JP2005295866A - 食品処理装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 カット野菜等の除菌、洗浄に際し、被洗浄物の投入作業や取り出し作業等を容易にさせて、省力化と時間短縮を図ることができると共に、十分な洗浄効果を得ることができる食品処理方法の提供。
【解決手段】 除菌装置Ｃ及び洗浄装置Ｂの収容バケット５，５を昇降装置９により同時に持ち上げた状態で、洗浄装置の収容バケットから洗浄済の除菌済袋収容被洗浄物８ｂを取り出すと共に、除菌装置の収容バケットから取り出した除菌済袋収容被洗浄物８ｂを洗浄装置の収容バケットに移し変え、かつ除菌装置の収容バケットに新たな袋収容被洗浄物８ａを投入させる。
【選択図】 図１

Description

本発明は、野菜や海藻等の食品を洗浄処理及び／又は除菌処理するために用いられる食品処理装置及び食品処理方法に関する。

少量多品種のカット野菜を取り扱うカット野菜工場や惣菜・弁当工場等では、カット後の除菌・洗浄処理作業を、水洗工程、浸漬除菌工程、すすぎ冷却工程、脱水（水切り）工程の順で行なっている。
この場合、ざる籠等にカット野菜を入れ、シンクを使用し、人手による手作業で上記の工程を繰り返し行なっているのが現状である。
このような方法では、各工程間でのカット野菜の出し入れや持ち運びに多大の労力を要し、生産量に対する人件費（頭数、作業時間等）がかかり過ぎるという問題があり、かねてより、時間短縮、省力化ができる野菜洗浄装置の開発が求められていた。

又、従来、野菜等の被洗浄物を洗浄水槽内で洗浄させるようにした食品洗浄装置が提案されている（特許文献１参照）。
この食品洗浄装置は、野菜に付着した虫や異物汚れを洗い落とすことを目的としたもので、給水管によって洗浄槽内に洗浄水を給水し、給水した洗浄水を上方開放口からオーバーフローさせると共に、噴射ノズルによって洗浄槽内へ空気と水を同時に噴射し、洗浄水に回転水流を与える一方、洗浄時に発生した比重の重いものを洗浄槽の底部排水口に設けたストレーナで集め、中間のものを捕集ネットで集め、比重の軽いものを上方開放口からオーバーフローさせるように形成されていた。

しかしながら、かかる従来の食品洗浄装置では、被洗浄物である野菜を洗浄槽内に直接に投入するため、洗浄後の野菜の取り出しに手間がかかるなど、被洗浄物の取り扱いに手間がかかるという問題があった。
又、噴射ノズルによって洗浄槽内へ空気と水を同時に噴射して、洗浄槽内で洗浄水に回転水流を与える洗浄方法になるため、水流が単に渦流になって流動するだけになる。
このため、特に、カット野菜やキザミ野菜のように細断されたものについては、個々の野菜が分散せずに渦状に回転するだけになり、これでは十分な洗浄効果が得られないという問題があった。
特許公開２００１−１３７７８９号公報

本発明では、カット野菜等の除菌、洗浄に際し、被洗浄物の投入作業や取り出し作業等を容易にさせて、省力化と時間短縮を図ることができると共に、十分な洗浄効果を得ることができる食品処理装置及び食品処理方法を提供することを課題としている。

前記課題を解決するために、本発明（請求項１）の食品処理装置は、
処理水槽の内部に収容バケットが上げ沈め可能に装着されるようにした除菌装置と洗浄装置を備え、
前記除菌装置と洗浄装置が隣接配置されると共に、前記除菌装置の収容バケットと洗浄装置の収容バケットを同時に上げ沈めさせる昇降装置が設けられている構成とした。

又、本発明（請求項２）の食品処理装置は、前記請求項１記載の食品処理装置において、前記除菌装置及び洗浄装置が、
処理水を収容する処理室が内部に形成されると共に、この処理室の上縁からオーバーフローさせた処理水を回収する回収部が形成された処理水槽と、
前記処理室の内部に上げ沈め可能に装着される収容バケットと、
前記処理室の背面部に排水管を介して接続されると共に、処理室の前部に給水管で接続され、かつ前記回収部に回収管を介して接続された濾過水槽と、
前記処理室の底部に配設され、送風機からの空気を処理室内で上向きに噴出させる空気噴出管を備え、
前記濾過水槽内に開口した排水管の導出口及び回収管の回収出口に濾過用袋状メッシュが着脱可能に取り付けられている構造に形成されている構成とした。

又、本発明（請求項３）の食品処理装置は、前記請求項２記載の食品処理装置において、前記処理室内に開口した給水管の給水口が、処理室の左右両側面に対向するように左右に分岐して形成され、
かつ前記処理室内に開口した排水管の導入口が処理室の左右両側面に対向するように左右に分岐して形成されている構成とした。

又、本発明（請求項４）の食品処理装置は、前記請求項２又は３記載の食品処理装置において、前記空気噴出管には、処理室内に装着された収容バケットの前面網部及び背面網部に沿って気泡を上昇させるように空気を噴出させるエアノズルを備えている構成とした。

又、本発明（請求項５）の食品処理装置は、前記請求項２又は３又は４記載の食品処理装置において、収容バケットの背面網部の外面に水流ガイド板が設けられ、この水流ガイド板は、背面網部を通過してバケット内部からバケット外部に流出した水流の一部を上昇させた後、再びバケット内部に戻すように、下端側が背面網部から離反し、上端側が背面網部に近接するように傾斜して形成されている構成とした。

又、本発明（請求項６）の食品処理方法は、前記請求項１〜５のいずれかに記載の食品処理装置を使用した食品処理方法であって、
除菌装置では、被洗浄物をメッシュ袋に収容させた袋収容被洗浄物を収容バケット内に収容した状態で処理水槽（除菌水槽）で除菌処理させ、
洗浄装置では、前記除菌装置で除菌処理したのちの除菌済袋収容被洗浄物を収容バケット内に収容した状態で処理水槽（洗浄水槽）で洗浄処理させ、
前記除菌装置での袋収容被洗浄物の収容バケットに対する出し入れ作業、及び前記洗浄装置での除菌済袋収容被洗浄物の収容バケットに対する出し入れ作業に際し、除菌装置及び洗浄装置の収容バケットを前記昇降装置により同時に持ち上げた状態で、洗浄装置の収容バケットから洗浄済の除菌済袋収容被洗浄物を取り出すと共に、除菌装置の収容バケットから取り出した除菌済袋収容被洗浄物を洗浄装置の収容バケットに移し変え、かつ除菌装置の収容バケットに新たな袋収容被洗浄物を投入させる構成とした。

又、本発明（請求項７）の食品処理方法は、
処理水を収容する処理室が内部に形成されると共に、この処理室の上縁からオーバーフローさせた処理水を回収する回収部が形成された処理水槽と、
前記処理室の内部に上げ沈め可能に装着される収容バケットと、
前記処理室の背面部に排水管を介して接続されると共に、処理室の前部に給水管で接続され、かつ前記回収部に回収管を介して接続された濾過水槽と、
前記処理室の底部に配設され、送風機からの空気を処理室内で上向きに噴出させる空気噴出管を備え、
前記濾過水槽内に開口した排水管の導出口及び回収管の回収出口に濾過用袋状メッシュが着脱可能に取り付けられている構造の食品処理装置を使用した食品処理方法であって、
被洗浄物をメッシュ袋に収容させた袋収容被処理物を収容バケット内に収容した状態で処理水槽で処理させる構成とした。

本発明の食品処理装置（請求項１）及び食品処理方法（請求項６、７）では、被洗浄物としてのカット野菜等をメッシュ袋に収容して、除菌処理及び洗浄処理するため、被洗浄物が処理槽内でバラけることがなく、この被洗浄物の寄せ集めに要する手間と時間を大幅に軽減できるし、除菌と洗浄によって十分な洗浄効果を得ることができる
又、洗浄装置及び除菌装置の収容バケットを昇降装置により同時に上げ沈めさせて、その持ち上げ状態で袋収容被洗浄物の出し入れを、同時に行なうため、この袋収容被洗浄物の出し入れ作業に要する手間と時間を大幅に軽減できる。

また、本発明の食品処理装置（請求項２）では、送風機からの空気を処理水槽の底から上向きに噴出させるため、被洗浄物を煽って、かき解すように上下に浮沈させることができ、また、洗浄によって生じた浮きゴミ（特に虫、毛髪、ワラクズ、食品クズ）を排水管の導出口及び回収管の回収出口に取り付けた濾過用袋状メッシュによって除去することができるため、きれいになった処理水が処理室と濾過水槽の間で循環し、処理効果（除菌効果、洗浄・すすぎ効果）が向上する。

本発明の食品洗浄装置（請求項３）では、給水管の給水口を、処理室の左右両側面に対向するように左右に分岐して形成すると共に、排水管の導入口を、処理室の左右両側面に対向するように左右に分岐して形成しているため、処理室内の流動に左右方向の流動が加わり、処理効果を向上させることができる。

本発明の食品洗浄装置（請求項４）では、空気噴出管のエアノズルを、室内に装着された収容バケットの前面網部及び背面網部に沿って気泡を上昇させるように略垂直に立設させているため、収容バケットの前面網部及び背面網部に貼り付く状態で滞留した被洗浄物に対して下から気泡を浴びせることができ、貼り付いた被洗浄物を剥がすことができる。

本発明の食品洗浄装置（請求項５）では、収容バケットの背面網部の外面に水流ガイド板が設けたので、バケット外部からバケット内部に戻る水流を生じさせることができ、背面網部に貼り付いた被洗浄物を剥がすことができ、被洗浄物の流動を促して処理効果を向上させることができる。

以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例に基づいて説明する。
図１は本発明の実施例にかかる食品処理装置を正面方向から見た斜視図、図２はこの食品処理装置を側面方向から見た斜視図である。
又、図３は食品処理装置における洗浄装置の全体断面図、図４はこの洗浄装置の平面図、図５は収容バケットの斜視図、図６は給水管の給水口の左右分岐構造の斜視図、図７は排水管の導入口の左右分岐構造の斜視図である。

本実施例の食品処理装置Ａは、隣接配置された洗浄装置Ｂと除菌装置Ｃを備えている。
本実施例では、図３〜図７に洗浄装置Ｂの構造を示して説明するが、この洗浄装置Ｂと除菌装置Ｃは、同一構造に形成されている。

洗浄装置Ｂは、台車１０上に組み付けられており、台車１０の前側に処理水槽（洗浄水槽）２が設けられ、台車１０の後側に濾過水槽３が設けられている。
前記処理水槽（洗浄水槽）２は、方形容器に形成され、その内部には処理水（洗浄水：水道水）を収容するための処理室（洗浄室）２０が形成されている。
又、この処理水槽（洗浄水槽）２の左壁内面から背壁内面にかけては、処理室（洗浄室）２０の左側壁上縁２１及び背壁上縁２２からオーバーフローさせた処理水（洗浄水）を回収するための回収部２３が形成されている。

前記濾過水槽３は、方形容器に形成され、前記処理室（洗浄室）２０の背面部に排水管３０を介して接続されると共に、処理室（洗浄室）２０の前面部に給水管３４で接続され、かつ前記回収部２３に回収管３８を介して接続されている。なお、図中、符号３ａはオーバーフロー口、３ｂはドレン口を示している。

前記排水管３０は、処理室（洗浄室）２０内に開口した導入口３１，３１が左右両側面に対向するように左右に分岐して形成され、又、濾過水槽３内に開口した導出口３２に濾過用袋状メッシュ４０が着脱可能に取り付けられている。
前記排水管３０の導入口３１，３１の左右分岐構造は、図７に示すように、側面視で略三角形状の導入口金３３が排水管端口３０ａに取り付けられ、この導入口金３３は、内部が空間に形成されると共に、左右両側面の上部に導入口３１，３１が形成され、かつ背面下部に排水管端口３０ａが接続されて、前記導入口３１，３１と排水管端口３０ａとに上下方向のレベル差を設けている。

前記給水管３４は、処理室（洗浄室）２０内に開口した給水口３５，３５が左右両側面に対向するように左右に分岐して形成され、又、濾過水槽３内に開口した取水口３６が、濾過水槽３内の隅部にスクリーン４１によって区画された取水部４２内に臨むように開口されている。
前記給水管３４の給水口３５，３５の左右分岐構造は、図６に示すように、側面視で縦長扁平方形状の給水口金３７が給水管端口３４ａに取り付けられ、この給水口金３７は、内部が空間に形成されると共に、左右両側面に給水口３５，３５が形成され、かつ背面に給水管端口３４ａが接続されている。
又、給水管３４の途中には、循環ポンプＰが取り付けられ、この循環ポンプＰの作動によって、濾過水槽３内の処理水（洗浄水）を給水管３４を介して処理室（洗浄室）２０内に流入させるようにしている。

前記回収管３８は、その回収出口３９が前記濾過水槽３内の上方に開口するように設けられ、その回収出口３９に濾過用袋状メッシュ４０が着脱可能に取り付けられている。
なお、回収出口３９を前記濾過水槽３内の上方に開口させて、高低差によって回収部２３から濾過水槽３内に流入させるようにしているため、回収管３８にポンプを設ける必要がなくなり、コストの軽減を図ることができる。

前記濾過用袋状メッシュ４０は、綿、麻、合成樹脂材によるメッシュで形成され、その口部には緩み止め用の締め紐４４が設けられ、又、濾過用袋状メッシュ４０の取り付け対象となる導出口３２及び回収出口３９の外周にはフランジ４５が形成されている。
従って、濾過用袋状メッシュ４０の口部でフランジ４５を包み込んだ状態で、締め紐４４で縛ることにより、濾過用袋状メッシュ４０の外れを防止して、確実に取り付けることができる。

前記処理室（洗浄室）２０の内部には、収容バケット５が上げ沈め可能に装着される。
この収容バケット５は、処理室（洗浄室）２０の方形形状に対応して方形容器状に形成され、図５に示すように、前面網部５０、背面網部５１、底面網部５２（図３で示す）は、その全面が網体により形成され、又、右側面の全面は側板材５３により形成され、又、左側面はオーバーフロー部となる処理室（洗浄室）２０の左側壁上縁２１に対向する上側部が網体５４ａにより形成されると共に、その下側部が側板材５４ｂにより形成されている。
又、収容バケット５の上縁周囲には取っ手枠５５が設けられ、この取っ手枠５５を手で持てるようにして、作業性の向上を図っている。

又、収容バケット５の前面上部の左右には、前向腕５６が設けられ、この前向腕５６に突設した支持ピン５７を、処理水槽（洗浄水槽）２の前壁上端に立設したブラケット２４の係止孔２５に着脱可能に嵌合させるようになっている。
これにより、収容バケット５は、図３の実線で示す処理室（洗浄室）２０内での装着状態から同図の仮想線で示す上方回動状態に支持ピン５７を中心として回動可能になっている。

また、前記収容バケットの背面網部５１には、その外面に水流ガイド板５８が設けられている。
この水流ガイド板５８は、背面網部５１を通過してバケット内部からバケット外部に流出した水流の一部を上昇させた後、再びバケット内部に戻すように、下端側が背面網部５１から離反し、上端側が背面網部５１に近接するように傾斜して形成されている。
又、この水流ガイド板５８の上縁は、オーバーフロー水位となる背壁上縁２２よりも若干上方に位置して形成され、オーバーフローする水流の勢いを緩衝させている。

前記処理室（洗浄室）２０の底部には、隔壁２７で区画された泥分収容部２８が形成され、この泥分収容部２８に送風機６からの空気を処理室（洗浄室）２０内で上向きに噴出させる空気噴出管７が配管されている。
この空気噴出管７は、空気配管７０を介して送風機６に接続され、処理室（洗浄室）２０の左右方向に延長した横配管７１，７２が前後に配置されると共に、この前後の横配管７１，７２が処理室（洗浄室）２０の前後方向に延長した縦配管７３，７３で連結され、そして、前記隔壁２７に形成された貫通孔２９から処理室（洗浄室）２０内に臨むように、横配管７１，７２及び縦配管７３，７３の上面に上向きに突設してエアノズル７ａ，７ｂが設けられている。
この場合、横配管７１，７２に突設されたエアノズル７ａは、処理室（洗浄室）２０内に装着された収容バケット５の前面網部５０及び背面網部５１に沿って気泡を上昇させるように略垂直に立設されている。
また、縦配管７３，７３に突設されたエアノズル７ｂは、水流の流動方向に対向するように、若干前向きに傾いて（垂直から前方５度〜１０度程度）突設されている。

上記したように、前記洗浄装置Ｂと除菌装置Ｃは、同一構造に形成され、前記洗浄装置Ｂでは、処理水槽２が洗浄水槽として形成されると共に、処理室２０が洗浄室として形成されるが、除菌装置Ｃでは処理水槽２が除菌水槽として形成されと共に、処理室２０が除菌室として形成される。
そして、処理水槽２としての洗浄水槽には処理水として洗浄水（水道水）を収容させ、又、処理水槽２としての除菌水槽には処理水として電解次亜水を収容させるようにしている。

食品の除菌に使用できる電解次亜水について、従来では、食塩水を無隔膜で電解して弱アルカリ性の電解次亜水を生成するもの、また、隔膜で区画した陽極室と陰極室とでそれぞれ食塩水を電解して、陽極室で生成された酸性電解水と陰極室で生成されたアルカリ性電解水とを混合させて弱アルカリ性の電解次亜水にするという方法が一般に知られている。

しかしながら、従来の電解次亜水は、食塩水を原水とし、これを直接電解するため、生成された電解次亜水には塩分が残留したものになっている。
このように塩分を含む電解次亜水を、気泡を食品に浴びせて除菌させるようにした除菌装置の処理水として使用した場合、気泡による攪拌によって塩分による泡立ちが発生してしまう。
そして、この泡が処理水の表面を覆いつくして、除菌対象となる食品の目視ができなくなったり、装置の各部に付着して錆や汚損の原因になってしまうという問題があった。

気泡を食品に浴びせて除菌させるようにした除菌装置に使用する処理水として、塩分を含まない電解次亜水を用いることにより、食品衛生法の規制をクリアしながら、除菌効果が高く、また塩分による泡立ちがない状態で洗浄することができる。

そこで、本実施例では、水電気分解装置の陽極室から排出された酸性電解水と陰極室から排出されたアルカリ性電解水とを混合させて弱アルカリ性（ｐＨ７〜８）の電解次亜水にして、この電解次亜水を除菌用の処理水として処理水供給装置Ｄ（図１及び図２に示す）から除菌装置のＣ処理水槽（除菌水槽）２に供給するように形成しているが、従来の電解次亜水やその他の殺菌用処理水を用いてもよい。

本実施例の食品処理装置Ａでは、除菌装置Ｃと洗浄装置Ｂが隣接配置されると共に、前記除菌装置Ｃの収容バケット５と洗浄装置Ｂの収容バケット５を同時に上げ沈めさせる昇降装置９が、除菌装置Ｂと洗浄装置Ｃに跨って配設されている。

この昇降装置９は、除菌装置Ｃと洗浄装置Ｂを跨ぐように門型フレーム９０を設ける共に、この門型フレーム９０にモートルブロック９１（ホイストでもよい）を取り付け、一方、除菌装置Ｃの収容バケット５と洗浄装置Ｂの収容バケット５を背面上端部において連結バー９２により連結させ、この連結バー９２の中央部に前記モートルブロック９１のチェン９３を連結させて、このモートルブロック９１の作動により、両収容バケット５，５を同時に上げ沈めさせるように形成している。

本実施例の食品処理装置Ａを使用した食品処理方法では、カット野菜等の被洗浄物をメッシュ袋８に収容させた袋収容被洗浄物８ａを、除菌装置Ｃで除菌処理させた後、これを引き続き洗浄装置Ｂで洗浄処理（すすぎ処理を含む）させる２槽連続処理方法である。
即ち、除菌装置Ｃでは、被洗浄物をメッシュ袋８に収容させた袋収容被洗浄物８ａを収容バケット５内に収容した状態で処理水槽（除菌水槽）２で除菌処理させる。
又、洗浄装置Ｂでは、前記除菌装置Ｃで除菌処理したのちの除菌済袋収容被洗浄物８ｂを収容バケット５内に収容した状態で処理水槽（洗浄水槽）２で洗浄処理（すすぎ処理を含む）させる。

なお、前記メッシュ袋８は、開口部にファスナ８０（チャック等）が設けられた網状袋であり、被洗浄物としてのカット野菜等の大きさに応じた網目のものを適宜に使用する。

又、前記洗浄装置Ｂの処理室（洗浄室）２０内には、処理水としての洗浄水を満タン状態に収容させると共に、濾過水槽３内にはオーバフロー口３ａから洗浄水が溢れ出ない程度に収容しておく。
又、前記除菌装置Ｃの処理室（除菌室）２０内には、処理水としての電解次亜水を連続的に供給させて満タン状態に収容させると共に、濾過水槽３のオーバフロー口３ａから電解次亜水を垂れ流し状態にさせるようにしている。

そして、本実施例の食品処理方法では、除菌装置Ｃでの袋収容被洗浄物８ａの収容バケット５に対する出し入れ作業、及び前記洗浄装置Ｂでの除菌済袋収容被洗浄物８ｂの収容バケット５に対する出し入れ作業に際し、除菌装置Ｃ及び洗浄装置Ｂの収容バケット５，５を前記昇降装置９により、図２に示すように、同時に持ち上げた状態で、洗浄装置Ｂの収容バケット５から洗浄済の除菌済袋収容被洗浄物８ｂを取り出すと共に、除菌装置Ｃの収容バケット５から取り出した除菌済袋収容被洗浄物８ｂを洗浄装置Ｂの収容バケット５に移し変え、かつ除菌装置Ｃの収容バケット５に新たな袋収容被洗浄物８ａを投入させるようにしている。

即ち、除菌装置Ｃ及び洗浄装置Ｂの収容バケット５，５を前記昇降装置９により同時に持ち上げた状態で、洗浄装置Ｂの収容バケット５から洗浄済の除菌済袋収容被洗浄物８ｂを取り出す。この洗浄済の除菌済袋収容被洗浄物８ｂは、適宜の手段によって引き続き脱水処理（水切り処理）されるもので、この脱水処理に際しては、被洗浄物をメッシュ袋から取り出して行なうのが好ましい。
このように、洗浄済の除菌済袋収容被洗浄物８ｂを取り出すことで空になった洗浄装置Ｂの収容バケット５には、除菌装置Ｃの収容バケット５から取り出した除菌済袋収容被洗浄物８ｂを移し変え入れる。
又、この移し変え入れにより空になった除菌装置Ｃの収容バケット５には新たな袋収容被洗浄物８ａを入れる。

このようにして、除菌装置Ｃの収容バケット５に新たな袋収容被洗浄物８ａを入れると共に、洗浄装置Ｂの収容バケット５に、除菌装置Ｃの収容バケット５から取り出した除菌済袋収容被洗浄物８ａを移し変え入れたのち、この両収容バケット５，５を前記昇降装置９により同時に下ろして処理水槽２，２（除菌水槽及び洗浄水槽）内に沈め入れるものである。

次に、除菌装置Ｃ及び洗浄装置Ｂの循環ポンプＰの作動によって、濾過水槽３内の処理水が給水管３４を通して処理室２０の内部に流入すると共に、処理室２０の処理水が排水管３０を通して濾過水槽３内に戻され、かつ処理室２０の左側壁上縁２１及び背壁上縁２２からオーバーフローした処理水が回収部２３で回収された後、回収管３８を通して濾過水槽３内に戻されるという処理水の循環が行なわれる。
同時に、送風機６の作動によって、空気噴出管７の各エアノズル７ａ，７ｂから処理室２０内に向けて上向きに気泡が噴射され、この上向きの気泡により、処理室２０内に上下方向の流動を生じさせて、収容バケット５内で袋収容被洗浄物８ａ，８ｂを煽って、かき解すように上下に浮沈させることができる。

このようにして、収容バケット５内で被洗浄物が処理されている間において、処理室２０と濾過水槽３の間で処理水の循環が行われているため、処理によって生じた浮きゴミ（特に虫、毛髪、ワラクズ、食品クズ）は、排水管３０を通して処理水と共に濾過水槽３に流入すると共に、オーバーフローした処理水と共に回収部２３から回収管３８を通して濾過水槽３内に流入する。
このとき、排水管３０の導出口３２及び回収管３８の回収出口３９に濾過用袋状メッシュ４０，４０が取り付けられているため、虫や異物汚れは、この濾過用袋状メッシュ４０，４０内に溜まり、きれいになった処理水が処理室２０と濾過水槽３の間で循環し、この循環を繰り返すことで、虫や異物汚れをほぼ完全に除去することができる。
なお、処理によって生じた泥分等の比重の大きなゴミは、処理室２０内で沈み、隔壁２７の貫通孔２９を通して泥分収容部２８に入り、ここでは処理水の流動が生じないため、泥分が洗浄室２０で舞い上がることを防止できる。

なお、給水管３４の給水口３５，３５を、処理室２０の左右両側面に対向するように左右に分岐して形成すると、給水口３５，３５からの水流（図６の矢印Ｍ）が処理室２０の左右両側面に衝突して内側に戻るという流動を生じさせることができる。
また、排水管３０の導入口３１，３１を、処理室２０の左右両側面に対向するように左右に分岐して形成すると、処理室２０の左右両側部分から排水管３０に処理水が流入するという水流（図７の矢印Ｎ）を生じさせることができる。
このような水流によって、処理室２０内の流動に左右方向の流動が加わり、処理効果（除菌効果、洗浄効果）を向上させることができる。

また、前記収容バケット５の背面網部５１の外面に水流ガイド板５８を設けると、背面網部５１を通過してバケット内部からバケット外部に流出した水流の一部を、この水流ガイド板５８の内面に当て、傾斜に沿って上昇させ、再びバケット内部に戻るように流動させることができる。
処理室２０内では、処理水は全体として前部（図３の左側）から背部（図３の右側）に流動するため、収容バケット５の背面網部５１に袋収容被洗浄物８ａ，８ｂが貼り付く状態に滞留することがある。
これに対し、前記のように水流ガイド板５８でバケット外部からバケット内部に戻る水流を生じさせると、背面網部５１に貼り付いた袋収容被洗浄物８ａ，８ｂを剥がすことができ、被洗浄物の流動を促して処理効果を向上させることができる。

又、前記空気噴出管７において、エアノズル７ａを、処理室２０内に装着した収容バケット５の前面網部５０及び背面網部５１に沿って気泡を上昇させるように略垂直に立設しているため、収容バケット５の前面網部５０及び背面網部５１に貼り付く状態で滞留した被洗浄物に対して下から気泡を浴びせることができ、貼り付いた被洗浄物を剥がすことができる。
また、エアノズル７ｂを、水流の流動方向に対向するように、若干前向きに傾けて突設しているため、水流と気泡が衝突するような状態になり、処理室２０内の流動に前後方向の流動が加わり、処理効果を向上させることができる。

このように、本実施例の食品処理装置Ａでは、処理水を処理室２０内において上下、左右、前後に攪拌させて、収容バケット５内の被洗浄物をランダムに浮動させることができるため、効果的な洗浄を行なうことができる。

なお、本発明において、収容バケット５の網目サイズは、収容する被洗浄物の大きさに対応させて、数種類を用意しておくのが好ましい。
また、本発明では、葉物野菜や根菜、海藻等のそのままの形状のもの、又、カット加工したり、キザミ加工したもの等を被洗浄物とすることができる。

上記のようにして、除菌装置Ｃの収容バケット５内で袋収容被洗浄物８ａを除菌処理させると同時に、洗浄装置Ｂの収容バケット５内で洗浄済袋収容被洗浄物８ｂを洗浄処理（すすぎ処理）させたのち、再び、両収容バケット５，５を前記昇降装置９により同時に持ち上げ、その持ち上げ状態で、洗浄装置Ｂの収容バケット５から洗浄済の除菌済袋収容被洗浄物８ａを取り出して脱水処理（水切り処理）させる。
同時に、空になった洗浄装置Ｂの収容バケット５には、除菌装置Ｃの収容バケット５から取り出した除菌済袋収容被洗浄物８ｂを移し変え入れる。
同時に、空になった除菌装置Ｃの収容バケット５には新たな袋収容被洗浄物８ａを入れるものである。

このように、被洗浄物としてのカット野菜等をメッシュ袋８に収容して、除菌処理及び洗浄処理するため、被洗浄物が処理水槽２内でバラけることがなく、この被洗浄物の寄せ集めに要する手間と時間を大幅に軽減できる。
又、洗浄装置Ｂ及び除菌装置Ｃの収容バケット５，５を昇降装置９により同時に上げ沈めさせて、その持ち上げ状態で袋収容被洗浄物８ａ，８ｂの出し入れを、同時に行なうため、この袋収容被洗浄物８ａ，８ｂの出し入れ作業に要する手間と時間を大幅に軽減できる。

本発明の実施例にかかる食品処理装置を正面方向から見た斜視図である。 この食品処理装置を側面方向から見た斜視図である。 食品処理装置における洗浄装置の全体断面図である。 この食品洗浄装置の平面図である。 収容バケットの斜視図である。 給水管の給水口の左右分岐構造の斜視図である。 排水管の導入口の左右分岐構造の斜視図である。

符号の説明

Ａ 食品処理装置
Ｂ 洗浄装置
Ｃ 除菌装置
Ｄ 処理水供給装置
Ｐ 循環ポンプ
１０ 台車
２ 処理水槽
２０ 処理室
２１ 左側壁上縁
２２ 背壁上縁
２３ 回収部
２４ ブラケット
２５ 係止孔
２７ 隔壁
２８ 泥分収容部
２９ 貫通孔
３ 濾過水槽
３ａ オーバフロー口
３ｂ ドレン口
３０ 排水管
３０ａ 排水管端口
３１ 導入口
３２ 導出口
３３ 導入口金
３４ 給水管
３４ａ 給水管端口
３５ 給水口
３６ 取水口
３７ 給水口金
３８ 回収管
３９ 回収出口
４０ 濾過用袋状メッシュ
４１ スクリーン
４２ 取水部
４４ 締め紐
４５ フランジ
５ 収容バケット
５０ 前面網部
５１ 背面網部
５２ 底面網部
５３ 側板材
５４ｂ 側板材
５４ａ 網体
５５ 取っ手枠
５６ 前向腕
５７ 支持ピン
５８ 水流ガイド板
６ 送風機
７ 空気噴出管
７ａ エアノズル
７ｂ エアノズル
７０ 空気配管
７１ 横配管
７２ 横配管
７３ 縦配管
８ メッシュ袋
８ａ 袋収容被洗浄物
８ｂ 除菌済袋収容被洗浄物
８０ ファスナ
９ 昇降装置
９０ 門型フレーム
９１ モートルブロック
９２ 連結バー
９３ チェン

Claims (7)

1. 処理水槽の内部に収容バケットが上げ沈め可能に装着されるようにした除菌装置と洗浄装置を備え、
   前記除菌装置と洗浄装置が隣接配置されると共に、前記除菌装置の収容バケットと洗浄装置の収容バケットを同時に上げ沈めさせる昇降装置が設けられていることを特徴とした食品処理装置。
2. 請求項１記載の食品処理装置において、前記除菌装置及び洗浄装置が、
   処理水を収容する処理室が内部に形成されると共に、この処理室の上縁からオーバーフローさせた処理水を回収する回収部が形成された処理水槽と、
   前記処理室の内部に上げ沈め可能に装着される収容バケットと、
   前記処理室の背面部に排水管を介して接続されると共に、処理室の前部に給水管で接続され、かつ前記回収部に回収管を介して接続された濾過水槽と、
   前記処理室の底部に配設され、送風機からの空気を処理室内で上向きに噴出させる空気噴出管を備え、
   前記濾過水槽内に開口した排水管の導出口及び回収管の回収出口に濾過用袋状メッシュが着脱可能に取り付けられている構造に形成されている食品処理装置。
3. 請求項２記載の食品処理装置において、前記処理室内に開口した給水管の給水口が、処理室の左右両側面に対向するように左右に分岐して形成され、
   かつ前記処理室内に開口した排水管の導入口が処理室の左右両側面に対向するように左右に分岐して形成されている食品処理装置。
4. 請求項２又は３記載の食品処理装置において、前記空気噴出管には、処理室内に装着された収容バケットの前面網部及び背面網部に沿って気泡を上昇させるように空気を噴出させるエアノズルを備えている食品処理装置。
5. 請求項２又は３又は４記載の食品処理装置において、収容バケットの背面網部の外面に水流ガイド板が設けられ、この水流ガイド板は、背面網部を通過してバケット内部からバケット外部に流出した水流の一部を上昇させた後、再びバケット内部に戻すように、下端側が背面網部から離反し、上端側が背面網部に近接するように傾斜して形成されている食品処理装置。
6. 請求項１〜５のいずれかに記載の食品処理装置を使用した食品処理方法であって、
   除菌装置では、被洗浄物をメッシュ袋に収容させた袋収容被洗浄物を収容バケット内に収容した状態で処理水槽で除菌処理させ、
   洗浄装置では、前記除菌装置で除菌処理したのちの除菌済袋収容被洗浄物を収容バケット内に収容した状態で処理水槽で洗浄処理させ、
   前記除菌装置での袋収容被洗浄物の収容バケットに対する出し入れ作業、及び前記洗浄装置での除菌済袋収容被洗浄物の収容バケットに対する出し入れ作業に際し、除菌装置及び洗浄装置の収容バケットを前記昇降装置により同時に持ち上げた状態で、洗浄装置の収容バケットから洗浄済の除菌済袋収容被洗浄物を取り出すと共に、除菌装置の収容バケットから取り出した除菌済袋収容被洗浄物を洗浄装置の収容バケットに移し変え、かつ除菌装置の収容バケットに新たな袋収容被洗浄物を投入させることを特徴とした食品処理方法。
7. 処理水を収容する処理室が内部に形成されると共に、この処理室の上縁からオーバーフローさせた処理水を回収する回収部が形成された処理水槽と、
   前記処理室の内部に上げ沈め可能に装着される収容バケットと、
   前記処理室の背面部に排水管を介して接続されると共に、処理室の前部に給水管で接続され、かつ前記回収部に回収管を介して接続された濾過水槽と、
   前記処理室の底部に配設され、送風機からの空気を処理室内で上向きに噴出させる空気噴出管を備え、
   前記濾過水槽内に開口した排水管の導出口及び回収管の回収出口に濾過用袋状メッシュが着脱可能に取り付けられている構造の食品処理装置を使用した食品処理方法であって、
   被洗浄物をメッシュ袋に収容させた袋収容被処理物を収容バケット内に収容した状態で処理水槽で処理させることを特徴とした食品処理方法。

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