JP6862992B2 - 繊維材料及び浄化カラム - Google Patents

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Description

本発明は、被処理液中の除去対象物質を効率的に吸着させることが可能な繊維材料、及びかかる繊維材料が内蔵された浄化カラムに関する。
従来、被処理液中の除去対象物質を吸着により除去する浄化カラムに用いる吸着材の形態としては、多孔質のビーズを用いることが多かった。この理由としては、ビーズ形状の吸着担体は吸着カラム内に均一に充填できるため、血液流れの偏りが少なく、カラム設計をしやすいという利点を有することが挙げられる。一方で、吸着性能向上のための手段としては、吸着担体の体積あたりの表面積を増やすことが挙げられる。しかし、吸着担体がビーズ状である場合は、吸着担体の体積あたりの表面積を増大させるためにビーズ径を小さくすると、各ビーズ間の隙間が狭くなる。そうすると、流路抵抗が高くなって圧力損失が増大することにより、被処理液を流すことが困難になる。また、吸着担体として用いられるビーズは通常球形であるために、他の形状に比べて本来的に体積あたりの表面積が大きいとは言えない。すなわち、ビーズ内部に吸着余力があっても、有効にそれらの吸着サイトが活用できないことがある。
ビーズ以外の吸着材の形態として繊維が挙げられ、通常の円形断面の繊維を用いることが考えられている。その形態としては、多数の繊維をカラムケースの両側開口部を結ぶ軸方向に対して平行にストレート形状で挿入したものや、または編み地にしたものなどが挙げられる。
これまでに中空繊維や中実繊維を内蔵した浄化カラムに関する発明が開示されている(特許文献1,2)。
これまでに、特許文献3〜5に記載されるように、衣料の分野においては、ふくらみ感すなわち嵩高性を向上させる目的で、異種の異形断面形状を混繊させる手法が挙げられている。透析器などの分野では特許文献6のように糸にクリンプをかけて、隣接する糸同士が重なり合い、密着することを防止する発明が成されている。
また、特許文献7においては、円形の中空糸膜と異形断面のスペーサーフィラメントを組み合わせることで偏流を抑制する発明が述べられている。
特開2011−156022号公報 特開2010−148851号公報 特開2002−220758号公報 特開2004−263341号公報 特開2002−194621号公報 特開2012−115743号公報 特開2008−155009号公報 特開2000−225304号公報
Kazuhiko Ishikiriyama et al.; JOURNAL OF COLLOID AND INTERFACE SCIENCE,VOL.171,103−111(1995)
しかしながら、特許文献1,2において用いられている繊維の断面形状は円形であり、吸着体の体積に対する表面積が小さいために吸着性能は低かった。ここで、繊維の断面を円形以外の形状、すなわち異形断面の繊維とする方法が考えられる。しかし、浄化カラムの吸着性能を高める等の目的で糸の充填率を高めると、異形断面糸では、円形糸に比べて外接円占有度(異形の繊維横断面の外接円における繊維断面の占有度、後述)が低下するために隣接する糸同士が重なり合い、密着することで、表面積をロスし易いという課題があった。
特許文献3〜5に記載の発明においては、クリンプをかける工程が増えることやその際の糸切れの問題があり、さらにはクリンプによる波の高さは経年保管や経年劣化により小さくなる傾向があり、製品の長期安定性の観点から好ましくないものであった。また、被処理液中の除去対象物質の吸着を目的とすることについての記載がなかった。また、多孔質の繊維を用いていないことから、糸の収縮率の差を利用することでふくらみ感、軽量感などを改善する目的で糸を加熱しているが、細孔を有する多孔質の糸を用いる場合には、熱処理や高次加工により多孔構造が破壊される可能性があるものであった。
また、特許文献7に記載の発明については、被処理液を中空糸膜の内側のみに流そうとすると被処理液が接触するのは中空糸内側のみとなり、一方で被処理液を中空糸膜の外側のみ流そうとした場合には、被処理液が接触するのはスペーサーフィラメントと中空糸外側のみとなることから、いずれにしても吸着性能は低くなる。また、被処理液を連続して中空糸内側と外側両側に導入する手法も考えられるが、被処理液の流路が複雑になったり、圧力損失の増大を招くため好ましくない。
端部に隔壁を設けずに、メッシュなどで封止することで、中空繊維の内側・外側両側に処理液を同時に流す手法もあるが、内側と外側の流量を均等に分配するのが困難であり、流れムラが生じやすい。
また、例えば被処理液として血液を流した後に、カラムに残った血液を生理食塩水を用いて体内に戻す作業(「返血」と称されることもある)を行うが、特に中空繊維内径が小さい場合や、中空糸の潰れなどにより、返血の際に血液が中空繊維内側に多数残存する、残血と呼ばれる現象の発生が懸念されるため好ましくない。
上記従来の技術に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、被吸着物質除去性能に優れた、繊維材料およびそれを内蔵した浄化カラムを提供することである。
上記課題を解決するため本発明の繊維材料は次の構成を有する。すなわち、横断面形状を共通にする中実繊維を複数種類有する混繊繊維を含み、前記複数種類の繊維のうち少なくとも2種類は前記混繊繊維の全体における構成割合が5.0%以上であって、前記構成割合が5.0%以上である複数種類の繊維のうち、 下記式(1)で表される表面積増加度が最も高い繊維を繊維(max)、下記式(1)で表される表面積増加度が最も低い繊維を繊維(min)としたときに、繊維(min)は、繊維(max)に比べて表面積増加度が3.0%以上低く、繊維(max)の前記混繊繊維の全体における構成割合は30.0%以上、繊維(min)の前記混繊繊維の全体における構成割合が8.0%以上であり、かつ、繊維(max)は、(a)表面積増加度が1.20以上および(b)多孔質であり、細孔比表面積が5m/g以上である繊維材料、である。
表面積増加度=(繊維横断面における周長)/(繊維横断面と同じ断面積をもつ円における円周長) (1)
本発明の浄化カラムは、次の構成を有する。すなわち、
プラスチックケーシングと上記繊維材料とからなる浄化カラムであって、前記プラスチックケーシング内に、前記繊維材料がケースの両側開口部を結ぶ軸方向にストレート形状に配列され、前記プラスチックケーシングの両端に被処理液の入口ポートおよび出口ポートが取り付けられてなる浄化カラム、である。
本発明の繊維材料は、前記繊維(max)の細孔比表面積が10m/g以上であることが好ましい。
本発明の繊維材料は、前記繊維(min)が多孔質であり、細孔比表面積が5m/g以上であることが好ましい。
本発明の繊維材料は、前記繊維(min)の細孔比表面積が10m/g以上であることが好ましい。
本発明の繊維材料は、前記繊維(min)における下記式(2)にて表される外接円占有度Sfoが0.90以下であることが好ましい。
外接円占有度Sfo=Sf/So (2)
ここで、Sf:繊維横断面の断面積、So:繊維横断面の外接円で囲まれる面積である。
本発明の繊維材料は、前記繊維(min)における異形度Do/Diが1.10以上であることが好ましい。
ここで、Do:繊維横断面の外接円の直径、Di:繊維横断面の内接円の直径である。
本発明の繊維材料は、前記繊維(min)の表面積増加度が1.10以上であることが好ましい。
本発明の繊維材料は、前記繊維(min)の繊維横断面の形状が円形もしくは楕円形であることが好ましい。
本発明の繊維材料は、前記繊維(max)の円相当直径が10μm以上1,000μm以下であることが好ましい。
本発明の繊維材料は、前記繊維(min)の外接円占有度Sfoを前記繊維(max)の外接円占有度Sfoで除したSfo比Zが0.20以上であることが好ましい。
本発明の繊維材料は、前記繊維(max)の円相当直径を前記繊維(min)の円相当直径で除することで表される繊維径比Yが10.0以下であることが好ましい。
本発明の繊維材料は、ストレート形状の繊維から成ることが好ましい。
本発明の繊維材料は、前記混繊繊維が2種類の横断面形状を共通にする繊維から成ることが好ましい。
本発明の繊維材料は、前記繊維(max)と繊維(min)との割合が10:1〜1:2であることが好ましい。
本発明の繊維材料は、前記繊維(max)と繊維(min)とが同一の素材で形成されることが好ましい。
本発明の繊維材料は、前記素材がエステル基含有ポリマーであることが好ましい。
本発明の繊維材料は、医療用途に用いることが好ましい。
本発明の繊維材料は、浄化カラム用途に用いることが好ましい。
本発明の繊維材料は、β−マイクログロブリンの吸着量が0.005mg/cm以上であることが好ましい。
本発明によれば、被処理液中の除去対象物質の効率的な吸着が可能な繊維を用いてなる繊維材料、及びかかる繊維が内蔵された浄化カラムを提供できるものである。
内接円、外接円を説明するための繊維断面図。 突起数3の繊維を製造するための口金の図であり、口金の各部位を説明する図。 図2の口金を用いて作製した突起数3の繊維の横断面図。 断面が、全体としては棒形状に近く、部分的に円形状を有する繊維を製造するための口金の図。 断面が十字形状である繊維を製造するための口金の図。 断面が星形状である繊維を製造するための口金の図。 カラムの吸着性能測定時の回路図。
本発明で用いる繊維は、中実繊維と呼ばれる、中空部をもたない繊維の形状・形態をとる繊維から成る。中空繊維の場合には、上述した問題が懸念されることから、不適である。
本発明における繊維材料を構成する繊維の形態としては単繊維が好ましく、中実繊維の単繊維をそのまま束としたものでもよい。単繊維を複数絡み合わせ1本の糸としたマルチフィラメントにしてもよいが、絡み合った部分が被処理液と接触しにくいため好ましくない。なお、ここでいうマルチフィラメントには、同一繊維から構成されているもの、異なる種類の繊維から構成されているものの両方を含む。
本発明においては、横断面形状を共通にする中実繊維を複数種類有する繊維材料を用いる。複数種類を混繊することで、様々に組み合わせてそれぞれの特徴を活かし、また、1種類の繊維の持つ短所を別の種類の繊維により補うことが可能となる。その好ましい効果の一つは、少なくとも1種類の繊維として体積当たりの表面積が比較的大きい繊維を選定することで、高い吸着性能を期待できるとともに、横断面形状が共通しない別の繊維を用いることで、上記体積当たりの表面積が大きい繊維が隣接する繊維同士で重なり合って密着する現象を防止できることである。かかる観点からは、中実繊維の表面積増加度を制御することが一つのファクターとなる。ここで、表面積増加度とは、次の式(1)で表される値である。
表面積増加度=(繊維横断面における周長)/(繊維横断面と同じ断面積をもつ円における円周長) (1)
表面積増加度の測定方法を以下に記す。測定対象となる繊維の両端を、0.1g/mm程度の張力を付与した状態で固定し、無作為の位置で切断する。その後、切断面を光学顕微鏡、スカラ社製DIGITAL MICROSCOPE DG−2で拡大して写真撮影する。撮影の際、同一倍率でスケールも撮影する。スカラ(株)の画像解析ソフト「Micro Measure ver.1.04」を用い、糸の断面の外周部をなぞることで繊維横断面の周長および断面積を測定する。この測定を50箇所について行い、値を平均化し、小数点以下第2位を四捨五入した値を表面積増加度とする。
本発明で用いる横断面形状を共通にする繊維について、2本の繊維の横断面を比較した際に、断面の外周部に突起を有する繊維は、突起を有しない繊維と形状を共通するとは言わない。突起の数が異なる場合もまた形状を共通にするとは言わない。突起の数が同じであっても、上記表面積増加度が30%以上異なるときは、形状を共通にするとは言わない。突起を有しない繊維のうち、丸形断面の繊維、楕円形断面の繊維は、同じ丸形断面の繊維、楕円形断面の繊維と比べ、上記表面積増加度が30%以上異なるとき、もしくは後述する異形度が50%以上異なるときには、形状を共通にするとは言わない。また、丸形もしくは楕円形断面の繊維は、角形の繊維と比べ形状を共通にするとは言わず、角形断面を有する繊維の中でも角数が異なる場合は形状を共通にするとは言わない。また、角数が同じ角形の断面を有する繊維であっても、表面積増加度が30%以上異なるときは、形状を共通にするとは言わない。なお、上記突起について、例えば、繊維断面が円形状、楕円形状であれば突起数0、L字形状であれば突起数2、Y字形状やT字形状であれば突起数3、十字形状であれば突起数4、星形形状であれば突起数5、水字形状であれば突起数6となる。
本発明では、混繊繊維の全体における構成割合として5.0%以上存在する2種類以上の横断面形状を共通にする繊維のうち、表面積増加度が最も高い糸を繊維(max)と言う。かかる繊維(max)は混繊繊維の全体における構成割合が30.0%以上であり、好ましくは45.0%以上、より好ましくは55.0%以上となる。繊維(max)の構成割合が30.0%に満たないと、吸着性能向上が期待できない。尚、上述の表面積増加度が最も高い糸が複数存在する場合には、後述する外接円占有度がより高い断面形状の繊維を、本発明で用いる繊維(max)とする。
繊維(max)の表面積増加度が高いほど、体積当たりの表面積が多くなり、吸着性能が向上するため、繊維(max)の表面積増加度の下限としては、1.20以上であり、より好ましくは1.35以上、特に好ましくは1.45以上となる。繊維(max)の表面積増加度の下限が1.20に満たないと、吸着性能が不十分となる。繊維(max)の表面積増加度の上限としては6.6以下が好ましく、さらに好ましくは4.5以下、特に好ましくは3.6以下である。繊維(max)の表面積増加度の上限がこの好ましい範囲であると、繊維の強伸度が低下することはなく、紡糸安定性が保たれ、繊維形状の保持が容易である。また、繊維として成型する前の紡糸原液を風や液を用いて速やかに冷却する場合、繊維断面における突起が風や液体の流れを過度に妨げることはなく、繊維形状や、細孔径といったミクロ構造にもムラが生じにくい。
ここで、混繊繊維の全体における構成割合とは、次の式(2)で表されるような、繊維材料を任意の箇所で切断した横断面において、全繊維中に含まれる、横断面を共通にする繊維の本数の割合である。
混繊材料の全体における構成割合(%)=横断面を共通にする繊維の本数(本)/全繊維本数(本)×100 (2)
また、混繊繊維の全体における構成割合が5.0%以上である複数種類の横断面形状の繊維のうち、表面積増加度が最も低く、繊維(max)に比べて表面積増加度が3.0%以上低い繊維を繊維(min)と言う。繊維(min)は、混繊繊維の全体における構成割合として8.0%以上含まれることで、繊維(max)同士の密着を抑制する効果が得られる。繊維(min)の混繊繊維の全体における構成割合は、好ましくは12.0%以上、より好ましくは16.0%以上、さらに好ましくは23.0%以上である。繊維(min)の混繊繊維の全体における構成割合の上限としては、好ましくは70%以下、より好ましくは60%以下、さらに好ましくは52%以下、特に好ましくは36%以下である。繊維(min)の混繊繊維の全体における構成割合の上限がこの好ましい範囲であると、繊維材料としての表面積量が十分となり、また、繊維(min)同士での密着が起こりにくく、吸着性能が保たれる。尚、上述の表面積増加度が最も低い糸が複数存在する場合には、後述する外接円占有度がより低い断面形状の繊維を、本発明で用いる繊維(min)とする。
本発明においては、中実繊維の異形度の制御も重要となる場合がある。ここで言う異形度とは、繊維横断面を観察した際の内接円と外接円の直径の比、すなわち、内接円の直径Diと外接円の直径Doから次の式(3)にて表される値である。
異形度=Do/Di (3)
本発明においては、繊維(min)の混繊繊維の全体における構成割合は8.0%以上であることを考慮すると、繊維(min)の異形度の好ましい下限は1.10、より好ましくは1.20以上、さらに好ましくは1.60以上、特に好ましくは2.10以上である。繊維(min)の異形度の下限がこの好ましい範囲であると、繊維材料全体の嵩高効果が保たれる。一方で繊維(min)の異形度の上限としては、好ましくは6.00以下であり、より好ましくは5.00以下、特に好ましくは3.80以下である。繊維(min)の異形度の上限がこの好ましい範囲であると、繊維(max)と合わせた嵩高性が適度で、繊維材料として扱いやすくなり、ケースなどへの挿入性が容易である。また、繊維の強伸度が低下することはなく、紡糸安定性が保たれ、繊維形状の保持が容易である。さらに、繊維として成型する前の紡糸原液を風や液を用いて速やかに冷却する場合、繊維断面における突起が風や液体の流れを過度に妨げることはなく、繊維形状や、細孔径といったミクロ構造にもムラが生じにくい。
ここで、異形断面については、線対称性、点対称性などの対称性を保持した形状であっても、非対称性であってもよいが、均一な繊維物性を有する点で概ね対称性を有する形状であることが好ましい。異形断面が概ね線対称性、点対称性を保持すると判断される場合、内接円とは、繊維横断面において繊維の輪郭をなす曲線に内接する円であり、外接円とは、繊維横断面において繊維の輪郭をなす曲線に外接する円である。図1には、突起数3の異形断面繊維とした場合の外接円、内接円及び直径Do、Diを例示している。
一方、異形断面が線対称性、点対称性を全く保持しない形状であると判断される場合には、繊維の輪郭をなす曲線と少なくとも2点で内接し、繊維の内部にのみ存在して、内接円の円周と繊維の輪郭をなす曲線とが交差しない範囲においてとりうる最大の半径を有する円を内接円とする。一方、繊維の輪郭を示す曲線において少なくとも2点で外接し、繊維横断面の外部にのみ存在し、外接円の円周と繊維の輪郭が交差しない範囲においてとりうる最小の半径を有する円を外接円とする。
異形度の測定方法としては、表面積増加度の測定と同様の手順で切断、拡大して写真撮影し、画像解析ソフトを用いて繊維横断面の外接円の直径Doおよび内接円の直径Diを計測する。そして上式(3)により算出する。この測定を30箇所について行い、値を平均化し、小数点以下第2位を四捨五入した値を異形度とする。
また、繊維(min)および繊維(max)の外接円占有度Sfoを制御することが好ましい。外接円占有度は次の式(4)で表される。
外接円占有度Sfo=(繊維横断面の断面積Sf)/(繊維横断面の外接円で囲まれる面積So) (4)
繊維(max)は、Sfoを大きくすることで、効率よく表面積量を稼ぐことができる。その一方で、繊維(min)のSfoが小さいほど、単位断面積当たりの繊維の占有面積が小さいため、嵩高くすることができる。そのため、繊維(min)のSfoの上限は、好ましくは0.90以下、さらに好ましくは0.70以下、特に好ましくは0.50以下となる。繊維(min)のSfoの下限としては、0.05以上が好ましく、より好ましくは0.15以上である。繊維(min)のSfoの下限がこの好ましい範囲であると、繊維の強伸度が損なわれることはない。また、繊維(max)の外接円占有度Sfoを、繊維(min)の外接円占有度Sfoで除したSfo比Zは、好ましくは0.20以上であり、より好ましくは0.40以上、さらに好ましくは0.80以上、特に好ましくは1.10以上となる。Sfo比Zをこの好ましい範囲とすることで、効率良く表面積を稼ぎつつ嵩高性を得ることができるため、繊維材料として優れた吸着性能を発揮できる。
外接円占有度の測定方法としては、異形度の測定と同様の手順で繊維を切断、拡大して写真撮影し、画像解析ソフトを用いて繊維横断面の外接円の直径Doと、繊維横断面の断面積Sfを計測し、DoからSoを求め、上式(4)により算出する。この測定を30箇所について行い、値を平均化し、小数点以下第2位を四捨五入した値を繊維の外接円占有度とする。
繊維横断面の円相当直径としては、繊維(max)と繊維(min)はほぼ同等であることが好ましい。そのため、繊維材料において、繊維(max)の円相当直径を繊維(min)の円相当直径で除した繊維径比Yの上限は、10.0以下であることが好ましく、さらに好ましくは3.0以下、特に好ましくは1.4以下となる。またYの下限としては、0.2以上が好ましく、より好ましくは0.5以上、特に好ましくは0.7以上となる。繊維径比Yがこの好ましい範囲であると、衝撃などにより破損しやすい糸が無く、また、繊維材料全体として表面積が低下することもない。
また円相当直径の絶対値について、繊維(max)の円相当直径としては、10μm以上、1,000μm以下であることが好ましく、20μm以上、500μm以下であることがより好ましい。繊維(max)の円相当直径がこの好ましい範囲であると、糸の機械的強度が保たれ、十分な吸着性能が得られる。
上記円相当直径の測定方法としては、測定対象となる糸の両端を、0.01〜0.1g/mmの張力をかけた状態で固定し切断する。その後、切断面を光学顕微鏡、例えば上記したスカラ社製品等で拡大して写真撮影する。その際には同一倍率でスケールも撮影する。該画像をデジタル化した後、上記したスカラ(株)社製画像解析ソフトを用い、糸の断面の外周部をなぞって断面積Sを算出し、次の式(5)により個々の目開きの相当直径を算出する。30点の測定値の平均を算出し、小数点以下第1位を四捨五入する。
繊維横断面の円相当直径=2×(S/π)1/2 (5)
本発明における繊維の素材としては、特に限定されるものではないが、成形加工のし易さやコストなどの観点から有機物が好適に用いられ、ポリメチルメタクリレート(以下、PMMAという)、ポリエステル等のエステル基含有ポリマー、ポリアクリロニトリル(以下、PANという)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリールエーテルスルホン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、セルロース、セルローストリアセテート、エチレン−ビニルアルコール共重合体等が用いられる。中でも、ある程度の疎水性でありタンパク質などを吸着できる特性を有する素材を含むことが好ましく、例えば、PMMA、PAN等が挙げられる。PMMA、PANは、また、厚み方向に均一構造を有する繊維の代表例であり、均質構造で孔径分布がシャープな構造を得やすいため好ましい。上記PMMAのようなエステル基を含有するポリマーは、生体適合性に優れ、末端基を制御することによる機能発現が容易であり好ましい。特にPMMAは非晶性の高分子であり、成形加工性やコストに優れ、また、透明性も高いため、繊維の内部状態も比較的観察が容易であり、ファウリング状態を評価しやすく好ましい。
また、繊維は陰性荷電を有してもよい。素材の少なくとも一部に陰性荷電を有する官能基を含むことで親水性が増し、微分散(すなわち、細かな孔が数多く形成されること)する傾向にあることも報告されている。陰性荷電を有する官能基としては、スルホ基、カルボキシル基、リン酸基、亜リン酸基、エステル基、亜硫酸基、次亜硫酸基、スルフィド基、フェノール基、ヒドロキシシリル基等の置換基を有する素材が挙げられる。中でもスルホ基、カルボキシル基、エステル基から選ばれる少なくとも1種が好ましい。スルホ基を有するものとしてはビニルスルホン酸、アクリルスルホン酸、メタクリルスルホン酸パラスチレンスルホン酸、3−メタクリロキシプロパンスルホン酸、3−アクリロキシプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびこれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、ピリジン塩、キノリン塩、テトラメチルアンモニウム塩などがあげられる。陰性荷電量としては、乾燥した繊維1gあたり5μeq以上、30μeq以下のものが好ましい。陰性荷電量は、例えば、滴定法を用いて測定することが出来る。
また、本発明の繊維(max)は、多孔質であり、細孔比表面積を制御することで被吸着物質の吸着性能を向上させることができる。そのため、細孔比表面積の下限としては5m/g以上である。細孔比表面積が5m/gに満たないと、被吸着物質の吸着性能を向上させることができない。細孔比表面積の下限は、好ましくは10m/g以上、より好ましくは30m/g以上、さらに好ましくは120m/g以上、特に好ましくは170m/g以上である。一方で、細孔比表面積の上限としては好ましくは1,000m/g以下であり、より好ましくは800m/g以下、さらに好ましくは650m/g以下、特に好ましくは500m/g以下である。細孔比表面積の上限がこの好ましい範囲であると、機械的強度が保たれる。また、繊維(min)については細孔を持たない構造でもよいが、前述のように、繊維(max)と同等の細孔比表面積を有することにより、吸着性能向上が期待できる。
細孔比表面積は、非特許文献1に記載のように示差走査熱量計(DSC)を用いた示差走査熱量(DSC)測定により、細孔内の水の毛管凝集による氷点降下度を測ることで求められる。上記測定・算出方法においては、上述した非特許文献1の記載を参照する。
中実糸の多孔質構造は、被吸着物質の吸着速度に影響を及ぼす重要な因子である。平均細孔半径が小さいと、被吸着物質が拡散によって孔の内部に入り込むことが難しくなり、吸着効率が低下する。一方で細孔半径が大きすぎる場合には、孔の空隙部分に被吸着物質が吸着されないため、逆に吸着効率が低下する。すなわち、除去対象とする被吸着物質の大きさに応じて最適な孔径が存在し、孔径の選択を誤ると十分な被吸着物質の吸着が出来ない。これらのことから、中実糸の平均細孔半径は1〜100nmの範囲内がよく、この範囲であれば、低分子物質や、タンパク質、低密度リポ蛋白質などのタンパク質・脂質集合体等の物質の吸着が可能となる。タンパク質を吸着除去する際の平均細孔半径は、1nm以上、100nm以下、さらには5nm以上、50nm以下が好ましい。多孔質繊維の平均細孔半径は、細孔比表面積と同様に非特許文献1に記載の示差走査熱量計(DSC)を用いた示差走査熱量測定により、細孔内の水の毛管凝集による氷点降下度を測ることで求められる。上記測定・算出方法においては、非特許文献1の記載を参照する。
本発明に係る繊維は、糸の断面構造は特に限定されないが、均質構造をもつ繊維であると繊維の厚み方向に均質な多孔質構造を有することで吸着面積をより確保できるため好ましい。ここで、非溶媒誘起型相分離法で作製した糸などにおいてマクロボイドを有する不均質な構造がよく見られる。ここでいうマクロボイドとは、直径25μm以上の孔のことである。本発明においては、このような直径25μm以上の孔が存在しないことが好ましく、15μm以上の孔が存在しないことがより好ましく、8μm以上の孔が存在しないことがさらに好ましい。このように直径が特定の大きさ以上のボイドが存在しないと、体積当たりの表面積が低下せず、繊維の物理的性質を必要範囲に維持することができる。ただし、ここでいう直径とは、孔の形状が球形以外の、例えば卵型などである場合には、その孔の短径を指す。
本発明の繊維材料を製造する方法としては、従来より知られている後混繊方式および紡糸混繊方式のいずれもが適用できる。後混繊方式としては、紡糸の水洗工程や巻き取り工程に繊維を供給して混繊する方法、エアー交絡によって混繊する方法、合撚や合糸、引き揃えによって混繊する方法、交織によって混繊する方法、交編によって混繊する方法、液体中で分散させ回収する方法などが挙げられるがこれらに限定されない。また、紡糸混繊方式としては、複合紡糸が挙げられる。複合紡糸には複数の吐出孔を穿孔した同一の口金から複数の糸条を同時に吐出して巻き取る方法や、モノホール口金を利用して、異なる吐出口形状をもつ口金を口金吐出ブロックで混在させることで、異なる断面形状の糸条を同時に吐出して巻き取る方法などがある。尚、後混繊は、紡糸混繊方式に比べて部分的な偏りが生じ易く、繊維の断面の状態を見た場合、部分的な偏りが生じてしまうことがあり、繊維材料としての品質安定性に課題がある。紡糸混繊方式の場合、偏りが生じにくく、品質も安定させることができるため好ましい。また、口金の構成、配置を適宜変更することで繊維形状の組み合わせ、混繊比率を容易に変更できる点でも有利である。なお、本発明における作用・効果を妨げない範囲で、添加剤等が添加されていてもよい。
また、繊維(max)と繊維(min)は同一の素材であることが好ましい。このようにすることで、細孔構造といった物理的性質や、また化学的性質を共通にする繊維材料として、目的とする吸着対象物質をより効果的に除去することができる。また、多錘での紡糸マシンで紡糸する場合、同じ紡糸原液を供給し、吐出される口金の構成を適宜選択することで、口金吐出の段階から混繊することができるため、生産性も高い。
さらに、繊維材料を構成する、異なる横断面形状をもつ繊維の種類の数としては、生産性および繊維材料の制御という観点からは、少ない方が好ましく、好ましくは4種類以下であり、より好ましくは3種類以下であり、さらに好ましくは繊維(max)と繊維(min)の2種類のみから構成することである。
また、繊維(max)と繊維(min)の比率は、好ましくは10:1〜1:2、さらに好ましくは8:1〜1:1、より好ましくは5:1〜1:1、特に好ましくは3:1〜2:1である。上記比率の上限から下限までのいずれの組み合わせでもよい。このようにすることで、繊維(max)による表面積増加と、繊維(min)による嵩高効果すなわち糸の分散性向上を両立できると考えられる。
本発明で用いる繊維材料の形態・形状としては、織物、編物、不織布、ストレート形状などが挙げられる。織物の種類としては、平織、綾織、朱子織、ななこ織、急斜文織、よこ二重織、たて二重織などである。編物の種類としては、緯編地である平編、鹿の子編、リブ編、両面編などである。不織布の種類としては、短繊維不織布、長繊維不織布、フラッシュ紡糸法による不織布、メルトブロー法による不織布などとなる。これらの中では、編物が特に好ましい。この理由としては、繊維屑が発生しにくいことや空隙のサイズにばらつきができにくく一定に制御しやすいためである。一方、ストレート形状のものは、カラムケースの両側開口部を結ぶ軸方向に対して平行に挿入しやすく、また、被処理液の流路を吸着材とは別に確保できるため、流路抵抗の抑制や被処理液中の溶質の付着などに関して有利であるため好ましい。
紡糸した繊維を収束する手法としては、一度カセに巻き取りその後に目的の形状に加工する方法や、繊維をそのまま加工装置へ導入する方法がある。カセには、平行カセ、多角かせ、円形かせなどがあるが、ストレート形状の繊維束を取得する場合には、平行カセ、多角かせが好ましい。
本発明による混繊技術を用いることで糸の分散性を向上させることが可能であるが、カセで巻き取った後の繊維材料の取り扱い性を向上させるため、すなわち繊維材料の繊維同士が静電気などによって反発しまとまりがなくなるのを防ぐために、繊維材料をフィルムやネット、メッシュ、不織布などで巻き込んだり、繊維にカバリング糸と呼ばれるような糸を巻きつけても良い。
本発明の繊維材料のβ−ミクログリブリン(以下、β−MG)吸着量は、好ましくは0.005mg/cm以上、より好ましくは0.014mg/cm以上、さらに好ましくは0.020mg/cm以上、特に好ましくは0.026mg/cm以上である。β−MGの吸着量がこの好ましい範囲であると、カラムなどに充填した場合。充填する繊維数を多くしなくても良好な吸着性能を示し、カラム体積が増大せず、コストを節減し、取り扱い性に優れる。特に血液を被処理液とする場合、体外への血液持ち出し量が増大しないため、血圧低下などの重篤な副作用を引き起こすこともない。
糸の吸着性能は、長期透析合併症である透析アミロイドーシスの原因タンパク質であるβ−MGを吸着対象として、下記の通りバッチで容易に測定することができる。すなわち、まず、アジ化ナトリウムを添加した牛血液について、ヘマトクリットが30±3%、総タンパク量が6.5±0.5g/dLとなるように調整する。尚、採血後5日以内の牛血漿を用いる。次に、β−MG濃度が1mg/Lになるように加え、撹拌する。さらに、繊維材料を、繊維をおよそ100本含み、かつ繊維の体積が0.0905cmとなるように長さを調整し、例えばグライナー社製の15mLの遠沈管に入れる。そこへ上記牛血漿12mLを入れ、シーソーシェーカー等、例えばTAITEC社製Wave−SIを用いて、目盛り38、角度最大(1.7秒で1往復)と設定し、室温(20〜25℃)で1h攪拌する。攪拌前のβ−MG濃度C(mg/mL)と、攪拌後のβ−MG濃度C(mg/mL)を測定するため、各々1mLずつサンプリングし、−20℃以下の冷凍庫で保存する。β−MG濃度をラテックス凝集法で測定し、次の式(6)から繊維体積当りの吸着量、繊維表面積当の吸着量を算出する。
繊維体積あたりの吸着量(mg/cm)=(C−C)×12/0.0905 (6)
本発明に係る繊維を作製するための紡糸口金の吐出形状としては図2および図4〜7に示すようなものを使用することができる。
本発明における繊維材料は、処理液の流入口と流出口をもつケーシングに内蔵することで浄化カラムとして用いることができる。
ケーシングの形状としては、両端が開放端であり、例えば四角筒体、六角筒体等の角筒体や円筒体が挙げられ、中でも円筒体、特に断面が真円状の筒体が好ましい。これはケーシングが角をもたないことで、角部での血液の滞留を抑制できるためである。また、両側を開放端とすることで、処理液の流れが乱流になりにくく圧力損失を最小限に抑えることができる。また、ケーシングはプラスチックや金属等により構成される器具であることが好ましい。中でもコストや成型性、重量、血液適合性などの観点からプラスチックが好適に用いられる。プラスチックの場合は、例えば機械的強度、熱安定性に優れる熱可塑性樹脂が用いられる。このような熱可塑性樹脂の具体例としては、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリイミド系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、及びこれらの混合物が挙げられる。これらの中でもケーシングに求められる成形性、放射線耐性の点においてポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネートおよびそれらの誘導体が好ましい。特に、ポリスチレン、ポリカーボネートなどの透明性に優れた樹脂は、たとえば血液などの灌流時に内部の様子を確認できるため安全性の確保に好都合であり、放射線耐性に優れる樹脂は滅菌時に放射性照射する場合に好ましいためである。樹脂は、金型による射出成形や、素材を切削加工することにより製作される。
浄化カラムの端部封止方法としては、メッシュを配置する方法や、樹脂で固定して隔壁を貫通しケーシング内外を連通する貫通孔を設ける手法もある。ここで、貫通孔とは隔壁部の繊維長手方向に貫通している開口部のことである。すなわち、隔壁部に存在してこれを貫通するものであり、ケーシングの内部と外部を連通する孔のことである。この中でも、メッシュを配置する方法は、隔壁を形成する手法に比べて工程が容易であり、またカラム内への液の分散性も高いためより好ましい。また、カラム内の被処理液の分散性をさらに高める目的で、メッシュの一部により圧力損失の大きいメッシュや、邪魔板あるいは整流板と呼ばれるような流れを制御する板を付与してもよい。
カラムに内蔵する際の繊維材料の形状としては上述の通りストレート形状が好ましいが、ストレート形状の繊維束をカラムケースの両側開口部を結ぶ軸方向に対して略平行に挿入することが好ましい。ストレート形状の繊維束は、被処理液が繊維に沿って流れるため乱流になりにくく、カラム内に被処理液を均等に分配しやすい。また、流路抵抗の抑制ができ、被処理液中の溶質の付着などによる圧力損失の増大に対しても有利である。そのため、粘性の高い血液を被処理液とした場合においても、ケーシング内での凝固などのリスクを小さく抑えられ、残血なども起きにくい。カラム内に挿入するストレート形状の繊維の本数としては1,000本〜500,000本が好ましい。
本発明においては、ケーシングに対する繊維の充填率の制御が重要である。充填率の上限としては70%以下が好ましく、より好ましくは65%以下、さらに好ましくは62%以下である。充填率の下限としては20%以上が好ましく、より好ましくは30%以上、さらに好ましくは39%以上、特に好ましくは47%以上である。充填率とは、ケーシングの断面積と長さから計算されるケーシング体積(Vc)と個々の繊維断面積およびケーシング長、繊維本数から計算される繊維体積(Vf)の比率であり、次の(7)〜(9)式から求められる。
Vc=ケーシング胴部の断面積×有効長 (7)
Vf=繊維断面積×繊維本数×有効長 (8)
充填率=Vf/Vc×100(%) (9)
充填率が上記好ましい範囲であると、糸同士の密着抑制が容易であり、またケースへの挿入性も良好である。一方、ケース内の繊維が偏りにくく、カラム内の流れにムラができにくく、またカラムの吸着効率も維持できる。また、被処理液が血液の場合には、返血性が良好で、残血しにくい。返血試験の詳細については後述するが、試験時のカラム内の残血量としては5mL以下が好ましく、さらには1mL以下が好ましい。
なお、ケーシング胴部の断面積については、ケーシングにテーパーがある場合は、ケーシング中央における断面積とする。また、ここでいうVcは、繊維を含まない部材、例えばヘッダー、ヘッダーキャップと呼ばれるような、通常は繊維が直接充填されることのない被処理液の出入口ポートとなる部材についての体積は含まないものとする。Vfについては、ケース内で繊維同士の密着を防ぐためのスペーサー繊維などを用いる場合には、その体積も含むものである。繊維の有効長とは、ケーシング長から隔壁の長さを減じた長さを指すものであり、かかる繊維の有効長の上限としては、用途に応じて変わり得るものではあるが、繊維が湾曲したり、カラム化した際に圧力損失が増大する等の観点から、5,000mm以下が好ましく、より好ましくは500mm以下、特に好ましくは210mm以下となる。また、短すぎると、繊維の長さを揃えるためにカラムから飛び出た余分な繊維をカットする際などに廃棄する繊維の量が増し、生産性が低下するため好ましくない。また、繊維材料の取り扱いが困難になるなどの欠点がある。そのため、繊維の有効長の下限としては、5mm以上が好ましく、より好ましくは20mm以上、特に好ましくは30mm以上となる。繊維の有効長の測定方法としては、クリンプ等の捲縮がかかった繊維の場合、繊維両端を伸ばしたストレートな形状の状態で繊維長さを測定する。具体的には、カラムから取り出した繊維の一片をテープ等で固定し、垂直に下げ、もう一片には、繊維の断面積(mm)当たり5g程度のおもりを付与し、繊維が直線状になった際の全長を速やかに測定する。この測定をカラム内の繊維の任意に選んだ100本の繊維について行い、100本の平均値をmm単位で算出し、小数点以下第1位を四捨五入する。
また、本発明では、被処理液がカラム内を通過する間に、被吸着物質が中実糸に接触する機会を増やすためには、流路断面の相当直径が重要であることを見出した。ここで、流路とはカラム長手方向に略平行に配置された中実糸間における被処理液の流れ得る空間であり、流路断面とは、ケースの両側開口部を結ぶ軸方向に垂直な断面である。また、相当直径とは、流路断面を円形とみなした場合の直径を表すものであるが、具体的には下記(10)式により求められる、流路の広さを示すものである。流路断面の相当直径の好ましい上限は250μm以下であり、200μm以下がより好ましく、150μm以下がさらに好ましい。流路断面の相当直径の好ましい下限は10μm以上であり、30μm以上がより好ましい。流路断面の相当直径が上記好ましい範囲であると、被吸着物質が中実糸表面に接触する機会を十分に確保でき、一方、カラムの圧力損失が過度に大きくならず、血液を活性化しにくい。
上記、流路断面の相当直径(D)は、横断面形状を共通にする中実繊維1種類のみからなる繊維材料の場合、次の式(10)により得られる。
=4×((Dcase/2)−(Dfiber/2)×N)/(Dcase+Dfiber×N) (10)
ここで、上記式(10)中、Dcase:カラムケースの内径、Dfiber:繊維の円相当直径、N:糸本数を表す。
本発明のように、横断面形状を共通にする中実繊維を複数種類有する繊維材料の場合には、流路断面の相当直径(D)は次の式(11)により得られる。
=4×((Dcase/2)−(Dfiber−max/2)×Nmax−(Dfiber−min/2)×Nmin)/(Dcase+Dfiber−max×SAmax×Nmax+Dfiber−min×SAmin×Nmin) (11)
ここで、上記式(11)中、Dcase:カラムケースの内径、Dfiber−max:繊維(max)の円相当直径、Dfiber−min:繊維(min)の円相当直径、Nmax:繊維(max)の糸本数、Nmin:繊維(min)の糸本数、SAmax:繊維(max)の表面積増加度、SAmin:繊維(min)の表面積増加度を表す。
本発明において、繊維(max)は多孔質であるため、タンパク質は繊維内部に入り込み吸着される。そこで、繊維の内部までタンパク質が移動しやすいような繊維形状および多孔質構造が必要である。さらに本発明では、カラムの圧力損失を大きくすることで、中実糸内部にタンパク質が移動しやすくなることを見出した。一方で、圧力損失が大きすぎると、血液を活性化することになる。すなわち、カラムにウシ血液を流量200mL/分で流したときの圧力損失は0.5kPa以上であり、好ましくは1.5kPa以上、より好ましくは3.0kPa以上であり、一方で上限としては50kPa以下であり、40kPa以下が好ましく、より好ましくは30kPa以下、特に好ましくは20kPa以下である。圧力損失はカラムへの中実糸の充填率、ケース内径、中実糸径、中実糸本数などを調節することによって制御することができる。圧力損失の測定方法については後述する。このような繊維材料、およびそれを内蔵した浄化カラムの使用用途は多種多様であり、水処理、精製、医療などの用途として用いることができる。中でも、医療用途における血液浄化用途の場合、処理方法には全血を直接灌流する方法と、血液から血漿もしくは血清を分離した後に血漿もしくは血清をカラムに通す方法とがあるが、本発明の浄化カラムはいずれの方法にも用いることができる。
また、医療機器として体外循環に用いる場合、1回の処理量や操作の簡便性などの観点から、体外循環回路に組み込み、オンラインで吸着除去を行う手法が好ましい。この場合、本発明の浄化カラムを単独で用いても良いし、透析時などに人工腎臓と直列に繋いで用いることもできる。このような手法を用いることで、透析と同時に人工腎臓のみでは除去が不十分である物質を除去することができる。特に人工腎臓では除去が困難な大分子量物質を、本発明に係る浄化カラムを用いて吸着除去することで人工腎臓の機能を補完できる。
人工腎臓と同時に用いる場合には、回路内において、人工腎臓の前に接続しても良いし人工腎臓の後に接続しても良い。人工腎臓の前に接続するメリットとしては、人工腎臓による透析の影響を受けにくいため、浄化カラムの本来の性能を発揮し易いことがある。一方で人工腎臓の後に接続するメリットとしては、人工腎臓で除水を行った後の血液を処理するため、溶質濃度が高く、吸着除去効率の増加が期待できる。
また、予め繊維材料の細孔に薬物などを保持させておくことで、吸着すると同時に薬物などを除放させるなどの機能を付与することもできる。例として医療機器として用いる場合には、抗凝固剤を予め保持させておくことで抗血栓性を高めることができる。
以下に本発明に係る繊維材料およびそれを内蔵した浄化カラムの作製例について説明する。
<繊維材料の作製>
ポリマーを溶媒に溶かした紡糸原液を調整する。このとき原液濃度(原液中の溶媒を除いた物質の濃度)が低い程、繊維の細孔径を大きくすることが出来ることから、原液濃度の適宜設定により、細孔径のコントロールが可能となる。この他、陰性荷電基を有するポリマーを用いることで細孔径のコントロールが可能である。かかる観点から、本発明において好ましい原液濃度は30質量%以下であり、より好ましくは27質量%以下、さらに好ましくは24質量%以下である。このような原液を口金から吐出させ、一定距離の乾式空中部分を通過した後に、水などの貧溶媒もしくは非溶媒を含む凝固浴に吐出して凝固させることにより、繊維が得られる。口金としては、例えば図5(スリット部幅W=0.10mm、スリット部長さL=1.0mm)と図4(スリット部幅W=0.10mm、スリット部長さL=1.0mm)に示すような異形断面形状の吐出口をもつ口金を用い、これら2種類の口金の数を例えば1:1の比率で用いることで紡糸での混繊が可能となる。ここで、円弧Rはスリット部幅の二分の一にすることが好ましい。尚、口金の配置としては、異なる吐出口形状のものを互い違いにすることで、繊維材料にした際に横断面形状を共通にする異形断面糸同士が集まることを少なくすることができる。吐出した原液は、一定距離の乾式空中部分に通した後に、水などの貧溶媒もしくは非溶媒から成る凝固浴に吐出することにより得られる。上記観点から、乾式部での糸の通過(滞留)時間の下限は上述した通りとなる。また、吐出糸の温度が乾式部において低下してゲル化や凝固するなど速やかに構造固定化される場合には、乾式部分において冷風を吹き付け、ゲル化を促進させることができる。また、詳細なメカニズムは定かではないが冷風速度を上げて冷却効率を上げることで、糸表面の開孔率や糸外周部近傍の孔径を拡大させることができる。
上記の通り、口金から吐出された紡糸原液は凝固浴にて凝固されるが、凝固浴は通常、水やアルコールなどの凝固剤、または紡糸原液を構成している溶媒との混合物からなる。通常は水を用いることが多い。また、凝固浴の温度をコントロールすることにより、細孔径を変化させることができる。細孔径は紡糸原液の種類等によって影響を受け得るために、凝固浴の温度も適宜選択されるものであるが、一般に凝固浴温度を高くすることにより、細孔径を高くすることが出来る。この機序は正確には明らかではないが、原液からの脱溶媒と凝固収縮との競争反応で、高温浴では脱溶媒が速く、繊維内部が収縮する前に凝固固定されるからではないかと考えられる。しかしながら、凝固浴温度が高くなりすぎると、細孔径が過大になるため、細孔比表面積の低下、強伸度の低下、非特異的な吸着などが増大する、などの影響が考えられる。そのため例えば、繊維がPMMAを含む場合の凝固浴温度は90℃以下が好ましく、より好ましくは75℃以下、特に好ましくは65℃以下である。一方で、低すぎる場合、孔径が縮小し、タンパク質が細孔内部に拡散しにくくなる。そのため下限としては12℃以上が好ましく、20℃以上がより好ましい。
次いで、凝固した繊維に付着している溶媒を洗浄する工程を通過させる。繊維を洗浄する手段は特に限定されないが、多段の水を張った浴(水洗浴という)中に繊維を通過させる方法が好んで用いられる。水洗浴中の水の温度は、繊維を構成する重合体の性質に応じて決めればよい。例えばPMMAを含む繊維である場合、30〜50℃が採用される。
また、水洗浴の後に細孔の孔径を保持するために、繊維に保湿成分を付与する工程を入れても良い。ここでいう保湿成分とは、繊維の湿度を保つことが可能な成分、または、空気中にて繊維の湿度低下を防止することが可能な成分をいう。保湿成分の代表例としてはグリセリンやその水溶液などがある。
水洗や保湿成分付与の終わった後、収縮性の高い繊維の寸法安定性を高めるため、加熱した保湿成分の水溶液が満たされた浴(熱処理浴という)の工程を通過させることも可能である。熱処理浴には加熱した保湿成分の水溶液が満たされており、繊維がこの熱処理浴を通過することで、熱的な作用を受けて、収縮し、以後の工程で収縮しにくくなり、繊維構造を安定させることが出来る。このときの熱処理温度は、繊維素材によって異なるが、PMMAを含む糸の場合には50℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。また、95℃以下が好ましく、87℃以下がより好ましい温度として設定される。
紡糸した糸は、上述の通りカセで巻き取って繊維材料とすることができる。カセは、6角形などの多角形状とすることで、糸乱れの少ないストレート形状の繊維材料となる。
<浄化カラムの作製>
得られた繊維材料を用いて浄化カラムとする手段の一例を示すと次の通りである。
まず、繊維材料を必要な長さに切断し、浄化カラムの筒部分となるプラスチックケーシングに繊維材料がケース軸方向にストレート形状になるように入れる。その後、繊維材料の両端をカッター等で繊維材料がケーシング内に収まるよう切断し、カラム両側端面の被処理液の流出入口に、内径と同じ径にカットしたメッシュフィルタを装着する。最後にケーシングの両端にヘッダーキャップと呼ばれる被処理液の入口ポート、出口ポートを取り付けて浄化カラムを得ることができる。
また、医療用具等、すなわち医療用吸着カラムとして用いる際には殺菌又は滅菌して用いることが好ましい。殺菌、滅菌方法としては、種々の殺菌・滅菌方法、例えば、高圧蒸気滅菌、ガンマ線滅菌、電子線滅菌、エチレンオキサイドガス滅菌、薬剤殺菌、紫外線殺菌などが例示できる。これらの方法のうち、ガンマ線滅菌、電子線滅菌、高圧蒸気滅菌、エチレンオキサイドガス滅菌は、滅菌効率と材料に与える影響が少なく好ましい。
なお、本明細書において上記した数値範囲で規定される全ての各項目については、各項目における上限、好ましい上限、より好ましい上限等のいずれかの数値と、下限、好ましい下限、より好ましい下限等のいずれかの数値とを組み合わせたいずれの数値範囲であってもよい。
[実施例1]
<繊維材料の作製>
質量平均分子量が40万のシンジオタクティックPMMA(以下、syn−PMMA)を31.7質量部、質量平均分子量が140万のsyn−PMMAを31.7質量部、質量平均分子量が50万のアイソタクテイックPMMA(以下、iso−PMMA)を16.7質量部、パラスチレンスルホン酸ソーダを1.5mol%含む分子量30万のPMMA共重合体20質量部をジメチルスルホキシド376質量部と混合し、110℃で8時間撹拌し紡糸原液を調製した。得られた紡糸原液の110℃での粘度は1,240poiseであった。92℃に保温された図5に示す形状であり表1に示す寸法の吐出口をもつ口金と、0.3φの円形の吐出口をもつ口金とを2:1で配置し、これに得られた紡糸原液を各口金1.1g/minの速度で通過させて空気中に吐出し、空中部分を500mm走行させた後、凝固浴に導き、浴内を通過させて、中実糸を得た。凝固浴には水を用いており、水温(凝固浴温度)は42℃であった。それぞれの繊維を水洗後、保湿剤としてグリセリンを70質量%含む水溶液から成る浴槽に導いた後、温度を84℃とした熱処理浴内を通過させて余分のグリセリンを除去した後に16m/minで六角形のカセで120,000本を巻き取り、繊維(max)と繊維(min)との混繊繊維束である繊維材料を得た。
得られた糸について、表面積増加度、異形度、外接円占有度、細孔比表面積、円相当直径等について、先述の手法で測定した。結果を表1〜4に示す。
<カラムの作製>
得られた繊維材料を、内径10mm、軸方向長さ18mmのポリカーボネート製円筒状ケーシング内に、繊維の充填率が57%となるようにストレート形状で内蔵した。次にこのケーシングの両側端面の被処理液の流出入口に、ケーシング内径と同等の径にカットした目開き相当直径84μm、開口率36%のポリプロピレン製メッシュフィルタを装着した。最後に、ケーシング端部には被処理液の流入口、流出口をもつヘッダーと呼ばれるキャップをとりつけた。
<表面積増加度、異形度、外接円占有度及び繊維横断面の円相当直径の測定>
上述の通り測定対象となる繊維を無作為の位置で切断し、切断面をスカラ社製DIGITAL MICROSCOPE DG−2で拡大して写真撮影した。撮影の際、スカラ(株)の画像解析ソフト「Micro Measure ver.1.04」を用いて同一倍率でスケールも撮影し、上述の通り測定・算出して表面積増加度及び異形度を求めた。
<繊維材料の吸着性能測定>
採血後5日以内で、アジ化ナトリウムを添加した牛血液について、ヘマトクリットが30±3%、総タンパク量が6.5±0.5g/dLとなるように調整した。次に、β−MG濃度が1mg/Lになるように加え、撹拌した。さらに、繊維材料を、繊維をおよそ100本含むものとして、かつ繊維の体積が0.0905cmとなるように長さを調整し、例えばグライナー社製の15mLの遠沈管に入れた。そこへ上記牛血漿12mLを入れ、シーソーシェーカー等、例えばTAITEC社製Wave−SIを用いて、目盛り38、角度最大(1.7秒で1往復)と設定し、室温(20〜25℃)で1時間攪拌した。攪拌前のβ−MG濃度C(mg/mL)と、攪拌後のβ−MG濃度C(mg/mL)を測定するため、各々1mLずつサンプリングし、−20℃以下の冷凍庫で保存した。β−MG濃度をラテックス凝集法で測定し、次の式(12)から繊維体積当りの吸着量を算出した。
繊維体積あたりの吸着量(mg/cm)=(C−C)×12/0.0905 (12)
<カラムの吸着性能測定>
カラムの吸着性能評価として、β−MGのクリアランスを測定した。アジ化ナトリウムを添加した牛血液から、遠心分離によって血漿を得た。該血漿について、ヘマトクリットが30±3%、総タンパク量が6.5±0.5g/dLとなるように調整した。尚、ウシ血漿は、採血後5日以内のものを用いた。次に、ウシ血漿中のβ−MG濃度が1mg/Lになるように加え、撹拌した。かかる牛血漿について、その35mLを循環用に、40mLをクリアランス測定用として分けた。
回路を図7のようにセットした。回路のうち、被処理液を取り込む入り口部をBi、浄化カラム通液後の液出口部をBoとした。
Biを上記で調整した牛血漿35mL(37℃)の入った循環用ビーカー内に入れ、流量を3.5mL/minとしてポンプをスタートし、Boから最初に排出される液体90秒間分を廃棄後、ただちにBoを循環用ビーカー内に入れて循環状態とした。循環を1時間行った後ポンプを停止した。
次に、Biを上記で調整したクリアランス測定用の牛血漿内に入れ、Boを廃棄用ビーカー内に入れた。
流量は3.5mL/minとして、ポンプをスタートしてから2分経過後、クリアランス測定用の牛血漿(37℃)からサンプルを1mL採取し、Bi液とした。スタートから4分30秒経過後に、Boから流れたサンプルを1mL採取し、Bo液とした。これらのサンプルは−20℃以下の冷凍庫で保存した。
各液のβ−MGの濃度からクリアランスを次の式(13)によって算出した。牛血液のロットによって測定値が異なる場合があるので、実施例、比較例には全て同一ロットの牛血漿を使用した。
Co(mL/min)=(CBi−CBo)×Q/CBi (13)
上式(13)において、C=β−MGクリアランス(mL/min)、CBi=Bi液におけるβ−MG濃度、CBo=Bo液におけるβ−MG濃度、Q=Biポンプ流量(mL/min)である。また表面積当りの吸着性能を求めるため、次の式(14)からKoを算出した。
Ko(cm/min)=Q/A×ln[Q/(Q―Co)] (14)
上式(14)において、Ko=β−MGの総括物質移動係数(cm/min)、Aは繊維材料の総繊維表面積(cm)である。
結果を表4に示す。
[実施例2〜5]
表1に示す形状・寸法の吐出口をもつ口金と、表2に示す形状・寸法の吐出口をもつ口金を2:1で配置した以外は、実施例1と同様の条件で繊維材料・カラムを作製した。結果を表3、表4に示す。
[実施例6]
表1に示す形状・寸法の吐出口をもつ口金と、表2に示す形状・寸法の吐出口をもつ口金を1:2で配置した以外は、実施例1と同様の条件で繊維材料・カラムを作製した。結果を表3、表4に示す。
[実施例7]
表1に示す形状・寸法の吐出口をもつ口金と、表2に示す形状・寸法の吐出口をもつ口金を1:1で配置した以外は、実施例1と同様の条件で繊維材料・カラムを作製した。結果を表3,表4に示す。
[実施例8]
表1に示す形状・寸法の吐出口をもつ口金と、表2に示す形状・寸法の吐出口をもつ口金を2.5:1(=5:2)で配置した以外は、実施例1と同様の条件で繊維材料・カラムを作製した。結果を表3、4に示す。
[実施例9]
表1に示す形状・寸法の吐出口をもつ口金と、表2に示す形状・寸法の吐出口をもつ口金を3:1で配置した以外は、実施例1と同様の条件で繊維材料・カラムを作製した。結果を表3、表4に示す。
[実施例10]
表1に示す形状・寸法の吐出口をもつ口金と、表2に示す形状・寸法の吐出口をもつ口金を5:1で配置した以外は、実施例1と同様の条件で繊維材料・カラムを作製した。結果を表3、4に示す。
[実施例11]
表1に示す形状・寸法の吐出口をもつ口金と、表2に示す形状・寸法の吐出口をもつ口金を8:1で配置した以外は、実施例1と同様の条件で繊維材料・カラムを作製した。結果を表3、表4に示す。
[実施例12]
表1に示す形状・寸法の吐出口をもつ口金と、表2に示す形状・寸法の吐出口をもつ口金を10:1で配置した以外は、実施例1と同様の条件で繊維材料・カラムを作製した。結果を表3、表4に示す。
[実施例13]
表1に示す形状・寸法の吐出口をもつ口金と、表2に示す形状・寸法の吐出口をもつ口金を2:1で配置し、吐出量を1.1g/min:0.41g/minとした以外は、実施例1と同様の条件で繊維材料・カラムを作製した。結果を表3、表4に示す。
[実施例14]
表1に示す形状・寸法の吐出口をもつ口金と、表2に示す形状・寸法の吐出口をもつ口金を2:1で配置し、吐出量を1.1g/min:0.72g/minとした以外は、実施例1と同様の条件で繊維材料・カラムを作製した。結果を表3、表4に示す。
[実施例15]
表1に示す寸法の吐出口をもつ口金と、表2に示す寸法の吐出口をもつ口金を2:1で配置し、吐出量を1.1g/min:1.30g/minとした以外は、実施例1と同様の条件で繊維材料・カラムを作製した。結果を表3、表4に示す。
[実施例16]
表1に示す形状・寸法の吐出口をもつ口金と、表2に示す形状・寸法の吐出口をもつ口金を2:1で配置し、吐出量を1.1g/min:1.90g/minとした以外は、実施例1と同様の条件で繊維材料・カラムを作製した。結果を表3、表4に示す。
[実施例17]
表1に示す形状・寸法の吐出口をもつ口金と、表2に示す形状・寸法の吐出口をもつ口金を2:1で配置し、吐出量を1.1g/min:5.00g/minとした以外は、実施例1と同様の条件で繊維材料・カラムを作製した。結果を表3、表4に示す。
[実施例18〜21]
表1に示す形状・寸法の吐出口をもつ口金と、表2に示す寸法の形状・吐出口をもつ口金を2:1で配置した以外は、実施例1と同様の条件で繊維材料・カラムを作製した。結果を表3、4に示す。
[比較例1]
表1に示す形状・寸法の吐出口をもつ口金のみを配置した以外は、実施例1と同様の条件で繊維材料・カラムを作製した。結果を表3、表4に示す。
[比較例2]
表1に示す形状・寸法の吐出口をもつ口金のみを配置した以外は、実施例1と同様の条件で繊維材料・カラムを作製した。結果を表3、表4に示す。
[比較例3]
円形の吐出口をもつ口金のみを配置した以外は、実施例1と同様の条件で繊維材料・カラムを作製した。結果を表3、表4に示す。
[比較例4]
表1に示す形状・寸法の吐出口をもつ口金と、表2に示す形状・寸法の吐出口をもつ口金を1:5で配置した以外は、実施例1と同様の条件で繊維材料・カラムを作製した。結果を表3、表4に示す。
[比較例5]
表1に示す形状・寸法の吐出口をもつ口金と、表2に示す形状・寸法の吐出口をもつ口金を24:1で配置した以外は、実施例1と同様の条件で繊維材料・カラムを作製した。結果を表3、表4に示す。
[比較例6]
吸着材料として市販のナイロン製テグス(フジノ社製0.5号)を用いた以外は、実施例1と同様の条件で繊維材料・カラムを作製した。結果を表3、表4に示す。
Figure 0006862992
Figure 0006862992
Figure 0006862992
Figure 0006862992
実施例1〜5および比較例1〜3の結果から、十字糸や楕円糸、円形糸などの単独の繊維から成るカラムに比べて、繊維(max)である十字糸と繊維(min)である楕円糸もしくは円形糸との混繊繊維材料のカラムの吸着性能Coが高いことがわかる。また、繊維(min)は異形度が増大し外接円占有度が低下するほど表面積あたりの吸着性能を示すKoが高くなる傾向であった。このことから、繊維(min)は、断面が円形または楕円形の場合は、表面積増加度を上げることで繊維材料としての表面積量が増加し、また異形度が高く、外接円占有度が低いほど混繊による繊維密着抑制効果が大きくなると考えられる。
実施例3および6〜12、比較例4および5の結果から、混繊比率(繊維(max):繊維(min))が1:2〜10:1の条件では、十字糸単独の比較例1や楕円糸単独の比較例2に比べてCo,Koが高くなる傾向であった。一方で、比較例4においては、繊維(max)の割合が17%と低い条件であるが、この場合Coは十字糸で単独で用いた比較例1よりも低い値となり、Koとしては比較例1〜3とほぼ同等であった。これは、繊維(max)による表面積を増大させる効果が不十分であった上、繊維(min)同士が密着し、その表面積を十分に利用できなかったためと考えられる。また比較例5では、繊維(min)の割合が4%と低い条件では、糸密着抑制効果が不十分であったため、Koは比較例1の楕円糸のみと同等に低く、混繊の効果は得られなかった。
実施例3および13〜17の結果から、繊維(min)の円相当直径が繊維(max)に比べて大きすぎると表面積のロスが大きくなり、吸着性能が低下する傾向であることがわかる。
実施例3、18および19から、繊維(max)の外接円占有度が高くなることで、吸着性能が向上することがわかる。これは、繊維(max)の外接円占有度を上げることで、繊維(max)の突起の谷部に、隣り合う繊維が入るなど繊維間の重なり合い少なくなり、糸間の密着抑制効果が高まったものと考えられる。
実施例3、20および21の、繊維(min)の糸断面形状を変えた結果から、繊維(min)が星形形状よりもY字形状のほうが性能が高く、さらにY字形状よりも楕円形状のほうがCo、Koが高いことがわかる。このことから、繊維(min)としては、異形度は高く、外接円占有度は低い形状のほうが有利であると考えられる。これは、外接円占有度を下げることで繊維(min)による糸密着抑制効果が高まったことによる考えられる。
また、実施例3、比較例6の結果から、比較例6のような比表面積の低い糸に比べ、実施例に用いた多孔質の繊維材料では繊維体積当りの吸着性能が高く十分なタンパク質吸着能を有することがわかる。
[実施例22]
<カラムの作製>
実施例3と同じ糸を用い、糸本数として繊維(max)50,000本、繊維(min)25,000本を、内径46mm、軸方向長さ140mmのポリカーボネート製円筒状ケーシング内に、繊維の充填率が57%となるようにストレート形状で内蔵した。次にこのケーシングの両側端面の被処理液の流出入口に、ケーシング内径と同等の径にカットした目開き相当直径84μm、開口率36%のポリプロピレン製メッシュフィルタを装着した。最後に、ケーシング端部には被処理液の流入口、流出口をもつヘッダーと呼ばれるキャップを取り付けた。糸の円相当直径、表面積増加度、平均細孔半径を先述の手法で測定した。また、作製したカラムについて、後述の手法にて吸着性能、圧力損失、残血量を測定した。結果を表5に示す。
Figure 0006862992
<カラムの吸着性能測定>
吸着性能評価として、β−MGのクリアランスを測定した。エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムを添加した牛血液について、ヘマトクリットが30±3%、総タンパク量が6.5±0.5g/dLとなるように調整した。尚、ウシ血液は、採血後5日以内のものを用いた。
次に、β−MG濃度が1mg/Lになるように加え、撹拌した。かかる牛血液について、その2Lを循環用に、1.5Lをクリアランス測定用として分けた。
回路を図7のようにセットした。回路のうち、被処理液を取り込む入り口部をBi、浄化カラム通液後の液出口部をBoとした。
Biを上記で調整した牛血液2L(37℃)の入った循環用ビーカー内に入れ、流量を200mL/minとしてポンプをスタートし、Boから最初に排出される液体90秒間分を廃棄後、ただちにBoを循環用ビーカー内に入れて循環状態とした。循環を1時間行った後ポンプを停止した。
次に、Biを上記で調整したクリアランス測定用の牛血液内に入れ、Boを廃棄用ビーカー内に入れた。
流量は200mL/minとして、ポンプをスタートしてから2分経過後、クリアランス測定用の牛血液(37℃)からサンプルを10mL採取し、Bi液とした。スタートから4分30秒経過後に、Boから流れたサンプルを10mL採取し、Bo液とした。これらのサンプルは−20℃以下の冷凍庫で保存した。
各液のβ−MGの濃度からクリアランスCoを算出した。牛血液のロットによって測定値が異なる場合があるので、実施例、比較例には全て同一ロットの牛血液を使用した。
結果を表5に示した。
<ウシ血液での圧力損失測定>
上記のカラムの吸着性能測定において、クリアランス測定開始5分後のBiとBoの圧力を測り、BiとBoの圧力差を圧力損失とした。結果を表5に示した。
[比較例7]
比較例1と同じ糸を用いて、糸本数を75,000本とした以外は、実施例22と同様の手法でカラム作製・評価を行った。結果を表5に示した。
[比較例8]
比較例2と同じ糸を用いて、糸本数を75,000本とした以外は、実施例22と同様の手法でカラム作製・評価を行った。結果を表5に示した。
以上のように、実施例22および比較例7,8の結果から、カラムにおいても、十字糸や楕円糸の単独の繊維から成るカラムに比べて、繊維(max)である十字糸と繊維(min)である楕円糸のβ−MGクリアランスが高いことがわかる。
尚、本特許の実施例、比較例、参考例で用いた繊維はすべて、マクロボイドは確認されなかった。
本発明の繊維材料は、被処理液中の被吸着物質を効率的に吸着除去するので、浄化カラムに用いることができる。浄化カラムの具体的使用用途は多種多様であり、水処理、精製、医療などの各種用途に用いることができる。
1 外接円
2 内接円
3 外接円径Do
4 内接円径Di
10 スリット部長さ
11 スリット部幅
R 円弧
W スリット部幅
L スリット部長さ
13 浄化カラム
14 ポンプ
15 37℃湯浴
16 廃棄用ビーカー
17 循環用血漿
18 クリアランス測定用血漿

Claims (20)

  1. 横断面形状を共通にする中実繊維を複数種類有する混繊繊維を含み、前記複数種類の繊維のうち少なくとも2種類は前記混繊繊維の全体における構成割合が5.0%以上であって、前記構成割合が5.0%以上である複数種類の繊維のうち、 下記式(1)で表される表面積増加度が最も高い繊維を繊維(max)、下記式(1)で表される表面積増加度が最も低い繊維を繊維(min)としたときに、繊維(min)は、繊維(max)に比べて表面積増加度が3.0%以上低く、繊維(max)の前記混繊繊維の全体における構成割合は30.0%以上、繊維(min)の前記混繊繊維の全体における構成割合が8.0%以上であり、かつ、繊維(max)は、(a)表面積増加度が1.20以上、(b)多孔質であり、細孔比表面積が5m/g以上である繊維材料。
    表面積増加度=(繊維横断面における周長)/(繊維横断面と同じ断面積をもつ円における円周長) (1)
  2. 繊維(max)の細孔比表面積が10m/g以上である請求項1記載の繊維材料。
  3. 前記繊維(min)が多孔質であり、細孔比表面積が5m/g以上である請求項1又は2記載の繊維材料。
  4. 細孔比表面積が10m/g以上である請求項3記載の繊維材料。
  5. 前記繊維(min)における下記式(2)にて表される外接円占有度Sfoが0.90以下である請求項1〜4のいずれか一項記載の繊維材料。
    外接円占有度Sfo=Sf/So (2)
    ここで、Sf:繊維横断面の断面積、So:繊維横断面の外接円で囲まれる面積である。
  6. 前記繊維(min)における異形度Do/Diが1.10以上である請求項1〜5のいずれか一項記載の繊維材料。
    ここで、Do:繊維横断面の外接円の直径、Di:繊維横断面の内接円の直径である。
  7. 前記繊維(min)の表面積増加度が1.10以上である請求項1〜6のいずれか一項記載の繊維材料。
  8. 前記繊維(min)の繊維横断面の形状が円形もしくは楕円形である請求項1〜7のいずれか一項記載の繊維材料。
  9. 前記繊維(max)の円相当直径が10μm以上1,000μm以下である請求項1〜8のいずれか一項記載の繊維材料。
  10. 前記繊維(max)の外接円占有度Sfoを前記繊維(min)の外接円占有度Sfoで除したSfo比Zが0.20以上である請求項1〜9のいずれか一項記載の繊維材料。
  11. 前記繊維(max)の円相当直径を前記繊維(min)の円相当直径で除することで表される繊維径比Yが10.0以下である請求項1〜10のいずれか一項記載の繊維材料。
  12. ストレート形状の繊維から成る請求項1〜11のいずれか一項記載の繊維材料。
  13. 前記混繊繊維が2種類の横断面形状を共通にする繊維から成る請求項1〜12のいずれか一項記載の繊維材料。
  14. 前記繊維(max)と繊維(min)との割合が10:1〜1:2である請求項1〜13のいずれか一項記載の繊維材料。
  15. 前記、繊維(max)と繊維(min)とが同一の素材で形成される請求項1〜14のいずれか一項記載の繊維材料。
  16. 前記素材がエステル基含有ポリマーである請求項15記載の繊維材料。
  17. 医療用途に用いる請求項1〜16のいずれか一項記載の繊維材料。
  18. 浄化カラム用途に用いる請求項1〜17のいずれか一項記載の繊維材料。
  19. β2−マイクログロブリンの吸着量が0.005mg/cm以上である請求項1〜18のいずれか一項記載の繊維材料。
  20. プラスチックケーシングと前記請求項1〜19のいずれか一項記載の繊維材料とからなる浄化カラムであって、前記プラスチックケーシング内に、前記繊維材料がケースの両側開口部を結ぶ軸方向にストレート形状に配列され、前記プラスチックケーシングの両端に被処理液の入口ポートおよび出口ポートが取り付けられてなる浄化カラム。
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