JP2005295141A - A/d変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 レイアウト面積の増大を極力抑えつつ、キャパシタの誘電緩和現象に起因するA/D変換誤差を低減できるA/D変換装置を提供する。
【解決手段】 制御回路15は、初期化処理、サンプリング処理および比較処理を実行する。初期化処理において、スイッチSW1(S0〜S63)を全て入力ライン5側に切り替え、スイッチSW2をオフ、スイッチSW3とSW5をオンに切り替える。この切り替え状態において、キャパシタC0〜C63の一端子は基準電圧Vrefとなり、キャパシタC0〜C63の他端子は定電圧V1となる。その結果、キャパシタC0〜C63は、全て一定電圧(V1−Vref)により充電される。この初期化処理は、キャパシタC0〜C63が固有に有する誘電緩和時間τと、要求されるA/D変換誤差とに基づいて定められる最小初期化時間以上行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電荷再分配型のA/D変換装置に関する。
近年、リーク電流を低減しあるいは耐圧を高めるため、誘電体膜としてONO膜(SiO2/SiN/SiO2)を備えたキャパシタが用いられるようになっている。ONO膜を備えたキャパシタは比較的大きい誘電緩和現象を呈し、こうしたキャパシタを電荷再分配型のA/D変換装置に採用すると、誘電緩和現象に起因したA/D変換誤差が生じる。特許文献1には、A/D変換誤差を低減する技術が示されている。
この技術は、配列キャパシタと同じ充電手順を受ける複製キャパシタを設け、この複製キャパシタをコンパレータの基準電圧側に接続することにより、基準電圧側にも配列キャパシタと同等の誘電緩和現象を発生させるようになっている。その結果、コンパレータの両入力に同等に含まれる誘電緩和現象による電圧変化を相殺でき、以ってA/D変換誤差を低減することができる。
また、誘電緩和現象とは関係しないが、直前のA/D変換によりサンプル/ホールド回路に保持されている電荷量に依存してA/D変換値が変化する現象がある。特許文献2には、入力されるアナログ値をサンプリングする直前のタイミングにおいて、サンプル/ホールド回路に保持される電荷量を任意の値に設定することにより、直前のA/D変換値に影響されることなく常に一定の変換結果を得る技術が示されている。
特許第3088848号公報 特開平5−259913号公報
上記特許文献1に記載されたA/D変換装置では、回路の対称性を保つため、複製キャパシタを配列キャパシタと同一サイズにすることが好ましい。しかし、同一サイズにするとレイアウトサイズが増加するためコストが上昇してしまうという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、レイアウト面積の増大を極力抑えつつ、キャパシタの誘電緩和現象に起因するA/D変換誤差を低減できるA/D変換装置を提供することにある。
請求項1に記載した手段によれば、制御手段は、サンプリング処理の後に比較処理を実行し、サンプリング処理の前または比較処理の後に初期化処理を実行する。サンプリング処理では、スイッチ群を変換対象電圧(A/D変換しようとする電圧)側に切り替え、キャパシタアレイを構成するキャパシタを充電する。この時、コモンラインを所定の基準電圧とする。サンプリング処理に続く比較処理では、比較手段を用いてコモンラインの電圧と所定の基準電圧とを比較し、その比較結果に応じてスイッチ群を順次切り替えA/D変換値を生成する。
本発明では、初期化処理を実行する初期化時間を、キャパシタの誘電緩和時間に応じた長さとすることが重要となる。すなわち、A/D変換誤差を低減するために必要となる初期化時間は、誘電体膜の種類(材料)、誘電体膜と電極材料との組み合わせ等によってキャパシタが固有に有する誘電緩和時間に応じて定められるもので、キャパシタの静電容量や入力部のインピーダンス等によって定められるものではない。この点において、本発明は、キャパシタの静電容量と接続インピーダンスとによる時定数に基づく初期化技術とは本質的に異なる。
誘電緩和現象によるA/D変換誤差は、その変換前にサンプリングされた変換対象電圧にのみ依存し、比較処理におけるスイッチ群の切り替え順序には依存しない。従って、変換対象電圧のA/D変換前(換言すれば前回のA/D変換の後)に、上記初期化時間だけ各キャパシタの端子間に一定電圧を印加することにより、誘電緩和現象によるA/D変換誤差を低減することができる。また、本手段は、複製キャパシタを別途設ける従来技術とは異なり、各キャパシタの端子間に一定電圧を印加する定電圧印加手段を設けるだけで実現できるため(実際には後述するようにスイッチ群で代用することもできる)、レイアウト面積の増大が殆どなく、これまでのA/D変換装置からの設計変更も容易となる。
請求項2に記載した手段によれば、初期化期間の長さ(初期化時間)は、A/D変換精度とキャパシタの誘電緩和時間とに基づいて定まる最小初期化時間以上の時間とされる。典型的なA/D変換処理は、比較処理が終了した後次のサンプリング処理までの期間、初期化処理を実行し続ける。この場合のA/D変換時間(最小値)は、サンプリング時間、比較時間および最小初期化時間の合計時間となる。
請求項3に記載した手段によれば、初期化時間は、キャパシタの誘電緩和現象が収束するのに十分な長さの初期化期間を設けた場合のA/D変換値を基準として、所定の変換誤差範囲内に止まるA/D変換値が得られる時間とされる。これにより、A/D変換周期が一定しない場合であっても、上記所定の変換誤差範囲内のA/D変換値が得られる。
請求項4に記載した手段によれば、対象電圧入力ラインと一定電圧を有する定電圧ラインとの間にスイッチ回路を設け、初期化期間において、各キャパシタのスイッチ群を変換対象電圧側に切り替え、変換対象電圧の入力端子と対象電圧入力ラインとの間を遮断した上で、上記スイッチ回路を閉状態に切り替える。この時、コモンラインを所定の基準電圧とする。これにより、各キャパシタに一定電圧(=定電圧ラインの電圧−コモンラインに与える基準電圧)が印加される。
請求項5に記載した手段によれば、初期化期間において、スイッチ群を予め決められた一定の基準電圧側に切り替えることにより、各キャパシタの端子間に一定電圧を印加する。その結果、定電圧印加手段を別に設ける必要がなく、定電圧印加手段をスイッチ群により代用することができる。
請求項6に記載した手段によれば、マルチプレクサを切り替えることにより、複数の入力電圧を順次A/D変換することができる。こうした多チャンネルのA/D変換装置では、単一チャンネルのA/D変換装置と異なり、サンプリングする変換対象電圧が毎回大きく変化する。従って、従来構成においては、キャパシタの誘電緩和現象による各チャンネル間でのA/D変換誤差が生じ易かった。本手段を採用すれば、チャンネル切り替えにより変換対象電圧が大きく変化しても、誘電緩和現象によるA/D変換誤差を低減することができる。
請求項7に記載した手段によれば、マルチプレクサの特定のチャンネルがダミーチャンネルとされ、そのダミーチャンネルに一定電圧が印加されている。そして、初期化期間において、マルチプレクサをダミーチャンネルに切り替えて少なくともサンプリング処理を実行することにより、キャパシタアレイを構成する各キャパシタに一定電圧を印加することができる。
請求項8に記載した手段によれば、キャパシタを構成する誘電体膜としてONO膜を用いているので、リーク電流を低減でき、耐圧の向上が図れる。なお、本発明は、ONO膜を有するキャパシタを用いたA/D変換装置に限られるものではなく、A/D変換値に誤差をもたらすような誘電緩和現象を生ずるキャパシタを用いたA/D変換装置に適用可能である。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1ないし図3を参照しながら説明する。
図1は、半導体集積回路装置(CMOSIC)として製造された電荷再分配型の逐次比較A/D変換器の電気的構成を示している。このA/D変換器1(A/D変換装置に相当)は、上位6ビットのA/D変換に用いるキャパシタアレイ2と、下位6ビットのA/D変換に用いる抵抗ラダーD/A変換器3(以下、D/A変換器3と称す)とを備え、全体として12ビットの分解能を有している。
キャパシタアレイ2は、静電容量Cを有する64個のキャパシタC0〜C63から構成されており、これらキャパシタC0〜C63の一端(下部電極)は、それぞれコモンライン4に共通に接続されている。キャパシタC0〜C63は、ポリシリコンからなる電極の間に誘電体膜としてONO膜(SiO2/SiN/SiO2)を備えた構成となっている。ONO膜は、従来から用いられているSiO2膜と比較して誘電緩和現象が大きく現れるという性質がある。
キャパシタC1〜C63の他端(上部電極)は、それぞれスイッチS1〜S63を介して、入力ライン5、基準電圧VrefM(例えば0V)が入力される基準電圧供給ライン6または基準電圧VrefP(例えば5V)が入力される基準電圧供給ライン7に選択的に接続されるようになっている。また、キャパシタC0の他端は、スイッチS0を介して、信号入力ライン5またはD/A変換器3の出力ライン8に選択的に接続されるようになっている。以下においては、便宜上、スイッチS0〜S63(スイッチ群に相当)をスイッチSW1と総称する。
入力端子9は、A/D変換の対象である入力電圧Vin(変換対象電圧に相当)が与えられる端子で、その入力端子9からスイッチSW1に至る入力ライン5(対象電圧入力ラインに相当)には、スイッチSW2が設けられている。また、定電圧供給ライン10には、定電圧V1が与えられており、スイッチSW1とSW2の接続ノードと定電圧供給ライン10との間には、スイッチSW3(定電圧印加手段に相当)が設けられている。定電圧V1は、例えば(VrefP+VrefM)/2(=2.5V)に設定されるが、一定電圧である限り他の電圧であってもよい。
D/A変換器3は、基準電圧VrefP(例えば5V)とVrefM(例えば0V)が供給される電源線11、12間に直列接続された抵抗R0〜R64と、これら抵抗R0〜R64の各共通接続点と出力ライン8との間に設けられたスイッチS100〜S163とから構成されている。以下においては、便宜上、スイッチS100〜S163をスイッチSW4と総称する。
コンパレータ13(比較手段に相当)は、上記コモンライン4の電圧と基準電圧供給ライン14の基準電圧Vref(例えば2.5V)とを比較し、その比較結果信号を制御回路15に対し出力するようになっている。コモンライン4と基準電圧供給ライン14との間には、スイッチSW5が設けられている。
制御回路15(制御手段に相当)は、後述するサンプリング処理、比較処理および初期化処理を含むA/D変換の全般を制御する回路であり、その内部に逐次比較レジスタSARを備えている。上述したスイッチSW1〜SW5は、アナログスイッチから構成されており、制御回路15からの信号によりオンオフするようになっている。
次に、本実施形態の作用について説明する。
図2は、本実施形態のタイミングチャートを示しており、図3は、従来構成(つまりスイッチSW3が設けられていない構成)のタイミングチャートを示している。図2において、A/D変換は、時刻t11から開始され、時刻t16で終了する。その次のA/D変換は、時刻t17から開始される。図2における時刻t11の前および時刻t16から時刻t17までの間はA/D変換の空き時間となるが、本実施形態では初期化時間として利用している。これに対し、図3に示す従来構成では、A/D変換の空き時間は利用されていない。
制御回路15は、時刻t11以前の空き時間および変換が開始される時刻t11から時刻t12までの期間において初期化処理を実行する。この初期化処理では、スイッチSW1(S0〜S63)を全て入力ライン5側に切り替え、スイッチSW2をオフ、スイッチSW3とSW5をオンに切り替える。この切り替え状態において、キャパシタC0〜C63の一端子(下部電極)の電圧は基準電圧Vrefとなり、キャパシタC0〜C63の他端子(上部電極)の電圧は定電圧V1となる。その結果、キャパシタC0〜C63は、全て一定電圧(V1−Vref)により充電される。
この初期化処理は、少なくとも時刻t11から時刻t12までの時間すなわち最小初期化時間以上行う必要がある。キャパシタC0〜C63に生じる誘電緩和現象は、分極の応答遅れが原因となってキャパシタC0〜C63の充電状態を以前の電荷状態の電圧に引き戻そうとする現象である。そのため、誘電緩和現象の影響を排除できる有効な初期化を行うためには、誘電体膜の種類(材料)、誘電体膜と電極材料との組み合わせ等によってキャパシタC0〜C63が固有に有する誘電緩和時間τと、要求されるA/D変換誤差とに基づいて最小初期化時間を定める必要がある。誘電緩和現象によるA/D変換誤差は、当該A/D変換の前にキャパシタC0〜C63に与えられた電圧(V1−Vref)にのみ依存し、比較処理におけるスイッチSW1の切り替え順序には依存しない。
そして、初期化時間が長いほど誘電緩和現象の影響が小さくなること、変換時間を短縮することなどの理由により、空き時間においても初期化処理を行っている。割り込みによりA/D変換を開始する場合にはA/D変換周期が変化するため、最小初期化時間は、キャパシタC0〜C63の誘電緩和現象が収束するのに十分な長さの初期化期間を設けた場合のA/D変換値を基準として、所定の変換誤差範囲内に止まるA/D変換値が得られる時間として定められている。
時刻t12に最小初期化時間以上の長さの初期化処理が終了すると、制御回路15は、スイッチSW3をオフとし、さらに時刻t13においてスイッチ2をオンとする。時刻t12から時刻t13までの時間は、スイッチSW3がオフ指令を受けてから実際にオフ状態となるまでの時間以上に設定されている。時刻t13以降のサンプリング処理では、キャパシタC0〜C63に電圧(Vin−Vref)が印加され、時刻t14においてスイッチSW5をオフにすると当該電圧がホールドされる。その後、時刻t15においてスイッチSW2をオフにしてサンプリング処理を終了する。
続いて時刻t15から時刻t16までの期間、制御回路15は、周知の逐次比較シーケンスである比較処理を実行してA/D変換値を得る。すなわち、スイッチSW4を所定の切り替え状態とした後、スイッチS0をD/A変換器3の出力ライン8側に切り替え、コンパレータ13の比較結果に応じてスイッチS1〜S63を基準電圧供給ライン6側または基準電圧供給ライン7側に順次切り替えることにより、上位6ビットのA/D変換値を決定する。その後、スイッチS100〜S163を順次切り替えることにより、下位6ビットのA/D変換値を決定する。得られた12ビットのA/D変換値は、制御回路15内の逐次比較レジスタSARに格納される。時刻t16において変換が終了すると、再び初期化処理を実行する。
以上説明したように、本実施形態のA/D変換器1は、入力電圧Vinのサンプリング処理の前に初期化処理を実行し、キャパシタアレイ2を構成するキャパシタC0〜C63に一定電圧を印加するので、誘電緩和現象によるA/D変換誤差を低減することができる。この初期化処理を行うためには従来構成のA/D変換器に対しスイッチSW3を追加し、制御回路15のハードウェア構成またはソフトウェア構成に若干の変更を加えるのみで実現できるので、レイアウト面積の増大が殆どなく、従来構成のA/D変換器からの設計変更も容易となる。
初期化時間は、要求されるA/D変換精度とキャパシタC0〜C63の誘電緩和時間τとに基づいて定まる最小初期化時間以上とされるので、所望のA/D変換精度を満たすA/D変換値を得ることができる。また、本実施形態では、A/D変換の空き時間においても初期化処理を実行するので、より高いA/D変換精度が得られる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図4および図5を参照しながら説明する。
図4は、逐次比較A/D変換器の電気的構成を示しており、図1と同一部分には同一符号を付している。この図4に示すA/D変換器16は、定電圧印加手段としてマルチプレクサ17を備えている。
マルチプレクサ17は、Nチャンネル(N≧2)の入力端子190、191、…、19Nからそれぞれ入力電圧Vin1、Vin2、…、V1を入力し、制御回路18からの選択信号に従って何れか一つの電圧を信号入力ライン5に出力するようになっている。ここで、信号入力チャンネルである入力端子190(CH0)、191(CH1)、…、19N-1(CHN-1)には、センサなどから入力電圧Vin1、Vin2、…、VinN-1(変換対象電圧)が与えられ、ダミーチャンネルである入力端子19N(CHN)には、第1の実施形態と同様の定電圧V1が与えられる。
図5は、A/D変換のシーケンスを示している。制御回路18は、信号入力チャンネルCH0、CH1、CH2、CH3、…についてのA/D変換の各間に、ダミーチャンネルCHNについてのA/D変換を実行する。各チャンネルのA/D変換処理は、サンプリング処理と比較処理からなる。サンプリング処理の時間は、第1の実施形態で説明した最小初期化時間以上となっている。ただし、ダミーチャンネルCHNについては、サンプリング処理と比較処理のうち比較処理を省略してもよい。
ダミーチャンネルCHNのA/D変換を実行すると、そのサンプリング処理において、キャパシタC0〜C63は全て一定電圧(V1−Vref)により充電される。既に述べたように、キャパシタC0〜C63の誘電緩和現象によるA/D変換誤差は、当該A/D変換の前にキャパシタC0〜C63に与えられた電圧(V1−Vref)にのみ依存し、比較処理におけるスイッチSW1の切り替え順序には依存しない。従って、ダミーチャンネルCHNについてのA/D変換は、第1の実施形態で説明した初期化処理に相当する。その結果、第1の実施形態と同様の作用により、キャパシタC0〜C63の誘電緩和現象によるA/D変換誤差を低減することができる。
マルチプレクサ17を備えた多チャンネルのA/D変換装置16では、単一チャンネルのA/D変換装置1と異なり、サンプリングする入力電圧が毎回大きく変化するため、従来構成ではチャンネル相互間で誘電緩和現象によるA/D変換誤差が生じ易かった。本実施形態によれば、チャンネル切り替えにより入力電圧が大きく変化しても、誘電緩和現象によるA/D変換誤差を低減することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について、逐次比較A/D変換器の電気的構成を示す図6を参照しながら説明する。この図6において、図1と同一部分には同一符号を付して示している。図6に示すA/D変換器20は、スイッチSW6(スイッチ群に相当)を定電圧印加手段として用いている。
すなわち、キャパシタC0の他端(上部電極)は、スイッチS200を介して、入力ライン5、D/A変換器3の出力ライン8、基準電圧供給ライン6または基準電圧供給ライン7に選択的に接続されるようになっている。スイッチSW6は、このスイッチS200と、キャパシタC1〜C63に係るスイッチS1〜S63とから構成されている。
制御回路21は、図2に示すタイミングチャートに従って初期化処理、サンプリング処理および比較処理を実行する。制御回路21は、初期化処理において、スイッチSW6(S200、S1〜S63)を全て基準電圧供給ライン7側に切り替え、スイッチSW2をオフ、スイッチSW5をオンに切り替える。この切り替え状態において、キャパシタC0〜C63の一端子(下部電極)の電圧は基準電圧Vrefとなり、キャパシタC0〜C63の他端子(上部電極)の電圧は基準電圧VrefPとなる。その結果、キャパシタC0〜C63は、全て一定電圧(VrefP−Vref)により充電される。サンプリング処理および比較処理は第1の実施形態と同様である。
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の作用によりキャパシタC0〜C63の誘電緩和現象によるA/D変換誤差を低減することができ、第1の実施形態と同様の効果が得られる。なお、初期化処理において基準電圧VrefPを用いる場合には、スイッチS200は基準電圧VrefMに切り替えられなくてもよい。また、初期化処理において基準電圧VrefMを用いてもよく、その場合にはスイッチS200は基準電圧VrefPに切り替えられなくてもよい。
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記し且つ図面に示す各実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように変形または拡張が可能である。
本発明は、逐次比較型のA/D変換装置に限らず、直並列型、巡回型などキャパシタアレイを備えた電荷再分配型のA/D変換装置に適用可能である。
各実施形態において、抵抗ラダーD/A変換器3は必要に応じて設ければよい。
静電容量をC、C、2C、4C、8C、16C、32C、…のようにバイナリに重み付けしたキャパシタによりキャパシタアレイを構成してもよい。
初期化時間は最小初期化時間以上に設定すればよいが、さらに毎回一定時間にするとよい。
本発明の第1の実施形態を示す逐次比較A/D変換器の電気的構成図 A/D変換のタイミングチャート 比較例として示す従来構成におけるA/D変換のタイミングチャート 本発明の第2の実施形態を示す図1相当図 A/D変換のシーケンス図 本発明の第3の実施形態を示す図1相当図
符号の説明
1、16、20はA/D変換器(A/D変換装置)、2はキャパシタアレイ、4はコモンライン、5は入力ライン(対象電圧入力ライン)、9、190、…、19Nは入力端子、10は定電圧供給ライン(定電圧ライン)、13はコンパレータ(比較手段)、15、18、21は制御回路(制御手段)、17はマルチプレクサ(定電圧印加手段)、C0〜C63はキャパシタ、SW1(S0〜S63)はスイッチ(スイッチ群)、SW3はスイッチ(スイッチ回路、定電圧印加手段)、SW6(スイッチS200、S1〜S63)はスイッチ(スイッチ群、定電圧印加手段)である。

Claims (8)

  1. 一端がコモンラインに接続された複数のキャパシタからなるキャパシタアレイと、
    前記各キャパシタの他端にそれぞれ変換対象電圧および複数の基準電圧のうち何れかの電圧を印加するように切り替え動作を行うスイッチ群と、
    前記コモンラインの電圧と所定の基準電圧とを比較する比較手段と、
    前記各キャパシタの端子間に一定電圧を印加する定電圧印加手段と、
    前記変換対象電圧により前記キャパシタを充電するサンプリング処理の後、前記比較手段の比較結果に応じて前記スイッチ群を順次切り替えながらA/D変換値を生成する比較処理を実行し、さらに、前記サンプリング処理の前または前記比較処理の後に前記キャパシタの誘電緩和時間に応じた長さの初期化期間を設け、前記定電圧印加手段により前記各キャパシタに前記一定電圧を印加する初期化処理を実行する制御手段とを備えたことを特徴とするA/D変換装置。
  2. 前記制御手段は、A/D変換精度と前記キャパシタの誘電緩和時間とに基づいて定まる最小初期化時間以上の初期化期間を設け、前記初期化処理を実行することを特徴とする請求項1記載のA/D変換装置。
  3. 前記制御手段は、前記キャパシタの誘電緩和現象が収束するのに十分な長さの初期化期間を設けた場合のA/D変換値を基準値として、所定の変換誤差範囲内に止まるA/D変換値が得られる長さの初期化期間を設け、前記初期化処理を実行することを特徴とする請求項1記載のA/D変換装置。
  4. 前記定電圧印加手段は、前記変換対象電圧の入力端子から前記スイッチ群に至る対象電圧入力ラインと一定電圧を有する定電圧ラインとの間に設けられたスイッチ回路から構成されており、
    前記制御手段は、前記初期化期間において、前記スイッチ群を前記変換対象電圧側に切り替え、前記変換対象電圧の入力端子と前記対象電圧入力ラインとの間を遮断し、且つ、前記スイッチ回路を閉状態に切り替えることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載のA/D変換装置。
  5. 前記定電圧印加手段は、前記スイッチ群により構成されており、
    前記制御手段は、前記初期化期間において、前記スイッチ群を予め決められた一定の基準電圧側に切り替えることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載のA/D変換装置。
  6. 複数の変換対象電圧から1つの変換対象電圧を選択するマルチプレクサを備えたことを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載のA/D変換装置。
  7. 前記定電圧印加手段は、特定のダミーチャンネルに一定電圧が印加されたマルチプレクサにより構成されており、
    前記制御手段は、前記初期化期間において、前記マルチプレクサを前記ダミーチャンネルに切り替えて前記サンプリング処理を実行することを特徴とする請求項1記載のA/D変換装置。
  8. 前記キャパシタアレイを構成するキャパシタは、誘電体膜としてONO膜を用いていることを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載のA/D変換装置。

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