JP2005289972A - 固形粉末化粧料 - Google Patents

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JP2005289972A JP2004374953A JP2004374953A JP2005289972A JP 2005289972 A JP2005289972 A JP 2005289972A JP 2004374953 A JP2004374953 A JP 2004374953A JP 2004374953 A JP2004374953 A JP 2004374953A JP 2005289972 A JP2005289972 A JP 2005289972A
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稔 小名木
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Abstract

【課題】 使用時にスポンジやマット等の小道具へのとれが良好で、伸び広がりが軽く、
しかも成形性の向上により耐衝撃性に優れた固形粉末化粧料を提供するものである。
【解決手段】 化粧料基材と水性溶剤とを混合し、皿状容器に圧縮成形した後、該水性溶
剤を除去することにより得られる固形粉末化粧料において、前記化粧料基材中にガス中蒸
発法により微粒化された固形油粉末を配合することを特徴とする固形粉末化粧料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、化粧料基材と水性溶剤とを混合し、皿状容器に圧縮成形した後、該水性溶剤
を除去することにより得られる固形粉末化粧料に関するものであり、より詳細には、使用
時にスポンジやマット等の小道具へのとれが良好で、伸び広がりが軽く、しかも成形性の
向上により耐衝撃性に優れた固形粉末化粧料に関するものである。
固形粉末化粧料は、一般的には皿状容器に充填成形し、これをコンパクト容器に装着す
る化粧料であり、携帯性が良いため、ファンデーションやアイシャドウ等のメーキャップ
化粧料に汎用されている剤型である。このような固形粉末化粧料は、通常、着色顔料、体
質顔料、光輝性顔料等からなる粉体系に油剤を加えて分散した組成物をアルミニウム等の
金属製や樹脂製の皿状容器に充填成形するものである。
そして、固形粉末化粧料は、ハンドバック等に入れて携帯されるため、成形物の耐衝撃
性が悪いと、成形物が割れたり、崩れたりするので、耐衝撃性が保証された水準になけれ
ばならない。また、固形粉末化粧料は、成形物表面を小道具で擦り取り、肌に塗布して使
用されるので、小道具への取れ具合、肌への塗布感等の使用感が商品の重要な品質となっ
ている。
このような固形粉末化粧料の使用感は、組成物の処方に影響されるだけでなく、充填成
形方法に由来するものも多く、特に耐衝撃性の保証水準を確保するためには、どのような
充填成形方法を選択するかが重要である。
固形粉末化粧料の充填成形方法としては、粉体を主成分とする化粧料基材を皿状容器に
充填し、これを圧縮成形する方法(いわゆる、プレス成形法)が一般的に用いられてきた
。しかしながら、このプレス成形法では、化粧料基材の組成によって、成形品内部に空気
が残存し、これが原因となって耐衝撃性の低下、剥離、欠けといった成形不良の問題を生
じる場合があり、この問題が発生しないように、処方構成を検討したり、圧縮成形条件を
検討する必要があった。
このようなプレス成形法の問題を解決するために、化粧料基材を軽質流動イソパラフィ
ン等の溶剤と混合し、皿状容器に充填した後、該溶剤を除去することにより固形化粧料を
得る方法(いわゆる、湿式成形法、例えば、特許文献1参照。)や、プレス成形法におけ
る固形粉末化粧料の耐衝撃性を高めるために、粉末状ワックスを用いる方法(例えば、特
許文献2参照。)等が開発され、応用されてきた。
しかし、このような溶剤を用いる湿式成形法では、溶剤を除去するのに、製造コストが
掛かり、溶剤に対し作業環境の工夫も必要であった。このため、軽質流動イソパラフィン
等の溶剤を用いずに、水やエタノール等の水性溶剤を化粧料基材に混合し、これを皿状容
器に充填し、圧縮成形することにより、従来のプレス成形法の問題を解決できることが見
出され、実用化されている。この技術は、圧縮成形法の問題となる粉体組成物中の空気を
水性溶剤で置換することにより、成形性を高めるものであり、前記湿式成形法のように多
量の溶剤を必要せず、且つ溶剤が水性溶剤であるため、製造コストや作業環境の工夫も少
なくて済む技術である。
特開平4−9322号公報(第1頁−第6頁) 特開平4−18011号公報(第1頁−第11頁)
しかしながら、水性溶剤を化粧料基材に混合し、これを皿状容器に充填し、圧縮成形す
る方法は、従来のプレス成形法や湿式成形法の問題をある程度までは解決することはでき
るが、粉体として圧縮成形し難い薄片状粉体や球状粉体を配合する場合には、成形不良に
伴う耐衝撃性に劣る場合があった。また、前記特許文献2記載の粉末状ワックスを用いる
方法では、耐衝撃性が十分でなく、粉末ワックスの形状に由来して伸び広がりが悪くなる
場合があった。尚、特許文献2には、粉末状ワックスの平均粒径は0.01〜100μm
が好ましいと記載されているが、実験例には、最も小さいもので平均粒径が4μの例しか
記載されておらず、0.1μm以下の粉末状ワックスを調製するための具体的方法やその
効果については、全く記載されていない。
よって、水性溶剤を化粧料基材に混合し、これを皿状容器に充填し、圧縮成形して固形
粉末化粧料を得る方法において、耐衝撃性を向上させる技術の開発が求められていた。
かかる実情に鑑み、本発明者らは鋭意検討した結果、化粧料基材と水性溶剤とを混合し
、皿状容器に圧縮成形した後、該水性溶剤を除去することにより得られる固形粉末化粧料
において、結合剤として、ガス中蒸発法により微粒化された固形油粉末を用いることによ
り上記課題が解決された固形粉末化粧料が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、化粧料基材と水性溶剤とを混合し、皿状容器に圧縮成形した後、該
水性溶剤を除去することにより得られる固形粉末化粧料において、前記化粧料基材中にガ
ス中蒸発法により微粒化された固形油粉末を配合することを特徴とする固形粉末化粧料を
提供するものである。
また、前記固形油粉末の平均粒径が100〜500nmであることを特徴とする前記固
形粉末化粧料を提供するものである。
そして、前記固形油粉末の融点が85〜125℃であることを特徴とする前記何れかの
固形粉末化粧料を提供するものである。
更に、前記化粧料基材中に前記固形油粉末を0.1〜10質量%配合することを特徴と
する前記何れかの固形粉末化粧料を提供するものである。
そして更に、前記化粧料基材中に薄片状粉体を40質量%以上配合することを特徴とす
る前記何れかの固形粉末化粧料を提供するものである。また、前記化粧料基材中に、前記
ガス中蒸発法により微粒化された固形油粉末以外の油剤の配合量が10質量%以下である
ことを特徴とする前記何れかの固形粉末化粧料を提供するものである。
本発明の固形粉末化粧料は、使用時にスポンジやマット等の小道具へのとれが良好で、
伸び広がりが軽く、しかも成形性の向上により耐衝撃性に優れるものである。特に、粉体
として薄片状粉体を多量に配合した場合でも、耐衝撃性に優れる固形粉末化粧料である。
本発明の固形粉末化粧料に用いられる固形油粉末は、ガス中蒸発法により微粒化された
ものである。このガス中蒸発法とは、不活性ガスを導入した真空容器内で固形油を加熱し
、蒸発させ、得られた蒸気を前記不活性ガス中で冷却・凝結させることにより、固形油粉
末を得る方法である。この方法には、その加熱の方法により、抵抗加熱法、プラズマジェ
ット加熱法、誘導加熱法、電子ビーム加熱法、レーザービーム加熱法、スパッタリング法
等が知られている。
前記ガス中蒸発法に用いられる不活性ガスとは、ヘリウム、アルゴン、窒素等が挙げら
れる。また、前記ガス中蒸発法における真空度は、10Torr以下が好ましい。
従来における固形油の微粒化方法としては、(1)ジェットマイザー等の機械的粉砕方
法、(2)固形油を溶媒に溶解し、これを噴霧乾燥する方法、(3)固形油をマイクロエ
マルション化してこれを乾燥する方法、(4)液中で固形油を粒子状に析出させる方法等
がある。しかし、これら従来の方法では、平均粒径を1μm以下にすることは非常に困難
であった。また、最も汎用されている(1)機械的粉砕方法により得られる粒子は、形状
が不定形となり、固形粉末化粧料に配合した場合に、肌上での伸び広がりが良好でないと
いう欠点を有していた。
本発明で用いるガス中蒸発法により微粒化された固形油粉末の形状は、粒子端面が丸み
を帯びているため、固形粉末化粧料に配合した場合に、肌上での伸び広がりが非常に良好
となる。
本発明で用いるガス中蒸発法における固形油粉末の粒径は、真空容器内の圧力に影響さ
れるので、これを制御することにより、目的とする粒径の粉末を得ることができる。また
、粒径と圧力の関係を物質ごとに予め測定しておき、これに基づく検量線を得ておくこと
が好ましい。一般に、不活性ガス圧力が0.01Torr〜10Torrの範囲内で得ら
れる固形油粉末の粒径は約50〜4000nmの範囲で変化し、不活性ガス圧力が小さい
(すなわち、真空度が高い)程、粒径が小さい粉末を得ることができる。
本発明で用いるガス中蒸発法により微粒化された固形油粉末は、前記した従来の課題や
欠点を解消できると共に、固形油をその融点により精製できるという効果も有している。
化粧料において、配合成分中の不純物は、経時的な酸化反応の進行による変色や変臭、皮
膚への刺激等の好ましくない現象を引き起こすため、できるだけ除去するのが好ましい。
本ガス中蒸発法では、加熱条件の制御により、好ましくない融点範囲の物質を除去するこ
とが可能となり、微粒化された固形油粉末も精製される。
本発明で用いるガス中蒸発法により微粒化する固形油は、通常の化粧料に配合される室温で固形を呈する油剤である。具体的には、フィッシャトロプシュワックス、ポリエチレンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、合成炭化水素ワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、セラック、鯨ロウ、合成ゲイロウ、ミツロウ、モンタンワックス、オゾケライト、セレシンワックス、パラフィンワックス、ステアリン酸、ベヘン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、シリコーンワックス、含フッ素ワックス等が挙げられ、これらより一種又は二種以上用いることができる。本発明においては、これら油剤の中でも融点が85〜125℃の固形油を選択することにより、固形粉末化粧料の成形性が向上する固形油粉末を得ることができる。このような油剤としては、フィッシャトロプシュワックス、ポリエチレンワックス、エチレンプロピレンコポリマー、合成炭化水素ワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、鯨ロウ、合成ゲイロウ、ミツロウ、モンタンワックス、オゾケライト、セレシンワックス、パラフィンワックス、シリコーンワックス、含フッ素ワックスが特に好ましい。
本発明の固形油粉末の平均粒径は、100〜500nmが好ましい。この範囲であれば
、固形粉末化粧料の成形性がより向上できる。
本発明の固形粉末化粧料は、化粧料基材と水性溶剤とを混合し、皿状容器に圧縮成形し
た後、該水性溶剤を除去することにより得られるものであり、前記化粧料基材中にガス中
蒸発法により微粒化された固形油粉末を配合するものである。そして、本発明の固形粉末
化粧料における、前記したガス中蒸発法により微粒化された固形油粉末の配合量は、0.
1〜10質量%(以下、単に「%」と略す。)が好ましく、0.5〜5%がより好ましい
。固形油粉末の配合量がこの範囲内であると、使用時にスポンジやマット等の小道具への
とれがより良好で、伸び広がりが軽く、耐衝撃性が特に優れる固形粉末化粧料を得ること
ができる。
本発明の固形粉末化粧料における化粧料基材とは、粉体を主成分とするものであり、前
記固形油粉末を必須に配合するものであり、その他として、前記固形油粉末以外の油剤、
界面活性剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、香料、美容成分等を本発明の効果を損
なわない範囲にて配合することができる。
本発明に配合可能な粉体は、着色剤、隠蔽剤(メーキャップ効果)、感触調整剤、賦形剤、紫外線遮蔽剤等の目的で用いられるものであり、通常、化粧料に用いられる粉体であればよく、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。具体的には、酸化チタン、黒色酸化チタン、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、無水ケイ酸、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、窒化硼素等の無機粉体類、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカチタン、有機顔料被覆マイカチタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリウレタンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロースパウダー、N−アシルリジンパウダー等の有機粉体類、有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類、微粒子酸化チタン被覆マイカチタン、微粒子酸化亜鉛被覆マイカチタン、硫酸バリウム被覆マイカチタン、酸化チタン含有無水ケイ酸、酸化亜鉛含有無水ケイ酸等の複合粉体等が挙げられ、これらより一種又は二種以上を用いることができる。尚、これら粉体は、フッ素化合物、シリコーン化合物、界面活性剤等の通常公知の処理剤により表面処理を施して用いても良い。
本発明の固形粉末化粧料における、粉体の配合量は、60〜99.9%が好ましい。粉
体の配合量がこの範囲内であると、使用時にスポンジやマット等の小道具へのとれがより
良好で、伸び広がりがより軽い固形粉末化粧料を得ることができる。
尚、前記した粉体の中より、酸化チタン、酸化アルミニウム、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、セリサイト、タルク、カオリン、硫酸バリウム、窒化硼素、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカチタン、有機顔料被覆マイカチタン、アルミニウムパウダー等の光輝性粉体類、ポリメチルメタクリレートパウダー、N−アシルリジンパウダー等の薄片状粉体を化粧料基材中に40%以上配合すると、小道具へのとれ、伸び広がりの軽さが、特に良好となる固形粉末化粧料を得ることができる。尚、本発明において、薄片状とはアスペクト比30以上の粉体を意味する。また、これら粉体は、フッ素化合物、シリコーン化合物、界面活性剤等の通常公知の処理剤により表面処理を施して用いても良い。これらの中でも、酸化チタン、酸化アルミニウム、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、セリサイト、タルク、カオリン、硫酸バリウム、窒化硼素が特に好ましい。
本発明に配合可能な油剤は、通常の化粧料に用いられる油であれば、前記固形油粉末を
除く固形、ペースト、液体の何れのものでも用いることができる。具体的には、液体油と
し、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、オリーブ油、キョウニン油、小麦胚芽油、ゴ
マ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、大豆油、トウモロコシ油、ホホバ油、マ
カデミアナッツ油、ミンク油、綿実油、ヤシ油、ヒマシ油、液状ラノリン、スクワラン、
スクワレン、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、ウンデシレン酸、オレイ
ン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸、アジピン酸−2−ヘキシルデシル、
モノイソステアリン酸−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソス
テアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2
−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テト
ラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オレイン酸オレイ
ル、オレイン酸オクチルドデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、コハク酸2−
エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジ−2−エ
チルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリイソステ
アリン酸グリセライド、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセライド、ジ−2−ヘプチルウ
ンデカン酸グリセライド、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、エチ
ルポリシロキサン、エチルメチルポリシロキサン、エチルフェニルポリシロキサン、オク
タメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等が挙げられ、こ
れらを一種又は二種以上用いることができる。また、ペースト油としては、カカオ脂、シ
アバター、硬化ヒマシ油、硬化ヤシ油、ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、
酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ワセリン、モノステアリン酸硬化ヒマシ油
、モノヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ
ペンタエリトリット脂肪酸(12−ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン)エ
ステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルド
デシル)、マカデマナッツ油脂肪酸フィトステリル等が挙げられ、これらを一種又は二種
以上用いることができる。更に、固形油としては、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、
鯨ロウ、ミツロウ、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ス
テアリン酸、ベヘン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、パルミチン酸セチル、ジステア
リン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸グリセライド、トリベヘン酸グリセリ
ル、ステアリル変性ポリシロキサン等が挙げられ、これらより一種又は二種以上用いるこ
とができる。
本発明の固形粉末化粧料における油剤の配合量は、10%以下が好ましい。油剤の配合
量がこの範囲内であると、使用時にスポンジやマット等の小道具へのとれがより良好で、
伸び広がりがより軽い固形粉末化粧料を得ることができる。
本発明の固形粉末化粧料の製造方法は、粉体にガス中蒸発法により微粒化された固形油
粉末、必要に応じてその他の油剤及び添加剤を添加し、均一分散して化粧料基材を調製す
る。次いで、この化粧料基材に水性溶剤を添加、混合し、これを金皿や樹脂皿等の皿状容
器に充填し、圧縮成形した後、該水性溶剤を乾燥除去することにより固形粉末化粧料を得
る。
前記した化粧料基材に混合する水性溶剤は、化粧料基材中の空気を置換し、空隙を減少
させるものである。具体的には、水、エタノール、イソプロパノール等が挙げられ、これ
らより一種又は二種以上用いることができる。
前記化粧料基材に混合する水性溶剤の配合量は、化粧料基材100質量部に対して3〜
15質量部が好ましい。この範囲であれば、水性溶剤を乾燥除去する工程に時間が掛かり
過ぎないので好ましい。
本発明の固形粉末化粧料は、ファンデーション、白粉、頬紅、口紅、アイシャドウ、ア
イブロウ、コンシーラー等のメーキャップ化粧料等が挙げられる。また、本発明の固形粉
末化粧料の形態は、ケーキ状、スティック状、球状等が挙げられる。
以下に、実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限
定するものではない。
固形油粉末の製造例1:
融点88℃のポリエチレンワックス(PERFORMALEN 500:ニューフェー
ズテクノロジー社製)をTaヒーターを巻きつけた石英製のルツボに入れ、ヘリウムガス
1Torrの雰囲気中で200〜240℃に加熱し、蒸発したワックスをルツボ上に設置
したアルミホイルに付着させ、これを回収することにより平均粒径220nm(レーザー
散乱式粒度分布測定法)の固形油粉末を得た。尚、この固形油粉末の粒子は、電子顕微鏡
観察により、粒子は均一で丸みを帯びていた。
固形油粉末の製造例2:
前記製造例1と同様にして、融点120℃のフィッシャトロプシュワックス(サゾール
ワックスH1:サゾール社製)を加熱条件170〜530℃として、平均粒径180n
m(レーザー散乱式粒度分布測定法)の固形油粉末を得た。尚、この固形油粉末の粒子は
、図1の電子顕微鏡写真に示すように、粒子端面が丸みを帯びていた。
固形油粉末の製造比較例1:
融点120℃のフィッシャトロプシュワックス(サゾール ワックスH1:サゾール社
製)シングルトラックジェットミルにて微粉砕し、平均粒径3μmの(レーザー回折式粒
度分布測定法)の固形油粉末を得た。尚、この固形油粉末の粒子は、図2の電子顕微鏡写
真で示すように、粒子は不定形であった。
実施例1〜9及び比較例1〜3:パウダーファンデーション(ケーキ状)
表1及び表2に示す組成のパウダーファンデーションを以下に示す製造方法により調製
し、「マットへのとれ具合」、「伸び広がりの軽さ」、「耐衝撃性」について、以下に示
す評価方法及び判断基準により評価し、結果を併せて表1及び表2に示した。
(製造方法)
A.成分1〜12をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で均一分散する。
B.成分13〜15を加熱し、均一分散する。
C.Aをヘンシェルミキサーで攪拌しながら、B及び成分16を添加し、均一分散する

D.Cをヘンシェルミキサーで攪拌しながら、成分17を添加し、均一分散する。
E.Dをパルベライザーで粉砕する。
F.Eを金皿に充填し、圧縮成形し、室温で12時間乾燥させ、パウダーファンデーシ
ョンを得た。
〔評価方法:「マットへのとれ具合」、「伸び広がりの軽さ」〕
化粧品評価専門パネル20名に前記実施例及び比較例のパウダーファンデーションを使
用してもらい、「マットへのとれ具合」、「伸び広がりの軽さ」について、各自が以下の
基準に従って5段階評価し、各パウダーファンデーション毎に評点を付し、更に全パネル
の評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。
評価基準:
[評価結果] :[評 点]
非常に良好 : 5点
良好 : 4点
普通 : 3点
やや不良 : 2点
不良 : 1点
判定基準:
[評点の平均点] :[判 定]
4.5以上 : ◎
3.5以上〜4.5未満 : ○
1.5以上〜3.5未満 : △
1.5未満 : ×
〔評価方法:耐衝撃性〕
前記実施例及び比較例のパウダーファンデーションをそれぞれ5個用意し、金皿に充填
した状態のまま、50cmの高さからアクリル板上に正立方向で自由落下させ、落下後の
表面状態を観察し、各ファンデーション毎に以下の評価基準により評点を付し、そしてn
=5の評点の平均点を算出し、以下の4段階の判定基準により判定した。
評価基準
[内 容] :[評 点]
変化無し : 4
僅かにヒビ割れがあるが、
使用性に問題無し : 3
ヒビ割れ、スキマ有り : 2
大きなヒビ割れやスキマ有り : 1
判定基準
[n=5の評点の平均点] :[判 定]
3.5以上 : ◎
3.0以上〜3.5未満 : ○
2.0以上〜3.0未満 : △
2.0未満 : ×
表1及び表2の結果から明らかなように、本発明の実施品である実施例1〜9のファデ
ーションは、「マットへのとれ具合」、「伸び広がりの軽さ」、「耐衝撃性」の全ての項
目に優れた固形粉末化粧料であった。一方、結合剤として固形油粉末を配合していない比
較例1は、耐衝撃性に劣っていた。また、充填成形時に水性溶剤を用いない比較例2は、
化粧料中に空隙を多く抱えて成形されるため、耐衝撃性に劣っていた。更に、ガス中蒸発
法による固形油粉末の代わりに、機械粉砕した固形油粉末を配合した比較例3は、伸び広
がりが悪く、耐衝撃性も良好ではなかった。
実施例10:白粉(ケーキ状)
(成分) (%)
1.ジメチルポリシロキサン処理合成マイカ
(平均粒径15μm、アスペクト比60) 50
2.ジメチルポリシロキサン処理タルク 残量
3.パーフルオロアルキルリン酸ジエタノールアミン塩
処理マイカチタン(平均粒径30μm、アスペクト比50) 5
4.製造例2の固形油粉末 1
5.グンジョウ 0.2
6.ベンガラ 0.1
7.防腐剤 0.1
8.球状多孔質シリカ(平均粒径5μm) 5
9.流動パラフィン 0.5
10.香料 0.1
(製造方法)
A.成分1〜8をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で均一分散する。
B.Aをヘンシェルミキサーで攪拌しながら、成分9〜10を添加し、
均一分散する。
C.Bをヘンシェルミキサーで攪拌しながら、前記化粧料基材100質
量部に対して、水7質量部を添加し、均一分散する。
D.Cをパルベライザーで粉砕する。
E.Dを金皿に充填し、圧縮成形し、室温で12時間乾燥させ、白粉を得た。
本発明の実施品である実施例10の白粉は、「マットへのとれ具合」、「伸び広がりの
軽さ」、「耐衝撃性」の全ての項目に優れた固形粉末化粧料であった。
実施例11:アイシャドウ(ケーキ状)
(成分) (%)
1.トリステアロイルチタネート処理マイカチタン
(平均粒径5μm、アスペクト比45) 20
2.ジメチルポリシロキサン処理合成金マイカ
(平均粒径15μm、アスペクト比60) 20
3.シリコーン処理タルク 残量
4.製造例1の固形油粉末 3
5.ベンガラ 0.2
6.黄酸化鉄 3
7.黒酸化鉄 0.1
8.球状ナイロンパウダー(粒径約6μm) 3
9.ワセリン 1
10.流動パラフィン 2
11.ジメチルポリシロキサン 2
12.香料 0.05
(製造方法)
A.成分1〜8をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で均一分散する。
B.成分9〜11を加熱溶解し、均一分散する。
C.Aをヘンシェルミキサーで攪拌しながら、B及び成分12を添加し均一分散する。
D.Cをヘンシェルミキサーで攪拌しながら、前記化粧料基材100質
量部に対して、水10質量部を添加し、均一分散する。
E.Dをパルベライザーで粉砕する。
F.Eを樹脂皿に充填し、室温で12時間乾燥させ、アイシャドウを得た。
本発明の実施品である実施例11のアイシャドウは、「チップへのとれ具合」、「伸び
広がりの軽さ」、「耐衝撃性」の全ての項目に優れた固形粉末化粧料であった。
製造例2の固形油粉末の電子顕微鏡写真 製造比較例1の固形油粉末の電子顕微鏡写真 以 上

Claims (6)

  1. 化粧料基材と水性溶剤とを混合し、皿状容器に圧縮成形した後、該水性溶剤を除去する
    ことにより得られる固形粉末化粧料において、前記化粧料基材中にガス中蒸発法により微
    粒化された固形油粉末を配合することを特徴とする固形粉末化粧料。
  2. 前記固形油粉末の平均粒径が100〜500nmであることを特徴とする請求項1記載
    の固形粉末化粧料。
  3. 前記固形油粉末の融点が85〜125℃であることを特徴とする請求項1又は2記載の
    固形粉末化粧料。
  4. 前記化粧料基材中に前記固形油粉末を0.1〜10質量%配合することを特徴とする請
    求項1〜3の何れかの項記載の固形粉末化粧料。
  5. 前記化粧料基材中に薄片状粉体を40質量%以上配合することを特徴とする請求項1〜
    4の何れかの項記載の固形粉末化粧料。
  6. 前記化粧料基材中に、前記ガス中蒸発法により微粒化された固形油粉末以外の油剤の配
    合量が10質量%以下であることを特徴とする請求項1〜5の何れかの項記載の固形粉末
    化粧料。
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