JP2005294242A - 蛍光ランプおよび照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
管径が小さいために薄形で、かつ、高効率で点灯可能であって光出力特性が向上するとともに、屈曲部において蛍光体層がひび割れや剥がれが生じにくい、したがって外観の良好な蛍光ランプおよびこれを用いた照明装置を提供する。
【解決手段】
蛍光ランプFLは、管外径12〜20mmのガラス管を部分的に屈曲することにより形成された屈曲部および直管部を含み、全体としてほぼ閉じた形状を有するガラスバルブ1と、平均粒径が1.0μm以上の径大の粒子と平均粒径が10〜100nmの微粒子が混合した状態でガラスバルブ1の内面に形成された保護層2と、ガラスバルブ1の保護層2の上に形成された蛍光体層3と;ガラスバルブ1の両端内部に封装された一対の電極4と、ガラスバルブ1の内部に封入された放電媒体と、を具備している。
【選択図】
図1

Description

本発明は、屈曲部が形成されたガラスバルブを備えた蛍光ランプおよびこれを用いた照明装置に関する。
一般照明用蛍光ランプとして直管形、環形または片口金形の蛍光ランプが知られており、特に、近年の省エネルギー、省資源の要求に基づき、高周波点灯専用の細径の環形蛍光ランプが開発され、商品化されている(特許文献1参照)。この細径の環形蛍光ランプは、商品上「FHC」という形名で識別されている。この細径の環形蛍光ランプは、従来の環形蛍光ランプと環外径がほぼ同サイズでありながら管外径が細く、かつ、同等以上の効率または明るさを確保することが可能であるので、省エネルギー、省資源のニーズを満足することができ、特に住居空間における視環境を快適にすることが可能である。
一方、四角形状をなした蛍光ランプは、従来から知られている(特許文献2参照)。特許文献2に記載された蛍光ランプは、管外径が25〜32mm、屈曲部の内側の曲率半径が20〜40mm、対向する直線部間の外側寸法が190〜220mmの正方形をなしたバルブを用いた30Wタイプの角形蛍光ランプである。また、角形蛍光ランプであって、対向する直線部間の外側寸法が260〜290mmの32Wタイプのものも知られている。
ところで、蛍光ランプの内面に蛍光体層を形成するに際して予め保護膜を形成しておき、保護膜の内面に蛍光体層を形成することにより、水銀の打ち込みによるガラスの黒化を抑制することができる。保護膜は、γ-Al2O3などの微粒子の塗布液をガラスバルブの内面に塗布乾燥後、ガラスバルブを加熱して焼成し形成するのが一般的である。また、湾曲形状または屈曲形状を有する蛍光ランプの場合、保護膜および蛍光体層の形成工程とガラスバルブの成形工程との前後関係については、ガラスバルブを上記のように成形する前に保護膜および蛍光体層を形成する態様と、成形してから形成する態様とがある。しかし、細径で四角形状などの蛍光ランプにおいては前者の方が量産性に適している。
また、蛍光ランプの蛍光体使用量を削減する目的で比較的粒径の大きいリン酸ストロンチウム(Sr2P2O7)粒子を保護膜材料に使用する技術が知られている(特許文献3参照)。
特許第3055769号公報(第3〜9頁、図3) 特開昭58-152365号公報(第2頁、第2図) 特開2004-006185号公報(第11〜13頁、図7)
ところが、従来技術に基づいて細径で四角形状などの屈曲部を有する蛍光ランプを製造すると、屈曲部において蛍光体層のひび割れや剥がれが生じやすく、したがって蛍光ランプの外観が悪くなるという問題があることが分かった。本発明者の調査によれば、ガラスバルブを加熱軟化させて成形する際に、屈曲部におけるガラスが伸縮しても保護膜がこれに応じて伸縮しないことが影響しているものと推測される。なお、特許文献3に示す保護膜についても屈曲形成時に発生する蛍光体層のひび割れと保護膜の構成との関係については十分に検討されていなかった。
本発明は、管径が小さいために薄形で、かつ、高効率で点灯可能であって光出力特性が向上するとともに、部分的に形成された屈曲部において蛍光体層にひび割れや剥がれが生じにくい、したがって外観の良好な蛍光ランプおよびこれを用いた照明装置を提供することを目的とする。
請求項1の蛍光ランプは、管外径12〜20mmのガラス管を部分的に屈曲することにより形成された屈曲部および直管部を含み、全体としてほぼ閉じた形状を有するガラスバルブと;平均粒径1.0μm以上の径大の粒子と平均粒径10〜100nmの微粒子が混合した状態でガラスバルブの内面に形成された保護膜と;ガラスバルブの保護膜の上に形成された蛍光体層と;ガラスバルブの両端内部に封装された一対の電極と;ガラスバルブの内部に封入された放電媒体と;を具備していることを特徴としている。
本発明および以下の各発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は次による。
<ガラスバルブについて> ガラスバルブは、ガラス管を主体として構成されていて、いずれも一つまたは複数の屈曲部および直管部を含み、かつ、全体としてほぼ閉じた形状を備えている。このような形状は、具体的には例えば四角形、D字状部分がその直線部を平行に離間して向かい合っている変形環状など、またこれらの形状部分がさらに多重でありながら単一の放電路を形成するように連絡した形状など多様な形状であることを許容する。
ガラス管は、その管長が特段限定されないので、任意所望により適当な長さの管長に設定することができる。
屈曲部は、以下の方法により形成することができる。すなわち、1本の直管状をなしたガラス素管の内面に保護膜および蛍光体層を順次形成した後、ガラス素管の両端に一対の電極を封装してガラスバルブを形成してから、ガラスバルブの屈曲部の形成予定部のみを局部的に加熱して曲げ加工することにより形成することができる。屈曲部の長さは、ガラスバルブの中心軸長の15〜50%の範囲内にあるように構成することが許容される。また、屈曲部における内側の曲率半径は、ガラス管の外径の3倍以下、好ましくは2倍以下であることが許容される。さらに、屈曲部は、直管状のガラス管を単純に曲げ加工しただけのものだけでなく、要すれば、曲げ加工後に成形型を用いたモールド成形を行って整形することが許容される。なお、上記1本の直管状のガラス管は、素管状態で1本でもよいし、複数の直管状のガラス素管を接合して1本のガラス管を得てもよい。後者の場合、複数のガラス素管を接合する前にガラス素管を曲げ加工してから、ガラス素管の端部同士を接合することができる。
また、ガラスバルブは、上述の屈曲部に加えて1つまたは複数の直管部を含んでいる。この場合の直管部は、その管内径が12〜20mmの範囲内にあるものとするが、ランプ効率などのランプ特性や製造条件を考慮したときの最適範囲は14〜18mmである。なお、直管部であっても、屈曲部近傍の部分については、屈曲部の形成時に若干管外径が変化して部分的に上記範囲から外れることが許容される。なお、ガラスバルブの肉厚は、直管部ないし緩やかな湾曲部において約0.8〜1.2mm程度とするのがよい。
蛍光ランプの管径を小さくすればランプ効率が向上すること既知であるが、本発明では直管部ないし緩やかな湾曲部において管外径を20mm以下としている。上記の管外径が20mm以下であれば、従来技術の細径の環形蛍光ランプと同等またはそれ以上のランプ効率を達成することが可能となる。これに対して、管外径が12mm未満であると、屈曲部を有するガラスバルブとしての機械的強度を確保するのが困難となるので不可であるとともに、同サイズの従来の環形蛍光ランプと同等の光出力が得られないので実用的ではない。
管外径が29mmである従来の環形蛍光ランプ(形名「FCL」)のランプ効率を10%以上向上させるためには、管外径を65%以下に小さくする必要がある。すなわち、ガラスバルブの管外径は18mm以下であればよい。この管外径であれば、蛍光ランプとしての薄形化も十分満足できる。また、光出力やランプ効率などの特性面を考慮すると、直管部の管外径は14mm以上とするのが好ましい。
本発明における好適な形状である多角形状をなすガラスバルブの場合、直管部は3つ以上有している。また、直管部間をつなぐ屈曲部は、ガラスバルブの両端部を向かい合わせて一つの隅角部とするような形状の場合には、直管部よりも1個少なくなるように形成されている。さらに、屈曲部は、直管部がほぼ同一平面状に位置するように屈曲形成されている。そして、ガラスバルブには、両側に位置する直管部の屈曲部がつながっていない自由端部が電極を支持した電極マウントのステムを封着したり、電極マウントを気密に挟持したピンチシール部を端部に形成したりするなどの構成により封止され、かつ、この両端部が近接するように配置されることにより、全体として多角形に構成されている。
また、多角形状をなすガラスバルブが多重でありながら単一の放電路を形成するように連絡する構成としては次の2つの態様が許容される。すなわち、第1の態様は、外側の環状部と内側の環状部とがほぼ同一平面内で同心状に配置される態様である。第2の態様は、ほぼ同一サイズの複数の環状部が上下に重なる態様である。上記いずれの態様であっても、直管上のガラス素管の状態で後述する保護膜および蛍光体層を形成し、次に一対の電極をガラス素管の両端に封装して直管状のガラスバルブを形成した後に、これを加熱軟化させた状態で環状に加工、成形される。そして、連結管を用いて複数の環状部を連絡して単一の放電路を形成する。
ガラスバルブは、ソーダライムガラス、バリウムシリケートガラスおよび鉛ガラスなどの軟質ガラスで形成されるが、要すればホウケイ酸ガラスや石英ガラスなどの硬質ガラス製であってもよい。ガラスバルブの直管部の肉厚は0.8〜1.2mm程度が望ましいがこれに限定されない。なお、ガラスバルブの内部を排気し、放電媒体を封入するために、一つまたは一対の細管を付設することができる。
<保護膜について> 保護膜は、相対的に径大の粒子と微粒子が混合した状態でガラスバルブの内面に形成されている。微粒子は、従来から一般的な保護膜構成材料として用いられている1次粒径の中心粒径が100nm以下、好適には平均粒径が約10〜40nm程度の金属酸化物である。
相対的に径大の粒子は、1次粒径の平均粒径が1μm以上の粒子が用いられる。好適には平均粒径が約1〜10μmであり、さらに好適には平均粒径が約2〜7μmである。径大の粒子は、アルカリ土類金属塩、αアルミナおよび蛍光体などから選択して単独または混合して用いることができる。アルカリ土類金属塩は、アルカリ土類金属リン酸塩およびアルカリ土類金属アルミン酸塩から選択して単独または混合して用いることができる。
以上の構成からなる保護膜は、径大の粒子が径大の粒子および微粒子の質量の総量に対する比で好ましくは50〜90%、より好ましくは85%以下または/および55%以上、したがって微粒子が上記と同様な比率で50〜10%、より好ましくは15%以下または/および45%以下である。そして、保護膜中において径大の粒子と微粒子とは、微粒子が相対的に径大の粒子の間を埋めていて、そのために径大の粒子間がずれやすく緩やかに結着しているようなイメージで混合している。しかし、微粒子は、蛍光体層に結着剤として添加することが許容される一般的な割合より明らかに多く、上述のように10%以上の割合で保護膜中に含有されている。
また、保護膜は、微粒子の被着量が好ましくはガラスバルブの内表面積当たり0.05〜2mg/cm2で、かつ、屈曲部における被着量の上記数値に対する偏差が±20%以内である。さらに、保護膜は、ガラスバルブが直管状をなす素管状態のときに、素管の一端側から塗布液を流入して、その内面に形成することができる。さらにまた、保護膜は、その膜厚が従来の膜厚である約0.1〜1μm程度より明らかに大きく、好適には約3〜25μm程度である。
<蛍光体層について> 蛍光体層は、ガラスバルブの内面に形成された保護膜のさらに内面側すなわち放電空間側に形成されている。したがって、蛍光体層は、以上の説明から明らかなように屈曲部の形成前に直管状バルブ内面に塗布、形成される。また、蛍光体層は、蛍光体粒子間および保護膜への結着剤として約1〜3%程度の微粒子を含有していることが許容される。この場合の微粒子は、好適には金属酸化物からなる。金属酸化物としては、例えばγアルミナ、イットリア、シリカ、酸化亜鉛、チタニアおよびセリアからなるグループの中から一種または複数種を選択して用いることができる。ただし、保護膜の微粒子と蛍光体層中の微粒子とは、同一種であってもよいし、また異種であってもよい。
また、蛍光体層は、適当な膜厚に形成されるが、好適にはガラスバルブの内面の主要部において平均値で約3〜7mg/cm2程度の被着量である。また、屈曲部においては、好適には被着量の偏差が平均値に対して±15%になるように蛍光体層が形成される。さらに、蛍光体層は、その塗布液を内面に保護膜を形成したガラス素管の一端側から塗布液を流入して、保護膜の上に形成することができる。この場合、保護膜の塗布液を流入した素管の端部に対して反対側の端部から蛍光体塗布液を流入して蛍光体層を形成すれば、保護膜と蛍光体層との合計膜厚を素管の全長にわたり均一化しやすくなる。また、蛍光体層を2層などの多層に形成することも許容される。この場合には、塗布液の流入端を素管の両端とし、流入端を交互に切り換えることにより、蛍光体層の膜厚が素管の長手方向に均一化する。
次に、保護膜中における径大の粒子の少なくとも一部として蛍光体が用いられている場合、本発明における保護膜と蛍光体層の間の境界が不鮮明になるが、以下の特徴により保護膜と蛍光体層とが存在することを識別することができる。すなわち、いずれも蛍光体を含む上記の各層は、ガラスバルブ側に接近した位置における層内は微粒子の含有量が多く、反対に放電空間側の層内は微粒子の含有量が少ない。
<本発明の作用について> 本発明においては、保護膜が相対的に径大の粒子と微粒子が混合した状態でガラスバルブの内面に形成されているので、ガラスバルブの屈曲加工の際に、保護膜中の相対的に径大の粒子が微粒子の介在のもとで適度にずれて屈曲加工時に柔軟に対応すると考えられる。このような保護膜の作用が現実に行われているか否かにかかわらず、結果としてガラスバルブの屈曲部における蛍光体層およびこれに加えて保護膜のひび割れや剥がれを生じにくくなる。したがって、屈曲部を備えていて外観の良好な蛍光ランプを得ることができる。
請求項2の発明の蛍光ランプは、請求項1記載の蛍光ランプにおいて、ガラスバルブは、管長700〜3000mmの直管状ガラス管を内側の曲率半径が10〜45mmとなるように略90°屈曲した屈曲部が形成されていることを特徴としている。
本発明は、ガラスバルブの管長すなわち長さおよび屈曲部の形態の実際的な一例を規定している。上記において、管長の数値範囲を、従来の細径の円形の環形蛍光ランプと同等の光出力を得ることを考慮して、700〜3000mmの範囲内、好ましくは800〜2500mmの範囲内から選択したものである。なお、ガラスバルブの内部に形成される放電路長は、直管状態時におけるガラス管の管長にほぼ等しくなる関係がある。
また、屈曲部は、上記範囲の構成であると、強く屈曲した形状になるので、例えばU字状に屈曲したガラスバルブや正方形状のガラスバルブを備えた蛍光ランプなどを得ることができる。
そうして、本発明によれば、屈曲部形成時の熱劣化の影響が少なくなり、したがって例えば管長全体中に占める直管部の比率が大きい高出力の蛍光ランプなどを得ることができる。また、強く屈曲した屈曲部を備えた蛍光ランプであっても、屈曲部における蛍光体層のひび割れが生じにくくなり、したがって外観が良好になる。
請求項3の発明の蛍光ランプは、請求項1または2記載の蛍光ランプにおいて、保護膜は、径大の粒子がアルカリ土類金属塩および蛍光体の少なくとも一種からなることを特徴としている。
本発明は、保護膜中に含まれる相対的に径大の粒子の好適な物質を規定している。アルカリ土類金属塩としては、ストロンチウムリン酸塩(例えばSr2P2O7)やカルシウムリン酸塩(例えばCa2P2O7)またはストロンチウムやカルシウムのアルミン酸塩、ハロリン酸カルシウム蛍光体などの反射率が高い粒子を用いるのが適当である。
そうして、本発明によれば、請求項1の作用に加えて保護膜の可視光透過率および紫外光の反射特性が向上し、良好な光出力特性を得ることができる。
請求項4の発明の蛍光ランプは、請求項1ないし3のいずれか一記載の蛍光ランプにおいて、保護膜は、微粒子が金属酸化物からなることを特徴としている。
本発明は、保護膜中に含まれる微粒子の好適な材質を規定している。金属酸化物としては、例えばγアルミナ、イットリア、シリカ、酸化亜鉛、チタニアおよびセリアなどの一種または複数種を選択して用いることができる。
そうして、本発明によれば、請求項1の作用に加えて保護膜の可視光透過率が良好になる。
請求項5の発明の蛍光ランプは、請求項1ないし4のいずれか一記載の蛍光ランプにおいて、保護膜は、径大の粒子がストロンチウムリン酸塩であり、微粒子がγアルミナであることを特徴としている。
本発明は、保護膜中に含まれる径大の粒子および微粒子としての最適な物質の組み合わせを規定している。すなわち、上記の物質は、そのいずれも可視光透過率が良好で、しかも比較的容易に入手できて、安価であるとともに、保護膜および蛍光体層のひび割れや剥がれに対して優れた改善効果が得られる。
請求項6の発明の蛍光ランプは、請求項1ないし5のいずれか一記載の蛍光ランプにおいて、保護膜は、その径大の粒子の質量をa、微粒子の質量をbとしたとき、0.1≦a/(a+b)≦0.5であることを特徴としている。
本発明は、保護膜中の微粒子と径大の粒子の好適な混合比を規定している。すなわち、微粒子の割合a/(a+b)が0.1未満であると、保護膜のガラスバルブに対する付着力および径大の粒子間の結着力が低下しすぎる。また、微粒子の割合a/(a+b)が0.5を超えると、相対的に微粒子が多くなりすぎて屈曲部に蛍光体層およびこれに加えて保護膜のひび割れや剥がれが生じやすくなる。
そうして、本発明によれば、上記の構成を具備していることにより、請求項1の作用が良好に得られる。
請求項7の発明の蛍光ランプは、請求項1ないし6のいずれか一記載の蛍光ランプにおいて、保護膜は、その径大の粒子の質量をa、微粒子の質量をbとしたとき、0.15≦a/(a+b)≦0.4であることを特徴としている。
本発明は、保護膜中の微粒子と径大の粒子のより一層好適な混合比を規定している。すなわち、上記の範囲内であれば、屈曲部における保護膜や蛍光体層のひび割れや剥がれが頗る少なくなり、外観の良好な屈曲部を備えた蛍光ランプを得ることができる。また、上記の範囲内であれば、微粒子の単位被着量c(mg/cm2)が0.05〜2mgの範囲内のいずれであってもひび割れや剥がれが頗る少なくなって、外観の良好な屈曲部を備えた蛍光ランプが得られる。なお、最適にはa/(a+b)が約0.2である。
請求項8の発明の蛍光ランプは、請求項6または7記載の蛍光ランプにおいて、保護膜は、微粒子の単位被着量をc(mg/cm2)としたとき、0.05≦c≦2mg/cm2であることを特徴としている。なお、微粒子の単位被着量c(mg/cm2)とは、保護膜の被着面1cm2当たりにおける微粒子の付着量をmgで表わしたときの値をいう。
本発明は、保護膜のガラスバルブの水銀に対する保護作用と、ガラスバルブの屈曲部における保護膜および蛍光体層のひび割れや剥がれ防止作用とを兼ね備えた保護膜の好適な構成を規定している。すなわち、微粒子の単位被着量c(mg/cm2)が0.05mg未満であると、保護膜によるガラスバルブの水銀に対する保護作用が十分でなくなる。また、微粒子の単位被着量c(mg/cm2)が2mgを超えると、保護膜と蛍光体層の間の界面で剥がれが生じやすくなる。
請求項9の照明装置は、照明装置本体と;照明装置本体に配設された請求項1ないし8のいずれか一記載の蛍光ランプと;蛍光ランプに周波数10kHz以上の高周波電圧を印加して点灯する高周波点灯回路と;を具備していることを特徴としている。
本発明において、「照明装置」とは、請求項1ないし8に規定する蛍光ランプの発光を利用する装置の全てを包含する広い概念であり、例えば照明器具、標識灯、表示灯および広告灯などが該当する。また、「照明装置本体」とは、照明装置から蛍光ランプおよび高周波点灯回路を除いた残余の部分をいう。照明装置は、蛍光ランプが例えば透光性グローブやセードのような部材によって閉じられた空間内において点灯する構成であることを許容する。しかし、外部に開放された状態で点灯するような構成であってもよい。
また、高周波点灯回路は、蛍光ランプを高周波点灯する回路手段であり、所望により高周波出力の切換手段を配設することができる。切換手段は、蛍光ランプを高効率点灯させる低電力モードと、高出力点灯させる高電力モードとを切り換えることができる構成であったり、これらモード間を連続的に変化させる構成であったりしてもよい。点灯回路の切換手段を切り換えることによって、蛍光ランプの点灯電力が調整される。
蛍光ランプは、照明器具本体の形状または照明器具の光学特性に合わせて取り付けられ、同一形状または異なる形状の複数の蛍光ランプを組み合わせて同一平面状またはバルブ同士の配設高さを変えて器具本体に装着することができる。また、請求項1の発明においての説明した多重管構造の蛍光ランプを用いれば、単一の高周波点灯回路を用いて上記と同様な光学特性が得られるとともに、電極損失が低減することにより高効率の照明を行うことができる。
そうして、本発明によれば、請求項1ないし8に規定する蛍光ランプを高周波点灯することにより、高効率で点灯する照明装置を得ることができる。
請求項1の発明によれば、保護膜が相対的に径大の粒子と微粒子が混合した状態でガラスバルブの内面に形成されていることにより、ガラスバルブの屈曲部における保護膜および蛍光体層がひび割れや剥がれを生じにくくなり、屈曲部を備えていて外観が良好であるとともに、管径が小さいために薄形で、かつ、高効率で点灯可能であって光出力特性が向上する蛍光ランプを提供することができる。
請求項2の発明によれば、ガラスバルブは、管長700〜3000mmのガラス管を内側の曲率半径10〜45mmとなるように略90°屈曲した屈曲部が形成されていることにより、加えて従来の細径の円形の環形蛍光ランプと同等の光出力を有するとともに屈曲部形成時の熱劣化の影響が少ない蛍光ランプを提供することができる。
請求項3の発明によれば、保護膜は、径大の粒子がアルカリ土類金属塩および蛍光体の少なくとも一種からなることにより、加えて保護膜の可視光透過率が良好な蛍光ランプを提供することができる。
請求項4の発明によれば、保護膜は、微粒子が金属酸化物からなることにより、加えて保護膜の可視光透過率が良好な蛍光ランプを提供することができる。
請求項5の発明によれば、保護膜は、径大の粒子がストロンチウムリン酸塩であり、微粒子がγアルミナであることにより、可視光透過率が良好で、しかも比較的容易に入手できて、安価であるとともに、保護膜および蛍光体層のひび割れや剥がれに対して優れた改善効果の得られる蛍光ランプを提供することができる。
請求項6の発明によれば、保護膜中の微粒子の質量aと径大の粒子の質量b比を0.1≦a/(a+b)≦0.5と規定したことにより、請求項1の作用が良好な屈曲部を備えた蛍光ランプを提供することができる。
請求項7の発明によれば、保護膜中の微粒子の質量aと径大の粒子の質量b比を0.15≦a/(a+b)≦0.4と規定したことにより、外観の良好な屈曲部を備えた蛍光ランプを提供することができる。
請求項8の発明によれば、保護膜中の微粒子の単位被着量をc(mg/cm2)を0.05≦c≦2mg/cm2としたことにより、保護膜のガラスバルブの水銀に対する保護作用と、ガラスバルブの屈曲部における保護膜および蛍光体層のひび割れや剥がれ防止作用とを兼ね備えた屈曲部を備えた蛍光ランプを提供することができる。
請求項9の発明によれば、請求項1ないし8の効果を有する照明装置を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の蛍光ランプおよび照明装置を実施するための形態を説明する。
図1は、本発明の蛍光ランプを実施するための第1の形態を、その一部の断面を拡大して示す正面図である。各図において、蛍光ランプFLは、ガラスバルブ1、保護層2、蛍光体層3、一対の電極4、4、放電媒体および口金Bを具備している。
ガラスバルブ1は、1本のガラス素管を局部的に加熱、軟化させることにより屈曲させて形成され、全体としてほぼ正方形をなしている。そして、正方形の4辺をなす4つの直管部1aと、それぞれ隅角部を形成する3つの屈曲部1cおよびガラス素管における両端部の2つの直管部1a、1aにそれぞれ形成され、かつ、細管1eを有する一対の端部1dが同一平面状に連接配置されている。
4つの直管部1aは、正方形の隣接する4辺を構成し、そのうち両端に位置する2つの端部1bは、その先端が直角に向かい合って近接し、かつ、後述する口金Bが端部1b、1b間を橋絡して装着されることによって、蛍光ランプとしての残余の1つの隅角部を構成している。屈曲部1cは、隣接する一対の直管部1a同志を直角につないでいる。一対の端部1d、1dは、両端の直管部1a、1aの自由端部にそれぞれ形成され、ガラス素管を後述の屈曲加工をする前に、それぞれ図示しない電極マウントのフレアステムをガラス素管の端部に封着することにより、封止されている。
なお、電極マウントは、フレアステム、細管1e、電極4およびリードワイヤからなる組立体であり、予め一体に組み立てられていて、ガラス素管の端部にフレアステムのフレア部分がガラス溶着される態様によって、それら一対が封着されている。そうして、ガラスバルブ1の封止、後述する細管1eのガラスバルブ1への接続、後述する電極4の封装および電極4からのリードワイヤの導出が行われる。また、ガラスバルブ1の両方の端部1dには、フレアステムを封着した際のモールド成形により図示しない絞り部が形成されている。しかし、所望により既知の他の封着構造、例えばステムガラスを備えない電極マウントを直接封着するピンチシール構造、ボタンステムやビードステムを備えた電極マウントを、当該ステムガラスを介して封着する構造などを用いて封着することができる。
そうして、ガラスバルブ1は、直管状のガラス素管のときにその内面に後述する保護膜2および蛍光体層3が重ねて形成され、一対の電極4、4が封装されてから、局部的に加熱軟化されることによって3つの屈曲部1cと4つの直管部1aとが略正方形を形成するように成形される。そして、同一平面状に連接配置されている。このときのガラスバルブ2の1辺の長さLは200mm以上とするのが好ましく、本形態の場合、Lは約300mmである。また、直管部1bの管外径は12〜20mm、肉厚は0.8〜1.5mmであり、本実施の形態の場合は管内径が約16mm、肉厚が約1.2mmである。
保護膜2は、図中部分的に拡大した断面で示しているように、ガラスバルブ1の内面に水溶性バインダーからなる塗布液を用いて塗布形成されている。そして、相対的に径大の粒子と微粒子とが混合した状態で膜厚約3〜25μmに形成されている。相対的に径大の粒子としては例えば平均粒径約2.5μmのSr2P2O7(リン酸ストロンチウム)が用いられている。また、微粒子としては例えば平均粒径約20nmのγ-Al2O3(γアルミナ)が用いられている。上記の微粒子と相対的に径大の粒子との混合比は1:2〜8である。なお、保護膜の被着量は、4.5mg/cm2以上である。
蛍光体層3は、保護膜3の上すなわち放電空間側に配設され、三波長発光形の蛍光体微粒子からなる。三波長発光形の蛍光体としては、450nm付近に発光ピーク波長を有する青系蛍光体としてBaMg2Al16O27:Eu2+、540nm付近に発光ピーク波長を有する緑系蛍光体として(La,Ce,Tb)PO4、610nm付近に発光ピーク波長を有する赤系蛍光体としてY2O3:Eu3+などが適用可能であるが、本発明はこれらに限定されない。また、蛍光体層3は、三波長発光形の蛍光体微粒子を塗布量3.0〜7.5mg/cm2、好ましくは6.0〜7.1mg/cm2の範囲内になるように水溶性の塗布液を用いて塗布し、乾燥・焼成工程を経て約10〜30μmの膜厚を有している。
そうして、後述する放電媒体の水銀蒸気放電によって放射される主として波長254nmの紫外光によって励起されたときに、蛍光体層3は、例えば相関色温度5000Kの白色光を発生する。しかし、蛍光ランプ3は、所望によりハロ燐酸塩蛍光体など周知の他の蛍光体を用いて構成することもできる。
一対の電極4、4は、電子放射性物質が塗布されたタングステンのトリプルコイルからなるフィラメント形であり、それぞれガラスバルブ1の両端部1d、1dに封装されている。また、一対の電極4、4は、フレアステムに封着された一対のリードワイヤの内端間に継線されることによって支持されている。
放電媒体は、希ガスおよび水銀蒸気からなり、希ガスとしてアルゴン(Ar)が低圧、例えば約320Paの圧力で封入されている。希ガスは、アルゴン(Ar)に代えるか付加してネオン(Ne)およびクリプトン(Kr)などの一種または複数種を選択して封入することができる。水銀蒸気は、主アマルガム6から供給されるように構成されている。主アマルガム6は、ビスマス(Bi)−錫(Sn)−鉛(Pb)系からなる水銀蒸気圧制御用のアマルガムであり、細管1e内に留置される。なお、所望により主アマルガムに加えて補助アマルガムを用いることができる。なお、補助アマルガムは、ステンレス鋼の基板にめっきされたインジウム(In)膜からなり、ガラスバルブ1内の水銀蒸気と反応してアマルガムを形成し、主として始動時に水銀蒸気を供給して光束立ち上がりを早めるように作用する。なお、本形態においては、放電媒体としての水銀蒸気を所定圧力に維持するために、水銀蒸気圧制御用の主アマルガム6を用いているが、ガラスバルブ1の屈曲部2cの断面形状を、略三角形状や略四角形形状に成形することによって、当該部分に最冷部が形成されるようにすれば、液体水銀を用いることもできる。すなわち、屈曲部2cが外側方向に突出する形状であると、放電路が内側に形成されるため非放電領域を大きくなって冷却効果の高い最適な最冷部を得ることが可能となり、水銀蒸気圧制御用のアマルガムを使用しなくても温度特性を向上させることができる。
口金Bは、4つの口金ピン7を備えていて、ガラスバルブ1の両端部1d間を橋絡するように直角なエルボ状をなしている。口金ピン7は、電極4から外部へ導出された図示していないリードワイヤに接続している。したがって、本形態においては、上記口金Bとガラスバルブ1の屈曲部1cとで四角形の4つの偶角部が形成されている。
次に、本形態の実施例および比較例についての試験結果を説明する。試験は、実施例および比較例の蛍光ランプを1200時間の連続点灯して行い、その後、ガラスバルブ1の屈曲部1cにおける屈曲部亀裂(蛍光体層3の亀裂の有無およびその程度)、全光束ならびにパフォーマンスついて調査した。結果は以下の表1に示すとおりであった。なお、実施例および比較例は、保護膜2の構成が以下に列挙するように異なる以外が同一仕様の蛍光ランプである。
実施例1:微粒子γ-Al2O3、径大の粒子Sr2P2O7、混合割合1:4、膜厚5μm
実施例2:微粒子γ-Al2O3、径大の粒子Sr2P2O7、混合割合1:4、膜厚10μm
比較例1:微粒子γ-Al2O3、径大の粒子 − 、 − 、膜厚0.1μm
比較例2:微粒子γ-Al2O3、径大の粒子 − 、 − 、膜厚1μm
なお、表中屈曲部亀裂における評価記号の意味は次のとおりである。
◎:極めて良好、○:良好、×:不良
全光束は、点灯100時間における実施例1を基準とする相対値である。パフォーマンスは、全光束の点灯初期値に対する割合である。
〔表1〕
蛍光ランプ 屈曲部亀裂 全光束(%) パフォーマンス(%)
実施例1 ◎ 100 78
実施例2 ○ 102 80
比較例1 ○ 97 70
比較例2 × 95 65

本形態において、蛍光ランプFLを以下の寸法とすることができる。すなわち、従来の30W形の環形蛍光ランプに相当するものは、ガラスバルブ2の全長Lが225mm、内側最大幅が192mm、管外径が16mm、ガラスバルブ2の肉厚が1.0mmに形成される。この蛍光ランプは、定格ランプ電力が20W、高出力特性時のランプ電力が27Wである。また、従来の32W形の環形蛍光ランプに相当するものは、ガラスバルブ2の全長Lが299mm、内側最大幅が267mm、管外径が16mm、ガラスバルブ2の肉厚が1.0mmに形成される。この蛍光ランプの定格ランプ電力は27W、高出力特性のランプ電力38Wで点灯される。従来の40W形の環形蛍光ランプに相当するものは、ガラスバルブ2の全長Lが373mm、内側最大幅が341mm、管外径が16mm、ガラスバルブ2の肉厚が1.0mmに形成される。この蛍光ランプは、定格ランプ電力が34W、高出力特性時のランプ電力が48Wである。
次に、本形態における動作について説明する。蛍光ランプFLは、口金Bを経由して一対の電極4、4間に高周波電圧が印加されると、放電容器DV内に発生する低圧水銀蒸気放電により点灯する。そして、蛍光ランプFLは、ランプ電力が20W以上、ランプ電流が200mA以上、管壁負荷が0.05W/cm2以上、ランプ効率が50lm/W以上となるように点灯される。また、直管部1bの断面積あたりのランプ電流であるランプ電流密度は、75mA/cm2以上である。本形態の場合には、ランプ電力は50W、ランプ電流は380mA、ランプ効率は90lm/Wである。なお、保護膜2に用いられているSr2P2O7(リン酸ストロンチウム)は、高反射率特性を有する物質なので、保護膜2の膜厚を5〜20μm、好ましくは5〜15μmとすることによって、蛍光体層3の膜厚を8〜20μmにしても、十分な光出力が得られる。このため、蛍光体の使用量を削減することができる。また、保護膜2、蛍光体層3ともに有機系バインダーを使用しないで水溶性の塗布液によって塗布形成されているので、初期光束が多くて、光束維持率も優れている。
次に、本形態において、保護膜2の微粒子の割合とその被着量を種々変化させた試作ランプを製作して、蛍光体層の剥がれについて調査した結果を表2および図2を参照しながら以下に説明する。
測定条件:点灯9000時間後、目視による観察
評価結果:◎頗る良好、○良好(わずかな剥がれを許容する)、△一部剥がれ、×顕著な剥がれ
微粒子の割合:微粒子の質量をa、径大の粒子の質量をbとしたときの{a/(a+b)}×100(%)
〔表2〕
微粒子の割合 微粒子の被着量
0.05mg/cm2 0.1mg/cm2 0.2mg/cm2
0 × × ×
1 △ △ ×
10 ○ ○ ○
20 ◎ ◎ ◎
30 ◎ ◎ ○
40 ○ ○ ○
50 ○ ○ ○
60 ○ △ △
80 △ × ×

図2は、試験に供した蛍光ランプの光束維持率を示すグラフであり、横軸が微粒子の割合(%)を、縦軸が点灯開始後100時間経過時の全光束(lm)を100%としたときの9000時間経過時の光束維持率(%)を、それぞれ示す。また、図中、曲線Aは微粒子の被着量が0.05mg/cm2、曲線Bは微粒子の被着量が0.1mg/cm2、曲線Cは微粒子の被着量が0.2mg/cm2である。
図から理解できるように、いずれの被着量においても、微粒子の割合が10〜50%の範囲全体にわたり光束維持率が70%以上を達成していることが認められる。また、光束維持率は、被着量0.2mg/cm2<0.05mg/cm2<0.1mg/cm2の順で高くなっている。
以下、図3ないし図5を参照して本発明の蛍光ランプを実施するためのその他の形態について説明する。なお、各図において、図1と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。
図3は、本発明の蛍光ランプを実施するための第2の形態を、その一部の断面を拡大して示す正面図である。本形態は、口金Bが正方形の1辺の中央に配設されている。このために、ガラスバルブ1は、一対の直管部1bの端部1dが一直線状をなすように延在し、かつ、それらの先端が接近して対向している。そして、一対の端部1d間を口金Bによって橋絡することによって蛍光ランプFLの正方形の1辺が形成されている。
図4は、本発明の蛍光ランプを実施するための第3の形態を示す正面図である。本形態は、ガラスバルブ1が同心2重環構造を備えている。
すなわち、ガラスバルブ1は、同一平面内に配置された外側環状部1A、内側環状部1Bおよび連通部1Cを備えて1本の屈曲した放電路を形成して構成されている。外側環状部1Aおよび内側環状部1Bは、それぞれの管外径が同じであることを除けば相似のほぼ正方形状をなしている。連通部1Cは、外側環状部1Aおよび内側環状部1Bを連通していて、ガラスバルブ1の内部に1本の放電路を形成している。放電路は、一端が外側環状部1Aにおける直管部1a1の一方の端部1dで口金B内に挿入されている部分から反時計回りに直管部1a2、1a3を通過して直管部1a4の他方の端部1dへ通じ、さらに連通部1Cを経由して内側環状部1Bの他方の端部1d´に入り、時計回りに直管部1a4´、1a3´、1a2´を通過して直管部1a1´の一方の端部1d´で口金B内に挿入されている部分に至る。
連通部1Cは、外側環状部1Aおよび内側環状部1Bの図において左側の端部1d側から吹き破りによってそれぞれの環状部1A、1Bから突出して形成された管体を互いに溶着して接続することによって形成されている。連通部1Cが配設される位置は、外側環状部1Aおよび内側環状部1Bの端部1dの内部に放電アークが進入しない空間が形成されるように先端から10〜40mmの距離を残すように設定されている。なお、連通部1Cを上記の方法によって製造しやすくするために、外側環状部1Aおよび内側環状部1Bの間に形成される隙間gを5.0〜10.0mmに設定するのが好ましい。また、連通部1Cは、図において口金Bから少し離間した位置に配置されているが、要すれば口金Bの内部に配設されて外部から見えないように構成することができる。また、連通部1Cが口金Bに隣接する位置または一部が口金B内に位置するように構成することもできる。
ガラスバルブ1における外側環状部1Aの正方形の1辺の大きさは250mm以上、内側環状部1Bの正方形の1辺の大きさは200mm以上にするのがよい。また、両環状部1A、1Bの管外径が12〜20mm、肉厚が0.8〜1.5mmである。実施例としては、外側環状部1Aの正方形の1辺の大きさが300mm、内側環状部1B同様の大きさが250mm、管外径が14mm、肉厚が1.2mmである。さらに、外側環状部1Aおよび内側環状部1Bの屈曲部1c、1c´は、次の範囲であるのがよい。すなわち、外側環状部1Aの外側曲率半径が45〜70mm(実施例56.5mm)、同内側曲率半径が30〜55mm(実施例40mm)、内側環状部1Bの外側曲率半径が25〜45mm(実施例31.5mm)、同内側曲率半径が13〜20mm(実施例15mm)に設定するのがよい。なお、屈曲部1c、1c´における管外径は、直管部1a1〜1a4、1a1´〜1a4´における管外径にほぼ等しくなるように成型するのが望ましい。
口金B内においては、上記放電路の両端になる外側環状部1Aの図において上側から口金B内に挿入されている一方の端部1dと内側環状部1Bの一方の端部1d´に封着された一対の電極(図示しない。)から導出されたリードワイヤを口金ピンに接続している。
なお、所望により外側環状部1Aおよび内側環状部1Bの間の隙間gにシリコーン樹脂などの緩衝性物質を充填して両環状部1A、1B間を固定することにより、ガラスバルブ1の耐振強度を高めることができる。
次に、本形態における蛍光ランプの点灯動作について説明する。ランプ入力電力40W以上(実施例60W)、ランプ電流200A以上(実施例380mA)、管壁負荷0.05W/cm2以上、ランプ効率50lm/W以上(実施例90lm/W)になるように点灯される。また、直管部1a1〜1a4、1a1´〜1a4´における断面積当たりのランプ電流密度75mA/cm2以上である。また、点灯中のガラスバルブ1の温度は、80℃まで上昇するが、最適温度の最冷部が形成されるので、ガラスバルブ1内の水銀蒸気圧が適正となり、高いランプ効率を得ることができる。
図5は、本発明の蛍光ランプを実施するための第4の形態を示す正面図である。本形態は、図4に示す第3の形態におけるのと同様に同心2重環構造を備えているが、口金Bが図2におけるのと同様に口金Bが正方形の1辺の中央に配設されている点で異なる。放電路は、上記第3の形態におけるのと同様にガラスバルブ1の図において口金Bの右側に位置する外側環状部1Aおよび内側環状部1Bの直管部1b、1b´が両端となり、口金Bの図において左側に位置する直管部1b、1b´に配設された連通部1Cを折り返し点とする構成となっている。
図6は、本発明の照明装置を実施するための一形態としての天井取付形照明器具を示し、図10(a)は正面図、図10(b)は側面図である。なお、各図において、図1と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。天井取付形照明器具は、照明器具本体11、蛍光ランプFLおよび高周波点灯回路からなる。
照明器具本体11は、天井に取り付けられて使用され、白色反射体11a、ランプソケット11bおよびランプホルダ11cなどを備えている。白色反射体11aは、照明器具本体11の下面中央部に配置され、四角錐形状のピラミッド形をなしている。ランプソケット11bは、蛍光ランプFLに給電するための接続手段であり、蛍光ランプFLの口金Bに対向する位置に配設されている。ランプホルダ11cは、蛍光ランプのガラスバルブ1を横断的に包持して蛍光ランプFLを保持する。
蛍光ランプFLは、図7に示す蛍光ランプであり、口金Bがランプソケット11bに接続され、ガラスバルブ1がランプホルダ11cに保持されることにより、照明器具本体11の所定の位置に装着されている。
高周波点灯回路(図示を省略している。)は、低周波交流電源から入力を得てこれを高周波電力に変換し、ランプソケット11bを経由して高周波出力を蛍光ランプFLに供給する手段であるが、照明器具本体11内の白色反射体11aの背方に形成された空間に配設されている。
そうして、照明器具本体11の四角錐形状の反射体13が四角形をなす蛍光ランプFLの中心に配設されているので、器具下側方向への配光特性が四角形になり、四角い部屋内の均一な照明に好適である。
なお、前記蛍光ランプの蛍光体層は、適量(一般的には0.05〜0.5質量%の範囲、例えば0.3質量%)のリン酸塩またはホウ酸塩などの結着剤が溶解した水と例えばアンモニウムポリメタアクリレート(APMA)などの粘結剤を混合し、さらに蛍光体と金属酸化物微粒子を混合して調整された塗布液を塗布して形成してもよい。る。上記リン酸塩またはホウ酸塩は、蛍光体層3の焼成時には溶融しないが、ガラスバルブ1の屈曲部1cを成形する曲げ工程の際の高い加熱温度で溶融して、屈曲部1cにおける蛍光体層3を結着する。このような蛍光体層は、粘結性が高い塗布液により形成されるので、屈曲部におけるひび割れを抑制できる。第1の実施形態のような径大の粒子を使用した保護膜を用いる必要がなくなる。また、結着剤に使用されるリン酸塩としては、リン酸カリウム(KPO3)、ホウ酸カリウム(K2O2(B2O3)・5H2O)などを挙げることができる。
本発明の蛍光ランプを実施するための第1の形態を、その一部の断面を拡大して示す正面図 試験に供した蛍光ランプの光束維持率を示すグラフ 本発明の蛍光ランプを実施するための第2の形態を、その一部の断面を拡大して示す正面図 本発明の蛍光ランプを実施するための第3の形態を示す正面図 本発明の蛍光ランプを実施するための第4の形態を示す正面図 本発明の照明装置を実施するための一形態としての天井取付形照明器具を示し、図6(a)は正面図、図6(b)は側面図
符号の説明
1…ガラスバルブ、1a…直管部、1b…直管部、1c…屈曲部、1d…端部、1e…細管、4…電極、6…主アマルガム、7…口金ピン、FL…蛍光ランプ

Claims (9)

  1. 管外径12〜20mmのガラス管を部分的に屈曲することにより形成された屈曲部および直管部を含み、全体としてほぼ閉じた形状を有するガラスバルブと;
    平均粒径1.0μm以上の径大の粒子と平均粒径10〜100nmの微粒子が混合した状態でガラスバルブの内面に形成された保護膜と;
    ガラスバルブの保護膜の上に形成された蛍光体層と;
    ガラスバルブの両端内部に封装された一対の電極と;
    ガラスバルブの内部に封入された放電媒体と;
    を具備していることを特徴とする蛍光ランプ。
  2. ガラスバルブは、管長700〜3000mmの直管状ガラス管を内側の曲率半径が10〜45mmとなるように略90°屈曲した屈曲部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の蛍光ランプ。
  3. 保護膜は、径大の粒子がアルカリ土類金属塩および蛍光体の少なくとも一種からなることを特徴とする請求項1または2記載の蛍光ランプ。
  4. 保護膜は、微粒子が金属酸化物からなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の蛍光ランプ。
  5. 保護膜は、径大の粒子がストロンチウムリン酸塩であり、微粒子がγアルミナであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一記載の蛍光ランプ。
  6. 保護膜は、その径大の粒子の質量をa、微粒子の質量をbとしたとき、0.1≦a/(a+b)≦0.5であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一記載の蛍光ランプ。
  7. 保護膜は、その径大の粒子の質量をa、微粒子の質量をbとしたとき、0.15≦a/(a+b)≦0.4であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一記載の蛍光ランプ。
  8. 保護膜は、微粒子の単位被着量をc(mg/cm2)としたとき、0.05≦c≦2mg/cm2であることを特徴とする請求項6または7記載の蛍光ランプ。
  9. 照明装置本体と;
    照明装置本体に配設された請求項1ないし8のいずれか一記載の蛍光ランプと;
    蛍光ランプに周波数10kHz以上の高周波電圧を印加して点灯する高周波点灯回路と;
    を具備していることを特徴とする照明装置。
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