JP2005290208A - インク組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 着色剤の分散性に優れ、経時安定性が良好であり、印刷用基材表面に塗布した場合の印刷部分の着色性および耐水性に優れ、そして良好な平滑性を付与するインク組成物を提供すること。
【解決手段】 金属石鹸を含有するインク組成物であって、該金属石鹸の平均粒子径が0.01μm〜4μmであり、粒度分布の標準偏差が0.4以下であり、かつ95質量%粒子径が該平均粒子径の3倍以下である、組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、筆記用具、記録計、ペンプロッター、インクジェットプリンターなどに用いられ得るインク組成物に関する。
インクは、油性インクおよび水性インクに大別され、いずれのタイプにおいても、顔料や染料などの着色剤、該着色剤を印刷媒体に安定に定着させるためのビヒクル、および溶媒が含有されている組成物である。インク組成物に求められる性能としては、経時安定性、着色性、および定着性、ならびに印刷部分(インクを紙などの印刷用基材表面に付与した場合の筆記、印字、または印画された部分)の耐水性および印刷面の平滑性が挙げられる。特に、溶媒に対して不溶性の着色剤をインク組成物に使用する場合は、インクの着色性、発色性などをよくするために、より均一に着色剤をインク組成物中に分散され、かつその状態を経時的に安定に維持することが必要となる。
インク組成物の経時安定性を高める目的で、界面活性剤またはポリオール、ポリエーテルなどの分散助剤を添加することが知られている。例えば、特許文献1には、カルボキシル基とノニオン親水基とを分子内に有する水分散性樹脂、すなわち界面活性作用を有する樹脂を含有するインク組成物が開示されている。特許文献2には、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテルと脂肪酸エトキシレートアルコール類とを含有するインク組成物が開示されている。しかし、界面活性剤、ポリオール、またはポリエーテルを含有するインクを使用する場合、印刷部分の親水性が高いため、印刷物の乾燥速度が低下し易く、さらに空気中の水分を吸収しやすいため、充分な耐水性が得られ難いという欠点がある。
ところで、耐水性および平滑性を高める目的で、インク組成物には、様々な添加剤が使用されている。例えば、特許文献3には、2−ピロリドンN−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドンなどのピロリドン化合物を含有する耐水性に優れたインク組成物が開示されている。特許文献4には、シクロデキストリンを含有する耐水性および透明性に優れたインク組成物が開示されている。
しかし、これらの添加剤は、着色剤の分散助剤としては機能しないため、界面活性剤などの分散助剤を併用する必要があり、分散助剤の影響により印刷部分に耐水性および良好な平滑性を得ることが困難である。
インク組成物中の着色剤の分散性、印刷部分の耐水性、および印刷面の平滑性を同時に付与し得る化合物として、ステアリン酸亜鉛およびステアリン酸カルシウムに代表される金属石鹸が知られている。金属石鹸は、着色剤、特に顔料の分散助剤として働き、これらと樹脂などを含有するインク組成物は、印刷部分の耐水性を高め、得られる印刷面に平滑性を付与することが知られている。
しかしながら、インク組成物に用いられる金属石鹸は、大きな粒子を多量に含み、平均粒子径も10μmと大きい。さらに粒子径分布も広い。そのため、印刷面の表面粗さを増加させ、インクの塗布表面の平滑性が不充分となる。また、着色剤の分散性も充分とはいえず、インク中の着色剤が凝集、沈降し易い。
また、このような大きな粒子を多量に含み、粒子径分布が広い金属石鹸を含有するインクを、ボールペンやマジックペン用のインクとして用いる場合は、ボール近傍のインク供給部分やマジックのフェルト部分を金属石鹸粒子や着色剤が閉塞し、筆記、印字、印画などにかすれが生じたり描画切れが生じる。さらに微細化されたインク噴射ノズルを有するインクジェット印刷用のインクでは、ノズルの閉塞によって印刷作業が継続できないなどの問題がある。
特開平5−239392号公報 特開平8−41392号公報 特開平5−140495号公報 特開平5−132642号公報
本発明の目的は、着色剤の分散性に優れ、経時安定性が良好で、さらに紙などの印刷用基材表面に塗布した場合の印刷部分の着色性および耐水性に優れ、そして良好な平滑性を付与するインク組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決する為に鋭意研究を重ねたところ、特定の範囲の平均粒子径、粒度分布、および95質量%粒子径を有する金属石鹸を含有するインク組成物が、着色剤の分散性に優れ、経時安定性が良好であり、さらに印刷用基材表面に塗布した場合の印刷部分の着色性および耐水性に優れ、そして印刷面の良好な平滑性を付与することを見出して、本発明を完成するに至った。
本発明のインク組成物は、金属石鹸を含有し、該金属石鹸の平均粒子径が0.01μm〜4μmであり、粒度分布の標準偏差が0.4以下であり、かつ95質量%粒子径が該平均粒子径の3倍以下である。
好ましい実施態様においては、上記平均粒子径が0.01μm〜0.5μmであり、上記粒度分布の標準偏差が0.2以下である。
本発明の特定の平均粒子径および粒度分布を有する金属石鹸を含有するインク組成物は、着色剤などの、含有される成分の分散性が良好であるため経時安定性が良好で、印刷用基材表面に塗布した場合の印刷部分の着色性および耐水性に優れ、かつインクの塗布表面が平滑である。本発明のインク組成物は、ボールペン、修正ペン、インクジェットプリンターなどに用いた場合に目詰まりを生じることなく滑らかな筆記特性が持続して得られる。
本発明のインク組成物は、金属石鹸を含有し、この金属石鹸の平均粒子径は0.01μm〜4μmであり、粒度分布の標準偏差が0.4以下であり、かつ95質量%粒子径が該平均粒子径の3倍以下である。
(金属石鹸)
本発明に用いられる金属石鹸は、高級脂肪酸の多価金属塩である。金属石鹸を構成する高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸などが挙げられる。印刷部分の耐水性が高く、良好な平滑性を付与する点から、パルミチン酸、ステアリン酸、およびベヘン酸がより好ましい。金属石鹸を構成する多価金属原子としては、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、コバルト、ニッケル、銅、バリウム、鉄などが挙げられる。印刷部分の耐水性が高く、良好な平滑性を付与する点から、特に結晶性が高く強固な潤滑膜を形成することができる2価の金属原子、例えば、マグネシウム、カルシウム、および亜鉛が好ましい。本発明の金属石鹸は、従来の金属石鹸に比べて分散性に優れ、インクに用いられる着色剤などの添加剤と共に含有される場合にはこれらの添加剤の分散性を高めることができる。
本発明に用いられる金属石鹸の平均粒子径は、0.01μm〜4μm、好ましくは0.01μm〜0.5μm、より好ましくは0.01μm〜0.1μmの範囲にある。特に、平均粒子径が0.01μm〜0.5μmの金属石鹸は、微細粉末の無機顔料などを着色剤とする場合に、この微細粉末に充分な分散性を付与し、インク組成物の経時安定性を向上させ得る。その結果、インクを紙などの印刷用基材表面に塗布したときの表面の平滑性に優れ、該塗布部分(印刷部分)の着色性および耐水性に優れる。
本発明に用いられる金属石鹸は、上述のように、粒度分布の標準偏差が0.4以下であり、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.15以下である。特に、粒度分布の標準偏差が0.2以下の金属石鹸は、微細な無機顔料などの着色剤に対して充分な分散性を付与し、インク組成物の経時安定性を向上させ得る。その結果、該金属石鹸を含むインクを用いて印刷を行ったときに印刷部分の表面の平滑性に優れ、着色性および耐水性に優れる。
本明細書において、粒度分布の標準偏差は、「WingSALD-2100 Operating Manual、第26頁、Shimazu Corp.」に記載のように、粒子径スケールを対数スケールにした場合における標準偏差であり、例えば、平均粒子径を10μとしたときのμが式1で表される場合に、粒度分布の標準偏差σは、以下の式2で表される。
Figure 2005290208
ここで、xは粒子径を示す。qは粒子径区間[x,x]に対応する相対粒子量(差分%)を示す。
Figure 2005290208
粒度分布の標準偏差σは、その値が小さいほど、粒度分布がシャープであり、粒子群が均一であることを示す。例えば、平均粒子径10μ(μm)が0.01(10−2)μmでかつ標準偏差σが0.4で表される金属石鹸は、粒度分布{10(μ±σ)}が10(−2±0.4)である。すなわち約0.004μm〜約0.025μmの範囲の粒子群であることを示す。
本発明に用いられる金属石鹸は、95質量%粒子径が平均粒子径の3倍以下である。このような金属石鹸は、粒度分布の粒度幅がより狭く、平均粒子径より大きい粒子が非常に少ない。本明細書において、95質量%粒子径とは、粉体の粒度累積曲線(粒子径と、粒子の小粒径側から積算量(質量基準)との関係を示す曲線)において、積算量が95質量%の点に対応する粒子径をいう。
金属石鹸が(i)平均粒子径が0.01μm〜4μmの範囲であること、(ii)粒度分布の標準偏差が0.4以下であること、および(iii)95質量%粒子径が平均粒子径の3倍以下であることの条件のいずれか1つを満たさない場合には、金属石鹸自体の分散性が不充分であり、着色剤、添加剤などのインク組成物に含有される金属石鹸以外の材料の分散性を高めることができず、得られるインク組成物の経時安定性が充分でない。このようなインク組成物は、印刷面の平滑性も不充分であり、印刷部分の着色性および耐水性にも劣る。さらに、ボールペン、修正ペン、またはインクジェットプリンターに用いた場合には、目詰まりを生じる場合がある。
上記平均粒子径、粒度分布の標準偏差、および95質量%粒子径の測定は、例えば、篩分け法、沈殿法、顕微鏡法、光走査法、レーザー回折散乱法などの当業者が通常用いる測定方法を用いて行われる。これらの中でも、より微細な粒子を精度よく測定できる点から、光走査法、レーザー回折散乱法などが好適に用いられる。
本発明に用いられる金属石鹸は、上記の特性を有するものであればよく、その製造方法は特に制限されない。従来の方法で得られた金属石鹸を粉砕し、上記範囲を満たすように分級して回収することにより上記特性を有する粉末を得ることができる。炭素数4〜30の脂肪酸の塩(アルカリ金属塩、アンモニウム塩など)を0.001質量%〜20質量%含有する水溶液(以下、脂肪酸含有液と記す)と、無機金属塩を0.001質量%〜20質量%含有する水溶液または水分散液(以下、無機金属塩含有液と記す)とを、生成する金属石鹸の結晶転移開始温度以下の温度(通常、40℃〜90℃)で混合する方法が好適である。このようにして金属石鹸スラリーが得られる。
上記金属石鹸スラリーは、さらに、フィルタープレス、加圧濾過などを用いて含有する水分をある程度除去する(金属石鹸ケーキ)、あるいはさらに水または低級アルコールもしくはそれらの混液を用いて数回洗浄して、含有される無機塩等の不純物を除去してもよい(精製金属石鹸ケーキ)。さらに金属石鹸スラリー、金属石鹸ケーキ、または精製金属石鹸ケーキを粉末化して、あるいはこれらの粉末を水または溶剤に分散させて、金属石鹸分散液として用いてもよい。上記の中でも、精製金属石鹸ケーキまたはその乾燥粉末を利用するのが特に好適である。粒子径が大きい場合は、さらに粉砕等の処理を施してもよい。
上記の脂肪酸含有液と無機金属塩含有液とを所定の条件で混合する金属石鹸の製造方法において、特に平均粒子径が0.5μm以下の金属石鹸を得るためには、具体的には、以下の方法で行うことが好ましい。まず、脂肪酸を2〜3質量%含有する脂肪酸含有液および無機金属塩を0.5〜1質量%含有する無機金属塩含有液をそれぞれ調製し、これらの含有液が均一に混合できる下限の温度、すなわち脂肪酸含有液が凝固しない程度の低い温度(例えば、65℃以下)に設定して混合する。さらに、得られた金属石鹸スラリーを速やかに冷却・濾過・水洗し、50℃以下、好ましくは0℃〜30℃にて乾燥する。
平均粒径0.1μm以下の金属石鹸を得る場合は、前述した条件に加えて、脂肪酸含有液と無機金属塩含有液とを例えば、マイクロリアクターなどを用いて、微細な空間内で混合することにより反応させ、反応後に得られる金属石鹸スラリーを瞬間的に冷却することが好ましい。例えば、金属石鹸スラリーを冷水中または氷中に直接流し込む方法、金属石鹸スラリーを、瞬間的に冷却可能な微細な空間を有する冷却装置(熱交換装置など)に通す方法などが好適に用いられる。得られた金属石鹸スラリーは、さらに常温以下で乾燥することが好ましい。このような乾燥方法としては、フリーズドライ乾燥装置などを用いた凍結乾燥法、エバポレーター、減圧乾燥装置などを用いた減圧乾燥法または真空乾燥法などが挙げられる。
(インク組成物)
本発明のインク組成物は、上記金属石鹸を含有し、通常、該金属石鹸を分散される溶剤を含有する。用途に応じて、着色剤および樹脂を含有し、さらに必要に応じて、pH調整剤およびその他の添加剤を含有し得る。
本発明のインク組成物に含有される金属石鹸は、従来の金属石鹸に比べてそれ自体分散性に優れ、着色剤、樹脂などと共にインクを調製する場合には、着色剤、樹脂などの分散性を高めることができる。特に、平均粒子径が0.5μm〜4.0μmの金属石鹸は、光の隠蔽性に優れているため白色着色剤として使用可能である。本発明のインク組成物中の金属石鹸の含有量は特に制限されない。本発明のインク組成物に金属石鹸以外の着色剤(後述)が含有される場合、金属石鹸の含有量は、金属石鹸以外の着色剤100質量部に対して、0.5質量部〜100質量部であることが好ましい。0.5質量部未満の場合は、金属石鹸の特性が充分に発揮されず、100質量部を超える場合は、着色剤の色調に対して影響を及ぼす場合がある。
溶剤は、インクの所望の乾燥速度を得る目的で、あるいは印刷媒体に応じて含有される。溶剤は、当業者が通常用いる溶剤であれば特に制限はない。例えば、水、炭化水素系溶媒(トルエンなど)、環状炭化水素系溶媒(シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなど)、エーテル系溶媒、低沸点アルコール系溶媒(エタノールなど)、ケトン系溶媒、グリコールエーテル系溶媒、高沸点アルコール系溶媒、高沸点エステル系溶媒、グリコールエーテル系溶媒、アルデヒド系溶媒、アミン系溶媒、アミド系溶媒、イミド系溶媒などが挙げられる。これらの中でも水溶性の有機溶剤が好ましい。水溶性有機溶剤としては、具体的には、以下の化合物が挙げられる:ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;ポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール(ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなど)、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグリコール、へキシレングリコール、ジエチレングリコールなどの炭素数が2〜6のアルキレングリコール類;グリセリン;1,2,6−へキサントリオール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどの多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリエタノールアミン、スルホラン、ジメチルサルフォキサイド、2−ピロリドン、ε−カプロラクタムなどの環状アミド化合物;スクシンイミドなどのイミド化合物など。これらの溶剤は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。特にインク組成物をインクジェット印刷用インクとして利用する場合は、上記水溶性有機用剤と水との混合溶媒が好ましい。
溶剤の含有量は、インク組成物の用途あるいは溶剤の種類に応じて適宜設定される。例えば、インク組成物をインクジェット印刷用インクとして利用する場合、溶剤は、該組成物中に好ましくは20質量%〜98質量%の割合で含有される。水と水溶性有機溶剤との混合溶媒を用いる場合は、インク組成物中に、水溶性有機溶剤が好ましくは1質量%〜40質量%、より好ましくは3質量%〜30質量%の割合となるように含有され、かつ水が好ましくは30質量%〜95質量%の割合となるように含有される。水の含有量が30質量%より少ないと、着色材料の溶解性等が悪くなるため、インクの粘度も高くなる場合がある。一方、95質量%より多いと、蒸発成分が多すぎるため被記録材に対してインクの充分な固着特性が得られない場合がある。
着色剤は、染料、顔料などのボールペンインク、フェルトインクおよびインクジェット印刷用インクなどに通常使用される着色剤であれば特に制限はない。これらの着色剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
染料としては、例えば、バリファーストブラック#1805、バリファーストバイオレット#1701(以上、オリエント化学工業製、登録商標)、スピロンオレンジGRH、スピロンレッドBEH、スダンブルーIIベース、オーラミン、ローダミン、メチルバイオレット、マラカイトグリーン、クリスタルバイオレット、ビクトリアブルーBOH、Direct Yellow86、 Acid Yellow23、 Acid Yellow17、Acid Red14、Acid Red52、Acid Red92、Acid Red249、Acid Red254、 Acid Red289、Direct Blue199、Acid Blue9、Acid Blue92、Direct Black154、 Food Black2などが挙げられる。
顔料としては、例えば、アゾ系顔料、縮合ポリアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料(アルミニウムフタロシアニン、シアニンブルーなど)、キナクリドン系顔料(ジメチルキナクリドン)、アンスラキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、ペリノン−ペリレン系顔料、イソインドリノン系顔料、ベンゾイミダゾロン系顔料などの有機顔料;酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラックなどの無機顔料;有機または無機の蛍光体を成分とした蛍光顔料などが挙げられる。
着色剤の含有量は、用途に応じて任意である。例えば、インク組成物をボールペンインク、フェルトインクとして利用する場合、着色料は、該組成物中に0.1質量%〜50質量%、好適には1質量%〜30質量%、インクジェット印刷用インクとして利用される場合は、該組成物中に0.1質量%〜15質量%、好適には0.1質量%〜10質量%含有される。
樹脂は、着色剤や金属石鹸を印刷媒体に定着させる目的で含有される。従来からインクに用いられている樹脂であれば特に制限はない。例えば、スチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ビニルナフタレン樹脂、塩化ビニリデン樹脂、アクリルアミド樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、フェノール樹脂、クマロンインデン樹脂、アクリル樹脂(メタクリル樹脂など)、ビニルピロリドン樹脂、ポリエステル樹脂(マレイン酸誘導体、イタコン酸誘導体、フマル酸誘導体などの多価カルボン酸と多価アルコールとから得られる)、ポリビニルアルコール系樹脂(ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラールなど)天然樹脂(ロジン、シェラック、デンプンなど)などが挙げられる。
樹脂は、インク組成物中に好ましくは0.1質量%〜30質量%の割合で含有される。インク組成物をインクジェット印刷用インクとして利用する場合は、該組成物中に0.1質量%〜15質量%の割合で含有されることが特に好ましい。
pH調整剤、特にインク組成物をインクジェット印刷用インクとして利用する場合のpH調整剤としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの各種有機アミン、無機アルカリ剤(水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物など)、各種有機酸、鉱酸などが挙げられる。
その他の添加剤としては、無機微粒子、保湿剤、浸透剤、帯電防止剤、防カビ剤、防腐剤、マスキング剤などの当業者がインク組成物に通常用いる添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、本発明のインク組成物の効果を損なわない範囲で含有され得る。
無機微粒子としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、タルクなどが挙げられる。
保湿剤としては、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、2−ピロリドン、尿素などが挙げられる。
浸透剤または帯電防止剤としては、非イオン系界面活性剤、多価アルコール誘導体、一価アルコールなどが挙げられる。
上記金属石鹸および溶剤を用いてインクを調製する場合、あるいは、さらに必要に応じて、着色剤、樹脂、pH調整剤、およびその他の添加剤を添加してインクを調製する場合は、これらを、当業者が通常用いる分散装置および攪拌装置によって分散させることによって調製し得る。分散装置および攪拌装置としては、例えば、ホモジナイザー、ヘンシェルミキサー、ボールミル、ディスパー、タービン型攪拌羽根、ヘリカルリボン型攪拌羽根など挙げられる。
このようにして得られたインクは、ボールペン、フェルトペン、バーコーター、ロールコーターなどの一般的な塗布/描画装置を用いて好適に使用することができる。特に、平均粒子径が0.01〜0.5μmであり、粒度分布の標準偏差が0.2以下である本発明の金属石鹸を含有するインク組成物は、インクジェット印刷装置のノズルなどの微細に空隙からインクを吐出する描画方式においてより有効である。本発明のインク組成物は、例えば、筆記用具、記録計、ペンプロッター、インクジェットプリンター用インクなどとして利用される。上記インクは、各種用途に応じて、各種の基材に対する筆記、印刷、コーティングなどに利用される。利用され得る基材の素材としては、各種プラスチック、ガラス、金属、皮革材料、木、紙、コンクリート、ゴム、織布、不織布などが挙げられる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
(金属石鹸の調製例1)
ステアリン酸ナトリウムを9質量%含有する80℃の水溶液および硫酸亜鉛を3質量%含有する80℃の水溶液をそれぞれ調製した。これらの2種類の水溶液を、ステアリン酸ナトリウムと硫酸亜鉛との当量比が1:1.02の割合となるように、パイプラインホモミキサーに別々の導入路から流し込み、混合しつつ反応液を吐出し、約500gの金属石鹸分散液(スラリー)を得た。なお、反応時の液の温度は、約76℃であった。得られた金属石鹸スラリーを75℃にて60分間熟成させた後、濾過し、さらにこの濾過物を2回水洗して金属石鹸ケーキを得た。得られた金属石鹸ケーキを、常圧の条件下、80℃にて乾燥し、金属石鹸(ステアリン酸亜鉛:化合物1)を得た。
(金属石鹸の調製例2)
ステアリン酸カリウムを5質量%含有する70℃の水溶液および塩化マグネシウムを2質量%含有する70℃の水溶液をそれぞれ調製した。これらの2種類の水溶液を、ステアリン酸カリウムと塩化マグネシウムとの当量比が1:1.02の割合となるように、パイプラインホモミキサーに別々の導入路から流し込み、混合しつつ反応液を吐出し、約500gの金属石鹸分散液(スラリー)を得た。なお、反応時の液の温度は、約67℃であった。得られた金属石鹸スラリーを70℃にて10分間熟成させた後、濾過し、さらにこの濾過物を2回水洗して金属石鹸ケーキを得た。得られた金属石鹸ケーキを、減圧下、70℃にて乾燥し、金属石鹸(ステアリン酸マグネシウム:化合物2)を得た。
(金属石鹸の調製例3)
ラウリン酸アンモニウムを3質量%含有する75℃の水溶液および塩化亜鉛を1質量%含有する75℃の水溶液をそれぞれ調製した。これらの2種類の水溶液を、ラウリン酸アンモニウムと塩化亜鉛との当量比が1:1.02の割合となるように、パイプラインホモミキサーに別々の導入路から流し込み、混合しつつ反応液を吐出し、約500gの金属石鹸分散液(スラリー)を得た。なお、反応時の液の温度は、約71℃であった。その後の操作は調製例2と同様にして、金属石鹸(ラウリン酸亜鉛:化合物3)を得た。
(金属石鹸の調製例4)
パルミチン酸カリウムを1.5質量%含有する60℃の水溶液および塩化亜鉛を0.8質量%含有する60℃の水溶液をそれぞれ調製した。これらの2種類の水溶液を、パルミチン酸カリウムと塩化亜鉛との当量比が1:1.01の割合となるように、パイプラインホモミキサーに別々の導入路から流し込み、混合しつつ反応液を吐出し、約500gの金属石鹸分散液(スラリー)を得た。なお、反応時の液の温度は、約58℃であった。得られた金属石鹸スラリーを65℃にて10分間熟成させた後、濾過し、さらにこの濾過物を2回水洗して金属石鹸ケーキを得た。得られた金属石鹸ケーキを、減圧下、50℃にて乾燥し、金属石鹸(パルミチン酸亜鉛:化合物4)を得た。
(金属石鹸の調製例5)
ベヘン酸カリウムを0.4質量%含有する65℃の水溶液および塩化亜鉛を0.2質量%含有する65℃の水溶液をそれぞれ調製した。これらの2種類の水溶液を、パルミチン酸カリウムと塩化亜鉛との当量比が1:1.01の割合となるように、パイプラインホモミキサーに別々の導入路から流し込み、混合しつつ反応液を吐出し、約500gの金属石鹸分散液(スラリー)を得た。なお、反応時の液の温度は、約61℃であった。得られた金属石鹸スラリーを直ちに、濾過し、さらにこの濾過物を2回水洗して金属石鹸ケーキを得た。得られた金属石鹸ケーキを、減圧下、40℃にて乾燥し、金属石鹸(ベヘン酸亜鉛:化合物5)を得た。
(金属石鹸の調製例6)
ステアリン酸カリウムを0.5質量%含有する60℃の水溶液および塩化カルシウムを0.15質量%含有する60℃の水溶液をそれぞれ調製した。これらの2種類の水溶液を、ステアリン酸カリウムと塩化カルシウムとの当量比が1:1.01の割合となるように、パイプラインホモミキサーに別々の導入路から流し込み、混合しつつ反応液を吐出し、約500gの金属石鹸分散液(スラリー)を得た。なお、反応時の液の温度は、約57℃であった。得られた金属石鹸スラリーを直ちに、濾過し、さらにこの濾過物を2回水洗して金属石鹸ケーキを得た。得られた金属石鹸ケーキを、減圧下、30℃にて乾燥し、金属石鹸(ステアリン酸カルシウム:化合物6)を得た。
(金属石鹸の調製例7)
微小混合装置、熱交換機、および浸透膜を有する浸透装置をこの順序で連結させた。微小混合装置は、導入部分の内径が50μm以下、混合部分の内径が100μm以下の管を有している。この装置を用いて、金属石鹸を以下のようにして調製した。まず、ステアリン酸カリウムを0.2質量%含有する50℃の水溶液および硫酸亜鉛を0.08質量%含有する45℃の水溶液をそれぞれ調製した。これらの2種類の水溶液を、微小混合装置に別々の導入路から流し込み、約45℃にて衝突させ、混合部分において反応させた。反応20秒後に、得られた反応混合物を熱交換機に導入して15℃以下に瞬間的に冷却し、さらに、浸透膜により水溶性の塩を除去した。脱塩された金属石鹸スラリーを−40℃にて冷凍し、フリーズドライ法によって12時間乾燥し、金属石鹸(ステアリン酸亜鉛:化合物7)を得た。
(金属石鹸の調製例8)
調製例7の微小混合装置、熱交換機、および浸透膜を連結させた装置において、熱交換機を反応2秒後に冷却できるように、微小混合装置に接続したこと以外は、調製例7と同様にして、金属石鹸(ステアリン酸亜鉛:化合物8)を得た。
(金属石鹸の調製例9)
ステアリン酸ナトリウムを5質量%含有する80℃の水溶液および硫酸亜鉛を2質量%含有する80℃の水溶液をそれぞれ調製した。これらの2種類の水溶液を、ステアリン酸ナトリウムと硫酸亜鉛との当量比が1:1.01の割合となるように、パイプラインホモミキサーに別々の導入路から流し込み、混合しつつ反応液を吐出し、約500gの金属石鹸分散液(スラリー)を得た。なお、反応時の液の温度は、約75℃であった。得られた金属石鹸スラリーを65℃にて10分間熟成させた後、濾過し、さらにこの濾過物を2回水洗して金属石鹸ケーキを得た。得られた金属石鹸ケーキを、常圧の条件下、70℃にて乾燥し、金属石鹸(ステアリン酸亜鉛)を得た。得られた金属石鹸の平均粒子径をレーザー回折粒度測定装置SALD−2000(株式会社島津製作所製)を用いて測定したところ、0.95μmであった。この金属石鹸に市販品のステアリン酸亜鉛(ジンクステアレート、日本油脂株式会社:複分解法により生成、平均粒子径約5μm)を添加して、金属石鹸(ステアリン酸亜鉛:化合物9)を得た。
(各金属石鹸の物性値の測定)
上記化合物1〜9および市販品の平均粒子径、粒度分布の標準偏差、および95質量%粒子径を、レーザー回折粒度測定装置SALD−2000(株式会社島津製作所製)を用いて測定・算出した。さらに、得られた測定値から平均粒子径に対する95質量%粒子径の比(95質量%粒子径/平均粒子径)を算出した。結果を表1に示す。なお市販品として、化合物10(ジンクステアレート、日本油脂株式会社:複分解法により生成)、化合物11(ジンクステアレートGP、日本油脂株式会社:直接法に生成された粉砕品)、および化合物12(マグネシウムステアレート、日本油脂株式会社:複分解により生成)を用いた。
Figure 2005290208
表1からわかるように、化合物1〜8は、本発明に用いる金属石鹸の条件を満たしているが、化合物9〜12は、満たしていない。
(実施例1:インクの調製)
表1の金属石鹸(化合物1)、着色剤、樹脂溶液(表2において、インク全体の質量に対する固形分含量を示す)、および溶剤を表2に示す割合で超音波分散機(海上電機株式会社製)を用いて混合し、インクを得た(インク1)。
(実施例2〜8:インクの調製)
表1の金属石鹸(化合物1)の代わりに、表1に示す各金属石鹸(化合物2〜8)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、着色剤、樹脂、および溶剤を表2に示す割合で混合し、インクを得た(インク2〜8)。
(比較例1)
金属石鹸を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして、着色剤、樹脂、および溶剤を表2に示す割合で混合し、インクを得た(インク9)。
(比較例2〜5)
表1の金属石鹸(化合物1)の代わりに、表1に示す各金属石鹸(化合物9〜12)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、着色剤、樹脂、および溶剤を表2に示す割合で混合し、インクを得た(インク10〜13)。
Figure 2005290208
(実施例6:インクの性能評価)
実施例1〜8および比較例1〜5で得られた各インク(インク1〜13)を用いて、後述のように、印刷用基材上に塗布または印刷を行い、インクによる着色部分の耐水性、平滑性、および着色性ならびにインクの経時安定性を評価した。さらに、実施例1〜3および比較例1〜3のインク(インク1〜3および9〜11)について、ボールペンに用いた場合の筆記特性を、実施例4〜5および比較例4のインク(インク4、5、および12)について、修正ペンに用いた場合の筆記特性を、そして実施例6〜8および比較例5のインク(インク6〜8および13)について、インクジェット用プリンターに用いた場合の吐出性を以下のようにして評価した。これらの結果を表3に示す。なお、表3において、◎または○は、実用上使用可能であり、△または×は、実用上問題があることを示す。
(1)耐水性
各インク(インク1〜13)を上質紙上にバーコーターを用いて塗布し、20μmのインク層を形成した。このインク層が形成された上質紙をホットプレート上で50℃にて5時間乾燥させた。得られたインク着色部分に霧吹きを用いて水を上から吹きつけ、1分後の状態を目視にて以下の基準で評価した。
◎: インク着色部分に水滴が全く付着していない
○: インク着色部分に水滴がほとんど付着していない
△: インク着色部分に少量の水滴が付着している
×: インク着色部分に多量の水滴が付着している
(2)平滑性
上記(1)耐水性で得られたインク着色部分の表面状態を目視にて以下の基準で評価した。
◎: インク着色部分が均一であり、スポット(表面のざらつき)がない
○: インク着色部分が均一であり、スポットがほとんど認められない
△: インク着色部分がやや不均一であり、スポットがわずかに確認される
×: インク着色部分が不均一であり、スポットが確認される
××:インク着色部分が不均一でざらつき、スポットが多量に確認される
(3)着色性
上記(1)耐水性で得られたインク着色部分の着色性を目視にて以下の基準で評価した。
◎: 透明感があり、濁りが認められない
○: ムラや濁りがほとんど認められない
△: ムラまたは濁りが認められる
×: ムラおよび濁りが認められる
××:ムラや濁りが強く認められる
(4)経時安定性
各インク(インク1〜13)を容器に入れ、密閉して放置した。経時安定性を目視にて以下の基準で評価した。
◎: 2ヶ月以上、分相や沈降が生じることなく、均一である
○: 1ヶ月間、分相や沈降が生じることなく、均一である
△: 1週間放置時に、分相や沈降が認められる
×: 1日放置時に、分相や沈降が認められる
××: 1時間放置時に、分相や沈降が認められる
(5)ボールペンの筆記特性
各インクをボールペンに充填し、室温にて筆記線の状態を目視により以下の基準で評価した。
○:インク詰まりがなく、筆記線にムラや断線が認められない
△:筆記線の一部にムラが生じ、筆記時にきしみがある
×:ほとんど、あるいは全く筆記できない
(6)修正ペンの筆記特性
各インクを修正ペンに充填した後、1週間放置した。そしてその修正ペンを充分に振った後にペンの筆記特性を以下の基準で評価した。
○:インク詰まりがなく、均一な線が描ける場合
×:全く書けないか、溶剤のみが出てくる場合
(7)インクジェットプリンターノズルの吐出性
各インクをインクカートリッジに充填し、このカートリッジをDeskjetサーマルインクジェットプリンター(Hewlett−Packard社製)に挿入し、各ノズル当り100万発吐出後、専用のコート紙に同ピッチで細線が引かれたパターンを印字し、以下の基準で評価した。
○:液滴の着弾点が正規の位置であり、均一なハーフトーンのパターンである
×:着弾点が正規の位置からずれ、ムラやスジが認められる
Figure 2005290208
表3の結果から、実施例1〜8で得られたインク(インク1〜8)は、インク塗布後のインク着色部分の耐水性、平滑性、および着色性に優れ、経時安定性が良好であり、金属石鹸や着色剤がインク詰まりを生じさせることなく、滑らかな筆記特性を持続することがわかる。これに対して、比較例1〜5で得られたインク(インク9〜12)については、良好な性能が得られていない。金属石鹸を含有しない比較例1で得られたインク(インク9)は、耐水性、平滑性、着色性および経時安定性が不良であり、ボールペン用インクとして用いた場合に、目詰まりを起こしほとんど線を描くことができなかった。95質量%粒子径が平均粒子径の3倍を超える金属石鹸を用いた比較例2で得られたインク(インク10)は、耐水性、平滑性、着色性および経時安定性が不充分であり、ボールペン用インクとして用いた場合、きしみを生じ、筆記線にむらが生じた。平均粒子径、粒度分布の標準偏差が本発明の範囲を外れ、95質量%粒子径が平均粒子径の3倍を超える金属石鹸を用いた比較例3および5で得られたインク(インク11および13)は、耐水性、平滑性、着色性および経時安定性が不良であった。さらにインク11をボールペン用インクとして用いた場合には、目詰まりを起こし、ほとんど線を描くことができなず、インク1をインクジェット印刷用インクに用いた場合には、着弾点が正規の位置からずれ、ムラやスジが生じた。平均粒子径、粒度分布の標準偏差が本発明の範囲から外れる比較例4で得られたインク(インク12)は、耐水性、平滑性、着色性および経時安定性が不良であり、修正ペンとして用いた場合に全く書くことができなかった。
本発明のインク組成物は、特定の平均粒子径および粒度分布を含有する金属石鹸を含有するため、着色剤の分散性が良好で、経時安定性が良好で、かつ印刷物に対して優れた着色性、耐水性、および平滑性を付与する。本発明のインク組成物は、例えば、筆記用具、記録計、ペンプロッター、インクジェットプリンター用インクなどとして利用される。

Claims (2)

  1. 金属石鹸を含有するインク組成物であって、
    該金属石鹸の平均粒子径が0.01μm〜4μmであり、粒度分布の標準偏差が0.4以下であり、かつ95質量%粒子径が該平均粒子径の3倍以下である、組成物。
  2. 前記平均粒子径が0.01μm〜0.5μmであり、前記粒度分布の標準偏差が0.2以下である、請求項1に記載のインク組成物。
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