JP2011220723A - ナノ粒子の表面粗さ測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】直接ナノ粒子の表面粗さを精度よく測定する。
【解決手段】原子間力顕微鏡を用いてナノ粒子の表面粗さを測定する方法は、表面にアミノ基を有する基板上にナノ粒子分散液を塗布して乾燥させることにより基板上にナノ粒子を固定する工程1と、工程1でナノ粒子を固定した基板を原子間力顕微鏡の試料台に設置する工程2と、工程2で原子間力顕微鏡の試料台に設置した基板上に固定されたナノ粒子の表面粗さをプローブを用いて測定する工程3とを含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope;AFM)を用いてナノ粒子の表面粗さを測定する方法に関する。
近年、ナノ粒子は多くの分野で機能性材料として用いられているが、その表面の凹凸を制御することで更に機能性材料の性能を向上させることができる。
ナノ粒子の表面粗さの評価は、従来、その比表面積から求められることが多く、BET法(非特許文献1参照)、ブレーン法(非特許文献2参照)等がその方法として挙げられる。しかしながら、これらの方法は粒子の集合体に対する比表面積を与えるものであり、直接ナノ粒子の表面粗さを表しているとは言い難い。
一方、原子間力顕微鏡を用いて粒子の表面粗さを測定する方法として、粒子径250 〜840μmのシリカ粒子を接着剤を用いて基板に固定して表面粗さを測定する方法が非特許文献3に示されている。
また、原子間力顕微鏡を用いてナノ粒子を測定する方法として、粒子径180nm程度のゼラチン粒子を負の表面電荷を持ったサンプルグリッドに固定して形状を測定する方法が非特許文献4に紹介されている。
JIS Z8830「気体吸着による粉体(固体)の比表面積測定方法」 JIS R5201「セメントの物理試験方法」 中野寧ら, 表面科学 14, 342-346 (1993). Jan C. Zillies et al., Analytical Chemistry 79, 4574-4580 (2007).
原子間力顕微鏡を用いて粒子の表面粗さを評価する方法において、接着剤によって粒子を基板に固定した場合、粒子表面に接着剤が付着する可能性があり、TOF−SIMSやXPS等の表面分析装置を用いて粒子表面に接着剤が付着していないことを確かめる必要がある。しかしながら、ナノ粒子の場合、粒子表面への接着剤の付着の有無を確認することは困難である。
本発明の課題は、直接ナノ粒子の表面粗さを精度よく測定することである。
本発明は、原子間力顕微鏡を用いてナノ粒子の表面粗さを測定する方法であって、表面にアミノ基を有する基板上にナノ粒子分散液を塗布して乾燥させることにより該基板上にナノ粒子を固定する工程1と、該工程1でナノ粒子を固定した基板を原子間力顕微鏡の試料台に設置する工程2と、該工程2で原子間力顕微鏡の試料台に設置した基板上に固定されたナノ粒子の表面粗さをプローブを用いて測定する工程3とを含む。
本発明によれば、表面にアミノ基を有する基板上にナノ粒子を固定するので、直接ナノ粒子の表面粗さを精度よく測定することができる。
表面粗さ測定に用いたシリカナノ粒子1の透過型電子顕微鏡写真である。 表面粗さ測定に用いたシリカナノ粒子2の透過型電子顕微鏡写真である。 表面粗さ測定に用いたシリカナノ粒子3の透過型電子顕微鏡写真である。
以下、実施形態について詳細に説明する。
本実施形態に係るナノ粒子の表面粗さ測定方法では原子間力顕微鏡を用いる。そして、本実施形態に係るナノ粒子の表面粗さ測定方法は、表面にアミノ基を有する基板上にナノ粒子分散液を塗布して乾燥させることにより基板上にナノ粒子を固定する工程1と、工程1でナノ粒子を固定した基板を原子間力顕微鏡の試料台に設置する工程2と、工程2で原子間力顕微鏡の試料台に設置した基板上に固定されたナノ粒子の表面粗さをプローブを用いて測定する工程3とを含む。
このような本実施形態に係るナノ粒子の表面粗さ測定方法によれば、表面にアミノ基を有する基板上にナノ粒子を固定するので、直接ナノ粒子の表面粗さを精度よく測定することができる。
ここで、本実施形態に係るナノ粒子の表面粗さ測定方法で用いる原子間力顕微鏡は、市販のものでよく、具体的には例えばVeeco社製のNanoscopeV等が挙げられる。
(工程1)
工程1では、表面にアミノ基を有する基板上にナノ粒子分散液を塗布して乾燥させることにより基板上にナノ粒子を固定する。
<基板>
本実施形態に係るナノ粒子の表面粗さ測定方法では、測定精度を向上させるようにナノ粒子を基板に固定する観点から、表面にアミノ基を有する基板を用いる。ここで、アミノ基を有する基板とは表面にアミノ基が露出した基板を意味する。
かかる表面にアミノ基を有する基板は、ベース基板をアミノ基を有する表面改質剤で表面処理することにより得ることができる。
ベース基板は、表面改質剤と化学的に結合する官能基を表面に有する基板であることが好ましく、例えば、アミノシランと反応をするOH基を表面に持つ基板やアミノアルカンチオールと反応する基を表面に持つ基板等である。具体的には、アミノシランと反応をするOH基を表面に持つ基板としては、例えば、マイカ基板、シリコン基板、ガラス基板、石英基板等が挙げられる。アミノアルカンチオールと反応する基を表面に持つ基板としては、例えば、金基板、銀基板、銅基板、白金基板等が挙げられる。
ベース基板は、測定時間を短くするためにナノ粒子を密に固定することができるという観点から、平滑な表面を持つことが好ましい。ベース基板の表面粗さは、算術平均粗さ(Ra)で0.5nm以下であることが好ましく、0.2nm以下であることがさらに好ましい。
ベース基板は、大きさが原子間力顕微鏡の試料台に載る大きさである必要があり、例えば0.5〜1.0cm角であることが好ましい。
アミノ基を有する表面改質剤は、均一な表面改質処理により測定精度を向上させる観点から、ベース基板表面に自己組織化膜を形成するものであることが好ましい。かかる表面改質剤としては、例えば、アミノシランやアミノアルカンチオール等が挙げられる。アミノシランは、容易に入手できるという観点から、炭素数6 〜15のものが好ましく、炭素数6〜9のものがさらに好ましい。アミノシランとしては、具体的には、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3―アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。また、同様の観点から、アミノアルカンチオールは、炭素数6 〜16のものが好ましく、炭素数10〜16のものがさらに好ましい。アミノアルカンチオールとしては、具体的には、11−アミノ−1−ウンデカンチオール等が挙げられる。
表面改質剤は、アミノ基の級数が特に限定されるものではないが、容易に入手できるという観点から1級であることが好ましい。
ベース基板を表面改質剤で表面処理する方法は公知の方法を用いることができる。代表的な方法としては、例えば、気相反応法、液相反応法等が挙げられるが、均一に表面処理することが可能であり、簡便であるという観点から液相反応法が望ましい。
液相反応法は、清浄なベース基板表面と表面改質剤溶液とを一定時間接触させた後、洗浄、乾燥させる方法である。
ここで、液相反応法において、清浄なベース基板表面を得る方法としては、マイカ基板等の劈開性を持つ材質のベース基板の場合、劈開面をそのまま使用する方法が挙げられる。それ以外のベース基板、例えば、シリコン基板、ガラス基板、石英基板等のアミノシランと反応をするOH基を表面に持つ基板、及び金基板、銀基板、銅基板、白金基板等のアミノアルカンチオールと反応する基を表面に持つ基板の場合、ベース基板表面に、酸、アルカリ、溶剤洗浄に代表されるウェット洗浄、UVオゾン照射、プラズマ照射に代表されるドライ洗浄、或いは、それらの組み合わせによる洗浄を施す方法が挙げられる。
ベース基板表面と表面改質剤溶液とを接触させる方法としては、例えば、表面改質剤がアミノシランの場合、水、メタノール、エタノール、無水トルエン等を溶媒として濃度1質量%程度に調製したアミノシラン溶液中に、常温、常圧下で5〜60分程度、ベース基板を浸漬静置する方法が挙げられる。また、表面改質剤がアミノアルカンチオールの場合、純度100%のエタノールにアミノアルカンチオールを溶解させて、塩化アンモニウムやトリエチルアミンを加えてpHを12前後に調製した濃度1〜10mMのアミノアルカンチオール溶液中に、常温、常圧下で24時間以上、ベース基板を浸漬静置する方法が挙げられる。
基板の洗浄方法は、特に限定されるものではなく、未反応の表面改質剤が効率よく除去できればよい。基板の洗浄方法としては、例えば、ベース基板表面と表面改質剤溶液とを接触させた後、基板表面に、表面改質剤溶液の溶媒、或いは、水(不純物を基板に付着させない観点から超純水が好ましい)を30秒以上流す方法が挙げられる。
基板の乾燥方法は、特に限定されるものではなく、溶媒が十分に除去できればよい。基板の乾燥方法としては、例えば、常温、常圧下で1〜24時間、好ましくは3〜10時間静置する方法が挙げられる。
<ナノ粒子>
測定対象であるナノ粒子は、高い測定精度を得ることができるという観点から、その平均粒径が10nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがさらに好ましい。また、高い測定精度を得ることができると共に測定時間を短くすることができるという観点から、平均粒径が200nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがさらに好ましい。これらの観点を総合すると、ナノ粒子の平均粒径は10〜200nmであることが好ましく、20〜100nmであることがさらに好ましい。ナノ粒子の平均粒径は、動的光散乱測定法により測定することができる。また、ナノ粒子は、基板に密に固定することにより測定時間を短くすることができるという観点から、粒径分布が狭いことが好ましい。
ナノ粒子は、基板に強固に固定することにより高い測定精度を得ることができるという観点から、粒子表面がアミノ基と静電相互作用すること、すなわち、マイナス電荷を持つことが好ましい。ナノ粒子は、等電点が低いことが好ましく、10以下であることが好ましく、7以下であることがより好ましく、3以下であることがさらに好ましい。かかるナノ粒子としては、具体的には、例えば、シリカ、 ジルコニア、 チタニア、 酸化鉄、 酸化銅等が挙げられる。これらのうちシリカナノ粒子が基板に強固に固定する。
ナノ粒子は、その形状が特に制限されるものではないが、基板に密に固定することにより高い測定精度を得ることができると共に測定時間を短くすることができるという観点から球形であることが好ましい。
<基板へのナノ粒子の固定>
基板へのナノ粒子の固定は、表面にアミノ基を有する基板にナノ粒子を強固に密着させることを意味し、これにより、工程3の原子間力顕微鏡を用いた表面粗さの測定時にナノ粒子がプローブとの接触により動かないようにすることができる。
固定化方法は、基板上にナノ粒子分散液を滴下した後に洗浄及び乾燥させる方法であってもよいが、基板にナノ粒子を密に且つ均一に固定することにより測定精度を向上させると共に測定時間を短縮化するという観点から、ナノ粒子分散液を基板上に滴下してスピンコートした後に乾燥させる方法が好ましい。
ここで、当該方法において、ナノ粒子分散液としては、例えば、水、メタノール、エタノール、無水トルエン等を分散媒としてナノ粒子が分散した分散液が挙げられる。ナノ粒子分散液は、ナノ粒子の含有量が0.1〜50質量%であることが好ましく、1〜40質量%であることがより好ましく、5〜35質量%であることがさらに好ましい。ナノ粒子分散液は、粘度が、25℃において0.9〜25mPa・sであることが好ましく、1〜5mPa・sであることがより好ましく、1〜3mPa・sであることがさらに好ましい。なお、ナノ粒子分散液には、ナノ粒子の他に例えばナノ粒子を分散させるための分散剤等を含めてもよいが、分散剤等の影響を低減させる観点から、ナノ粒子のみからなる分散液が好ましい。
基板へのナノ粒子分散液の滴下量は、0.5〜1.0cm角の基板に対して100μl程度が適当である。
スピンコートには、一般的に溶液等を固体表面に薄く塗布する際に用いられるスピンコーターを使用することができる。スピンコート条件については、ナノ粒子分散液の粘度にも依存するが、基板に固定されるナノ粒子の高さを揃え且つ数密度を大きくするという観点から、回転数は1000〜3000rpmとすることが好ましく、特に2000rpmとすることが好ましい。また、回転時間は5〜30秒とすることが好ましく、特に20秒とすることが好ましい。
乾燥方法は、特に限定されるものではなく、分散媒が十分に除去できればよい。乾燥方法としては、例えば、常温、常圧下で1〜24時間、好ましくは3〜10時間静置する方法が挙げられる。
(工程2)
工程2では、工程1でナノ粒子を固定した基板を原子間力顕微鏡の試料台に設置する。具体的には、一般に基板表面の形状像を測定するのと同様に、基板を原子間力顕微鏡の試料台上に載せればよい。なお、一般的に試料台は永久磁石で形成されている場合が多いので、その場合には、強磁性体であるスチール板等に測定する基板を固定することが好ましい。基板のスチール板への固定には、十分な固定力を得られればよいので、接着剤、修正液、カーボンテープ等を使用すればよい。
(工程3)
工程3では、工程2で原子間力顕微鏡の試料台に設置した基板上のナノ粒子の表面粗さをプローブを用いて測定する。
原子間力顕微鏡による代表的な測定モードとしては、コンタクトモード、タッピングモード(ダイナミックフォースモード)、ノンコンタクトモード等が挙げられる。本実施形態に係るナノ粒子の表面粗さ測定方法では、プローブがナノ粒子に接触する必要があり、また、プローブ及びナノ粒子のダメージが極力小さいことが好ましいという観点からタッピングモードが適している。
プローブは、ナノ粒子の平均粒径及び表面凹凸の大きさにも依存するが、粒子表面の微細な凹凸を精度よく検出することができるという観点から、先端曲率半径が10nm程度であってもよいが、5nm以下であることが好ましく、2nm以下であることがより好ましく、1nm以下であることがさらに好ましい。
先端曲率半径が1nmのプローブは、Mikromasch社から炭素製のもの及びタングステン製のものが入手できる。先端曲率半径2nmのプローブは、Nanoworld社からシリコン製のものが入手できる。先端曲率半径5nmのプローブは、Veeco社から炭素製のもの、及びエスアイアイ・ナノテクノロジー社からシリコン製のものが入手できる。
バネ定数については、Mikromasch社から0.15、0.60、3.5、5、及び40N/mのものを入手できる。Nanoworld社から42N/mのものを入手できる。Veeco社から5N/mのものを入手できる。エスアイアイ・ナノテクノロジー社から15、及び42N/mのものを入手できる。安定して形状像を測定でき且つプローブ及びナノ粒子の損傷を防止する観点からは、バネ定数は0.6N/mであることが最も好ましい。
表面粗さは、原子間力顕微鏡の形状像から算出できる代表的なパラメータであり、算術平均粗さ(Ra)、二乗平均平方根粗さ(Rms)、 及び最大高さ粗さ(Rz)が挙げられる。
以下、シリカナノ粒子の表面粗さ測定の実施例について説明する。
(シリカナノ粒子分散液)
各々、固形分濃度が30質量%であるシリカナノ粒子を含むシリカナノ粒子分散液1(pH=9.3)、シリカナノ粒子分散液2(pH=9.1)、及びシリカナノ粒子分散液3(pH=10.2)(いずれも日揮触媒化成株式会社製)を準備した。そして、シリカナノ粒子分散液1〜3のそれぞれについて、以下の方法により比表面積及び平均粒径を測定した。その結果を表1に示す。また、シリカナノ粒子分散液1〜3にそれぞれ含まれるシリカナノ粒子1〜3を図1〜3に示す。
シリカナノ粒子1〜3は、同じ平均粒子径を持ち、透過型電子顕微鏡写真による形状像、及び比表面積値の比較から、異なった表面粗さを持つことがわかる。
<比表面積>
200mLビーカーにシリカナノ粒子分散液を5g入れ、それをイオン交換水100mLで希釈した。
次いで、これに0.1mol/Lの塩酸水溶液(和光純薬製の塩酸(試薬特級)より調製)を加えてpHを3.0に調整した。
次いで、これに塩化ナトリウム(日本薬局方)30.0gを加えてスターラーで攪拌することにより溶解させた後、さらにビーカーの150mLの標線までイオン交換水を加えてスターラーで混合攪拌することによりサンプル水溶液を調整した。
続いて、電位差滴定装置(京都電子工業社製 型番:AT-310J)を用いて、サンプル水溶液を、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(和光純薬製の水酸化ナトリウム(試薬特級)より調製)にてpH滴定を行い、pHが4.0から9.0に変化するまでに必要な水酸化ナトリウム水溶液の消費量(A)を読み取った。同様にサンプル水溶液を入れない空試験を行い、pHが4.0から9.0に変化するまでに必要な水酸化ナトリウム水溶液の消費量(B)を読み取った。
そして、下記式に基づいて比表面積を算出した。
比表面積=26.5×(A−B)÷5(g)
ここで、Aはサンプル水溶液の滴定に要した水酸化ナトリウム水溶液の消費量である。Bは空試験の滴定に要した水酸化ナトリウム水溶液の消費量である。26.5は滴定により得られた水酸化ナトリウム水溶液の消費量を窒素吸着法(BET法)で得られる値に換算するときの係数である。
<平均粒径>
シリカナノ粒子分散液にイオン交換水を加えて1質量%に希釈した。
次いで、それをPolystyrene製のセルに入れ、動的光散乱測定装置にて下記測定条件で粒径測定を行い、3回の測定値の平均値を平均粒径とした。
装置名:Zetasizer Nano ZS(Malvern社製)
測定モード:散乱強度分布モード
粒子:シリカ(Refractive index:1.45、Absorption:0.01)
分散媒:水(Viscosity:0.8872cp、Refractiove index:1.330)
解析方法:Cumulant法
表1に示す通り、比表面積は、シリカナノ粒子1が100m/g、シリカナノ粒子2が191m/g、及びシリカナノ粒子3が92m/gであった。平均粒径は、シリカナノ粒子1が33nm、シリカナノ粒子2が38nm、及びシリカナノ粒子3が33nmであった。
(シリカナノ粒子の表面粗さ測定)
(実施例1)
−表面にアミノ基を有する基板の作成−
30mLビーカーに超純水を溶媒に用いた3−アミノプロピルトリエトキシシラン(ACROS ORGANICS社製)の1vol%水溶液10mLを調製した。
次いで、その水溶液中に1cm角の大きさの劈開直後のマイカ基板を25℃、大気圧下で5分間浸漬静置させた。
そして、水溶液からマイカ基板を取り出し、超純水で30秒間流水洗浄した後、25℃、大気圧下で5時間静置して乾燥させ、表面にアミノ基を有する基板として、3−アミノプロピルトリエトキシシランで表面処理されたマイカ基板を作成した。
−基板へのナノ粒子の固定−
シリカナノ粒子分散液1〜3のそれぞれを表面処理されたマイカ基板に滴下し、スピンコーター(エイブル社製 型番:ASS-303L)を用いて、回転数2000rpm及び回転時間20秒のスピンコート条件で基板を回転させた後、25℃、大気圧下で5時間静置して乾燥させることにより、表面処理されたマイカ基板にシリカナノ粒子を固定した。
−表面粗さ測定−
シリカナノ粒子が固定されたマイカ基板を、スチール板(Veeco社製、品番:SD-102)上に、ペン修正液(ぺんてる株式会社製)を接着剤として接着固定した。
その3時間後、マイカ基板を接着固定したスチール板を原子間力顕微鏡(Veeco社製、型番:Multimode、NanoscopeVシステム)の試料台に載せてセットし、プローブを用いてマイカ基板に固定されたシリカナノ粒子の形状像を測定した。測定条件は、表2に示す通り、測定モード:タッピングモード、スキャナ:Eスキャナ、プローブ:Mikromasch社製のHi'res-C、プローブ先端曲率半径:1nm、プローブバネ定数:0.6N/m、走査領域:200nm×200nm、走査速度:1.5Hz、走査角度90°、測定点数:X方向512、Y方向512、Target Amplitude:160mV、Z limit:500nm、並びに測定環境:室温(25℃)及び大気圧下とした。
シリカナノ粒子1〜3のそれぞれについて、水平方向の傾き補正を行った形状像より15nm×15nmの範囲の算術平均粗さ(Ra)を求め、N=80個のシリカナノ粒子の平均値を算出した。なお、シリカナノ粒子1〜3のいずれも80個のシリカナノ粒子の算術平均粗さ(Ra)を得るために形状像が8枚必要であった。
そして、シリカナノ粒子1〜3の算術平均粗さ(Ra)間に有意差が認められるかどうかについて、JIS Z8101−1に基づくスチューデントのT検定で有意水準を1%として評価を行った。T検定評価は、シリカナノ粒子1〜3の3種間のいずれも有意差ありのものをA、シリカナノ粒子1〜3のいずれかの2種間で有意差ありとは言えないものをB、及びシリカナノ粒子1〜3のいずれかの間も有意差ありとは言えないものをCとして行った。
その結果を表3に示す。
表3に示す通り、シリカナノ粒子1は、算術平均粗さ(Ra)の平均値が0.26nm及び標準偏差が0.09nmであった。シリカナノ粒子2は、算術平均粗さ(Ra)の平均値が0.43nm及び標準偏差が0.10nmであった。シリカナノ粒子3は、算術平均粗さ(Ra)の平均値が0.21nm及び標準偏差が0.06nmであった。T検定評価はAであった。
従って、有意水準1%のT検定評価の結果より、シリカナノ粒子1〜3間で算術平均粗さ(Ra)について有意な差が認められた。つまり、シリカナノ粒子の表面形状を数値によって区別することができた。
(実施例2)
シリカナノ粒子固定基板として、3−アミノプロピルトリエトキシシランで表面処理されたマイカ基板にシリカナノ粒子分散液を滴下してスピンコートを行わずに10分間静置し、超純水で30秒間流水洗浄した後、25℃、大気圧下で5時間静置して乾燥させたものを用いたこと、及びシリカナノ粒子の算術平均粗さ(Ra)の平均値をN=50個の平均値として算出したことを除いて、実施例1と同様の操作を行った。なお、シリカナノ粒子1〜3のいずれも50個のシリカナノ粒子の算術平均粗さ(Ra)を得るために形状像が7枚必要であった。従って、80個のシリカナノ粒子の算術平均粗さ(Ra)を得るためには形状像が11枚必要となる。
表3に示す通り、シリカナノ粒子1は、算術平均粗さ(Ra)の平均値が0.40nm及び標準偏差が0.13nmであった。シリカナノ粒子2は、算術平均粗さ(Ra)の平均値が0.50nm及び標準偏差が0.16nmであった。シリカナノ粒子3は、算術平均粗さ(Ra)の平均値が0.38nm及び標準偏差が0.10nmであった。T検定評価はBであった。
従って、有意水準1%のT検定評価の結果より2種のシリカナノ粒子間、具体的には、シリカナノ粒子1とシリカナノ粒子2との間、及びシリカナノ粒子2とシリカナノ粒子3との間では算術平均粗さ(Ra)について有意な差が認められた。
(実施例3)
プローブとして、先端曲率半径が10nm及びバネ定数が42N/mであるVeeco社製のNCHVを用いたことを除いて、実施例1と同様の操作を行った。なお、シリカナノ粒子1〜3のいずれも80個のシリカナノ粒子の算術平均粗さ(Ra)を得るために形状像が8枚必要であった。
表3に示す通り、シリカナノ粒子1は、算術平均粗さ(Ra)の平均値が0.41nm及び標準偏差が0.13nmであった。シリカナノ粒子2は、算術平均粗さ(Ra)の平均値が0.48nm及び標準偏差が0.12nmであった。シリカナノ粒子3は、算術平均粗さ(Ra)の平均値が0.39nm及び標準偏差が0.10nmであった。T検定評価はBであった。
従って、有意水準1%のT検定評価の結果より2種のシリカナノ粒子間、具体的には、シリカナノ粒子1とシリカナノ粒子2との間、及びシリカナノ粒子2とシリカナノ粒子3との間では算術平均粗さ(Ra)について有意な差が認められた。
(比較例1)
基板として、3−アミノプロピルトリエトキシシランで表面処理されていない未処理マイカ基板を用いたことを除いて、実施例1と同様の操作を行った。なお、シリカナノ粒子1〜3のいずれも80個のシリカナノ粒子の算術平均粗さ(Ra)を得るために形状像が8枚必要であった。
表3に示す通り、シリカナノ粒子1は、算術平均粗さ(Ra)の平均値が0.25nm及び標準偏差が0.08nmであった。シリカナノ粒子2は、算術平均粗さ(Ra)の平均値が0.27nm及び標準偏差が0.08nmであった。シリカナノ粒子3は、算術平均粗さ(Ra)の平均値が0.26nm及び標準偏差が0.06nmであった。T検定評価はCであった。
従って、有意水準1%のT検定評価の結果より、シリカナノ粒子1〜3のいずれの間にも算術平均粗さ(Ra)について有意な差が認められなかった。
(比較例2)
シリカナノ粒子固定基板として、3−アミノプロピルトリエトキシシランで表面処理されていない未処理マイカ基板上に接着剤(コニシ株式会社製 商品名:SU)を薄く延ばし、その上にシリカナノ粒子分散液を100μl滴下した後、ブロー(ホーザン株式会社製 型番:Z-263)により余分な液を飛ばし、25℃、大気圧下で24間静置して乾燥させたものを用いたことを除いて、実施例1と同様の操作を行ったが、形状像が不鮮明なため、シリカナノ粒子1〜3のいずれも算術平均粗さ(Ra)を測定することができなかった。
本発明は、原子間力顕微鏡を用いてナノ粒子の表面粗さを測定する方法について有用である。

Claims (5)

  1. 原子間力顕微鏡を用いてナノ粒子の表面粗さを測定する方法であって、
    表面にアミノ基を有する基板上にナノ粒子分散液を塗布して乾燥させることにより該基板上にナノ粒子を固定する工程1と、
    上記工程1でナノ粒子を固定した基板を原子間力顕微鏡の試料台に設置する工程2と、
    上記工程2で原子間力顕微鏡の試料台に設置した基板上に固定されたナノ粒子の表面粗さをプローブを用いて測定する工程3と、
    を含むナノ粒子の表面粗さ測定方法。
  2. 上記工程1において、表面にアミノ基を有する基板として、ベース基板をアミノ基を有する表面改質剤で表面処理したものを用いる請求項1に記載されたナノ粒子の表面粗さ測定方法。
  3. 上記工程1において、基板上へのナノ粒子分散液の塗布をスピンコート法により行う請求項1又は2に記載されたナノ粒子の表面粗さ測定方法。
  4. 上記工程3において、先端曲率半径が5nm以下であるプローブを用いる請求項1乃至3のいずれかに記載されたナノ粒子の表面粗さ測定方法。
  5. 測定対象のナノ粒子が粒子表面にマイナス電荷を有する請求項1乃至4のいずれかに記載されたナノ粒子の表面粗さ測定方法。
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