JP2005290598A - 熱転写方法及びプレス機 - Google Patents

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Abstract

【課題】立体的形状からなる被転写物に温度を均一に加えることができ、昇華転写の際に生じるガスが抜けるとともに、鏝に型を備えている場合であっても該型と被転写物の熱伸縮率の相違を吸収することができ、よって3次元の昇華転写を綺麗に品質よくできる熱転写方法及びその熱転写方法に使用されるプレス機を提供すること。
【解決手段】上下一対の鏝11,12間に配設される被転写物Tに昇華転写を行う熱転写方法であって、下鏝11と被転写物Tとの間に第一の多孔質の弾性体21を介在させる工程と、被転写物Tに熱転写シートPを重合する工程と、上鏝12と熱転写シートPとの間に第二の多孔質の弾性体22を介在させて、上下の鏝11,12で被転写物Tを挟持しつつ加熱及び加圧する工程と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、上下一対の鏝間に配設される被転写物に昇華転写を行うプレス方法及びプレス機に関するものである。
従来のプレス機は、基台と,上下一対の下鏝及び上鏝とを備えている。下鏝及び上鏝は、平板状に形成され、内部に加熱用の発熱体を備えており、下鏝は、該基台に水平に取付けられ、該下鏝の上方に間隔を存して上鏝が対向して配設してある。上鏝は、該下鏝に対して傾くことなく水平状態を維持したまま上下動するように、前記基台の上方に上下動可能に取け付られた水平な取付板の下面に加圧力の強弱を調整するばねを介して取り付けられている(特許文献1参照)。
基台の正面にはモータ起動用のスイッチが取付けられており、該スイッチを押すことにより基台内のモータの駆動して上鏝が下降し下鏝に圧接するように動作する。この上下の鏝間に熱転写シートを重合した被転写物を配設し、該上鏝を下降させると、被転写物等に所定の圧力と熱が加えられ、熱転写シート上の絵柄等が被転写物に昇華転写される。そして、上鏝の圧接状態が所定時間経過すると、上鏝を下鏝から離反するようにされていた。
このプレス機による熱プレスは、例えば、被転写物が繊維製品の場合は、温度約200℃、加圧時間約1分の条件で行っている。温度約150℃、加圧時間約20秒の条件で熱プレスするフィルム接着の場合と比して、高温で加圧時間が長い。また、加圧時間は、被転写物の材質による熱伝導性の違いから、被転写物の材質により可変させている。例えば、被転写物がプレスチック製や鉄製の場合は、熱伝導性が繊維製品より悪いから、温度約200℃、加圧時間約3分の条件に設定してあり、繊維製品の場合より加圧時間が長い。
特開2001−207372号公報
しかしながら、上記プレス機では、以下の課題が残されていた。すなわち、被転写物が例えばプラスチック製のトレイ等の場合には、鏝が平板状であるので立体的形状である被転写物の転写面に、鏝を均一にあてることができず、そのままでは昇華転写を行うことができない。
そのため、平板状の上下の鏝の何れか又は両方に、例えばアルミニウム等からなる金属製で、かつ被転写物の凹凸面に対応する形状を備えた3次元の型を取り付けて上下の鏝を構成し、この型を介して被転写物の凹凸面に所定の圧力及び熱を加えて、昇華転写することが考えられる。
しかし、3次元の型を備えたプレス機においても、以下の問題点がある。すなわち、この3次元の型を介して昇華転写した場合には、該型は金属製で、鏝間に配設された被転写物はプラスチック製であるから、被転写物が繊維製品の場合のように固いものを柔らかいものに押す場合と異なり上下から固い物どおしをあてて押すことになるから、被転写物との間に間隙が生じ、この結果被転写物の転写後の絵柄に「ズレ」、「にじみ」が生じたり、絵柄が「ぼける」という不具合が生じ、3次元の昇華転写を綺麗にできないという問題がある。
また、該3次元の型は、被転写物の凹凸面に対応するために型の厚みが異なるから、その型の厚み等の差異による熱伝導の相違が生じ、転写面に対応する型の温度分布が異なり、均一に加熱することができない。
一方、昇華転写では、上述のようにフィルム接着の場合に比して約200℃と高温で加熱するため、表1に示すように、熱転写シートに含有された昇華染料がガスとなって飛散する。なお表1は、昇華染料の色による染料飛び温度を示す表である。
Figure 2005290598
すなわち、昇華染料の色による染料飛び温度は、昇華染料が黄色の場合は約175℃、赤色の場合は約180℃、青色の場合は約185℃、黒色の場合は約190℃である。したがって、昇華転写を行う熱転写の場合には、200℃の高温で加熱するからいずれの色においても昇華染料がガスとなって飛散する。ところが、3次元のプレス機による熱転写では、被転写物の凹凸面に対応する型を介して加熱加圧するから、被転写物と鏝間、若しくは熱転写シートと鏝間から昇華転写の際に生じる昇華染料のガスがうまく抜けず、被転写物の転写面がまばらになってしまう。
また、200℃の高温で加熱すると、被転写物及び型は、表2に示すように、伸張する。なお表2は、アルミニウム製、プラスチック製、鉄製の長さ50cmの平板状板に、熱200℃で加熱し、材質の違いによる熱200℃による伸び量を実測したものである。
Figure 2005290598
すなわち、アルミニウムの200℃による伸び量は約5〜6mmであり、プラスチックの同伸び量は約1〜2mmであり、鉄の同伸び量は約2〜3mmである。すなわち、アルミニウム製の型の200℃による伸び量は約5〜6mmであるのに対し、プラスチック製の被転写物の200℃による伸び量は約1〜2mmである。その差約3〜5mmは、熱200℃の加熱によって型と被転写物との間に間隙となって生じる場合があり、この間隙が生じた場合には、被転写物の転写後の絵柄、画像等に「ズレ」が生じてしまう。つまり、アルミニウム製の型とプラスチック製の被転写物とでは、被転写物と型の材質が異なるから、この場合には、この材質の違いによる熱伸縮性の相違を吸収することができず、綺麗に昇華転写できない。
そこで、本発明は以上のような問題に鑑みなされたものであり、その目的は、立体的形状からなる被転写物に温度を均一に加えることができ、昇華転写の際に生じるガスが抜けるとともに、鏝に型を備えている場合であっても該型と被転写物の熱伸縮率の相違を吸収することができ、よって3次元の昇華転写を綺麗に品質よくできる熱転写方法及びその熱転写方法に使用されるプレス機を提供することである。
本願請求項1記載の発明に係る熱転写方法は、図面に使用する符号を付して説明すると、「上下一対の鏝11,12間に配設される被転写物Tに昇華転写を行う熱転写方法であって、下鏝11と被転写物Tとの間に第一の多孔質の弾性体21を介在させる工程と、被転写物Tに熱転写シートPを重合する工程と、上鏝12と熱転写シートPとの間に第二の多孔質の弾性体22を介在させて、上下の鏝11,12で被転写物Tを挟持しつつ加熱及び加圧する工程と、を含む」ところに特徴を有するものである。
ここで、「多孔質」とは、多数の微細な孔(あな)をもつ物質をいい、数ナノメートル程度の細孔をもつもの、発泡させて得られるフォーム、毛を縮絨させて固めたものなどが挙げられる。「多孔質の弾性体」は、シリコンフォーム、ウレタンフォーム、耐熱フェルトなどが挙げられる。特にシリコンフォームやウレタンフォームなどの多孔性の合成ゴムは、多孔性、弾力性、通気性、耐熱性を有する点で好ましく、シリコンフォームは、更に適度な柔らかさを有し好適である。以下、「多孔質」、「多孔質の弾性体」の定義は、同じである。
すなわち、被転写物Tと鏝11,12との間に多孔質の弾性体21,22を介在させることによって、発熱体の熱を弾性体21,22を介して緩やかに伝達させ、被転写物T及び熱転写シートPを緩やかに所定時間高温加熱でき、緩く(なるく)熱転写できる。同様にして、特に鏝11,12に型31,32を備えている場合には、弾性体21,22によって型31,32と被転写物Tとの熱伸びの差による間隙を埋めて熱を伝え、間隙によるズレを防止して被転写物Tと型31,32の材質の違いによる熱伸縮性の相違を吸収することができ、緩く熱転写できる。また、多孔質の弾性体21,22により、被転写物Tと鏝31,32間、若しくは熱転写シートPと鏝32間からガスがうまく抜けて、被転写物Tの転写面がまばらにならない。ガス溜まりが生じず、熱転写シートPの重合浮きやズレが生じない。
なお、鏝11,12との間に多孔質の弾性体21,22を介して加熱加圧することで、被転写物Tは、弾性体21,22の弾力性によって適度なクッション性を有し比較的軽く押圧され、間隙が生じず弾性体21,22に密着され、均一に圧力がかかり、過熱なく均一に伝達されることは言うまでもない。また、弾性体21,22が適度な柔らかさを有する場合には、加圧の際弾性体21,22がつぶれて被転写物Tの凹凸面に隅々まで密着するので、被転写物Tの形状が立体的であると平面的であるとに関わらず圧力が均一に加わるとともに熱が均一に伝達される。
本願請求項2記載の発明に係るプレス機は、「垂直に上下動する上下一対の鏝11,12に発熱体を設け、該鏝11,12により当該発熱体を介して鏝間に配設される被転写物Tに昇華転写を行うプレス機100において、少なくとも一方の鏝11の被転写物T側の面に多孔質の弾性体21を設けた」ところに特徴を有するものである。
すなわち、少なくとも一方の鏝11の被転写物T側の面に多孔質の弾性体21を設けたことによって、昇華転写する際に、発熱体の熱を弾性体21を介して緩やかに伝達させ、被転写物Tを緩やかに所定時間高温加熱でき、緩く熱転写できる。同様にして、弾性体21により鏝11と被転写物Tとの熱伸びの差による間隙を埋めて熱を伝え、間隙によるズレを防止して被転写物Tと鏝11の材質の違いによる熱伸縮性の相違を吸収でき、熱を均一に伝導することができる。特に鏝11に型31を備えている場合には、弾性体21により型31と被転写物Tとの熱伸びの差による間隙を埋めて熱を伝え、間隙によるズレを防止して被転写物Tと型31の材質の違いによる熱伸縮性の相違を吸収することができる。また、被転写物Tと鏝11との間に熱転写シートを配設して重合した場合には、多孔質の弾性体21により、被転写物Tと少なくとも一方の鏝11間、若しくは熱転写シートと鏝11間からガスがうまく抜けて、被転写物Tの転写面がまばらにならない。ガス溜まりが生じず、熱転写シートPの重合浮きやズレが生じない。
なお、少なくとも一方の鏝11が被転写物Tに対してクッション性良く比較的軽く押圧し、均一圧力で加圧し、被転写物Tに弾性体21が密着し、鏝11との間に間隙が生じず、鏝11の熱が弾性体21を介して伝達されることは言うまでもない。勿論、被転写物Tに凹凸面が存在しても圧力が均一にかかるし、均一に熱が伝達される。
本願請求項3記載の発明に係るプレス機は、請求項2記載のプレス機において、「多孔質の弾性体21は、シリコンフォームである」ところに特徴を有するものである。
すなわち、シリコンフォームは、上述の昇華転写に好適な弾力性、通気性、耐熱性を有するとともに更に適度な柔らかさを有するので、加熱加圧の際、弾性体21がつぶれて被転写物Tの凹凸面に隅々まで密着するので、被転写物Tの形状が立体的であると平面的であるとに関わらず圧力が均一に加わるとともに熱が均一に伝達され更に効果的である。
本願請求項1記載の発明に係る熱転写方法によれば、上記のような構成であるから、被転写物の上下に、多孔質の弾性体を介在させて緩く均一に圧力を加え、熱も伝えて綺麗に熱転写させることができる。特に被転写物に弾力性を持たせて密着でき、立体的形状の被転写物に温度を均一に加えることができ、昇華転写の際に昇華染料のガスが抜けるとともに、鏝に型を備えている場合であっても該型と被転写物の熱伸縮率の相違を吸収することができるので、被転写物の転写後の絵柄に「ズレ」、「にじみ」が生じたり、絵柄が「ぼける」という不具合の発生を防止でき、3次元の昇華転写を綺麗に品質よくできる昇華転写することができるという効果を奏する。
本願請求項2記載の発明に係るプレス機によれば、上記のような構成であるから、熱転写の際に被転写物に弾性体を介して弾力性を持たせて密着でき、熱を弾性体を介して緩やかに伝達させて緩く熱転写でき、立体的形状の被転写物の場合にも温度を均一に加えることができ、昇華転写の際にガスが抜けるとともに、鏝に型を備えている場合であっても該型と被転写物の熱伸縮率の相違を吸収することができ、被転写物に圧力及び熱を均一に加えることができるので、被転写物の転写後の絵柄に「ズレ」、「にじみ」が生じたり、絵柄が「ぼける」という不具合の発生を防止でき、3次元の昇華転写を綺麗に品質よくできる昇華転写することができる。したがって、このプレス機は本願請求項1記載の発明に係る熱転写方法に使用するのに好適である。
本願請求項3記載の発明に係るプレス機によれば、請求項2記載のプレス機の奏する効果に加えて、シリコンフォームが適度な柔軟性を有するので、被転写物の形状が立体的であると平面的であるとを問わず弾力性を持たせて密着させることで被転写物に圧力及び熱を均一に加えることができ、更に熱転写シート上の絵柄を被転写物に品質良く昇華転写することができる。したがって、このプレス機は、請求項1記載の発明に係る熱転写方法に使用するに最も好適である。
以下に本発明を実施するための最良の形態を図面を用いて説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら以下の例に限定されるものではない。本発明に係るプレス機及びこのプレス機を用いた昇華転写について図1又は2を参照して説明する。図1は本発明に係るプレス機の一実施例を示す正面図である。図2は該実施例のプレス機の側面図である。
(実施例1)
プレス機10は、基台1,スイッチ(図示せず),下鏝11,上鏝12を備えている。基台1には下鏝11が水平に取付けられ、下鏝11の上方に間隔を存して上鏝12が対向して設けられている。更に、基台1の上方には連結棒2を上下動可能に支承し、この連結棒2の下端に水平な取付板3が設けられている。取付板3の下面には、加圧力の強弱を調整するばね4を介して上鏝12が取り付けられている。
基台1は、従来の技術であって、基台1の内部には、上鏝12を上下させ被転写物Tを圧接する動力として正逆転可能なモータ(図示せず)が用いらており、図示しない制御装置により制御されている。また、基台1の上方には、シリンダーを覆うシリンダーカバー5が設けられ、モータによりシリンダーが上下に駆動され、シリンダーの駆動により連結部2が上下動して、上鏝12が上下動する。基台1の正面にはモータ起動用のスイッチが取付けられており、該スイッチを押すことにより上鏝12を下降させて下鏝11に圧接させる。上鏝12の圧接状態が所定時間(3分〜5分)経過すると、制御装置により上鏝12を下鏝11から離反するようにされる。
下鏝11及び上鏝12は、平板状に形成してあり、下鏝11及び上鏝12の内部にはそれぞれ発熱体が設けてある。発熱体の温度は、鏝11,12の表面温度が180℃〜200℃となるように設定してある。更に、下鏝11及び上鏝12は、被転写物Tであるトレイの立体的形状に対応する3次元の型(カセット型)31,32を取り付けて構成してある。下型31及び上型32は、アルミニウム等からなる金属製である。
次に、プレス機100を用いて昇華転写を行う熱転写方法について説明する。昇華転写は、熱転写シートPに印刷された昇華染料インクがプレス機100により加熱加圧されることにより、熱転写シートPから気化(昇華)して被転写物Tに飛散し、昇華インクが被転写物Tに侵入することで染みこまれた状態となる熱転写方法である。本例の熱転写方法では、熱転写する際に、被転写物Tと鏝11,12との間に第一の弾性体21及び第二の弾性体22を介在するようにしたものである。
第一の弾性体21及び第二の弾性体22は、多孔質の弾性体であって、厚さ約5mm〜10mmシリコンフォームからなり、被転写物Tを十分被覆可能な大きさに形成してある。熱転写シートPは、従来の技術であって、転写する絵柄、図形、画像等がパソコン等により昇華染料インクで印刷されている。被転写物Tは、立体的形状のプラスチック製のトレイである。
まず、下型31の上方に多孔質の弾性体21を配置して、下鏝11と被転写物Tとの間に弾性体21を介在させる。次に、被転写物Tの転写面を上方にしてこの転写面に熱転写シートPを重ね合わせる。この重合した被転写物T及び熱転写シートPを、下鏝11に設けた弾性体21上に載置することにより上下の鏝11,12間に配設する。更に、熱転写シートPの上から被転写物Tを第二の多孔質の弾性体22であるシリコンフォームで被せて配設し、上鏝12と熱転写シートPとの間に弾性体22を介在させる。
この後、プレス機100のスイッチを押して上鏝12を下降させると、被転写物T及び熱転写シートPに所定の圧力と所定の熱が加えられ、熱転写シートP上の絵柄等が被転写物Tに昇華転写される。そして、上鏝12の圧接状態が所定時間経過すると、上鏝12を下鏝11から離反し、昇華転写が終了する。
本実施例の熱転写方法によれば、被転写物Tと上下の鏝11,12との間に多孔質の弾性体21,22を介在させることによって、昇華転写する際に、発熱体の熱を弾性体21,22を介して緩やかに伝達させ、被転写物T及び熱転写シートPを緩やかに所定時間高温加熱でき、緩く熱転写できる。また、弾性体21,22によって型31,32と被転写物Tとの熱伸びの差による間隙を埋めて熱を伝え、間隙による転写後の絵柄等のズレを防止して、被転写物Tと型31,32の材質の違いによる熱伸縮性の相違を吸収することができる。また、多孔質の弾性体21,22により、被転写物Tと下鏝11間、若しくは熱転写シートPと上鏝12間から昇華染料のガスがうまく抜けて、被転写物Tの転写面がまばらにならない。ガス溜まりが生じず、熱転写シートPの重合浮きやズレが生じない。
このように、弾性体21,22を被転写物Tの上下に設けたことにより、弾性体21,22でアルミニウムとプラスチックの伸びの違いを吸収して、緩く熱転写できるとともに、昇華染料のガスが抜けて転写面がまばらにならないから、3次元の昇華転写を綺麗に品質よくできる。
また、鏝11,12との間に多孔質の弾性体21,22を介して加熱加圧することで、被転写物Tは、弾性体21,22の弾力性によって適度なクッション性を有し比較的軽く押圧され、熱転写シートPとの間は勿論のこと型31,32との間に間隙が生じず弾性体21,22に密着され、均一に圧力がかかり、過熱なく均一に伝達されることは言うまでもない。また、弾性体21,22がシリコンフォームであるから、適度な柔らかさを有し、加圧の際に弾性体21,22がつぶれて被転写物Tの凹凸面に隅々まで密着するので、被転写物Tの形状が立体的であると平面的であるとに関わらず圧力が均一に加わるとともに熱が均一に伝達される。
(実施例2)
次に、他の実施例について図示せずに説明する。なお、実施例1のプレス機と同一部分については実施例1と同様の符号を付して説明する。
実施例2のプレス機100は、上下の鏝11,12の被転写物側の面である下型31の上面及び、上型32の下面に、それぞれ弾性体21,22を取り付けたものである。取付手段は従来の技術による。
これによれば、上下の鏝11,12に弾性体21,22を設けたので、上下の鏝11,12と被転写物Tとの間に弾性体21,22を介在させて、緩く熱転写することができ、実施例1と同様に品質よく被転写物Tに転写できる。
すなわち、下鏝11の被転写物T側の面、具体的には下鏝11に設けた型31の上方面に多孔質の弾性体21を設けたことにより、下鏝11と被転写物Tとの間に弾性体21を介在させることができ、昇華転写する際に、被転写物Tを緩やかに所定時間高温加熱でき、緩く熱転写できる。しかも、被転写物Tと型31の材質の違いによる熱伸縮性の相違を吸収することができる。また、上鏝12に弾性体22を設けたことにより、同様に緩く熱転写できる。更に、多孔質の弾性体22により、被転写物Tと上鏝12間からガスがうまく抜ける。
更に、多孔質の弾性体21,22がシリコンフォームであることにより、鏝11,12が被転写物Tに対してクッション性良く比較的軽く押圧し、均一圧力で加圧し、被転写物Tに弾性体21,22が密着し、被転写物Tとの間に間隙が生じず、鏝11,12の熱が弾性体21,22を介して伝達される。また、加圧の際に、シリコンフォームが有する適度な柔らかさにより、シリコンフォームがつぶれて被転写物Tの凹凸面に隅々まで密着するので、被転写物Tの形状が立体的であると平面的であるとに関わらず圧力が均一に加わるとともに熱が均一に伝達される。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の趣旨を越えない限り何ら上記の例に限定されるものではない。例えば、本実施例では、被転写物Tが立体的形状の場合を、被転写物Tがトレイの場合を挙げて説明したが、勿論、被転写物Tは、これに何ら限定されるものではなく、例えば立体的形状でなくてもよく平板状であっても昇華転写を綺麗に品質よくできる。
また、被転写物Tの材質がプラスチック製の場合を挙げて説明したが、被転写物の材質は上記実施例の場合に限定されるものではなく、例えば被転写物の材質が鉄製であってもよいし、フッ素樹脂の一つであるポリテトラフルオロエチレンであってもよいし、ガラス繊維を入れたフッ素樹脂であってもよい。被転写物Tが鉄製の場合には、更に、鉄板を成型して塗装してから昇華転写することができる。つまり、鏝の表面温度180℃〜200℃で加熱しても、鏝11,12と被転写物Tとの間にシリコンフォームが介在することにより、シリコンフォームの耐熱性で120℃〜180℃の均一温度で緩く均一に加熱し、かつ均一に圧力をかけつつ、気泡から昇華剤を揮発させながら昇華転写させることができるので、鉄板の上に有する塗装層の上に昇華層を形成することができ、品質良く熱転写することができる。色が薄くしか転写されないという従来の問題を解消できる。
更に、被転写物Tが繊維製品等の場合には、被転写物は高温、高圧で所定時間プレスされるために、生地が硬くなり風合いが損なわれる(所謂「当たり」といわれる。)不具合が発生するが、緩く熱転写することにより更にこの「当たり」を防止することができる。
上記実施例2では、上下の鏝の被転写物側の面に多孔質の弾性体を設けたが、これに何ら限定されるものではなく、例えば上鏝の被転写物側の面に多孔質の弾性体を設けてもよいし、下の鏝に多孔質の弾性体を設けてもよい。
また、多孔質の弾性体は、上記実施例ではシリコンフォームであるが上記実施例に何ら限定されるものではなく、例えば耐熱フェルトでもガスが抜けるから好ましい。ウレタンフォーム等のその他の多孔質の弾性体であってもよい。
また、本実施例では、上下一対の鏝に型を設けているが、何らこの実施例に限定されるものではなく、上下何れかに型を設けてもよいし、型無しであってもよい。
本発明に係るプレス機の一実施例を示す正面図である。 上記実施例のプレス機の側面図である。
符号の説明
1 基台
2 連結棒
3 取付板
4 ばね
11 下鏝
12 上鏝
21 第一の弾性体(第一の多孔質の弾性体)
22 第二の弾性体(第二の多孔質の弾性体)
31 下型
32 上型
100 プレス機

Claims (3)

  1. 上下一対の鏝間に配設される被転写物に昇華転写を行う熱転写方法であって、
    下鏝と被転写物との間に第一の多孔質の弾性体を介在させる工程と、
    被転写物に熱転写シートを重合する工程と、
    上鏝と熱転写シートとの間に第二の多孔質の弾性体を介在させて、上下の鏝で被転写物を挟持しつつ加熱及び加圧する工程と、
    を含むことを特徴とする熱転写方法。
  2. 垂直に上下動する上下一対の鏝に発熱体を設け、該鏝により当該発熱体を介して鏝間に配設される被転写物に昇華転写を行うプレス機において、
    少なくとも一方の鏝の被転写物側の面に多孔質の弾性体を設けたことを特徴とするプレス機。
  3. 多孔質の弾性体は、シリコンフォームであることを特徴とする請求項2記載のプレス機。
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