JP2019173210A - 刺繍用昇華転写方法及びその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 昇華転写による加圧時に刺繍柄に潰れ等が発生するのを抑え、刺繍柄の品質を高めることができるようにする。
【解決手段】 挟持板13と転写紙4との間にクッション材6を介在させ、プレス機7を用いて転写紙4の転写模様5を刺繍布1に対し刺繍柄2の表側に押付けるときに、柔らかい素材からなるクッション材6を介して転写紙4を加圧するようにする。このため、プレス機7による昇華転写時に、上側の挟持板13からの加圧力が転写紙4に直接及ぶのをクッション材6により緩衝(緩和)することができる。これにより、プレス機7による加圧、加熱に伴って刺繍柄2が潰れるのを抑えることができる。
【選択図】 図6

Description

本発明は、例えば刺繍用の布等に縫付けられた刺繍柄に色付け、染色を行うのに好適に用いられる刺繍用昇華転写方法及びその装置に関する。
一般に、刺繍柄は、複数色の刺繍糸を刺繍データに従って刺繍布に縫付けることによって実現される。しかし、このような刺繍作業では複数色の糸を取換える色替え作業が必要となり、作業性や生産性を必ずしも十分には高めることができない。そこで、単一色(白色)の刺繍糸で刺繍作業を行った後に、刺繍柄の表面側に昇華転写技術を用いて複数色の染色を行って、例えば複雑な模様やグラデーション等を表現した刺繍でも簡単に形成することができるようにした刺繍用の昇華転写技術が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
昇華転写の技術は、一般的に生地(刺繍無し)に対して絵柄を染色する手法として知られているが、生地に縫付けられた刺繍柄にも色付けのために昇華転写を適用したものである。この場合、例えばポリエステルの白糸(1色の上糸)を用いて生地への無地刺繍を行った後に、昇華転写により無地刺繍に絵柄を染色する。このため、例えば複雑な模様やグラデーション等を表現した刺繍でも、刺繍作業の段階で色替えを行う必要がなくなり、作業性や生産性を高めることが可能となる。
特開2005−248376号公報 実用新案登録第3189719号公報
ところで、上述した従来技術にあっては、生地に縫付けた無地の刺繍柄に対して昇華転写による染色を行うときに、プレス機による加圧、加熱に伴って刺繍柄(即ち、上糸の縫い目)が潰れることがあり、刺繍本来のふんわり感、立体感が損なわれるという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、昇華転写による加圧時に刺繍柄に潰れ等が発生するのを抑えることができ、刺繍柄の品質を高め、作業性、生産性を向上できるようにした刺繍用昇華転写方法及びその装置を提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明は、生地に縫付けられた刺繍柄に対し、転写紙に印刷された複数色の模様を昇華転写して染色を行う刺繍用昇華転写方法において、前記転写紙の模様を前記生地に対し前記刺繍柄の表側に押付けるときに、柔らかい素材からなるクッション材を介して前記転写紙を加圧することを特徴としている。
また、本発明は、生地に縫付けられた刺繍柄に対し、転写紙に印刷された複数色の模様を昇華転写して染色を行う刺繍用昇華転写装置において、前記転写紙の模様が前記生地のうち前記刺繍柄の表側に押付けられるように、前記刺繍柄の生地を表側と裏側の両方から挟む2つの挟持板と、前記刺繍柄の潰れを防ぐように柔らかい素材により形成され、前記2つの挟持板のうち表側の挟持板と前記転写紙との間に介在されるクッション材と、前記2つの挟持板を互いに近付ける方向に押圧するプレス機と、を含んで構成されることを特徴としている。
本発明によれば、昇華転写による加圧時にクッション材を用いることにより刺繍柄に潰れ等が発生するのを抑えることができ、刺繍柄の品質を高めつつ、作業性、生産性を向上することができる。
本発明の第1の実施の形態による昇華転写を行った状態での刺繍柄を刺繍布と一緒に示す拡大断面図である。 昇華転写を行う前の刺繍柄を刺繍布と一緒に示す平面図である。 昇華転写を行う前の刺繍柄を刺繍布と一緒に図2中の矢示III−III方向から拡大してみた断面図である。 昇華転写を行う前の絵柄が印刷された転写紙を示す平面図である。 クッション材を示す平面図である。 プレス機を用いて転写紙の絵柄模様を刺繍柄の表側に押付ける状態を示す刺繍用昇華転写装置の部分断面図である。 本発明の第2の実施の形態による刺繍用昇華転写装置を示す部分断面図である。
以下、本発明の実施の形態による刺繍用昇華転写方法及びその装置を、添付図面に従って詳細に説明する。
ここで、図1ないし図6は本発明の第1の実施の形態を示している。図1において、刺繍布1は刺繍対象の生地である。刺繍柄2は、上糸3を刺繍布1に縫付けることにより、図2に示す「T」字マークとして形成されている。この場合、刺繍柄2は、上糸3を下糸(図示せず)と絡ませるように刺繍布1に縫付けることにより実現される。なお、図2に示す「T」字マークの刺繍柄2は、あくまでも一つの具体例として挙げたものであり、刺繍柄2は任意形状の絵柄、模様であってもよいことは勿論である。
図2に示すように、「T」字模様の刺繍柄2は、横長部2Aと縦長部2Bとの組合わせ模様からなる無地刺繍である。横長部2Aは、上糸3の縫い目がY軸方向に延びるステッチとして形成されている。縦長部2Bは、上糸3の縫い目がX軸方向に延びるステッチとして形成されている。なお、刺繍柄2のステッチについては、例えばサテンステッチ等のように、任意のステッチを選択して縫い目を形成することができる。
上糸3は、例えばポリエステルの白糸(1色の糸)を用いて形成されている。刺繍柄2(ポリエステル製の上糸3)の表側には、後述の如く、転写模様5による絵柄の染色が行われる。このため、図1中の刺繍柄2には、その表面側に転写模様5による染色絵柄15が転写されている。
図4に示すように、転写紙4は、昇華印刷用紙等の薄いシート状紙材を用いて形成されている。この転写紙4の表面には、染料としての昇華性染料を含有する昇華インクにより、例えば「T」字状の転写模様5が予め印刷されている。転写模様5は、刺繍柄2の形状に対応して横長部5Aと縦長部5Bとの組合わせ模様である「T」字模様となっている。なお、転写模様5についても、図4に示す「T」字状の模様に限らず、例えば刺繍柄2の形状に対応して任意形状の絵柄、模様に変更できることは勿論である。
例えば「T」字状の転写模様5の場合、一つの例として、横長部5Aは、青色の昇華インクにより染色され、縦長部5Bは、例えば黄色の昇華インクにより染色されている。なお、横長部5Aは青色に限らず、例えば赤色、緑色等の昇華インクで染色されていてもよく、複数色の昇華インクにより色分けした状態で染色されていてもよい。縦長部5Bについても、黄色に限らず、例えば赤色、緑色または青色等の昇華インクで染色されていてもよく、複数色の昇華インクにより色分けした状態で染色されていてもよい。転写紙4の裏面(即ち、転写模様5が印刷されていない方の面)には、後述の昇華転写時に転写模様5の一部(昇華インク)が滲み出さないように浸透防止用の保護膜(図示せず)等を予め形成しておくのがよい。
図5に示すように、クッション材6は、例えば耐熱性を有したスポンジ、フェルト生地等のように、前記上糸3よりも柔らかい素材によりシート状に形成されている。クッション材6は、転写紙4の裏面側を外側(例えば、上側)から完全に覆うように転写紙4と同等、または、これよりも大きい平面シートとして形成されている。
クッション材6は、後述の昇華転写時に転写紙4と挟持板13との間に介在(介挿)され、プレス機7による加圧力が転写紙4に直接及ぶのを緩衝(緩和)する部材である。このため、クッション材6は、図6に示すように、刺繍布1よりも大なる厚さに形成されている。クッション材6の内部には、中空な空気層が多く形成されており、この空気層は、高い断熱性能を有している。
図6に示すように、プレス機7は、例えば刺繍柄2が縫付けられた刺繍布1を下側から支持するための台座8と、該台座8の後端側から上向きに立設された支柱9と、該支柱9に設けられ上,下方向に昇降される可動体10と、該可動体10を上,下方向に昇降するため前記支柱9に吊架状態で設けられたアクチュエータ11とを含んで構成されている。プレス機7の可動体10は、台座8と上,下方向で対向する位置に配置されている。アクチュエータ11は、油圧シリンダまたは電動式のリニアアクチュエータにより構成され、可動体10を台座8に向けて接近または離間させるように、図6中に示す矢印の方向(上,下方向)に駆動される。
プレス機7の台座8には、下側の挟持板12が設けられている。この挟持板12には、外部からの通電により発熱するヒータ12Aが設けられている。このヒータ12Aは、挟持板12を昇華転写に必要な温度(例えば、180〜200℃程度)まで加熱する。台座8は、例えばセラミックス等の熱伝導を抑える材料により形成され、挟持板12(ヒータ12A)からの熱が台座8を介して外部に放熱されるのを抑える機能を有している。
なお、台座8を金属材料で形成する場合は、台座8と挟持板12との間に、熱伝導を抑える断熱性のシート(図示せず)を設ける構成としてもよい。また、台座8と挟持板12とは、一体物であってもよく、この場合は、台座8が挟持板12の一部を構成することになる。
プレス機7の可動体10には、上側の挟持板13が設けられている。この挟持板13は、可動体10と一緒に台座8(下側の挟持板12)に向けて接近または離間するように、図6中に示す矢印の方向(上,下方向)へとプレス機7のアクチュエータ11により駆動される。なお、可動体10と挟持板13とは、一体物であってもよく、この場合は、可動体10が挟持板13の一部を構成することになる。下側の挟持板12と上側の挟持板13とは、転写紙4の転写模様5が刺繍布1のうち刺繍柄2の表側に押付けられるように、刺繍布1を表側と裏側の両方から挟む2つの挟持板を構成している。
このとき、クッション材6は、前記2つの挟持板のうち表側(上側)の挟持板13と転写紙4との間に介在して配置されている。プレス機7の可動体10は、台座8との間で2つの挟持板12,13を互いに近付ける方向に押圧し、この押圧力で転写紙4の転写模様5を刺繍布1の刺繍柄2上に押付ける。このように、プレス機7によるクッション材6を介した転写紙4への加圧は、刺繍布1(生地)のうち刺繍柄2の表側から行われる。このとき、刺繍布1の裏側からは、挟持板12のヒータ12Aにより昇華転写のための加熱が行われる。ヒータ12Aによる加熱は、例えば180〜200℃程度の温度条件で、1〜5分程度の時間にわたって行うのがよい。
転写紙4に予め印刷された転写模様5は、プレス機7による加圧とヒータ12Aによる加熱とにより、前記昇華インクの染料が気化して無地刺繍の上糸3(ポリエステル製の白糸)と化学反応する。これによって、刺繍柄2(ポリエステル製の上糸3)の表側には、転写模様5による絵柄の染色が行われる。図1中の刺繍柄2には、その表面側に転写模様5による染色絵柄15が転写されている。
なお、2つの挟持板12,13は、図6の位置関係とは上,下を反転させて設けてもよい。この場合は、下側の挟持板の上にクッション材6を介して転写紙4を配置し、この転写紙4の上側に刺繍布1を、刺繍柄2が転写紙4の転写模様5と対面するように配置してもよい。このとき、刺繍布1の裏側(上側)からは、上側の挟持板側から昇華転写のための加熱を行う構成としてもよい。
第1の実施の形態による刺繍用昇華転写装置は、上述の如き構成を有するもので、次に、当該装置を用いた刺繍柄2への昇華転写方法について説明する。
図6に示すプレス機7は、アクチュエータ11により可動体10を上方に移動させ、この状態で下側の挟持板12の上に刺繍布1(既に、刺繍柄2が縫付けられている)を配置する。また、刺繍布1の上側には、図4に示す転写紙4を裏返した状態で配置する。即ち、転写紙4の表面に印刷した「T」字状の転写模様5が、刺繍布1上に形成した「T」字状の刺繍柄2と上,下で対面するように、転写紙4を刺繍布1の上側に重ね合わせて配置する。
この状態で、柔らかい素材からなるクッション材6を、転写紙4の裏面(即ち、転写模様5が印刷されていない方の面)側を上側から覆うように配置する。これにより、クッション材6は、昇華転写を開始する前の段階で転写紙4と挟持板13との間に介在(介挿)される。一方、プレス機7の台座8上に設けた下側の挟持板12には、外部からの通電により発熱するヒータ12Aが付設され、このヒータ12Aは、挟持板12を昇華転写に必要な温度(例えば、180〜200℃程度)まで加熱する。
次に、この状態でプレス機7の可動体10をアクチュエータ11により下向きに押動し、下側の挟持板12と上側の挟持板13との間で、転写紙4の模様5が刺繍布1のうち刺繍柄2の表側に押付けられるように、刺繍柄2の生地(刺繍布1)を表側と裏側の両方から挟む。このとき、上側(表側)の挟持板13と転写紙4との間には、刺繍柄2の潰れを防ぐように柔らかい素材により形成されたクッション材6が介在している。
プレス機7によるクッション材6を介した転写紙4への加圧は、刺繍布1(生地)のうち刺繍柄2の表側から行われる。このとき、刺繍布1の裏側からは、挟持板12のヒータ12Aにより昇華転写のための加熱が行われている。ヒータ12Aによる加熱は、例えば180〜200℃程度の温度条件で、1〜5分程度の時間にわたって行うのがよい。
この結果、転写紙4に予め印刷された転写模様5は、プレス機7による加圧とヒータ12Aによる加熱とにより、前記昇華インクの染料が気化して無地刺繍の上糸3(ポリエステル製の白糸)と化学反応する。これによって、刺繍柄2(ポリエステル製の上糸3)の表側には、転写模様5による絵柄の染色が行われ、図1に示すように、刺繍柄2の表面側には、転写模様5による染色絵柄15が転写される。
ところで、挟持板13と転写紙4との間にクッション材6を介在させない場合には、刺繍柄2に対して昇華転写による染色を行うときに、プレス機7による加圧、加熱に伴って刺繍柄2が、図3中に矢印で示す方向に潰れることがあり、刺繍本来のふんわり感、立体感が損なわれる虞れがある。
そこで、第1の実施の形態では、挟持板13と転写紙4との間にクッション材6を介在させ、プレス機7を用いて転写紙4の転写模様5を刺繍布1に対し刺繍柄2の表側に押付けるときに、柔らかい素材からなるクッション材6を介して転写紙4を加圧するようにしている。
このため、プレス機7による昇華転写時に、上側の挟持板13からの加圧力(図6中に矢印で示す)が転写紙4に直接及ぶのをクッション材6により緩衝(緩和)することができる。これにより、プレス機7による加圧、加熱に伴って刺繍柄2(即ち、上糸3の縫い目)が潰れるのを抑えることができ、昇華転写の後にも刺繍本来のふんわり感、立体感を保つことができる。
また、本実施の形態では、転写紙4に予め印刷された転写模様5を、プレス機7による加圧とヒータ12Aによる加熱とにより、無地刺繍の上糸3(ポリエステル製の白糸)の表面側に熱転写する。このため、転写模様5が複雑な絵柄であっても、刺繍布1に縫付けた無地の刺繍柄2の表面側に染色絵柄15を転写して転写模様5を刺繍柄2の上に再現することができる。
しかも、無地の刺繍柄2は白色のポリエステル糸(上糸3)によって形成されている。このため、転写模様5を無地の刺繍柄2に印刷しても、無地の刺繍柄2によって転写模様5が色彩面等から影響を受けることはなく、転写紙4に予め印刷されている転写模様5を無地の刺繍柄2の表面側で忠実に再現することができる。
さらに、第1の実施の形態では、転写紙4の加熱を刺繍布1の裏側から、即ち挟持板12のヒータ12Aにより昇華転写のための加熱が行われている。このため、断熱性を有したクッション材6を転写紙4と挟持板13との間に介在させても、刺繍布1の下側からヒータ12Aによる熱を転写紙4に伝えることができ、このときの熱伝達がクッション材6により遮断されるのを抑え、効率的な熱伝達を行うことができる。
次に、図7は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。然るに、第2の実施の形態の特徴は、刺繍布1の上にカバー紙21を重ねた状態で刺繍柄2を縫付け、昇華転写によるインクの一部が刺繍柄2以外の刺繍布1側に付着するのを防ぐ構成としたことにある。
カバー紙21は、例えばトレーシングペーパ等のグラシン紙や油紙に代表される薄葉紙からなるマスキングシートである。これ以外に、シリコーン、ポリエステルまたはポリプロピレンのように、高分子材料製フィルムからなるマスキングシートによりカバー紙21を構成してもよい。カバー紙21は、例えば転写紙4に印刷された昇華インクの一部が、刺繍柄2からはみ出して刺繍布1の表面側に付着するのを防ぐために用いられている。
カバー紙21が重合わされた状態で刺繍柄2が縫付けられた刺繍布1は、図7に示すように、下側の挟持板12の上側に配置され、刺繍布1の上側には、転写紙4が裏返した状態で配置される。この状態で、柔らかい素材からなるクッション材6を、転写紙4の裏面(即ち、転写模様5が印刷されていない方の面)側を上側から覆うように配置する。
次に、この状態でプレス機7の可動体10をアクチュエータ11により下向きに押動し、下側の挟持板12と上側の挟持板13との間で、転写紙4の模様5が刺繍布1のうち刺繍柄2の表側に押付けられるように、刺繍柄2の生地(刺繍布1)を表側と裏側の両方から挟む。このとき、プレス機7の台座8上に設けた下側の挟持板12は、昇華転写に必要な温度(例えば、180〜200℃程度)までヒータ12Aにより加熱されている。
かくして、このように構成される第2の実施の形態でも、プレス機7によるクッション材6を介した転写紙4への加圧が、刺繍布1(生地)のうち刺繍柄2の表側から行われ、刺繍布1の裏側からは、挟持板12のヒータ12Aにより昇華転写のための加熱が行われる。プレス機7による加圧とヒータ12Aによる加熱とにより、転写紙4に予め印刷された転写模様5を無地刺繍の上糸3(ポリエステル製の白糸)の表面側に熱転写することができ、クッション材6を用いることにより刺繍柄2(即ち、上糸3の縫い目)が潰れるのを抑えることができる。
特に、第2の実施の形態では、刺繍布1の上にカバー紙21を重ねた状態で刺繍柄2を縫付ける構成としているので、昇華転写によるインクの一部が刺繍柄2以外の刺繍布1側に付着するのを、カバー紙21によって防ぐことができ、刺繍布1の表面側に熱転写によるシミ等が残るのを防ぐことができる。しかも、カバー紙21は、プレス機7による昇華転写を行った後に、刺繍布1の表面側から刺繍柄2の縫い目(ミシン目)を利用して容易に取り除くことができる。
さらに、刺繍布1の上に重合わされたカバー紙21は、挟持板12側のヒータ12Aと転写紙4との間に介在している。このため、カバー紙21は、例えばヒータ12Aからの高熱がクッション材6に伝わるのを抑えることができ、クッション材6の熱劣化を防いで、耐久性、寿命を高めることができる。
なお、前記各実施の形態では、台座8を下側に配置し、可動体10を上側に配置する形態のプレス機7を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば可動体を生地(例えば、刺繍柄2が縫付けられた刺繍布1)の下側に配置し、台座を前記生地の上側に配置する構成のプレス機であってもよい。この場合、前記可動体は、例えば下側の挟持板、クッション材および転写紙を介して前記生地を、上側の挟持板、台座との間で挟持するようにアクチュエータにより上向きに駆動される。
また、プレス機の可動体は、必ずしも上,下方向で昇降される構成に限らず、例えば左,右方向または前,後方向から可動体と台座との間で生地を挟むようにし昇華転写を行う構成のプレス機であってもよい。さらに、可動体を台座から斜めに傾転して開,閉できるように、可動体の端部を台座の端部に対してヒンジ結合する型式の昇華転写用プレス機であってもよい。一方、プレス機のアクチュエータは油圧シリンダ、電動式のリニアアクチュエータに限らず、例えば手動操作により可動体を駆動する構成であってもよい。
また、前記各実施の形態では、下側の挟持板12にヒータ12Aを設け、昇華転写のための加熱を刺繍布1の下側から行う場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば昇華転写のための加熱を刺繍布1の下側と上側の両方から行う構成としてもよい。なお、昇華転写のための加熱を上側の挟持板13を介して行う場合には、転写紙4と挟持板13との間に配置されるクッション材6が熱劣化する可能性がある。しかし、クッション材6を早目に交換するようにすれば、昇華転写のための加熱を上側の挟持板13を介して行う構成としてもよいものである。
さらに、前記各実施の形態では、下側の挟持板12にヒータ12Aを設ける場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば挟持板12の外部に加熱用のヒータを設け、ヒータからの熱を挟持板を介して刺繍布、転写紙に伝える構成としてもよい。
1 刺繍布(生地)
2 刺繍柄
3 上糸
4 転写紙
5 転写模様
6 クッション材
7 プレス機
12,13 挟持板
12A ヒータ

Claims (3)

  1. 生地に縫付けられた刺繍柄に対し、転写紙に印刷された複数色の模様を昇華転写して染色を行う刺繍用昇華転写方法において、
    前記転写紙の模様を前記生地に対し前記刺繍柄の表側に押付けるときに、柔らかい素材からなるクッション材を介して前記転写紙を加圧することを特徴とする刺繍用昇華転写方法。
  2. 前記クッション材を介した前記転写紙への加圧は、前記生地のうち前記刺繍柄の表側から行い、前記生地の裏側から前記昇華転写のための加熱を行うようにしてなる請求項1に記載の刺繍用昇華転写方法。
  3. 生地に縫付けられた刺繍柄に対し、転写紙に印刷された複数色の模様を昇華転写して染色を行う刺繍用昇華転写装置において、
    前記転写紙の模様が前記生地のうち前記刺繍柄の表側に押付けられるように、前記刺繍柄の生地を表側と裏側の両方から挟む2つの挟持板と、
    前記刺繍柄の潰れを防ぐように柔らかい素材により形成され、前記2つの挟持板のうち表側の挟持板と前記転写紙との間に介在されるクッション材と、
    前記2つの挟持板を互いに近付ける方向に押圧するプレス機と、を含んで構成されることを特徴とする刺繍用昇華転写装置。
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