JP2005289796A - 水素製造方法およびその装置 - Google Patents

水素製造方法およびその装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005289796A
JP2005289796A JP2005063856A JP2005063856A JP2005289796A JP 2005289796 A JP2005289796 A JP 2005289796A JP 2005063856 A JP2005063856 A JP 2005063856A JP 2005063856 A JP2005063856 A JP 2005063856A JP 2005289796 A JP2005289796 A JP 2005289796A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon
hydrogen
alkali
hydrogen production
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005063856A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4814537B2 (ja
Inventor
Kiyoshi Otsuka
潔 大塚
Takeshi Takenaka
壮 竹中
Minoru Ishida
稔 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Japan Science and Technology Agency
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Science and Technology Agency filed Critical Japan Science and Technology Agency
Priority to JP2005063856A priority Critical patent/JP4814537B2/ja
Publication of JP2005289796A publication Critical patent/JP2005289796A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4814537B2 publication Critical patent/JP4814537B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/36Hydrogen production from non-carbon containing sources, e.g. by water electrolysis
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】 一酸化炭素や二酸化炭素などのCOxを生成せずに水素を製造することができる水素製造方法およびその装置を提供する。
【解決手段】 水素製造方法は、不活性ガス雰囲気下および加熱条件下で炭素含有物とアルカリとの反応を行い水素を生成することを特徴とする。また、水素製造装置は、炭素含有物とアルカリとが収容され、不活性ガスで充填された反応容器と、この反応容器を加熱する加熱器と、この反応容器に水蒸気を導入する配管と、この反応容器内で生成した水素を排出するための配管とを含むことを特徴とする。前記の炭素含有物とアルカリのモル比は、炭素含有物に含まれる炭素1モルに対してアルカリを0.5〜10モル/(アルカリの価数)とする必要がある。なお、不活性ガスに代えて又は加えて水蒸気を使用することもできる。
【選択図】 図26

Description

本発明は、水素製造方法およびその装置に関し、詳しくは、生成した水素を燃料電池に直接供給することが可能な一酸化炭素(CO)および炭酸ガス(CO2)フリーの水素を生成する水素製造方法およびその装置に関する。
燃料電池、特に最近注目されている固体高分子型燃料電池(PEFC)には、燃料電池の電極被毒を防止する観点から、一酸化炭素を含まない水素を供給する必要がある。従来の水素製造プロセスでは、天然ガス、石油、石炭等の化石燃料を水蒸気改質反応によって水素を生成している。この際、化石燃料に含まれる炭素の大部分は炭酸ガスにして大気中に放出している。しかし、京都議定書の締約国として、温室効果ガスである炭酸ガスの排出抑制は焦眉の急である。
また、上記の水素製造プロセスでは、電極毒物質であるCOの残留(1〜3%)を避けることができない。それゆえ、プレッシャースイング吸着法(PSA法)等を用いた大型で高コストの設備によって、水素の深度精製(CO<20ppm)を余儀なくされている。また、水蒸気改質反応は、約800℃と非常に高い温度まで加熱する必要がある。
そこで、COやCO2を発生しない方法として、太陽熱を利用したUT−3サイクルや、特開平07−267601号公報の方法が提案されている。しかし、これらの方法は太陽熱を利用するため、大規模なシステムが必要でコストが非常に高いという問題がある。
一方で、水酸化ナトリウムを反応媒体とし、水と炭素との熱化学分解反応によって水素を製造する方法が特開平10−251001号公報に提案されている。この方法は、水酸化ナトリウムに対して炭素を大過剰に供給することで、水酸化ナトリウムを触媒的に作用させることができるとする利点があるものの、副生物としてCOやCO2が生成するという問題点がある。
特開平07−267601号公報 特開平10−251001号公報
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、一酸化炭素や二酸化炭素などのCOxを生成せずに水素を製造することができる水素製造方法およびその装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る水素製造方法は、不活性ガス雰囲気下および加熱条件下で、炭素含有物とアルカリとの反応を行い、水素を生成する水素製造方法であって、前記炭素含有物と前記アルカリのモル比を、炭素含有物に含まれる炭素1モルに対してアルカリを0.5〜10モル/(アルカリの価数)とすることを特徴とするものである。例えば、炭素含有物に含まれる炭素をC、アルカリをNaOHとした場合の反応を以下の式1に示す。
C+4NaOH→2H2+Na2CO3+Na2O・・・(式1)
式1に示すように、炭素含有物に含まれる炭素(C)は、アルカリと反応して炭酸塩を生成するため、COおよびCO2の生成は回避され、COxフリーでかつ水素を高純度で含む気体を得ることができる。
なお、得られる気体中には、水素の他にメタンを僅かに含むことがある。メタン生成の反応式を以下の式2に示す。しかし、メタンはCOやCO2と異なり、電極被毒や温室効果をもたらすものではない。
2C+4NaOH→CH4+Na2CO3+Na2O・・・(式2)
本発明に係る水素製造方法は、水または水蒸気をさらに加えて前記の反応を行うことが好ましい。これにより、例えば、上記の式1とともに以下の式3の反応が起こる。
Na2O+H2O→2NaOH・・・(式3)
式3に示すように、式1の反応副生物(酸化物)が原料のアルカリに再生されるため、水素生成速度を上昇することができる。すなわち、水または水蒸気を加えた反応は、上記の式1および式3から、以下の式4のように示すことができる。
C+2NaOH+H2O→2H2+Na2CO3・・・(式4)
式4も、式1と同様に、炭素含有物に含まれる炭素(C)は、アルカリと反応して炭酸塩を生成するため、COおよびCO2は生成されない。なお、水または水蒸気は、炭素含有物とアルカリとの反応途中に加えることも可能である。
また、水または水蒸気を加えた場合も、得られる気体中に、水素の他にメタンを僅かに含むことがある。この場合のメタン生成の反応は、上記の式2および式3から、以下の式5のように示すことができる。
2C+2NaOH+H2O→CH4+Na2CO3・・・(式5)
本発明に係る水素製造方法は、金属もしくは金属酸化物の触媒、または金属を金属酸化物もしくは炭素材料に担持した触媒の存在下で、前記反応を行うことが好ましい。これにより、前記反応が促進され、水素生成速度を上昇することができる。さらに、メタンの生成を水素の1%以下に低減することができる。
前記炭素含有物としては、天然有機化合物または天然有機化合物を含むバイオマスを使用することが好ましい。これにより、従来、有効利用されていなかった廃木材や新聞紙などの木質バイオマスや食品残渣などの食品バイオマスといったバイオマス資源を、エネルギー源として有効利用することができる。例えば、木質バイオマスの主成分であるセルロースの単位構造(C6105)で水素と炭酸ナトリウムの生成反応式は、以下の式6のように表すことができる。
(C6105)+12NaOH+H2O→12H2+6Na2CO3・・・(式6)
また、前記炭素含有物としては、合成高分子化合物を使用することが好ましい。これにより、従来、有効利用されていなかった廃プラスチックをエネルギー源として有効利用することができるとともに、廃プラスチックを無害化処理することができる。
本発明は、別の態様として、水素製造装置であって、炭素含有物とアルカリとが収容され、不活性ガスで充填された反応容器と、この反応容器を加熱する加熱器と、この反応容器内で生成した水素を排出するための配管とを含むとともに、前記反応容器に収容された炭素含有物とアルカリのモル比が、炭素含有物に含まれる炭素1モルに対してアルカリが0.5〜10モル/(アルカリの価数)であることを特徴とする。
前記反応容器は、水または水蒸気を供給する配管をさらに含むことが好ましい。また、前記反応容器内には、金属もしくは金属酸化物の触媒、または金属を金属酸化物もしくは炭素材料に担持した触媒がさらに収容されていることが好ましい。
上述したように、本発明によれば、一酸化炭素や二酸化炭素などのCOxを生成せずに水素を製造する水素製造方法およびその装置を提供することができる。
先ず、本発明に係る水素製造方法の実施の形態について説明する。本発明に係る水素製造方法は、加熱条件下で、炭素含有物と、アルカリと、必要により水または水蒸気との反応を行い水素を生成することを特徴とする。
炭素含有物としては、特に、炭素材料、天然有機化合物もしくは天然有機化合物を含むバイオマス、または合成高分子化合物を使用することが好ましい。その他、メタノール、エタノール等のアルコール類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド類、蟻酸、酢酸等の有機酸類、および天然ガス、石油、石炭等の化石燃料を使用してもよい。
炭素材料としては、特に限定されないが、例えば、炭、活性炭、カーボンブラック、コークス、すす等の無定形炭素や、黒鉛(グラファイト)、カーボンファイバー、カーボンナオファイバー、フラーレン、カーボンナノチューブ等を使用することが好ましい。なお、炭または活性炭としては、木質バイオマスを炭化したもの、例えば、木炭、竹炭、備長炭、ヤシガラ炭の他、コーヒー豆殻や、もみ殻、米ぬか、そば殻等を炭化したものなども使用することができる。
天然有機化合物としては、特に限定されないが、例えば、単糖類、二糖類、オリゴ糖類、多糖類等の糖類や、リグニン、脂肪酸等を使用することが好ましい。なお、単糖類としてはグルコース、フルクトース、ガラクトース等を使用でき、二糖類としてはスクロース、マルトース、ラクトース等を使用でき、多糖類としてはデンプン、セルロース、グリコーゲン等を使用できる。天然有機化合物は、有限な資源でありかつ大気中に多量のCO2を排出する化石燃料とは異なり、再生産が可能でありかつカーボンニュートラルである。本発明は、このような天然有機化合物から効率的に水素を生成することができる。
天然有機化合物を含むバイオマスとしては、特に限定されないが、例えば、サトウキビ、テンサイ等の糖質系バイオマスや、米、麦、トウモロコシ、イモ等のデンプン系バイオマス、ナタネ、大豆、落花生、食用油等の油脂系バイオマス、木、草、木材、木屑、わら、天然繊維、紙製品等の木質バイオマス、新聞紙、包装紙、トイレットペーパー、ダンボール等の資源ゴミ系バイオマス等を使用することが好ましい。本発明は、バイオマス資源から直接的に水素を生成することができるので、従来、有効利用されていなかった廃木材や新聞紙などの木質バイオマスや食品残渣などの食品バイオマスといったバイオ資源からも効率的に水素を生成することができる。
また、木材や草木などの木質バイオマスは、セルロース、ヘミセルロース、リグニンを主な構成要素としている。しかし、そのうち利用されるのは主にセルロースであり、木材の約50%はセルロースである。よって、パルプ工場等の廃液中にはリグニンが多量に含まれており、年に約5000万トンが排出されている。リグニンは河川に投棄されていたが、現在は、燃焼処理されている。リグニンは、200℃前後から熱分解が開始するが、600℃以上でも熱分解が完了せず、セルロース(300℃前後から熱分解が開始し、360℃前後でほぼ完了)やヘミセルロース(200℃以下から熱分解が開始し、300℃前後で完了)に比べて、熱分解による処理が困難な物質であった。本発明によれば、リグニンを用いて容易に水素を生成することができるので、リグニンを有効利用することができる。また、本発明によれば、木質バイオマスを用いて水素を生成した場合であっても、セルロースとともにリグニンも容易に分解することができる。
合成高分子化合物としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の飽和ポリエステル(SP)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミド(PA)、ポリアリレート(PAR)、ポリアセタール(POM)、ポリスルホン(PSU)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)等の熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂(PF)、ユリア樹脂(UF)、メラミン樹脂(MF)、ジアリルフタレート樹脂(DAP)、不飽和ポリエステル樹脂(UP)、シリコーン樹脂(SI)、エポキシ樹脂(EP)等の熱硬化性樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン等の合成繊維、合成ゴム等を使用することが好ましい。特に、PET等のポリエステルや、ポリカーボネートがより好ましい。このように、本発明によれば、有効利用されていなかった廃プラスチックをエネルギー源として有効利用することができるとともに、廃プラスチックスを無害化処理することができる。
なお、高分子化合物中に塩素を含有する場合であっても、本発明では、塩素はアルカリと反応してNaCl等の塩を生成するので、水素ガス中に塩素が混入することを防止することができる。また、燃焼によりダイオキシンを生成するポリ塩化ビニル等の塩素系高分子化合物も、本発明ではNaCl等の無害な塩に変換できるので、環境への負荷なくエネルギー源として利用することができる。
アルカリとしては、特に限定されないが、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物または酸化物を使用することが好ましい。例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ルビジウム(RbOH)等のアルカリ金属の水酸化物や、酸化カルシウム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)等のアルカリ土類金属の酸化物を使用することができ、このうち特にNaOHが好ましい。NaOHを使用すると、本発明の反応によって、ガラス等の原料として利用され、NaOHより工業的価値の高い炭酸ナトリウム(Na2CO3)が生成するので、反応副生物も有効利用することができる。
アルカリの添加量としては、炭素含有物に含まれる炭素(C)1モルに対して、アルカリを0.5モル/(アルカリの価数)以上添加することが好ましい。このような添加量にすることで、炭素含有物中の炭素(C)は確実にアルカリと炭酸塩を生成することから、炭素含有物の熱分解によるCOおよびCO2の生成を確実に防ぐことができる。また、このような添加量にすることで、水素の生成速度も向上させることができる。なお、アルカリは炭素に対して多めに存在することが好ましいが、10モル/(アルカリの価数)を超えて過剰に添加してもその効果は飽和状態となるので、アルカリ添加量の上限は10モル/(アルカリの価数)とすることが好ましい。より好ましい範囲は、2〜5モル/(アルカリの価数)である。
加熱条件としては、使用する原料により異なるが、炭素含有物とアルカリの原料を約200℃以上に加熱することが好ましい。このように加熱温度の下限を約200℃にすることで、目的の水素を確実に生成することができる。一方、加熱温度の上限は、約700℃にすることが好ましい。加熱温度が約700℃を超えると、アルカリ金属の生成と揮散およびアルカリ炭酸塩の分解が起こるため好ましくない。
特に、炭素含有物として炭素材料を使用する場合は、水素の生成速度をより向上させるために、加熱温度の下限は約400℃が好ましく、約500℃がより好ましく、約600℃が更により好ましい。なお、本反応は、炭素含有物の燃焼を防ぐため、不活性ガス雰囲気下、水蒸気雰囲気下または水蒸気と不活性ガスの混合雰囲気下で行う必要がある。不活性ガスとしては、アルゴン(Ar)などの0族元素のガスや窒素ガスを用いることが好ましい。不活性ガス中における水蒸気の含有量は、1〜100体積%、より好ましい範囲は50〜100体積%である。
また、炭素含有物として天然有機化合物または天然有機化合物を含むバイオマスを使用する場合は、加熱温度の下限が約200℃でも優れた水素生成速度を示すが、より向上させるためには、下限を約250℃にすることがより好ましい。なお、リグニンを使用する場合は、下限を約400℃にすることで、水素の生成速度を向上させることができる。このように、天然有機化合物または天然有機化合物を含むバイオマスを使用する場合は、低い温度でも優れた水素生成速度を得ることができる。
また、炭素含有物として合成高分子化合物を使用する場合は、化合物の種類によるが、多くは加熱温度の下限が約250℃で優れた水素生成速度を示す。このように、合成高分子化合物を使用する場合は、低い温度でも優れた水素生成速度を得ることができる。なお、ポリカーボネート等の一部の化合物は、加熱温度の下限を約475℃にすることで優れた水素生成速度を得ることができる。
本発明の反応は、触媒を使用することで、水素生成速度を高めることができる。触媒としては、金属もしくは金属酸化物の触媒、または金属を金属酸化物もしくは炭素材料に担持した触媒を使用することが好ましい。触媒の添加量は、特に限定されないが、炭素含有物に対して0.1〜100重量%の範囲で添加することが好ましい。
金属触媒としては、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)等の白金族や、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)等の鉄族が好ましい。特に、ルテニウム、ロジウムが水素生成速度を飛躍的に向上させることができる。
また、金属酸化物触媒としては、例えば、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、カルシウム(Ca)チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)等の金属の各酸化物が好ましい。具体的には、酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム(Al23)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化カルシウム(CaO)、二酸化チタン(TiO2)、五酸化バナジウム(V25)、三酸化クロム(Cr23)、二酸化マンガン(MnO2)、四酸化三鉄(Fe34)、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)、三酸化モリブデン(MoO3)、酸化ランタン(La23)、酸化セリウム(CeO2)、酸化プラセオジウム(Pr611)等が挙げられる。特に、酸化アルミニウムが水素生成速度を飛躍的に向上させることができる。
さらに、金属を金属酸化物もしくは炭素材料に担持した触媒として、担体である金属酸化物には、例えば、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、カルシウム(Ca)チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、ジルコニウム(Zr)、モリブデン(Mo)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジウム(Pr)等の金属の各酸化物が好ましい。具体的には、酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム(Al23)、二酸化ケイ素(SiO2)、酸化カルシウム(CaO)、二酸化チタン(TiO2)、五酸化バナジウム(V25)、三酸化クロム(Cr23)、二酸化マンガン(MnO2)、四酸化三鉄(Fe34)、酸化亜鉛(ZnO)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)、三酸化モリブデン(MoO3)、酸化ランタン(La23)、酸化セリウム(CeO2)、酸化プラセオジウム(Pr611)等が挙げられる。また、特に、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素が水素生成速度を飛躍的に向上させることができる。
担体である炭素材料には、特に限定されないが、例えば、炭、活性炭、カーボンブラック、コークス、すす等の無定形炭素や、黒鉛(グラファイト)、カーボンファイバー、カーボンナオファイバー、フラーレン、カーボンナノチューブ等を使用することが好ましい。なお、炭または活性炭としては、木質バイオマスを炭化したもの、例えば、木炭、竹炭、備長炭、ヤシガラ炭の他、コーヒー豆殻や、もみ殻、米ぬか、そば殻等を炭化したものなども使用することができる。
活性成分である金属には、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)等の白金族や、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)等の第一遷移金属が好ましい。特に、ニッケル、コバルト、ルテニウム、ロジウム等を担持した触媒が水素生成速度を飛躍的に向上させることができる。
炭素含有物とアルカリは、反応が起こるように混合されていれば特に限定されないが、炭素含有物は、反応が促進するように、反応容器の形体によって様々な形状にすることが好ましい。例えば、粉状、粒状、ペレット状、フレーク状、チップ状、小片状、多孔質状にすることが好ましい。また、炭素含有物の種類によっては、液状、スラリー状にしてもよい。また、アルカリは、水溶液として炭素含有物に担持させることが好ましい。
次に、本発明に係る水素発生装置の実施の形態について説明する。本発明に係る水素製造装置は、上記の水素製造方法により水素を生成できる装置であれば、特に限定されないが、炭素含有物とアルカリとが収容された反応容器と、この反応容器を加熱する加熱器と、この反応容器内で生成した水素を排出するための配管とを備えた装置とすることが好ましい。
反応容器は、ステンレススチールやアルミニウム等の金属、アルミナやジルコニア等のセラミックスまたはフェノール樹脂やポリフェニレンサルファイド等の耐熱性プラスチック等の耐熱性、耐アルカリ性に優れた素材で作られていることが好ましい。また、反応容器が高温になる場合、断熱材によって覆うことが好ましい。断熱材としては、ガラス繊維、シリカ繊維、シリカ粉末成形体などを使用することができる。
この反応容器には、反応を促進するため、金属および金属酸化物から選ばれた少なくとも1種の触媒がさらに収容されていることが好ましい。触媒は、粉末状、ペレット状、円筒状、ハニカム構造、不織布形状などの反応に適した形状を選択して、反応容器内に収納することが好ましい。
加熱器としては、抵抗加熱によるヒータや、正特性サーミスタ(PTCヒータ)、化学反応の酸化熱を利用する加熱器、触媒燃焼による加熱器、誘導加熱による加熱器などを用いることができる。
水蒸気を加えた反応を行う場合には、反応容器に水または水蒸気を供給する配管をさらに設けることが好ましい。加熱器により、水を反応容器内で水蒸気化することもできるが、反応容器の外に気化器などを設けて、水蒸気としたものを反応容器内に供給することもできる。また、反応容器内に一定量の水を収容しておくこともできる。
水素を排出する配管は、燃料電池などの水素を利用する装置に供給できるように構成することが好ましい。また、本発明に係る水素製造装置は、パソコン用の燃料電池や、携帯電話用の燃料電池などに併設するため、携帯可能な小型の装置にすることもできる。
なお、炭素含有物とアルカリは、固定床方式、流動床方式のどちらでも反応容器内に収容することができる。また、反応容器内に原料である炭素含有物とアルカリを連続的に供給する手段を設けて、連続的に水素を生成するように構成することもできる。これにより、長期にわたって一定量の水素を発生させることができる。
(炭素材料からの水素生成)
(実施例1)
和光純薬工業株式会社製の活性炭(以下、活性炭(W)と略記)をアルミナボード上に秤り取り、この活性炭に50wt%NaOH水溶液(和光純薬工業株式会社製)を滴下した。その後、スパチュラにて活性炭とNaOH水溶液とを混合した。なお、活性炭とNaOHの量は、モル比で炭素:アルカリ=1:2となるように、活性炭を0.10g(8.3mmol)、NaOHを0.66g(16.6mmol)とした。
次に、図1に示す固定床流通反応装置を用いて、上記の試料から水素を生成する実験を行った。先ず、アルミナ反応管3内に上記のアルミナボードに載せた試料を入れ、Arパージ(50ml/min、101kPa)を30分間行った。その後、電気炉4により反応管3を加熱して、Ar(20ml/min、101kPa)雰囲気下、100℃、20分間の乾燥を行った。そして、反応管3内の温度をさらに400℃まで昇温した。温度400℃に達した後、マイクロフィーダ1から気化器2を介して水蒸気を導入し、後述する測定を開始した。なお、水蒸気は、水蒸気供給速度を9.4ml/min、Ar流速を40ml/minとし、分圧をH2O=19.3kPa、Ar=81.7kPaで導入した。また、気化器2の温度は100℃とした。
アルミナ反応管3内で生成した気体は、氷により温度0℃に保持されたトラップ装置5を介して、サンプリング装置6に導入した。そして、気相生成物を分析するために、さらに気相の一部をガスクロマトグラフ7(GL Sciences社製、GC323、カラム:活性炭)に導入する一方、気相流量を測定するために、気相の一部を石鹸膜流量計8に導入した。そして、気相の組成および流量から、気相中の水素、メタン、CO、CO2等の各成分の生成速度(μmol/min)を求めた。
気相生成物の分析および流量の測定は、温度400℃で1時間行った後、温度500℃まで昇温して再び1時間行い、更に温度600℃まで昇温して1時間行った。これら一連の測定結果を図2および図3に示す。
図2に示すように、温度400℃での活性炭(W)、NaOH、水蒸気の反応により、水素が生成することを確認した。また、温度500℃および600℃で、水素の生成速度は飛躍的に向上した。なお、図3に示すように、水素の他、メタンが微量(500℃および600℃で約1〜3μmol/min)に生成したが、COおよびCO2の生成は見られなかった。
(実施例2)
実施例1の活性炭(W)に代えて、低温炭化の竹炭(株式会社白元製、以下、竹炭(L)と略記)、高温炭化の竹炭(株式会社白元製、以下、竹炭(H)と略記)、竹炭(鶴亀製、以下、竹炭(T)と略記)、備長炭(日の丸カーボテクノ株式会社製)、カーボンナノファイバー(530℃でのメタン分解によりシリカ担持Ni−Pd触媒(シリカ:Cabot社製の商品名Cab−O−Sil、Ni−Pd:30wt%)上に生成した炭素であり、以下、CNFと略記)、カーボンブラック(和光純薬工業株式会社製)、ヤシガラ活性炭(株式会社白元製、低温炭化)を使用したこと以外は、実施例1と同様の手順により実験を行った。これらの測定結果を、実施例1の測定結果と併せて図2および図3に示す。
図2に示すように、竹炭、備長炭、ヤシガラ活性炭等の炭や、CNF、カーボンブラックといった炭素材料を使用した場合であっても、活性炭(W)と同様に、水素が生成することを確認した。特に、ヤシガラ活性炭、竹炭(H)、竹炭(L)が600℃において優れた水素生成速度を示した。また、図3に示すように、これら炭素材料においても、メタンが微量に生成したが、COおよびCO2の生成は見られなかった。
(実施例3)
実施例1の活性炭(W)に代えて、コーヒー豆殻を炭化したもの(株式会社白元製、以下、コーヒー炭素と略記)、もみ殻を炭化したもの(株式会社白元製、以下、もみ殻炭素と略記)、米ぬかを炭化したもの(株式会社白元製、以下、米ぬか炭素と略記)、そば殻を炭化したもの(株式会社白元製、以下、そば殻炭素と略記)を使用したこと以外は、実施例1と同様の手順により実験を行った。これらの測定結果を図4に示す。
図4に示すように、コーヒー炭素等の木質バイオマスを炭化した炭素材料を使用しても、上記の活性炭(W)等と同様に、水素が生成することを確認した。特に、コーヒー炭素とそば殻炭素が600℃において優れた水素生成速度を示した。また、これら炭素材料においても、メタンが微量に生成したが、COおよびCO2の生成は見られなかった。
実施例1から実施例3の各炭素材料について、反応温度400℃、500℃、600℃で各1時間反応させた時に得られた各水素生成量を累積して算出した水素生成量(mmol)を図5に示す。また、この水素生成量から、上記の式4に基づいて理論的に消費した炭素量(mol)およびNaOH量(mol)を算出し(なお、メタン生成量は考慮せず)、さらにこれから、炭素消費率(=消費した炭素量/導入した炭素量×100(%))およびNaOH消費率(=消費したNaOH量/導入したNaOH量×100(%))を算出した。これら算出結果をそれぞれ図6および図7に示す。さらに、導入した炭素量に対する水素生成量の割合(H2/C)を図8に示す。
また、実施例1〜実施例3で使用した各炭素材料の表面積(m2/g)を、BET法に基づいて測定した。この結果を図9に示す。図9に示すように、表面積が大きい炭素材料の方が、水素生成速度が高い傾向にある。しかし、竹炭(L)のように、表面積が小さい炭素材料であっても水素生成速度が良好なものもあった。
(アルカリ添加量の影響)
(実施例4)
実施例1のNaOH量を、無添加(炭素:アルカリ=1:0)、33mg(炭素:アルカリ=1:0.1)、83mg(炭素:アルカリ=1:0.25)、664mg(炭素:アルカリ=1:2)、1000mg(炭素:アルカリ=1:3)にして、導入した炭素量に対するアルカリ添加量のモル比を変化させたこと、および測定時間を400℃で60〜70分間、500℃で60〜200分間、600℃で60〜200分間にしたこと以外は、実施例1と同様の手順により実験を行った。その測定結果を図10から図12に示す。
アルカリを無添加にした場合は、図10に示すように、水素の生成がほとんど見られなかっただけでなく、図11および図12に示すように、COおよびCO2が生成することを確認した。また、アルカリをモル比で0.1または0.25添加した場合は、図10に示すように、水素の生成を確認したが、図11および図12に示すように、COおよびCO2も生成することを確認した。一方、アルカリをモル比で2または3添加した場合は、図10に示すように、水素の生成速度も良好で、かつ図11および図12に示すように、COおよびCO2の生成は見られなかった。
また、実施例4についても、各反応温度で得られた各水素生成量を累積して算出した水素生成量(mmol)から、導入した炭素量に対する水素生成量の割合(H2/C)、炭素消費率(%)およびNaOH消費率(%)を算出した。これら算出結果を図13から図15に示す。
図13に示すように、アルカリをモル比で2以上添加した場合は、導入した炭素量に対して水素生成量が高いことを確認した。また、図14に示すように、アルカリをモル比で2以上添加した場合は、炭素消費率も高いことを確認した。一方、図15に示すように、NaOH消費率は、アルカリをモル比で0.1および0.25添加した場合の方が高く、100%を超えていた。NaOHの消費率が100%を超えるものは、以下に示す反応によりH2、CO、CO2が生成したと考えられる。
C+H2O→CO+H2・・・(式7)
CO+H2O→CO2+H2・・・(式8)
(水素の総生産量)
(実施例5)
実施例1において、カーボンブラック、ヤシガラ活性炭を使用したこと、および反応温度400℃、500℃で各1時間測定を行った後、反応温度600℃で水素生成がほぼ見られなくなるまで測定を行ったこと以外は、実施例1と同様の手順により実験を行った。600℃での結果を抽出して図16に示す。
図16に示すように、カーボンブラックおよびヤシガラ活性炭は、反応温度600℃において1時間を超えても反応が持続し水素を生成することを確認した。温度600℃の反応初期では、ヤシガラ活性炭の方がカーボンブラックより水素生成速度が高かった。ヤシガラ活性炭もカーボンブラックも、時間の経過に従って水素生成速度が次第に低下し、ヤシガラ活性炭は600℃昇温後約2時間でほぼ水素生成は見られなくなったが、カーボンブラックは600℃昇温後5時間以上も水素生成をした。
また、実施例5についても、各反応温度で得られた各水素生成量を累積した水素生成量(mmol)、炭素消費率(%)およびNaOH消費率(%)を算出した。これらの結果を図17に示す。カーボンブラックは、ヤシガラ活性炭より長時間にわたり水素を生成したため、図17に示すように、カーボンブラックの水素生成量、炭素消費率およびNaOH消費率は、ヤシガラ活性炭とほぼ同じ値であった。
(実施例6)
実施例1において、竹炭(H)、ヤシガラ活性炭を使用したこと、およびAr雰囲気下でおよそ15分間で600℃まで昇温し、600℃に達した後に水蒸気を導入して測定を開始するとともに、水素生成が見られなくなるまで測定を行ったこと以外は、実施例1と同様の手順により実験を行った。その結果を図18に示す。
図18に示すように、竹炭(H)およびヤシガラ活性炭は、水蒸気導入から300分を超えても、反応が持続して水素を生成することを確認した。反応初期では、ヤシガラ活性炭よりも竹炭(H)の方が水素生成速度が高かった。ヤシガラ活性炭も竹炭(H)も、時間の経過に従って水素生成速度が次第に低下したが、水蒸気導入後約80分から約180分の間で、水素生成速度が再び上昇した。
また、実施例6についても、水素生成量、炭素消費率およびNaOH消費率を算出した。なお、実施例6ではメタン生成量を考慮して各消費率を算出した。これらの結果を図19に示す。図19に示すように、温度600℃で水蒸気導入を開始した場合、竹炭(H)の水素生成量、炭素消費率およびNaOH消費率は、ヤシガラ活性炭を超える結果が得られた。
(ヤシガラ活性炭の吸着成分含有率)
試料として、ヤシガラ活性炭0.1028g(8.57mmol)をアルミナボードにのせ、Ar雰囲気下で600℃、2時間加熱した。加熱後の試料の重量を測定したところ、0.0831gであった。よって、加熱後の試料の重量0.0831g(6.93mmol)が、純炭素として試料に含まれていた量であり、加熱前後の試料重量の差である0.0197g(重量比としては19.2%)が、吸着成分(水、炭酸ガス等)あるいは分解成分(−OH、−COOH、−CHO基等)として試料に含まれていた量であった。以後、ヤシガラ活性炭中の吸着成分あるいは表面分解成分含有率を19.2wt%として考慮して計算する。
(実施例7)
実施例1において、ヤシガラ活性炭を0.1002g(8.35mmol)、NaOHを0.6678g(16.7mmol)使用したこと、およびAr雰囲気下で600℃まで昇温し、この昇温過程の間(100℃から600℃)も生成した気相の測定を行うとともに、600℃から水蒸気を導入して、水素生成が見られなくなるまで測定を行ったこと以外は、実施例1と同様の手順により実験を行った。その結果を図20から図23に示す。
図20に示すように、水蒸気を導入しなかった昇温過程でも、約350℃以上の温度で水素が生成することを確認した。特に、温度500℃以上で水素生成速度は飛躍的に向上した。また、図21に示すように、水蒸気導入後、時間の経過に従って水素生成速度が次第に低下したが、水蒸気導入後約80分から約180分の間で、水素生成速度が著しく上昇した。
図22に示すように、昇温過程においてメタンが微量に生成したが、COおよびCO2の生成は見られなかった。また、図23に示すように、水蒸気導入後でメタン生成速度が著しく低下したが、水蒸気導入後約80分から約180分の間に、メタン生成速度が若干上昇した。
また、実施例7では、水素生成量に加えて、メタン生成量と試料中の吸着成分率とを考慮して、炭素とNaOHの各消費量と各消費率、および導入した炭素量に対する水素生成量の割合(H2/C)を算出した。これらの結果を表1に示す。なお、上述した吸着および表面分解成分率19.2wt%を用い、ヤシガラ活性炭0.1002g中に含まれていた炭素量(導入した炭素量)は0.0810g(6.74mmol)とした。
Figure 2005289796
表1に示すように、導入した炭素量は、水蒸気導入後にその約81%が消費されたが、昇温過程で約14%消費されているため、反応全体の炭素消費率は約95%であった。よって、導入した炭素量のほとんどが水素生成反応により消費されたことがわかった。また、反応全体のH2/Cも約1.8であり、理論値の2に非常に近いものであった。
(水蒸気導入の影響)
(実施例8)
実施例1において、ヤシガラ活性炭を使用したこと、およびAr雰囲気下で600℃まで昇温し、600℃より水蒸気を導入する場合と水蒸気を全く導入しない場合とで、600℃昇温後から水素生成が見られなくなるまで測定を行ったこと以外は、実施例1と同様の手順により実験を行った。その結果を図24および表2に示す。
Figure 2005289796
図24に示すように、水蒸気を導入した場合も全く導入しなかった場合も、反応温度600℃で約300分の間にわたり水素を生成したことを確認した。また、水蒸気を導入した場合も全く導入しなかった場合も、時間の経過に従って水素生成速度が次第に低下したが、水蒸気を導入した場合は、水蒸気導入後約80分から約180分の間で、水素生成速度が著しく上昇した。一方、水蒸気を全く導入しなかった場合は、このような上昇は見られなかった。
また、表2に示すように、水蒸気を全く導入しなかった場合の水素生成量は、水蒸気を導入した場合に比べて、26.6%も低かった。これは、水蒸気を導入することで、上記の式3に示すように、水蒸気がNa2Oと反応してNaOHを再生することにより、水素生成が促進されるためであると考えられる。なお、水蒸気を導入した場合のNaOH消費量は、上記の式4に基づいて算出したものであり、水蒸気を全く導入しなかった場合のNaOH消費量は、上記の式1に基づき算出したものである。よって、表2に示すように、水蒸気を導入した場合のNaOH消費量は約65%であったのに対し、水蒸気を導入しなかった場合のNaOH消費量は約95%と高い値を示した。
(実施例9)
実施例1において、ヤシガラ活性炭を使用したこと、およびAr雰囲気下で600℃まで昇温し、600℃昇温後に水蒸気を導入する場合と600℃で200分反応した後に水蒸気を導入する場合とで、昇温過程(100℃〜600℃)から水素生成が見られなくなるまで測定を行ったこと以外は、実施例1と同様の手順により実験を行った。その結果を図25および表3に示す。
Figure 2005289796
図25に示すように、600℃昇温後に水蒸気を導入した場合も600℃で200分反応した後に水蒸気を導入する場合も、600℃昇温直後の水素生成速度が最も高く、時間の経過に従って水素生成速度は次第に低下した。600℃昇温後に水蒸気を導入する場合は、水蒸気導入後約80分から約180分の間で、水素生成速度が著しく上昇した。また、200分反応後に水蒸気を導入した場合は、水蒸気を導入する前では水素生成速度の上昇は見られなかったものの、水蒸気を導入した後約60分から約180分の間で、水素生成速度が著しく上昇した。
また、表3に示すように、600℃昇温後に水蒸気を導入した場合も、600℃で200分反応した後に水蒸気を導入する場合も、反応完了後の水素生成量、メタン生成量、炭素消費率、NaOH消費率、H2/Cはほぼ同じ値であった。
(バイオマス資源からの水素生成)
(実施例10)
実施例1において、活性炭(W)0.10g(8.3mmol)に代えて、D−グルコース(和光純薬工業株式会社製)、スクロース(和光純薬工業株式会社製)、セルロース(Aldrich社製)を試料中の炭素分が0.20g(16.7mmol)となる重量を使用したこと、NaOHを1.33g(33.3mmol)使用したこと、水蒸気は全く導入しなかったこと、およびAr雰囲気下で600℃までほぼ一定の温度上昇速度(1.9℃/分)で昇温し、昇温過程である100℃から600℃までの間で測定を行ったこと以外は、実施例1と同様の手順により実験を行った。その結果を図26および表4に示す。
Figure 2005289796
図26に示すように、グルコース、スクロース、セルロースの全ての糖類において、約250℃〜約350℃と低い温度範囲で優れた水素生成速度を示すことを確認した。スクロースは約175℃の低温でも水素を生成した。セルロースは約250℃の低温で高い水素生成速度を示した。グルコースはこれら糖類の中で水素生成量が最も多かった。なお、メタンが比較的に多く生成したが、COおよびCO2の生成は見られなかった。
(実施例11)
実施例10において、100℃で水蒸気を導入したこと以外は、実施例10と同様の手順により実験を行った。その結果を図27および表5に示す。
Figure 2005289796
図27に示すように、水蒸気を導入した場合も、導入しない場合と同様に、グルコース、スクロース、セルロースの全ての糖類において、約250℃〜約350℃と低い温度範囲で優れた水素生成速度を示すことを確認した。水蒸気を導入した場合は、セルロースの水素生成量が最も多かった。なお、水蒸気を導入した場合は、水蒸気を導入しなかった場合と比べて、約350℃〜約450℃の温度範囲で水素生成速度が上昇した。
(実施例12)
実施例11において、リグニン(Aldrich社製)、デンプン(和光純薬工業株式会社製)を使用したこと以外は、実施例11と同様の手順により実験を行った。その結果を図28、図29および表6に示す。
Figure 2005289796
図28に示すように、糖類であるデンプンは、上記のグルコースと同様に約200℃〜約350℃と低い温度範囲で優れた水素生成速度を示すことを確認した。一方、リグニンは、これら糖類とは異なり、約400℃以上で優れた水素生成速度を示した。なお、図29に示すように、デンプンおよびリグニンは、メタンが微量に生成したが、COおよびCO2の生成は見られなかった。
(実施例13)
実施例10において、脱脂綿(市販品)、和紙(市販品)を、試料が全てセルロースで構成されていると仮定して、炭素分が0.20g(16.7mmol)となる量を使用したこと以外は、実施例10と同様の手順により実験を行った。その結果を図30から図32に示す。なお、図中、比較のために実施例10のセルロースを併記した。
図30に示すように、セルロース製品である脱脂綿および和紙は、セルロースと同様に約250℃〜約350℃と低い温度範囲で優れた水素生成速度を示すことを確認した。図31に示すように、脱脂綿および和紙も、メタンが微量に生成したが、COおよびCO2の生成は見られなかった。また、脱脂綿および和紙の水素とメタンの各生成量は、図32に示すように、セルロースとほぼ同様の値であった。
(実施例14)
実施例13の和紙について、100℃から水蒸気を導入して測定したこと以外は、実施例13と同様の手順により実験を行った。その結果を図33および表7に示す。なお、図および表中、比較のために、実施例13の水蒸気を導入しなかった場合についても併記した。
Figure 2005289796
図33に示すように、水蒸気を導入した場合は、約280℃〜約300℃付近で水素生成速度が若干低下したものの、約220℃〜約350℃の温度範囲で優れた水素生成速度を示した。また、約400℃〜約450℃の温度範囲で再び水素生成速度が増大した。なお、水蒸気を導入しなかった場合は、反応後に若干炭素が残留したが、水蒸気を導入した場合は、炭素らしき黒色物はなく、Na2CO3の白色物のみが残った。表7に示すように、水蒸気を導入した場合は、水蒸気を導入しなかった場合に比べて、水素生成量が増加した。よって、水蒸気を導入した場合、残留した未反応の炭素が再び反応し、水素を生成したものと考えられる。
(実施例15)
実施例11において、稲わら、杉、竹を、試料が全てセルロースで構成されていると仮定して、炭素分が0.20g(16.7mmol)となる量を使用したこと以外は、実施例11と同様の手順により実験を行った。その結果を図34および表8に示す。
Figure 2005289796
木質バイオマスの主成分はセルロースであるが、その他の成分としてリグニンも多く含んでいる。一般にリグニンの含有率は、木材が約18〜36wt%、草木が15〜25wt%である。よって、図34に示すように、木質バイオマスである稲わら、杉および竹は、セルロースと同様に約250℃〜約350℃と低い温度範囲で優れた水素生成速度を示すとともに、リグニンと同様に約400℃以上の温度範囲でも優れた水素生成速度を示した。また、これら木質バイオマスも、メタンが微量に生成したが、COおよびCO2の生成は見られなかった。
(実施例16)
実施例10において、新聞紙(市販品)を、試料が全てセルロースで構成されていると仮定して、炭素分が0.20g(16.7mmol)となる量を使用したこと、および100℃から水蒸気を導入する場合と水蒸気を全く導入しない場合とで測定したこと以外は、実施例10と同様の手順により実験を行った。その結果を図35および表9に示す。
Figure 2005289796
図35に示すように、セルロース製品である新聞紙は、セルロースと同様に約250℃〜約350℃と低い温度範囲で優れた水素生成速度を示すことを確認した。また、新聞紙も、メタンが微量に生成したが、COおよびCO2の生成は見られなかった。
(実施例17)
実施例13の和紙について、NaOHを全く添加しない場合とNaOHを添加する場合とで測定したこと以外は、実施例13と同様の手順により実験を行った。その結果を図36および図37に示す。
NaOHを全く添加しなかった場合は、図36に示すように、300〜350℃付近でCOおよびCO2が生成し、和紙の熱分解が開始したことを確認した。また、この温度付近から、トラップ装置5で水が捕捉され、かつ反応管3の出口付近に黄褐色の液体(タール)が付着したことから、水蒸気およびタールが生成したことも確認した。また、水素は、約500℃で微量(約0.4μmol/min)に生成した。一方、NaOHを添加した場合は、図37に示すように、250〜400℃付近で優れた水素生成速度を示すとともに、COおよびCO2の生成は見られなかった。また、タールの付着も見られなかったことから、NaOHを添加した場合は、和紙の熱分解ではなく、NaOHと和紙との反応によって水素が生成したものと考えられる。
(合成高分子化合物からの水素生成)
(実施例18)
実施例1において、活性炭(W)0.10g(8.3mmol)に代えて、ポリエチレンテレフタレート(市販品、以下、PETと略記)、ポリカーボネート(市販品、以下、PCと略記)を試料中の炭素分が0.20g(16.7mmol)となる量を使用したこと、NaOHを1.33g(33.3mmol)使用したこと、水蒸気は全く導入しなかったこと、およびAr雰囲気下で600℃までほぼ一定の温度上昇速度(1.9℃/分)で昇温し、昇温過程である100℃から600℃までの間で測定を行ったこと以外は、実施例1と同様の手順により実験を行った。その結果を図38および図39に示す。
図38に示すように、PET、PCの両プラスチックにおいて、優れた水素生成速度を示すことを確認した。PETでは、約250℃の低温で水素が生成し、約300℃で最も高い水素生成速度を示した。また、PCでは、約475℃の高温で水素が生成し、約500℃で最も高い水素生成速度を示した。また、PET、PCの両プラスチックにおいて、水素の他、メタンが微量に生成したが、COおよびCO2の生成は見られなかった。図39に示すように、PETに比べてPCの方が、水素生成量が多かった。
また、PETおよびPCの両プラスチックにおいて、総水素生成量および総メタン生成量を調べるために、温度を600℃に維持したまま、水素の生成が見られなくなるまで測定を行った。その結果を図40および図41に示す。図40に示すように、PET、PCともに、600℃に達した(図中、約260分の時点)後、時間の経過に従って、水素生成速度は次第に低下した。また、図41に示すように、総水素生成量は、PETが約7mmolであったの対して、PCは約20mmolと非常に多くの水素を得ることができた。
(触媒による水素生成反応の促進)
(実施例19)
実施例1の活性炭に代えてカーボンブラック(0.100g)を使用し、さらに触媒として、鉄、ニッケル、ルテニウム、白金、ロジウムの金属触媒を0.025g添加したこと、および温度500℃まで昇温し、温度500℃に達した後に水蒸気を導入し、温度500℃で40分間測定した後、さらに温度600℃に昇温し、再び温度600℃で100分間測定したこと以外は、実施例1と同様の手順により実験を行った。その結果を図42および図43に示す。なお、図中、金属触媒の効果を比較するため、触媒を添加しなかった結果も併記した。
図42および図43に示すように、金属触媒を用いたものは、触媒を添加しなかった場合に比べて、水素生成速度および水素生成量が著しく向上した。特に、温度600℃で飛躍的な向上を示した。これら金属触媒の中でもルテニウムが最も優れた水素生成速度および水素生成量を示した。
(実施例20)
実施例19の金属触媒に代えて、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化カルシウム、二酸化チタン、五酸化バナジウム、三酸化クロム、二酸化マンガン、四酸化三鉄、酸化亜鉛、二酸化ジルコニウム、三酸化モリブデン、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化プラセオジウムの金属酸化物触媒を0.025g添加したこと以外は、実施例19と同様の手順により実験を行った。その結果を図44および図45に示す。なお、図中、金属酸化物触媒の効果を比較するため、触媒を添加しなかった結果も併記した。
図44および図45に示すように、金属酸化物触媒を用いたものは、触媒を添加しなかった場合に比べて、水素生成速度および水素生成量が著しく向上した。特に、温度600℃で飛躍的な向上を示した。これら金属触媒の中でも酸化アルミニウムが最も優れた水素生成速度および水素生成量を示した。
(実施例21)
先ず、ニッケル金属イオンを含む水溶液中に酸化アルミニウムを浸漬し、乾燥後、空気中で600℃で焼成し、500℃で水素還元処理することで、ニッケル金属を酸化アルミニウムに担持した触媒(Ni/Al23)を得た。なお、金属の担持量は20重量%とした。
次に、実施例1において、活性炭(W)に代えて、セルロース(Aldrich社製)を0.45g(セルロース中の炭素分は16.7mmol)使用したこと、NaOHを1.33g(33.3mmol)使用したこと、Ni/Al23触媒を0.18g使用したこと、Arおよび水蒸気(40.0および9.4ml/min、101kPa)雰囲気下で100℃から600℃までほぼ一定の温度上昇速度(2℃/分)で昇温し、昇温過程である100℃から600℃までの間で測定を行ったこと以外は、実施例1と同様の手順により実験を行った。その結果を図46に示す。図中、本触媒の効果を比較するため、触媒を添加しなかった結果も併記した。
図46に示すように、Ni/Al23触媒を使用した場合は、触媒を使用しなかった場合に比べて、水素生成速度が著しく向上した。さらに、触媒を使用しなかった場合は、350〜500℃でメタンが微量(約400℃で約100μmol/min)生成したが、Ni/Al23触媒を使用した場合は、600℃まで昇温してもメタンの生成は確認されなかった。
(実施例22)
実施例21において、ニッケルに代えて、コバルト、鉄、銅、ロジウム、ルテニウム、白金、パラジウムを酸化アルミニウムに担持した各触媒を使用したこと以外は、実施例21と同様の手順により実験を行った。その結果を図47および図48に示す。なお、金属の担持量は全て20重量%とした。
図47および図48に示すように、上記の金属を酸化アルミニウムに担持した各触媒を使用した場合は、触媒を使用しなかった場合に比べて、水素生成速度が向上することが確認できた。また、これらのどの触媒を使用した場合でも、実施例21と同様にメタンの生成は確認されなかった(図示省略)。
さらに、得られた水素生成量についても比較を行った。上記式6に示した反応式が完全に進行した際に得られる水素収率を100%とすると、得られる水素生成量は33.3mmolとなるはずである。触媒を使用しなかった場合の水素生成量は20.7mmolであったので、水素収率は62%であった。一方、図49に示すように、金属を酸化アルミニウムに担持した上記の各触媒を用いた場合は、水素収率が62%よりも向上した。特に、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウムを酸化アルミニウムに担持した触媒ではほぼ100%の水素収率が得られた。
(実施例23)
実施例21において、酸化アルミニウムに代えて、二酸化チタン、三酸化クロム、二酸化ジルコニウム、酸化セリウム、二酸化ケイ素にニッケルを担持した各触媒を使用したこと以外は、実施例21と同様の手順により実験を行った。その結果を図50に示す。なお、金属の担持量は全て20重量%とした。
図50に示すように、担体として、酸化アルミニウムの他、上記の金属酸化物を使用しても、ほぼ100%の水素収率を得ることができた。
実施例で使用した固定床流通反応装置の概略を示す模式図である。 各炭素材料の反応温度における水素生成速度を示すグラフである。 各炭素材料の反応温度におけるメタン生成速度を示すグラフである。 各炭素材料の反応温度における水素およびメタン生成速度を示すグラフである。 各炭素材料の水素生成量を示すグラフである。 各炭素材料の炭素消費率を示すグラフである。 各炭素材料のNaOH消費率を示すグラフである。 各炭素材料のH2/Cを示すグラフである。 各炭素材料の表面積を示すグラフである。 NaOHのモル比を変化させた場合の水素生成速度を示すグラフである。 NaOHのモル比を変化させた場合のCO生成速度を示すグラフである。 NaOHのモル比を変化させた場合のCO2生成速度を示すグラフである。 NaOHのモル比を変化させた場合のH2/Cを示すグラフである。 NaOHのモル比を変化させた場合の炭素消費率を示すグラフである。 NaOHのモル比を変化させた場合のNaOH消費率を示すグラフである。 600℃で水素生成が見られなくなるまで反応させた場合の水素生成速度を示すグラフである。 400℃、500℃で各1時間反応させ、かつ600℃で水素生成が見られなくなるまで反応させた場合の結果であって、(a)は水素生成量、(b)は炭素およびNaOHの消費率を示すグラフである。 600℃から水蒸気を導入した場合の水素生成速度を示すグラフである。 600℃から水蒸気を導入した場合の結果であって、(a)は水素生成量、(b)は炭素およびNaOHの消費率を示すグラフである。 昇温過程の水素生成速度を示すグラフである。 昇温過程および600℃で水蒸気を導入した場合の水素生成速度を示すグラフである。 昇温過程のメタン生成速度を示すグラフである。 昇温過程および600℃で水蒸気を導入した場合のメタン生成速度を示すグラフである。 水蒸気を全く導入しなかった場合のメタン生成速度を示すグラフである。 600℃で200分反応させた後に水蒸気を導入した場合の水素生成速度を示すグラフである。 水蒸気を導入しなかった場合の各糖類の水素およびメタンの生成速度を示すグラフである。 水蒸気を導入した場合の各糖類の水素およびメタンの生成速度を示すグラフである。 リグニン、デンプンの水素生成速度を示すグラフである。 リグニン、デンプンのメタン生成速度を示すグラフである。 セルロース、脱脂綿、和紙の水素生成速度を示すグラフである。 セルロース、脱脂綿、和紙のメタン生成速度を示すグラフである。 セルロース、脱脂綿、和紙の水素およびメタンの生成量を示すグラフである。 水蒸気を導入した場合と導入しなかった場合の水素およびメタンの生成速度を示すグラフである。 稲わら、杉、竹の水素およびメタンの生成速度を示すグラフである。 水蒸気を導入した場合と導入しなかった場合の新聞紙の水素およびメタンの生成速度を示すグラフである。 NaOHを添加しなかった場合の水素、メタン、COおよびCO2の生成速度を示すグラフである。 NaOHを添加した場合の水素、メタン、COおよびCO2の生成速度を示すグラフである。 PET、PCの水素およびメタンの生成速度を示すグラフである。 PET、PCの水素およびメタンの生成量を示すグラフである。 水素生成が見られなくなるまで反応を行った場合のPET、PCの水素およびメタンの生成速度を示すグラフである。 水素生成が見られなくなるまで反応を行った場合のPET、PCの水素およびメタンの生成量を示すグラフである。 金属触媒を用いた場合のH2生成速度およびH2O転化率を示すグラフである。 金属触媒を用いた場合のH2生成量および炭素転化率を示すグラフである。 金属酸化物触媒を用いた場合のH2生成速度およびH2O転化率を示すグラフである。 金属酸化物触媒を用いた場合のH2生成量および炭素転化率を示すグラフである。 金属を金属酸化物に担持した触媒を用いた場合のH2生成速度およびCH4生成速度を示すグラフである。 金属を金属酸化物に担持した触媒を用いた場合のH2生成速度を示すグラフである。 金属を金属酸化物に担持した触媒を用いた場合のH2生成速度を示すグラフである。 金属を金属酸化物に担持した触媒を用いた場合のH2収率を示すグラフである。 金属を金属酸化物に担持した触媒を用いた場合のH2収率を示すグラフである。
符号の説明
1 マイクロフィーダ
2 気化器
3 アルミナ反応管
4 電気炉
5 トラップ装置
6 サンプリング装置
7 ガスクロマトグラフ
8 石鹸膜流量計

Claims (8)

  1. 不活性ガス雰囲気下および加熱条件下で、炭素含有物とアルカリとの反応を行い、水素を生成する水素製造方法であって、前記炭素含有物と前記アルカリのモル比を、炭素含有物に含まれる炭素1モルに対してアルカリを0.5〜10モル/(アルカリの価数)とする水素製造方法。
  2. 前記不活性ガスに水または水蒸気を加えて前記反応を行う請求項1に記載の水素製造方法。
  3. 金属もしくは金属酸化物の触媒、または金属を金属酸化物もしくは炭素材料に担持した触媒の存在下で、前記反応を行う請求項1または2に記載の水素製造方法。
  4. 前記炭素含有物が天然有機化合物または天然有機化合物を含むバイオマスである請求項1〜3のいずれかに記載の水素製造方法。
  5. 前記炭素含有物が合成高分子化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の水素製造方法。
  6. 炭素含有物とアルカリとが収容され、不活性ガスで充填された反応容器と、この反応容器を加熱する加熱器と、この反応容器内で生成した水素を排出するための配管とを含んでなる水素製造装置であって、前記反応容器に収容された炭素含有物とアルカリのモル比は、炭素含有物に含まれる炭素1モルに対してアルカリが0.5〜10モル/(アルカリの価数)である水素製造装置。
  7. 前記反応容器に水または水蒸気を供給する配管をさらに含んでなる請求項6に記載の水素製造装置。
  8. 前記反応容器内には金属もしくは金属酸化物の触媒、または金属を金属酸化物または炭素材料に担持した触媒がさらに収容されている請求項6または7に記載の水素製造装置。
JP2005063856A 2004-03-09 2005-03-08 水素製造方法およびその装置 Expired - Fee Related JP4814537B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005063856A JP4814537B2 (ja) 2004-03-09 2005-03-08 水素製造方法およびその装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004066287 2004-03-09
JP2004066287 2004-03-09
JP2005063856A JP4814537B2 (ja) 2004-03-09 2005-03-08 水素製造方法およびその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005289796A true JP2005289796A (ja) 2005-10-20
JP4814537B2 JP4814537B2 (ja) 2011-11-16

Family

ID=35323175

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005063856A Expired - Fee Related JP4814537B2 (ja) 2004-03-09 2005-03-08 水素製造方法およびその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4814537B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007126301A (ja) * 2005-11-01 2007-05-24 Tokyo Electric Power Co Inc:The 木質系バイオマスからの水素製造方法
WO2007116734A1 (ja) * 2006-03-28 2007-10-18 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. エネルギー供給システム及び水素生成物質
JP2008546626A (ja) * 2005-06-23 2008-12-25 ジーアールディーシー,エルエルシー 水素の効率的な生産
JP2010006677A (ja) * 2008-06-30 2010-01-14 Yasuo Ishikawa 水素発生用触媒及びその製造方法並びに水素発生装置
JP2010269952A (ja) * 2009-05-19 2010-12-02 Toyota Central R&D Labs Inc エネルギーガス製造方法及びエネルギーガス貯蔵材料
JP2011126997A (ja) * 2009-12-17 2011-06-30 Toyota Central R&D Labs Inc バイオマスガス化発電装置及び移動体
JP2011173967A (ja) * 2010-02-23 2011-09-08 Toyota Central R&D Labs Inc エネルギーガス製造方法及びエネルギーガス貯蔵材料
JP2015532195A (ja) * 2012-09-27 2015-11-09 ホワイチャオ・チェン 水蒸気分解用触媒、及びその製造方法、並びに水蒸気分解で得られた水素ガスの燃焼方法
WO2019049611A1 (ja) * 2017-09-08 2019-03-14 杉山 修 水素ガスの製造方法
KR20210108224A (ko) * 2020-02-25 2021-09-02 한국에너지기술연구원 메탄 분해 반응기 및 촉매 화합물
CN115869939A (zh) * 2022-12-28 2023-03-31 厦门大学 一种β-MnO2在催化甲醛脱氢中的应用

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09241001A (ja) * 1996-03-08 1997-09-16 Agency Of Ind Science & Technol セルロース系バイオマスからの水素の製造方法
JPH10251001A (ja) * 1997-03-11 1998-09-22 Central Res Inst Of Electric Power Ind 水素製造方法
JP2003201486A (ja) * 2001-09-21 2003-07-18 Univ Shizuoka 有機物のガス化方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09241001A (ja) * 1996-03-08 1997-09-16 Agency Of Ind Science & Technol セルロース系バイオマスからの水素の製造方法
JPH10251001A (ja) * 1997-03-11 1998-09-22 Central Res Inst Of Electric Power Ind 水素製造方法
JP2003201486A (ja) * 2001-09-21 2003-07-18 Univ Shizuoka 有機物のガス化方法

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008546626A (ja) * 2005-06-23 2008-12-25 ジーアールディーシー,エルエルシー 水素の効率的な生産
JP2007126301A (ja) * 2005-11-01 2007-05-24 Tokyo Electric Power Co Inc:The 木質系バイオマスからの水素製造方法
WO2007116734A1 (ja) * 2006-03-28 2007-10-18 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. エネルギー供給システム及び水素生成物質
JP5010583B2 (ja) * 2006-03-28 2012-08-29 三菱重工業株式会社 エネルギー供給システム及び水素生成物質
JP2010006677A (ja) * 2008-06-30 2010-01-14 Yasuo Ishikawa 水素発生用触媒及びその製造方法並びに水素発生装置
JP2010269952A (ja) * 2009-05-19 2010-12-02 Toyota Central R&D Labs Inc エネルギーガス製造方法及びエネルギーガス貯蔵材料
JP2011126997A (ja) * 2009-12-17 2011-06-30 Toyota Central R&D Labs Inc バイオマスガス化発電装置及び移動体
JP2011173967A (ja) * 2010-02-23 2011-09-08 Toyota Central R&D Labs Inc エネルギーガス製造方法及びエネルギーガス貯蔵材料
JP2015532195A (ja) * 2012-09-27 2015-11-09 ホワイチャオ・チェン 水蒸気分解用触媒、及びその製造方法、並びに水蒸気分解で得られた水素ガスの燃焼方法
WO2019049611A1 (ja) * 2017-09-08 2019-03-14 杉山 修 水素ガスの製造方法
JPWO2019049611A1 (ja) * 2017-09-08 2020-11-19 杉山 修 水素ガスの製造方法
US11465902B2 (en) 2017-09-08 2022-10-11 Osamu Sugiyama Method for producing hydrogen gas
KR20210108224A (ko) * 2020-02-25 2021-09-02 한국에너지기술연구원 메탄 분해 반응기 및 촉매 화합물
KR102348522B1 (ko) 2020-02-25 2022-01-07 한국에너지기술연구원 메탄 분해 반응기 및 촉매 화합물
CN115869939A (zh) * 2022-12-28 2023-03-31 厦门大学 一种β-MnO2在催化甲醛脱氢中的应用
CN115869939B (zh) * 2022-12-28 2023-08-25 厦门大学 一种β-MnO2在催化甲醛脱氢中的应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP4814537B2 (ja) 2011-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4814537B2 (ja) 水素製造方法およびその装置
Nanda et al. Insights on pathways for hydrogen generation from ethanol
Li et al. Recent advances in hydrogen production by thermo-catalytic conversion of biomass
Puga Photocatalytic production of hydrogen from biomass-derived feedstocks
LeValley et al. The progress in water gas shift and steam reforming hydrogen production technologies–A review
Shuttleworth et al. Applications of nanoparticles in biomass conversion to chemicals and fuels
Navarro et al. Hydrogen production from renewable sources: biomass and photocatalytic opportunities
JP4979818B2 (ja) エタノールの製造方法
EP2542654B1 (en) Method of reforming gasification gas
CN107128875B (zh) 一种制氢催化体系、包含所述催化体系的制氢体系及其用途
JP2012001441A (ja) エタノール製造方法、およびエタノール製造システム
JPH11502891A (ja) 触媒を用いたウェット・バイオマスの超臨界状態でのガス化
JP2011212598A (ja) タール含有ガスの改質用触媒及びその製造方法、並びにタール含有ガスの改質方法
CN101195475A (zh) 一种光催化制氢过程中抑制一氧化碳生成的方法
Stelmachowski et al. The photocatalytic conversion of (biodiesel derived) glycerol to hydrogen-A short review and preliminary experimental results part 1: A review
JP2007091707A (ja) 有機酸を製造する方法及び装置
CN101972656A (zh) 一种乙醇自热重整制取氢气的镍基催化剂及其制备方法
Ishida et al. Production of CO x-free hydrogen from biomass and NaOH mixture: effect of catalysts
Kumar et al. Tuning of active nickel species in MOF-derived nickel catalysts for the control on acetic acid steam reforming and hydrogen production
JP2008247638A (ja) 水素製造方法およびそれに用いる水素製造装置
Rosha et al. Recent advances in hydrogen production through catalytic steam reforming of ethanol: Advances in catalytic design
CN101195775A (zh) 一种生物混合醇及其制备方法
JP2015004021A (ja) 熱分解ガス化炉、触媒改質方法、エネルギー供給システム、および電熱供給システム
JP6408114B2 (ja) 酸素化物の製造システム及び酸素化物の製造方法
AU2022263656A1 (en) Hydrogen production from pyrolysis of biomass at a temperature of at least 950°c

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20060403

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20060403

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20060403

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080225

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100823

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110506

RD13 Notification of appointment of power of sub attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7433

Effective date: 20110526

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20110527

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110705

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110802

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110826

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140902

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees