JP2005291951A - 高分子微粒子の固定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】DNAプローブ等の生体関連物質を固定もしくは固定可能な微粒子を基板に安定に固定することができ、感度の高いマイクロアレイアッセイを可能とする高分子微粒子の固定方法を提供する。
【解決手段】生体関連物質を導入可能な官能基を有する荷電性高分子微粒子を基板上に固定する方法であって、分子中にアミノ基またはその塩とカルボキシル基またはその塩とを有する高分子化合物を用いて前記基板の表面に前記荷電性高分子微粒子と逆の電荷を有する荷電性薄膜を形成した後、この荷電性薄膜上に前記荷電性高分子微粒子の分散液を塗布して前記荷電性高分子微粒子を前記荷電性薄膜上に静電結合により固着させる。
【選択図】なし

Description

本発明は、高分子微粒子の固定方法に係り、特にDNAチップの製造等に利用可能な高分子微粒子の固定方法に関する。
ゲノムプロジェクトの進歩に伴って、大量の遺伝子情報を一度に処理、解析する必要性が高まり、このようなニーズを満たすための1つの有力な手段として、DNAマイクロアレイまたはDNAチップ(以下、DNAマイクロアレイと称する。)が開発され、実用化されている。
DNAマイクロアレイは、多数のcDNA、DNA断片、オリゴヌクレオチド等(以下、DNAプローブと称する。)をガラス基板またはシリコン基板上に固定したものであり、このDNAマイクロアレイに固定されたDNAプローブとこれに相補的なDNA断片試料とのハイブリダイゼーションを利用することにより、試料に含まれるDNAの状態を定量的または定性的に解析するものである。
DNAマイクロアレイを製造するには、基板表面に多数のDNAプローブを高密度かつ安定に整列させ固定することが必要であり、その作製方法としては、従来から、基板上でオリゴヌクレオチドを合成する方法と、予め調製したDNAプローブを基板上に固定する2つの方法が一般に用いられている。
前者の基板上で合成を行う方法は、基板表面に反応性保護基を有する化学リンカーを導入し、半導体製造で用いるフォトリソグラフィーの技術を用いて脱保護した後、固相合成の手法により保護基を有するヌクレオチドと反応させ、これを繰り返すことによって直接オリゴヌクレオチドを合成していく方法である(例えば、特許文献1参照。)。
また、後者の予め調製したDNAプローブを基板上に固定する方法には、基板表面がプラスの電荷を有するように表面処理を行い、DNAプローブのもつ電荷を利用して担体表面に静電結合させる方法(例えば、特許文献2参照。)と、合成オリゴヌクレオチドに反応活性基を導入する一方、基板にも反応性基を有するように表面処理を行い、オリゴヌクレオチドを基板表面に共有結合させる方法(例えば、特許文献3参照。)とが知られている。
それぞれ一長一短があり、前者では、人工的に合成されたオリゴヌクレオチドが基板表面に共有結合で固定されるため、再現性に優れた測定を行うことができる利点があり、一方、後者では、前者に比べ再現性等に課題を残すものの、スポット用のDNAプローブが用意できれば比較的低コストで製造することができ、また、使用者がカスタマイズを容易に行うことができるという利点を有する。
米国特許第5424186号明細書 特開2002−71686号公報 特開2002−60671号公報
ところで、前述したように、DNAマイクロアレイにおいては、多くのDNAプローブを基板にいかに高密度にかつ安定に固定させるかが非常に重要である。高密度にかつ安定に固定させることにより、測定感度を高め、信頼性の高い解析が可能となる。そして、上述した従来の技術はいずれも、基本的に平らな基板に直接DNAプローブを固定するものであるため、高密度化には限度があった。そこで、最近では、DNAプローブを表面積の大きい微粒子に固定し、さらにこれを基板に固定することにより、その密度を実質的に増大させることが検討されている。しかしながら、DNAプローブを固定した、あるいは、DNAプローブを固定可能な微粒子を基板上に安定に固定する技術は未だ確立されていない。
本発明はこのような従来技術の課題に対処してなされたもので、DNAプローブ等の生体関連物質を固定もしくは固定可能な微粒子を基板に安定に固定することができ、より感度の高いマイクロアレイアッセイを可能とする高分子微粒子の固定方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、分子中にアミノ基またはその塩とカルボキシル基またはその塩とを有する高分子化合物を用いることにより、基板の表面にカチオン性またはアニオン性の電荷を有する薄膜を選択的に形成することができ、その結果、生体関連物質を導入可能な官能基を有する荷電性高分子微粒子をその電荷の種類に関わらず静電結合により基板上に固定することが可能になることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本願の請求項1に記載の発明の高分子微粒子の固定方法は、生体関連物質を導入可能な官能基を有する荷電性高分子微粒子を基板上に固定する方法であって、分子中にアミノ基またはその塩とカルボキシル基またはその塩とを有する高分子化合物を用いて前記基板の表面に前記荷電性高分子微粒子と逆の電荷を有する荷電性薄膜を形成した後、この荷電性薄膜上に前記荷電性高分子微粒子の分散液を塗布して前記荷電性高分子微粒子を前記荷電性薄膜上に静電結合により固着させることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の高分子微粒子の固定方法において、前記荷電性薄膜の形成は、前記基板の表面に前記分子中にアミノ基またはその塩とカルボキシル基またはその塩とを有する高分子化合物を溶解させた酸性またはアルカリ性溶液を塗布し乾燥させることにより行われることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の高分子微粒子の固定方法において、前記荷電性薄膜の形成は、前記基板の表面に前記分子中にアミノ基またはその塩とカルボキシル基またはその塩とを有する高分子化合物からなる薄膜を形成した後、この薄膜を酸性またはアルカリ性溶液で処理することにより行われることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項記載の高分子微粒子の固定方法において、前記生体関連物質を導入可能な官能基に生体関連物質が結合していることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項記載の高分子微粒子の固定方法において、前記生体関連物質を導入可能な官能基が、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、水酸基、グリシジル基、アミノ基、アルデヒド基、トシルオキシ基および酸クロライド基からなる群より選ばれること特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項記載の高分子微粒子の固定方法において、前記荷電性高分子微粒子は、識別のための蛍光色素をさらに含有していることを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項記載の高分子微粒子の固定方法は、前記荷電性高分子微粒子の平均粒径が、0.01μm〜100μmであることを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項記載の高分子微粒子の固定方法において、前記荷電性薄膜の厚さが、5nm〜100nmであることを特徴とするものである。
本発明の高分子微粒子の固定方法によれば、基板の表面に荷電性高分子微粒子と逆の電荷を有する荷電性薄膜を形成し、この薄膜に生体関連物質を導入可能な官能基を有する荷電性高分子微粒子を静電結合により固着させるため、生体関連物質を導入可能な官能基を有する荷電性高分子微粒子をその電荷の種類によらず安定に基板上に固定させることができる。これにより、基板上へのDNAプローブ等の生体関連物質の固定密度の増大を図ることができ、より感度の高いマイクロアレイアッセイが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、生体関連物質としては、核酸(DNAおよびRNA)、アミノ酸、ペプチド、たんぱく質、抗体等が挙げられる。これらの生体関連物質には、次述する荷電性高分子微粒子が有する官能基と結合可能な官能基が導入されていてもよい。
本発明において固定の対象とする荷電性高分子微粒子は、表面に生体関連物質を導入可能な官能基を有するものであり、その基材となる高分子微粒子としては、アクリル系樹脂、ポリスチレン、メタクリル酸−スチレン共重合体、アクリル酸−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、脂肪族ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリアクロレイン、ポリブタジエン、ポリウレタン、ポリイソプレン、ポリジビニルベンゼン、ポリビニルピリジン、ポリジメチルシロキサン、ポリエステル系樹脂等の樹脂を主体とする微粒子が挙げられる。これらのなかでも、ポリスチレン、メタクリル酸−スチレン共重合体のようなスチレンと(メタ)アクリル酸(エステル)との共重合体が好ましい。
これらの微粒子には、必要に応じて、識別のための蛍光色素が内包されていてもよい。このような蛍光色素としては、1,3−ビス[(1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2H−インドール−2−イリデン)メチル]−2,4−ジヒドロキシ−シクロブテンジイリウムおよびその塩、2−(3,5−ジメチルピロール−2−イル)−4−(3,5−ジメチル−2H−ピロール−2−イリデン)−3−ヒドロキシ−2−シクロブテン−1−オン、3,6−ジアミノ−2,5−ピラジンカルボニトリル等が例示される。これらの蛍光色素は1種を単独で使用してもよく、2種以上を適宜混合して使用してもよい。
また、生体関連物質を導入可能な官能基は、前記のような生体関連物質が結合することができる官能基であれば特に限定されるものではなく、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、水酸基、グリシジル基、アミノ基、ウレタン基、アミド基、ヒドラジド基、ウレア基、アルデヒド基、ケトン基、トシルオキシ基、酸クロライド基、エステル基等が挙げられる。これらの官能基のなかでも、結合の強さ、導入の容易さ等の観点から、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、水酸基、グリシジル基、アミノ基、アルデヒド基、トシルオキシ基、酸クロライド基が好ましい。
表面に生体関連物質を導入可能な官能基を有する荷電性高分子微粒子を得るには、例えば、上記のような基材微粒子を製造する際に、重合成分として生体関連物質を導入可能な官能基を有するものを用いるようにすればよい。
なお、荷電性高分子微粒子の表面の生体関連物質を導入可能な官能基には、生体関連物質が結合されていてもよい。
このような荷電性高分子微粒子は、表面に結合した官能基やこの官能基に結合した生体関連物質、さらには微粒子製造時に用いた重合開始剤の断片、界面活性剤、保護コロイド等の電荷によって荷電性を示す。例えば、表面にカルボキシル基、スルホン酸基、水酸基等の官能基や、アニオン性界面活性剤等が結合した高分子微粒子はアニオン性を示す。また、表面にアミノ基、4級アンモニウム塩基等の官能基や、アニオン性界面活性剤が結合した高分子微粒子はカチオン性を示す。なお、荷電性高分子微粒子には、必要に応じて、電荷補強剤や電荷制御剤を配合することができる。
荷電性高分子微粒子の平均粒径は、一般に0.01μm〜100μmとすることが可能であるが、できるだけばらつきを小さくすることが好ましい。平均粒径は、0.1μm〜50μmの範囲が好ましく、1μm〜20μmの範囲がより好ましい。
次に、このような荷電性高分子微粒子を固定する基板の材料としては、シリコン、ガラス、樹脂、セラミック等、従来よりマイクロアレイ用基板の材料として使用されているものが挙げられる。基板の形状や大きさ等は特に限定されるものではないが、表面は十分に平滑であることが好ましい。
本発明においては、まず、上記基板の表面に、分子中にアミノ基またはその塩とカルボキシル基またはその塩とを有する高分子化合物を用いて固定する荷電性高分子微粒子と逆の電荷を有する荷電性薄膜、好ましくは5nm〜100nm厚の荷電性薄膜を形成する。荷電性薄膜を形成する分子中にアミノ基またはその塩とカルボキシル基またはその塩とを有する高分子化合物の具体例としては、例えば、下記式[I]に示すビニル系ポリマーやポリアミノ酸等が挙げられる。下記式[I]において、Rがメチレン基で、mが5〜10,000の整数、nが0または1であるものが、合成の容易さの観点から特に好ましい。
Figure 2005291951
(式中、Rは置換または非置換のメチレン基、mは5〜10,000の整数、nは0または1以上の整数である。)
荷電性薄膜は、(a)このような分子中にアミノ基またはその塩とカルボキシル基またはその塩とを有する高分子化合物を酸性またはアルカリ性溶液に溶解させ、これを基板の表面に塗布する方法、(a)分子中にアミノ基またはその塩とカルボキシル基またはその塩とを有する高分子化合物を溶解した水溶液を塗布する等の方法で、分子中にアミノ基またはその塩とカルボキシル基またはその塩とを有する高分子化合物からなる薄膜を基板の表面に形成した後、この薄膜を酸性またはアルカリ性溶液で処理する方法等により形成することができる。
高分子化合物の溶解に使用する溶液、あるいは薄膜の処理に使用する溶液は、固定の対象とする荷電性高分子微粒子の荷電性によって選択され、固定の対象がアニオン性の荷電性高分子微粒子である場合には、酸性溶液を使用し、固定の対象がカチオン性の荷電性高分子微粒子である場合には、アルカリ性溶液を使用する。すなわち、酸性溶液を使用して形成した荷電性薄膜はカチオン性薄膜となり、アルカリ性溶液を使用して形成した荷電性薄膜はアニオン性の薄膜となる。したがって、固定の対象がアニオン性の荷電性高分子微粒子である場合には、酸性溶液を用い、固定の対象がカチオン性の荷電性高分子微粒子である場合には、アルカリ性溶液を用いる。これにより、基板の表面に固定すべき荷電性高分子微粒子と逆の電荷を有する薄膜が形成され、荷電性高分子微粒子を静電結合により固定することが可能になる。
上記(a)法における酸性溶液およびアルカリ性溶液には、それぞれpHが1〜4および8.5〜13になるように、塩酸等の酸化合物あるいは水酸化ナトリウム等のアルカリ化合物を添加して調製した水溶液が好ましく使用される。酸性溶液およびアルカリ性溶液のpHは、それぞれ1〜3および10〜12であることがより好ましい。溶液を塗布後、真空乾燥、あるいは、室温または加熱雰囲気下で、静置または空気や窒素、アルゴン等の不活性ガスを送風するなどして、薄膜を乾燥させる。
また、(b)法における薄膜の酸性またはアルカリ性溶液による処理は、薄膜を形成した基板を酸性またはアルカリ性溶液に浸漬することにより行うことが好ましい。酸性溶液およびアルカリ性溶液には、上記と同様の酸性溶液およびアルカリ性溶液が使用される。処理時間は、特に制限されないが、通常5分程度の処理で十分である。酸性またはアルカリ性溶液による処理後、真空乾燥、あるいは、室温または加熱雰囲気下で、静置または空気や窒素、アルゴン等の不活性ガスを送風するなどして、薄膜を乾燥させる。
なお、(a)法では、上記高分子化合物を溶解させた酸性溶液およびアルカリ性溶液を交互に塗布し、最上層に固定する荷電性高分子微粒子と逆の電荷を有する薄膜を形成するようにしてもよい。
また、上記の酸性およびアルカリ性溶液中には、金属塩を添加させてもよい。金属塩を共存させることにより、荷電性薄膜のアニオン性またはカチオン性を高めることができ、添加しない場合に比べ荷電性高分子微粒子の固着速度や固着強度を向上させることができる。金属塩としては、NaCl、NaBr、NaI、KCl、KBr、KI等が使用される。
このように荷電性薄膜を基板表面に形成した後、荷電性高分子微粒子を分散させた分散液を荷電性薄膜の表面に塗布する。塗布にあたっては、基板を荷電性高分子微粒子を分散させた分散液に浸漬させたり、荷電性高分子微粒子を分散させた分散液を荷電性薄膜上に垂らすなどの方法を用いることができる。分散液中の荷電性高分子微粒子はそれ自身の電荷と逆の電荷を有する荷電性薄膜に静電作用により引き付けられ固着される。
なお、荷電性高分子微粒子は、荷電性薄膜上に、単層で、しかもできるだけ高密度に固着されることが好ましい。このため、荷電性高分子微粒子を分散させる分散媒としては、水、特に純水が好ましく、分散濃度は、約1×105個/ml〜約1×1015個/mlの範囲が好ましい。また、浸漬温度は15℃〜40℃程度が好ましく、浸漬時間は0.5時間〜2時間程度が好ましい。
荷電性薄膜を形成した基板を荷電性高分子微粒子を分散させた分散液に浸漬させた後は、基板を分散液から取り出し、室温または加熱雰囲気下で、静置または空気や窒素、アルゴン等の不活性ガスを送風して乾燥させる。また、荷電性高分子微粒子を分散させた分散液を荷電性薄膜上に垂らした後、室温または加熱雰囲気下で、静置または空気や窒素、アルゴン等の不活性ガスを送風して乾燥させる。
このような高分子微粒子の固定方法においては、基板の表面に荷電性高分子微粒子と逆の電荷を有する荷電性薄膜を適宜選択に形成することができるため、生体関連物質を導入可能な官能基を有する荷電性高分子微粒子をその電荷の種類によらず安定に基板上に固定させることができる。これにより、基板上へのDNAプローブ等の生体関連物質の固定密度の増大を図ることができ、より感度の高いマイクロアレイアッセイが可能となる。
すなわち、図1は上記方法を適用して製造したマイクロアレイを模式的に示した斜視図である。
図1に示すように、このマイクロアレイは、基板1と、この基板1上に固定された多数の前記した表面に生体関連物質を導入可能な官能基を有する荷電性高分子微粒子2とから構成されている。基板1の表面には前述したような方法で分子中にアミノ基とカルボキシル基を有する高分子化合物により荷電性高分子微粒子2と逆の電荷を有する荷電性薄膜3が形成されており、荷電性高分子微粒子2はこの荷電性薄膜3上に静電結合によって固定されている。
なお、この例は、測定用の生体関連物質を適宜結合させる操作を行うことで、使用者がカスタマイズできる構成をとっているが、図2に示すように、すぐに測定を行うことができるように、予め所定の生体関連物質4を荷電性高分子微粒子2に固定させた構成としてもよい。生体関連物質4は、生体関連物質固定用粒子2の表面に設けられた官能基と生体関連物質が含有するもしくは導入された官能基を反応させ結合させることにより、荷電性高分子微粒子2に固定することができる。例えば、生体関連物質4としてオリゴヌクレオチドを、表面にカルボキシル基を有する荷電性高分子微粒子2に固定する場合、オリゴヌクレオチド末端にはアミノ基を導入しておき、これらの基を反応させて塩を形成させたり、あるいは縮合剤を共存させることによりアミド結合を形成させたりすることにより、オリゴヌクレオチドを荷電性高分子微粒子2上に固定することができる。
生体関連物質4は荷電性高分子微粒子2を基板1に固定する前に予め固定しておいてもよい。
また、使用にあたって、生体関連物質4を荷電性高分子微粒子2に予め固定しておくだけでなく、緩衝液に荷電性高分子微粒子2を懸濁した状態で、予め固定した生体関連物質4と解析対象の生体関連物質とを反応させた後、基板1上に固定化するようにしてもよい。このような手法を用いることにより、解析対象の生体関連物質との反応を促進し、反応効率を高めることができる。
次に本発明の具体的な実施例を記載するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでないことはいうまでもない。なお、以下の記載において「部」は「重量部」を意味する。
実施例1
窒素雰囲気下、スチレン100部、ポリアクリル酸10部およびスチレンスルホン酸ナトリウム5部を、イソプロピルアルコール800部および蒸留水20部の混合溶媒に溶解した後、この溶液にアゾビスイソブチロニトリル5部を加え、80℃で12時間反応させた。反応終了後、ろ過、次いで減圧下で乾燥し、平均粒径3μmのアニオン性高分子微粒子を得た。
また、ガラス基板(50mm×90mm×1mm)上に、前記式[I]においてRがメチレン基で、nが1であるビニル系ポリマー(Mw=70,000)を0.02mol%溶解させた塩酸水溶液(pH=2.0)を塗布し風乾させて、約6nm厚さのカチオン性薄膜を形成した。
この基板上に、上記アニオン性高分子微粒子を濃度が1wt%となるように純水に分散させた分散液を垂らし、室温に約1時間静置して、アニオン性高分子微粒子を基板上に固定させた。その後、基板を風乾した。アニオン性高分子微粒子の固定量は2500個であった。
次いで、末端にアミノ基を導入したプローブDNAを、0.15M塩化ナトリウムおよび15mMクエン酸水溶液に、その濃度が0.5mg/mlとなるように溶解した溶液に、上記で得られたアニオン性高分子微粒子を固定した基板を浸漬して、75℃で1時間インキュベートし、さらに、0.1wt%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液、純水およびエタノールに順に浸漬した後、室温で乾燥して、DNAマイクロアレイを作製した。
得られたDNAマイクロアレイ上に、ターゲットDNAとしてその配列が先に固定したプローブDNAに相補的な配列を有し、蛍光色素(フルオロセイン)で標識したオリゴヌクレオチドを0.15M塩化ナトリウムおよび15mMクエン酸水溶液(pH=7.0)に、その濃度が200ng/mlとなるように溶解した溶液をスポットし、45℃で約24時間インキュベートした。その後、0.15M塩化ナトリウムおよび15mMクエン酸水溶液で洗浄し、室温で乾燥させた。基板上の蛍光強度を蛍光スキャニング装置で計測したところ、蛍光が確認され、ハイブリダイズ体が得られたことが確認された。
実施例2
ガラス基板(50mm×90mm×1mm)を、前記式[I]においてRがメチレン基で、nが1であるビニル系ポリマー(Mw=70,000)を0.02mol%溶解させた塩酸水溶液(pH=2.0)と、同ビニル系ポリマーを0.02mol%溶解させた水酸化ナトリウム水溶液(pH=9)に、室温(20℃)で交互にそれぞれ3回および2回浸漬し風乾させて、約12nm厚さの表面がカチオン性を示す薄膜を形成した。なお、それぞれの溶液には2MのNaClを添加した。
この基板を、実施例1の場合と同様に製造したアニオン性高分子微粒子を濃度が1wt%となるように純水に分散させた分散液中に室温で約1時間浸漬して、アニオン性高分子微粒子を基板上に固定させた。浸漬後、基板を液中から引き上げ風乾した。アニオン性高分子微粒子の固定量は3500個であった。
次いで、末端にアミノ基を導入したプローブDNAを、0.15M塩化ナトリウムおよび15mMクエン酸水溶液に、その濃度が0.5mg/mlとなるように溶解した溶液に、上記で得られたアニオン性高分子微粒子を固定した基板を浸漬して、75℃で1時間インキュベートし、さらに、0.1wt%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液、純水およびエタノールに順に浸漬した後、室温で乾燥して、DNAマイクロアレイを作製した。
得られたDNAマイクロアレイ上に、ターゲットDNAとしてその配列が先に固定したプローブDNAに相補的な配列を有し、蛍光色素(フルオロセイン)で標識したオリゴヌクレオチドを0.15M塩化ナトリウムおよび15mMクエン酸水溶液(pH=7.0)に、その濃度が200ng/mlとなるように溶解した溶液をスポットし、45℃で約24時間インキュベートした。その後、0.15M塩化ナトリウムおよび15mMクエン酸水溶液で洗浄し、室温で乾燥させた。基板上の蛍光強度を蛍光スキャニング装置で計測したところ、蛍光が確認され、ハイブリダイズ体が得られたことが確認された。
実施例3
ポリエステル樹脂100部、正電荷補強剤として第4級アンモニウム塩単位を9wt%含むスチレン−アクリル系共重合樹脂(第4級アンモニウム塩/スチレン=9/74)4部および正電荷制御剤としてニグロシン染料1部を混合し、加熱ローラで溶融混練した。冷却後、エアージェットミルで微粉砕し、分級して、平均粒径9μmのカチオン性高分子微粒子を得た。
また、ガラス基板(50mm×90mm×1mm)を、前記式[I]においてRがメチレン基で、nが1であるビニル系ポリマー(Mw=70,000)を0.02mol%溶解させた水酸化ナトリウム水溶液(pH=9)と、同ビニル系ポリマーを0.02mol%溶解させた塩酸水溶液(pH=2.0)に、室温(20℃)で交互にそれぞれ3回および2回浸漬し風乾して、約12nm厚さの表面がアニオン性を示す薄膜を形成した。なお、それぞれの溶液には2MのNaClを添加した。
この基板を、上記カチオン性高分子微粒子を濃度が1wt%となるように純水に分散させた分散液中に室温で約1時間浸漬して、カチオン性高分子微粒子を基板上に固定させた。浸漬後、基板を液中から引き上げ風乾した。カチオン性高分子微粒子の固定量は3700個であった。
次いで、末端にアミノ基を導入したプローブDNAを、0.15M塩化ナトリウムおよび15mMクエン酸水溶液に、その濃度が0.5mg/mlとなるように溶解した溶液に、上記で得られたカチオン性高分子微粒子を固定した基板を浸漬して、75℃で1時間インキュベートし、さらに、0.1wt%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液、純水およびエタノールに順に浸漬した後、室温で乾燥して、DNAマイクロアレイを作製した。
得られたDNAマイクロアレイ上に、ターゲットDNAとしてその配列が先に固定したプローブDNAに相補的な配列を有し、蛍光色素(フルオロセイン)で標識したオリゴヌクレオチドを0.15M塩化ナトリウムおよび15mMクエン酸水溶液(pH=7.0)に、その濃度が200ng/mlとなるように溶解した溶液をスポットし、45℃で約24時間インキュベートした。その後、0.15M塩化ナトリウムおよび15mMクエン酸水溶液で洗浄し、室温で乾燥させた。基板上の蛍光強度を蛍光スキャニング装置で計測したところ、蛍光が確認され、ハイブリダイズ体が得られたことが確認された。
実施例4
赤蛍光染料1,3−ビス[(1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2H−インドール−2−イリデン)メチル]−2,4−ジヒドロキシシクロブテンジイリウムと、オレンジ染料2−(3,5−ジメチルピロール−2−イル)−4−(3,5−ジメチル−2H−ピロール−2−イリデン)−3−ヒドロキシ−2−シクロブテン−1−オンとを異なる比率でクロロホルムとエタノールの混合溶媒(混合比 2:3)に溶解して、2種の染料の混合比の異なる64種の混合染料液を調製した。
これらの各混合染料液0.6mlに、実施例3の場合と同様に製造したカチオン性高分子微粒子60mgをそれぞれ懸濁させ、2時間の超音波処理を行った。処理後、各懸濁液から微粒子を分離し、1.2mlのメタノールに懸濁させた後、さらに超音波処理およびメタノール洗浄を行い、64個(種)の微粒子ライブラリー(同種の蛍光染料を異なる比率で配合したもの)を作成した。
得られた64個の微粒子ライブラリーをそれぞれ緩衝液に濃度が1wt%となるように懸濁させた後、これらの各懸濁液に、末端にアミノ基を導入したプローブDNAを、0.15M塩化ナトリウムおよび15mMクエン酸水溶液に、その濃度が0.5mg/mlとなるように溶解した溶液を混合して、75℃で1時間インキュベートし、微粒子にプローブDNAを導入した。この後、微粒子を分離し、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液、純水およびエタノールに順に浸漬した後、純水に濃度が1wt%となるように懸濁させた。なお、64個の微粒子ライブラリーのうちの1つに、目的遺伝子検出のためのプローブDNAを導入し、その他には目的遺伝子を有さないプローブDNAを導入した。
次いで、これらのプローブDNAを導入した64個の微粒子ライブラリーを含む懸濁液を混合し、この混合液中に、実施例3の場合と同様にして、ガラス基板(50mm×90mm×1mm)上に約12nm厚さの表面がアニオン性を示す薄膜を形成した基板を、室温で約1時間浸漬して、プローブDNAを導入したカチオン性高分子微粒子を基板上に固定させた。浸漬後、基板を液中から引き上げ風乾した。
この後、上記基板上に、ターゲットDNAとしてその配列が先に固定した目的遺伝子検出のためのプローブDNAに相補的な配列を有し、蛍光色素(フルオレセイン)で標識したオリゴヌクレオチドを0.15M塩化ナトリウムおよび15mMクエン酸水溶液に、その濃度が200ng/mlとなるように溶解した溶液をスポットし、45℃で約24時間インキュベートした。その後、0.15M塩化ナトリウムおよび15mMクエン酸水溶液で洗浄し、乾燥させた。基板上の蛍光強度を蛍光スキャニング装置で計測したところ、フルオロセイン蛍光が確認され、ハイブリダイズ体が得られたことが確認された。また、微粒子の染色蛍光によって目的遺伝子が確認された。
実施例5
赤蛍光染料1,3−ビス[(1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2H−インドール−2−イリデン)メチル]−2,4−ジヒドロキシシクロブテンジイリウムと、オレンジ染料2−(3,5−ジメチルピロール−2−イル)−4−(3,5−ジメチル−2H−ピロール−2−イリデン)−3−ヒドロキシ−2−シクロブテン−1−オンと、黄緑蛍光染料3,6−ジアミノ−2,5−ピラジンカルボニトリルとを、異なる比率でクロロホルムとエタノールの混合溶媒(混合比 2:3)に溶解して、3種の染料の混合比の異なる128種の混合染料液を調製した。
これらの各混合染料液0.6mlに、実施例3の場合と同様に製造したカチオン性高分子微粒子60mgをそれぞれ懸濁させ、2時間の超音波処理を行った。処理後、各懸濁液から微粒子を分離し、1.2mlのメタノールに懸濁させた後、さらに超音波処理およびメタノール洗浄を行い、128個(種)の微粒子ライブラリー(同種の蛍光染料を異なる比率で配合したもの)を作成した。
得られた128個の微粒子ライブラリーをそれぞれ緩衝液に濃度が1wt%となるように懸濁させた後、これらの各懸濁液に、末端にアミノ基を導入したプローブDNAを、0.15M塩化ナトリウムおよび15mMクエン酸水溶液に、その濃度が0.5mg/mlとなるように溶解した溶液を混合して、75℃で1時間インキュベートし、微粒子にプローブDNAを導入した。この後、微粒子を分離し、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液、純水およびエタノールに順に浸漬した後、純水に濃度が1wt%となるように懸濁させた。なお、128個の微粒子ライブラリーのうちの1つに、目的遺伝子検出のためのプローブDNAを導入し、その他には目的遺伝子を有さないプローブDNAを導入した。
次いで、これらのプローブDNAを導入した128個の微粒子ライブラリーを含む懸濁液を混合し、この混合液中に、実施例3の場合と同様にして、ガラス基板(50mm×90mm×1mm)上に約12nm厚さの表面がアニオン性を示す薄膜を形成した基板を、室温で約1時間浸漬して、プローブDNAを導入したカチオン性高分子微粒子を基板上に固定させた。浸漬後、基板を液中から引き上げ風乾した。
この後、上記基板上に、ターゲットDNAとしてその配列が先に固定した目的遺伝子検出のためのプローブDNAに相補的な配列を有し、蛍光色素(フルオレセイン)で標識したオリゴヌクレオチドを0.15M塩化ナトリウムおよび15mMクエン酸水溶液に、その濃度が200ng/mlとなるように溶解した溶液をスポットし、45℃で約24時間インキュベートした。その後、0.15M塩化ナトリウムおよび15mMクエン酸水溶液で洗浄し、乾燥させた。基板上の蛍光強度を蛍光スキャニング装置で計測したところ、フルオロセイン蛍光が確認され、ハイブリダイズ体が得られたことが確認された。また、微粒子の染色蛍光によって目的遺伝子が確認された。
本発明を適用して製造されたマイクロアレイの一例を模式的に示す斜視図。 本発明を適用して製造されたマイクロアレイの一例を模式的に示す斜視図。
符号の説明
1…基板、2…荷電性高分子微粒子、3…荷電性薄膜、4…生体関連物質

Claims (8)

  1. 生体関連物質を導入可能な官能基を有する荷電性高分子微粒子を基板上に固定する方法であって、
    分子中にアミノ基またはその塩とカルボキシル基またはその塩とを有する高分子化合物を用いて前記基板の表面に前記荷電性高分子微粒子と逆の電荷を有する荷電性薄膜を形成した後、この荷電性薄膜上に前記荷電性高分子微粒子の分散液を塗布して前記荷電性高分子微粒子を前記荷電性薄膜上に静電結合により固着させることを特徴とする高分子微粒子の固定方法。
  2. 前記荷電性薄膜の形成は、前記基板の表面に前記分子中にアミノ基またはその塩とカルボキシル基またはその塩とを有する高分子化合物を溶解させた酸性またはアルカリ性溶液を塗布し乾燥させることにより行われることを特徴とする請求項1記載の高分子微粒子の固定方法。
  3. 前記荷電性薄膜の形成は、前記基板の表面に前記分子中にアミノ基またはその塩とカルボキシル基またはその塩とを有する高分子化合物からなる薄膜を形成した後、この薄膜を酸性またはアルカリ性溶液で処理することにより行われることを特徴とする請求項1記載の高分子微粒子の固定方法。
  4. 前記生体関連物質を導入可能な官能基に生体関連物質が結合していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の高分子微粒子の固定方法。
  5. 前記生体関連物質を導入可能な官能基が、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、水酸基、グリシジル基、アミノ基、アルデヒド基、トシルオキシ基および酸クロライド基からなる群より選ばれること特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の高分子微粒子の固定方法。
  6. 前記荷電性高分子微粒子は、識別のための蛍光色素をさらに含有していることを特徴とする請求項1乃至5にいずれか1項記載の高分子微粒子の固定方法。
  7. 前記荷電性高分子微粒子の平均粒径が、0.01μm〜100μmであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載の高分子微粒子の固定方法。
  8. 前記荷電性薄膜の厚さが、5nm〜100nmであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の高分子微粒子の固定方法。
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