JP2005294218A - 固体高分子電解質、固体高分子電解質膜、及び燃料電池 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、新規な固体高分子電解質、固体高分子電解膜、これらの製造方法、及びこれらを用いた燃料電池に関する。更に詳しくは、燃料電池、水電解、ハロゲン化水素酸電解、食塩電解、酸素濃縮器、湿度センサ、ガスセンサ等に用いられる電解質膜等に好適な、水のない状態でイオン伝導性を有する固体高分子電解質、固体高分子電解膜に関するものである。
固体高分子電解質は、高分子鎖中にスルホン酸基等の電解質基を有する固体高分子材料であり、特定のイオンと強固に結合したり、陽イオン又は陰イオンを選択的に透過する性質を有していることから、粒子、繊維、あるいは膜状に成形し、電気透析、拡散透析、電池隔膜等、各種の用途に利用されているものである。
例えば、燃料電池は、電池内で水素やメタノール等の燃料を電気化学的に酸化することにより、燃料の化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換して取り出すものであり、近年、クリーンな電気エネルギー供給源として注目されている。特にプロトン交換膜を電解質として用いる固体高分子型燃料電池は、高出力密度が得られ、低温作動が可能なことから電気自動車用電源として期待されている。
このような固体高分子型燃料電池の基本構造は、電解質膜と、その両面に接合された一対の、触媒層を有するガス拡散電極とで構成され、更にその両側に集電体を配する構造からなっている。そして、一方のガス拡散電極(アノード)に燃料である水素やメタノールを、もう一方のガス拡散電極(カソード)に酸化剤である酸素や空気をそれぞれ供給し、両方のガス拡散電極間に外部負荷回路を接続することにより、燃料電池として作動する。このとき、アノードで生成したプロトンは電解質膜を通ってカソード側に移動し、カソードで酸素と反応して水を生成する。ここで電解質膜はプロトンの移動媒体、及び水素ガスや酸素ガスの隔膜として機能している。従ってこの電解質膜としては高いプロトン伝導性、強度、化学的安定性が要求される。
一方、ガス拡散電極の触媒としては、一般に白金等の貴金属をカーボン等の電子伝導性を有する担体に担持したものが用いられている。このガス拡散電極に担持されている触媒上へのプロトン移動を媒介し、該触媒の利用効率を高める目的で、電極触媒結合剤としてやはりプロトン伝導性高分子電解質が用いられているが、この材料としてもイオン交換膜と同じパーフルオロスルホン酸ポリマー等のスルホン酸基を有する含フッ素ポリマーを使用することができる。ここでは電極触媒結合剤であるスルホン酸基を有する含フッ素ポリマーはガス拡散電極の触媒のバインダーとして、あるいはイオン交換膜とガス拡散電極との密着性を向上させるための接合剤としての役割も担わせることもできる。
ところで、パーフルオロスルホン酸膜に代表されるフッ素系電解質は、C−F結合を有しているために化学的安定性が非常に高く、上述した燃料電池用、水電解用、あるいは食塩電解用の固体高分子電解質膜の他、ハロゲン化水素酸電解用の固体高分子電解質膜としても用いられ、更にはプロトン伝導性を利用して、湿度センサ、ガスセンサ、酸素濃縮器等にも広く応用されているものである。
燃料電池の電解質膜としては、パーフルオロアルキレンを主骨格とし、一部にパーフルオロビニルエーテル側鎖の末端にスルホン酸基、カルボン酸基等のイオン交換基を有するフッ素系膜が主として用いられている。パーフルオロスルホン酸膜に代表されるフッ素系電解質膜は、化学的安定性が非常に高いことから、過酷な条件下で使用される電解質膜として賞用されている。この様なフッ素系電解質膜としては、Nafion膜(登録商標、DuPont社)、Dow膜(Dow Chemical社)、Aciplex膜(登録商標、旭化成工業(株)社)、Flemion膜(登録商標、旭硝子(株)社)等が知られている。
現状の固体高分子型燃料電池は、室温から80℃程度の比較的低い温度領域で運転される。この運転温度の制限は以下のような要因による。
(1)水をプロトン伝導媒体として使用するため、水の沸点である100℃を超えると加圧が必要となり、装置が大がかりとなる。
(2)用いられているフッ素系膜が130℃近辺にTgを有し、これよりも高温領域ではプロトン伝導に寄与しているイオンチャネル構造が破壊されてしまう。実質的には100℃以下でしか使用できない。
(1)水をプロトン伝導媒体として使用するため、水の沸点である100℃を超えると加圧が必要となり、装置が大がかりとなる。
(2)用いられているフッ素系膜が130℃近辺にTgを有し、これよりも高温領域ではプロトン伝導に寄与しているイオンチャネル構造が破壊されてしまう。実質的には100℃以下でしか使用できない。
運転温度が低いことは、燃料電池にとっては発電効率が低くなるというデメリットを生じる。仮に、運転温度を100℃以上とすると発電効率は向上し、更に廃熱利用が可能となるためにより効率的にエネルギーを活用できる。また、運転温度を120℃まで上昇させることができれば、効率の向上、廃熱利用だけではなく、触媒材料選択の幅が広がり、安価な燃料電池を実現することができる。
一方、現在のプロトン伝導性膜ではプロトン伝達の役割を担う物質として、水の存在が必須であることも高温作動を困難にしている原因の一つである。Nafionに代表されるプロトン伝導性膜は、その膜中の水の含有量によりプロトン伝導性能が大きく左右され、水が存在しない場合にはプロトン伝導性を示さない。このため、100℃を超える高温では加圧が必要となり、装置への負担が大きくなる。特に150℃を超える場合にはかなりの高圧が必要となるため、燃料電池のコストアップになるだけでなく、安全性の面からも好ましくない。他方、膜中に水が存在することは、氷点下では水が凍って、プロトン伝導性膜の破壊をもたらす。
また、現在のように室温から80℃程度で運転する場合においても、水が必須であるという点は大きな課題の一つである。常時水を存在させるためには、例えば水素等の燃料を加湿状態にして送り込む必要がある。燃料加湿による膜中の厳密かつ複雑な水分量管理が必要なこと自体が燃料電池の構造を複雑化させたり、故障等の原因となる。
このように、従来提案されているパーフルオロスルホン酸系の固体電解質膜はプロトン伝導に水を必要とするために、供給燃料・酸化剤を加湿する必要がある。又、パーフルオロスルホン酸系固体電解質膜は種々の劣化要因により分解された際に酸性物質を排出する可能性があり、周辺部位に影響を及ぼす恐れがある。更に、スルホン酸基の自由度を向上させるために柔軟な分子構造をとっているため、安定性に欠けている。
結局、パーフルオロスルホン酸系電解質は製造が困難で、非常に高価であるという欠点があるとともに、パーフルオロスルホン酸系電解質は燃料電池等の高温動作に十分対応出来ない等の問題があった。
そのため、パーフルオロスルホン酸系電解質に代わるイオン伝導性・イオン交換性材料の開発が望まれていた。その一つが、下記特許文献1に開示される、炭素を主骨格に有する有機重合体と、金属−酸素結合による3次元架橋構造体とを有し、膜内にイオン伝達物質を有するイオン伝導性膜である。
上記特許文献1に開示される3次元架橋構造体は、有機・無機材料からなるイオン伝導性膜であるため、無機材料成分によって耐熱性は向上するものの、反面強度が十分でなく、脆くなってしまうため、加工時に応力がかかると破損する。これは、上記3次元架橋構造体に、引っ張り強度や可撓性が不足していることが原因である。しかも、上記3次元架橋構造体は、イオン伝導性が十分でなく、特に高温低湿度時にはイオン伝導性が低いという問題があった。
本発明は上記従来の固体高分子電解質が有する課題を解決することを目的とする。即ち、水が無い状態、又は低水分下でも、プロトン又はアンモニウム伝導性に優れ、強度に優れ、熱安定性・化学安定性が高く、かつ製造が容易で低コストである炭化水素系固体高分子電解質、及び固体高分子電解質膜を提供することを目的とする。又、水が無い状態、又は低水分下で高温動作に対応し得る燃料電池を実現することを目的とする。
本発明者は鋭意研究した結果、特定の主鎖骨格及び官能基を有する高分子化合物によって、上記課題が解決されることを見出し本発明に到達した。
即ち、第1に、本発明は固体高分子電解質自体に関し、キノン構造を主鎖とし、該キノン構造のカルボニル基と協同してプロトン又はアンモニウムイオンを非局在化できる官能基を有する下記一般式(1)で表される固体高分子電解質である。ここで、官能基、Aはカルボニル基と共役してプロトン又はアンモニウムイオンを非局在化できる官能基であり、nは2以上の整数である。
ここで、官能基Aの具体例としては、
−OH,
−SO3H,
−PO3H2,
−NHSO2CF2,
−O−NH4 +
が好ましく例示される。
−OH,
−SO3H,
−PO3H2,
−NHSO2CF2,
−O−NH4 +
が好ましく例示される。
官能基Aが−OHである場合を例にして、固体高分子電解質のプロトン伝導性を説明する。下記化学式(2)で表される固体高分子電解質の水酸基のH原子は下記化学式(12)のようにキノン構造のカルボニル基と共役して非局在化する。即ち、該H原子はキノン構造と共鳴する。
下記化学式(13)のように、非局在化したH原子は、高分子の主鎖であるキノン構造中の隣接するカルボニル基を介して、プロトンとなって移動する。本発明の高分子電解質は隣接するカルボニル基間の距離は短く、プロトン移動は容易である。下記化学式(13)では、上記化学式(2)で表される固体高分子電解質のプロトン伝導を説明したが、化学式(3)、(4)、(5)で表される固体高分子電解質の場合も同様に固体高分子電解質中をプロトン伝導する。又、化学式(6)で表される固体高分子電解質の場合もアンモニウムイオンが非局在化することにより、同様に固体高分子電解質中をアンモニウムイオンが伝導する。
本発明の固体高分子電解質の分子量は重量平均分子量で100以上である。ここで、重量平均分子量が100未満になると固体電解質としての機能が充分に発揮できない。
尚、本発明の固体高分子電解質は無水状態でも優れたプロトン伝導性又はアンモニウムイオン伝導性を有するが、少量の水の存在下でも優れたプロトン伝導性又はアンモニウムイオン伝導性を示す。特に、化学式(3)で表される固体高分子電解質は水の存在下で優れたプロトン伝導性を示し、化学式(4)で表される固体高分子電解質は少量の水の存在下で優れたプロトン伝導性を示し、化学式(6)で表される固体高分子電解質はリン酸の存在下で優れたプロトン伝導性を示す。
又、本発明の固体高分子電解質にはプロトン伝導性付与剤を有することができる。プロトン伝導性付与剤としては、プロトンを放出するいわゆる酸化合物を用いる。酸の種類としてはリン酸、硫酸、スルホン酸、カルボン酸、ホウ酸、無機固体酸、及びその誘導体等を用いることができ、また、これらを併用してもよい。
従来提案されているパーフルオロスルホン酸系の固体電解質膜はプロトン伝導に水を必要とするために供給燃料、酸化剤を加湿する必要がある。これに対して、本発明ではプロトン又はアンモニウムイオンが非局在化することにより、プロトン伝導又はアンモニウムイオン伝導するため、電解質に水を含まない条件下でのプロトン移動又はアンモニウムイオン移動が可能である。
第2に、本発明は固体高分子電解質膜に関し、上記固体高分子電解質の1種以上からなる固体高分子電解質膜である。本発明の高分子電解質膜は、低含水状態又は無水状態でも充分なプロトン伝導性を示す。成膜法については、限定されない。本発明の固体高分子電解質粉末を適当なバインダーと混合し、製膜することができる。又、本発明の固体高分子電解質は、フッ素系樹脂ではなく、且つ3次元的構造ではないので、適当な溶媒に溶解することができる。製膜方法として、溶液を平板上にキャストするキャスト法、ダイコータ、コンマコ一夕等により平板上に溶液を塗布する方法、溶融した高分子材料を延伸等する方法等の一般的な方法も採用できる。
第3に、本発明は燃料電池用電極に関し、上記固体高分子電解質の1種以上を用いた固体高分子型燃料電池用電極である。
第4に、本発明は固体高分子型燃料電池に関し、高分子固体電解質膜(a)と、この電解質膜に接合される、触媒金属を担持した導電性担体とプロトン交換材料からなる電極触媒を主要構成材料とするガス拡散電極(b)とで構成される膜/電極接合体(MEA)を有する固体高分子型燃料電池において、該高分子固体電解質膜及び/又は該プロトン交換材料が上記の固体高分子電解質又は上記の固体高分子電解質膜であることを特徴とする。
本発明の高分子固体電解質及び/又は高分子固体電解質膜を燃料電池に用いることで、製造が容易で低コストであり、高温作動性に優れ、機械的強度に優れた燃料電池を得ることが出来る。
第5に、本発明は固体高分子電解質の製造法に関する。
上記一般式(2)で表されるポリジオキシベンゾキノンは、下記一般式(7)で表されるように、1,4−ジフルオロ−3,6−ジアルコキシベンゼン(1,4−FMB)を、バナジウム触媒の存在下に重合させ、得られた中間重合体をアルカリ雰囲気下に加水分解し、酸で中和して得られる。
ここで、バナジウム触媒としてバナジウムジカルボニル錯体が例示され、特にVO(CH3COCHCOCH3)2又はVO(CF3COCHCOCH3)2が好ましく例示され、該触媒とトリフルオロスルホン酸の存在下、溶媒としてメチルスルホニルエーテルを用いて1,4−FMBを重合させ、得られた中間重合体を水酸化ナトリウム水溶液で加水分解し、塩酸水溶液で中和して得られる。
上記一般式(3)で表されるポリジスルホン酸ベンゾキノンは、下記一般式(8)で表されるように、ポリジオキシベンゾキノンに硫酸水溶液を反応させて得られる。
上記一般式(4)で表されるポリジホスホン酸ベンゾキノンは、下記一般式(9)で表されるように、ポリジオキシベンゾキノンにリン酸水溶液を反応させて得られる。
上記一般式(5)で表されるポリジトリフルオロメタンスルホニルアミンは、下記一般式(10)で表されるように、1,4−ジフルオロ−3,6−ジアルコキシベンゼンを、バナジウム触媒及びCF3SO2NHCOCF3の存在下、酸素流通下に重合させて得られる。
上記一般式(6)で表されるポリジアンモニウムオキシベンゾキノンは、下記一般式(11)で表されるように、ポリジオキシベンゾキノンにアンモニアを反応させて得られる。
従来のパーフルオロスルホン酸系の固体電解質膜は、プロトン伝導に水を必要とするために供給燃料、酸化剤を加湿する必要がある。これに対して、本発明ではプロトン又はアンモニウムイオンが非局在化することにより、プロトン伝導又はアンモニウムイオン伝導するため、電解質に水を含まない条件下でのプロトン移動又はアンモニウムイオン移動が可能である。これにより、高温での燃料電池運転が可能となる。
又、従来のパーフルオロスルホン酸系電解質膜は、有機高分子の固体状態を利用したものであって、高温になって有機高分子が軟化した場合にはイオンチャネル構造が失われ、イオン伝導性を失う。本発明では、適度な柔軟性と耐熱性を併せ持たせた芳香族系の高分子電解質であるため、イオン伝導性、強度、耐熱性を向上させる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明する。
[固体高分子電解質の合成]
(実施例1)
上記一般式(2)で表されるポリジオキシベンゾキノンを上記反応式(7)により合成した。出発物質の1,4−ジフルオロ−3,6−ジアルコキシベンゼン(1,4−FMB)60gに、バナジウム触媒として、VO(CH3COCHCOCH3)225gと、CF3SO3H30g、(CH3SO2)O30gをフラスコに入れ、150℃のオイルバスで48時間還流する。その後4NNaOH300mlをフラスコ内に追加し、80℃で、24時間還流を行った。溶液を真空乾燥法により蒸発させ、HCl水溶液750mlをフラスコ内に注ぎ、4時間還流を行う。
得られたポリマーをろ過、純水洗浄した後乾燥させた。純度80.1%、64%の収率で目的のポリジオキシベンゾキノン(Poly(dihydroxybenzoquinone))を得た。
(実施例1)
上記一般式(2)で表されるポリジオキシベンゾキノンを上記反応式(7)により合成した。出発物質の1,4−ジフルオロ−3,6−ジアルコキシベンゼン(1,4−FMB)60gに、バナジウム触媒として、VO(CH3COCHCOCH3)225gと、CF3SO3H30g、(CH3SO2)O30gをフラスコに入れ、150℃のオイルバスで48時間還流する。その後4NNaOH300mlをフラスコ内に追加し、80℃で、24時間還流を行った。溶液を真空乾燥法により蒸発させ、HCl水溶液750mlをフラスコ内に注ぎ、4時間還流を行う。
得られたポリマーをろ過、純水洗浄した後乾燥させた。純度80.1%、64%の収率で目的のポリジオキシベンゾキノン(Poly(dihydroxybenzoquinone))を得た。
(実施例2)
触媒をVO(acac)2からVO(CF3COCHCOCH3)2に変更した以外は、実施例1と同様に行ったところ、純度90.25%、49%の収率で目的のポリジオキシベンゾキノンを得た。この触媒を使用することにより、収量は減少したものの、純度の大幅な向上が見られた。
触媒をVO(acac)2からVO(CF3COCHCOCH3)2に変更した以外は、実施例1と同様に行ったところ、純度90.25%、49%の収率で目的のポリジオキシベンゾキノンを得た。この触媒を使用することにより、収量は減少したものの、純度の大幅な向上が見られた。
(実施例3)
上記一般式(3)で表されるポリジオキシベンゾキノンを上記反応式(8)により合成した。出発物質のポリジオキシベンゾキノンは実施例1で得られたものを使った。ポリジオキシベンゾキノンに硫酸水溶液を、室温で、48時間反応させ、ポリジスルホン酸ベンゾキノンを得た。
上記一般式(3)で表されるポリジオキシベンゾキノンを上記反応式(8)により合成した。出発物質のポリジオキシベンゾキノンは実施例1で得られたものを使った。ポリジオキシベンゾキノンに硫酸水溶液を、室温で、48時間反応させ、ポリジスルホン酸ベンゾキノンを得た。
(実施例4)
上記一般式(4)で表されるポリジホスホン酸ベンゾキノンを上記反応式(9)により合成した。出発物質のポリジオキシベンゾキノンは実施例1で得られたものを使った。ポリジオキシベンゾキノンにリン酸水溶液を、120℃で、48時間反応させ、ポリジホスホン酸ベンゾキノンを得た。
上記一般式(4)で表されるポリジホスホン酸ベンゾキノンを上記反応式(9)により合成した。出発物質のポリジオキシベンゾキノンは実施例1で得られたものを使った。ポリジオキシベンゾキノンにリン酸水溶液を、120℃で、48時間反応させ、ポリジホスホン酸ベンゾキノンを得た。
(実施例5)
上記一般式(5)で表されるポリジホスホン酸ベンゾキノンを上記反応式(10)により合成した。出発物質の1,4−ジフルオロ−3,6−ジアルコキシベンゼン(1,4−FMB)に、触媒として、VO(CH3COCHCOCH3)2と、CF3SO2NHCOCF3の存在下、酸素流通下に、150℃で、48時間重合させ、ポリジトリフルオロメタンスルホニルアミンを得た。
上記一般式(5)で表されるポリジホスホン酸ベンゾキノンを上記反応式(10)により合成した。出発物質の1,4−ジフルオロ−3,6−ジアルコキシベンゼン(1,4−FMB)に、触媒として、VO(CH3COCHCOCH3)2と、CF3SO2NHCOCF3の存在下、酸素流通下に、150℃で、48時間重合させ、ポリジトリフルオロメタンスルホニルアミンを得た。
(実施例6)
上記一般式(6)で表されるポリジホスホン酸ベンゾキノンを上記反応式(11)により合成した。出発物質のポリジオキシベンゾキノンは実施例1で得られたものを使った。ポリジオキシベンゾキノンにアンモニアを、室温で、48時間反応させ、ポリジアンモニウムオキシベンゾキノンを得た。
上記一般式(6)で表されるポリジホスホン酸ベンゾキノンを上記反応式(11)により合成した。出発物質のポリジオキシベンゾキノンは実施例1で得られたものを使った。ポリジオキシベンゾキノンにアンモニアを、室温で、48時間反応させ、ポリジアンモニウムオキシベンゾキノンを得た。
[プロトン伝導度]
実施例で合成した固体高分子電解質を製膜し、作製した膜のプロトン伝導度を、25,95,120℃、0,60,100%RHの条件下で測定した。結果を表1に示す。
実施例で合成した固体高分子電解質を製膜し、作製した膜のプロトン伝導度を、25,95,120℃、0,60,100%RHの条件下で測定した。結果を表1に示す。
表1の結果より、式(2)で表される高分子電解質は、無加湿での測定を行うことにより、高分子の共鳴構造によりプロトン伝導能があることが確認された。また,式(3)、(4)、(5)で表される高分子電解質では、無加湿化でのプロトン伝導は確認されなかったものの、それぞれ加湿することによりプロトン伝導性が確認された。120℃、rh=100%条件下では、トリフルオロメタンスルホニルアミノ基、スルホン酸基、ホスホン酸基の順で伝導度が高かった。また、式(6)で表されるアンモニアを作用させた高分子電解質については、リン酸と複合させることにより、無水条件下でのプロトン伝導が可能であった。また、式(2)で表される高分子電解質に比べ、プロトン濃度が高くなることから伝導度が向上したものであると考えられる。
[TGでの熱分析の結果]
式(2)、(3)、(4)で表される高分子電解質について、TGでの熱分析を行った。結果を図1に示す。
式(2)、(3)、(4)で表される高分子電解質について、TGでの熱分析を行った。結果を図1に示す。
図1の結果より、それぞれ100℃程度まで水の蒸発に伴う重量現象が観察され、その後、イオン交換基の脱離と考えられる重量現象が観察されている。いずれも優れた熱安定性を示した。特に、ホスホン酸基は高温化での優れた安定が示唆された。
[総合的評価]
これらの結果から、式(2)で表される高分子電解質では腐食原因物質を含まない無水プロトン伝導体、式(3)で表される高分子電解質では含水状態でのプロトン伝導体、式(4)で表される高分子電解質では高温、含水下でのプロトン伝導体、式(5)で表される高分子電解質では酸化性(腐食性)は強いが、プロトン伝導度の高いポリマー、また、式(6)で表される高分子電解質では無水化でのプロトン伝導体として適応できる可能性が示唆された。
これらの結果から、式(2)で表される高分子電解質では腐食原因物質を含まない無水プロトン伝導体、式(3)で表される高分子電解質では含水状態でのプロトン伝導体、式(4)で表される高分子電解質では高温、含水下でのプロトン伝導体、式(5)で表される高分子電解質では酸化性(腐食性)は強いが、プロトン伝導度の高いポリマー、また、式(6)で表される高分子電解質では無水化でのプロトン伝導体として適応できる可能性が示唆された。
本発明の固体高分子電解質は、特定のイオンと強固に結合したり、陽イオン又は陰イオンを選択的に透過する性質を有していることから、粒子、繊維、あるいは膜状に成形することが出来る。又、本発明の固体高分子電解質膜は、燃料電池、水電解、ハロゲン化水素酸電解、食塩電解、酸素濃縮器、湿度センサ、ガスセンサ等に広く用いることが出来る。
本発明の固体高分子電解質は、高温でのプロトン伝導性が飛躍的に高く、耐熱性が高いことにより、燃料電池の動作温度を上げることが出来、発電効率の向上を達成することが出来る。又、トータルして、燃料電池のコストダウンに有効である。
Claims (15)
- 請求項1から6のいずれかの固体高分子電解質の1種以上からなる固体高分子電解質膜。
- 請求項1から6のいずれかの固体高分子電解質の1種以上を用いた固体高分子型燃料電池用電極。
- 固体高分子電解質膜(a)と、この電解質膜に接合される、触媒金属を担持した導電性担体とプロトン交換材料からなる電極触媒を主要構成材料とするガス拡散電極(b)とで構成される膜/電極接合体(MEA)を有する固体高分子型燃料電池において、該高分子固体電解質膜及び/又は該プロトン交換材料が請求項1乃至6のいずれかに記載の固体高分子電解質又は請求項7に記載の固体高分子電解質膜であることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
- バナジウム触媒がVO(CH3COCHCOCH3)2又はVO(CF3COCHCOCH3)2のバナジウムのジカルボニル錯体であり、該触媒とトリフルオロスルホン酸の存在下、溶媒としてメチルスルホニルエーテルを用いて1,4−ジフルオロ−3,6−ジアルコキシベンゼンを重合させ、得られた中間重合体を水酸化ナトリウム水溶液で加水分解し、塩酸水溶液で中和することを特徴とする請求項10に記載のポリジオキシベンゾキノンの製造方法。
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JP (1) | JP2005294218A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007063943A1 (ja) | 2005-11-30 | 2007-06-07 | Nippon Sheet Glass Company, Limited | 電解質膜とこれを用いた燃料電池 |
KR20160021085A (ko) * | 2013-06-14 | 2016-02-24 | 디아이씨 가부시끼가이샤 | 에폭시 화합물, 에폭시 수지, 경화성 조성물, 그 경화물, 반도체 봉지 재료, 및 프린트 배선 기판 |
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2004
- 2004-04-05 JP JP2004111476A patent/JP2005294218A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2007063943A1 (ja) | 2005-11-30 | 2007-06-07 | Nippon Sheet Glass Company, Limited | 電解質膜とこれを用いた燃料電池 |
KR20160021085A (ko) * | 2013-06-14 | 2016-02-24 | 디아이씨 가부시끼가이샤 | 에폭시 화합물, 에폭시 수지, 경화성 조성물, 그 경화물, 반도체 봉지 재료, 및 프린트 배선 기판 |
KR102163493B1 (ko) | 2013-06-14 | 2020-10-08 | 디아이씨 가부시끼가이샤 | 에폭시 화합물, 에폭시 수지, 경화성 조성물, 그 경화물, 반도체 봉지 재료, 및 프린트 배선 기판 |
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