図1は、この発明の一実施形態に係る信号表示灯システムを備えた生産システムの構成例を説明するための概略構成図である。この生産システムは、複数の生産装置(機械装置)A,B,Cを含む。これらの複数の生産装置A,B,Cは、それらの一部または全部が一つの工場に配置されていてもよいし、それらの一部または全部が複数の工場に分散して配置されていてもよい。
生産装置A,B,Cには、それぞれ、信号表示灯1A,1B,1C(以下、総称するときには「信号表示灯1」という。)が備えられている。信号表示灯1A,1B,1Cには、それぞれ、生産装置A,B,Cに備えられた信号灯制御装置2A,2B,2C(以下、総称するときには「信号灯制御装置2」という。)から、入力信号線8A,8B,8C(以下、総称するときには「入力信号線8」という。)を介して、それぞれ複数の入力信号(制御信号)が入力される。信号灯制御装置2は、生産装置A,B,Cの動作を制御するプログラマブルロジックコントローラ(PLC)であってもよい。信号灯制御装置2から入力される入力信号に従って、信号表示灯1の表示状態が変化する。信号灯制御装置2は、対応する生産装置A,B,Cの稼働状況に対応する制御信号を出力する。制御信号は、たとえば、正常動作中、部品欠品発生、部品欠品予告、管理者呼び出し要求、その他の異常発生を表す信号であってもよい。このような制御信号が、信号表示灯1に対する入力信号となる。
複数の生産装置A,B,Cは、ネットワーク3に接続されており、それによって、複数の生産装置A,B,Cがネットワーク3を介して互いに通信可能な生産システムが構築されている。たとえば、信号灯制御装置2がネットワーク3に接続されていてもよい。ネットワーク3は、インターネットであってもよいし、イントラネットであってもよいし、ローカルエリアネットワーク(たとえばイーサネット(登録商標))であってもよい。
一方、信号表示灯1A,1B,1Cも、ネットワーク3(通信ネットワーク)に接続されている。ネットワーク3にはさらに、管理用信号表示灯100が接続されている。これにより、ネットワーク3を介して互いに通信可能な複数の信号表示灯1A,1B,1C,100を含む信号表示灯システムが構築されている。信号表示灯1A,1B,1C,100とネットワーク3との接続は、有線接続であってもよいし、無線接続であってもよい。無線接続の場合には、無線通信機4がネットワーク3に有線接続され、無線通信機4と信号表示灯1,100とが無線接続されてもよい。
ネットワーク3には、必要に応じて情報処理端末装置10を接続することができる。情報処理端末装置10は、パーソナルコンピュータの形態および構成を有していてもよい。情報処理端末装置10は、ネットワーク3を介して信号表示灯1,100と通信し、それによって、信号表示灯1,100の動作等に関する各種設定を行うことができる。より具体的には、情報処理端末装置10は、ウェブブラウザを備えている。使用者は、そのウェブブラウザを用いて、各信号表示灯1,100の動作等についての設定を行える。
ネットワーク3に接続された機器、すなわち、生産装置A〜E、信号表示灯1A〜1C,100および情報処理端末装置10は、それぞれに一意の識別情報(宛先情報)が割り当てられており、その識別情報に基づいて、互いに通信することができる。識別情報の具体例の一つは、IPアドレスである。
図2は、信号表示灯1,100の構成例を説明するための斜視図である。信号表示灯1,100は、全体として柱状の基本形態を有している。信号表示灯1,100は、基台部11と、表示部12とを有している。基台部11は柱状(典型的には円柱状)を有しており、生産装置等の適所に取り付けられる。基台部11の上端に表示部12が結合されている。表示部12は、柱状に構成されている。典型的には、表示部12は、基台部11と整合する大きさおよび形状の柱状(たとえば円柱状)に構成されている。表示部12は、この実施形態では、複数個の表示ユニット21〜23(総称するときには「表示ユニット20」という。)を軸線13に沿う方向(たとえば上下方向)に沿って直線状に配列して構成されている。各表示ユニット20は、複数色の発光が可能なフルカラーまたはマルチカラー光源である光源31〜33(総称するときには「光源30」という。)と、この光源30の周囲を覆う筒状(たとえば円筒状)のグローブ41〜43(総称するときには「グローブ40」という。)とを含む。グローブ40は、この実施形態では無色透明であり、光源30が発した光をそのままの色で外部に放出させる。グローブ40は、光源30が発生した光を屈折または拡散させるレンズを内面または外面に一体的に備えていてもよい。
基台部11には、制御ユニット15と、スピーカ16と、ネットワークインタフェース17とが収容されている。ネットワークインタフェース17は、信号表示灯1,100をネットワーク3に接続するための通信ユニット(送信手段および受信手段の一例)である。ネットワークインタフェース17は、ネットワーク3に接続され、信号表示灯1,100とネットワーク3との間の通信を仲介する。スピーカ16は、アラーム音や音声メッセージなどの音声を発生して使用者に対して各種の情報を報知する報知手段の一例である。
制御ユニット15は、表示部12を構成する各表示ユニット20の発光色および点灯/消灯を個別に制御する機能を有している。それにより、複数の表示色での表示領域の大きさまたは位置が可変な表示を表示部12において実現できる。すなわち、表示ユニット20は、発光制御単位であり、表示制御要素の一例である。
複数の表示ユニット20にそれぞれ対応した複数の光源30は、軸線13に沿って複数の表示ユニット20にわたって一体的に延びた配線基板14上に保持されていてもよい。また、各表示ユニット20に対応して分離された複数の配線基板に対応する光源30がそれぞれ実装されていてもよい。図2に示す例では、配線基板14が筒状に構成されている。このような筒状の配線基板14は、複数枚の長尺な長方形配線基板を組み合わせて構成してもよい。
各光源30は、具体的には、発光ダイオードを含んでいてもよい。各光源30は、複数色(好ましくは、赤色、緑色、青色等の三原色)の発光部を一つのパッケージに組み込んだフルカラー発光ダイオードユニットで構成されていてもよい。また、各光源30は、複数色(好ましくは、赤色、緑色、青色等の三原色)の光をそれぞれ発生する複数個の個別発光ダイオード素子を含んでいてもよい。いずれの構成であっても、発光部または発光ダイオード素子を個別に単独発光させたり、複数個組み合わせて発光させたりすることによって、複数色の発光が可能なマルチカラー(またはフルカラー)発光型光源ユニットを構成することができる。
図3は、信号表示灯1,100の電気的構成例を説明するためのブロック図である。信号表示灯1,100は、表示部12と、制御ユニット15と、スピーカ16と、ネットワークインタフェース17とを含む。表示部12、スピーカ16およびネットワークインタフェース17は、制御ユニット15に接続され、制御ユニット15によって制御される。制御ユニット15は、主制御ユニットとしてのCPU(中央処理ユニット)50と、表示部12を制御するための表示部駆動ユニット51と、スピーカ16を駆動するためのスピーカ駆動ユニット52と、入力回路53と、メモリ54とを含む。入力回路53には、入力信号線8が接続される。ただし、管理用信号表示灯100は、入力信号線8からの入力信号の受付けを必要としないので、入力回路53が備えられていなくてもよい。メモリ54は、EEPROM(電気的に消去・書込可能な読出し専用メモリ)等の不揮発性メモリ55とRAM(ランダムアクセスメモリ)56とを含んでいてもよい。不揮発性メモリ55には、CPU50が実行する実行プログラムや、各種制御パラメータが格納されている。CPU50は、RAM56の記憶領域を作業領域として用いながら、不揮発性メモリ55に格納されている実行プログラムを実行し、それによって、複数の機能処理部として機能する。メモリ54は、表示部12の表示制御のために用いる表示制御情報を記憶する表示制御情報記憶手段の一例である。表示制御情報は、不揮発性メモリ55に格納されてもよいし、RAM56(揮発性メモリ)に格納されてもよい。電源遮断後にも表示制御情報を保持すべきときには、不揮発性メモリ55に表示制御情報が格納されることが好ましい。以下では、主として、表示制御情報が不揮発性メモリ55に格納される場合について説明する。
CPU50は、表示部駆動ユニット51に表示制御信号を与える表示制御部501(表示制御手段の一例)として機能する。表示部駆動ユニット51は、表示制御信号に応じて表示部12を構成する各表示ユニット20の光源30を駆動し、各光源30の発光状態(発光色および点灯/消灯)を制御する。また、CPU50は、スピーカ駆動ユニット52に発音制御信号を与える発音制御部502として機能する。スピーカ駆動ユニット52は、発音制御信号に応じてスピーカ16を駆動し、音声を発生させる。さらに、CPU50は、ネットワークインタフェース17を介する通信(すなわち、送信および受信)を制御するための通信制御部503(送信制御部および受信制御部)として機能する。さらにまた、CPU50は、入力信号線8から入力回路53に入力される入力信号を受け付ける入力受付部504(入力信号受付手段の一例)として機能する。これらの機能処理部は、概念的な区分であって、CPU50が物理的にこのような機能処理部に分かれている必要はなく、CPU50が実行する実行プログラムが前記機能処理部に該当する区分を有している必要もない。
制御ユニット15は、さらに、時間を計測するタイマ58を含む。CPU50は、必要に応じてタイマ58の計時時間を参照しながら、処理を実行する。
この実施形態の信号表示灯システムは、管理用信号表示灯100において、生産装置A〜Cに接続された信号表示灯1における表示を模擬させる動作であるミラーリング動作が可能に構成されている。ただし、この実施形態では、管理用信号表示灯100は、必ずしも信号表示灯1と同じ表示状態に制御されるわけではなく、信号表示灯1の表示状態とは異なる表示状態に制御される場合もある。たとえば、信号表示灯1は、個々の生産装置A〜Cの現場担当者が知るべき詳細情報を表示するのに対して、管理用信号表示灯100は、管理者に伝達されるべき情報を適切に表示するように制御される。このようなミラーリング動作を用いることにより、管理用信号表示灯100の近くにいる管理者は、個々の生産装置A〜Cの近くまで移動することなく、生産装置A〜Cの稼働状態に関して必要な情報を適切に得ることができる。ミラーリング動作は、情報処理端末装置10によって、信号表示灯1,100の動作を設定することによって達成される。
使用者は、たとえば、情報処理端末装置10を操作してウェブブラウザを立ち上げ、このウェブブラウザ上での操作によって、信号表示灯1,100に対する各種設定を行うことができる。
信号表示灯1は、入力信号線8の入力に従って表示動作を実行する。ミラーリング動作を設定するときには、管理用信号表示灯100において表示状態が模擬される被模擬側(ミラーリング元)の信号表示灯1(たとえば、全ての信号表示灯1A〜1C)は、入力信号を表す入力情報および/または表示状態を表す表示状態情報を管理用信号表示灯100に送信する。
より具体的には、信号表示灯1では、CPU50は、入力信号線8から入力回路53に入力される入力信号(制御信号)に応答し、その入力信号に対応する表示制御情報を不揮発性メモリ55から読み出す。CPU50は、その表示制御情報に対応する表示制御信号を表示部駆動ユニット51に与える。それにより、表示部12は、入力信号線8から入力される入力信号に応じた表示状態(発光状態)となる。一方、当該信号表示灯1をミラーリング元とするミラーリング動作が設定される場合には、CPU50は、表示部12の表示状態を表す表示状態情報を、管理用信号表示灯100を送信先として、ネットワークインタフェース17から送信させる。送信先の宛先情報(たとえばIPアドレス)は、情報処理端末装置10によって予め設定される。すなわち、送信先の宛先情報は、ミラーリング先の信号表示灯100の宛先情報である。
表示制御情報は、入力信号線8からの入力信号を入力とし、その入力に対する表示部12の表示状態を対応付けた制御情報である。したがって、信号表示灯1から管理用信号表示灯100に送信される表示状態情報は、表示制御情報であってもよい。また、入力信号と表示状態とは対応しているので、入力信号を表す入力情報を表示状態情報として取り扱うこととして、入力情報を信号表示灯1から管理用信号表示灯100に送信してもよい。
管理用信号表示灯100では、ネットワークインタフェース17を介して取得される表示状態情報を表示部12の表示状態に反映させる動作を実行する。具体的には、CPU50は、ネットワークインタフェース17から表示状態情報が取得されると、その表示状態情報に対応する管理表示制御情報を生成し、その管理表示制御情報に対応する表示制御信号を表示部駆動ユニット51に与える。それにより、表示部12は、ネットワーク3から与えられた表示状態情報に基づいた表示状態(発光状態)となる。
使用者は、予め、各信号表示灯1に表示制御情報を設定し、管理用信号表示灯100に管理表示制御情報を設定する。すなわち、各信号表示灯1の不揮発性メモリ55に表示制御情報が格納され、管理用信号表示灯100の不揮発性メモリ55に管理表示制御情報が格納される。生産装置A〜Cに接続された一部または全部の信号表示灯1に共通の表示制御情報が設定されてもよいし、各信号表示灯1に個別の表示制御情報が設定されてもよい。
表示制御情報の設定は、情報処理端末装置10からネットワーク3を介して、各信号表示灯1に表示制御情報を送信し、各信号表示灯1のCPU50が当該表示制御情報を受け付けて不揮発性メモリ55に書き込むことによって達成できる。同様に、管理表示制御情報の設定は、情報処理端末装置10からネットワーク3を介して、管理用信号表示灯100に管理表示制御情報を送信し、管理用信号表示灯100のCPU50が当該管理表示制御情報を受け付けて不揮発性メモリ55に書き込むことによって達成できる。また、このような処理の代わりに、各信号表示灯1,100に対して、ネットワーク3を介することなく、予め表示制御情報または管理表示制御情報を設定しておいてもよい。たとえば、信号表示灯1,100に外部接続インタフェースを設けておき、この外部接続インタフェースを利用して表示制御情報または管理表示制御情報が設定されてもよい。外部接続インタフェースは、USBインタフェースであってもよい。たとえば、表示制御情報または管理表示制御情報を格納したUSBメモリをUSBインタフェースに接続することによって、CPU50の働きにより、USBメモリから表示制御情報または管理表示制御情報が読み出され、その表示制御情報または管理表示制御情報が不揮発性メモリ55に書き込まれてもよい。
たとえば、各表示ユニット20が、フルカラー表示が可能なフルカラー表示ユニットである場合には、表示制御情報および/または管理表示制御情報は、フルカラー表示のためのカラーデータを含んでもよい。カラーデータは、具体的には、複数階調の三原色データを含んでもよい。より具体的には、表示制御情報および管理表示制御情報は、16階調の赤色データ、16階調の緑色データ、16階調の青色データを含んでいてもよい。むろん、階調数は一例であり、各色の輝度を256階調で表す三原色データが用いられてもよい。
図4は、表示状態情報の一例を示す。ここでは、表示制御情報と同じデータ形式の表示状態情報の例を示す。この例の表示状態情報は、表示部12の各段の表示ユニット20の点灯色を表す情報である。より具体的には、この例の表示状態情報は、第1段〜第N段(Nは信号表示灯1が有する表示ユニット20の数)の表示ユニット20について、三原色輝度データを含む。三原色輝度データは、赤色輝度データ(R)、緑色輝度データ(G)および青色輝度データ(G)を含む。すなわち、表示状態情報は、各段の表示ユニット20を識別するためのユニット識別情報と、各色の輝度データR,G,Bとの組で表現されている。各色の輝度データR,G,Bは、この例では、0〜15の16階調で各色の輝度を表している。
表示ユニット20がフルカラー表示ユニットでなく、より表示色が限定されたマルチカラーユニットである場合には、表示状態情報の情報量はより少なくなる。たとえば、表示ユニット20の光源30が、赤色発光ダイオード、青色発光ダイオードおよび緑色発光ダイオードを有していて、それらを個別にオン/オフすることによって複数色(消灯状態を含めて8色)の表示を実現する構成であってもよい。この場合には、赤色データ(R)、緑色データ(G)および青色データ(B)は、それぞれの色の発光ダイオードのオン/オフを表す各1ビットのデータ(合計3ビット)で各段の表示ユニット20の表示状態を表現できる。表示ユニット20の光源30が単色光源であり、そのオン/オフのみが行われる場合には、各段の表示ユニット20の表示状態情報は1ビットのデータとなる。
図5は、管理表示制御情報(表示状態決定テーブル)の一例を示す。この例は、2つの信号表示灯1A,1Bの表示状態を管理用信号表示灯100で集約表現して表示する場合の管理表示制御情報を示す。
信号表示灯1から管理用信号表示灯100に送信される表示状態情報は、たとえば、信号表示灯識別情報と、ユニット識別情報と、発光状態データとを含む。信号表示灯識別情報は、信号表示灯1の識別情報であり、たとえば、信号表示灯1に付与されたIPアドレスである。ユニット識別情報は、当該信号表示灯1に備えられた表示ユニット20を識別するための情報、すなわち、当該信号表示灯1の何段目の表示ユニット20であるかを表す情報である。そして、発光状態データは、当該表示ユニットの光源30の発光色を表すデータ、たとえば、前述のような三原色輝度データである。
図5では、信号表示灯1AのIPアドレスを「IPアドレス1」と表し、信号表示灯1BのIPアドレスを「IPアドレス2」と表してある。また、たとえば、信号表示灯1A,1Bは、入力信号に応じて、第1段の表示ユニット21が緑色点灯または消灯され、第2段の表示ユニット22が黄色点灯または消灯され、第3段の表示ユニット23が赤色点灯または消灯されるように、表示制御情報が設定されているものとする。そして、第1段、第2段および第3段の表示ユニット21,22,23は、いずれか一つが点灯状態に制御されるとき、他は消灯状態に制御されるものとする。一方、管理用信号表示灯100は、第1段の表示ユニット21が消灯および緑色点灯のいずれかの状態をとり、第2段の表示ユニット22が消灯、黄色点滅および黄色点灯のいずれかの状態をとり、第3段の表示ユニット23が消灯、赤色点滅および赤色点灯のいずれかの状態をとるように、管理表示制御情報が設定されているものとする。そして、第1段、第2段および第3段の表示ユニット21,22,23は、いずれか一つが点灯または点滅するとき、他は消灯状態に制御されるものとする。
図5に示す管理表示制御情報は、具体的には、次のように管理用信号表示灯100の表示部12を制御させる情報である。
信号表示灯1A,1Bの第1段の表示ユニット21がいずれも緑色で点灯しているとき、管理用信号表示灯100の第1段の表示ユニット21が緑色点灯(または消灯)する。
信号表示灯1A,1Bの一方において第1段の表示ユニット21が緑色で点灯し、かつそれらの他方において第2段の表示ユニット22が黄色で点灯しているとき、管理用信号表示灯100の第2段の表示ユニット22が黄色で点滅する。
信号表示灯1A,1Bの一方において第1段の表示ユニット21が緑色で点灯し、かつそれらの他方において第3段の表示ユニットが赤色で点灯しているとき、管理用信号表示灯100の第2段の表示ユニット22が黄色で点灯(連続点灯)する。
信号表示灯1A,1Bの両方において第2段の表示ユニット22が黄色で点灯しているとき、管理用信号表示灯100の第3段の表示ユニット23が赤色で点滅する。
信号表示灯1A,1Bの一方において第2段の表示ユニット22が黄色で点灯し、他方において第3段の表示ユニット23が赤色で点灯しているとき、管理用信号表示灯100の第3段の表示ユニット23が赤色で点灯(連続点灯)する。
信号表示灯1A,1Bの両方において、第3段の表示ユニット23が赤色で点灯しているとき、管理用信号表示灯100の第3段の表示ユニット23が赤色で点灯(連続点灯)する。
このように、管理用信号表示灯100は、信号表示灯1A,1Bの表示状態の組み合わせによって規定される表示状態となり、信号表示灯1A,1Bの表示状態を集約した表示状態に制御される。したがって、管理用信号表示灯100の表示状態は、生産装置A,Bの状態を全体的に表すことになる。したがって、管理者は、管理用信号表示灯100を視認することによって、生産装置A,Bの全体の稼働状況を知ることができる。
もちろん、信号表示灯1A,1B,1Cの表示状態に基づいて、図5のテーブル(表示状態決定テーブル)に類似した、いわば三次元テーブル(表示状態決定テーブル)によって管理表示制御情報を規定することもできる。それにより、管理用信号表示灯100は、3つの生産装置A,B,Cの全体的な稼働状況を表す表示状態となる。
図6は、信号表示灯1(ミラーリング元)の動作例を説明するためのフローチャートである。この動作は、所定の制御周期で繰り返し実行される。CPU50は、入力回路53に入力される入力信号を参照して、入力信号が変化したかどうかを判断する(ステップS1)。入力信号に変化がなければ、今制御周期での処理を終える。入力信号に変化があれば(ステップS1:YES)、CPU50は、入力信号に対応する表示制御情報を不揮発性メモリ55から読み出す(ステップS2)。この表示制御情報に対応する表示制御信号が、表示部駆動ユニット51に与えられる。こうして、表示部12は、入力信号に対応した表示状態となる(ステップS3)。入力信号に変化がなければ、従前の表示状態が維持される。さらに、CPU50は、自身の信号表示灯1の表示部12の表示状態を表す表示状態情報(たとえば前記表示制御情報)を管理用信号表示灯100のIPアドレスを宛先として送出して(ステップS4)、今制御周期の処理を終える。
図7は、管理用信号表示灯100(ミラーリング先)がミラーリング元の信号表示灯1からの表示状態情報を受信する処理の例を説明するためのフローチャートである。管理用信号表示灯100では、この処理が制御周期毎に繰り返し実行される。CPU50は、ミラーリング元(信号表示灯1)からの接続要求を待機し(ステップS21)、接続要求がなければ(ステップS21:NO)、処理を終了する。接続要求があると(ステップS21:YES)、CPU50は、ネットワークインタフェース17を介して、受信確認を送出して、接続を確立させる(ステップS22)。その後、CPU50は、表示状態情報を受信すると(ステップS23:YES)、その受信した表示状態情報をメモリ54(RAM56)に格納する(ステップS24)。その後は、ステップS23に戻る。一方、表示状態情報が受信されなければ(ステップS23:NO)、CPU50は、ミラーリング元との接続が切断されたかどうかを調べる(ステップS25)。接続が切断されると(ステップS25:YES)、処理を終える。接続が切断されていなければ、ステップS23に戻って、表示状態情報の受信を待機する。
図8は、管理用信号表示灯100(ミラーリング先)の表示制御に関する動作例を説明するためのフローチャートである。管理用信号表示灯100では、この処理が制御周期毎に繰り返し実行される。CPU50は、ミラーリング元(信号表示灯1)との接続が確立されているかどうかを判断し(ステップS31)、接続が確立されていなければ(ステップS31:NO)、表示部駆動ユニット51に対して、全ての表示ユニット20を消灯状態とするための表示制御信号を与えて(ステップS32)、今制御周期の処理を終える。
一方、ミラーリング元(信号表示灯1)との接続が確立されている場合には(ステップS31:YES)、CPU50は、メモリ54(RAM56)に格納された表示状態情報を参照し、表示状態情報に変化があったかどうかを判断する(ステップS33)。表示状態情報に変化がなければ(ステップS33:NO)、今制御周期での処理を終了する。表示状態情報に変化があれば(ステップS33:YES)、CPU50は、変化後の表示状態情報に基づいて、不揮発性メモリ55に格納された管理表示制御情報を読み出す(ステップS34)。CPU50は、その読み出した管理表示制御情報に対応する表示制御信号を表示部駆動ユニット51に与える(ステップS35)。それにより、表示部12は、変化後の表示状態情報に対応した表示状態となる。この表示状態は、前述のとおり、複数の信号表示灯1の表示状態を集約した表示状態である。
さらに、CPU50は、いずれの信号表示灯1のミラーリングを行っているのかを表す音声をスピーカ16から発生させ、ミラーリング元を報知する(ステップS36。模擬表示元報知手段)。たとえば、CPU50は、「信号表示灯***の状態を集約表示しています。」などといった音声メッセージを発音させるための発音制御信号をスピーカ駆動ユニット52に与えてもよい。ミラーリング元の信号表示灯1の報知は、表示部12の表示によって行われてもよい。
このようにこの実施形態によれば、複数の信号表示灯1の表示状態をネットワーク3を介して管理用信号表示灯100においてミラーリングすることができる。それにより、管理用信号表示灯100の近くにいる使用者(たとえば管理者)は、直接視認することができない遠くの信号表示灯1A〜1Cによって提供されている情報を、管理用信号表示灯100の表示状態を目視することで確認できる。それにより、生産装置A〜Cの近くまで移動することなく、生産装置A〜Cの稼働状況を把握できる。しかも、管理用信号表示灯100は、信号表示灯としての基本構成を有しているから、或る程度遠くからでも点灯状態を目視できるように構成されており、しかも発光による報知の方向も管理用信号表示灯100の周囲の広い範囲に渡っている。したがって、使用者は、管理用信号表示灯100の周囲の広い範囲から管理用信号表示灯100を目視できるので、自由な位置にいることができ、場合によっては、別の作業に従事しながら管理用信号表示灯100の表示状態を確認することも可能である。これにより、利便性に優れた信号表示灯システムを提供できる。
そして、この実施形態では、管理用信号表示灯100は、信号表示灯1の表示状態をそのままミラーリングするのではなく、信号表示灯1の表示状態情報に対応し、かつ信号表示灯1の表示状態とは異なる表示状態に制御される。それによって、管理用信号表示灯100は、使用者(たとえば管理者)が必要とする情報を適切に提供する。
具体的には、図5を用いて説明したとおり、管理用信号表示灯100の表示状態は、複数の信号表示灯1の表示状態の組み合わせによって決定されてもよい。それにより、複数の生産装置A〜Cの全体の稼働状況を管理用信号表示灯100によって報知することができる。
なお、前述の説明では、信号表示灯1が入力信号の変化に応答して自発的に表示状態情報を管理用信号表示灯100に送信することとしているが(図6参照)、これは通信処理の一例である。すなわち、信号表示灯1は、入力信号の変化の有無によらずに、定期的に表示状態情報を管理用信号表示灯100に送信してもよい。また、信号表示灯1が自発的に表示状態情報を送信するのではなく、管理用信号表示灯100からの要求によって、管理用信号表示灯100が各信号表示灯1から表示状態情報を取得する通信方式であってもよい。この場合、たとえば、管理用信号表示灯100は、定期的に各信号表示灯1に対して表示状態情報取得要求を送信する。それに応答して、各信号表示灯1は、管理用信号表示灯100に対して、表示状態情報を送信する。
図9は、この発明の第2の実施形態を説明するための図であり、信号表示灯1A,1B,1Cの表示状態に基づいて管理用信号表示灯100の表示状態を決定するための表示状態決定テーブルを示す。
この例では、信号表示灯1A,1B,1Cは、それぞれ、「エラー1」、「エラー2」および「正常」の3つの表示状態のいずれかに制御される。「エラー1」は、第1段階の異常発生時、すなわち、軽微な異常発生時の表示状態であり、たとえば、第2段の表示ユニット22を黄色で点灯させる状態であってもよい。「エラー2」は、第2段階の異常発生時、すなわち、重度の異常発生時の表示状態であり、たとえば、第3段の表示ユニット23を赤色で点灯させる状態であってもよい。「正常」は、正常時の表示状態であり、たとえば、第1段の表示ユニット21を緑色で点灯させる状態であってもよい。
一方、管理用信号表示灯100は、「エラー」、「注意」および「正常」の3つの表示状態のいずれかに制御される。「エラー」は、異常発生を報知する表示状態であり、たとえば、第3段の表示ユニット23を赤色で点灯させる状態であってもよい。「注意」は、軽微な異常発生を報知する表示状態であり、たとえば、第2段の表示ユニット22を黄色で点灯させる状態であってもよい。「正常」は、正常であることを報知する表示状態であり、たとえば、第1段の表示ユニット21を緑色で点灯させる状態であってもよい。
図9の表示状態決定テーブルでは、信号表示灯1A,1B,1Cの表示状態がいずれも「正常」である場合、管理用信号表示灯100の表示状態は、「正常」に設定される。また、信号表示灯1A,1B,1Cのうちの一つ以上の表示状態が「エラー1」であっても、いずれの信号表示灯1A,1B,1Cの表示状態も「エラー2」でなければ、管理用信号表示灯100の表示状態は、「正常」に設定される。すなわち、信号表示灯1A,1B,1Cの表示状態に「エラー1」と「正常」とが混在している場合、および全ての信号表示灯1A,1B,1Cの表示状態が「エラー1」である場合であっても、管理用信号表示灯100の表示状態は「正常」となる。そして、信号表示灯1A,1B,1Cのうちの一つまたは2つの表示状態が「エラー2」である場合には、管理用信号表示灯100の表示状態は「注意」に設定される。信号表示灯1A,1B,1Cの全ての表示状態が「エラー2」であるときは、管理用信号表示灯100の表示状態は「エラー」に設定される。
このように、この実施形態では、軽微なエラー(エラー1)については、各信号表示灯1では表示されるものの、管理用信号表示灯100では報知されない。たとえば、軽微なエラーは、生産装置A〜Cの現場担当者に対して報知すれば足り、管理者への通知を要しない場合もある。具体的には、現場担当者の判断で解決できる事項であれば、管理者を巻き込む必要がない。このような場合に、軽微なエラーを管理用信号表示灯100で表示すると、不必要に管理者を巻き込み、業務効率が低下するおそれがある。
この実施形態の信号表示灯システムでは、個々の信号表示灯1の表示を確認することによって個々の生産装置A〜Cの詳細な状態を把握できる一方で、管理用信号表示灯100は、複数の生産装置A〜Cの全体的な稼働状態を報知する。それにより、たとえば工場内での人員配置を含む全体の業務管理の効率を向上できる。
また、生産装置A〜Cを含む生産設備(たとえば生産ライン)が全体としては稼働しており、一つの生産装置のみが停止しているような状況では、その対処を現場担当者に委ね、管理者への通知を省くことができる。それにより、生産工程全体の管理に対する負荷を軽減できる。その一方で、生産設備全体が停止したり、または停止する恐れがあったりする状況では、管理用信号表示灯100によって、管理者に対する報知を適切に行える。それにより、管理者による対処が必要な事象に関する情報、すなわち優先度の高い情報については、管理者への通知が行われ、管理者に対して対処を促すことができる。
なお、前述の説明では、異常の段階数が2である例を示したが、むろん、異常の段階数は3段階異常であってもよい。
図10は、この発明の第3の実施形態に係る信号表示灯システムを説明するための図であり、管理用信号表示灯100における表示状態決定処理を説明するためのフローチャートである。ミラーリング元となる信号表示灯1A,1B,1Cは、前述の第2の実施形態と同様に、「エラー1」、「エラー2」および「正常」の3つの表示状態のいずれかに制御される。また、管理用信号表示灯100も、前述の第2の実施形態と同様に、「エラー」、「注意」および「正常」の3つの表示状態のいずれかに制御される。
管理用信号表示灯100のCPU50は、信号表示灯1A,1B,1Cのそれぞれの表示情報状態に対してポイントを付与する(ステップS41)。たとえば、「正常」に対して0ポイント、「エラー1」に対して1ポイント、「エラー2」に対して2ポイントがそれぞれ付与される。管理用信号表示灯100のCPU50は、3つの信号表示灯1A,1B,1Cにそれぞれ付与されたポイントの合計を求める(ステップS42)。そして、CPU50は、その合計ポイントに基づいて、管理用信号表示灯100の表示状態を決定する(ステップS43)。たとえば、CPU50は、合計ポイントが1〜3の場合は表示状態を「正常」と決定し、合計ポイントが4〜5の場合は表示状態を「注意」と決定し、合意ポイントが6の場合は表示状態を「エラー」と決定してもよい。この決定は、合計ポイントと閾値との比較によって行ってもよいし、合計ポイントと表示状態とを対応付けたテーブルを用いて行ってもよい。
このような構成でも、信号表示灯1A,1B,1Cの表示状態を集約して管理用信号表示灯100に表示できるので、管理者に対して、必要な情報を適切に伝達できる。
図11は、この発明の第4の実施形態に係る信号表示灯システムを説明するための図であり、管理用信号表示灯100における表示状態の決定に関する処理(CPU50が制御周期毎に繰り返す処理)を示す。
この実施形態では、ミラーリング元の信号表示灯1は、タイムトリガモードまたはパルストリガモードに設定可能である。タイムトリガモードとは、表示部12の表示状態が時間経過に伴って変動し、それによって、経過時間表示を行う動作モードである。パルストリガモードとは、入力信号線8に所定の入力信号(パルス信号)が入力された回数に応じて表示部12の表示状態が変動し、それによって、積算量/積算数表示(進捗表示)を行う動作モードである。動作モードの設定は、情報処理端末装置10を用いて行うことができる。
動作モードがタイムトリガモードに設定された信号表示灯1では、入力信号線8から入力される入力信号をトリガとしてタイマ58の計時が開始される。タイムトリガモードに対応して、不揮発性メモリ55には、複数の表示パターンを表す表示制御情報が格納される。入力信号線8に所定の入力信号が入力されると、CPU50は、最初の表示パターンを選択し、タイマ58をスタートさせる。タイマ58の計時時間が所定時間に達すると、それに応答して、CPU50は、別の一つの表示パターンを選択する。同様にして、CPU50は、複数の表示パターンのうちの一つを順次かつ循環的に選択し、その選択した表示パターンの表示制御情報に対応する表示制御信号を表示部駆動ユニット51に供給する。その結果、表示部12において、所定の入力信号の入力からの経過時間に応じて変動する表示を行える。それにより、表示部12は、経過時間表示を行うことができる。たとえば、表示部12の下から上(または上から下)に向かって発光領域が移動していくような移動表示、表示部12の下から上(または上から下)に向かって発光領域が延びていく(または縮んでいく)ような伸縮表示、表示部12の発光時間間隔が長く(または短く)なっていくような可変点滅間隔表示などが、経過時間表示の例である。
動作モードがパルストリガモードに設定された信号表示灯1では、入力信号線8の一部が所定の入力信号(パルス信号)の入力のために割り当てられる。たとえば、それぞれオン/オフ信号が入力される4本の入力信号線8(入力1〜4)が設けられている場合に、一つの入力4がパルス信号の入力に割り当てられ、残りの入力1〜3がパルス信号以外の信号の入力に割り当てられてもよい。この場合、入力1〜3に所定の入力信号が与えられるとCPU50の内部のカウンタがリセットされる。そして、入力4にパルス信号が入力されるたびに、当該カウンタがインクリメントされる。パルストリガモードに対応して、不揮発性メモリ55には、複数の表示パターンを表す表示制御情報が格納される。この表示制御情報は、タイムトリガモードと共通の情報であってもよいし、タイムトリガモードとは別の情報であってもよい。CPU50は、複数の表示パターンから、カウンタの値によって特定される一つの表示パターンを選択する。パルス信号が入力されるたびにカウンタがインクリメントされるので、パルス信号が繰り返し入力されることにより、CPU50は、複数の表示パターンのうちの一つを順次かつ循環的に選択し、その選択した表示パターンの表示制御情報に対応する表示制御信号を表示部駆動ユニット51に供給する。その結果、表示部12の表示状態(発光状態)は、カウンタの値に対応することになる。したがって、パルス信号の入力回数、すなわち積算量/積算数を表示することができ、たとえば生産装置における処理の進捗状態を表示できる。たとえば、表示部12の下から上(または上から下)に向かって発光領域が移動していくような移動表示、表示部12の下から上(または上から下)に向かって発光領域が延びていく(または縮んでいく)ような伸縮表示、表示部12の発光時間間隔が長く(または短く)なっていくような可変点滅間隔表示などが、積算量/積算数表示(進捗表示)の例である。
このようなタイムトリガモードによる経過時間表示およびパルストリガモードによる積算量/積算数表示(進捗表示)についても、信号表示灯1A,1B,1Cにおける表示を集約して管理用信号表示灯100においてミラーリングできる。
たとえば、信号表示灯1A,1B,1Cは、それらが表示パターンの何番目を表示しているのかを表すパラメータp(パターン番号)を内部に保持している。このパラメータpは、表示部12の表示状態に対応する表示状態情報の一例である。管理用信号表示灯100のCPU50は、図11に示すように、それらのパラメータpを信号表示灯1A,1B,1Cから取得する(ステップS51)。そして、CPU50は、その取得されたパラメータpに対して、合計演算、平均値演算その他の適切な演算を実行し、管理用パラメータPを求める(ステップS52)。管理用信号表示灯100の不揮発性メモリ55には、タイムトリガモードおよびパルストリガモードに対応して、複数の表示パターンを表す管理表示制御情報が予め格納される。この管理表示制御情報は、タイムトリガモードおよびパルストリガモードに対応して個別に準備されてもよく、それらに共通の情報であってもよい。複数の表示パターンは、管理用パラメータPの複数の値にそれぞれ対応している。CPU50は、管理用パラメータPに基づいて表示パターンを特定し(ステップS53)、その表示パターンに対応した管理表示制御情報を不揮発性メモリ55から読み出す(ステップS54)。そして、CPU50は、その管理表示制御情報に対応した表示制御信号を表示部駆動ユニット51に供給する。それにより、管理用信号表示灯100の表示部12は、管理用パラメータPに対応した表示状態となる(ステップS55)。
このようにして、管理用信号表示灯100は、複数の信号表示灯1A,1B,1Cにおける時間経過表示または積算量/積算数表示(進捗表示)を集約した表示を使用者(とくに管理者)に提供できる。
図12は、この発明の第5の実施形態に係る信号表示灯システムの構成を説明するための概念図である。この実施形態では、ネットワーク3に接続された信号表示灯1A,1B,1Cは、それぞれ、液体タンク70A,70B,70C(以下、総称するときには「液体タンク70」という。)に貯留された液体71の液量および液温を表示するように構成されている。より具体的には、信号表示灯1A,1B,1Cには、それぞれ、センサユニット80A,80B,80C(以下、総称するときには「センサユニット80」という。)が信号変換ユニット75A,75B,75C(以下、総称するときには「信号変換ユニット75」という。)を介して接続されている。センサユニット80は、液面センサ81と、温度センサ82とを含む。液面センサ81は、液体タンク70内の液面の高さ(液量)を検出し、対応する検出信号を出力する。温度センサ82は、液体タンク70内の液体71の温度(液温)を検出し、対応する検出信号を出力する。すなわち、2つのセンサ81,82は、異なる種類の物理量をそれぞれ検出する。センサ81,82の出力信号は、信号変換ユニット75によってディジタルデータに変換され、信号表示灯1内の制御ユニット15に入力される。なお、信号変換ユニット75は、信号表示灯1の基台部11に組み込まれていてもよい。
信号表示灯1の不揮発性メモリ55には、二つの物量、すなわち、液量および液温を表示部12において表現するための表示制御情報が予め格納される。たとえば、点灯する表示ユニット20の数(すなわち、点灯領域の大きさ)によって液量が表現され、表示ユニット20の点灯色によって液温が表現されてもよい。この場合、たとえば、液量に応じて表示ユニット20を下段から順に点灯することとし、液量が多くなるほど点灯ユニット数が多くなるように表示制御情報が作成される。また、たとえば、液温に応じて寒色系から暖色系の色彩になるように表示制御情報が作成される。
したがって、信号表示灯1の表示部12は、液体タンク70内の液体71の液量に応じて点灯領域の大きさが変化し、その液温に応じて点灯色が変化するように制御される。このような表示部12の表示状態に対応する表示状態情報が、信号表示灯1A,1B,1Cからネットワーク3を介して管理用信号表示灯100に送信される。表示状態情報は、点灯している表示ユニット20の数(点灯領域の大きさ)に関する情報と、点灯色に関する情報とを含んでいてもよい。
管理用信号表示灯100は、たとえば、信号表示灯1Aからの表示状態情報に対応する表示を第1段の表示ユニット21において実行し、信号表示灯1Bからの表示状態情報に対応する表示を第2段の表示ユニット22において実行し、信号表示灯1Cからの表示状態情報に対応する表示を第3段の表示ユニット23において実行する。たとえば、管理用信号表示灯100は、信号表示灯1Aから与えられる表示状態情報のうち、点灯領域の大きさに関する情報(液量情報)に対応する時間間隔で第1段の表示ユニット21を点滅させてもよい。また、信号表示灯100は、信号表示灯1Aから与えられる表示状態情報のうち、点灯色に関する情報(液温情報)に基づいて、第1段の表示ユニット21の点灯色を定めてもよい。第2段および第3段の表示ユニット23についても、信号表示灯1B,1Cから得られる表示状態情報に基づいて、同様に表示状態が設定されればよい。
こうして、管理用信号表示灯100は、複数の信号表示灯1A,1B,1Cの表示状態を集約して表示する。そして、管理用信号表示灯100の各段の表示ユニット21,22,23は、点滅間隔および点灯色によって、それぞれ、2種類の物理量(液量および液温)を表現する表示状態となる。
なお、信号表示灯1A,1B,1Cから管理用信号表示灯100に送信される表示状態情報としては、センサ81,82の検出信号に対応した液量データおよび液温データを用いてもよい。この場合、管理用信号表示灯100は、それらのデータに基づいて、各表示ユニット20の表示状態を決定する。
以上、この発明の実施形態について説明してきたが、この発明は、さらに他の形態で実施することもできる。
たとえば、信号表示灯1A,1B,1Cにおいて「エラー1」、「エラー2」および「正常」の表示を行う場合(図9参照)に、3つの信号表示灯1A,1B,1Cを管理用信号表示灯100の3つの表示ユニット21,22,22にそれぞれ対応付けて集約表示してもよい。すなわち、表示ユニット21は信号表示灯1Aの表示状態を表現し、表示ユニット22は信号表示灯1Bの表示状態を表現し、表示ユニット23は信号表示灯1Cの表示状態を表現する。各表示ユニット20における表示は、表示内容に応じて点滅間隔を異ならせた点滅表示、表示内容に応じて点灯色を異ならせたカラー表示などであってもよい。
また、前述の実施形態では、複数の信号表示灯1の表示状態情報が管理用信号表示灯100に送信される例を示したが、一つの信号表示灯1から管理用信号表示灯100に表示状態情報が送信され、管理用信号表示灯100が信号表示灯1とは異なる表示状態に制御されてもよい。生産装置が配置された現場で必要とされる情報と、管理者が必要とする情報とは異なるので、このような構成が適切な場合もある。
また、ネットワーク3に管理用情報処理装置(情報処理端末装置10であってもよい。)を接続し、この管理用情報処理装置に一部または全部の信号表示灯1の表示状態情報が送信されて登録されるようにしてもよい。この場合、管理用信号表示灯100は、ミラーリング元の信号表示灯1の表示状態情報を管理用情報処理装置を介して取得することができる。すなわち、ミラーリング元(信号表示灯1)からミラーリング先(管理用信号表示灯100)への表示状態情報の送信が、管理用情報処理装置を介して行われる。
さらに、前述の実施形態では、生産装置A〜Cの間を接続するネットワーク3を利用して、複数の信号表示灯1および管理用信号表示灯100が通信可能に接続されているが、むろん、生産装置A〜Cを接続するネットワークと、複数の信号表示灯1および管理用信号表示灯100を接続するネットワークを別に設けてもよい。
本発明の実施形態について詳細に説明してきたが、これらは本発明の技術的内容を明らかにするために用いられた具体例に過ぎず、本発明はこれらの具体例に限定して解釈されるべきではなく、本発明の範囲は添付の請求の範囲によってのみ限定される。