JP2008019976A - ハウジング形管継手 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一対の略円弧形状の継手セグメント1,1内に設けられた凹溝11,11に、弾性リング2が両端ボルト挿通孔21a,21bの中心同士を結ぶ線L1に対して傾斜された状態に支持されており、かつ、前記凹溝11の両側で半径方向に向かって延出される係止片13,13の両側壁が同線L1に対して非平行であり、ボルト3及びナット4によって両継手セグメント1,1のフランジ20,20間を近接させたときに、両端ボルト挿通孔21a,21bの中心同士を結ぶ線L1が管軸L2に垂直な仮想面Fに平行をなすように各継手セグメント1,1が反対方向に回転され、締付部13aが周方向溝51の遠位端側壁51Aに当接されるハウジング形管継手Hにより解決される。
【選択図】図2
Description
このようなハウジング形管継手101,101の取り付けを行うときは、一旦ボルト103,103とナット104,104を継手セグメント101,101のフランジ部120,120から取り外し、環状の弾性リング102を接合部に装着したのち、次いで係止片113,113が周方向溝内に収まるように目視にて確認しつつ、継手セグメント101,101を弾性リング102に外嵌し、再度ボルト103,103を対向するフランジ部120,120のそれぞれのボルト挿通孔121,121に挿通させナット104,104を螺合させる。
また、従来ハウジング形管継手100Hではでは、各継手セグメント101,101に設けた係止片113,113をその先端部が管に設けた周方向溝151,151の底部に圧接されなければならなかったが、係止片の高さ(深さ)など押圧部の寸法を正しく設定したとしても、使用する管150,150の公称直径が同じであっても管の直径に誤差があることが多々あり、このため管の周方向溝の深さの差により係止片113,113による管の圧接力に差が生じて、係止片113,113による管150,150の固定が弱くなり2つの管の端部を確実に連結することできないことがあった。
そこで、本発明の主たる課題は、ハウジングを一度分解することなく簡易に管端間の適当位置に設置することを可能にして管同士の連結作業を極めて簡易な操作なものとするとともに、連結すべき管の周方向溝の深さに誤差があっても、両管を確実に連結固定することが可能な、ハウジング形管継手を提供することにある。
<請求項1記載の発明>
管端部に周方向溝を有する管同士を連結するハウジング形管継手であって、
前記ハウジング形管継手は、一対の継手セグメントと、管端間をシールする環状の弾性リングと、前記継手セグメント同士を実質的に結合するボルト及びナットとを備え、
前記継手セグメントは、両管端部が収容される略円弧形状の円弧部と、この円弧部端から外方に延出するフランジと、円弧部の内周面に一方円弧端から他方円弧端まで延在するように形成された凹溝と、凹溝の一方側の側壁の一方円弧部端から周方向に90度未満の範囲及び他方側の側壁の他方円弧端から周方向に90度未満の範囲のそれぞれに形成された突起部と、前記凹溝の両側に円弧部の半径方向に向かって起立された係止片と有し、
前記フランジは前記ボルトが挿通されるボルト挿通孔を有し、
前記弾性リングは内周側に延出された環状片を有し、かつ、前記突起部間に支持されてその環状片が両端ボルト挿通孔の中心同士を結んだ基準線に対して非平行をなすようにして前記凹溝内に収容されており、
凹溝両則の係止片のうちの一方の係止片は、外側壁面の一方円弧部端から周方向に90度未満の範囲に周方向溝の遠位端側壁に当接される外側押圧部を有し、他方の係止片は、外側壁面の他方円弧部端から周方向に90度未満の範囲に周方向溝の近位端側壁に当接される外側押圧部を有し、
前記ボルトに対するナットの締め付けによって、各継手セグメントがそれぞれの基準線が管軸に垂直な面に対して所定角をなすまで又は平行となるまでそれぞれ反対方向に回転され、かつ、各基準線が前記面に対してそれぞれ所定角をなしたとき又は平行となったときに、前記締付部が周方向溝の遠位端側壁に当接されるともに、両係止片の内側壁面と周方向溝の近位端側壁との間に間隙を有するように構成されている、ことを特徴とするハウジング形管継手。
本発明のハウジング形管継手は、ハウジング内に保持される弾性リングが環状片を有する。この環状変は弾性リングの内周側に延出されているため、環状片の両サイド(弾性リングの両端縁側)から管端面を当接させることができ、目視の確認がなくともハウジング管継手を所望の位置に弾性リングを確実に位置せしめることができる。
また、かかる弾性リングが継手セグメントの凹溝内に支持された状態であるから、環状片の両サイド(弾性リングの両端縁側)に管端面を当接させると、継手セグメントが管端部間に位置せしめられるので、極めて簡易に締め付け準備を完了することができる。
一方、本発明のハウジング形管継手は、凹溝両則の係止片のうちの一方の係止片は、外側壁面の一方円弧部端から周方向に90度未満の範囲に周方向溝の遠位端側壁に当接される外側押圧部を有し、他方の係止片は、外側壁面の他方円弧部端から周方向に90度未満の範囲に周方向溝の近位端側壁に当接される外側押圧部を有する。
そして、これら押圧部は、ボルトに対するナットの締め付けによって、各継手セグメントがそれぞれの基準線が管軸に垂直な面に対して所定角をなすまで又は平行となるまでそれぞれ反対方向に回転されて各基準線がそれぞれ所定角又は平行となったときに、周方向溝の前記各側壁に当接される。よって本発明のハウジング形管継手では、押圧部が最終的に管の周方向溝の底部ではなく、遠位端側壁に当接されて管同士の連結固定がなされるため、管径の誤差や周方向溝の深さの誤差の有無にかかわらず管同士が確実に連結固定される。
他方、本発明のハウジング形管継手は、締付部が遠位端側壁に当接されたときに、係止片の内側壁面と周方向溝の近位端側壁との間に間隙があるため、管同士が接近しようとする移動を規制しつつ、管が離間しようとする若干の移動が許容された状態で両管端がシールされつつ連結される。また、一旦、管同士が離間されたならば、その後は管同士が近づく移動も可能である。さらには管の遠位端側のある程度の移動が許容された状態に管同士を連結される。従って、本発明の管継手は、管路の伸縮可撓性を確保しつつ管同士を連結できる。
また、本発明のハウジング形管継手は、凹溝側壁に形成された突起部により、前記弾性リングが前記環状片が傾斜されて保持されているから、環状片の両サイドに管端面を当接させただけで前記所定角又は平行となる前の状態で設置準備が完了できる。
ここで、本発明のハウジング形管継手では、弾性リングを凹溝内で支持している前記突起部は継手セグメントの回転にともなって弾性リング存在方向に移動されることになるが、本発明のハウジングではリングが弾性であるとともに環状片が管端間に位置せしめられていることから、突起部は弾性リング内に押し込まれるだけで弾性リングの存在が突起部移動の障害とはならず継手セグメントの回転が規制されることはないし、継手セグメントの回転による弾性リングのねじれるも生じない。
なお、係止片の両壁面、少なくとも外側壁面が前記基準線に対して非平行であると、より少ない継手セグメントの回転角度で、各押圧部を周方向溝の側壁に当接させることができ、いっそう迅速な結合を可能ならしめる。
また、弾性リングが、環状片と両端開口縁との間に溝部を有し、当該溝部へ流通される流体の圧によって前記溝幅が拡張されるリップシール機構を有するものとすれば、弾性リングが管に対して常に加圧をもって接触されていなくとも、必要時に環状片と両端開口縁との間に溝部の幅が拡張されてシール機能が発揮されるため、弾性リングの経時的な劣化が小さく耐久性の高いハウジング形管継手となる。
各基準線が前記管軸に垂直な面に対してそれぞれ所定角をなしたとき又は平行となったときに、係止片の内側壁面と管軸に垂直な面とが平行となるように構成されている、請求項1記載のハウジング管継手。
各基準線が前記管軸に垂直な面に対してそれぞれ所定角をなしたとき又は平行となったときに、係止片の内側壁面と管軸に垂直な面とが平行となるように構成されているので、遠位端側の上下左右移動が許容された状態に管同士を連結することができ、もって管路の可撓性が向上される。
円弧部端面にL字型に配されたL字型凸堤とこのL字型凸堤に連続して形成されたL字型欠損部とが形成されており、前記ボルト及びナットによる対面フランジ間の接近およびセグメント継手の回転にともなって対面するL字型凸堤とL字型欠損部とが嵌合され、かつ、前記基準線が管軸に垂直な面に対して所定角をなしたとき又は平行となったときに完全に嵌まり合い、互いの移動を規制する印籠結合を形成する、請求項1又は2に記載のハウジング形管継手。
本発明のハウジング形管継手は、前記基準線が管軸に垂直な面に対して所定角をなしたとき又は平行となったときに、L字型に配されたL字型凸堤とこのL字型凸堤に連続して形成されたL字型欠損部とが完全に嵌まり合い、互いの移動を規制する印籠結合を形成するので、継手セグメントが過回転することがなく、ハウジング形管継手が所望の位置で確実にセットできるほか、過回転にともなう弾性リングのねじれ、係止片の破損、管の破損が防止される。
前記ボルトとナットによる両継手セグメントのフランジ間の接近にしたがって、継手セグメントの円弧部分の曲率半径が小さくなるように撓む請求項1〜3の何れか1項に記載のハウジング形管継手。
本発明のハウジング形管継手は、ボルト及びナットによる締め付け前においては、曲率半径が広いため、口広で管端をハウジング内に挿入しやすい。また、ボルト及びナットの締め付けによるフランジ間の近接に従っては曲率半径が小さくなるように撓むので管周の広範に渡ってハウジング形管継手を接するようにすることができる。
次いで、本形態のハウジング形管継手Hの使用方法を説明する。
本形態のハウジング形管継手Hは、その構造からして、凹溝11内に弾性リング2を保持しつつ一対の継手セグメント1,1同士をボルト3,3及びナット4,4で仮結合した状態とすることができる。この仮結合状態は、ボルト3,3及びナット4,4により一対の継手セグメント1,1同士が連結されているものの対面するフランジ20,20間が遠近可能な状態である。
Claims (4)
- 管端部に周方向溝を有する管同士を連結するハウジング形管継手であって、
前記ハウジング形管継手は、一対の継手セグメントと、管端間をシールする環状の弾性リングと、前記継手セグメント同士を実質的に結合するボルト及びナットとを備え、
前記継手セグメントは、両管端部が収容される略円弧形状の円弧部と、この円弧部端から外方に延出するフランジと、円弧部の内周面に一方円弧端から他方円弧端まで延在するように形成された凹溝と、凹溝の一方側の側壁の一方円弧部端から周方向に90度未満の範囲及び他方側の側壁の他方円弧端から周方向に90度未満の範囲のそれぞれに形成された突起部と、前記凹溝の両側に円弧部の半径方向に向かって起立された係止片と有し、
前記フランジは前記ボルトが挿通されるボルト挿通孔を有し、
前記弾性リングは内周側に延出された環状片を有し、かつ、前記突起部間に支持されてその環状片が両端ボルト挿通孔の中心同士を結んだ基準線に対して非平行をなすようにして前記凹溝内に収容されており、
凹溝両則の係止片のうちの一方の係止片は、外側壁面の一方円弧部端から周方向に90度未満の範囲に周方向溝の遠位端側壁に当接される外側押圧部を有し、他方の係止片は、外側壁面の他方円弧部端から周方向に90度未満の範囲に周方向溝の近位端側壁に当接される外側押圧部を有し、
前記ボルトに対するナットの締め付けによって、各継手セグメントがそれぞれの基準線が管軸に垂直な面に対して所定角をなすまで又は平行となるまでそれぞれ反対方向に回転され、かつ、各基準線が前記面に対してそれぞれ所定角をなしたとき又は平行となったときに、前記締付部が周方向溝の遠位端側壁に当接されるともに、両係止片の内側壁面と周方向溝の近位端側壁との間に間隙を有するように構成されている、ことを特徴とするハウジング形管継手。 - 各基準線が前記管軸に垂直な面に対してそれぞれ所定角をなしたとき又は平行となったときに、係止片の内側壁面と管軸に垂直な面とが平行となるように構成されている、請求項1記載のハウジング管継手。
- 円弧部端面にL字型に配されたL字型凸堤とこのL字型凸堤に連続して形成されたL字型欠損部とが形成されており、前記ボルト及びナットによる対面フランジ間の接近およびセグメント継手の回転にともなって対面するL字型凸堤とL字型欠損部とが嵌合され、かつ、前記基準線が管軸に垂直な面に対して所定角をなしたとき又は平行となったときに完全に嵌まり合い、互いの移動を規制する印籠結合を形成する、請求項1又は2に記載のハウジング形管継手。
- 前記ボルトとナットによる両継手セグメントのフランジ間の接近にしたがって、継手セグメントの円弧部分の曲率半径が小さくなるように撓む請求項1〜3の何れか1項に記載のハウジング形管継手。
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