繊維の断面が円形の場合は外径(最外周の直径)、円形ではない場合は最外周の円相当直径を測定して、その平均値を採り、小数点以下第1位を四捨五入する。尚、充填された中空糸本数が50本未満である場合には、その全ての中空糸を測定して、同様に平均値を採る。
吸着体がストレート形状の繊維である場合、繊維の有効長の上限としては、繊維が湾曲したり、カラム化した際に圧力損失が増大する等の観点から、5000mm以下が好ましく、より好ましくは500mm以下、特に好ましくは210mm以下となる。また、短すぎると、繊維の長さを揃えるためにカラムから飛び出た余分な繊維をカットする際などに廃棄する繊維の量が増し、生産性が低下するため好ましくない。また、繊維束の取り扱いが困難になるなどの欠点がある。そのため、繊維の有効長の下限としては、5mm以上が好ましく、より好ましくは20mm以上、特に好ましくは30mm以上となる。
本発明でいう吸着体の素材としては、特に限定されるものではないが、成形加工のし易さやコストなどの観点から有機物が好適に用いられ、ポリメチルメタクリレート(以下、PMMAという)、ポリアクリロニトリル(以下、PANという)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリールエーテルスルホン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、セルロース、セルローストリアセテート、エチレン−ビニルアルコール共重合体等が用いられる。中でも、タンパク質を吸着できる特性を有する素材を含むことが好ましく、例えば、PMMA、PAN等が挙げられる。PMMA、PANは、また、厚み方向に均一構造を有する繊維の代表例であり、均質構造で孔径分布がシャープな構造を得やすいため好ましい。特にPMMAは、非晶性であるため、成形加工性やコストに優れ、また、透明性も高いため、繊維の内部状態も比較的観察が容易であり、ファウリング状態を評価しやすく好ましい。
また、多孔質繊維は陰性荷電を有してもよい。素材の少なくとも一部に陰性荷電を有する官能基を含むことで親水性が増し、微分散(すなわち、細かな孔が数多く形成されること)する傾向にあることも報告されている。陰性荷電を有する官能基としては、スルホ基、カルボキシル基、リン酸基、亜リン酸基、エステル基、亜硫酸基、次亜硫酸基、スルフィド基、フェノール基、ヒドロキシシリル基等の置換基を有する素材が挙げられる。中でもスルホ基、カルボキシル基、エステル基から選ばれる少なくとも1種が好ましい。スルホ基を有するものとしてはビニルスルホン酸、アクリルスルホン酸、メタクリルスルホン酸パラスチレンスルホン酸、3−メタクリロキシプロパンスルホン酸、3−アクリロキシプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びこれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、ピリジン塩、キノリン塩、テトラメチルアンモニウム塩などがあげられる。陰性荷電量としては、乾燥した繊維1gあたり5μeq以上、30μeq以下のものが好ましい。陰性荷電量は、例えば、滴定法を用いて測定することが出来る。
また、本発明における吸着体は、内部に細孔を有することが好ましい。内部の細孔の平均細孔半径(以下、孔径、細孔径、平均細孔径ともいう)の下限としては、好ましくは0.5nm以上、より好ましくは1.5nm以上、特に好ましくは2.0nm以上であり、一方、上限としては、好ましくは100nm以下、より好ましくは40nm以下、特に好ましくは25nm以下である。内部が細孔を有していても、平均細孔径が小さいと、被吸着物質が孔に入らないため、吸着効率が低下することがある。一方で細孔径が大きすぎても、空隙部分に被吸着物質が吸着されないため、逆に吸着効率が低下することがある。上記の孔径範囲内で、除去対象とする被吸着物質の大きさに応じて最適な孔径が存在し、孔径の選択を誤ると十分な被吸着物質の吸着が出来ないことがある。
多孔質繊維の平均細孔半径は、示差走査熱量計(DSC)を用いた示差走査熱量(DSC)測定により、細孔内の水の毛管凝集による氷点降下度を測ることで1次平均細孔半径として求められる。吸着材料を−55℃に急冷し、5℃まで0.3℃/minで昇温させて測定し、得られた曲線のピークトップ温度を融点として、次式から細孔の1次平均細孔半径を算出する。
1次平均細孔半径[nm]=(33.30−0.3181×融点降下量[℃])/融点降下量[℃]
なお、上記測定・算出方法においては、上述した非特許文献1の記載を参照する。
本発明の多孔質繊維は、被吸着物質を吸着するために、細孔比表面積を大きくすることで、吸着性能を向上させることができる。そのため、細孔比表面積の下限として好ましくは50m/g以上であり、好ましくは90m/g以上、より好ましくは120m/g以上、さらに好ましくは170m/g以上、特に好ましくは250m/g以上となる。一方で、細孔比表面積が大きすぎると機械的強度が不足することから、細孔比表面積の上限として好ましくは1000m/g以下であり、好ましくは800m/g以下、より好ましくは650m/g以下、特に好ましくは500m/g以下となる。
細孔比表面積の測定は、平均細孔半径の測定方法と同様にDSCを用いて行う。細孔比表面積の算出方法は、非特許文献1に記載の通りである。
本発明に係る多孔質繊維は、繊維の断面が不均質な構造であっても、均質な構造であっても良いが、特に、均質構造をもつ繊維では繊維の厚み方向に均質な多孔質構造を有することで吸着面積をより確保できるため好ましい。ただし、繊維中心部への拡散抵抗を軽減させるために、繊維外周部の孔を大きくし、繊維中心部へ向けて除々に孔が少しずつ縮小するようなややグラジエントな構造を有していても良い。また、経時的なファウリングによって繊維最表面の孔が完全に閉塞するような条件などにおいては、かかるグラジエントな構造を有することにより、繊維内部の孔まで閉塞するリスクが小さくなり、繊維中心部への被吸着物質の拡散性が低下する現象を抑制することもできる。かかる均質構造においては、中心部領域における平均孔径に対する繊維の外表面近傍領域における平均細孔半径の比率(外表面近傍領域における平均孔径/中心部領域における平均孔径)は、0.50倍以上3.00倍以下、より好ましくは0.75倍以上2.00倍以下、さらに好ましくは0.90倍以上1.50倍以下である。
次に、本発明における均質構造の判定方法について説明する。
まず、多孔質繊維を十分に湿らせた後に液体窒素に浸し、細孔内の水分を液体窒素で瞬間的に凍結させる。その後、速やかに繊維を折り、繊維断面を露出させた状態で、0.1torr以下の真空乾燥機内で凍結させた水分を除去して乾燥試料を得る。その後、スパッタリングにより、白金−パラジウム(Pt−Pd)の薄膜を繊維表面に形成させて、観察試料とする。該試料の断面を走査型電子顕微鏡(たとえば株式会社日立ハイテクノロジーズ社製、S−5500)にて観察する。ここで、繊維断面の中心点を通る半径を任意に選択し、この半径の線分を均等な長さに5分割する点を通る同心円を描き、中心点を含む領域を中心部領域とし、最も外周部に近い側を外表面近傍領域とする。
中心部領域、外表面近傍領域、それぞれに存在する孔の円相当径を求め、それぞれの領域における平均孔径を得る。それぞれの領域における平均孔径の算出に際しては、走査型電子顕微鏡(5万倍)で2μm×2μmの範囲を任意に20箇所選択し、撮影した写真の中に孔全体が含まれるものについて測定し、平均の孔径を算出するものとする。孔径の測定においては、電子顕微鏡像を印刷したものの上に透明シートを重ね、黒いペンなどを用いて孔部分を黒く塗りつぶし、その後透明シートを白紙にコピーすることにより、孔部分は黒、非孔部分は白と明確に区別し、画像解析ソフトにて孔径を求める。
本発明に係る吸着体は、繊維の外周部に3個以上の突起を有し、かつ該突起が繊維長手方向に連続して存在する形状を有していてもよい。ここでいう突起とは、繊維横断面外周部に存在する突起である。突起を有することで、異形化し、体積当たりの表面積を増大する結果、吸着性能の向上が期待できる。また、突起を有する場合には、隣り合う繊維の突起同士が密着しやすく、密着した箇所は被処理液が接触し難いために性能低下が起きやすい。本発明は、カラム端部の拡径部を有することで端部における繊維の分散性向上が見込まれるため、ストレート形状の異形断面繊維を用いる場合、特に有効である。
突起の数の上限としては、12個以下であることが好ましく、さらに好ましくは8個以下、特に好ましくは6個以下である。突起数が増えすぎると、突起間の隙間が狭窄して体積あたりの表面積量が低下したり、被処理液が突起間に接触しにくくなるため好ましくない。
多孔質繊維の異形度は、繊維断面を観察した際の内接円と外接円の直径の比、すなわち、内接円の直径Diと外接円の直径Doの比Do/Diによって表す。
ここで、異形断面については線対称性、点対称性などの対称性を保持した形状であっても、非対称性であってもよいが、均一な繊維物性を有する点で概ね対称性を有する形状であることが好ましい。異形断面が概ね線対称性、点対称性を保持すると判断される場合、内接円とは繊維横断面において繊維の輪郭をなす曲線に内接する円であり、外接円とは繊維横断面において繊維の輪郭をなす曲線に外接する円である。図5には、突起数3の異形断面繊維とした場合の外接円3、内接円4及び外接円直径Do、内接円直径Diを示す。
一方、異形断面が線対称性、点対称性を全く保持しない形状であると判断される場合には、繊維の輪郭をなす曲線と少なくとも2点で内接し、繊維の内部にのみ存在して内接円の円周と繊維の輪郭をなす曲線とが交差しない範囲においてとりうる最大の半径を有する円を内接円とする。外接円は繊維の輪郭を示す曲線において少なくとも2点で外接し、繊維横断面の外部にのみ存在し、外接円の円周と繊維の輪郭が交差しない範囲においてとりうる最小の半径を有する円を外接円とする。
いかなる異形の形状であれ、異形度が1.2以上あれば、繊維が除去対象物質を吸着する能力を高くすることが可能となる。異形度は、一般には、増大するにしたがって体積当りの表面積が増大するため、吸着性能を向上させることができるためである。したがって、好ましい異形度の下限は1.2以上であり、より好ましくは1.5以上、さらに好ましくは1.8以上、特に好ましくは2.0以上である。一方、異形度が増大しすぎる場合、別の問題が生じ得る。すなわち、繊維断面中心部や突起部が細長くなり、繊維の強伸度が低下することで突起の折れ曲がりや突起の切断が起きやすくなり、紡糸安定性が低下したり、繊維形状の保持が困難となる。また、繊維として成型する前の紡糸原液を風や液を用いて速やかに冷却する場合、上記突起が風や液体の流れを妨げ、結果として繊維形状や、細孔・表面開孔部といったミクロ構造にもムラが生じることが懸念される。このことから、異形度には一定の上限を設けることがよく、好ましくは6.6以下であり、より好ましくは4.5以下、さらに好ましくは3.6以下である。
異形度の測定方法としては、測定対象となる繊維の両端を、0.1g/mmの張力を付与した状態で固定し、無作為の位置で切断する。その後、切断面を光学顕微鏡、例えばスカラ社製DIGITAL MICROSCOPE DG−2,で拡大して写真撮影する。撮影の際、同一倍率でスケールも撮影する。当該画像をデジタル化した後、例えばスカラ(株)の画像解析ソフト「Micro Measure ver.1.04」を用い、繊維の横断面の外接円の直径Doと、内接円の直径Diを計測する。そして次式により各繊維の異形度を求める。この測定を30箇所について行い、値を平均化し、少数点以下第2位を四捨五入した値を異形度とする。
異形度=Do/Di
浄化カラムの使用用途も多種多様であり、水処理、精製、血液浄化などの用途として用いることができる。中でも、血液浄化用途の場合、処理方法には全血を直接灌流する方法と血液から血漿を分離した後に血漿をカラムに通す方法とがあるが、本発明の浄化カラムはいずれの方法にも用いることができる。特に、血液浄化用途にて用いる場合、1回の処理量や操作の簡便性などの観点から体外循環回路に組み込みオンラインで吸着除去を行う手法が好ましい。この場合、本発明の浄化カラムを単独で用いても良いし、透析時などに人工腎臓と直列に繋いで用いることもできる。このような手法を用いることで、透析と同時に人工腎臓のみでは除去が不十分である物質を除去することができる。特に人工腎臓では除去が困難である大分子量物質を浄化カラムを用いて吸着除去することで人工腎臓の機能を補完できる。
また、人工腎臓と同時に用いる場合には、回路内において、人工腎臓の前に接続しても良いし人工腎臓の後に接続しても良い。人工腎臓の前に接続するメリットとしては、人工腎臓による透析の影響を受けにくいため、浄化カラムの本来の性能を発揮し易い。一方で人工腎臓の後に接続するメリットとしては、人工腎臓で除水を行った後の血液を処理するため、溶質濃度が高く、吸着除去効率の増加が期待できる。
以下に本発明に係るケーシングを用いた浄化カラムの作成例について説明する。
繊維形状として中実糸状のものを用いた一例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
[多孔質繊維の作製]
ポリマーを適当な溶媒に溶かした紡糸原液を調整する。溶媒はポリマー種類によって異なるが、例えばポリマーとしてPMMAを用いる場合は、ジメチルスルホキシド(DMSO)が好ましく採用される。このとき原液濃度(原液中の溶媒を除いた物質の濃度)が低い程、繊維の孔の割合を大きくすることが出来るため、原液濃度を適宜設定することにより、細孔径をコントロールすることが可能である。この他、陰性荷電基を有するポリマーを用いることで細孔径のコントロールが可能である。かかる観点から、本発明において好ましい原液濃度は36重量%以下であり、より好ましくは31重量%以下、さらに好ましくは25重量%以下である。繊維は、円形や異形、例えば図7に示すような異形断面の吐出口をもつ口金を用い、原液を、乾式部と呼ばれる一定距離の乾式空中部分に通した後に、水などの貧溶媒もしくは非溶媒から成る凝固浴に吐出することにより得られる。また、吐出糸の温度が乾式部において低下してゲル化や凝固するなど速やかに構造固定化させる場合には、乾式部分において冷風を吹き付け、ゲル化等を促進させることができる。また、詳細なメカニズムは定かではないが冷風速度を上げて冷却効率を上げることで、繊維表面の開孔率や繊維外周部近傍の孔径を拡大させることができる。
口金から吐出された紡糸原液は凝固浴にて凝固される。凝固浴は通常、水やアルコールなどの凝固剤、又は紡糸原液を構成している溶媒との混合物からなる。通常は水を用いることが多い。また、凝固浴の温度をコントロールすることにより、細孔径を変化させることができる。細孔径は紡糸原液の種類等によって影響を受け得るために、凝固浴の温度も適宜選択されるものであるが、一般に凝固浴温度を高くすることにより、細孔径を大きくすることが出来る。この機序は正確には明らかではないが、原液からの脱溶媒と凝固収縮との競争反応で、高温浴では脱溶媒が速く、繊維内部が収縮する前に凝固固定されるからではないかと考えられる。しかしながら、凝固浴温度が高くなりすぎると、細孔径が過大になるため、比表面積の低下、強伸度の低下、非特異的な吸着などが増大する、などの影響が考えられる。そのため例えば、繊維がPMMAを含む場合の凝固浴温度は90℃以下が好ましく、より好ましくは75℃以下、特に好ましくは65℃以下である。一方で、低すぎる場合、孔径が縮小し、被吸着物質が細孔内部に拡散しにくくなる。そのため下限としては12℃以上が好ましく、20℃以上がより好ましい。
次いで、凝固した繊維に付着している溶媒を洗浄する工程を通過させる。繊維を洗浄する手段は特に限定されないが、多段の水を張った浴(水洗浴という)中に繊維を通過させる方法が好んで用いられる。水洗浴中の水の温度は、繊維を構成する重合体の性質に応じて決めればよい。例えばPMMAを含む繊維である場合、30〜50℃が採用される。
また、水洗浴の後に細孔の孔径を保持するために、繊維に保湿成分を付与する工程を入れても良い。ここでいう保湿成分とは、繊維の湿度を保つことが可能な成分、又は、空気中にて、繊維の湿度低下を防止することが可能な成分をいう。保湿成分の代表例としてはグリセリンやその水溶液などがある。
水洗や保湿成分付与の終わった後、収縮性の高い繊維の寸法安定性を高めるため、加熱した保湿成分の水溶液が満たされた浴(熱処理浴という)の工程を通過させることも可能である。熱処理浴には加熱した保湿成分の水溶液が満たされており、繊維がこの熱処理浴を通過することで熱的な作用を受けて収縮し、以後の工程で収縮しにくくなり繊維構造を安定させることが出来る。このときの熱処理温度は、繊維素材によって異なるが、PMMAを含む繊維の場合には50℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。また、95℃以下が好ましく、87℃以下がより好ましい温度として設定される。
[浄化カラムの作製]
得られた中実糸を用いて浄化カラムとする手段の一例を示すと次の通りである。
まず、中実糸を必要な長さに切断し、必要本数を束ねた後、血液浄化カラムの筒部分として、両端、もしくはいずれか一端部に拡径部をもつプラスチックケーシングに入れる。その後、中実糸の両端をカッター等で中実糸がケーシング内に収まるよう切断し、カラム両端のカラム両側端面の被処理液の流出入口に、カットしたメッシュフィルタを装着する。最後にヘッダーキャップと呼ばれる被処理液の入口、出口ポートを取り付けて血液浄化カラムを得ることができる。
また、医療用具等に用いる際には殺菌又は滅菌して用いることが好ましい。殺菌、滅菌方法としては、種々の殺菌・滅菌方法、例えば、高圧蒸気滅菌、ガンマ線滅菌、エチレンオキサイドガス滅菌、薬剤殺菌、紫外線殺菌などが例示できる。これらの方法のうち、ガンマ線滅菌、高圧蒸気滅菌、エチレンオキサイドガス滅菌は、滅菌効率と材料に与える影響が少なく好ましい。
実施例1
[多孔質繊維の作製]
質量平均分子量が40万のsyn−PMMAを31.7質量部、質量平均分子量が140万のsyn−PMMAを31.7質量部、質量平均分子量が50万のiso−PMMAを16.7質量部、パラスチレンスルホン酸ソーダを1.5mol%含む分子量30万のPMMA共重合体20質量部をジメチルスルホキシド376質量部と混合し、110℃で8時間撹拌し紡糸原液を調製した。得られた紡糸原液の110℃での粘度は1240poiseであった。得られた紡糸原液を、92℃に保温された図7に示す形状の吐出口をもつ口金から、1.1g/minの速度で空気中に吐出し、空中部分を380mm走行させた後、凝固浴に導き、浴内を通過させて中実糸を得た。凝固浴には水を用いており、水温(凝固浴温度)は42℃であった。それぞれの繊維を水洗後、保湿剤としてグリセリンを70質量%含む水溶液から成る浴槽に導いた後、温度を84℃とした熱処理浴内を通過させて余分のグリセリンを除去した後にスペーサー糸として25デニールのPET製糸をらせん状に巻き付け、16m/minで巻き取った。
得られた中実糸を公知の方法を用いて束ね、内径D10mm、ケーシング1の長さ(有効長)L17.3mm、拡径部はD1=2.0mm、L1=1.0mm、θ=27°のポリカーボネート製円筒状ケーシング内に、円相当直径145μm、異形度2.4の中実糸を2550本充填した。次にこのカラムの両側端面の被処理液の流出入口に、ケーシング内径と同等の径にカットした目開き相当直径84μm、開口率36%のポリプロピレン製メッシュフィルタを装着した。繊維断面の異形度、円相当直径、平均細孔半径について、先述の手法で測定した。結果を表1に示した。
得られた浄化カラムについて、以下に示す方法でβ2−ミクログロブリン(β2−MG)の除去率測定を行った。結果を表1に示す。
(1)β2−MGの除去率の測定方法
吸着カラムの性能評価として、β2−MGの除去率を測定した。β2−MGは、長期透析合併症である透析アミロイドーシスの原因となるタンパク質であることが知られている。β2−MGの除去率は次のようにして測定した。
1.ACD−A液を用いて抗凝固した牛血液を遠心分離して得た牛血漿に、β2−MGを1mg/Lとなるように添加し、タンパク濃度6.5±0.5g/dLの牛血漿溶液を調整する。かかる牛血漿について、その2Lを循環用に、1.5Lを除去率測定用として分けた。
2.回路を図6のようにセットした。
3.Bi回路入口部を上記で調整した牛血液2L(37℃)の入った循環用ビーカー7内に入れ、流速を200mL/minとしてBiポンプ6をスタートし、Bo回路出口部から流出される液体90秒間分を廃棄用ビーカー8から廃棄後、ただちにBo回路出口部を循環用ビーカー8内に挿入れて循環状態とした。符号5はカラムである。
4.循環を1時間行った後ポンプを停止した。
5.Bi回路入口部を上記で調整した除去率測定用の牛血液内に入れ、Bo回路出口部を廃棄用ビーカー8内に入れた。
6.図6の閉鎖循環回路を用いて、血液側(中空糸内側)流量(QBin)200mL/min、濾過液流量10mL/min/mの条件で2Lの牛血漿溶液9を循環する。
7.循環を停止し、血液側流入液を新しい牛血漿溶液に交換し、シングルパス回路を用いて血液側(中空糸内側)流量(QBin)200mL/minで流した。
8.シングルパス送液開始後4〜5分の間に血液入口側液及び血液出口側液をそれぞれ10ml採取し、β2−MGの除去率測定用サンプル10とする。
9.4.のサンプル中のβ2−MG濃度をラテックス凝集免疫測定法を用いて測定する(参考文献として医療と検査機器・試薬26(2)127−134、2003がある)。β2−MG除去率は以下の式により算出される。β2−MG除去率=(QBin×CBin−QBout×CBout)/CBin
CBin : 血液入口側のβ2−MGの濃度(mg/L)
CBout: 血液出口側のβ2−MGの濃度(mg/L)
QBin : 血液側入口流量(mL/min)
QBout: 血液側出口流量(mL/min)
実施例2
ケーシングとして拡径部D1=4.0mm、L1=1.0mm、θ=14°のポリカーボネート製円筒状ケーシングを用いた以外は、実施例1と同様の方法でカラムを作製し、β2−MGの除去率測定を行った。結果を表1に示す。
実施例3
ケーシングとして拡径部D1=6.0mm、L1=1.0mm、θ=9°のポリカーボネート製円筒状ケーシングを用いた以外は、実施例1と同様の方法でカラムを作製し、β2−MGの除去率測定を行った。結果を表1に示す。
実施例4
ケーシングとして拡径部D1=2.0mm、L1=2.0mm、θ=45°のポリカーボネート製円筒状ケーシングを用いた以外は、実施例1と同様の方法でカラムを作製し、β2−MGの除去率測定を行った。結果を表1に示す。
実施例5
ケーシングとして拡径部D1=2.0mm、L1=4.0mm、θ=63°のポリカーボネート製円筒状ケーシングを用いた以外は、実施例1と同様の方法でカラムを作製し、β2−MGの除去率測定を行った。結果を表1に示す。
実施例6
PMMAの中実糸にスペーサー糸を巻き付けなかったこと以外は実施例2と同様の方法でカラムを作製し、β2−MGの除去率測定を行った。結果を表1に示す。
比較例1
ケーシングとして拡径部D1=0.0mm、L1=0.0mm、θ=0°のポリカーボネート製円筒状ケーシングを用いた以外は、実施例1と同様の方法でカラムを作製し、β2−MGの除去率測定を行った。結果を表1に示す。
比較例2
PMMAの中実糸にスペーサー糸を巻き付けなかったこと以外は、比較例1と同様の方法でカラムを作製し、β2−MGの除去率測定を行った。結果を表1に示す。
Figure 0006728743
実施例1〜5及び比較例1の結果から、拡径部を有することによりβ2−MG除去率が向上することがわかる。また、実施例1〜4から、θを9〜45°の範囲で制御することで特に高い吸着性能を得られることがわかった。これは、θが小さすぎる場合には、繊維束の分散性向上に十分に寄与できず、一方で高すぎる場合には、カラム外周部への流量がおおきくなり、カラムの中心部への流量が減少してしまうためと考えられる。また、実施例2、6および比較例1、2の結果から、スペーサー糸の有無による影響は、拡径部が無い場合には僅かであるが、拡径部を有する場合にはスペーサー糸を付与することで有意に吸着性能を向上できることがわかる。これは、拡径部を有することで繊維束に広がるスペースが生まれ、より効果的に分散性を向上できたためと考えられる。
本発明の浄化カラムは、水処理、精製、血液浄化などの用途に用いることができる。
1:ケーシング内径
2:ケーシング長さ
3:拡径部のケーシングのTD方向の長さ
4:拡径部のケーシングのLD方向の長さ
5:拡径部の傾斜角度
6: 外接円
7:内接円
8:外接円径
9:内接円径
10:浄化カラム
11:ポンプ
12:湯浴
13:廃棄用ビーカー
14:循環用血漿
15:除去率測定用血漿
16:ケーシングの被処理液流入側最端部
17:ケーシングLD方向中心部
18:被処理液流入側ヘッダー
19:被処理液流出側ヘッダー

Claims (7)

  1. ケーシングと、前記ケーシングの内部に収容された繊維状の吸着体と、を有し、
    前記ケーシングにおける両端部は、それぞれが被処理液流入側端部又は被処理液流出側端部で、かつ、いずれもが開放端であり、
    前記被処理液流入側端部から、前記ケーシングにおける吸着体の外側の領域を通り、被処理液流出側端部に到るまでの空間が連続しており、
    前記両端部の一方又は両方は、内径がケーシングの胴部の内径に比較して拡大した拡径部を有し、次の(a)〜(c)の要件を満たす、浄化カラム。
    (a)前記吸着体を構成する繊維の形態が中実糸状である
    (b)前記吸着体を構成する繊維が、ストレート形状を有し、
    前記ストレート形状の繊維状吸着体が、カラム長手方向に引き揃えて、かつ両側が自由端として配置されている
    (c)前記吸着体を構成する繊維が、外周部に3個以上12個以下の突起が長手方向に連続して存在する形状を有し、
    繊維の横断面において、内接円の直径をDi、外接円の直径をDoとすると、異形度Do/Diが1.2〜6.6である
  2. 前記拡径部は、端部方向に向けて傾斜しながら拡径する逆テーパ状を有しており、下式で定義されるθが3°以上87°以下である、請求項1に記載の浄化カラム。
    θ=tan−1(L1/D1)
    ここで、
    L1:拡径部のLD方向(ケーシング長手方向)長さ
    D1:拡径部のTD方向(ケーシング長手方向と直交する方向)長さ
  3. 前記拡径部がケーシング内周面の全周にわたって設けられている、請求項1又は2に記載の浄化カラム。
  4. 前記ケーシングの拡径部における吸着体の充填率d2が24%以上69%以下であり、
    前記ケーシングのLD方向中央部における吸着体充填率d1が30%以上70%以下であり、
    かつd2/d1が0.95以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の浄化カラム。
  5. 前記ストレート形状の繊維状吸着体を構成する繊維について、以下に示す断面の径が10μm以上1000μm以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の浄化カラム。
    前記断面形状が円形の場合:糸の外径
    前記断面形状が円形ではない場合:糸の最外周の円相当直径
  6. 前記被処理液が血液又は血漿である、請求項1〜のいずれか1項に記載の浄化カラム。
  7. 人工腎臓と直列に接続する用途に用いられる、請求項1〜のいずれか1項に記載の浄化カラム。
JP2016027760A 2015-03-31 2016-02-17 浄化カラム Active JP6728743B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015072337 2015-03-31
JP2015072337 2015-03-31

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016193178A JP2016193178A (ja) 2016-11-17
JP6728743B2 true JP6728743B2 (ja) 2020-07-22

Family

ID=57323509

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016027760A Active JP6728743B2 (ja) 2015-03-31 2016-02-17 浄化カラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6728743B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109758633A (zh) * 2019-01-28 2019-05-17 江苏关怀医疗科技有限公司 一种丝状吸附剂灌流器
KR102336809B1 (ko) * 2021-05-14 2021-12-08 주식회사 퓨어엔비텍 침지형 여과장치

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6422308A (en) * 1987-07-20 1989-01-25 Organo Kk Hollow yarn module using crimped hollow yarn
JP3331534B2 (ja) * 1994-12-26 2002-10-07 日機装株式会社 血液浄化器用ケーシング
JPH09187628A (ja) * 1995-10-31 1997-07-22 Nikkiso Co Ltd 中空糸型モジュール及びその製造方法
JP4178057B2 (ja) * 2003-02-26 2008-11-12 日機装株式会社 血液浄化器
ATE500880T1 (de) * 2005-04-20 2011-03-15 Braun B Avitum Ag Dialysefilter
JP4473324B2 (ja) * 2008-04-18 2010-06-02 日機装株式会社 血球除去用吸着体
JP2013081771A (ja) * 2011-09-30 2013-05-09 Toray Ind Inc 中空糸拘束手段および浄化カラム
JPWO2013129384A1 (ja) * 2012-03-02 2015-07-30 東レ株式会社 吸着カラム
CN104902941B (zh) * 2013-02-12 2017-05-03 东丽株式会社 血液净化柱

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016193178A (ja) 2016-11-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6613897B2 (ja) 多孔質繊維、吸着材料及び浄化カラム
KR102323265B1 (ko) 다공질 섬유, 흡착 재료 및 정화 칼럼
JP6728743B2 (ja) 浄化カラム
WO2017170546A1 (ja) 繊維材料及び浄化カラム
JP6862992B2 (ja) 繊維材料及び浄化カラム
JP6834677B2 (ja) 吸着カラム
JP6930416B2 (ja) 多孔質繊維および繊維束、ならびに繊維束が内蔵された浄化カラム
WO2021070857A1 (ja) 繊維束およびその製造方法ならびに浄化カラム
JP7400556B2 (ja) 多孔質繊維、吸着材料及び浄化カラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191008

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191107

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191210

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191226

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20200417

TRDD Decision of grant or rejection written
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20200420

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200602

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200615

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6728743

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151