JP2005290575A - 手術着等に好適に使用できる織物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は係る問題を解決し低発塵性、制電性、撥水性に優れ、洗濯処理や滅菌処理など過酷な処理条件によっても耐久性を有する手術着、覆布(ドレープ)、包布、ベッドシーツ等に有用なホスピタルテキスタイル等と称する織物を提供すること。
【解決手段】固有粘度〔η〕が0.62以上0.95以下の芳香族ポリエステル系マルチフィラメントが経糸及び緯糸に用いられてなる織物であって、前記経糸がフラットヤーンであり、前記緯糸が高圧流体攪乱処理を施された嵩高加工糸であり、経糸及び/又は緯糸の他の一部として制電性ポリエステルフィラメント糸条が5〜25mm間隔に配されてなり、織物一完全組織を構成する経糸浮き本数及び緯糸浮き本数の最大値が1本以上3本以下で、且つ経糸浮き本数の最大値が緯糸浮き本数の最大値以上である織物。
【選択図】なし

Description

本発明は低発塵性で制電性、撥水性に優れた織物に関するものであり、更に詳しくには手術着、覆布(ドレープ)、包布、ベッドシーツなどに適するホスピタルテキスタイル等と称する織物に関する。
従来から手術着などに使用される繊維材料については数多く提案されている(例えば、特許文献1参照。)。手術着、看護着、覆布、包布等には木綿製品も多く使用されており、必要に応じて撥水加工が施されていた。該木綿製品は綿紡績糸を用いてなる織編物が主体であり肌触りが良好で吸汗、吸水、吸湿性に優れたものであるが、磨耗劣化や脱落などによって塵埃が飛散し易く、浮遊塵埃によるバクテリアや各種細菌類の飛散による院内感染が問題である。
特開平9−31846号公報
かかる諸問題を解決する為に耐熱性フィルムと積層接着した構造体としバクテリアや各種細菌類の飛散による感染や血液、体液等を媒介とする感染を防止する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平9−78464号公報
耐熱性フィルムと積層接着した構造体とすることにより二次感染を極力防止することが可能であり好適に使用されるが、フィルムと布帛が接着剤を介して積層されており、洗濯処理や滅菌処理により層間剥離が生じやすく、耐久性に問題があった。また剥離によって生じた空間(隙間)も各種細菌の温床になりやすいものである。
また疎水性繊維からなる布帛に制電性を向上させる為に導電性ポリエステル長繊維を配した手術着等も提案されており、前記方法によれば疎水性繊維であるポリエステル繊維を用いても制電性を向上させることが可能であるが、構成単繊維繊度が小さすぎる為、高圧滅菌処理による損傷(ポリエステルの加水分解作用)を受けやすく、結果として単糸切断、自己発塵を誘発し、手術着等の用途を考えると好ましいものにはならない。
本発明は係る問題を解決し低発塵性、制電性、撥水性に優れ、洗濯処理や滅菌処理など過酷な処理条件によっても耐久性を有する手術着、覆布(ドレープ)、包布、ベッドシーツ等に有用なホスピタルテキスタイル等と称する織物を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達した。即ち、本発明は以下の構成よりなる。
1. 固有粘度〔η〕が0.62以上0.95以下の芳香族ポリエステル系マルチフィラメントが経糸及び緯糸に用いられてなる織物であって、前記経糸がフラットヤーンであり、前記緯糸が高圧流体攪乱処理を施された嵩高加工糸であり、経糸及び/又は緯糸の他の一部として制電性ポリエステルフィラメント糸条が5〜25mm間隔に配されてなり、織物一完全組織を構成する経糸浮き本数及び緯糸浮き本数の最大値が1本以上3本以下で、且つ経糸浮き本数の最大値が緯糸浮き本数の最大値以上であることを特徴とする織物。
2. 芳香族ポリエステル系マルチフィラメントが、エチレンテレフタレートを主たる繰返し単位とするポリエステル樹脂からなり、単繊維繊度が1.5デシテックス以上4.0デシテックス以下であり、且つ、撥水加工が施されてなり、下記式を同時に満足することを特徴とする上記第1に記載の織物。
初期の引裂強力≧19.6N
高圧滅菌処理(121℃×26分処理)50回後の引裂強力保持率≧60%
3. 高圧滅菌処理(121℃×26分処理)50回後の粒径0.3〜50μmの発塵量が500個/m3以下であることを特徴とする上記第1又は第2に記載の織物。
本発明の織物は固有粘度〔η〕が大なる芳香族ポリエステル系マルチフィラメントを経糸及び緯糸に使用している為、繰返し高圧滅菌処理による強度劣化を最小限に留め、自己発塵を抑制することが可能である。また緯糸に流体攪乱加工糸を使用することによって取扱に支障を来すファスナリングを発生させず、布帛のズレ落ち等を防止すると共に適度なフィルター性、ハンドリング性を持たせ、更に制電性ポリエステルフィラメント糸を適宜配置することにより静電気によるハイテク医療機器の誤動作を防止することが可能になるなどの効果を奏するものである。
本発明に用いる芳香族ポリエステルは固有粘度〔η〕が0.62以上0.95であることが好ましい。固有粘度〔η〕が0.62未満ではオートクレーブ高温高圧滅菌処理による加水分解作用によって強度劣化が生じ耐久性に問題が生じる。より好ましくは0.70以上である。また固有粘度〔η〕が0.95を超過する範囲では耐加水分解性にも優れ、強度的にも優れたものとなり得るが分散染料による染色がし難くなる。より好ましくは0.90以下である。芳香族ポリエステルとしてはエチレングリコール、トリメチレングリコールなどのグリコール成分とテレフタル酸、イソフタル酸、5―ナトリウムスルフォイソフタル酸などの芳香族酸成分とをエステル交換反応、重縮合させて得られたエステルを指し、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなど芳香環を有するポリエステル重合体のホモポリマー、ブレンドポリマー、コポリマーを指すものである。より好ましくはエチレンテレフタレートを主たる構成単位とするポリエチレンテレフタレートである。
また芳香族ポリエステルには必要に応じて二酸化チタン、硫酸バリウム、二酸化珪素等の艶消剤や酸化防止剤、平滑剤、帯電防止剤、その他が混合されていてもよい。また該繊維断面についてはいかなる公知の断面も採用することが出来るが、耐加水分解性や堅牢度等を考慮すると中実丸断面糸が最も好ましく採用される。経糸にはその扱い易さなどからフラットヤーンが好ましく用いられる。前記フラットヤーンの意味には延伸糸やスピンドロー糸、超高速紡糸完成糸などが含まれる。経糸のフラットヤーンは撚糸して用いることも好ましく、撚数やトルクのレベルに応じて減圧湿熱セットして用いることも好ましい。
緯糸に使用する流体攪乱加工糸は芯糸及び鞘糸(はな糸、飾り糸)を互いに異なる供給ローラーを用いて過供給して流体攪乱ノズルに導き絡合収束されるものでありノズル形状や過供給率等によってループ形状や個数、大きさを適宜にコントロールすることが出来る。流体攪乱処理方法、流体攪乱ノズルについては公知の技術、市販のノズルを用いて実施することが出来る。該流体攪乱加工糸は糸条側面部に大小ループを多数形成させ嵩高感、スパンタッチを持たせた糸条であり解じょ不良、ファスナリングが生じやすく取扱性が悪いものである。該流体攪乱加工糸を織物の経糸として用いた場合は経糸の開口不良や断糸等の操業性悪化を引き起こしやすいため、緯糸にのみ使用することが好ましい。ループの大小、形状などは芯糸となる糸条、鞘糸となる糸条の過供給率、芯糸への水性液体付与条件、ノズルジェット形状、押し込み衝撃を与える部位の形状その他によって適宜調整が可能であり、必要に応じて設定すればよい。また必要に応じて該流体攪乱加工糸に適宜追撚を施し使用することも可能で、経糸フラットヤーンと同様に、減圧湿熱セットしても良い。また各種ワックス剤、平滑剤、鉱物油剤などを付与した後、製織に供することも出来る。
糸条長手方向に微細なループや弛みを有する、流体攪乱加工糸を緯糸に用いる理由としては織物の緻密性や嵩高感を向上させて塵埃の捕捉性能(フィルター性)を向上させる効果及び表面の平滑性(滑りやすさ)を抑制してズレ落ち等の防止、ハンドリング性向上を狙うものである。経糸及び緯糸共にフラットヤーン(生糸)使いとするとペーパーライクで嵩高感に乏しい平滑な布帛となり、塵埃の捕捉性能(フィルター性)に乏しい他、生地が滑りやすくホスピタルテキスタイルとして好ましいものにはならない。流体攪乱加工糸以外にも異収縮混繊糸や仮撚構造加工糸等によっても糸条長手方向にループを有する糸条を得ることが可能であるが、これらの方法ではループが小さいものに留まるほか、高圧滅菌処理に耐え得る物性を得ることができないのである。
本発明の布帛を得るにあたり使用する織機としてはレピアルーム、エアージェットルーム、ウォータージェットルーム、プロジェクタイルルーム等、公知のものを使用することが出来る。経糸にはサイジングやオイリングを施しておいてもよい。緯糸として使用する流体攪乱加工糸のループが大きい場合は糸条を把持して緯糸挿入出来るレピアルームがより好ましく使用される。
疎水性合成繊維であるポリエステル系繊維の欠点である帯電を抑制する為、経糸及び/又は緯糸の少なくとも一方の他の構成糸として、制電性ポリエステルフィラメント糸条を5〜25mm間隔に配することが好ましい。該制電性ポリエステルフィラメント糸条はカーボンブラックや低融点金属酸化物等の導電性物質とポリエステル系樹脂を複合紡糸方法により、単繊維断面を芯鞘(シースコア)、偏芯芯鞘、多層張合せ(サイドバイサイド)等の形状に紡糸したものであってカネボウ合繊社製のベルトロン(R)やクラレ社製のクラカーボ(R)等が例示される。該制電性ポリエステルフィラメント糸条は単独或いは他のポリエステルフィラメント糸条との合撚、カバリング等を施して使用することも出来る。
該制電性ポリエステルフィラメント糸条の混率を多くすることによって制電性を向上させることが可能である。該制電性ポリエステルフィラメント糸条の間隔が25mm超過では好適な制電特性が得難く、5mm未満では製品コストが高くなったり、摩擦耐久性や生地引裂強力に支障を来す恐れがある。該制電性ポリエステルフィラメント糸条はストライプ状、チェック状等に配することが可能である。該制電性ポリエステルフィラメント糸条の間隔や配列は要求される制電性能等に応じて上記の範囲で適宜選定すればよい。
本発明の織物一完全組織を構成する経糸浮き本数及び緯糸浮き本数の最大値は1本以上3本以下、且つ経糸浮き本数の最大値≧緯糸浮き本数の最大値であることが好ましい。経糸浮き本数及び緯糸浮き本数が3本を超過するとピリングやスナッグが発生し易くなったり、緯糸に使用する流体攪乱加工糸の表面ループ、毛羽によってファスナリング現象を生じやすく生地取扱性に支障を来す。また経糸浮き本数は緯糸浮き本数と同一か若しくは多くしておくことが上記ファスナリング等の取扱性悪化を抑制する為に好ましい。織組織は特に規定するものではないが、2/2綾織、2/1綾織、3/1綾織、3/2綾織、平織、3/1破れ斜文織などが好ましく用いられる。
また単繊維繊度は1.5デシテックス以上4.0デシテックス以下、好ましくは2.0デシテックス以上3.5デシテックス以下であることが各種繰返し滅菌処理による強度劣化による自己発塵や引裂強力低下を抑制するために効果的である。単繊維繊度が1.5デシテックス未満では肌触りはソフトなものとなり得るが、高温高圧滅菌処理や各種薬剤処理による強度低下が生じやすく、自己発塵の要因となりホスピタルテキスタイルとして好ましいものにはならない。また単繊維繊度が4.0デシテックスを超過する範囲では肌触りが粗硬でチクチクとした触感を与えるものとなりホスピタルテキスタイルとして好ましいものにはならない。
また本発明の織物は撥水加工が施されていることがより好ましい。該撥水加工はシリコン系、フッ素系等、公知の撥水加工剤をパッドドライ法、パッドスチーム法、吸尽法、スプレー法、その他公知の方法で布帛に付与するものである。撥水効果を更に向上させるためにそれらの併用処理を施してもよい。また平滑性向上や通気度を抑制する為にプラストカレンダー処理も有効な手法として挙げられる。該プラストカレンダー処理は線圧、温度、処理時間等の処理条件を適宜選択することによって目標となる風合い、通気度に調整すればよく、特に処理条件を限定するものではない。
本発明の織物は初期の引裂強力が19.6N以上であり高圧滅菌処理(121℃×26分処理)50回後の引裂強力保持率が60%以上であることが好ましい。ここで、前記の初期引裂強力と引裂強力保持率は経方向と緯方向の双方を測定し、その両者が前記の値を満足していることを意味するものである。高圧滅菌処理によってポリエステルは加水分解作用を受ける為、繰返し回数が多くなるほど強度低下が見られる。初期の引裂強力が19.5N以上を保持し、尚且つ高圧滅菌処理50回後の引裂強力保持率が初期値に対して60%以上を保持することによって実用使用にも絶え得る、耐久性に優れたホスピタルテキスタイルとすることが可能となる。初期の引裂強力値は糸の繊度や織組織等に影響されるが、通常65N以下である。但し、あまりにも初期の引裂強力を大きくしようとすると、風合いの粗硬な厚ぼったい織物になりやすいので、55N以下にしておくことが好ましい。また、引裂強力保持率も高いことが好ましく、75%以上であれば、特に好ましいものと言え、上限は特に定めないが、通常95%以下である。
また高圧滅菌処理(121℃×26分処理)50回後の粒径0.3〜50μmの発塵量が500個/m3未満、より好ましくは400個/m3未満、更に好ましくは350個/m3未満であることが浮遊塵埃によるバクテリアや各種細菌類の飛散を防御する上で有効である。該発塵量が500個/m3を著しく上回る高発塵量となる場合、バクテリアや各種細菌類が発生した塵埃に乗って飛散し易く好ましくない。
本発明の織物の経糸としては芳香族ポリエステル系マルチフィラメントのフラットヤーン(生糸)を用いるが必要に応じて適当な実撚を挿入し製織に供することが出来る。該実撚挿入数については特に限定するものではないが、撚係数Kとして10000以下、好ましくは5000以下程度の実撚を挿入しておけば製織性や布帛の強度面で効果が期待出来る。但し、撚係数Kは下記式で示されるものである。
(式) 撚係数;K=T×√D
ここでTは実撚挿入数(回/m)、Dはフィラメント糸条の繊度(dtex)を示す。撚糸はダブルツイスターやリングツイスターなど公知の撚糸機を用いて実施し、製織に供する際には必要に応じて公知の撚止めセットやサイジング処理を施せばよい。
本発明の織物の染色については公知の染色加工方法によって実施することが出来る。浸染の場合は液流染色機、気流染色機、ウインス染色機、ジッカー染色機、ビーム染色機、パドル染色機等、公知の染色機を使用することが出来る。捺染の場合もロータリースクリーン、フラットスクリーン、インクジェット等公知の染色機を使用することが可能である。ポリエステルの場合は分散染料による染色であるため、高温高圧下での染色処理を実施する。濃色系統色に関しては染色処理後、アルカリ性条件下で還元洗浄処理を実施し、十分に湯洗水洗を実施することが好ましい。
以下、実施例に従い本発明を更に詳細に説明する。尚、本文中及び実施例中の特性値は下記評価方法によるものである。また言うまでもないが本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(固有粘度〔η〕)
ポリエステルをフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタンの6/4(重量比)混合溶媒を使用して溶解し、ウベローデ粘度計を使用して4点希釈法により求めた。評価温度は30℃である。
(引裂強力)
JIS L1096 8.15.5 D法(ペンジュラム法)に準じて評価した。
(ピリング)
JIS L1076 6.1 A法(ICI形試験機を用いる方法)に準じて評価した。
(スナッグ)
JIS L1058 7.1 A法(ICI形メース試験機法)に準じて評価した。
(発塵量)
JIS B9923に準じて評価した。発塵装置はタンブリング法を用い光散乱式自動粒子計数器法により評価した。(粒径0.3〜5.0μmの発塵量を求めた)
(摩擦帯電圧)
JIS L1094 5.2に準じて評価した。
(通気性)
JIS L1096 8.27.1 A法(フラジール形法)に準じて評価した。
(撥水度)
JIS L1092 6.2 はっ水度試験(スプレー試験)に準じて評価した。
(洗濯試験)
JIS L0217 103法記載の方法に準じて実施した。
(高圧滅菌処理)
オートクレーブ試験機にサンプル(生地)を投入し密封した後、処理温度121℃で26分間の滅菌処理を実施した。
(実施例1)
固有粘度〔η〕が0.70であるポリエチレンテレフタレートセミダル(二酸化チタン含有量0.2重量%)丸中実断面110デシテックス48フィラメントにダブルツイスターで400回/m(撚係数K=4195)の実撚を挿入したものを経糸として準備した。制電性ポリエステルフィラメントとしてはクラレ社製クラカーボ28デシテックス2フィラメントを用い、固有粘度〔η〕が0.70であるポリエチレンテレフタレートセミダル(二酸化チタン含有量0.2重量%)丸中実断面56デシテックス36フィラメントとを同率供給とし合撚機で400回(双糸としての撚係数K=3666)の実撚を挿入して該制電糸間隔が5mmとなるように経糸に配してウィーバースビームを得た。
愛機製作所製エアー加工機(TYPE AT−501)を使用し、流体攪乱ノズルとしてヘバライン社製へマジェット(TYPE LB−02)を用い、芯糸及び鞘糸として固有粘度〔η〕が0.70であるポリエチレンテレフタレートセミダル(二酸化チタン含有量0.2重量%)丸中実断面84デシテックス36フィラメントを鞘糸が過供給となるように高圧流体(空気)攪乱処理し、実繊度220デシテックス48フィラメントの流体攪乱加工糸(緯糸)を得た。
得られたウィーバースビームを津田駒工業社製ウォータージェットルームZW405型に仕掛け、(図1)の組織に製織して織物生機を得た。該織物生機を浴温95℃のオープンソーパーに拡布状態で通した後、浴温120℃で液流リラックス処理を実施した。その後、液流染色機を用い高圧130℃での分散染料による染色を実施した。染色、脱水後に還元洗浄を実施し湯洗、水洗、乾燥を実施した後、明成化学社製フッ素系撥水剤(アサヒガードLS−317)5重量%、IPA(イソプロピルアルコール)3重量%を含有する水溶液をパディングし、雰囲気温度150℃のショートループドライヤー、雰囲気温度160℃の布目矯正装置付きヒートセッターを用いて生地セットを実施した。引き続き、由利ロール社製プラストカレンダー装置を用いて裏面カレンダー処理を実施して加工布を得た。
得られた加工布を用いて覆布(ドレープ)として縫製した。基本物性を(表1)にまとめた。該覆布(ドレープ)は高圧滅菌処理によっても生地強度の劣化が少なく留まり、実用強度を保持し得るものであった。また高圧滅菌処理による発塵量も少なく留まり、ホスピタルテキスタイルとして好適なものであった。
(比較例1)
緯糸として固有粘度〔η〕が0.70であるポリエチレンテレフタレートセミダル(二酸化チタン含有量0.2重量%)丸中実断面220デシテックス96フィラメントのフラットヤーン(生糸)をダブルツイスターで実撚を350回/m(撚係数K=5191)挿入した糸条を用いた他は実施例1同様の方法で染色加工布を得た。得られた加工布を用いて覆布(ドレープ)として縫製した。基本物性を(表1)にまとめた。該覆布(ドレープ)は高圧滅菌処理による強度低下は殆ど見られず良好なものであったが、表面が平滑でズレ易くホスピタルテキスタイルとして好ましいものにはならなかった。
(比較例2)
組織を5枚経朱子(経糸の最大浮き本数4本)とした以外は実施例1同様の方法で染色加工布を得た。得られた加工布を用いて覆布(ドレープ)として縫製した。基本物性を(表1)にまとめた。経糸の浮き本数が大きい為、バイヤス方向に伸び易く繰返し洗濯、使用によって変形が生じた。また繰返し使用、洗濯、高圧滅菌処理によってピリングやスナッグが起こりホスピタルテキスタイルとしての要求性能的にも好ましいものにはならなかった。
(比較例3)
緯糸として固有粘度〔η〕が0.56であるポリエチレンテレフタレートセミダル(二酸化チタン含有量0.2重量%)丸中実断面84デシテックス36フィラメントを芯糸、鞘糸として流体攪乱加工糸を得た他は実施例1同様の方法で染色加工布を得た。得られた加工布を用いて覆布(ドレープ)として縫製した。基本物性を(表1)にまとめた。繰返し洗濯、高圧滅菌処理の作用でポリエステルの加水分解が加速され、発塵量が増加し引裂強力が低下、ホスピタルテキスタイルの要求性能的に好ましいものにはならなかった。
Figure 2005290575
本発明によれば低発塵性、制電性、撥水性に優れ、洗濯処理や滅菌処理など過酷な処理条件によっても耐久性を有する手術着、覆布(ドレープ)、包布、ベッドシーツ等に有用なホスピタルテキスタイルを得ることが出来る。
本発明の実施態様を示す織物一完全組織図の一例を示すものである。 本発明の実施態様を示す織物一完全組織図の他の一例を示すものである。 本発明の実施態様を示す織物一完全組織図の他の一例を示すものである。 本発明の実施態様を示す織物一完全組織図の他の一例を示すものである。 本発明の実施態様を示す織物一完全組織図の他の一例を示すものである。 本発明の実施態様を示す織物一完全組織図の他の一例を示すものである。 本発明の実施態様を示す織物一完全組織図の他の一例を示すものである。 本発明の実施態様を示す織物一完全組織図の他の一例を示すものである。 本発明の実施態様を示す織物一完全組織図の他の一例を示すものである。

Claims (3)

  1. 固有粘度〔η〕が0.62以上0.95以下の芳香族ポリエステル系マルチフィラメントが経糸及び緯糸に用いられてなる織物であって、前記経糸がフラットヤーンであり、前記緯糸が高圧流体攪乱処理を施された嵩高加工糸であり、経糸及び/又は緯糸の他の一部として制電性ポリエステルフィラメント糸条が5〜25mm間隔に配されてなり、織物一完全組織を構成する経糸浮き本数及び緯糸浮き本数の最大値が1本以上3本以下で、且つ経糸浮き本数の最大値が緯糸浮き本数の最大値以上であることを特徴とする織物。
  2. 芳香族ポリエステル系マルチフィラメントが、エチレンテレフタレートを主たる繰返し単位とするポリエステル樹脂からなり、単繊維繊度が1.5デシテックス以上4.0デシテックス以下であり、且つ、撥水加工が施されてなり、下記式を同時に満足することを特徴とする請求項1に記載の織物。
    初期の引裂強力≧19.6N
    高圧滅菌処理(121℃×26分処理)50回後の引裂強力保持率≧60%
  3. 高圧滅菌処理(121℃×26分処理)50回後の粒径0.3〜50μmの発塵量が500個/m3以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の織物。
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