JP2005290501A - 表面光沢に優れるステンレス鋼板の製造方法 - Google Patents

表面光沢に優れるステンレス鋼板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 焼鈍条件と酸洗条件を共に適切に管理することで、デスケールが容易なスケールを形成させ、下地を過度に侵食することなくデスケールを完遂することで、高い白色度と高い光沢度を両立できるステンレス鋼の焼鈍酸洗条件を見出す。
【解決手段】 ステンレス鋼板を冷間圧延し、その後に酸化性雰囲気中で焼鈍し、引き続き焼鈍後の鋼板を溶融アルカリ塩処理してスケール改質を行い、硝弗酸浸漬にてスケール除去を行うステンレス鋼板の製造方法において、
Y≦0.7X+75.3
但し,Y:酸化雰囲気中での焼鈍処理において、900℃以上の温度域に滞在する時間(sec)、
X:硝弗酸浸漬時間(sec)
なる関係を満足する条件を用いて焼鈍酸洗することを特徴とする表面光沢に優れるステンレス鋼板の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、酸化雰囲気焼鈍、溶融アルカリ塩処理によるスケール改質、硝弗酸浸漬によるスケール除去を行うステンレス鋼板の製造方法に関し、特に表面光沢に優れるステンレス鋼板の製造方法に関するものである。
ステンレス鋼は、化学工業や産業装置分野だけではなく、美しい金属光沢と耐食性を備えた素材として、家電製品、建築建材、各種装飾品、厨房器具、食品関連機器・容器、日用品などにも広く使用されている。ところで、ステンレス鋼は冷間圧延後に、燃焼性ガス雰囲気などの酸化性雰囲気で焼鈍(酸化焼鈍)すると表面に酸化スケールが生成するため、焼鈍後にスケール除去処理を行うのが一般的である。
こうした工程の中で実施される酸洗は、その前工程である焼鈍時に表面に生成した酸化スケールを除去することを目的とするものであるが、スケール除去が完全でない場合には、結果としてステンレス鋼板の表面美観を損ねるのみならず、耐食性を低下させることとなる。従って、酸洗工程では確実にデスケーリングを完了させるために、例えば特許文献1に酸濃度を分析して酸を補給したり酸の消費量に応じて酸を補給する方法が開示されている。また、その処理時間を長く取ったり、使用する酸の組成範囲や使用回数、温度等の管理に厳しい規制を加えたりするなどの格別な配慮が必要である。
この酸洗工程でのデスケーリング技術をより有効に実施する上で、焼鈍中に形成する酸化スケール性状をよりデスケールし易いものに制御することが重要である。こうした中で、特許文献2には酸洗でスケールを除去し易いスケール厚みを0.15μm以下または0.25μm以上となるように焼鈍条件を設定し、脱スケール性を向上させる手法が開示されている。また、特許文献3には所定加熱温度領域を700〜900℃とし、この所定加熱温度領域における昇温速度を50〜200℃/secで急速加熱させることによりスケール生成を抑えスケール除去の酸洗時間を短縮する方法が開示されている。さらに、特許文献4には焼鈍時の雰囲気中の残留酸素濃度を2vol.%以上とし、750℃までを毎秒50℃以上で加熱すると共に750℃を超える温度域に750℃までに要した加熱時間の0.8倍以上滞在させることによりスケール中のCr濃度を増大させ中性塩溶液による電解デスケールがより容易となる技術が開示されている。
特開昭58−147569号公報 特開平11−269539号公報 特開平6−212283号公報 特開平5−306413号公報
ところで、ステンレス鋼の表面品質に対する要求は近年益々厳しくなっている。従来のスケールが除去できていれば良いというレベルから、光学機器で計測される白色度を高位に保ち、しかも製造ロット間で均一に揃えることや、高い光沢度と白色度を共に有するなどという高い品質が求められている。この際、酸洗デスケールにおいて、過度に下地侵食を行うと、光沢度が低下し好ましくない。しかし、光沢を高めようとデスケールを弱めると軽微なスケール残りに起因する黄ばみが生じ、白色度を高めることができなくなる。また、高い光沢と白さを両立するためには、粒内は平坦で粒界のみが酸で侵食された表面形態とする必要がある。
そこで、発明者らは、焼鈍条件と酸洗条件を共に適切に管理することで、デスケールが容易なスケールを形成させ、下地を過度に侵食することなくデスケールを完遂することで、高い白色度と高い光沢度を両立できるステンレス鋼の焼鈍酸洗条件を見出すことを試み成功した。
即ち、本発明の要旨とするところは以下の通りである。
(1)ステンレス鋼板を冷間圧延し、その後に酸化性雰囲気中で焼鈍し、引き続き焼鈍後の鋼板を溶融アルカリ塩処理してスケール改質を行い、硝弗酸浸漬にてスケール除去を行うステンレス鋼板の製造方法において、
Y≦0.7X+75.3
但し,Y:酸化雰囲気中での焼鈍処理において、900℃以上の温度域に滞在する時間(sec)、
X:硝弗酸浸漬時間(sec)
なる関係を満足する条件を用いて焼鈍酸洗することを特徴とする表面光沢に優れるステンレス鋼板の製造方法。
(2)鋼板を酸化性雰囲気中で900℃以上に焼鈍するまでの各温度域での酸素濃度が、500℃未満で3%未満、500℃以上900℃未満で5%未満、900℃以上で5%以上10%未満であることを特徴とする上記(1)に記載の表面光沢に優れるステンレス鋼板の製造方法。
(3)鋼板を900℃以上に焼鈍した後の冷却において、500℃以下までの鋼板の平均冷却速度が5℃/sec以上20℃/sec以下であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の表面光沢に優れるステンレス鋼板の製造方法。
(4)焼鈍後の鋼板を溶融アルカリ塩処理する時の溶融アルカリ塩の温度が440℃以上480℃以下、およびその時の鋼板の温度が420℃以上450℃以下であることを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の表面光沢に優れるステンレス鋼板の製造方法。
(5)溶融アルカリ処理と硝弗酸浸漬の間に、電解酸洗を実施することを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の表面光沢に優れるステンレス鋼板の製造方法。
(6)上記(5)に記載の電解酸洗において、濃度が100g/L以上150g/L以下の硝酸と、100g/L以下の硫酸ナトリウムの混合液を用い、電流密度が20mA/cm2以上100mA/cm2以下であることを特徴とする表面光沢に優れるステンレス鋼板の製造方法。
本発明は、ステンレス鋼板を冷間圧延し、その後に酸化性雰囲気中で焼鈍し、引き続き焼鈍後の鋼板を溶融アルカリ塩処理してスケール改質を行い、硝弗酸浸漬にてスケール除去を行うステンレス鋼板の製造方法において、焼鈍温度が900℃以上の時間(Y)と硝弗酸浸漬時間(X)の関係をY≦0.7X+75.3、溶融アルカリ塩処理時の溶融アルカリ塩の温度を440℃以上480℃以下、溶融アルカリ塩処理時の鋼板表面温度が420℃以上450℃以下、硝弗酸浸漬時の温度を55℃以上60℃以上、電解酸洗時に濃度が100g/L以上150g/L以下の硝酸と100g/L以下の硫酸ナトリウムの混合液を用い、電流密度を20mA/cm2以上100mA/cm2 以下とすることにより、表面光沢に優れたステンレス鋼板を製造することができる。
以下に、本発明の範囲の限定理由について述べる。
酸化性雰囲気での焼鈍の後に、溶融アルカリ塩処理を行い、その後に硝弗酸浸漬を行うのは、低コストで高効率にスケール除去を実施すると共に材質造り込みを行うためである。すなわち、冷間圧延後のステンレス鋼は加工硬化しており、これを軟質化するために焼鈍が必要である。焼鈍には酸化性雰囲気で行うものと還元性雰囲気で行うものとがあるが、後者に比べ前者は設備費・操業費用共に低コスト化が可能である。酸化性雰囲気での焼鈍では、ステンレス鋼の基本成分であるFeとCrの酸化物が濃縮したスケールが生成する。Cr酸化物は酸類には溶解しにくいため溶融アルカリ塩に浸漬し除去することが好適である。その後、残存物であるFe酸化物の溶解と下地金属/スケール界面に生じたCr欠乏層の溶解のためには、硝弗酸浸漬が好適である。以上より、本発明では、冷間圧延後に酸化性雰囲気で焼鈍し、引き続き溶融アルカリ塩処理を行い、更に硝弗酸浸漬を行うものとした。
尚、溶融アルカリ塩の組成は特に限定しないが、NaOHやKOHなどのアルカリおよびアルカリ土類金属の水酸化物を主成分として、これにNaNO3やKMnO4などのCr3+/Cr6+の酸化還元電位よりも貴な平衡電位を有する物質を添加したものが好適である。
次いで、900℃以上の焼鈍時間と硝弗酸浸漬時間の限定理由について述べる。硝弗酸浸漬時間に関しては、焼鈍で生じたスケールがデスケール処理で容易に除去可能で、過度に下地侵食を行わない程度に長いことが好適であるが、焼鈍炉の加熱能力や鋼材の板厚などで通板速度が決定されるため、硝弗酸槽長からおのずと浸漬時間が決められてしまう。また、焼鈍時間に関しては、スケール抑制の観点から短いほど好ましいが、材質確保のためにも、極端に短くすることは不可能である。尚、表面の高い光沢と白さを両立させるためには、高温での長時間保定は特に好ましくない。900℃以上の滞留時間が長いと、急速にCr、Mnスピネル酸化物とSiO2が発達し、溶融アルカリ塩処理した後、硝弗酸浸漬を行っても残留するため、軽微なスケール残りに起因する黄ばみが生じ、白色度を高めることができなくなる。このため、可能な限り900℃以上の温度域での焼鈍時間を短くし、Mn、Siを酸化させずに硝弗酸浸漬で除去可能なCr2O3のみを生成させる事が好ましい。具体的には、硝弗酸浸漬時間(X)と900℃以上の温度域での焼鈍時間(Y)の関係を、Y≦0.7X+75.3にする。
ところで、ステンレス鋼を酸化性雰囲気中で900℃以上に焼鈍する場合において、焼鈍スケールの成長を促進させるものは、高温域での保定時間だけでなく各温度域での酸素濃度を特に規定する必要がある。したがって、特に高い表面性状を必要とする場合には温度500℃未満で酸素濃度3%未満、500℃以上900℃未満で5%未満、900℃以上で10%未満にすることが好適である。更に、焼鈍後の冷却も5℃/sec以上で急速冷却することで、900℃以上の滞留時間を短くしてやることも望ましい。しかし、焼鈍設備の制約から冷却速度は、20℃/sec以下とする。
次に、溶融アルカリ塩処理に関した事項に関して述べる。溶融アルカリ塩にステンレス鋼の酸化スケールを浸漬すると、Crなどの酸化物は酸化溶解され、硝弗酸浸漬にて除去可能なFe酸化物が残存することになる。しかし、溶融アルカリ塩の温度が低すぎるとMn、Si酸化物は溶解できない。Mn、Si酸化物を溶解するためには、溶融アルカリ塩の温度を440℃以上にすると好ましい。しかし、工業生産に使用されている溶融アルカリ塩の最高温度は500℃であり、これ以上高温化すると、溶融アルカリ塩バス本体の耐久性に問題が生じる可能性があるため、480℃以下とすると好ましい。また、ソルト温度が過度に高い場合には、デスケール反応に加え鋼材の溶解が過度に進行し、製品の表面品質を低下させるという問題点もある。そこで、本発明では、溶融アルカリ塩の温度を440℃以上480℃以下とした。
また、鋼材が溶融アルカリ塩に浸漬される際の板温も、高いほどスケール改質が促進されることから、420℃以上にすることが好適である。しかし、溶融アルカリ塩バス本体のロールなど鋼材と接する設備の耐久性に問題が生じる可能性があるため、450℃以下とする必要がある。
次に、硝弗酸浸漬に関する事項について述べる。硝弗酸浸漬では、溶融アルカリ塩処理により生じたFe酸化物を溶解除去することが目的である。酸液の濃度および温度が高いほどFe酸化物の除去が容易に行われる。この際、酸洗デスケールにおいて、過度に下地侵食を行うと、光沢度が低下し好ましくない。しかし、光沢を高めようとデスケールを弱めると軽微なスケール残りに起因する黄ばみが生じ、白色度を高めることができなくなる。また、高い光沢と白さを両立するためには、粒内は平坦で粒界のみが酸で侵食された表面形態とする必要がある。下地侵食を行うことなく軽微なスケール残りに起因する黄ばみを防止するためには、濃度が30g/L以上50g/L以下の弗酸と80g/L以上120g/L以下の硝酸を使用し、酸液の温度を55℃以上60℃以上にすることが望ましい。
次に、溶融アルカリ塩処理と硝弗酸浸漬の間に行う電解酸洗に関する事項について述べる。ところで、焼鈍材を溶融アルカリ塩処理した後に、硝弗酸浸漬のみでデスケールを実施する場合、硝弗酸が過度にステンレス鋼母地を侵食し表面性状を低下させることがある。これを防止し高い光沢と白色度を両立させる際には、硝弗酸浸漬の前に予備デスケールとして電解処理を実施し、硝弗酸浸漬時間の短縮や温度・濃度低減などを行うことが望ましい。その際の電解液としては、硝酸、リン酸、硫酸、中性塩水溶液など種々の物が適用可能であるが、望ましくは硝酸と硫酸ナトリウムの混合液が好適である。その際、硝酸濃度は100g/L以上とすることが望ましい。これは硝酸濃度が低いと、鋼材の自己不働態化作用が失われ金属素地の溶解が起こり光沢が低下するためである。また、硝酸濃度を150g/L超にすると設備に腐食が発生するため、硝酸濃度は100g/Lから150g/Lにする必要がある。硫酸ナトリウムは電解処理時に触媒作用的に働き、スケールのみの溶解を促進する効果を有する。溶解限である100g/L程度まで添加しても構わないが、コストと製品特性とのバランスを考慮すると15〜25g/Lの添加が最適である。また、電解電流密度であるが、電流値が低いとスケール溶解効果が弱く表面性状向上効果を期待できない。硝弗酸への浸漬時間を短縮し、表面性状向上効果を得るには、20mA/cm2以上の電解電流が不可欠である。電流は大きくても問題がないため上限は規定しないが、電流効率の点から概ね100mA/cm2以下が好適である。過度の電流は水の電気分解に電流を消費するのみで、スケール溶解速度は電流増加に見合うほど向上しないためである。
以下、下記の実施例1〜8に基づいて本発明を詳細に説明する。
表1に示す化学組成が異なるステンレス鋼を真空溶解にて製造し、2.0mm厚さまで冷間圧延−焼鈍処理−溶融アルカリ塩処理−硝弗酸浸漬の工程を用いて焼鈍とスケール除去を行った。尚、実施例7、8では硝弗酸浸漬前に電解酸洗を施した。焼鈍は実施例2を除いて焼鈍条件を模擬した18vol%O2+11vol%H2O+12vol%CO2+残部N2の雰囲気内で赤外線加熱方式で加熱した。熱処理温度は1080℃とし、900℃以上の滞留時間は実施例1を除いて120secとした。1080℃から500℃以下までの鋼板の冷却速度は、実施例3を除いて5℃/secとした。溶融アルカリ塩処理には30wt%NaNO3+2.5%KOH+2.5%NaCl+残部NaOHという混合塩を使用し、浸漬した後、水冷・乾燥した。硝弗酸浸漬は実施例5を除いて30g/Lの弗酸と80g/Lの硝酸を使用し、浸漬した後、水冷・乾燥した。そして、鋼板の表面品質は、光沢度と白色度の機器測定で評価した。
光沢度は、JIS Z 8741に基づく鏡面光沢度Gs45°で、鋼板の白色度b*はJIS Z 8715に基づいて計測した。表面品質としては、b*値がゼロに近いほど優れている。これに加え、Gs45°が240以上310以下であるものは、特に極めて良好と判断した。
Figure 2005290501
(実施例1)
表2に示すように、900℃以上の滞留時間、溶融アルカリ塩処理時間、硝弗酸浸漬時間を変化させて処理を行った。
Figure 2005290501
図1に硝弗酸浸漬時間と900℃以上の滞留時間を変化させた時の、処理条件とb*値との関係を整理した。図中の印は、「×」はb*値が2.4以上、「△」は、2.4未満1.7越、「○」は1.7以下1.0越、「◎」は1.0以下であることを示している。
「○」と「◎」が本発明の範囲であり、「×」と「△」は比較例である。この図より、900℃以上の滞留時間(sec)をY、硝弗酸浸漬時間(sec)をXとした時、Y≦0.7X+75.3の関係をみたすことで良好な表面品質の鋼板を得ることができることが分かる。さらに、必要に応じてはY≦0.7X+31.0の関係を満たすことでより優れた表面品質の鋼材を得ることができる。
(実施例2)
表2に示すように900℃以上の滞留時間を120secとし、500℃未満、500℃以上900℃未満、900℃以上の時の酸素濃度を変化させて処理を行った。
図2に各温度域での酸素濃度と表面評価の関係を示す。この図より、各温度域での酸素濃度を500℃未満で3%未満、500℃以上900℃未満で5%未満、900℃以上で5%以上10%未満を満たすことで、良好な表面品質の鋼板を得ることができることが分かる。
(実施例3)
表3に示すように900℃以上の滞留時間を120secとし、500℃以下に冷却するまでの冷却速度を変化させて処理を行った。
Figure 2005290501
図3に1080℃から500℃以下に冷却するまでの冷却速度と白色度(b*)の関係を示す。この図より、冷却速度を5℃/sec以上を満たすことで、良好な表面品質の鋼板を得ることができることが分かる。さらに、必要に応じては冷却速度を10℃/sec以上を満たすことでより優れた表面品質の鋼材を得ることができる。
(実施例4)
表3に示すように900℃以上の滞留時間を120secとし、溶融アルカリ塩処理時の鋼板の温度と浴温度を変化させて処理を行った。
図4に溶融アルカリ塩処理時の浴温度と白色度の関係を、図5には溶融アルカリ塩処理時の鋼板の温度と白色度の関係を示す。この図より、浴温度が440℃以上、鋼板の温度420℃以上を満たすことで、白色度(b*)が1.7以下となる良好な表面品質の鋼板を得ることができることが分かる。さらに表2に示すように、この範囲ではGs45°についても、特に極めて良好と判断できる。
(実施例5)
表4に示すように900℃以上の滞留時間を120secとし、弗酸濃度を変化させて処理を行った。硝酸濃度は80g/Lとし、硝弗酸の温度は50℃とした。
Figure 2005290501
図6に硝弗酸浸漬時の弗酸濃度と白色度の関係を示す。この図より、鋼Aは請求項1を満たしていれば硝弗酸濃度に関係なく白色度(b*)で△(2.4未満1.7越)になる。しかし、鋼Bは弗酸濃度30g/L以上を満たすことで、白色度(b*)で△を得ることができることが分かる。
(実施例6)
表4に示すように900℃以上の滞留時間を120sec、硝弗酸浸漬時間を33.7secとし、硝弗酸の温度を変化させて処理を行った。弗酸濃度は30g/Lとし,硝酸濃度は80g/Lとした。また,試験片は表1の鋼B(Mn量:1.46mass%)とした。
図7に硝弗酸浸漬時の硝弗酸の温度と白色度の関係を示す。この図より、硝弗酸温度55℃以上を満たすことで、良好な表面品質の鋼板を得ることができることが分かる。
(実施例7)
表1の鋼B(Mn量:1.46mass%)について、表5に示すように電解酸洗の条件を変化させて処理を行った。電解酸洗時間は、SUS304鋼を対極として、試験片を8sec間カソード電解を施した後、自然浸漬電位に4sec間保持し、その後直ちに8sec間アノード電解を実施した。カソードとアノード電解時の電流密度は、共に20mA/cm2とした。表5に示すように電解酸洗処理を施すことで、良好な表面品質の鋼板を得ることができた。
Figure 2005290501
(実施例8)
表1の鋼B(Mn量:1.46mass%)について、表6に示すように、硫酸ナトリウムの濃度を変化させて処理を行った。硝酸濃度は100g/L、温度を50℃とし,電解電流密度は20mA/cm2とした。
Figure 2005290501
図8に電解酸洗処理時の硫酸ナトリウムの濃度と白色度の関係を示す。この図より、硫酸ナトリウム濃度が1g/L以上を満たすことで、良好な表面品質の鋼板を得ることができることが分かる。さらに表6から、この範囲ではGs45°についても、特に極めて良好と判断できる。
硝弗酸浸漬時間と900℃以上の滞留時間による、茶濁模様の評価結果を示す図である。 各焼鈍温度域での酸素濃度と茶濁模様の評価結果を示す図である。 1080℃から500℃以下に冷却するまでの冷却速度と白色度との関係を示す図である。 溶融アルカリ塩処理時の浴温度と白色度との関係を示す図である。 溶融アルカリ塩処理時の鋼板の温度と白色度との関係を示す図である。 硝弗酸浸漬時の弗酸濃度と白色度との関係を示す図である。 硝弗酸浸漬時の硝弗酸の温度と白色度の関係を示す図である。 電解酸洗処理時の硫酸ナトリウムの濃度と白色度の関係を示す図である。

Claims (6)

  1. ステンレス鋼板を冷間圧延し、続いて酸化性雰囲気中で焼鈍処理し、続いて溶融アルカリ塩処理し、続いて硝弗酸水溶液で酸洗処理してスケール除去を行う製造方法において、
    焼鈍処理および酸洗処理を1式を満足する条件で行うことを特徴とする表面光沢に優れるステンレス鋼板の製造方法。
    Y≦0.7X+75.3 1式
    但し、Y:酸化雰囲気中での焼鈍処理において、900℃以上の温度域に滞在する時間(sec)
    X:硝弗酸水溶液での酸洗時間(sec)
  2. 請求項1に記載の焼鈍処理における各温度域での酸素濃度が、500℃未満では3%未満,500℃以上900℃未満では5%未満、900℃以上焼鈍温度以下では5%以上10%未満に制御して焼鈍処理を行うことを特徴とする表面光沢に優れるステンレス鋼板の製造方法。
  3. 焼鈍処理の冷却速度が、焼鈍温度から500℃までの平均冷却速度が5℃/sec以上20℃/sec以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面光沢に優れるステンレス鋼板の製造方法。
  4. 溶融アルカリ塩処理温度が440℃以上480℃以下、およびその時の鋼板の温度が420℃以上450℃以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の表面光沢に優れるステンレス鋼板の製造方法。
  5. 溶融アルカリ塩処理と硝弗酸浸漬の間に、電解酸洗処理を実施することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の表面光沢に優れるステンレス鋼板の製造方法。
  6. 請求項5記載の電解酸洗処理が、硝酸濃度が100g/L以上150以下、硫酸ナトリウム濃度が100g/L以下の混合水溶液を用い、電解電流密度が20mA/cm2以上100mA/cm2以下であることを特徴とする表面光沢に優れるステンレス鋼板の製造方法。
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JP2017014538A (ja) * 2015-06-26 2017-01-19 新日鐵住金ステンレス株式会社 耐熱性と表面平滑性に優れた排気部品用オーステナイト系ステンレス鋼板およびその製造方法

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