JP2005288935A - 複合フィルム積層アルミニウム板、およびエアゾール缶キャップ - Google Patents

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Abstract

【課題】 ジメチルエーテルや液化石油ガスを噴射剤とするエアゾール缶のキャップに用いる成形時の層間剥離がなく絞り加工性に優れた複合フィルム積層アルミニウム板を提供し、またこの複合フィルム積層アルミニウム板からなる耐蝕性に優れたエアゾール缶キャップを提供する。
【解決手段】 アルミニウム板の一面に、ポリアミド樹脂層、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂層、および、カルボニル基を有するフッ素樹脂層がこの順に積層されて形成された複合フィルムを、フッ素樹脂層面を外側にして積層して複合フィルム積層アルミニウム板を要旨とし、第二発明は、この複合フィルム積層アルミニウム板を、そのフッ素樹脂層を内面にして絞り加工されたエアゾール缶キャップを要旨とする。
【選択図】 なし。

Description

本発明は、複合フィルム積層アルミニウム板、およびエアゾール缶キャップに関する。さらに詳しくは、ジメチルエーテルや液化石油ガスを噴射剤とするエアゾール缶のキャップに好適に使用され、絞り加工性に優れた複合フィルム積層アルミニウム板、およびこの複合フィルム積層アルミニウム板からなるエアゾール缶キャップに関する。
従来、缶に充填(または収納)された内容物を霧状、液流状またはムース状に噴射させるエアゾール缶の噴射剤としては、フロン類が主流であった。大気に飛散された特定フロンがオゾン層を破壊するという理由で、その使用が規制されている。使用を規制された特定フロンに代わる噴射剤として、ジメチルエーテルや液化石油ガスが使用されるようになった。
通常、エアゾール缶本体は、単層の金属板から形成されているが、噴射剤や充填する内容物によっては缶本体の内壁面が腐食するという問題があった。エアゾール缶本体の内壁面腐食の問題を解決する手法として、缶の内壁面に耐蝕性の樹脂を塗装する方法、樹脂フィルム製袋を内装する方法などが採用されている。また、エアゾール缶の上部に装着されるキャップも同様に腐食の問題があるので、耐蝕性を付与する手法が採用されている。その一方法として、金属板をポリプロピレンフィルムで被覆し、このフィルム被覆金属板をキャップに絞り加工する方法が提案されている(特許文献1参照)。
また、エアゾール缶用のキャップとして、アルミニウム板の少なくとも片面に、エポキシ系樹脂、脂肪酸またはヒドロキシ置換フェノールからなる薄膜を、350℃以上の温度で熱処理した熱変性薄膜、ポリアミド系樹脂層およびエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂層からなる複合フィルムを被覆してなる積層アルミニウム板を、樹脂層側を内面にして絞り加工したエアゾール缶用キャップが提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、この構成の積層アルミニウム板は、外側にエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂層が配置されているので、絞り加工が困難である。エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂積層アルミニウム板の絞り加工性を向上させる方法としては、積層するエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂のガラス転移温度±30℃の温度範囲に加熱する方法が提案されている(特許文献3参照)。
また、前記構成の積層アルミニウム板から調製したエアゾール缶キャップは、缶本体に充填する内容物が、酸性染毛剤などのように極めて腐食性が強い物質であると、積層樹脂層が薄いときには、充填した内容物が経時的に積層樹脂層に浸透し、アルミニウム板に達してアルミニウム板を腐食することがある。
さらに、アルミニウム板の少なくとも片面に、フッ素樹脂層を被覆してなるフッ素樹脂積層アルミニウム板を、樹脂層側を内面にして絞り加工したエアゾール缶用キャップが提案されている(特許文献4参照)。しかしながら、フッ素樹脂は、アルミニウム板との接着性に乏しく、絞り加工する際にアルミニウム板から剥離するなどの問題があるので、このフッ素樹脂積層アルミニウム板によるエアゾール缶キャップは、これまでのところ実用化されていない。
実開昭55−76064号公報 特開平5−305980号公報 特開平10−24523号公報 特開平6−293370号公報
本発明者らは、上記したような問題を解決すべく鋭意検討し、本発明に至ったものである。本発明の目的は、次のとおりである。
1.ジメチルエーテルや液化石油ガスを噴射剤とするエアゾール缶キャップに用いられ、絞り加工時に層間剥離が生じ難く、絞り加工性に優れた樹脂複合フィルム積層アルミニウム板を提供すること。
2.上記樹脂複合フィルム積層アルミニウム板からなり、耐蝕性に優れたエアゾール缶キャップを提供すること。
上記課題を解決するため、第一発明では、アルミニウム板の一方の面に、ポリアミド系樹脂(A)層、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(B)層、および、カルボニル基含有官能基を有するフッ素樹脂(C)層の順に積層されて形成された複合フィルムを、そのフッ素樹脂層面を外側にして、積層してなることを特徴とする、エアゾール缶キャップ用複合フィルム積層アルミニウム板を提供する。
また、第二発明では、アルミニウム板の一方の面に、ポリアミド系樹脂(A)層、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(B)層、および、カルボニル基含有官能基を有するフッ素樹脂(C)層の順に積層されて形成された複合フィルムを、そのフッ素樹脂層面を外側にして積層した複合フィルム積層アルミニウム板を、フッ素樹脂層を内面にして絞り加工されたものであることを特徴とする、エアゾール缶キャップを提供する。
本発明は、以下に詳細に説明するとおり、次のような特別に有利な効果を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。
1.本発明に係る複合フィルム積層アルミニウム板は、アルミニウム板と表面側の樹脂フィルム層と間に、絞り加工性に優れたポリアミド樹脂(A)層と接着性に優れたエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(B)層との複合樹脂フィルムが配置されているので、絞り加工する際に層間剥離やクラックが発生し難い。
2.本発明に係る複合フィルム積層アルミニウム板は、表面側の樹脂フィルム層としてカルボニル基含有官能基を有するフッ素樹脂(C)を配置しているので、中間に配置した樹脂(B)層と樹脂(C)層とよりなる複合樹脂フィルムとの接着性に優れ、絞り加工する際に層間剥離やクラックが発生し難い。
3.本発明に係る複合フィルム積層アルミニウム板は、表面側の樹脂フィルム層に、カルボニル基含有官能基を有するフッ素樹脂(C)を配置しているので、耐蝕性に優れている。
4.本発明に係るエアゾール缶キャップは、内容物と接触する面がフッ素樹脂(C)層とされているので、特定フロン代替のジメチルエーテルや液化石油ガスなどの噴射剤や、エアゾール缶に充填する内容物に対する耐蝕性に優れている。
本発明におけるアルミニウム板としては、特に限定されるものではないが、絞り加工性や強度の観点から、アルミニウムとマグネシウムとの合金(JIS H0001による5000系)が好適である。アルミニウム板の厚さは、絞り加工できる厚さの0.2〜0.7mmの範囲とするのが好ましく、中でも0.3〜0.6mmが好適である。また、アルミニウム板の複合フィルムで被覆する面には、クロム酸処理、リン酸クロム酸処理などの化成処理、アルカリ溶液または酸溶液によるエッチング処理、陽極酸化処理などを施すのが好ましい。
本発明の第一発明に係る複合フィルム積層アルミニウム板は、アルミニウム板の一方の面に、ポリアミド樹脂(A)層、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(B)層、および特定のフッ素樹脂(C)層が、この順に積層されて複合フィルムとされ、この複合フィルムが積層されたものである。
本発明において、ポリアミド樹脂(A)としては、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6−ポリアミド66共重合体、ポリアミド系エラストマー、耐衝撃性ポリアミドなどが挙げられる。これらポリアミド樹脂(A)層は、複合フィルム積層アルミニウム板を絞り加工する際、層間剥離やクラックが発生し難くする。ポリアミド樹脂(A)層の厚さは15〜100μmの範囲が好ましく、中でも20〜80μmが好適である。
本発明において、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(B)としては、エチレン含量が20〜60モル%、好ましくは30〜50モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂が挙げられる。エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(B)層の厚さは、10〜50μmの範囲が好ましく、中でも10〜30μmが好適である。エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(B)層の厚さが10μm未満では、薄すぎてフィルム製造が困難で、最終製品(複合フィルム積層アルミニウム板)の耐蝕性が不十分であり、厚さが50μmを超えると最終製品の絞り加工性が悪くなり、いずれも好ましくない。
本発明において、フッ素樹脂(C)とは、テトラフルオロエチレン単位を有する単独重合体または共重合体であって、高分子鎖の側鎖および末端の少なくとも一方にカルボニル基を有するフッ素樹脂を言う。カルボニル基を有するフッ素樹脂とは、カーボネート基(またはカーボネート結合)、および/または、カルボン酸ハライド基を有するエチレン性単量体を、含フッ素エチレン性単量体と共重合して得られる含フッ素エチレン性重合体の構造を有するものを言う。
エチレン性単量体に含まれるカーボネート基は、一般に、−OC(=O)O−の結合を有する基であり、具体的には、−OC(=O)O−R基(Rは水素原子、C〜C20のアルキル基、エーテル結合を有するC〜C20のアルキル基などの有機基、一価金属などである)の構造のものであり、またカルボン酸ハライド基は、具体的には−COY(Yはハロゲン元素である)の構造のもので、−COF、−COClなどが挙げられる。
中でも好ましいフッ素樹脂は、ポリマー鎖の末端にカルボニル基を有するフッ素樹脂である。このようなフッ素樹脂は、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(B)との接着性に優れるだけでなく、耐熱性、機械特性、耐薬品性、さらには生産性、コスト面などにおいても有利である。このようなフッ素樹脂は、市販品としても入手可能であり、市販品としては、例えば、ダイキン工業社製のEFEP(商品名)が挙げられる。
カルボニル基を有するフッ素樹脂(C)は、融点が150〜250℃の範囲のものであって、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(B)とフッ素樹脂(C)とを温度260℃、時間10分、圧力3.5×10Pa(36kgf/cm)の条件で、熱プレス加工して積層一体化したシートから作成した、幅2.5cm×長さ25cmの試験片を、JIS Z2037に準拠し、温度23℃、剥離速度5mm/minの条件下で測定した180度方向の剥離強度が、4N/cm以上の接着性を有するものが好適である。
上記フッ素樹脂(C)は、本来の優れた耐蝕性に加え、カルボニル基を有するので、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(B)との密着性、接着性になど優れている。またフッ素樹脂(C)が良好な成形性を有するので、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(B)層上にフッ素樹脂(C)層が積層されているときには、複合フィルム積層アルミニウム板を絞り加工する際に、層間剥離が生じ難い。エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(B)層が最外層にある樹脂フィルム積層アルミニウム板と比較すると、絞り加工性は格段に向上し、クラック発生などの不良現象が発生し難い。これは、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(B)層が、成形性に優れたポリアミド樹脂(A)層と、成形性に優れかつ密着性のも優れたフッ素樹脂(C)層とによって挟着され、ポリアミド樹脂(A)層とフッ素樹脂(C)層に追従して伸び、全体として、絞り加工性が向上するものと推定される。
フッ素樹脂(C)層の厚さは、1〜30μmの範囲が好ましく、中でも5〜20μmが好適である。フッ素樹脂層の厚さが1μm未満では薄すぎて、絞り加工時に傷付き易く、耐蝕性が低下し易くなり、厚さが30μmを超えると、耐蝕性はフィルムの厚さに比例して向上せず、コスト高になり、いずれも好ましくない。また、フッ素樹脂(C)層には、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(B)層との密着性を向上させる目的で、コロナ処理、プラズマ処理、火炎処理など従来から知られている表面処理を施すことができる。
アルミニウム板面に、上記三層よりなる複合フィルムを積層する方法としては、特に制約はなく、例えば、(1)予めフィードブロックなどの方法で三層とした複合フィルムを、アルミニウム板面上に積層する方法、(2)アルミニウム板面上に、各々の単層フィルムを順次溶融積層して三層とする方法、(3)アルミニウム板面上に、単層フィルムと二層フィルムとを組合せ溶融積層して三層にする方法、などが挙げられる。
また、アルミニウム板と複合フィルムとの密着性を向上させるために、必要に応じ、アルミニウム板面上に、接着剤を塗布しまたはプライマー処理を施してから、複合フィルムを積層してもよい。この際使用される接着剤としては、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、(メタ)アクリレート樹脂系などの接着剤が挙げられる。使用されるプライマーとしては、アミノ基、エポキシ基、アクリル基などの有機官能基を有するシランカップリング剤、チタネートカップリング剤などが挙げられる。
本発明の第一発明に係る複合フィルム積層アルミニウム板は、層間剥離が生じ難い優れた絞り加工性を発揮し、また最外層のフッ素樹脂層がジメチルエーテルや液化石油ガスに対して優れた耐蝕性を発揮することから、エアゾール缶キャップ用の素材として好適である。本発明の第一発明に係る複合フィルム積層アルミニウム板の特性を十分に発揮させるためには、最外層のフッ素樹脂(C)層が、充填された噴射剤や内容物と接触する側とすることが必要であり、本発明の第二発明に係るエアゾール缶キャップは、第一発明に係る複合フィルム積層アルミニウム板を、そのフッ素樹脂層を内面にして絞り加工して得られ。
絞り加工法は、特に限定されるものではなく、エアゾール缶のキャップ形状に応じて通常用いられている冷間絞り加工法がそのまま採用される。本発明の第二発明に係るエアゾール缶キャップは、エアゾール缶上部に嵌着させるものであるが、また、第一発明に係る複合フィルム積層アルミニウム板は、噴射用バルブを取り付けるための容器最上部キャップ形成用のほか、缶本体の上部のキャップを取り付ける蓋部形成用、または肩部形成用としても使用可能である。
以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明するが、本発明は以下の記載例に限定されるものではない。なお、以下に記載の実施例、比較例における各種の評価試験は、次の方法によって行ったものである。
(1)成形性:複合フィルム積層アルミニウム板を、最終製品であるエアゾール缶のキャップに絞り加工したときに、複合フィルム剥がれやクラックなどの外観異常の発生状況を、目視観察して判定する方法である。外観異常が認められないものを○、一部外観異常が認められるものを△、外観異常が認められるものを×、と判定した。
(2)耐蝕性試験―1:噴射剤が液化石油ガス(LPG)である市販のヘアトリートメント(カネボウ社製、商品名:プロスタイル)100ミリリットルを、後記するエアゾール缶に充填し、このエアゾール缶の頭部に実施例または比較例で調製したキャップを装着し、倒立させた状態で50℃の恒温室内で3ヶ月間保管し、3ヶ月間保管した後、キャップ内面状態を目視観察して判定する方法である。外観上異常が認められないものを○、外観上異常が認められるものを×、と判定した。
(3)耐蝕性試験―2:噴射剤がジメチルエーテルである市販の酸性染毛剤(花王社製、商品名:ブローネ)100ミリリットルを、後記するエアゾール缶に充填し、倒立させた状態で50℃の恒温室内で3ヶ月間保管し、3ヶ月間保管した後、キャップ内面状態を目視観察して判定する方法である。外観上異常が認められないものを○、外観上異常が認められるものを×、と判定した。
(4)総合判定:上記3項目の試験結果を総合した判定で、良好なものを○、不良のものを×、と判定した。
[実施例1]
<複合フィルム積層アルミニウム板の調製>
表面をクロメート処理したアルミニウム板(A5052−O、厚さ:0.43mm)の片面に、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(日本ユニカー社製、銘柄名:A1100)を1重量%含むエタノール溶液を、ロールコーターによって約1μmの厚さに塗布した後、150℃の温度で20分乾燥した。このアルミニウム板を加熱し、処理面にポリアミド6フィルム(三菱樹脂社製、商品名:ダイアミロンC、厚さ:20μm)を250℃で積層し、その上にエチレン含量が32モル%のエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOHと略す)樹脂フィルム(クラレ社製、商品名:エバール、厚さ:10μm)と、カルボニル基を有するフッ素樹脂フィルム(ダイキン工業社製、商品名:EFEP PR−4020、厚さ:5μm)とを溶融積層し、複合フィルム積層アルミニウム板を得た。
<エアゾ−ル缶キャップに絞り加工、評価試験>
得られた複合フィルム積層アルミニウム板を使用し、フッ素樹脂フィルム側が内面となるようにし、エアゾ−ル缶キャップに絞り成形加工し、この絞り成形加工する際に成形性を評価した。得られたキャップを、エアゾ−ル缶本体(厚さが0.6mmのアルミニウム板よりなり、径40mm×高さ96mm、インパクト成形法による成形後、内面にポリアミドイミド塗料をスプレイ法によって塗布膜を形成したもの)の上部に嵌着させた。キャップにバルブを取り付けた後、上記方法によって耐蝕性試験を行った。評価結果を、表―1に示す。
[比較例1]
<複合フィルム積層アルミニウム板の調製>
実施例1に記載の例で使用したのと同じアルミニウム板の片面に、メチルエチルケトンで溶解したビスフェノール型エポキシ樹脂(分子量380、エポキシ当量180〜200)を、ロールコーターによって、乾燥後の厚さで1μmになるよう塗布し乾燥した。このアルミニウム板を400℃で熱処理して熱変性した後、ポリアミド6フィルム(三菱樹脂社製、商品名:ダイアミロンC、厚さ:20μm)を280℃で積層し、その上にエチレン含量が32モル%のEVOH樹脂フィルム(クラレ社製、商品名:エバール、厚さ:10μm)を溶融積層し、複合フィルム積層アルミニウム板を得た。
<エアゾ−ル缶キャップに絞り加工、評価試験>
得られた複合フィルム積層アルミニウム板を使用し、EVOH樹脂フィルム側が内面となるようにし、実施例1におけると同様の手法で、エアゾ−ル缶キャップを絞り成形加工した。この絞り成形加工する際に、成形性を評価した。得られたキャップを、実施例1に記載したのと同様にして、エアゾ−ル缶本体の上部に嵌着させた。キャップにバルブを取り付けた後、上記方法によって耐蝕性試験を行った。評価結果を、表―1に示す。
[比較例2]
<複合フィルム積層アルミニウム板の調製>
実施例1に記載の例で使用したのと同じアルミニウム板の片面に、予め3−アミノプロピルトリエトキシシラン(日本ユニカー社製、銘柄名:A1100)を1重量%含むエタノール溶液を、ロールコーターによって、約1μmの厚さに塗布した後、150℃で20分乾燥した。このアルミニウム板を400℃で加熱し、処理面にポリアミド6フィルム(三菱樹脂社製、商品名:ダイアミロンC、厚さ:20μm)を250℃で積層し、その上にエチレン含量が32モル%のEVOH樹脂フィルム(クラレ社製、商品名:エバール、厚さ:10μm)、コロナ処理したカルボニル基を有しないフッ素樹脂フィルム(旭硝子社製、商品名:アフレックスETFE、厚さ:12μm、コロナ処理あり)を順次溶融積層した。
<エアゾ−ル缶キャップに絞り加工、評価試験>
得られた複合フィルム積層アルミニウム板を使用し、実施例1におけると同様に、フッ素樹脂フィルム側を内面とし実施例1におけると同様の手法で、エアゾ−ル缶キャップに絞り成形加工した。この絞り成形加工する際に、成形性を評価した。得られたキャップを、実施例1におけると同様にして、エアゾ−ル缶本体の上部に嵌着させた。キャップにバルブを取り付けた後、上記方法によって耐蝕性試験を行った。評価結果を、表―1に示す。
Figure 2005288935
表―1より、次のことが明らかになった。
(1)アルミニウム板の表面に、ポリアミド6フィルム、EVOH樹脂フィルム、およびカルボニル基を有するフッ素樹脂フィルムからなる複合フィルムが積層された積層アルミニウム板は、エアゾール缶キャップとする際の絞り加工性に優れ、また絞り加工して得られたエアゾール缶キャップは、耐蝕性が優れている(実施例1)。
(2)アルミニウム板の表面に、エポキシ樹脂を塗布し、ポリアミド6フィルムおよびEVOH樹脂フィルムからなる複合フィルムを被覆してなる積層アルミニウム板は、エアゾール缶キャップに成形する際にEVOH樹脂フィルムの表面にクラックが発生したものがあり、絞り加工性にやや劣り、またこの積層アルミニウム板を絞り加工したエアゾール缶キャップは、噴射剤がジメチルエーテル、内容物がpH2の酸性液の場合は、アルミニウムの腐食が認められ、耐蝕性に劣る(比較例1)。
(3)アルミニウム板の表面にポリアミド6フィルム、EVOH樹脂フィルムおよびコロナ処理したカルボニル基を有しないフッ素樹脂フィルム(コロナ処理あり)からなる複合フィルムを被覆してなる積層アルミニウム板は、エアゾール缶キャップに成形する際にポリアミド6フィルムとEVOH樹脂フィルム間でフィルム剥離が発生し、絞り加工性に劣る(比較例2)。
本発明に係る複合フィルム積層アルミニウム板は、絞り加工性に優れ、ジメチルエーテルや液化石油ガスを噴射剤とするエアゾール缶用キャップの製造用に好適である。このほか、缶本体の上部のキャップを取り付ける蓋部形成用、または肩部形成用としても使用可能である。また、この複合フィルム積層アルミニウム板から製造されたエアゾール缶キャップは、特定フロンの代わる特定ジメチルエーテルや、液化石油ガスなどを噴射剤などに侵蝕されることがなく耐蝕性に優れので、エアゾール缶に充填(収納)される内容物に制限されることがない。

Claims (2)

  1. アルミニウム板の一方の面に、ポリアミド系樹脂(A)層、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(B)層、および、カルボニル基を有するフッ素樹脂(C)層の順に積層されて形成された樹脂複合フィルムを、そのフッ素樹脂層面を外側にして、積層してなることを特徴とする、エアゾール缶キャップ用樹脂複合フィルム積層アルミニウム板。
  2. アルミニウム板の一方の面に、ポリアミド系樹脂(A)層、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(B)層、および、カルボニル基を有するフッ素樹脂(C)層の順に積層されて形成された複合フィルムを、そのフッ素樹脂層面を外側にして積層した樹脂複合フィルム積層アルミニウム板を、フッ素樹脂層を内面にして絞り加工されたものであることを特徴とする、エアゾール缶キャップ。
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