JP2005291440A - 継手部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラグをソケットに両者のフランジ同士が重なるまで差し込んだ後も、両者のフランジが重なったままでプラグを回して向きを調整することができる継手部材を提供する。
【解決手段】筒体部51をプラグ差込孔41に差し込みつつソケット40とプラグ50とを連結した場合、ソケット40の第1のフランジ42とプラグ50の第2のフランジ52とが重なり合う。フランジ42,52には、それぞれクランプ60のストッパ部63が係合可能な凹部43,53が設けられている。第1のフランジ42と第2のフランジ52とを重ね合わせたままでプラグ50を回転させて向きを調整した後、クランプ60を装着し、相互に連通した第1のフランジ42の凹部43と第2のフランジ52の凹部53とにストッパ部63を係合させて両者の周方向の相互回転を阻止する。
【選択図】図3

Description

本発明は、水等の流体を流通させる管状部材同士を連結するための継手部材に係り、特にソケットのプラグ差込孔に対しプラグの筒体部を差し込み、ソケットのフランジとプラグのフランジとをクランプによって係止するようにした継手部材の改良に関する。
ソケットとプラグとを用いた継手部材の従来例について第5図及び第6図を参照して説明する。
ユニットルームの壁パネル1に設けられた壁貫通継手2Aのカウンター内側の端部は、フランジ16を有したソケット15となっている。金属製の蛇腹状のフレキ管(ホース)7Aの両端には、フランジ17付きのプラグ18がカシメカラー19を介して固着されている。このプラグ18の外周にOリング20が装着されている。
このプラグ18をソケット15に挿入してフランジ16,17を当接させ、クランプ21を外嵌させることによりフレキ管7Aの一端と壁貫通継手2Aとが連結される。
このクランプ21は、1対のアーム22を有した略Ω字形状のものであり、アーム22にはフランジ16,17を受け入れる窓孔23が設けられている。このクランプ21は金属製であり、アーム22,22同士は互いに接近・離反方向に弾性変形可能となっている。
カウンター前板9に取り付けられた壁貫通継手10Aのカウンター内側の端部もフランジ25を有したソケット26となっている。このソケット26にフレキ管7Aの他端側のプラグ18が挿入され、クランプ21が外嵌されることにより壁貫通継手10Aとフレキ管7Aの他端とが連結される。
このようなソケットとプラグとを備えた継手部材においては、ソケットはその軸心回りに回動自在となっている。
このようにソケットが回動(自転)自在であると、ソケットに連結されたフレキ管(ホース)を所定方向に向けておくことができないという不便が生じることがある。
例えば、後述の実施の形態では、プラグのフレキ管接続筒部(プラグ本体部)がく字形に屈曲しており、フレキ管を該筒部先端側の軸心線方向に延在させるようにしているが、プラグが自転自在であると、フレキ管接続筒部先端側の方向は、プラグの自転に伴って変化する。
プラグをソケットに対し自転不能に係合させるために、プラグ側のフランジとソケット側のフランジの一方に凸部を設け、他方に凹部を設け、これら凸部と凹部とを係合させる構造が特開平8−296777号公報に記載されている。
特開平8−296777号公報
上記特開平8−296777号公報の継手部材にあっては、プラグをソケットに差し込んで両者のフランジが重なると、その段階でプラグ側フランジとソケット側フランジとが凹凸係合してプラグが自転不能となる。このため、プラグをソケットに深く差し込んで両者のフランジ同士を重ねた後は、クランプ装着前であってもプラグを回してその向きを調整することができない。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決し、プラグをソケットに両者のフランジ同士が重なるまで差し込んだ後も、両者のフランジが重なったままでプラグを回して向きを調整することができる継手部材を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の継手部材は、プラグ差込孔を有すると共に端部に第1のフランジが設けられたソケットと、該プラグ差込孔に差し込まれる筒体部及び前記第1のフランジに重なる第2のフランジを有したプラグと、重なり合った第1のフランジ及び第2のフランジに係合し、両者の離反を阻止するクランプとを有する継手部材において、該第1及び第2のフランジには、周面から切り欠かれた形状の凹部が設けられ、該第1及び第2のフランジの少なくとも一方には、周方向に間隔をおいて該凹部が複数個設けられており、前記クランプには、第1のフランジの凹部と第2のフランジの凹部とに係合して両者の周方向の相対的回転を阻止するストッパ部が設けられていることを特徴とするものである。
請求項2の継手部材は、請求項1において、該第1のフランジ及び第2のフランジの双方に、周方向に同一間隔をおいて複数の凹部が設けられていることを特徴とするものである。
本発明の継手部材にあっては、ソケット側フランジの凹部とプラグ側フランジの凹部とに対しクランプのストッパ部が係合することにより、プラグとソケットとの相対回転が不能となる。従って、プラグをソケットに対し両者のフランジが重なるまで差し込んだ状態であっても、クランプを装着する前はプラグとソケットとを相対回転させ、向きを調整することができる。このように向き調整を行った後にクランプを装着することにより、所望の向きとした状態にてプラグとソケットを繋ぐことができる。
なお、請求項2の継手部材にあっては、複数箇所にて各フランジの凹部同士が重なり合うようになるので、クランプを装着し易いものとなる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
第1図は実施の形態に係る継手部材の側面図、第2図はこの継手部材のプラグとソケットとの分解斜視図、第3図は第1図のIII−III線に沿う断面図であり、第4図はこの継手部材のクランプの斜視図である。
第1図に示すように、この実施の形態では、継手部材30を介して水栓31にフレキ管32が接続されている。この継手部材30は、プラグ差込孔41(第3図)を有すると共に端部に第1のフランジ42が設けられたソケット40と、該プラグ差込孔41に差し込まれる筒体部51(第2図)及び前記第1のフランジ42に重なる第2のフランジ52を有したプラグ50と、重なり合った第1のフランジ42及び第2のフランジ52に係合し、両者の離反を阻止するクランプ60とを備えている。この実施の形態では、水栓31に該ソケット40が設けられ、フレキ管32の先端にプラグ50が連結されている。
第2図に示すように、ソケット40及びプラグ50は、それぞれ、略円筒形状の本体部40a,50aを有している。該ソケット40の本体部40aは水栓31と一体に設けられ、その軸心線方向一端(基端)側が該水栓31に連なっている。また、プラグ50の本体部50aは、その軸心線方向一端(基端)側がカシメカラー33を介してフレキ管32の先端に連結されている。
なお、この実施の形態では、第1図の通り、水栓31は斜め上下方向に延在しており、ソケット40の本体部40aは、その軸心線方向が水栓31の延在方向に対し直角且つ斜め下向きとなるように該水栓31の側面から延出している。また、プラグ50の本体部50aは、図示の通り、その軸心線方向の途中部分からく字形に屈曲している。
このソケット40の本体部40aの先端面に、該本体部40aと同心状にプラグ差込孔41が設けられている。また、プラグ50の本体部50aの先端面から、該本体部50aの先端側(く字形屈曲部よりも先端面側)と同軸状に、該プラグ差込孔41に差し込まれる筒体部51が突設されている。符号51aは、この筒体部51の外周に装着されたOリング(止水リング)を示している。該筒体部51は、プラグ差込孔41に対し、その軸心線回りに回動(自転)自在に差し込まれる。
第1のフランジ42と第2のフランジ52とは、それぞれ、該本体部40a,50aの先端面と面一状に、該本体部40a,50aの側周面から放射方向へ延出している。従って、筒体部51をプラグ差込孔41に根元まで差し込むと、該本体部40a,50aの先端面同士が突き合わされ、これら第1のフランジ42と第2のフランジ52とが重なり合う。
第1のフランジ42と第2のフランジ52とには、各々の外周面から求心方向へ切り欠いた形状の凹部43,53が設けられている。該凹部43,53同士は、フランジ42,52同士を重なり合わせたときに、相互に連通しうるようになっている。該凹部43,53は、相互に連通した状態において、後述のクランプ60の突起状ストッパ部63が係合可能なものとなっている。この実施の形態では、第1のフランジ42と第2のフランジ52の双方に、各々の周方向に等間隔にて6個ずつ凹部43,53が設けられている。
クランプ60は、第3図及び第4図に示すように、ソケット40及びプラグ50の各本体部40a,50aの側周面に沿うように湾曲した1対のアーム部61,61と、該アーム部61,61同士をつなぐ連結部62等を有する略々Ω字形のものである。各アーム部61には、重なり合った第1のフランジ42と第2のフランジ52とを受け入れて両者の離反を阻止する窓孔61aが設けられている。また、連結部62には、相互に連通した第1のフランジ42の凹部43と第2のフランジ52の凹部53とに係合して該フランジ42,52同士の周方向への相対的回転を阻止するストッパ部63が設けられている。
なお、これらのアーム部61,61と連結部62とは弾性を有する金属板等により一連一体に形成されており、該アーム部61,61同士は、互いに接近・離反方向へ弾性変形可能となっている。
各アーム部61の先端には、重なり合ったフランジ42,52にこのクランプ60を被着するに当って該アーム部61,61同士の弾性的な離反(拡開)を誘導するガイド片61bが設けられている。このガイド片61bは、各アーム部61の先端側を外方(各アーム部61の湾曲中心側へ向う方向(求心方向)と反対方向)へ折曲してなるものである。
連結部62は、第3図及び第4図に示すように、各本体部40a,50aの側周面から離反する方向(放射方向)へ膨出するように凸形に折曲されている。図示の通り、この連結部62の膨出高さは、各本体部40a,50aの側周面からの各フランジ42,52の突出高さよりも大きなものとなっており、クランプ60が該フランジ42,52に被着された状態にあっては、この連結部62の膨出方向先端部が各フランジ42,52の外周面に覆い被さるようになる。この連結部62の該膨出方向先端部の内側面から求心方向に向って、相互に連通した第1のフランジ42の凹部43と第2のフランジ52の凹部53とに喰い込むように突起状のストッパ部63が突設されている。
なお、この実施の形態では、図示の通り、各アーム部61の途中部分にも、放射方向へ向って凸形に折曲された膨出部61cが形成されている。この膨出部61cの膨出高さも、各本体部40a,50aからの各フランジ42,52の突出高さよりも大きなものとなっている。
前記窓孔61aは、第4図に示すように、連結部62の側面から該膨出部61cの該連結部62側の側面にかけて延設されると共に、該膨出部61cのアーム部先端側の側面からガイド片61bの基端部にかけて延設されている。
このように構成された継手部材30を介して水栓31とフレキ管32とを接続するに当っては、まず、プラグ50の筒体部51をソケット40のプラグ差込孔41に差し込みつつ、第1のフランジ42と第2のフランジ52とを重ね合わせる。そして、両フランジ42,52同士を重ね合わせたままプラグ50を回転させ、該プラグ50が所定の向きとなるようにする。この際、第1のフランジ42の凹部43と第2のフランジ52の凹部53とが相互に連通するように両者の位相を一致させる。
なお、この実施の形態では、第1図の通り、プラグ50は、フレキ管32が略鉛直下方に延在するように、即ち、該プラグ50の本体部50aの基端側(く字形屈曲部よりもフレキ管32側)の軸心線方向が略鉛直下方に向う方向となるように向きを調整する。
その後、重なり合った第1のフランジ42と第2のフランジ52とにクランプ60を被着する。この際、重なり合った第1のフランジ42と第2のフランジ52とが各アーム部61の窓孔61a内に係合し、両者の離反が阻止されるようになると共に、相互に連通した第1のフランジ42の凹部43と第2のフランジ52の凹部53とにストッパ部63が係合し、両者の周方向への相対的回転が阻止されるようになる。これにより、ソケット40とプラグ50とが分離不能に且つ相対的回転不能に連結される。
この継手部材30にあっては、上記の通り、第1のフランジ42と第2のフランジ52とが重なるまでプラグ50をソケット40に差し込んだ後も、該フランジ42,52同士を重ね合わせたままでプラグ50を回転させて向きを調整することができる。そして、このように向きを調整した後にクランプ60を装着することにより、プラグ50を所望の向きとした状態にて該プラグ50とソケット40とを連結することができる。
この実施の形態では、第1のフランジ42と第2のフランジ52とにそれぞれ6個ずつ、各々の周方向に等間隔にて(互いに同一間隔にて)設けられているので、複数箇所(計6箇所)で凹部43,53同士が重なり合うようになる。このため、クランプ60を装着し易いものとなっている。
なお、上記の実施の形態は本発明の一例を示すものであり、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記の実施の形態では第1のフランジと第2のフランジの双方に6個ずつ等間隔に凹部を設けているが、各フランジに設けられる凹部の個数並びに配置はこれに限定されるものではない。
実施の形態に係る継手部材の側面図である。 図1の継手部材のプラグとソケットとの分解斜視図である。 図1のIII−III線に沿う断面図である。 図1の継手部材のクランプの斜視図である。 従来例に係る継手部材の側面図である。 図5の継手部材の分解斜視図である。
符号の説明
30 継手部材
31 水栓
32 フレキ管
40 ソケット
41 プラグ差込孔
42 第1のフランジ
43 凹部
50 プラグ
51 筒体部
52 第2のフランジ
53 凹部
60 クランプ
61 アーム部
61a 窓孔
62 連結部
63 ストッパ部

Claims (2)

  1. プラグ差込孔を有すると共に端部に第1のフランジが設けられたソケットと、
    該プラグ差込孔に差し込まれる筒体部及び前記第1のフランジに重なる第2のフランジを有したプラグと、
    重なり合った第1のフランジ及び第2のフランジに係合し、両者の離反を阻止するクランプと
    を有する継手部材において、
    該第1及び第2のフランジには、周面から切り欠かれた形状の凹部が設けられ、
    該第1及び第2のフランジの少なくとも一方には、周方向に間隔をおいて該凹部が複数個設けられており、
    前記クランプには、第1のフランジの凹部と第2のフランジの凹部とに係合して両者の周方向の相対的回転を阻止するストッパ部が設けられていることを特徴とする継手部材。
  2. 請求項1において、該第1のフランジ及び第2のフランジの双方に、周方向に同一間隔をおいて複数の凹部が設けられていることを特徴とする継手部材。
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