JP2005291974A - フェルダジル基を有する磁性有機粒子、粒子固定方法及びマイクロアレイ - Google Patents

フェルダジル基を有する磁性有機粒子、粒子固定方法及びマイクロアレイ Download PDF

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Abstract

【課題】 固相担体表面に粒子を固定して結合可能な表面積を大きくすることでDNAプローブの結合量を増やすのに有用な磁性有機粒子、その磁性有機粒子の固定方法及びマイクロアレイを提供する。
【解決手段】 フェルダジルラジカルを有するフェルダジル基及び水酸基、グリシジルエーテル基、カルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基等の有機基を生体関連物質導入部位として同一分子内に有する化合物からなることを特徴とする磁性有機粒子、この粒子の固定方法及びマイクロアレイ。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁性有機粒子、粒子固定方法及びマイクロアレイに係り、特に、DNAチップとなる測定基板の片面から磁場を発生させることにより測定基板上に生体関連物質導入部位を有する磁性有機粒子を誘導、固定することができる磁性有機粒子、粒子固定方法及びマイクロアレイに関する。
ゲノムプロジェクトの進歩に伴って、大量の遺伝子情報を一度に処理、解析する必要性が高まり、このようなニーズを満たすための1つの有力な手段として、DNAマイクロアレイ又はDNAチップ(以下、総称してDNAマイクロアレイと称する。)が開発、実用化されている。
DNAマイクロアレイは、多数のcDNA、DNA断片、オリゴヌクレオチド等(以下、DNAプローブと称する。)をシリコンやスライドガラス等の固相担体表面に固定したものであり、このDNAマイクロアレイに固定されたDNAプローブとこれに相補的なDNA断片試料とのハイブリダイゼーションを利用することによって試料に含まれるDNAの状態を定量的又は定性的に解析するものである。
DNAマイクロアレイを製造するには、固相担体表面に多数のDNAプローブを高密度、かつ安定に整列させ固定することが必要であり、その作製方法としては、従来から、主に固相担体表面上でオリゴヌクレオチドを合成する方法と、あらかじめ調製したDNAプローブを固相担体表面に結合固定する2つの手法が用いられている。
固相担体表面上で合成を行う方法は、固相担体表面に反応性保護基を有する化学リンカーを導入し、半導体製造で用いるフォトリソグラフィーの技術を用いて脱保護した後、固相合成の手法により保護基を有するヌクレオチドと反応させ、これを繰り返すことによって直接オリゴヌクレオチドを合成していく方法である(例えば、特許文献1参照。)。
この方法により作製されたDNAマイクロアレイは、人工的に合成されたオリゴヌクレオチドが固相担体表面に共有結合で固定されているため、再現性に優れた測定を行うことができる利点がある。
また、あらかじめ調製したDNAプローブを固相担体表面に結合固定する方法は、固相担体の表面がプラスの電荷を有するように表面処理を行い、DNAプローブのもつ電荷を利用して担体表面に静電結合させる方法(例えば、特許文献2及び3参照。)と、合成オリゴヌクレオチドに反応活性基を導入し、固相担体にも反応性基を形成させるように表面処理を行い、オリゴヌクレオチドを固相担体表面に共有結合させる方法(例えば、特許文献3参照。)とが知られている。
この方法により作製されたDNAマイクロアレイは、スポット用のDNAプローブが用意できれば比較的低コストで製造することができ、既知のDNAの測定には限られない。また、使用者がカスタマイズを容易に行うこともできる利点がある。
また、磁性粒子としては金属又はその酸化物である無機物からなるものが多く知られており、また磁性有機粒子としてはトリアミノベンゼンポリマーや1,4−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−オキシ−4−ピペリジル−1−オキシル)ブタジイン等が知られており、近年、インクやトナーに用いられるものとしてフェルダジル置換アセチレンポリマー(例えば、特許文献4参照。)も知られている。
米国特許第5424186号明細書 特開2002−71686号公報 特開2002−60671号公報 特開平7−138507号公報
しかし、これらのDNAマイクロアレイは、1つのマイクロアレイで一度に多数の測定を行うために、マイクロアレイ上には測定項目に対応する多種類のDNAプローブが固定されているが、より多種類のDNAプローブを固定しようとすると1つの種類に対して固定する面積が小さくなり感度が落ちる問題があった。
また、従来知られている磁性粒子は無機物、有機物のどちらもDNAプローブの導入部位が存在していないためDNAマイクロアレイには適用することができなかった。
そこで、本発明は、固相担体表面に粒子を固定して結合可能な表面積を大きくすることでDNAプローブの結合量を増やすのに有用な磁性有機粒子、その磁性有機粒子の固定方法及びマイクロアレイを提供することを目的とする。
本発明者は、固相担体表面に直接DNAプローブを固定するのではなく、固相担体表面に粒子を固定して表面積を大きくし、その粒子上にDNAプローブを結合することでこれらの結合量を増やすことができること及び粒子として磁性有機粒子を用いることで、磁気的に効率良く粒子を固定することができ、この粒子に生体関連物質を導入することでマイクロアレイに適した構成とすることができることを見出し本発明を完成した。
本発明の磁性有機粒子は、フェルダジルラジカルを有するフェルダジル基及び生体関連物質導入部位を同一分子内に有する化合物からなることを特徴とするものである。
この生体関連物質導入部位は、有機基であって磁性有機粒子中に存在していれば特に限定されないが、フェルダジル基の有するフェニル基に置換した有機基であることが好ましい。この有機基としては、導入する生体関連物質と結合することができる基であればよく、また、生体関連物質にはこの磁性有機粒子の有する有機基と反応することができる有機基を導入しておけばよい。これらの有機基を相互に反応させることにより、磁性有機粒子と生体関連物質とを共有結合により効率良く、強固に結合させることができる。
このような有機基としては、例えば、グリシジルエーテル基−アミノ基、カルボキシル基−アミノ基、カルボキシル基−水酸基、スルホン酸基−アミノ基等の組合わせを挙げることができ、これらの組合わせのうち一方を磁性有機粒子に、他方を生体関連物質に導入すればよく、磁性有機粒子には、有機基の大きさや反応性の観点から、水酸基、グリシジルエーテル基、カルボキシル基、スルホン酸基及びアミノ基から選ばれる有機基であることが好ましい。
また、生体関連物質としては、その末端に反応基を形成することができ、測定対象物と特異的に結合する機能を有するものであればよく、例えば、DNA及びRNAとそれに相補的な配列を持つヌクレオチド、酵素と基質、抗原と抗体等のように相互に特異的に結合するものであれば種類は特に限定されず用いることができる。
また、本発明の磁性有機粒子は、25Kにおける飽和磁化が5〜50emu/gの範囲であることが、DNAマイクロアレイとして測定を有効に行うことができる観点から好ましい。
このような磁性有機粒子は、例えば、次のように製造することができる。ただし、ジアセチレン化合物が重合した後の化合物については推定の化学構造式を示した。
まず、最初に、
Figure 2005291974
(ここで、nは2〜1500の整数である。)で表すように、臭化アセチレン誘導体(I)とアセチレン誘導体(II)とを縮合して、臭化水素を脱離することにより反応させジアセチレン誘導体(III)を合成する。このとき、反応温度を40〜80℃、反応溶媒としてジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド等を用いて還流しながら反応させることが好ましく、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム等の触媒を用いてもよい。次に、得られたジアセチレン誘導体(III)を、トリエチルアルミニウム、テトラブチルチタネート等の触媒を用いて重合させることでポリアセチレン誘導体(IV)を合成する。この反応は、反応温度を40〜80℃の加熱下で、反応溶媒として四塩化炭素、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、ヘキサデカン等の飽和炭化水素等を用いることができ、これらを混合して用いることが好ましい。なお、重合したポリアセチレン誘導体(IV)の化学構造については推定される2種類の化学式(IVa)、(IVb)について示したが、以下同様に示す。得られたポリアセチレン誘導体(IV)をt−ブトキシカルボニル基で保護されたアミノ基から保護基を外し、アミノ基とすることでアミン誘導体(V)を得ることができる。
このアミン誘導体(V)を塩酸による酸性下、亜硝酸ナトリウムで処理することによりジアゾ化させ、塩化ジアゾニウム誘導体(VI)とすることができる。なお、ジアゾニウム塩は不安定なため、単離せずにこのまま反応を継続して行うことが好ましい。
これとは別に、次の反応式、
Figure 2005291974
(ここで、Rは水素原子、t−ブチルシリルオキシ基、アルコキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニルアミノ基又はアルコキシスルホニル基である。)に示したようにベンズアルデヒド誘導体(VII)とフェニルヒドラジン誘導体(VIII)とを脱水縮合させて、フェニルヒドラゾン誘導体(IX)を得る。反応は、トルエン等の芳香族炭化水素を溶媒とし、共沸脱水することにより行うことが好ましい。
さらに、次の反応式、
Figure 2005291974
(ここで、Rは水素原子、t−ブチルシリルオキシ基、アルコキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニルアミノ基又はアルコキシスルホニルオキシ基であり、nは10〜1000の整数である。)に示したように先に得られたジアゾニウム誘導体(VI)をフェニルヒドラゾン誘導体(IX)とピリジン中で反応させることによりフォルマザン誘導体(X)とし、さらにフォルマザン誘導体(X)をホルマリン存在下、環化させることによりフェルダジル誘導体(XI)を得ることができる。
最後に、得られたフェルダジル誘導体(XI)のフェルダジル基にラジカルを発生させるには、次の反応式、
Figure 2005291974
(ここで、nは10〜1000の整数である。)に従って原料であるフェルダジル誘導体(XI)の窒素原子に結合している水素原子をアルカリ条件下で脱離させフェルダジルラジカルを有する磁性有機化合物とすればよい。
が水素原子である場合には、化学式4の反応により、また、Rがt−ブチルジメチルシリルオキシ基(TBSO)、アルコキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニルアミノ基(t−BocNH)又はアルコキシスルホニル基の場合には、Rを目的とする置換基に変換することができ、変換した後に化学式4と同様の反応によるフェルダジルラジカルを生じさせればよい。
目的とする置換基が水酸基の場合には、Rがt−ブチルジメチルシリルオキシ基であるベンズアルデヒド誘導体(VII)及びフェニルヒドラジン誘導体(VIII)を原料として用い、同様に合成を行いフェルダジル誘導体(XI)とした後、テトラブチルアンモニウムフルオライド(TBAF)により、保護基であるt−ブチルジメチルシリル基を外して、水酸基としてからラジカルを発生させる最終工程に付せばよい。
また、目的とする置換基がグリシジルエーテル基の場合には、置換基Rを水酸基とした後に、さらにグリシジルクロライドを作用させることにより得ることができる。
また、目的とする置換基がカルボキシル基の場合には、Rがアルコキシカルボニル基であるベンズアルデヒド誘導体(VII)及びフェニルヒドラジン誘導体(VIII)を原料として用い、同様に合成を行いフェルダジル誘導体(XI)とした後、加水分解することによりカルボキシル基とすることができる。このとき、加水分解をアルカリ処理で行うことにより、一つの工程でフェルダジル基へのラジカルの発生も同時に行うことができる。
また、目的とする置換基がアミノ基の場合には、Rがt−ブトキシカルボニルアミノ基(BocNH)であるベンズアルデヒド誘導体(VII)及びフェニルヒドラジン誘導体(VIII)を原料として用い、同様に合成を行いフェルダジル誘導体(XI)とした後、トリフルオロ酢酸等で処理することでアミノ基としてから最終工程に付せばよい。
目的とする置換基がスルホン酸基の場合には、Rがアルコキシスルホニル基であるベンズアルデヒド誘導体(VII)及びフェニルヒドラジン誘導体(VIII)を原料として用い、同様に合成を行いフェルダジル誘導体(XI)とした後、加水分解することによりスルホン酸基とすることができる。このとき、加水分解をアルカリ処理で行うことにより、一つの工程でフェルダジル基へのラジカルの発生も同時に行うことができる。
以上のように目的とする置換基に変換した後は、化学式4と同様の反応、すなわち次の反応式
Figure 2005291974
(ここで、Rは、水酸基、グリシジルエーテル基、カルボキシル基、スルホン酸基及びアミノ基から選ばれる有機基であり、また、重合度nは10〜1000の整数である。)で表される反応を行うことによって、フェルダジル誘導体(XIII)の窒素原子に結合している水素原子を脱離させフェルダジルラジカルを有する磁性有機化合物として最終目的物(XIV)を得ることができる。
このように得られた磁性を有する化合物は、粒子として得ることができればそのまま本願発明の磁性有機粒子として用いることもできる。しかし、そのまま用いることが困難であったり、より取扱いを容易にするために、スチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体、ポリジビニルベンゼン、ポリジメチルシロキサン等の疎水性ポリマーと混合して磁性有機粒子とすることもできる。この場合には、混合物をミキサーによって撹拌後、ロールミルにて溶融混練し、その後冷却して、粉砕、分級することにより、粒径5〜10μmの磁性有機粒子を製造することができる。
また、この磁性有機粒子に、必要に応じて、識別のための蛍光色素が内包されていてもよい。このような蛍光色素としては、例えば、1,3−ビス〔(1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2H−インドール−2−イリデン)メチル〕−2,4−ジヒドロキシシクロブテンジイリウム、2−(3,5−ジメチルピロール−2−イル)−4−(3,5−ジメチル−2H−ピロール−2−イリデン)−3−ヒドロキシ−2−シクロブテン−1−オンやそれら塩等が挙げられ、これらの蛍光色素は1種を単独で使用してもよく、2種以上を適宜混合してもよい。
また、本発明の粒子固定方法は、測定基板表面に本発明の磁性有機粒子を接触させ、測定基板上に磁界を発生させることによって磁性有機粒子を測定基板上に誘導し、誘導した磁性有機粒子を測定基板上に固定することを特徴とするものである。
本発明の磁性有機粒子は、その外部に磁界を生じると磁気モーメントを生じ、磁化される性質を有しているため、この磁性有機粒子を測定基板表面に接触させた後、測定基板の下部より磁界を生じさせると、生じた磁界に従って磁性有機粒子が測定基板上に誘導され、所望の位置に磁性有機粒子を固定することができる。
磁界を生じさせるには、実用的な点から、ソレノイド、電磁石、超伝導マグネット、永久磁石等を用いることができる。
誘導した磁性有機粒子を測定基板上に固定するには、誘導するために生じた磁界をそのまま継続しながら固定する他、測定基板表面に接着剤組成物等の薄膜を形成しておき、磁性有機粒子を測定基板上に誘導した後、接着剤を硬化させることにより固定することもできる。
接着剤を用いて固定すれば、磁性有機粒子を測定基板上に固定状態とするために磁界を生じさせ続けなくてよく、そのための装置を基板と共に扱う必要がなくなるため、測定の際には磁性有機粒子を固定させた測定基板のみで行うことができるため便利である。
このように製造されたマイクロアレイは、粒子を固定するための測定基板と、本発明の生体関連物質導入部位を有する磁性有機粒子とを有し、この磁性有機粒子が測定基板上に固定されていることを特徴とするものである。
図1に、DNAプローブを結合したマイクロアレイの模式的な側面図を示したが、図1(a)は、磁性有機粒子にDNAプローブを導入する前のDNAマイクロアレイ、図1(b)は、磁性有機粒子にDNAプローブを導入した後のDNAマイクロアレイである。図1(a)のマイクロアレイは、測定用のDNAプローブを適宜結合させる操作を行うことで、使用者がカスタマイズできる構成をとっており、図1(b)のマイクロアレイは、すぐに測定を行うことができるように、DNAプローブ4を結合させた構成をとるものである。
このDNAマイクロアレイ1は、測定基板2、磁性有機粒子3からなり、測定基板2上に磁性有機粒子3が測定基板2に固定される構成からなるものである。また、DNAプローブ4は、磁性有機粒子3と結合しており、測定基板2上に磁性有機粒子3を介して強固に結合、固定されているものである。
磁性有機粒子3を固定するための測定基板2としては、シリコンやガラス等のマイクロアレイで使用されているものやその他の生体関連物質測定のために使用されているものを用いることができる。
また、磁性有機粒子3は、生体関連物質導入部位を有しており、例えば、粒子表面にカルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有するものを挙げることができる。
磁性有機粒子3上に導入する生体関連物質としては、その末端にアミノ基等の官能基が導入されたものであり、測定対象物と特異的に結合する機能を有するもの、例えば、DNA及びRNAとそれに相補的な配列を持つDNA及びRNA、酵素と基質、抗原と抗体等のように特異的に結合するものであれば種類は特に限定されず用いることができる。
磁性有機粒子上への生体関連物質の導入をオリゴヌクレオチドを例に挙げて説明すると、そのオリゴヌクレオチドの末端にも反応性の置換基を形成させ、オリゴヌクレオチド末端の反応性基と粒子表面の反応性基(生体関連物質導入部位)とを相互に反応させて結合することとすればよい。例えば、粒子表面にカルボキシル基を有する場合には、オリゴヌクレオチド末端にはアミノ基を導入しておき、これらの基を反応させて塩を形成させたり、または縮合剤を共存させることによりアミド結合を形成させたりすることにより、オリゴヌクレオチドを粒子上に導入することができる。
また、磁性有機粒子としては、平均粒径10nm〜100μmの範囲のものであれば使用することができ、分散性、作業の効率性の観点から粒径のばらつきは少ない方がよく、平均粒径は100nm〜10μmであることが好ましい。
本発明に用いる磁性有機粒子は、生体関連物質導入部位として粒子表面にカルボキシル基、スルホン酸基、アミノ基等の反応性基を有しているため、荷電性を有する粒子が大部分を占めている。そのため、マイクロアレイを製造する際には、ポリアミノ酸を有する接着剤組成物を用いると効率良く、粒子を基板上に誘導することができる。
本発明は、粒子径が10nm〜100μmの範囲内と、一粒子を極めて微細な磁性素子とすることができ、かつオリゴヌクレオチド導入部位を有する磁性有機粒子を提供することができるため、これを測定基板に固定すれば、DNAやタンパク質等生体物質を測定基板上に固定することが可能となり、医療用診断用途に極めて有効である。
以下、本発明について実施例を参照しながら詳細に説明する。
(実施例1)
Figure 2005291974
アセチレンブロマイド誘導体(化合物〔1〕)25mmolを溶解したジメチルホルムアミド溶液に、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム 0.5mmolを加え、さらに70℃に加熱して、フェニルアセチレン誘導体(化合物〔2〕)25mmolを溶解したジメチルホルムアミド溶液を滴下した。4時間還流後、減圧下ジメチルホルムアミドを留去し、エーテル及び1M塩酸を加え抽出した。エーテル層を水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、エーテルを留去して、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製してジアセチレン誘導体 18mmolを得た。
得られたジアセチレン誘導体 17mmolをヘキサデカン、四塩化炭素、クロロホルムの80:12:8の混合溶媒に溶解し、この溶液に、トリエチルアルミニウム 85mmol、テトラブチルチタネート 43mmolを加え、60℃で10日間撹拌した。反応終了後、0℃下でメタノール 2mLを滴下し、次いでメタノール 60mLにあけて濾取した。メタノールで洗浄後、減圧下乾燥して、ポリアセチレン誘導体 3.2gを得た。
ポリアセチレン誘導体 10質量部を塩化メチレンに溶解し、0℃下でトリフルオロ酢酸 80質量部を加え、3時間撹拌した。反応終了後、10%水酸化ナトリウムを加え30分撹拌後、析出物を濾取し、水洗、乾燥し、アミノ置換されたポリアセチレン誘導体を得た。
このアミノ置換ポリアセチレン誘導体 7質量部を塩酸による酸性下、亜硝酸ナトリウム 15質量部を添加し、塩化ポリアセチレンジアゾニウム誘導体(化合物〔3〕)を得た。
Figure 2005291974
これとは別に、ベンズアルデヒド(化合物〔4〕) 18mmolをトルエンに溶解し、フェニルヒドラジン(化合物〔5〕) 18mmolのトルエン溶液を加え、1時間共沸脱水を行った。トルエンを留去後、シリカゲルクロマトグラフィーで精製してフェニルヒドラゾン誘導体(化合物〔6〕) 17mmolを得た。
Figure 2005291974
フェニルヒドラゾン誘導体(化合物〔6〕) 5質量部をピリジンに溶解し、塩化ポリアセチレンジアゾニウム(化合物〔3〕) 50質量部を0℃下で加え、1時間撹拌した。少量の水を加え、析出物を濾取、水洗、乾燥し、フォルマザン誘導体を得た。
得られたフォルマザン誘導体をジオキサンに溶解し、ホルマリン 60質量部、塩酸 60質量部を加え、室温で1時間撹拌した。水で反応を停止した後、トルエンで抽出、トルエンを留去し、濃硫酸 30質量部を加え、0℃下で2時間撹拌した。1Lのメタノール中に反応溶液をあけ、得られた沈殿物を濾取し、メタノール洗浄後、ソックスレー抽出器にてクロロホルムを用いて抽出を行った。クロロホルムを留去しフェルダジル誘導体を得た。
フェルダジル誘導体50質量部のブタノール溶液に水酸化カリウム溶液50質量部を加え、25℃下、1時間撹拌し、メタノール1Lへ反応溶液をあけ、得られた沈殿物を濾取後、水、メタノールで洗浄、乾燥して最終目的物であるラジカルを有する磁性フェルダジル誘導体(化合物〔7〕)を得た。
(実施例2)
Figure 2005291974
p−t−ブチルジメチルシリルオキシベンズアルデヒド誘導体(化合物〔8〕) 23mmolをトルエンに溶解し、m−テトラブチルシリルオキシフェニルヒドラジン(化合物〔9〕) 23mmolのトルエン溶液を加え1時間共沸脱水を行った。トルエンを留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、フェニルヒドラゾン誘導体(化合物〔10〕) 21mmolを得た。
Figure 2005291974
フェニルヒドラゾン誘導体(化合物〔10〕) 6質量部のピリジン溶液に塩化ポリアセチレンジアゾニウム(化合物〔3〕) 60質量部を0℃下で加え、1時間撹拌した。少量の水を加え、析出物を濾取し、水洗、乾燥してフォルマザン誘導体を得た。得られたフォルマザン誘導体のジオキサン溶液にホルマリン 72質量部、塩酸 72質量部を加え、1時間室温で撹拌した。水で反応を停止後トルエンにて抽出、トルエンを留去し、濃硫酸 36質量部を加え、0℃で2時間撹拌した。2Lのメタノール中に反応溶液をあけ、得られた沈殿物を濾取し、メタノールで洗浄後、ソックスレー抽出機にてクロロホルムを用いて抽出した。クロロホルムを留去し、フェルダジル誘導体(化合物〔11〕)を得た。
Figure 2005291974
フェルダジル誘導体(化合物〔11〕) 15質量部をテトラヒドロフランに溶解し、0℃でテトラエチルアンモニウムフロリド 60質量部を加えた後、室温で10時間撹拌した。反応溶液を水中に注いだ後、これを酢酸エチルで抽出し、酢酸エチル層を水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エチルを留去して、フェニル基に置換したt−ブチルジメチルシリルオキシ基が水酸基へ変換されたフェルダジルフェノール誘導体(化合物〔12〕)を得た。
Figure 2005291974
得られたフェルダジルフェノール誘導体(化合物〔12〕) 60質量部のアセトン溶液に炭酸カリウム 8質量部を加え1時間撹拌後、エピクロルヒドリン 6質量部を加え3時間還流した。アセトンの留去後、残渣を大量の水で水洗し、乾燥して、水酸基がグリシジルエーテル基へ変換されたフェルダジルエポキシ誘導体を得た。次いで、このフェルダジルエポキシ誘導体 50質量部にトリエチルアミン 50質量部を加え、40℃下、1時間撹拌し、5Lのメタノール中へ反応溶液をあけ、得られた沈殿物を濾取後、水、メタノールで洗浄、乾燥して最終目的物であるラジカルを有する磁性フェルダジル誘導体(化合物〔13〕)を得た。
この磁性フェルダジル誘導体(化合物〔13〕) 100質量部と、スチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体 100質量部との混合物をミキサーによって撹拌後、ロールミルにて130〜140℃で0.5時間溶融混練し、その後、25℃まで冷却した。次いで、粉砕、分級し、粒径5〜10μmの磁性有機粒子を得た。
この磁性有機粒子は、黒色粉末として得られ、磁化曲線は外部磁場により上昇し、25Kでは5mTで飽和し、その飽和磁化は2emu/gであった。
得られた有機磁性粒子は、操作型電子顕微鏡を用いて粒径を測定したところ5〜10nmの範囲内であることがわかったが、この有機磁性粒子の磁性は、簡易的には、永久磁石上に本磁性体粉末が集合することによっても確認できた。また、ESRスペクトルによりg=2.057に鋭い1本線のピークが確認された。
(実施例3)
(磁性有機粒子の固定及びオリゴヌクレオチドの導入)
シリコン基板の下部にフェライトからなる磁石で5mTの磁界を発生させ、DNAの導入部としてグリシジルエーテル基を有する実施例2で得られた磁性有機粒子を誘導し、固定した。この磁界の存在下、磁性有機粒子を固定した状態で、末端にアミノ基を導入したプローブDNAを0.15M塩化ナトリウム及び15mMクエン酸水溶液に溶解し、その濃度が0.5mg/mLとなるように調整した溶液に、シリコン基板を浸漬して75℃で1時間インキュベートし、順次0.1%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液、純水、エタノールに浸漬後、室温で乾燥することにより基板に付着した粒子へオリゴヌクレオチドプローブを導入し、基板上に固定した。
次に、ターゲットDNAとしてその配列が先のプローブDNAに相補的な配列を有し、蛍光色素(Cy5)で標識したオリゴヌクレオチドを0.15Mの塩化ナトリウム、15mMのクエン酸に溶解し、その濃度が200ng/mLとなるように調整した溶液を垂らし、45℃で24時間インキュベートした。その後、このものを0.15Mの塩化ナトリウム、15mMのクエン酸の混合溶液で洗浄した後、基板上の蛍光強度を蛍光スキャニング装置で計測した結果、蛍光が確認されハイブリダイズ体が得られたことが確認できた。
(実施例4)
Figure 2005291974
置換ベンズアルデヒド(化合物〔14〕) 23mmolをトルエンに溶解し、置換フェニルヒドラジン(化合物〔15〕) 23mmolのトルエン溶液を加え、1時間共沸脱水を行った。トルエンを留去後、シリカゲルクロマトグラフィーで精製してフェニルヒドラゾン誘導体(化合物〔16〕) 15mmolを得た。
Figure 2005291974
フェニルヒドラゾン誘導体(化合物〔16〕) 5質量部をピリジンに溶解し、塩化ポリアセチレンジアゾニウム(化合物〔3〕) 50質量部を0℃下で加え、1時間撹拌した。少量の水を加え、析出物を濾取、水洗、乾燥し、フォルマザン誘導体を得た。
得られたフォルマザン誘導体をジオキサンに溶解し、ホルマリン 60質量部、塩酸 60質量部を加え、室温で1時間撹拌した。水で反応を停止した後、トルエンで抽出、トルエンを留去し、濃硫酸 30質量部を加え、0℃下で2時間撹拌した。1Lのメタノール中に反応溶液をあけ、得られた沈殿物を濾取し、メタノール洗浄後、ソックスレー抽出器にてクロロホルムを用いて抽出を行った。クロロホルムを留去しフェルダジル誘導体を得た。
フェルダジル誘導体50質量部の塩化メチレン溶液に0℃下、トリフルオロ酢酸 100質量部を加え、3時間撹拌した。反応終了後、塩化メチレンを留去した後、水酸化カリウムを溶解したブタノール溶液 50質量部を加え、25℃下、1時間撹拌し、メタノール2Lへ反応溶液をあけ、得られた沈殿物を濾取後、水、メタノールで洗浄、乾燥して最終目的物であるラジカルを有する磁性フェルダジル誘導体(化合物〔17〕)を得た。
この磁性フェルダジル誘導体(化合物〔17〕) 100質量部と、スチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体 100質量部との混合物をミキサーによって撹拌後、ロールミルにて130〜140℃で0.5時間溶融混練し、その後、25℃まで冷却した。次いで、粉砕、分級し、粒径5〜10μmの磁性有機粒子を得た。
この磁性有機粒子は、黒色粉末として得られ、磁化曲線は外部磁場により上昇し、25Kでは5mTで飽和し、その飽和磁化は2emu/gであった。
得られた有機磁性粒子は、操作型電子顕微鏡を用いて粒径を測定したところ5〜10nmの範囲内であることがわかったが、この有機磁性粒子の磁性は、簡易的には、永久磁石上に本磁性体粉末が集合することによっても確認できた。また、ESRスペクトルによりg=2.035に鋭い1本線のピークが確認された。
(実施例5)
シリコン基板の下部にフェライトからなる磁石で5mTの磁界を発生させ、実施例4で得られた磁性有機粒子を実施例3と同様の操作でシリコン基板上に誘導したところ、基板上に固定することができた。
また、実施例4で合成した磁性フェルダジル誘導体(化合物〔17〕) 100質量部と、マグネタイト 10質量部と、スチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体 100質量部との混合物をミキサーによって撹拌後、ロールミルにて130〜140℃で0.5時間溶融混練し、その後、25℃まで冷却し、次いで、粉砕、分級して、粒径5〜10μmの磁性有機粒子を得た。この磁性有機粒子についても、実施例3の操作と同様にシリコン基板上に誘導したところ、マグネタイトを含有しない磁性有機粒子よりも安定に基板上に固定することができた。
(実施例6)
赤蛍光染料1,3−ビス〔(1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2H−インドール−2−イリデン)メチル〕−2,4−ジヒドロキシシクロブテンジイリウムと、オレンジ染料2−(3,5−ジメチルピロール−2−イル)−4−(3,5−ジメチル−2H−ピロール−2−イリデン)−3−ヒドロキシ−2−シクロブテン−1−オンとを異なる比率でクロロホルムとエタノールの混合溶媒(混合比2:3)に溶解して、2種の染料の混合比の異なる64種の混合染料液を調製した。
これらの各混合染料液0.6mLに、実施例4で得られたアミノ基を有する磁性有機粒子 60mgをそれぞれ懸濁させ、2時間の超音波処理を行った。処理後、各懸濁液から微粒子を分離し、1.2mLのメタノールに懸濁させた後、さらに2時間の超音波処理及びメタノール洗浄を行い、64個(種)の微粒子ライブラリー(同種の蛍光染料を異なる比率で配合したもの)を作成した。
得られた64個の微粒子ライブラリーをそれぞれ緩衝液に濃度が1質量%となるように懸濁させた後、これらの各懸濁液に、末端にカルボキシル基を導入したプローブDNAを、0.15M塩化ナトリウム及び15mMクエン酸水溶液に、その濃度が0.5mg/mLとなるように溶解した溶液を混合して、75℃で1時間インキュベートし、微粒子にプローブDNAを導入した。この後、微粒子を分離し、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液、純水及びエタノールに順に浸漬した後、純水に濃度が1質量%となるように懸濁させた。なお、64個の微粒子ライブラリーのうちの1つに、目的遺伝子検出のためのプローブDNAを導入し、その他には目的遺伝子を有さないプローブDNAを導入した。
次いで、これらのプローブDNAを導入した64個の微粒子ライブラリーを含む懸濁液を混合し、この混合液中にシリコン基板を浸漬しつつ、シリコン基板に磁界を発生させて、プローブDNAを導入した磁性有機粒子を基板上に固定させた。浸漬後、基板を液中から引き上げ風乾した。
この後、上記基板上に、ターゲットDNAとしてその配列が先に固定した目的遺伝子検出のためのプローブDNAに相補的な配列を有し、蛍光色素(フルオレセイン)で標識したオリゴヌクレオチドを0.15M塩化ナトリウム及び15mMクエン酸水溶液に、その濃度が200ng/mLとなるように溶解した溶液をスポットし、45℃で約24時間インキュベートした。その後、0.15M塩化ナトリウム及び15mMクエン酸水溶液で洗浄し、乾燥させた。基板上の蛍光強度を蛍光スキャニング装置で計測したところ、フルオロセイン蛍光が確認され、ハイブリダイズ体が得られたことが確認できた。また、微粒子の染色蛍光によって目的遺伝子が確認できた。
(実施例7)
赤蛍光染料1,3−ビス〔(1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2H−インドール−2−イリデン)メチル〕−2,4−ジヒドロキシシクロブテンジイリウムと、オレンジ染料2−(3,5−ジメチルピロール−2−イル)−4−(3,5−ジメチル−2H−ピロール−2−イリデン)−3−ヒドロキシ−2−シクロブテン−1−オンと、黄緑蛍光染料3,6−ジアミノ−2,5−ピラジンカルボニトリルとを、異なる比率でクロロホルムとエタノールの混合溶媒(混合比2:3)に溶解して、3種の染料の混合比の異なる128種の混合染料液を調製した。
これらの各混合染料液0.6mLに、実施例4で得られたアミノ基を有する磁性有機粒子 60mgをそれぞれ懸濁させ、2時間の超音波処理を行った。処理後、各懸濁液から微粒子を分離し、1.2mLのメタノールに懸濁させた後、さらに2時間の超音波処理及びメタノール洗浄を行い、128個(種)の微粒子ライブラリー(同種の蛍光染料を異なる比率で配合したもの)を作成した。
得られた128個の微粒子ライブラリーをそれぞれ緩衝液に濃度が1質量%となるように懸濁させた後、これらの各懸濁液に、末端にカルボキシル基を導入したプローブDNAを、0.15M塩化ナトリウム及び15mMクエン酸水溶液に、その濃度が0.5mg/mLとなるように溶解した溶液を混合して、75℃で1時間インキュベートし、微粒子にプローブDNAを導入した。この後、微粒子を分離し、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液、純水及びエタノールに順に浸漬した後、純水に濃度が1質量%となるように懸濁させた。なお、128個の微粒子ライブラリーのうちの1つに、目的遺伝子検出のためのプローブDNAを導入し、その他には目的遺伝子を有さないプローブDNAを導入した。
次いで、これらのプローブDNAを導入した128個の微粒子ライブラリーを含む懸濁液を混合し、この混合液中にシリコン基板を浸漬しつつ、シリコン基板に磁界を発生させて、プローブDNAを導入した磁性有機粒子を基板上に固定させた。浸漬後、基板を液中から引き上げ風乾した。
この後、上記基板上に、ターゲットDNAとしてその配列が先に固定した目的遺伝子検出のためのプローブDNAに相補的な配列を有し、蛍光色素(フルオレセイン)で標識したオリゴヌクレオチドを0.15M塩化ナトリウム及び15mMクエン酸水溶液に、その濃度が200ng/mLとなるように溶解した溶液をスポットし、45℃で約24時間インキュベートした。その後、0.15M塩化ナトリウム及び15mMクエン酸水溶液で洗浄し、乾燥させた。基板上の蛍光強度を蛍光スキャニング装置で計測したところ、フルオロセイン蛍光が確認され、ハイブリダイズ体が得られたことが確認できた。また、微粒子の染色蛍光によって目的遺伝子が確認できた。
(比較例1)
次の一般式
Figure 2005291974
(Rはオリゴマーである。)で表される1,4−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−オキシ−4−ピペリジル−1−オキシル)ブタジイン(化合物〔18〕、以下、BTOPOBと称する。)に上記実施例と同様にオリゴヌクレオチドプローブを導入し、蛍光強度を測定した。
(比較例2)
さらに、次の一般式
Figure 2005291974
(Rはオリゴマーである。)で表されるトリアミノベンゼンポリマー(化合物〔19〕)についても同様にオリゴヌクレオチドプローブを導入し、蛍光強度を測定した。
実施例3及び比較例の結果を、BTOPOBにおける測定値を1として、相対的な蛍光強度の比率を示した。これらの傾向強度の数値は、ガラス基板に純水のみを載せた時の蛍光強度の数値をブランクとして差し引いて調製したものである。
Figure 2005291974
この結果より、本発明の磁性粒子は、ハイブリダイズしたDNAの検出濃度が極めて高く、従来の磁性粒子に比べて検出限界の向上に寄与するものであることが確認できた。
本発明によれば、DNAチップに固定されているオリゴヌクレオチドと、そのオリゴヌクレオチドに対して相補的なDNA断片試料とをハイブリダイゼーションさせることにより、DNA断片試料の有無を検出することができる。
本発明のマイクロアレイを模式的に示した側面図である。
符号の説明
1…DNAマイクロアレイ、2…基板、3…接着剤組成物、4…粒子、5…DNAプローブ

Claims (8)

  1. フェルダジルラジカルを有するフェルダジル基及び生体関連物質導入部位を同一分子内に有する化合物からなることを特徴とする磁性有機粒子。
  2. 前記生体関連物質導入部位が、前記フェルダジル基の有するフェニル基に置換した有機基であることを特徴とする請求項1記載の磁性有機粒子。
  3. 前記生体関連物質導入部位が、水酸基、グリシジルエーテル基、カルボキシル基、スルホン酸基及びアミノ基から選ばれる有機基であることを特徴とする請求項1又は2記載の磁性有機粒子。
  4. 識別のための蛍光色素をさらに含有していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の磁性有機粒子。
  5. 前記磁性有機粒子が、25Kにおける飽和磁化が5〜50emu/gの範囲であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の磁性有機粒子。
  6. 測定基板表面に請求項1乃至5のいずれか1項記載の磁性有機粒子を接触させ、
    測定基板上に磁界を発生させることによって前記磁性有機粒子を前記測定基板上に誘導し、
    誘導した磁性有機粒子を前記測定基板上に固定することを特徴とする磁性有機粒子固定方法。
  7. 粒子を固定するための測定基板と、請求項1乃至5のいずれか1項記載の生体関連物質導入部位を有する磁性有機粒子とを有し、該磁性有機粒子が前記測定基板上に固定されていることを特徴とするマイクロアレイ。
  8. 前記生体関連物質導入部位に、DNAプローブが導入されていることを特徴とする請求項7記載のマイクロアレイ。
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