特許文献1の構成により、管理者は、中央シグナルコラムを見ることにより、複数の技術的装置の動作状態をまとめて把握できる。一方、技術的装置のシグナルコラムは、対応する技術的装置の動作状態を警告ランプによって表示するに過ぎない。そのため、そのシグナルコラムの周辺にいる者は、他の技術的装置の動作状態のような追加の情報までは把握できない。このような追加の情報を表示することができれば、さらに利便性を向上できる。
そこで、この発明の一実施形態は、複数の報知装置を含む構成において、1つの報知装置から、この報知装置が本来報知すべき情報だけでなく、他の報知装置が報知する情報も報知でき、それによって利便性を向上できる報知システムを提供する。
この発明の一実施形態は、第1報知装置と、第2報知装置とを含む報知システムを提供する。前記第1報知装置は、第1情報が入力される第1入力部と、第2情報が入力される第2入力部と、情報を可変表示する第1主表示部と、第1制御部とを含む。前記第1制御部は、前記第1情報に対応する情報を第1表示属性により表示し、前記第2情報に対応する情報を前記第1表示属性とは異なる第2表示属性により表示するように前記第1主表示部を制御する。前記第2報知装置は、第3情報が入力される第3入力部と、第4情報が入力される第4入力部と、情報を可変表示する第2主表示部と、第2制御部とを含む。前記第2制御部は、前記第3情報に対応する情報を第3表示属性により表示し、前記第4情報に対応する情報を前記第3表示属性とは異なる第4表示属性により表示するように前記第2主表示部を制御する。前記第1入力部への前記第1情報の入力に応じて、前記第1制御部は、前記第1表示属性の属性値を変更する。前記第2入力部への前記第2情報の入力に応じて、前記第1制御部は、前記第2表示属性の属性値を変更する。前記第3入力部への前記第3情報の入力に応じて、前記第2制御部は、前記第3表示属性の属性値を変更する。前記第4入力部への前記第4情報の入力に応じて、前記第2制御部は、前記第4表示属性の属性値を変更する。前記第1報知装置は、前記第1制御部によって制御される第1副表示部であって、前記第2主表示部に表示される情報に対応する情報を表示する第1副表示部をさらに含む。
この構成により、第1報知装置の第1制御部は、第1入力部に入力された第1情報に対応する情報を第1表示属性により表示するように第1主表示部を制御する。これにより、第1主表示部に表示された情報を見た者は、この情報を把握できる。第1情報が第1入力部に入力されると、第1制御部は、第1表示属性の属性値を変更し、第1情報に対応する情報を変更後の属性値により表示するように第1主表示部を制御する。これにより、第1主表示部に表示された情報を見た者は、変更後の属性値に対応する情報を把握できる。一方、第1制御部は、第2入力部に入力された第2情報に対応する情報を第1表示属性とは異なる第2表示属性により表示するように第1表示部を制御する。第2情報が第2入力部に入力されると、第1制御部は、第2表示属性の属性値を変更し、第2情報に対応する情報を変更後の属性値により表示するように第1主表示部を制御する。これにより、第1主表示部に表示された情報を見た者は、変更後の属性値に対応する情報を把握できる。
第2報知装置の第2制御部は、第3入力部に入力された第3情報に対応する情報を第3表示属性により表示するように第2主表示部を制御する。これにより、第2主表示部に表示された情報を見た者は、この情報を把握できる。第3情報が第3入力部に入力されると、第2制御部は、第3表示属性の属性値を変更し、第3情報に対応する情報を変更後の属性値により表示するように第2主表示部を制御する。これにより、第3主表示部に表示された情報を見た者は、変更後の属性値に対応する情報を把握できる。一方、第2制御部は、第4入力部に入力された第4情報に対応する情報を第3表示属性とは異なる第4表示属性により表示するように第2表示部を制御する。第4情報が第4入力部に入力されると、第2制御部は、第4表示属性の属性値を変更し、第4情報に対応する情報を変更後の属性値により表示するように第3主表示部を制御する。これにより、第3主表示部に表示された情報を見た者は、変更後の属性値に対応する情報を把握できる。
一つの具体例では、機械装置の異常の発生やその内容を表わす情報が第1情報や第3情報として第1入力部や第3入力部に入力されてもよい。この構成により、第1報知装置に対応付けられた機械装置での異常の発生を表わす第1情報が第1入力部に入力されると、第1制御部は、第1情報に対応する情報を第1表示属性により表示するように第1主表示部を制御する。また、第2報知装置に対応付けられた機械装置での異常の発生を表わす第3情報が第3入力部に入力されると、第2制御部は、第3情報に対応する情報を第3表示属性により表示するように第2主表示部を制御する。これにより、第1主表示部や第2主表示部に表示された情報を見た者は、異常の発生やその内容を把握できる。
さらに一つの具体例では、機械装置の異常に対応する作業者等の操作者が、作業者の到着を表わす情報を第2情報や第4情報として第2入力部や第4入力部に入力してもよい。すると、第1制御部は、第2情報に対応する情報を第1表示属性とは異なる第2表示属性により表示するように第1主表示部を制御する。また、第2制御部は、第4情報に対応する情報を第3表示属性とは異なる第4表示属性により表示するように第2主表示部を制御する。これにより、第1主表示部や第2主表示部に表示された情報を見た者は、異常への対応が開始されたことを把握できる。
第1報知装置の第1副表示部には、第2報知装置の第2主表示部に表示される情報に対応する情報が表示される。これにより、第1報知装置は、第1報知装置が本来報知すべき情報だけでなく、第2報知装置が報知する情報も報知でき、それより、利便性を向上できる。
この発明の一実施形態では、前記第2報知装置は、前記第2制御部によって制御される第2副表示部であって、前記第1主表示部に表示される情報に対応する情報を表示する第2副表示部をさらに含む。
この構成により、第2報知装置の第2副表示部には、第1報知装置の第1主表示部に表示される情報に対応する情報が表示される。これにより、第2報知装置は、第2報知装置が本来報知すべき情報だけでなく、第1報知装置が報知する情報も報知でき、それより、利便性を向上できる。
この発明の一実施形態では、前記報知システムは、第3報知装置をさらに含む。前記第3報知装置は、第5情報が入力される第5入力部と、第6情報が入力される第6入力部と、情報を可変表示する第3主表示部と、第3制御部とを含む。前記第3制御部は、前記第5情報に対応する情報を第5表示属性により表示し、前記第6情報に対応する情報を前記第5表示属性とは異なる第6表示属性により表示するように前記第3主表示部を制御する。前記第5入力部への前記第5情報の入力に応じて、前記第3制御部は、前記第5表示属性の属性値を変更する。前記第6入力部への前記第6情報の入力に応じて、前記第3制御部は、前記第6表示属性の属性値を変更する。前記第1報知装置は、前記第1制御部によって制御される別の第1副表示部であって、前記第3主表示部に表示される情報に対応する情報を表示する別の第1副表示部をさらに含む。
この構成により、第3報知装置の第3制御部は、第5入力部に入力された第5情報に対応する情報を第5表示属性により表示するように第3主表示部を制御する。これにより、第3主表示部に表示された情報を見た者は、この情報を把握できる。第5情報が第5入力部に入力されると、第3制御部は、第5表示属性の属性値を変更し、第5情報に対応する情報を変更後の属性値により表示するように第3主表示部を制御する。これにより、第3主表示部に表示された情報を見た者は、変更後の属性値に対応する情報を把握できる。一方、第3制御部は、第6入力部に入力された第6情報に対応する情報を第5表示属性とは異なる第6表示属性により表示するように第3表示部を制御する。第6情報が第6入力部に入力されると、第3制御部は、第6表示属性の属性値を変更し、第6情報に対応する情報を変更後の属性値により表示するように第3主表示部を制御する。これにより、第3主表示部に表示された情報を見た者は、変更後の属性値に対応する情報を把握できる。
一つの具体例では、機械装置の異常の発生やその内容を表わす情報が第5情報として第5入力部に入力されてもよい。この構成により、第3報知装置に対応付けられた機械装置での異常の発生を表わす第5情報が第5入力部に入力されると、第3制御部は、第5情報に対応する情報を第5表示属性により表示するように第3主表示部を制御する。これにより、第3主表示部に表示された情報を見た者は、異常の発生やその内容を把握できる。
さらに一つの具体例では、機械装置の異常に対応する作業者等の操作者が、作業者の到着を表わす情報を第6情報として第6入力部に入力してもよい。すると、第3制御部は、第6情報に対応する情報を第5表示属性とは異なる第6表示属性により表示するように第3主表示部を制御する。これにより、第3主表示部に表示された情報を見た者は、異常への対応が開始されたことを把握できる。
そして、第1報知装置における別の第1副表示部には、第3報知装置の第3主表示部に表示される情報に対応する情報が表示される。これにより、第1報知装置は、第1報知装置が本来報知すべき情報だけでなく、第2報知装置および第3報知装置が報知する情報も報知でき、それより、利便性を向上できる。
この発明の一実施形態では、前記第2報知装置は、前記第2制御部によって制御される別の第2副表示部であって、前記第3主表示部に表示される情報に対応する情報を表示する別の第2副表示部をさらに含む。
この構成により、第2報知装置における別の第2副表示部には、第3報知装置の第3主表示部に表示される情報に対応する情報が表示される。これにより、第2報知装置は、第2報知装置が本来報知すべき情報だけでなく、第1報知装置および第3報知装置が報知する情報も報知でき、それより、利便性を向上できる。
この発明の一実施形態では、前記第1表示属性、前記第3表示属性および前記第5表示属性は、同じ表示属性であり、前記第2表示属性、前記第4表示属性および前記第6表示属性は、同じ表示属性である。
この構成により、第1報知装置、第2報知装置および第3報知装置では、例えば、対応する機械装置での異常の発生についての情報が同じ表示属性で表示され、異常への対応状況についての情報が同じ表示属性で表示される。第1報知装置の第1主表示部では、第1情報に対応する情報が第1表示属性により表示されて、第2情報に対応する情報が第2表示属性により表示される。第1報知装置において第2報知装置の第2主表示部に表示される情報に対応する情報が表示される第1副表示部では、第3情報に対応する情報が第3表示属性により表示されて、第4情報に対応する情報が第4表示属性により表示されてもよい。第1報知装置において第3報知装置の第3主表示部に表示される情報に対応する情報が表示される別の第1副表示部では、第5情報に対応する情報が第5表示属性により表示されて、第6情報に対応する情報が第6表示属性により表示されてもよい。この場合においても、第1表示属性、第3表示属性および第5表示属性は、同じ表示属性であり、第2表示属性、第4表示属性および第6表示属性は、同じ表示属性である。そのため、第1報知装置を見た者は、第1主表示部に表示された情報を把握したときと同じように、第1副表示部および別の第1副表示部にそれぞれ表示される情報を把握することができる。
この発明の一実施形態では、前記第1表示属性、前記第3表示属性および前記第5表示属性は、表示色であり、前記第2表示属性、前記第4表示属性および前記第6表示属性は、点灯パターンである。
この構成により、第1報知装置の第1主表示部は、第1情報に対応する情報を表示色によって表示でき、第2情報に対応する情報を点灯パターンによって表示できる。第2報知装置の第2主表示部は、第3情報に対応する情報を表示色によって表示でき、第4情報に対応する情報を点灯パターンによって表示できる。第3報知装置の第3主表示部は、第5情報に対応する情報を表示色によって表示でき、第6情報に対応する情報を点灯パターンによって表示できる。第1報知装置の第1副表示部には、第3情報および第4情報のそれぞれに対応する情報が表示されて、第1報知装置における別の第1副表示部には、第5情報および第6情報のそれぞれに対応する情報が表示されてもよい。この場合、第1報知装置を見た者は、例えば、第1報知装置に対応付けられた機械装置での異常の発生やその内容を第1主表示部の表示色によって把握でき、この異常への対応状況を第1主表示部の点灯パターンによって把握できる。同様に、第1報知装置を見た者は、第2報知装置に対応付けられた機械装置での異常の発生やその内容を第1副表示部の表示色によって把握でき、この異常への対応状況を第1副表示部の点灯パターンによって把握できる。同様に、第1報知装置を見た者は、第3報知装置に対応付けられた機械装置での異常の発生やその内容を別の第1副表示部の表示色によって把握でき、この異常への対応状況を当該別の第1副表示部の点灯パターンによって把握できる。
この発明の一実施形態では、前記第1情報は、前記第1報知装置に対応付けられた機械装置を制御する制御装置から出力される情報である。前記報知システムは、前記第2入力部への前記第2情報の入力のために操作者によって操作される第1操作部をさらに含む。
例えば、第1報知装置に対応付けられた機械装置で異常が発生すると、異常の発生およびその内容を表わす第1情報が、この機械装置を制御する制御装置から出力されて第1報知装置の第1入力部に入力される。一方、機械装置の異常が解消すると、異常の解消を表わす第1情報が、制御装置から出力されて第1入力部に入力される。第1報知装置の第1制御部がこのような第1情報に対応する情報を第1主表示部に表示するので、第1主表示部に表示された情報を見た者は、第1報知装置に対応付けられた機械装置における異常の発生およびその内容や、異常の解消を把握できる。異常に対応するために機械装置に到着した者が第1操作部を操作すると、第2情報が第1報知装置の第2入力部に入力される。この場合、第2情報は、異常への対応状況を表わす。第1報知装置の制御部は、入力された第2情報に対応する情報を第1主表示部に表示するので、第1主表示部に表示された情報を見た者は、異常への対応状況を把握できる。
この発明の一実施形態では、前記第3情報は、前記第2報知装置に対応付けられた機械装置を制御する制御装置から出力される情報である。前記報知システムは、前記第4入力部への前記第4情報の入力のために操作者によって操作される第2操作部をさらに含む。
例えば、第2報知装置に対応付けられた機械装置で異常が発生すると、異常の発生およびその内容に関する第3情報が、この機械装置を制御する制御装置から出力されて第2報知装置の第3入力部に入力される。一方、機械装置の異常が解消すると、異常の解消に関する第3情報が、制御装置から出力されて第3入力部に入力される。第2報知装置の第2制御部がこのような第3情報に対応する情報を第2主表示部に表示するので、第2主表示部に表示された情報を見た者は、第2報知装置に対応付けられた機械装置における異常の発生およびその内容や、異常の解消を把握できる。異常に対応するために機械装置に到着した者が第2操作部を操作すると、第4情報が第2報知装置の第4入力部に入力される。この場合、第4情報は、異常への対応状況を表わす。第2報知装置の第2制御部は、入力された第4情報に対応する情報を第2主表示部に表示するので、第2主表示部に表示された情報を見た者は、異常への対応状況を把握できる。また、第2主表示部に表示される情報に対応する情報が第1報知装置の第1副表示部に表示される。そのため、第1報知装置を見た者は、第1報知装置に対応付けられた機械装置についての情報を第1主表示部において把握でき、さらに、第2報知装置に対応付けられた機械装置についての情報を第1副表示部において把握できる。
この発明の一実施形態では、前記第5情報は、前記第3報知装置に対応付けられた機械装置を制御する制御装置から出力される情報である。前記報知システムは、前記第6入力部への前記第6情報の入力のために操作者によって操作される第3操作部をさらに含む。
例えば、第3報知装置に対応付けられた機械装置で異常が発生すると、異常の発生およびその内容を表わす第5情報が、この機械装置を制御する制御装置から出力されて第3報知装置の第5入力部に入力される。一方、機械装置の異常が解消すると、異常の解消に関する第5情報が、制御装置から出力されて第5入力部に入力される。第3報知装置の第3制御部がこのような第5情報に対応する情報を第3主表示部に表示するので、第3主表示部に表示された情報を見た者は、第3報知装置に対応付けられた機械装置における異常の発生およびその内容や、異常の解消を把握できる。異常に対応するために機械装置に到着した者が第3操作部を操作すると、第6情報が第3報知装置の第6入力部に入力される。この場合、第6情報は、異常への対応状況を表わす。第3報知装置の第3制御部は、入力された第6情報に対応する情報を第3主表示部に表示するので、第3主表示部に表示された情報を見た者は、異常への対応状況を把握できる。また、第3主表示部に表示される情報に対応する情報が第1報知装置における別の第1副表示部に表示される。そのため、第1報知装置を見た者は、第1報知装置に対応付けられた機械装置についての情報を第1主表示部において把握でき、第2報知装置に対応付けられた機械装置についての情報を第1副表示部において把握でき、さらに、第3報知装置に対応付けられた機械装置についての情報を当該別の第1副表示部において把握できる。
この発明の一実施形態では、前記第1報知装置は、前記第1主表示部の表示状態に関する情報を外部出力する第1出力部をさらに含む。
この構成により、第1報知装置は、第1主表示部の表示状態に関する情報を外部出力することができるので、第2報知装置は、その情報を取得して、第2副表示部の表示に反映することができる。
この発明の一実施形態では、前記第2報知装置は、前記第2主表示部の表示状態に関する情報を外部出力する第2出力部をさらに含む。
この構成により、第2報知装置は、第2主表示部の表示状態に関する情報を外部出力することができるので、第1報知装置は、その情報を取得して第1副表示部の表示に反映することができる。
この発明の一実施形態では、前記第3報知装置は、前記第3主表示部の表示状態に関する情報を外部出力する第3出力部をさらに含む。
この構成により、第3報知装置は、第3主表示部の表示状態に関する情報を外部出力することができるので、第1報知装置は、その情報を取得して、別の第1副表示部の表示に反映することができる。
図1は、この発明の一実施形態に係る報知システム1の構成例を説明するための概略構成図である。報知システム1は、例えば工場の生産現場に設けられている。生産現場には、複数の機械装置MA、MB、MC(以下、総称するときには「機械装置M」という。)が設置されている。報知システム1は、機械装置MA、MB、MCにそれぞれ取り付けられた第1報知装置2A、第2報知装置2B、第3報知装置2C(以下、総称するときには「報知装置2」という。)を含む。この実施形態では、機械装置M同士の間隔が広かったり、機械装置Mと別の機械装置Mとの間に大きな構造物(図示せず。例えば別の機械装置であってもよい。)が存在したりする。そのため、各機械装置Mの周辺にいる者は、他の機械装置Mに取り付けられた報知装置2を視認することができない。報知システム1は、第1報知装置2A、第2報知装置2B、第3報知装置2Cの周辺にそれぞれ配置された第1操作部3A、第2操作部3B、第3操作部3C(以下、総称するときには「操作部3」という。)をさらに含む。
第1報知装置2Aは、対応する機械装置MAを制御する制御装置4Aに、有線または無線の入力信号線5Aを介して接続されている。第2報知装置2Bは、対応する機械装置MBを制御する制御装置4Bに、有線または無線の入力信号線5Bを介して接続されている。第3報知装置2Cは、対応する機械装置MCを制御する制御装置4Cに、有線または無線の入力信号線5Cを介して接続されている。以下、制御装置4A、4B、4Cを総称するときには「制御装置4」という。制御装置4は、対応する機械装置Mの動作を制御するプログラマブルロジックコントローラ(PLC)であってもよい。以下では、入力信号線5A、5B、5Cを総称するときには「入力信号線5」という。
制御装置4から出力された情報が、入力信号線5を介して報知装置2に入力される。以下では、制御装置4Aから出力されて第1報知装置2Aに入力される情報を「第1情報」という。また、制御装置4Bから出力されて第2報知装置2Bに入力される情報を「第3情報」という。また、制御装置4Cから出力されて第3報知装置2Cに入力される情報を「第5情報」という。第1情報、第3情報および第5情報は、例えば、対応する機械装置Mが正常動作中であることや、機械装置Mの異常発生やその内容(例えば、故障、部品欠品、その他の異常の発生)を表わす信号である。
この実施形態における報知装置2は、全体として柱状の基本形態を有している。報知装置2は、機械装置Mにおける適所に固定されるベース6と、ベース6によって支持された表示ユニット7とを含む。ベース6は、柱状(典型的には円柱状)に構成されている。表示ユニット7は、ベース6と整合する大きさおよび形状の柱状(例えば円柱状)に構成されている。表示ユニット7は、ベース6上に積層された複数(この実施形態では3つ)の表示部8によって構成されている。このように複数の表示部8を備える報知装置2は、いわゆる積層信号灯である。各表示部8は、光源9と、光源9の周囲を覆う筒状(例えば円筒状)のグローブ10とを含む。この実施形態の光源9は、発光ダイオードであって、複数色を選択的に発光する。すなわち、光源9は、複数色の発光が可能なフルカラー光源またはマルチカラー光源である。この実施形態のグローブ10は、無色透明または白色透光性であり、光源9が発した光をそのままの色で外部に放出させる。表示部8における光源9の発光色は、この表示部8の表示色となる。表示部8は、光源9の発光色や点灯パターンによって情報を可変表示する。第1報知装置2Aと第2報知装置2Bと第3報知装置2Cとは、有線または無線のネットワーク11を介して通信可能に接続されている。ネットワーク11として、IO−Link等の接続技術による通信線を用いることができる。報知装置2同士が無線通信する場合には、ネットワーク11につながる無線通信ユニット13が、例えば表示ユニット7上に設けられる。
操作部3は、生産現場において保守を担当する作業者等の操作者によって操作される。操作部3は、この実施形態では、スイッチであって、信号線12を介して、対応する報知装置2に接続されている。当該スイッチとして、静電容量式のタッチセンサを用いることができる。操作部3は、この実施形態では、報知装置2から離れた位置に配置されているが、報知装置2に一体化されてもよい。この実施形態における操作部3は、操作者の手によって押し操作(より詳細にはタッチ操作)される。一方、報知装置2から離れた位置に配置された場合における操作部3は、操作者の足踏みによって操作されるフットスイッチであってもよい。操作者が第1操作部3Aを押し操作する度に、第1操作部3Aは第2情報を生成して第1報知装置2Aに入力する。操作者が第2操作部3Bを押し操作する度に、第2操作部3Bは第4情報を生成して第2報知装置2Bに入力する。操作者が第3操作部3Cを押し操作する度に、第3操作部3Cは第6情報を生成して第3報知装置2Cに入力する。第2情報、第4情報および第6情報の一例は、パルス信号である。
図2は、報知システム1の電気的構成例を説明するためのブロック図である。第1報知装置2Aは、制御装置4Aからの第1情報が入力される第1入力部21と、第1操作部3Aが生成した第2情報が入力される第2入力部22とを含む。第1入力部21は、入力信号線5Aに接続されるインタフェース部である。第2入力部22は、第1操作部3Aにつながった信号線12に接続されるインタフェース部である。第2報知装置2Bは、制御装置4Bからの第3情報が入力される第3入力部23と、第2操作部3Bが生成した第4情報が入力される第4入力部24とを含む。第3入力部23は、入力信号線5Bに接続されるインタフェース部である。第4入力部24は、第2操作部3Bにつながった信号線12に接続されるインタフェース部である。第3報知装置2Cは、制御装置4Cからの第5情報が入力される第5入力部25と、第3操作部3Cが生成した第6情報が入力される第6入力部26とを含む。第5入力部25は、入力信号線5Cに接続されるインタフェース部である。第6入力部26は、第3操作部3Cにつながった信号線12に接続されるインタフェース部である。
各報知装置2は、CPU(中央処理ユニット)によって構成された制御部27と、前述した3つの表示部8と、例えばベース6に内蔵されたブザー28と、時間を計測するタイマ29と、報知装置2の動作条件等の情報を記憶する記憶部30と、外部通信するための出入力部31とを含む。
第1報知装置2Aにおける3つの表示部8は、第1主表示部81Aと、第1副表示部82Aと、別の第1副表示部83Aとを含む。第1主表示部81A、第1副表示部82Aおよび第1副表示部83Aは、この順で上から並ぶようにベース6上に積層されている。第1主表示部81Aには、第1報知装置2A自身に対応付けられた機械装置MAの情報が表示され、第1副表示部82Aおよび第1副表示部83Aには、第1報知装置2A以外の報知装置2に対応付けられた機械装置Mの情報が表示される。
第2報知装置2Bにおける3つの表示部8は、第2主表示部81Bと、第2副表示部82Bと、別の第2副表示部83Bとを含む。第2主表示部81B、第2副表示部82Bおよび第2副表示部83Bは、この順で上から並ぶようにベース6上に積層されている。第2主表示部81Bには、第2報知装置2B自身に対応付けられた機械装置MBの情報が表示され、第2副表示部82Bおよび第2副表示部83Bには、第2報知装置2B以外の報知装置2に対応付けられた機械装置Mの情報が表示される。
第3報知装置2Cにおける3つの表示部8は、第3主表示部81Cと、第3副表示部82Cと、別の第3副表示部83Cとを含む。第3主表示部81C、第3副表示部82Cおよび第3副表示部83Cは、この順で上から並ぶようにベース6上に積層されている。第3主表示部81Cには、第3報知装置2C自身に対応付けられた機械装置MCの情報が表示され、第3副表示部82Cおよび第3副表示部83Cには、第3報知装置2C以外の報知装置2に対応付けられた機械装置Mの情報が表示される。以下では、第1主表示部81A、第2主表示部81Bおよび第3主表示部81Cを総称するときには「主表示部81」という。
以下では、第1報知装置2Aの制御部27を「第1制御部27A」といい、第2報知装置2Bの制御部27を「第2制御部27B」といい、第3報知装置2Cの制御部27を「第3制御部27C」ということがある。第1制御部27Aは、第1入力部21に入力される第1情報と、第2入力部22に入力される第2情報とに応じて第1主表示部81Aを制御する。これにより、第1主表示部81Aにおいて、第1情報に対応する情報が第1表示属性により表示され、第2情報に対応する情報が、第1表示属性とは異なる第2表示属性により表示される。第1制御部27Aは、第1副表示部82Aおよび第1副表示部83Aも制御する。第2制御部27Bは、第3入力部23に入力される第3情報と、第4入力部24に入力される第4情報とに応じて第2主表示部81Bを制御する。これにより、第2主表示部81Bにおいて、第3情報に対応する情報が第3表示属性により表示され、第4情報に対応する情報が、第3表示属性とは異なる第4表示属性により表示される。第2制御部27Bは、第2副表示部82Bおよび第2副表示部83Bも制御する。第3制御部27Cは、第5入力部25に入力される第5情報と、第6入力部26に入力される第6情報とに応じて第3主表示部81Cを制御する。これにより、第3主表示部81Cにおいて、第5情報に対応する情報が第5表示属性により表示され、第6情報に対応する情報が、第5表示属性とは異なる第6表示属性により表示される。第3制御部27Cは、第3副表示部82Cおよび第3副表示部83Cも制御する。この実施形態における第1表示属性、第3表示属性および第5表示属性は、同じ表示属性であり、具体的には表示部8の表示色である。この実施形態における第2表示属性、第4表示属性および第6表示属性は、同じ表示属性であり、具体的には表示部8の点灯パターンである。
制御部27は、ブザー28を制御する。制御部27は、必要に応じてタイマ29の計時時間を参照しながら処理を実行する。
図3は、報知装置2の報知パターンを説明するための図である。第1報知装置2Aの記憶部30には、制御装置4Aから入力される第1情報と、第1表示属性の属性値(以下「第1表示属性値」という。)と、当該第1表示属性値に対応する第1主表示部81Aの表示色との関係が記憶されている。第2報知装置2Bの記憶部30には、制御装置4Bから入力される第3情報と、第3表示属性の属性値(以下「第3表示属性値」という。)と、当該第3表示属性値に対応する第2主表示部81Bの表示色との関係が記憶されている。第3報知装置2Cの記憶部30には、制御装置4Cから入力される第5情報と、第5表示属性の属性値(以下「第5表示属性値」という。)と、当該第5表示属性値に対応する第3主表示部81Cの表示色との関係が記憶されている。この実施形態では、第1情報が機械装置MAの正常動作を表わす場合に、第1表示属性値は「正常値」に設定される。そして、「正常値」に対応する第1主表示部81Aの表示色は「緑」に設定されている。一方、第1情報が機械装置MAの異常発生を表わす場合に、第1表示属性値は「異常値」に設定される。そして、「異常値」に対応する第1主表示部81Aの表示色は「赤」に設定されている。第3表示属性値および第5表示属性値についても同様である。つまり、第3情報が機械装置MBの正常動作を表わす場合に、第3表示属性値は「正常値」に設定され、第2主表示部81Bの表示色は「緑」に設定されている。一方、第3情報が機械装置MBの異常発生を表わす場合に、第3表示属性値は「異常値」に設定され、第2主表示部81Bの表示色は「赤」に設定されている。第5情報が機械装置MCの正常動作を表わす場合に、第5表示属性値は「正常値」に設定され、第3主表示部81Cの表示色は「緑」に設定されている。一方、第5情報が機械装置MCの異常発生を表わす場合に、第5表示属性値は「異常値」に設定され、第3主表示部81Cの表示色は「赤」に設定されている。
第1報知装置2Aの記憶部30には、第2表示属性の属性値(以下「第2表示属性値」という。)と、当該第2表示属性値に対応する第1主表示部81Aの点灯パターンとの関係が記憶されている。第2報知装置2Bの記憶部30には、第4表示属性の属性値(以下「第4表示属性値」という。)と、当該第4表示属性値に対応する第2主表示部81Bの点灯パターンとの関係が記憶されている。第3報知装置2Cの記憶部30には、第6表示属性の属性値(以下「第6表示属性値」という。)と、当該第6表示属性値に対応する第3主表示部81Cの点灯パターンとの関係が記憶されている。第2表示属性値、第4表示属性値および第6表示属性値は、「初期値」、「中間値」および「完了値」のいずれかの値に設定される。この実施形態では、「初期値」に対応する主表示部81の点灯パターンは、点灯(連続点灯)である。「中間値」に対応する主表示部81の点灯パターンは、点滅である。「完了値」に対応する主表示部81の点灯パターンは、閃光である。「点滅」とは、一定の短時間点灯と一定の短時間滅灯とを周期的に繰り返す点灯パターンをいう。「閃光」とは、一定の極短時間点灯(点滅の場合よりも短時間の点灯)とその後の一定の短時間滅灯(点灯時間よりも長い時間の消灯)とを周期的に繰り返す点灯パターンをいう。
図3は、第1表示属性および第2表示属性のそれぞれの属性値が変化した場合における第1主表示部81Aの表示状態の変化を示している。図3の太い実線矢印は、操作者による第1操作部3Aの操作、すなわち第2情報の入力に応じて第1主表示部81Aの表示状態が変化する様子を示している。図3の太い破線矢印は、制御装置4Aから入力される第1情報の内容に応じて第1主表示部81Aの表示状態が変化する様子を示している。第1主表示部81Aは、この例では、6つの表示状態8A〜8Fをとり得る。
機械装置MAの正常動作を表わす第1情報が制御装置4Aから第1入力部21に入力されると、第1制御部27Aは、第1表示属性値を正常値に設定し、第1主表示部81Aの光源9の発光色を緑色に設定する。このとき、第2表示属性値が初期値であれば、第1制御部27Aの制御によって、第1主表示部81Aは緑色で連続点灯する(表示状態8A)。この状態で、作業者が例えばメンテナンスのために機械装置MAにやってきて、メンテナンスの開始に先立って第1操作部3Aを1回押し操作すると、第2情報が第2入力部22に入力される。すると、第1制御部27Aは、第2表示属性値を、初期値から中間値に変更する。これにより、第1主表示部81Aの表示状態は、緑点灯(表示状態8A)から緑色の点滅状態に変わり、表示状態8Bとなる。表示状態8Bを見た者は、正常状態にある機械装置MAにおいて現在メンテナンスが行われていることを把握できる。
第1主表示部81Aが緑点滅している表示状態8Bで、作業者がメンテナンスを完了して第1操作部3Aを1回押し操作すると、第2情報が第2入力部22に入力される。すると、第1制御部27Aは、第2表示属性値を、中間値から完了値に変更する。これにより、第1主表示部81Aの表示状態は、緑点滅(表示状態8B)から緑色の閃光状態に変わり、表示状態8Cとなる。表示状態8Cを見た者は、正常状態にある機械装置MAにおいてメンテナンスが完了したことを把握できる。
第1主表示部81Aが緑閃光している表示状態8Cで、作業者が第1操作部3Aをもう1回押し操作すると、第2情報が第2入力部22に入力される。すると、第1制御部27Aは、第2表示属性値を、完了値から初期値に変更する。これにより、第1主表示部81Aの表示状態は、緑閃光(表示状態8C)から緑色の連続点灯に変わり、表示状態8Aとなる。表示状態8Aを見た者は、機械装置MAが正常動作中であってメンテナンス等が行われていないことを把握できる。
機械装置MAにおける異常発生を表わす第1情報が制御装置4Aから第1入力部21に入力されると、第1制御部27Aは、第1表示属性値を正常値から異常値に変更する。これにより、第1主表示部81Aの表示色が緑から赤に変更される。このとき、第2表示属性値が初期値であれば、第1制御部27Aの制御によって、第1主表示部81Aは赤色で連続点灯し、表示状態8Dとなる。この状態で、作業者が機械装置MAの異常を解消するために機械装置MAにやってきて、作業開始に先立って第1操作部3Aを1回押し操作する。この押し操作により、第2情報が第2入力部22に入力される。すると、第1制御部27Aは、第2表示属性値を、初期値から中間値に変更する。これにより、第1主表示部81Aの表示状態は、赤点灯(表示状態8D)から赤色の点滅状態に変わり、表示状態8Eに遷移する。表示状態8Eを見た者は、異常発生した機械装置MAにおいて現在対応が行われていることを把握できる。
第1主表示部81Aが赤点滅している表示状態8Eで、作業者が作業を完了して第1操作部3Aを1回押し操作すると、第2情報が第2入力部22に入力される。すると、第1制御部27Aは、第2表示属性値を、中間値から完了値に変更する。これにより、第1主表示部81Aの表示状態は、赤点滅(表示状態8E)から赤色の閃光状態に変わり、表示状態8Fに遷移する。表示状態8Fを見た者は、異常発生した機械装置MAにおいて対応が完了したことを把握できる。
作業者の対応に応じて異常が解消されることにより、機械装置MAの正常動作を表わす第1情報が制御装置4Aから第1入力部21に入力されると、第1制御部27Aは、第1表示属性値を異常値から正常値に変更する。これにより、第1主表示部81Aの表示色が赤から緑に変わる。第1主表示部81Aが赤点灯中(表示状態8D)または赤点滅中(表示状態8E)であるにもかかわらず異常が自然解消される場合もあり得る。この場合に、機械装置MAの正常動作を表わす第1情報が制御装置4Aから第1入力部21に入力されると、第1制御部27Aは、第1主表示部81Aの表示状態を赤点灯(表示状態8D)や赤点滅(表示状態8F)から緑点灯(表示状態8A)や緑点滅(表示状態8B)に変更する。逆に、異常が発生することによって、第1主表示部81Aの表示状態が緑点灯や、緑点滅または緑閃光(表示状態8A,8B,8C)から赤点灯、赤点滅または赤閃光(表示状態8D,8E,8F)に変わることもある。
作業者が対応しても異常を解消できない場合がある。その場合には、作業者は、例えば表示状態8Eから第1操作部3Aを1回押し操作して第1主表示部81Aを赤閃光させて表示状態8Fとし、さらに、第1操作部3Aをもう1回押し操作する。このとき、第1制御部27Aは、第2情報の第2入力部22への入力に応じて、第2表示属性値を、中間値から完了値を経て初期値へと変更する。そのため、第1主表示部81Aの表示状態は、赤点滅から赤閃光を経て赤点灯に変わり、表示状態8Dとなる。表示状態8Dを見た者は、機械装置MAの異常が未解消であることを把握できる。
図3には、第3表示属性および第4表示属性のそれぞれの属性値が変化した場合における第2主表示部81Bの表示状態の変化も示されている。さらに、図3には、第5表示属性および第6表示属性のそれぞれの属性値が変化した場合における第3主表示部81Cの表示状態の変化も示されている。前述したように、この実施形態では、第1表示属性、第3表示属性および第5表示属性は同じ表示属性であり、第2表示属性、第4表示属性および第6表示属性は同じ表示属性である。よって、第1主表示部81Aの表示状態の変化についての以上の説明は、第2主表示部81Bおよび第3主表示部81Cの表示状態の変化にも当てはまる。
具体的には、第2報知装置2Bの場合、機械装置MBの正常動作を表わす第3情報が制御装置4Bから第3入力部23に入力されると、第2制御部27Bは、第3表示属性値を正常値に設定し、第2主表示部81Bの光源9の発光色を緑色に設定する。このとき、第4表示属性値が初期値であれば、第2主表示部81Bは、緑色で連続点灯する表示状態8Aになる。そして、作業者が第2操作部3Bを押し操作する度に、第4情報が第4入力部24に入力されるので、第2制御部27Bは、第4表示属性値を、初期値と中間値と完了値との間で順に循環的に変更する。これにより、第2主表示部81Bの表示状態が、緑点灯の表示状態8Aと緑点滅の表示状態8Bと緑閃光の表示状態8Cとの間で順に循環的に変わる。機械装置MAにおける異常発生を表わす第3情報が制御装置4Bから第3入力部23に入力されると、第2制御部27Bは、第3表示属性値を正常値から異常値に変更して、第2主表示部81Bの光源9の発光色を赤色に変更する。そして、作業者が第2操作部3Bを押し操作する度に、第4情報が第4入力部24に入力されるので、第2制御部27Bは、第4表示属性値を、初期値と中間値と完了値との間で順に循環的に変更する。これにより、第2主表示部81Bの表示状態が、赤点灯の表示状態8Dと赤点滅の表示状態8Eと赤閃光の表示状態8Fとの間で順に循環的に変わる。機械装置MAの正常動作を表わす第3情報が制御装置4Bから第3入力部23に入力されると、第2制御部27Bは、第3表示属性値を異常値から正常値に変更して、第2主表示部81Bの光源9の発光色を緑色に変更する。
第3報知装置2Cの場合、機械装置MCの正常動作を表わす第5情報が制御装置4Cから第5入力部25に入力されると、第3制御部27Cは、第5表示属性値を正常値に設定し、第3主表示部81Cの光源9の発光色を緑色に設定する。このとき、第6表示属性値が初期値であれば、第3主表示部81Cは緑色で連続点灯する表示状態8Aになる。そして、作業者が第3操作部3Cを押し操作する度に、第6情報が第6入力部26に入力されるので、第3制御部27Cは、第6表示属性値を、初期値と中間値と完了値との間で順に変更する。これにより、第3主表示部81Cの表示状態が、緑点灯の表示状態8Aと緑点滅の表示状態8Bと緑閃光の表示状態8Cとの間で順に循環的に変わる。機械装置MCにおける異常発生を表わす第5情報が制御装置4Cから第5入力部25に入力されると、第3制御部27Cは、第5表示属性値を正常値から異常値に変更して、第3主表示部81Cの光源9の発光色を赤色に変更する。そして、作業者が第3操作部3Cを押し操作する度に、第6情報が第6入力部26に入力されるので、第3制御部27Cは、第6表示属性値を、初期値と中間値と完了値との間で順に循環的に変更する。これにより、第3主表示部81Cの表示状態が、赤点灯の表示状態8Dと赤点滅の表示状態8Eと赤閃光の表示状態8Fとの間で順に循環的に変わる。機械装置MCの正常動作を表わす第5情報が制御装置4Cから第5入力部25に入力されると、第3制御部27Cは、第5表示属性値を異常値から正常値に変更して、第3主表示部81Cの光源9の発光色を緑色に変更する。
図2を参照して、出入力部31は、ネットワーク11に接続されるインタフェース部である。出入力部31は、IO−Link等の接続技術を利用した通信インタフェースであってもよい。以下では、第1報知装置2Aの出入力部31を「第1出入力部31A」といい、第2報知装置2Bの出入力部31を「第2出入力部31B」といい、第3報知装置2Cの出入力部31を「第3出入力部31C」ということがある。第1出入力部31Aは、第1主表示部81Aの表示状態に関する情報を外部出力する第1出力部として機能する。第2出入力部31Bは、第2主表示部81Bの表示状態に関する情報を外部出力する第2出力部として機能する。第3出入力部31Cは、第3主表示部81Cの表示状態に関する情報を外部出力する第3出力部として機能する。主表示部81の表示状態に関する情報とは、主表示部81の表示状態8A〜8F(図3参照)を特定できる情報であり、この実施形態では、主表示部81の表示色および点灯パターンを表す情報である。
第1出入力部31Aから外部出力された情報は、ネットワーク11を介して、第2出入力部31Bおよび第3出入力部31Cに入力される。第2出入力部31Bから外部出力された情報は、ネットワーク11を介して、第1出入力部31Aおよび第3出入力部31Cに入力される。第3出入力部31Cから外部出力された情報は、ネットワーク11を介して、第1出入力部31Aおよび第2出入力部31Bに入力される。
第1報知装置2Aの第1制御部27Aは、第2報知装置2Bおよび第3報知装置2Cから出力されて第1出入力部31Aに入力された情報に対応する情報を、第1副表示部82Aおよび第1副表示部83Aに表示する。具体的には、第1制御部27Aは、第2報知装置2Bの第2主表示部81Bに表示される情報に対応する情報を第1副表示部82Aに表示し、第3報知装置2Cの第3主表示部81Cに表示される情報に対応する情報を第1副表示部83Aに表示する。この実施形態では、第2主表示部81Bに表示されている情報(表示色および点灯パターン)と同じ情報が、第1副表示部82Aにリアルタイムで表示される。また、第3主表示部81Cに表示されている情報と同じ情報が、第1副表示部83Aにリアルタイムで表示される。
第2報知装置2Bの第2制御部27Bは、第1報知装置2Aおよび第3報知装置2Cから出力されて第2出入力部31Bに入力された情報に対応する情報を、第2副表示部82Bおよび第2副表示部83Bに表示する。具体的には、第2制御部27Bは、第1報知装置2Aの第1主表示部81Aに表示される情報に対応する情報を第2副表示部82Bに表示し、第3報知装置2Cの第3主表示部81Cに表示される情報に対応する情報を第2副表示部83Bに表示する。この実施形態では、第1主表示部81Aに表示されている情報と同じ情報が、第2副表示部82Bにリアルタイムで表示される。また、第3主表示部81Cに表示されている情報と同じ情報が、第2副表示部83Bにリアルタイムで表示される。
第3報知装置2Cの第3制御部27Cは、第1報知装置2Aおよび第2報知装置2Bから出力されて第3出入力部31Cに入力された情報に対応する情報を、第3副表示部82Cおよび第3副表示部83Cに表示する。具体的には、第3制御部27Cは、第1報知装置2Aの第1主表示部81Aに表示される情報に対応する情報を第3副表示部82Cに表示し、第2報知装置2Bの第2主表示部81Bに表示される情報に対応する情報を第3副表示部83Cに表示する。この実施形態では、第1主表示部81Aに表示されている情報と同じ情報が、第3副表示部82Cにリアルタイムで表示される。また、第2主表示部81Bに表示されている情報と同じ情報が、第3副表示部83Cにリアルタイムで表示される。
このようにこの実施形態によれば、機械装置MAでの異常の発生およびその内容を表わす第1情報が制御装置4Aから出力されて第1入力部21に入力されると、第1制御部27Aは、第1表示属性値を正常値から異常値に変更する。そして、第1制御部27Aは、第1情報に対応する情報を変更後の属性値により表示するように第1主表示部81Aを制御する。これにより、第1主表示部81Aが表示状態8Dになるので、表示状態8Dを見た者は、第1報知装置2Aに対応付けられた機械装置MAでの異常の発生およびその内容を把握できる。一方、この異常の解消を表わす第1情報が制御装置4Aから出力されて第1入力部21に入力されると、第1制御部27Aは、第1表示属性値を異常値から正常値に変更する。そして、第1制御部27Aは、第1情報に対応する情報を変更後の属性値により表示するように第1主表示部81Aを制御する。これにより、第1主表示部81Aが表示状態8A〜8Cになるので、この表示状態を見た者は、第1報知装置2Aに対応付けられた機械装置MAに異常が存在しないことを把握できる。第1制御部27Aは、第2表示属性値を初期値に設定することにより、機械装置MAへの対応(異常等への対応)が行われていないことを表わす情報を第1主表示部81Aに表示できる(表示状態8Aおよび8Dを参照)。これにより、第1主表示部81Aに表示された情報を見た者は、機械装置MAへの対応が現在行われていないことを把握できる。
機械装置MAに対応するために駆け付けた者が、対応に着手するのに先立って第1操作部3Aによって第2情報を第2入力部22に入力すると、第1制御部27Aは、第2表示属性値を初期値から中間値に変更し、第2情報に対応する情報を変更後の属性値により表示するように第1主表示部81Aを制御する。これにより、第1主表示部81Aに表示された情報(表示状態8Bおよび8E)を見た者は、機械装置MAへの対応が開始されたことを把握できる。機械装置MAへの対応を完了した者が第1操作部3Aによって第2情報を第2入力部22に入力すると、第1制御部27Aは、第2表示属性値を中間値から完了値に変更し、第2情報に対応する情報を変更後の属性値により表示するように第1主表示部81Aを制御する。これにより、第1主表示部81Aに表示された情報(表示状態8Cおよび8F)を見た者は、機械装置MAへの対応が完了したことを把握できる。第1報知装置2Aと同様に、第2報知装置2Bおよび第3報知装置2Cでも、対応する機械装置Mにおける異常有無や異常への対応状況を主表示部81において表示できる。
さらに、第1報知装置2Aの第1副表示部82Aには、第2報知装置2Bの第2主表示部81Bに表示される情報に対応する情報が表示される。そして、第1報知装置2Aにおける別の第1副表示部83Aには、第3報知装置2Cの第3主表示部81Cに表示される情報に対応する情報が表示される。そのため、第1報知装置2Aは、対応する機械装置MAについての情報を第1主表示部81Aにおいて報知でき、第2報知装置2Bが対応する機械装置MBについての情報を第1副表示部82Aにおいて報知でき、さらに、第3報知装置2Cに対応付けられた機械装置MCについての情報を別の第1副表示部83Aにおいて報知できる。つまり、第1報知装置2Aから、第1報知装置2Aが本来報知すべき機械装置MAについての情報だけでなく、他の複数の報知装置2が報知する情報も報知でき、それにより、利便性を向上できる。そのため、機械装置MAの周辺にいる作業者は、近くの第1報知装置2Aの表示によって、視認できない他の機械装置MBおよびMCの異常有無およびその内容や、異常への対応状況も把握できる。
また、第2報知装置2Bの第2副表示部82Bには、第1報知装置2Aの第1主表示部81Aに表示される情報に対応する情報が表示される。そして、第2報知装置2Bにおける別の第2副表示部83Bには、第3報知装置2Cの第3主表示部81Cに表示される情報に対応する情報が表示される。そのため、第2報知装置2Bは、第2報知装置2Bに対応付けられた機械装置MBについての情報を第2主表示部81Bにおいて報知でき、第1報知装置2Aに対応付けられた機械装置MAについての情報を第2副表示部82Bにおいて報知でき、さらに、第3報知装置2Cに対応付けられた機械装置MCについての情報を別の第2副表示部83Bにおいて報知できる。つまり、第2報知装置2Bでも、第2報知装置2Bが本来報知すべき情報だけでなく、他の複数の報知装置2が報知する情報も報知できる。そのため、機械装置MBの周辺にいる作業者は、近くの第2報知装置2Bの表示によって、直接見えない他の機械装置MAおよびMCの異常有無およびその内容や、異常への対応状況も把握できる。同様に、機械装置MCの周辺にいる作業者は、近くの第3報知装置2Cの表示によって、直接見えない他の機械装置MAおよびMBの異常有無およびその内容や、異常への対応状況も把握できる。つまり、これらの報知装置2により、生産現場において機械装置Mの周辺にいる作業者が当該機械装置Mの状態と他の機械装置Mの状態とをまとめて監視できる報知システム1を構築できる。
また、第1報知装置2A、第2報知装置2Bおよび第3報知装置2Cでは、対応する機械装置Mでの異常の発生およびその内容についての情報が同じ表示属性で表示され、異常への対応状況についての情報が同じ表示属性で表示される。そのため、第1報知装置2Aを見た者は、第1主表示部81Aに表示された情報を把握したときと同じように、第1副表示部82Aおよび別の第1副表示部83Aにそれぞれ表示された情報を把握することができる。第2報知装置2Bや第3報知装置2Cを見た者についても同様である。
第1報知装置2Aの第1主表示部81Aは、第1情報に対応する情報を表示色によって表示でき、第2情報に対応する情報を点灯パターンによって表示できる。第2報知装置2Bの第2主表示部81Bは、第3情報に対応する情報を表示色によって表示でき、第4情報に対応する情報を点灯パターンによって表示できる。第3報知装置2Cの第3主表示部81Cは、第5情報に対応する情報を表示色によって表示でき、第6情報に対応する情報を点灯パターンによって表示できる。この実施形態では、第1報知装置2Aを見た者は、第1報知装置2Aに対応付けられた機械装置MAでの異常の発生およびその内容を第1主表示部81Aの表示色によって把握でき、この異常への対応状況を第1主表示部81Aの点灯パターンによって把握できる。同様に、第1報知装置2Aを見た者は、第2報知装置2Bに対応付けられた機械装置MBでの異常の発生およびその内容を第1副表示部82Aの表示色によって把握でき、この異常への対応状況を第1副表示部82Aの点灯パターンによって把握できる。同様に、第1報知装置2Aを見た者は、第3報知装置2Cに対応付けられた機械装置MCでの異常の発生およびその内容を別の第1副表示部83Aの表示色によって把握でき、この異常への対応状況を当該別の第1副表示部83Aの点灯パターンによって把握できる。第2報知装置2Bや第3報知装置2Cを見た者も、第1報知装置2Aを見た者と同様に、複数の機械装置Mのそれぞれにおける異常の発生有無や、異常の内容や、異常への対応状況を表示色や点灯パターンによって把握できる。
第1報知装置2Aは、第1主表示部81Aの表示状態に関する情報を外部出力することができる。これにより、第2報知装置2Bは、この情報を取得して第2副表示部82Bの表示に反映することができ、第3報知装置2Cは、この情報を取得して第3副表示部82Cの表示に反映することができる。第2報知装置2Bは、第2主表示部81Bの表示状態に関する情報を外部出力することができる。これにより、第1報知装置2Aは、この情報を取得して第1副表示部82Aの表示に反映することができ、第3報知装置2Cは、この情報を取得して第3副表示部83Cの表示に反映することができる。第3報知装置2Cは、第3主表示部81Cの表示状態に関する情報を外部出力することができる。これにより、第1報知装置2Aは、この情報を取得して第1副表示部83Aの表示に反映することができ、第2報知装置2Bは、この情報を取得して第2副表示部83Bの表示に反映することができる。
以上、この発明の実施形態について説明してきたが、この発明は、さらに他の形態で実施することもできる。
(1)例えば、報知システム1は、報知装置2を管理する管理装置35を含んでもよい(図2参照)。管理装置35は、ネットワーク11または別の通信回線を介して各報知装置2に対して通信可能に接続されている。各報知装置2は、当該別の通信回線に接続されるインタフェースとして、前述した出入力部31とは別の出入力部を含んでもよい。管理装置35の一例は、コンピュータ(典型的にはパーソナルコンピュータ)であり、モニタ等の表示部(図示せず)と、キーボード等の入力部(図示せず)とを含む。管理装置35は、機械装置Mから離れた場所(生産現場の外でも構わない)で生産現場を管理する管理者が駐在する管理室等に配置されている。管理装置35は、各報知装置2の動作条件を記憶している。管理装置35は、管理者による管理装置35の入力部の操作によって報知装置2の動作条件を変更し、変更後の動作条件と動作条件更新指令とを各報知装置2に送信する。変更後の動作条件と動作条件更新指令とを受信した報知装置2の制御部27は、記憶部30に記憶されている動作条件を更新する。また、報知装置2の制御部27は、主表示部81の表示状態8A〜8Fに関する情報を管理装置35に送信してもよい。これに応じて、管理装置35の表示部には、全ての報知装置2の主表示部81の表示状態に相当する情報がリアルタイムで表示されてもよい。そのため、管理者は、各報知装置2に対応付けられた機械装置Mの状態等を管理室においてまとめて監視できる。
(2)報知システム1において、各報知装置2における表示部8の数と、報知システム1に含まれる報知装置2の数とは対応している。そのため、この実施形態では、3つの報知装置2に応じて、各報知装置2は、報知装置2の数と同じ3つの表示部8を備えているが、各報知装置2における表示部8の数は、報知装置2の数に応じて変更できる。
(3)機械装置Mの異常が発生したときの報知装置2の表示部8の表示色は、赤色である。複数種類の異常が機械装置Mで発生する場合には、前述した第1表示属性、第3表示属性および第5表示属性値は、第1異常値や第2異常値等の複数の異常値を含んでもよい。これに応じて、異常の種類毎に異なる複数の表示色(例えば赤色や黄色等)が設定されてもよい。そのため、機械装置Mで発生する異常の種類に応じて、表示部8の表示色が赤色以外にも変化する。
本発明の実施形態について詳細に説明してきたが、これらは本発明の技術的内容を明らかにするために用いられた具体例に過ぎず、本発明はこれらの具体例に限定して解釈されるべきではなく、本発明の範囲は添付の請求の範囲によってのみ限定される。