JP2005293036A - 工具使用支援方法およびシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】作業者が作業に適合した工具を使用するように支援する技術を提供する。
【解決手段】工具対応にいずれの工具31、32、33を使用するかを示すための指示器31a、32a、33aと、指示器に工具使用の指示を行わせると共に、その工具により行うべき作業についてのガイダンスを表示装置13に表示するガイダンス端末10とを用意する。ガイダンス端末10により、表示装置13に使用する工具の画像31’、32’、33’を表示すると共に、その工具が使用すべき工具であることを示す指示器の画像31a’、32a’、33a’を実際の指示器と同じ指示動作の状態となるように表示装置13に表示する。
【選択図】図4
【解決手段】工具対応にいずれの工具31、32、33を使用するかを示すための指示器31a、32a、33aと、指示器に工具使用の指示を行わせると共に、その工具により行うべき作業についてのガイダンスを表示装置13に表示するガイダンス端末10とを用意する。ガイダンス端末10により、表示装置13に使用する工具の画像31’、32’、33’を表示すると共に、その工具が使用すべき工具であることを示す指示器の画像31a’、32a’、33a’を実際の指示器と同じ指示動作の状態となるように表示装置13に表示する。
【選択図】図4
Description
本発明は、製品生産の現場において、作業に適合した工具を使用するよう作業者を支援する技術に関する。
製品の生産において、近年、生産変動対応、生産性向上のために、一人の作業者が、すべての工程、または、大部分の工程の作業を分担するセル生産方式が採用されてきている。
このセル生産方式の場合、一人の作業者が行う工程数が多く、また機種の切替えも頻繁に行われるために、すべての作業手順と使われる工具、部品等を間違いなく把握するというのは、各作業者にとって非常に大きな負担になっていた。
すなわち、各作業者は作業手順書から作業手順、方法、留意点、使われる工具、部品等について全て理解しなければならず、さらに機種切替えの時は、別の作業手順書を同様に理解する必要があった。
また、どの工具を使って組付けるかを把握出来ても、その工具がどこに配置されているかが容易に判らなければ、作業を効率良く行うのは難しい。機種の変更等においては、類似の工具が数多く使われる場合が多く、これらの違いについても各作業者は把握しなければならなかった。
このような問題を改善するために、作業手順をリアルタイムで指示する作業者支援システムが採用され、工具等についても指示ランプにより表示する方法が行われている。例えば、特開2000−42874号公報(特許文献1)には、パソコンによるその作業工程に必要な工具、部品に対する指示ランプの設置、および工具を使用した時、あるいは部品を取り出した時の検出方法が示されている。また、特開2002−91534号公報(特許文献2)には、コンピュータ端末による作業者への作業指示を映像や音声によりリアルタイムで行う方法、および、工具、部品の指示を発光ダイオード等のインジケータで行うことが示されている。
しかし、前述した特許文献1、2では、いずれも使用すべき工具を表示器により単に示すにすぎない。作業ガイダンスとの対応関係を考慮して表示することについては、いずれも配慮していない。
工具は、形状の類似するものが並んで置かれることが多い。そのため、ランプ表示がなされていても、誤って取り出すことがあり得る。工具の不適合は、作業能率を損なうのみならず、部品、仕掛品等を破損するおそれがある。そのため、作業者が手に取る工具が作業内容と不適合を起こさないように、また、仮に不適合な工具を手に取ってしまっても、それに気が付くようにすることが望まれる。
本発明の目的は、作業者が作業に適合した工具を使用するように支援する技術を提供することにある。
本発明の第1の態様は、
製品生産の現場において、作業に適合した工具を使用するよう作業者を支援する方法であって、
工具対応にいずれの工具を使用するかを示すための指示器と、前記指示器に工具使用の指示を行わせると共に、その工具により行うべき作業についてのガイダンスを表示装置に表示するガイダンス端末とを用意し、
前記ガイダンス端末により、表示装置に使用する工具の画像を表示すると共に、その工具が使用すべき工具であることを示す指示器の画像をも表示装置に表示し、
使用すべき工具に対応する指示器に対し、対応する工具が使用する工具であることを指示する動作を行わせ、かつ、
前記表示装置に表示される指示器の画像を、対応する実際の指示器の指示動作に合わせた表示とすること
を特徴とする。
製品生産の現場において、作業に適合した工具を使用するよう作業者を支援する方法であって、
工具対応にいずれの工具を使用するかを示すための指示器と、前記指示器に工具使用の指示を行わせると共に、その工具により行うべき作業についてのガイダンスを表示装置に表示するガイダンス端末とを用意し、
前記ガイダンス端末により、表示装置に使用する工具の画像を表示すると共に、その工具が使用すべき工具であることを示す指示器の画像をも表示装置に表示し、
使用すべき工具に対応する指示器に対し、対応する工具が使用する工具であることを指示する動作を行わせ、かつ、
前記表示装置に表示される指示器の画像を、対応する実際の指示器の指示動作に合わせた表示とすること
を特徴とする。
また、本発明の第2の態様は、
製品生産の現場において、作業に適合した工具を使用するよう作業者を支援するシステムであって、
工具対応にいずれの工具を使用するかを示すための指示器と、前記指示器に工具使用の指示を行わせると共に、その工具により行うべき作業についてのガイダンスを表示装置に表示するガイダンス端末とを有し、
前記ガイダンス端末は、表示装置に使用する工具の画像を表示すると共に、その工具が使用すべき工具であることを示す指示器の画像をも表示装置に表示し、
使用すべき工具に対応する指示器に対し、対応する工具が使用する工具であることを指示する動作を行わせ、かつ、
前記表示装置に表示される指示器の画像を、対応する実際の指示器の指示動作に合わせた表示とすること
を特徴とする。
製品生産の現場において、作業に適合した工具を使用するよう作業者を支援するシステムであって、
工具対応にいずれの工具を使用するかを示すための指示器と、前記指示器に工具使用の指示を行わせると共に、その工具により行うべき作業についてのガイダンスを表示装置に表示するガイダンス端末とを有し、
前記ガイダンス端末は、表示装置に使用する工具の画像を表示すると共に、その工具が使用すべき工具であることを示す指示器の画像をも表示装置に表示し、
使用すべき工具に対応する指示器に対し、対応する工具が使用する工具であることを指示する動作を行わせ、かつ、
前記表示装置に表示される指示器の画像を、対応する実際の指示器の指示動作に合わせた表示とすること
を特徴とする。
前述した第1および第2の態様によれば、使用すべき工具を指示する動作と、ガイダンス画面中に表示される使用すべき工具を示す画像と共に、指示器の画像が表示される。しかも、
前記表示装置に表示される指示器の画像を、対応する実際の指示器の指示動作に合わせた表示とすることにより、指示器の指示動作と、指示器画像の表示とが同じ態様により表示される。従って、作業者は、ガイダンスに表示される工具画像を見て、実際の工具を取ることができるため、取るべき工具を的確に取ることができる。
前記表示装置に表示される指示器の画像を、対応する実際の指示器の指示動作に合わせた表示とすることにより、指示器の指示動作と、指示器画像の表示とが同じ態様により表示される。従って、作業者は、ガイダンスに表示される工具画像を見て、実際の工具を取ることができるため、取るべき工具を的確に取ることができる。
以上の二つの態様について、次のような態様をさらに採り得る。
(1)前記指示器は、工具に設けられ、指示動作を行う際に発光するものである。
(2)前記ガイダンス端末により、表示装置に表示される工具の画像中に、指示器の画像を含み、かつ、実際の指示器の発光に相当する発光をしているように指示器の画像を表示する。
(1)前記指示器は、工具に設けられ、指示動作を行う際に発光するものである。
(2)前記ガイダンス端末により、表示装置に表示される工具の画像中に、指示器の画像を含み、かつ、実際の指示器の発光に相当する発光をしているように指示器の画像を表示する。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る工具の使用を支援する工具使用支援システムが設置される生産ラインの概要を示す説明図である。図1に、生産ラインL1〜Lnが設けられている工場100を示す。図1では、表現の制約上、ラインL1とLnとを示す。ライン数は、1からnまで必要に応じて適宜設定することができる。
各生産ラインL1〜Lnは、それぞれ工程系列が、複数の作業ポジションPm(図1のれいでは、P1からP5)に分割されている。言い換えると、各生産ラインL1からLnに、工程系列に沿って複数の作業ポジションP1からP5が設けられている。そして、基本的には、各作業ポジションP1からP5に、作業員Wrが一人ずつ配置される。ここで、作業ポジションとは、作業員が1乃至複数工程を担当して生産を行う場所を意味する。
作業ポジション数を表わすmは、生産すべき対象の工程数、作業難易度、想定される必要作業員数等に応じて適宜設定される。図1の場合は、P1からP5の5ポジションとなっている。これは説明の便宜上定めたものである。各作業ポジションP1からP5には、その生産ラインが受け持つ工程系列から、それぞれ1乃至複数工程が割り振られる。例えば、製品が150工程の工程系列を経て完成する場合に、各作業ポジションP1からP5に、全体として150工程になるように、複数の工程を割り当てる。この場合、各作業ポジションの分担する工程数は、後述するように、生産ラインの状況に応じて適宜定めることができるので、同一になるとは限らない。
作業ポジション数、各作業ポジションにおいて受け持つべき工程数等は、その生産ラインが受け持つ製品の工程系列に応じて、また、その生産ラインを受け持つ各作業員の習熟度等を考慮して、生産ライン毎に柔軟に定めることができる。従って、各生産ラインが異なる製品を生産する場合はもとより、同じ製品を同じ工程系列により生産する場合であっても、生産ラインによって異なる作業ポジション数となること、また、分担する工程が異なることがあり得る。
各作業ポジションP1からP5には、作業者のための作業エリアが設けられる。図1の場合を例に挙げると、各作業ポジションP1からP5に、その場所において作業に必要な機器等が配置される。すなわち、工程毎の作業内容と、使用部品、使用工具等を表示して、作業ガイドを行うガイダンス端末10と、その作業ポジションにおいて用いられる複数種の部品を配置する部品配置装置20と、その作業ポジションにおいて用いられる工具を配置する工具台30と、生産されるべき部品等の組み付けが行われる仕掛品WIPが置かれる移動作業台70とが、各作業ポジションP1からP5に配置される。なお、図1では、表記を簡略化するため、一部の作業ポジションについてのみ機器類を図示している。
移動作業台70は、作業ポジションに常備されるものではない。それぞれの作業ポジションP1に割り当てられているすべての工程についての作業が終わると、その次の作業ポジションに移動される。すなわち、移動作業台70は、その上に置かれる仕掛品WIPを、次の作業ポジションに入力させる移動体として機能する。そして、作業中のポジションにおいて、仕掛品WIPに対する各種工程での作業を行わせる作業台として機能する。すなわち、各作業者は、ガイダンス端末10の指示に従って、必要な部品を部品配置装置20から取り出し、工具台30にある電動ドライバ等の工具を用い、移動作業台70において組立、調整作業等を行う。さらに、作業が終わった作業ポジションから、仕掛品を出力させる移動体として機能する。各生産ラインL1からLnにおける作業最終ポジションP5(図1の場合)から出力される場合、その生産ラインでの工程系列に属する工程を終了したことになる。
部品配置装置20に配置される部品類としては、生産すべき製品を構成する各種要素であり、例えば、機構部品、アクチュエータ、回路基板、回路部品、センサ、配線材、連結部品、筐体等が挙げられる。
ガイダンス端末10は、ネットワーク60を介して管理サーバ50と接続される。また、ガイダンス端末10は、部品配置装置20および工具台30と、図示していない入出力インタフェースを介して接続される。具体的には、部品配置領域アクセス制御装置25と、工具使用支援制御装置35とに接続される。
管理サーバ50は、生産ラインで組み立てている仕掛品の作業進捗状態の管理を行う。各ガイダンス端末10から、生産ラインの仕掛品を特定する「製品識別子」、および、「完了した工程を示すデータ」を受取って、作業進捗管理を行う。
ガイダンス端末10は、生産ラインでの工程毎の作業手順、作業に必要な工具、部品等を表示装置13に、ガイダンス画面として表示する。また、入力装置11を有し、各作業者からの各作業工程の終了を示すデータの入力を受け付ける。このガイダンス端末10は、コンピュータシステムによって構成することができる。本実施形態では、図2に示すように、コンピュータを工具台30に載せている。もちろん、このような形態に限られない。ガイダンス端末30を工具台とは別の台等に載せる構成としてもよい。また、表示装置13と本体10とを分離して、いずれかを工具台30に載せるようにしてもよい。さらに、ガイダンス端末を工具台30に組み込んでもよい。
本実施形態では、工具台30は、キャスター303を有する脚部302と、この脚部302により移動可能に支持される可動台301と、可動台301に固定され、工具を着脱自在に保持する工具保持部304とを有する。可動台301の上面に天板305が設けられている。本実施形態では、この天板305上に、ガイダンス端末10が載せられている。
ガイダンス端末10は、図示していない記憶装置を内蔵している。この記憶装置に、当該ガイダンス端末10がコンピュータとして動作するために必要なソフトウェアと、ガイダンス端末10として固有の動作を行うために必要なソフトウェアおよびデータ(以下、ガイダンスソフトウェアと称する)が格納される。ガイダンスソフトウェアは、記録媒体を介してインストールすることができる。また、ネットワーク60を介して記憶装置に記憶させてもよい。
ガイダンスソフトウェアには、生産すべき製品の工程系列に沿って、各工程での作業について、その工程に入力される仕掛品、使用部品、使用工具を示すと共に、仕掛品に対する加工、取付け等の箇所を画像により明示するためのデータが含まれる。そして、本実施形態では、工程内における複数の作業の手順をも示す。さらに、後述するように、使用工具の識別と、使用箇所との対応関係をもビジュアルに示す。
ガイダンス端末10は、前述したガイダンス端末固有の動作を行うためのガイダンスソフトウェアにしたがって、CPU(図示せず)が各種処理を行う。例えば、図2、図3では、使用すべき工具の画像を表示している。また、図4では、使用すべき工具と、仕掛品におけるその工具を使用して作業を行うべき箇所とを、画像により表示している。
次に、本発明の工具使用支援システム、および、それを用いた支援方法の実施形態について、図2,図3を参照してさらに詳細に説明する。
図2、図3において、ガイダンス端末10と工具台30とは、共通の可動台301に置かれている。前述したように、可動台301には、工具保持部304が設けられている。工具保持部304は、図面上ではその形態が見えないが、保持板に、電動ドライバの最大径部分の直径より小さい貫通孔を設けた構造となっている。もちろん、本発明はこれに限られない。例えば、切り欠き構造とすることもできる。
この工具保持部304に、工具として、複数の電動ドライバ(31、32、33)が保持されている。本実施形態では、すべて電動ドライバであるが、他の工具を保持することもできる。各電動ドライバの外観は、ほぼ同様のものであるが、先端に、それぞれサイズの違うビット31b、32b、33bがセットされている。作業に際しては、それぞれ部品サイズの違いに合わせて、適切なビットを有する電動ドライバが使用される必要がある。電動ドライバ31、32、33には、図示しない電源ケーブルが繋がっている。電動ドライバの電力系統としては、交流駆動式の他、バッテリー駆動式のものであってもよい。
前記電動ドライバには、作業に使用する工具であることを作業者に示すための指示器31a、32a、33aがそれぞれ取り付けられている。指示器は、作業者が、その工具が使用すべき工具であることを容易に認識できるようにするためのものである。従って、どのように表示するかの形式は、適宜定めることができる。例えば、同じパターンを固定的に表示するもの、発光信号、反射信号等を生成するもの、指示の表示形態が可変であるもの等種々可能である。
定常的に表示するものとしては、具体的には、各工具固有のパターンを表示するラベル、他の工具と明瞭に区別が可能である、工具自体についての、固有の形態、外観の模様、色等が挙げられる。また、発光信号、反射信号等を生成するものとしては、具体的には、発光素子、液晶素子等が挙げられる。前者の例としては、発光ダイオード等の固体発光素子、蛍光発光素子、放電管(例えば、ネオンランプ)等が挙げられる。さらに、表示形態が可変であるものとして、例えば、セグメント表示器、ドットマトリクス表示器等が挙げられる。これらは例えば液晶表示阻止により構成することができる。本実施形態では、発光ダイオード(LED)を用いる。
なお、工具の識別は、光学的な手段に限られない。音響的手段によっても可能である。
また、本実施形態では、指示器31a、32a、33aを工具に設けている。しかし、指示器31a、32a、33aは、工具保持部304に設ける構成としてもよい。また、工具(31、32、33)、および、工具保持部304の両者に設けることもできる。また、本実施形態では、指示器31a、32a、33aとして、発光ダイオード(LED)を用いている。発光ダイオードは、工具への給電線を利用して、給電すると共に、オンオフ制御の信号を併せて送る。従って、指示器には、発光ダイオードの他、この発光ダイオードを点灯制御する制御回路(図示せず)が設けられている。一方、指示器31a、32a、33aに送る制御信号は、工具使用支援制御装置35において生成され、対応する後部に給電する給電線391、392、393に重畳して送る。もちろん、信号線を給電線とは別に設けて、信号線により、指示器31a、32a、33aの駆動、および、制御を行うようにすることができる。
また、本実施形態は、工具保持部304の各電動ドライバ31、32、33の近傍には、ドライバの取出しを検出するための、光電センサ31c、32c、33cが設けられている。
なお、指示器は、その指示態様について、工具によって強調の仕方を変える構成とすることができる。例えば、それ自身が発する色、具体的には、LEDの発光色を変える構成とすることにより、工具の識別をより明確にすることができる。例えば、LEDの色彩を、赤、緑、青と変えることが考えられる。また、他の強調の仕方として、工具の識別のために、LEDの光強度を変えること、点滅の方法を変えること等が挙げられる。さらには、それらの強調の仕方を組み合わせてもよい。これにより、それぞれの工具ごとに、異なった指示形態として、工具の識別性をより向上さえることができる。
工具使用支援制御装置35の構成の一例を図5に示す。図5において、工具使用支援制御装置35は、ガイダンス端末10との間で情報の授受を行うインタフェース(I/F)351と、給電線391,392,393のうちいずれかをガイダンス端末10からの指示を受けて選択するセレクタ352と、いずれかの工具の指示器を表示させるための信号を生成する共に、セレクタにより選択された給電線に生成した信号をのせて信号重畳回路353と、セレクタにより選択された給電線から、その給電線にのせられている、工具の動作終了を示す信号を分離してインタフェースに送る信号分離回路354とを有する。
次に、本実施形態の工具使用支援システムおよび方法についての動作について説明する。
まず、ガイダンス端末10は、その表示装置13の画面に、当該作業ポジションにおける第1の工程の作業手順を表示する。そして、その際用いる工具として、第1の工程で用いる工具が電動ドライバ31である場合、その電動ドライバ31を示す電動ドライバ画像31’を表示装置13の画面に表示する(図2参照)。それと共に、工具31に取り付けられている指示器31aのLEDを点灯させるよう、工具使用支援制御装置35に指令を出力する。工具使用支援制御装置35は、この指令を受けて、該当する工具31の指示器31aを点灯させるための信号を信号重畳回路353において生成し、セレクタ352により選択された、電動ドライバ31の給電線391の給電電力に重畳して送る。
電動ドライバ31では、給電線に重畳されている信号を、図示していないフィルタ等の回路を介して給電電力から分離して受信し、指示器31aのLEDを発光させる。このとき、表示装置13の画面においても、電動ドライバ画像31’においても表示器画像31a’が表示されており、実際の指示器31aの発光色と同じ色を表示させる。これにより、作業者は、形態が似ている工具であっても、使用する工具を的確に確認することができる。
図3には、他の電動ドライバ32の例が示されている。この場合にも、表示装置13の画面に、実際の電動ドライバ32に対応する電動ドライバ画像32’を表示し、さらに、指示器32aについてもその画像32a’を表示して、作業者に使用する工具を明確に知らしめる。
図4は、さらに、その工具を用いて取付けを行う部位についても、表示装置13に取付部位画像13a’を表示すると共に、その画像を、使用する工具32の指示器32aと同じ表示態様により表示する。例えば、同じ発光色により表示する。これにより、工具の識別の他、作業箇所とのマッチングも、指示器と同じ表示の仕方により、統一的に指示することができる。従って、作業者が誤った工具を使い、誤った箇所についての作業を行うことを防ぐ効果が期待できる。
次に、前述した工具使用支援制御装置35は、信号を送るのみでなく、電動ドライバ31の動作状態のモニタを行う機能を有することができる。この場合、例えば、使用する電動ドライバ31により、ねじの締付けを行い、締付けの終了を電動ドライバのトルクアップ信号で検出することにより行うことができる。工具の動作が終了したことを示す信号として、トルクアップ信号が給電線391にのせて送られる。これを、工具使用支援制御装置35の信号分離回路354において分離し、I/F351においてディジタル信号に変改してガイダンス端末10に送る。
これを受けて、ガイダンス端末10は、締付けの終了を検出することができる。その結果、ガイダンス端末10は、指示器31aの駆動状態を変更する指示と、表示装置13に表示された指示器画像31’aの表示状態変更の指示とが共に生成されて、異なる表示態様、例えば、終了を意味する色、表示パターン等を変わる。例えば、“点滅なし”から“点滅”とすること、また、その逆の態様等が考えられる。この他、終了色を決めておき、その色の表示とすることもできる。ただし、工具の表示についても色を変えることができるようにする必要があるため、表示パターンを変える方が容易である。もちろん、文字等の画像表示が可能な場合には、メッセージを表示してもよい。
なお、工具の使用終了を表わす表示については、例えば、工具の使用終了を示す情報をガイダンス端末10が受信して、これに対するアクノレッジを工具使用支援装置35に返すことにより、消すようにしてもよい。
ただし、ガイダンス端末10は、次の工程において用いる工具を、ガイダンス内容を基に調べ、同じ工具を引き続き用いる場合には、点滅を停止するアクノレッジを送ると共に、引き続き、使用する工具として、工具31の指示器31aを点灯させるための信号を、信号重畳回路353により、電動ドライバ31の給電線にのせて送る。これにより、指示器31aは、点滅せずに点灯することとなる。従って、作業者は、その電動ドライバ31を工具保持部304に戻す操作を行わずに、引き続き使用する、ということを知ることができる。従って、工具の工具保持部への着脱の手間を省くことができる。この場合、ガイダンスの表示は、前述したとおり、次の工程について表示装置13において行う。
これにより、締付けの終了を認識することができる。作業者は、次の作業に取り掛かることができる。また、第1の工程で必要とされる部品数のすべてを組み込んだことを、締付け終了の検出回数で確認することができる。これは、工具使用支援装置において、終了確認を示す情報をガイダンス端末10に送る。ガイダンス端末10においては、当該工程において現在行うべき作業としてガイドしている作業について、終了確認情報について計数を行って、その計数結果に従って、その工程の作業を終了を確認する。
第2の工程で、同じ工具を用いる場合は、指示器31aと、表示装置13に表示された指示器31’aの指示(赤い点灯)は継続しており、工具を工具保持部304にもどす必要がないことを作業者にわからせることができる。なお、工具の使用終了を表す点滅表示については、前述したとおりである。
第2の工程で、別サイズのビット32bが取付けられた電動ドライバ32を使う場合は、前の工程の終了で、電動ドライバ31の指示器31aのLEDは消灯し、ガイダンス表示部13の表示も変わる。その後、次の作業手順とその工程で用いる電動ドライバ32が表示される。電動ドライバ32の指示器32aのLEDが、例えば、黄色く点灯され、それと併せて、ガイダンス表示部13に表示された電動ドライバ32’の指示器32’a(図3)も黄色く点灯し、第1の工程と同様に作業を行う。
さらに、第3の工程で、電動ドライバ33を用いる場合も、指示器33aのLED、ガイダンス表示部に表示された電動ドライバの指示器、部品配置装置の指示器が、例えば、青く点灯し、上記第1および第2の工程と同様に作業を進めていくことができる。
このように、ガイダンス端末からの指示に従って、工程に使用される工具を取出して、組み込み作業を繰り返し行うことにより、最終的に製品を完成させる。
以上、上記のような構成によれば、生産工程で用いられる、それぞれの工具(電動ドライバ)に取り付けられている指示器からの指示(例えば、LEDの色彩)が、異なっているために、各工程で必要な各種工具の認識が容易になり、必要な工具を手際よく取出することが可能となる。これは、結果として、生産性の向上、および、製品品質の改善を図ることにつながることが期待できる。
また、各種工具への指示態様と同様な指示態様とが、表示装置の画面に表示されることにより、作業そのものが簡単になり、さらなる生産効率アップが期待できる。
以上の例では、指示器として発光ダイオードを用いる場合について説明した。しかし、本発明はこれに限定されない。他の光源を用いることができる。また、前述したように、それ自身が発光しない素子であってもよい。例えば、液晶表示素子が挙げられる。また、表示の態様としても、点灯、消灯に限らず、点滅等の態様を種々変えることが可能である。
また、光学的手段以外に、音響的手段で、音色を変化させることにより、工具を示すことも可能である。
さらに、前述した工具の例では、ビットの相違により複数種の工具を用意しているが、本発明は、それに限られない。例えば、トルクの相違による異なる交互が用意される場合にも適用可能である。また、ドライバ以外の工具についても適応することができる。
10…ガイダンス端末、11…入力装置、13…表示装置、20…部品配置装置、30…工具台、31、32、33…電動ドライバ、31’、32’…ガイダンス表示部に表示された電動ドライバ、31a、32a、33a…指示器(LED)、31’a、32’a…ガイダンス表示部に表示された指示器、31b、32b、33b…ビット、31c、32c、33c…光電センサ、50…管理サーバ、60…ネットワーク、70…移動作業台、100…工場(生産ライン)
Claims (6)
- 製品生産の現場において、作業に適合した工具を使用するよう作業者を支援する方法であって、
工具対応にいずれの工具を使用するかを示すための指示器と、前記指示器に工具使用の指示を行わせると共に、その工具により行うべき作業についてのガイダンスを表示装置に表示するガイダンス端末とを用意し、
前記ガイダンス端末により、表示装置に使用する工具の画像を表示すると共に、その工具が使用すべき工具であることを示す指示器の画像をも表示装置に表示し、
使用すべき工具に対応する指示器に対し、対応する工具が使用する工具であることを指示する動作を行わせ、かつ、
前記表示装置に表示される指示器の画像を、対応する実際の指示器の指示動作に合わせた表示とすること
を特徴とする工具使用支援方法。 - 請求項1に記載の方法において、
前記指示器は、工具に設けられ、指示動作を行う際に発光するものである工具使用支援方法。 - 請求項2に記載の方法において、
前記ガイダンス端末により、表示装置に表示される工具の画像中に、指示器の画像を含み、かつ、実際の指示器の発光に相当する発光をしているように指示器の画像を表示する工具使用支援方法。 - 製品生産の現場において、作業に適合した工具を使用するよう作業者を支援するシステムであって、
工具対応にいずれの工具を使用するかを示すための指示器と、前記指示器に工具使用の指示を行わせると共に、その工具により行うべき作業についてのガイダンスを表示装置に表示するガイダンス端末とを有し、
前記ガイダンス端末は、表示装置に使用する工具の画像を表示すると共に、その工具が使用すべき工具であることを示す指示器の画像をも表示装置に表示し、
使用すべき工具に対応する指示器に対し、対応する工具が使用する工具であることを指示する動作を行わせ、かつ、
前記表示装置中に表示される指示器の画像を、対応する実際の指示器の指示動作に合わせた表示とすること
を特徴とする工具使用支援システム。 - 請求項4に記載のシステムにおいて、
前記指示器は、工具に設けられ、指示動作を行う際に発光するものである工具使用支援システム。 - 請求項5に記載のシステムにおいて、
前記ガイダンス端末は、前記表示装置に表示される工具の画像中に、指示器の画像を含み、かつ、実際の指示器の発光に相当する発光をしているように指示器の画像を表示する工具使用支援システム。
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JP2004104966A JP2005293036A (ja) | 2004-03-31 | 2004-03-31 | 工具使用支援方法およびシステム |
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008134734A (ja) * | 2006-11-27 | 2008-06-12 | Hitachi Ltd | 作業指示管理システム、作業指示管理方法、作業指示管理プログラム、作業指示管理装置、および電子ペーパ |
JP2008186391A (ja) * | 2007-01-31 | 2008-08-14 | Hitachi Ltd | 作業管理装置、作業管理システム、及び作業管理方法 |
JP2008217371A (ja) * | 2007-03-02 | 2008-09-18 | Matsushita Electric Works Ltd | 電動工具制御システム |
JP2018107979A (ja) * | 2016-12-28 | 2018-07-05 | 三菱電機株式会社 | 生産支援装置および表示装置 |
CN113168165A (zh) * | 2018-12-27 | 2021-07-23 | 松下知识产权经营株式会社 | 作业支援装置、作业支援方法、以及程序 |
CN113168165B (zh) * | 2018-12-27 | 2024-07-16 | 松下知识产权经营株式会社 | 作业支援装置、作业支援方法、以及程序记录介质 |
-
2004
- 2004-03-31 JP JP2004104966A patent/JP2005293036A/ja active Pending
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