JP2017071877A - マーク付き生地材料の製造方法 - Google Patents

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Shigeji Azumaguchi
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Abstract

【課題】昇華性染料によってマークが印刷された転写紙のマークを加熱プレスによって生地材料に転写させた場合に、染料の滲みが抑制されたマーク付き生地材料を製造することができるマーク付き生地材料の製造方法を提供する。
【解決手段】原紙32の一方の面に昇華性染料によってマーク34が印刷されている転写紙30と、マークが転写される生地21を含む生地材料20とを、転写紙のマークが印刷されている面と生地のマークが転写される面とが向き合うように配置し、かつ、転写紙の生地材料と向き合う面とは反対側に耐熱布40を配置した状態で、少なくとも耐熱布側から加熱する加熱プレスを行うことにより、転写紙の昇華性染料を昇華させてマークを生地に転写させる転写工程を有するマーク付き生地材料の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、マーク付き生地材料の製造方法に関する。
スポーツ用ユニホームなどには、背番号や所望の図柄等を印刷したマーク(ワッペン)をユニホーム生地に貼附する手法が多く用いられている。
従来、ユニホーム生地にマークを形成するため、所望の色彩、模様、図柄等をシルクスクリーン印刷法等で印刷を施した織物、編物、不織布等のマーク生地にホットメルト性の接着層を設け、ユニホーム生地の所望の位置に接着層を介して貼り付ける手法が多く用いられている。
一方、昇華性染料によって色彩、模様、図柄等のマーク(転写対象)を印刷した転写紙の開発が進み、マーク業界でも従来のシルクスクリーン印刷法等と並んで転写紙を利用するマーク用生地材料に関する技術が普及している。
例えば、昇華性染料と親和性のある構成成分から成る繊維で作られた白地の布地を用い、軟化点温度を昇華性染料の昇華温度より高温度に設定した合成樹脂から成る介在層を有し、更に、ホットメルト性の熱可塑性合成樹脂から成る転写接着層と、剥離紙とを貼り合わせた構成を備えたマーク用生地材料が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、マイクロファイバーを用いたマーク生地、メルトフローレートが100g/10min以下の熱可塑性樹脂を含む接着層及び剥離シートをこの順で有するマーク用生地材料上に昇華性染料で形成されたパターンを、185〜210℃及び30〜90秒間の昇華条件によって昇華転写するパターン形成工程を含むマーク形成方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−322129号公報 特開2014−1480号公報
昇華性染料によって色彩、模様、図柄等のマークを印刷した転写紙を用いて生地材料にマークを転写する場合、例えば、転写紙の印刷面をマーク用生地材料のマーク生地に接触するように重ね合わせ、加熱プレス機によって両面から加熱加圧することにより昇華性染料が昇華してマーク用生地材料にマークが転写される。このとき、昇華した昇華性染料や溶融した接着層が加熱プレス機に付着することを防ぐため、離型紙、離型フィルム等の離型シートを介して転写紙とマーク用生地材料の加熱プレスが行われる。
しかし、上記のように転写紙と生地材料を重ね合わせ、離型紙で挟み込む形で加熱プレスすると、生地材料のマーク生地に転写された昇華性染料がマーク生地の繊維の方向に大きく滲む場合がある。マーク生地に転写された染料の滲みが大きいとマークの輪郭がぼやけたり、色の境界付近で色が混ざってマークを構成する図柄等がぼやけてしまう場合がある。特に、雨の日など湿度が高い日に作業を行うと、転写されたマーク(染料)の滲みが大きい。
本発明は、昇華性染料によってマークが印刷された転写紙のマークを加熱プレスによって生地材料に転写させた場合に、染料の滲みが抑制されたマーク付き生地材料を製造することができるマーク付き生地材料の製造方法を提供することを目的とする。
<1> 原紙の一方の面に昇華性染料によってマークが印刷されている転写紙と、前記マークが転写される生地を含む生地材料とを、前記転写紙の前記マークが印刷されている面と前記生地の前記マークが転写される面とが向き合うように配置し、かつ、前記転写紙の前記生地材料と向き合う面とは反対側に耐熱布を配置した状態で、少なくとも前記耐熱布側から加熱する加熱プレスを行うことにより、前記転写紙の前記昇華性染料を昇華させて前記マークを前記生地に転写させる転写工程を有するマーク付き生地材料の製造方法。
<2> 前記転写工程において、前記生地材料の前記転写紙と向き合う面とは反対側に離型シートを配置した状態で前記加熱プレスを行う<1>に記載のマーク付き生地材料の製造方法。
<3> 前記耐熱布が、ポリエステル素材を含む織物、編物又は不織布である<1>又は<2>に記載のマーク付き生地材料の製造方法。
<4> 前記耐熱布の厚みが、100μm〜1500μmである<1>〜<3>のいずれか1つに記載のマーク付き生地材料の製造方法。
<5> 前記耐熱布の単位面積当たりの吸水量が、前記生地の単位面積当たりの吸水量よりも高い<1>〜<4>のいずれか1つに記載のマーク付き生地材料の製造方法。
<6> 前記生地材料が、前記生地と、熱可塑性樹脂を含む接着層と、を有するマーク用生地材料である<1>〜<5>のいずれか1つに記載のマーク付き生地材料の製造方法。
<7> 前記転写工程において、前記転写紙の外側で、前記耐熱布と前記生地材料の前記生地とを接触させた状態で前記加熱プレスを行う<1>〜<6>のいずれか1つに記載のマーク付き生地材料の製造方法。
本発明によれば、昇華性染料によってマークが印刷された転写紙のマークを加熱プレスによって生地材料に転写させた場合に、染料の滲みが抑制されたマーク付き生地材料を製造することができるマーク付き生地材料の製造方法が提供される。
本発明に係るマーク付き生地材料の製造方法における転写工程の一例を示す概略図である。 本発明に係るマーク付き生地材料の製造方法の転写工程において、離型紙、マーク用生地材料、転写紙、及び耐熱布の配置の一例を示す概略図である。 本発明に係るマーク付き生地材料の製造方法の転写工程において、加熱プレス機によって加熱プレスした状態を示す概略図である。 本発明に係るマーク付き生地材料の製造方法の転写工程において、離型紙、マーク用生地材料、転写紙、及び耐熱布の配置の他の例を示す概略図である。 本発明に係るマーク付き生地材料の製造方法によって製造されるマーク付き生地材料の一例を示す概略図である。 本発明に係るマーク付き生地材料の製造方法に用いられるマーク用生地材料の一例を示す概略図である。 本発明に係るマーク付き生地材料の製造方法によりTシャツに転写紙のマークを転写させる転写工程の一例を示す概略図である。 図7に示す転写工程における各材料の配置を示す概略図である。 実施例1で製造したマーク付き生地材料のマークの滲みを示す写真である。 比較例1で製造したマーク付き生地材料のマークの滲みを示す写真である。 比較例1で製造したマーク付き生地材料に発生した変形箇所を示す写真である。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について具体的に説明する。なお、以下の説明において符号は適宜省略する場合がある。
また、以下の説明において数値範囲を表す「〜」は下限値及び上限値として記載されている数値を含む範囲を意味し、上限値のみ単位が付されている場合は、下限値も同じ単位であることを意味する。
また、本明細書において「マーク」とは、色彩、模様、図柄、又はそれらの組み合わせによって構成された画像を意味する。
「マーク生地」とは、昇華性染料によって印刷された転写紙のマークを転写させるマーク用の生地を意味する。
「生地材料」とは、少なくとも前記マークが転写される生地を含む材料を意味する。例えば、マーク生地のマークが転写される面とは反対側に直接又は他の層を介して熱可塑性樹脂を含む接着層(ホットメルト層)が設けられているマーク用生地材料や、接着層等を含まず、生地のみで構成されている材料も生地材料に該当する。
「マーク付き生地材料」とは、前記生地材料の生地にマークが付された後の生地材料を意味する。
本発明のマーク付き生地材料の製造方法は、原紙の一方の面に昇華性染料によってマークが印刷されている転写紙と、前記マークが転写される生地を含む生地材料とを、前記転写紙の前記マークが印刷されている面と前記生地の前記マークが転写される面とが向き合うように配置し、かつ、前記転写紙の前記生地材料と向き合う面とは反対側に耐熱布を配置した状態で、少なくとも前記耐熱布側から加熱する加熱プレスを行うことにより、前記転写紙の前記昇華性染料を昇華させて前記マークを前記生地に転写させる転写工程を有する。
本発明のマーク付き生地材料の製造方法によれば、転写紙上の昇華性染料のマークを加熱プレスによって生地材料の生地に転写させたときに、生地の繊維方向に染料が滲むことを抑制することができる。その理由は、以下のように推測される。
転写紙のマークが印刷されている面(以下、「マーク印刷面」という場合がある。)と生地材料の生地とを向き合わせ、2枚の離型シート(離型紙又は離型フィルム)で挟み込んだ状態で加熱プレスした場合、昇華性染料が昇華する前に生地材料に含まれている水分が蒸発する。離型シートは通気性が無いため、水蒸気が外部に抜ける逃げ道が無く、水蒸気は2枚の離型シートの間に閉じ込められる。さらに加熱温度が上昇して昇華性染料の昇華温度に達すると、転写紙から昇華性染料が昇華してマーク印刷面に接触している生地に移動する。生地の表面には生地目(織り目又は編み目)による微小な凹凸があり、転写紙から昇華した染料の一部は水蒸気とともに生地表面の凹部(繊維が延びている方向)に沿って移動し易い。そのため、昇華性染料の一部は、転写紙に印刷されていた位置からずれて生地に付着して滲みとして現れると考えられる。
これに対し、本発明のマーク付き生地材料の製造方法は、前記生地材料の前記転写紙と向き合う面とは反対側に離型シートを、前記転写紙の前記生地材料と向き合う面とは反対側に耐熱布をそれぞれ配置した状態で、少なくとも前記耐熱布側から加熱する加熱プレスを行う。この場合も生地材料に含まれている水分が蒸発するが、水蒸気は転写紙を透過した後、耐熱布に吸収される。そのため、昇華性染料が昇華するまでの間に発生した水蒸気が生地の表面の凹部等に滞留することが抑制される。その結果、転写紙から昇華した染料が水蒸気とともに生地の繊維方向(生地目)に沿って移動することが抑制され、生地に転写されたマーク(染料)の滲みの発生が抑制されると考えられる。
また、生地材料として、例えば、マーク生地と、熱可塑性樹脂を含む接着層と、を有するマーク用生地材料を用いた場合は、前述した滲みのほかに、接着層の一部が変形して筋状の盛り上がりや窪みが生じる場合がある。例えば、水性ポリウレタン等の水溶性材料を用いて接着層を形成した場合、マーク生地だけでなく接着層にも水分が多く含まれ易い。そのため、接着層を有するマーク用生地材料を用いると、加熱プレス時にマーク用生地材料と離型シートとの間で水蒸気が局所的に膨張して接着層が変形すると考えられる。
一方、本発明のマーク付き生地材料の製造方法によれば、転写紙側に配置した耐熱布に水蒸気が吸収されるため、マーク生地と、熱可塑性樹脂(特に水溶性の熱可塑性樹脂)を含む接着層と、を有するマーク用生地材料を用いた場合でもマーク用生地材料の変形を効果的に抑制することができる。
以下、本発明のマーク付き生地材料の製造方法についてより具体的に説明する。なお、以下の説明では、生地材料としてマーク用生地材料を、離型シートとして離型紙をそれぞれ用いる場合について主に説明するが、本発明で用いる生地材料はマーク用生地材料に限定されない。また、離型シートも離型紙に限定されず、例えば離型フィルムを用いてもよい。
図1は、本発明のマーク付き生地材料の製造方法における転写工程の一例を概略的に示している。図1に示す形態では、支持台110、加熱板112、ストップボタン114、スタートボタン116等を備えた加熱プレス機100を用い、図2に示すように、支持台110上に、離型紙10、マーク用生地材料20、転写紙30、耐熱布40がこの順で重なるように配置される。このとき、転写紙30のマーク34がマーク生地21の所定の位置に転写されるように転写紙30のマーク印刷面とマーク生地21とを向き合わせて(接触させて)マーク用生地材料20と転写紙30とを重ね合わせる。そして、図3に示すように支持台110上に、離型紙10、マーク用生地材料20、転写紙30及び耐熱布40が配置された状態で、耐熱布40に対して加熱板112を押し付け、耐熱布40側から加熱するとともに厚さ方向に加圧する加熱プレスを行う。これにより、転写紙30の昇華性染料を昇華させてマーク34をマーク生地21に転写させる。
ここで、本発明で用いる各材料について説明する。
(転写紙)
転写紙30は、原紙32の一方の面に昇華性染料によってマークが印刷されている。
本発明で用いる転写紙の原紙32は、単層抄きであっても多層抄きであってもよい。転写紙の原紙32としては、少なくともマーク用生地材料側に配置される離型紙よりも通気性が高い原紙を用い、加熱プレスの際に主にマーク用生地材料から発生する水蒸気が通過し易いことが好ましい。例えば、転写紙用の市販の原紙を用いることができる。
昇華性染料は、熱を加えることで昇華し、高分子に分子結合して染色する特色を有する染料である。通常、昇華性染料は、分散安定剤等の添加剤を混合して用いられる。本発明で用いられる昇華性染料は特に限定はなく、市販品の昇華性染料を適宜選定して用いることができる。生産コストやマーク生地として好ましく用いられるポリエステルの軟化点等を考慮すると、昇華温度が220℃以下である昇華性染料を用いることが好ましい。
転写紙に印刷されているマークの形状、色彩、大きさ、数等は限定されず、製造するマーク付き生地材料の用途に応じて選択すればよい。例えば、インクジェットプリンターを用い、転写紙用の市販の原紙に対して昇華性インクによって所望のデザインのマークを印刷すればよい。なお、図1に示す形態では、複数のワッペン用の複数のマーク34A,34B,34C,34Dが昇華性染料(昇華性インク)によって印刷された転写紙を用いている。昇華性染料を用いて原紙32に印刷する方法は特に限定されず、インクジェット印刷の他に、シルクスクリーン印刷、捺染印刷、オフセット印刷などが挙げられる。
(マーク用生地材料)
本発明で用いるマーク用生地材料20は、転写紙に印刷されているマークを転写させるマーク生地21を含んでいればよく、マーク用生地材料の層構成及び材質は、製造するマーク付き生地材料の用途に応じて選択すればよい。
例えば、マークを転写させた後のマーク用生地材料(マーク付き生地材料)をワッペン等として、衣類、バッグ等の被着物に加熱圧着させる場合は、マーク生地21と、熱可塑性樹脂を含む接着層(ホットメルト層)22と、を有するマーク用生地材料20を用いることが好ましい。本発明で好ましく用いることができるマーク用生地材料の一例の詳細については後述する。
また、マーク用生地材料の形状及び大きさは、少なくとも離型紙のマークがマーク生地の表面に転写される形状及び大きさを有していればよい。例えば、離型紙に印刷されたマークの形状に合わせて予め裁断された形状を有するマーク用生地材料を用いてもよい。この場合、転写紙の形状も予めマークの形状に合わせて切断されていれば、マーク用生地材料と転写紙の位置合わせが容易であり、転写工程後の裁断が不要である。
(離型紙)
離型紙10は、マーク用生地材料の転写紙と向き合う面とは反対側に配置される。離型紙は、離型性及び耐熱性(耐熱温度が好ましくは200℃以上)を有する離型紙又は離型フィルムを用いることができる。
離型紙は、少なくともマーク用生地材料全体が離型紙上に配置される大きさを有していることが好ましい。また、マーク用生地材料の接着層や転写紙から昇華した染料が支持台等に付着することを防ぐため、支持台と同等以上の大きさを有する離型紙を用いることがより好ましい。
なお、マーク生地と接着層を有するマーク用生地材料を用いる場合、接着層のマーク生地とは反対側の面(以下、「裏面」という場合がある。)に剥離可能な離型紙が予め貼り付けられている形態でもよい。このように離型紙が接着層の裏面に予め貼り付けられているマーク用生地材料を用いる場合は、支持台上に別途離型紙を配置する必要はない。
離型紙としては、例えば、原紙に直接又は他の層を介して離型剤をコーティングした離型紙を用いることができる。離型剤としては、シリコーン系離型剤、フッ素系等の剥離剤等が挙げられる。なお、離型紙の代わりにフッ素樹脂等の離型性を有する樹脂で形成された離型フィルムを用いてもよい。
(耐熱布)
耐熱布40は、前記転写紙の前記マーク用生地材料と向き合う面とは反対側に配置される。
本発明で用いる耐熱布は、加熱プレス時の温度に対して耐熱性を有する布であればよい。耐熱布の繊維構造は限定されず、織物、編み物、又は不織布を用いることができる。
本発明で用いる耐熱布は、加熱プレス時に昇華性染料の昇華温度以上に加熱されるため、少なくとも昇華性染料の昇華温度に対して耐熱性を有する必要がある。使用する昇華性染料の昇華温度にもよるが、繰り返し使用することなどを考慮し、耐熱布の耐熱温度は200℃以上であることが好ましく、220℃以上であることがより好ましい。
また、耐熱布は、加熱プレス時に発生する水蒸気に対して高い吸収性を有することが好ましい。耐熱布が加熱プレス時に発生する水蒸気を吸収することでマーク用生地材料からの水蒸気の排出が促進される。
加熱プレスの際にマーク用生地材料から発生した水蒸気を効果的に吸収する観点から、耐熱布の単位面積当たりの吸水量が、マーク生地の単位面積当たりの吸水量よりも高いことが好ましく、マーク用生地材料全体の単位面積当たりの吸水量よりも高いことがより好ましい。
なお、例えば、複数枚の耐熱布を重ねて用いてもよい。この場合、1枚当たりの耐熱布の単位面積当たりの吸水量が小さくても複数枚の耐熱布を重ねることで単位面積当たりの吸水量が向上し、加熱プレス時に発生した水蒸気を効果的に吸収することができる。複数枚の耐熱布を重ねて用いる場合は、重ねた耐熱布全体の単位面積当たりの吸水量が、マーク生地の単位面積当たりの吸水量よりも高いことが好ましく、マーク用生地材料全体の単位面積当たりの吸水量よりも高いことがより好ましい。
耐熱布を構成する材質としては、例えば、綿、麻、ナイロン、ポリエステル、レーヨン、または、それらの混紡布などが挙げられ、特に、耐熱性及び水蒸気吸収性の観点から、ポリエステル素材を含む織物、編物又は不織布が好ましく、吸汗、吸湿機能を備えた機能性素材がより好ましい。
耐熱布の厚みは材質にもよるが、100μm〜1500μmmが好ましい。耐熱布の厚みが100μm以上であれば、高い水蒸気吸収性を発揮することができる。耐熱布の厚みは200μm〜800μmがより好ましく、
400μm〜500μmが特に好ましい。
耐熱布の大きさは、少なくとも離型紙全体を覆う大きさを有して入ればよい。
耐熱布はエンボス加工が施されていてもよい。エンボス加工による凹凸を有する布を用いれば、加熱プレス時に耐熱布が水蒸気を吸収するとともに耐熱布の凹凸によって形成される空間にも水蒸気を一時的に溜め込むことができる。
なお、本発明の転写工程において加熱プレスを行う装置は特に限定されないが、市販の加熱プレス機として、例えば、ハリロン(登録商標)プレッサー プレックスクラシック、プレックスオート1000(いずれも株式会社宝來社製)が挙げられる。
加熱プレスする際の加熱条件(昇華条件)としては、昇華性染料の昇華温度、マーク用生地材料の接着層の耐熱性等にもよるが、例えば、185〜210℃及び30〜90秒間が好ましく、190℃〜200℃及び40〜80秒がより好ましく、195℃〜200℃及び60秒が特に好ましい。
加熱プレスの際の圧力は、1g/cm〜300g/cm程度が好ましい。
なお、加熱は少なくとも耐熱布側から行うが、支持台側からも加熱することができる加熱プレス機を用い、耐熱布側及び離型紙側(すなわち両面)から加熱して昇華時間の短縮化を図ってもよい。
加熱プレスによって耐熱布40を介して転写紙30が昇華性染料の昇華温度以上に加熱されることで、前記転写紙30のマーク34を構成している前記昇華性染料が昇華し、前記マーク34が前記マーク生地21に転写される。このように所定時間加熱プレスして昇華転写を行うことでマーク(染料)の滲みの発生やマーク用生地材料の変形の発生が抑制されたマーク付き生地材料を得ることができる。
昇華転写後、加熱プレス機100の加熱板112を耐熱布40から引き離すことで、耐熱布40の加熱板112との接触面が開放される。耐熱布40に吸収された水蒸気は高温状態であるため、外気に速やかに放出される。そのため、次の転写工程の開始時には耐熱布40中の水蒸気は大幅に減少しており、同じ耐熱布40を繰り返し使用することができる。
図4は、支持台110上に、離型紙10、マーク用生地材料20、転写紙30、耐熱布40を重ねた状態の他の例を概略的に示している。図4に示す形態では、転写紙30のサイズがマーク用生地材料20のサイズよりも小さく、前記転写紙30の外側では前記耐熱布40と前記マーク用生地材料20の前記マーク生地21とが接触している。
加熱プレスの際、転写紙30とマーク用生地材料20は加熱されることでそれぞれ若干収縮するが、耐熱布40と転写紙30との接触部よりも耐熱布40とマーク生地21との接触部の方が摩擦抵抗が大きく、滑り難い。そのため、加熱板112を耐熱布40に押し当て、転写紙30の外側で耐熱布40とマーク用生地材料20のマーク生地21とを接触させた状態で加熱プレスを行えば、マーク用生地材料20の周囲が耐熱布40を介して抑えつけられた状態となり、マーク用生地材料20の収縮が抑制される。そのため、昇華転写後の滲みや変形を抑制できるほか、マークの転写位置のずれも効果的に抑制することができる。
本発明のマーク付き生地材料の製造方法は、転写工程後、必要に応じてマーク付き生地材料を所望の形状に裁断する裁断工程等を含んでいてもよい。本発明のマーク付き生地材料の製造方法により得られたマーク付き生地材料を所望の形状、例えば、図5に示すようにマーク34Aを含む楕円形状に裁断する。裁断後のマーク付き生地材料50は、接着層(ホットメルト層)22を介してワッペン等としてユニホーム等に貼付することができる。
なお、本発明の製造方法によって製造されたマーク付き生地材料をユニホーム等に接着する手段は従来法を適用することができる。すなわち、必要に応じて裁断したマーク付き生地材料の接着層(ホットメルト層)側をユニホーム等の貼り付け位置に接触させ、接着層が溶融し、かつ、マーク生地に転写した昇華性染料が再度昇華しない温度で加熱圧着させればよい。
<マーク用生地材料>
本発明で用いるマーク用生地材料は、マークが転写されるマーク生地を含んでいればよく、用途に応じて選択すればよい。
図6は、マーク生地21と、熱可塑性樹脂を含む接着層22と、を有するマーク用生地材料の層構成の一例を示している。図6に示すマーク用生地材料は、マイクロファイバーを用いたマーク生地21と、メルトフローレートが100g/10min以下の熱可塑性樹脂を含む接着層(ホットメルト層)22と、剥離シート23と、をこの順で有するマーク用生地材料を示している。
図6に示すマーク用生地材料20は、マイクロファイバーを用いたマーク生地21と、メルトフローレートが100g/10min以下の熱可塑性樹脂を含む接着層(ホットメルト層)22とを有するため、昇華性染料を用いたマークを転写させるためマーク用生地材料を加熱・加圧した際に、前記接着層を構成する熱可塑性樹脂が溶融してマーク生地表面へ滲み出るのを抑制することができる。また、前記接着層のマーク生地が設けられている側とは逆側には剥離シート23を配置(裏打ち)することができる。これにより、転写工程において、支持台上に離型シートを別途配置する必要がなく、昇華転写時に接着層を形成する熱可塑性樹脂が溶融しても当該熱可塑性樹脂が他に付着等するのを防止することができる。
(マーク生地)
図6に示すマーク用生地材料20のマーク生地21としては、マイクロファイバーを用いた生地が用いられている。ここで、「マイクロファイバー」とは、極細繊維を意味し、繊維径10μm以下の繊維であることが好ましいが、通常、市場にてマイクロファイバーと称されるものを適宜使用することができる。前記マイクロファイバーを用いた生地とは、当該マイクロファイバーで作られた生地を意味する。
前記マイクロファイバーの繊維径としては、0.5〜10μmが好ましく、0.5〜8μmが更に好ましく、0.5〜5μmが特に好ましい。
また、前記マイクロファイバーを用いたマーク生地は、少なくとも昇華性染料の転写条件に耐えうる耐熱性を有する生地であれば特に限定はない。前記生地としては、昇華性染料と親和性のある構成成分から成るマイクロファイバーで作られた織物、編物、不織布から成る生地であることが好ましい。昇華性染料と親和性のある構成成分から成るマイクロファイバーとしては、代表的な例として、ポリエステル繊維又はナイロン繊維、及びそれらの混合繊維などが挙げられる。この中でも、昇華性染料が強固に結合することで転写紙から昇華した染料による色彩、模様、図柄の転写が鮮明であるとの観点から、前記マイクロファイバーを用いた生地としては、ポリエステル100%の織物、編物又は不織布であることが好ましい。
また、マーク生地の色は特に限定はなく目的に応じて適宜選択することができる。マークの発色性や汎用性を考慮すると白地(白色)の生地を用いることが好ましい。
前記マーク生地の重量としては、昇華性染料の転写時における接着層の滲み出しを効果的に抑制する観点から、100g/m〜250g/mが好ましく、150g/m〜195g/mが更に好ましく、180g/m〜190g/mが特に好ましい。また、前記マーク生地の厚さとしては、昇華性染料の転写時における接着層の滲み出しを効果的に抑制する観点から、200μm〜600μmが好ましく、350μm〜550μmが更に好ましく、400μm〜500μmが特に好ましい。
前記マイクロファイバーを用いた生地としては、前記諸条件を考慮して、市販品など公知のものを適宜選定して用いることができる。
(接着層)
接着層22は、ユニホーム等の生地とマーク生地21とを接着させるために用いられる所謂ホットメルト層である。前記接着層は、メルトフローレートが100g/10min以下の熱可塑性樹脂を含む。
前記接着層は、マーク生地上に直接設けてもよいし、前記マーク生地と接着層との間に所望の樹脂を用いた介在層(例えば、軟化点が180℃以上の樹脂を含む耐熱層)等を別途設けてもよい。製造工程の簡易性や形成されたマークの柔軟性等を考慮すると、前記接着層は前記マーク生地上に直接設けられていることが好ましい。更に、前記マーク生地にカレンダー処理等の表面処理を施した後に、当該処理面に前記接着層を設けてもよい。
本明細書において「メルトフローレート」とは、メルトインデックス(Melt index(MI))と同義であり、JIS−K7210(1999)B法に従い、温度190℃、荷重8.76kgで測定された値を意味する。前記接着層を構成する熱可塑性樹脂のメルトフローレートが100g/10minを超えると、昇華性染料を用いて例えば、温度:185℃、圧力:300g/cm、時間:60秒の昇華条件で昇華転写した場合には、溶融した熱可塑性樹脂がマーク生地表面に滲み出てしまう場合がある。前記熱可塑性樹脂のメルトフローレートとしては、接着層の塗布性や成形性などの形成効率を考慮すると、60〜100g/10minが好ましく、65〜95g/10minが更に好ましく、70〜90g/10minが特に好ましい。なお、前記メルトフローレートは、対象の熱可塑性樹脂に対しJIS−K7210に従って数回測定し、その平均値をとることで決定することができる。メルトフローレートの調整方法は特に限定はないが、例えば、ポリマーの分子量を大きくすることで増粘(メルトフローレートが小さくなる)することができる。
また、前記接着層に用いられる前記熱可塑性樹脂の軟化点としては、170℃以下が好ましい。ここで「軟化点」とは、JIS K−7206(1999)にて規定されるビカット軟化温度(Vicat Softening temp.)を意味する。通常の加工業者における、ユニホームやシャツの生地等にワッペン等を貼着する際の条件は、おおよそ、温度:130℃〜170℃、圧力:100g/cm〜1000g/cm、時間20〜60秒で行われている。前記接着層の軟化点が170℃以下であれば、上記貼着条件以上の加熱が必要となり、生産コストが増加するとともに、貼着対象物であるユニホーム等の品質を低下させるおそれがある。前記熱可塑性樹脂の軟化点は、貼着対象物に基づく貼着条件によって適宜選定することができるが、その上限としては、160℃以下が好ましく、150℃以下が更に好ましい。また、貼着前のマーク用生地材料の保存性、貼着後の洗濯堅牢性及び耐摩擦性の観点、さらに、通常のマークの貼着条件を考慮すると、前記接着層の軟化点の温度範囲としては、70〜170℃が好ましく、80〜150℃が更に好ましい。
前記接着層を形成する熱可塑性樹脂は、上述のメルトフローレートの条件を満足するものであれば、市販の樹脂を適宜用いることができるが、マーク生地に含まれるマイクロファイバーと親和性のあるホットメルト系の熱可塑性合成樹脂であることが好ましい。このような熱可塑性樹脂としては、例えば、軟化点や粘度を所望の条件に適合するように調整された熱可塑性ポリウレタン等が挙げられる。このような熱可塑性ポリウレタンとしては、例えば、「SHM103−PUB」シーダム株式会社(軟化点90℃、メルトフローレート(条件190℃・8.76kg)平均値78.71g/10min)を用いることができる。
また、前記接着層は、前記熱可塑性樹脂から成るフィルムをラミネート法或いはコーティング法によって前記マーク生地上に形成することができる。前記接着層の膜厚は特に限定はなく、所望の目的に応じて適宜選定することができるが、ユニホーム等の被着物への貼着性、洗濯堅牢性、耐摩擦性等の観点からは、10μm〜150μmが好ましく、50μm〜100μmが更に好ましい。
(剥離シート)
剥離シート23は、前記接着層の裏面(接着層のマーク生地とは逆の面)に裏打ちされたシート状の材料であり、接着層を構成する熱可塑性樹脂に対して剥離性を有する。マーク用生地材料の接着層に剥離シート23が予め貼り合わされていることで、転写工程において、支持台上に離型シートを別途配置する必要がなく、マーク用生地材料に昇華性染料を転写する際の加熱加圧によって溶融した熱可塑性樹脂が支持台等に付着することを防止することができる。ただし、剥離シート23が予め貼り合わされたマーク用生地材料20を用いる場合も加熱プレス機100の支持台110上に離型シート10を配置してもよい。支持台110上に離型シート10を配置しておけば、例えば、加熱プレス時に接着層22が溶融して剥離シート23からはみ出して支持台110に付着することを防ぐことができる。
剥離シート23は、接着層に用いられる熱可塑性樹脂材料の種類によって、剥離処理が施された剥離紙や樹脂フィルムなど市販の剥離シートから適宜選定することができ、例えば、台紙にポリエチレンやシリコンをコーティングしたもの等を用いることができる。
なお、マーク生地と、熱可塑性樹脂を含む接着層と、を有するマーク用生地材料は、市販品を用いることができ、例えば、ハリロン(登録商標)シリーズ(株式会社宝來社製)が挙げられる。
本発明で用いる生地材料はマーク用生地材料に限定されず、接着層を有さないTシャツ等の生地をマークを転写させるマーク用生地材料として用いてもよい。
図7は、マーク用生地材料としてTシャツを用い、昇華性染料によって印刷された転写紙のマークをTシャツに昇華転写させる形態の一例を概略的に示している。図8は、各材料の厚さ方向の配置を概略的に示している。
本実施形態では、マークを転写させるための生地材料であるTシャツ24が支持台110上に配置され、転写紙30がマーク印刷面をTシャツ前面の右胸部分に向けて配置されている。Tシャツ24の内側には、離型紙10が配置されている。また、転写紙30及び支持台110上のTシャツ部分には耐熱布40が重ねられている。このように、離型紙10、Tシャツ24のマークが転写される部分、転写紙30及び耐熱布40が重ねられた状態で、耐熱布40に加熱板112を押し付けて耐熱布40側から加熱プレスする。この場合も加熱プレスによってTシャツ24から発生した水蒸気が耐熱布40に吸収されるため、転写紙30から昇華した染料(マーク34)はTシャツ前面に滲みが抑制された状態で転写される。また、Tシャツ24の内側には離型紙10が配置されているため、転写紙30から昇華した染料がTシャツ24の背中側まで浸入して染色したり、支持台110に付着することを防ぐことができる。
このような方法によれば、染料の滲みが抑制された状態でマークがTシャツ24の生地に直接転写されたマーク付きTシャツを簡便に製造することができる。
なお、Tシャツ24のように生地材料が接着層(ホットメルト層)を含まない場合は、離型シートを用いずに加熱プレスを行ってもよいが、加熱プレス機100の支持台110等の汚染を防ぐため、図7に示すように離型紙10等の離型シートを配置することが好ましい。
以下、実施例によって本願発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
以下の離型紙、マーク用生地材料、転写紙、及び耐熱布を準備した。
・離型紙:グラシン紙、品番WG(リンテック株式会社製)、サイズ520mm×465mm
・マーク用生地材料:ハリロンサブリックス・クロス(株式会社宝來社製)、サイズ490mm×460mm
・昇華性インク:キーアン社(KIIAN S.P.A)製、製品名DIGISTAR DES ELITEの4色(黒、マゼンタ、イエロー、シアン)。各色の染料の昇華温度は色によって異なるが、180℃〜210℃である。
・耐熱布:材質 ポリエステル、厚み 450μm、サイズ 500mm×350mm
加熱プレス機としては、ハリロン(登録商標)プレッサー プレックスオート(株式会社宝來社製)を用いた。
(昇華転写)
加熱プレス機の支持台上に、離型紙、マーク用生地材料、転写紙、耐熱布を重ね合せ、加熱プレスすることで昇華転写処理を施した。なお、マーク用生地材料と転写紙は、マーク生地と転写紙のマーク印刷面が接触するように配置し、耐熱布は、図3に示すように転写紙と接触し、マーク用生地材料のマーク生地とは接触しないように重ね合わせた。
この際、加熱プレス(昇華転写)条件は、温度200℃、圧力300g/cm、時間60秒であった。また、加熱プレスを行った室内の環境は、温度30℃、湿度80%であった。
[実施例2]
実施例1において、耐熱布を厚み800μmのポリエステル布に変更したこと以外は実施例1と同様にして昇華転写を行った。
[実施例3]
実施例1において、耐熱布を厚み200μmのポリエステル布に変更したこと以外は実施例1と同様にして昇華転写を行った。
[実施例4]
実施例1において、耐熱布を厚み450μmのナイロン布に変更したこと以外は実施例1と同様にして昇華転写を行った。
[実施例5]
実施例1において、転写紙としてサイズが小さい転写紙(250mm×225mm)を用い、図4に示すように耐熱布は転写紙と接触し、転写紙の外側ではマーク用生地材料のマーク生地と接触するように重ね合わせたこと以外は実施例1と同様にして昇華転写を行った。
[比較例1]
実施例1において、耐熱布の代わりに離型紙を用い、すなわち、加熱プレス機の支持台上に、離型紙、マーク用生地材料、転写紙、離型紙を重ね合せ、加熱プレスすることで昇華転写を行った。
[評価]
実施例及び比較例において昇華転写により製造したマーク付き生地材料について下記の評価を行った。
<染料の滲み>
マーク用生地材料のマーク生地に転写されたマーク(染料)の滲みの程度を確認した。生地目に沿った滲みの最大長さを測定し、下記基準により評価した。
A:滲みの最大さ長さが0.5mm未満
B:滲みの最大さ長さが0.5mm以上1mm未満
C:滲みの最大さ長さが1mm以上
<マーク用生地材料の変形>
昇華転写処理後のマーク用生地材料(マーク付き生地材料)について変形の有無を確認し、下記基準により評価した。
G:マーク付き生地材料の変形無し
NG:マーク付き生地材料の変形有り
<マーク位置のずれ>
昇華転写処理後のマーク用生地材料(マーク付き生地材料)について、最も外側に位置するマークの位置のずれを測定し、下記基準により評価した。
A:マーク位置のずれが0.5mm未満
B:マーク位置のずれが0.5mm以上1mm未満
C:マーク位置のずれが1mm以上
実施例及び比較例で用いた耐熱布又は離型紙の構成及び評価結果を表1に示す。なお、各例においてそれぞれ10枚のマーク付き生地材料(評価用サンプル)を製造し、10枚の評価用サンプルについて評価が最も悪かったものを表1に示す。
図9は、実施例1で製造したマーク生地に転写されたマークの一部を示す写真である。また、図10は、比較例1で製造したマーク生地に転写されたマークの一部を示す写真である。図9及び図10から明らかなように、比較例1のマーク生地に転写されたマーク(図10)に比べ、実施例1のマーク生地に転写されたマーク(図9)は滲みが顕著に抑制されていた(図9及び図10のAで示す箇所)。
また、図11は、比較例1で製造したマーク付き生地材料に発生した変形箇所を示す写真である。図11に示すように比較例1で製造したマーク付き生地材料には筋状の変形箇所(図11のBで示す箇所)が生じたが、実施例で製造したマーク付き生地材料にはこのような変形は見られなかった。
10 離型シート
20 マーク用生地材料
21 マーク生地
22 接着層
30 転写紙
34 マーク
40 耐熱布
50 マーク付き生地材料
110 支持台
112 加熱板
100 加熱プレス機

Claims (7)

  1. 原紙の一方の面に昇華性染料によってマークが印刷されている転写紙と、前記マークが転写される生地を含む生地材料とを、前記転写紙の前記マークが印刷されている面と前記生地の前記マークが転写される面とが向き合うように配置し、かつ、前記転写紙の前記生地材料と向き合う面とは反対側に耐熱布を配置した状態で、少なくとも前記耐熱布側から加熱する加熱プレスを行うことにより、前記転写紙の前記昇華性染料を昇華させて前記マークを前記生地に転写させる転写工程を有するマーク付き生地材料の製造方法。
  2. 前記転写工程において、前記生地材料の前記転写紙と向き合う面とは反対側に離型シートを配置した状態で前記加熱プレスを行う請求項1に記載のマーク付き生地材料の製造方法。
  3. 前記耐熱布が、ポリエステル素材を含む織物、編物又は不織布である請求項1又は請求項2に記載のマーク付き生地材料の製造方法。
  4. 前記耐熱布の厚みが、100μm〜1500μmである請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のマーク付き生地材料の製造方法。
  5. 前記耐熱布の単位面積当たりの吸水量が、前記生地の単位面積当たりの吸水量よりも高い請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のマーク付き生地材料の製造方法。
  6. 前記生地材料が、前記生地と、熱可塑性樹脂を含む接着層と、を有するマーク用生地材料である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のマーク付き生地材料の製造方法。
  7. 前記転写工程において、前記転写紙の外側で、前記耐熱布と前記生地材料の前記生地とを接触させた状態で前記加熱プレスを行う請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のマーク付き生地材料の製造方法。
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