JP2005288485A - 溶接用Ti系線材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 自然酸化膜よりも厚いTi系酸化膜を有しているにもかかわらず、線材の全酸素含有量を十分低減でき、ひいては該全酸素含有量を規格範囲内に容易に収めることができる溶融金属形成用Ti系線材を提供する。
【解決手段】 先端側から順次加熱溶融してTi系金属からなる溶融金属を形成するための溶融金属形成用Ti系線材であって、線材本体3がTi系金属にて構成され、該線材本体3の表面に自然酸化膜よりも厚いTi系酸化膜2が形成される。線材本体3の酸素含有率WOが0.02質量%以上0.2質量%であり、線材本体3とTi系酸化膜2とを合わせた線材全体の全酸素含有率WOが0.1質量%以上0.5質量%以下に調整される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、溶接用Ti系線材に関する。
欧州特許公開EP1277539A1号公報
Ti金属あるいはTi合金からなるTi系金属部材の溶接に際しては、工業用Ti系線材を用い、かつ活性金属であるTiの酸化を防止するために、溶接部位を不活性ガスで覆ってアーク溶接を行なうシールドアーク溶接が採用される。例えば、MIG溶接(Metal Inert Gas Arc Welding)においては、図13に示すように、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスIG雰囲気中で溶接用Ti系線材201と純チタン製又はチタン合金製母材WPとの間にアークARを発生させる。そして、送給ローラ202によって線材201の先端部をアークAR内に送給して溶融させながら溶接する。なお、符号205は先端から不活性ガスIGを噴出させるガスノズル(トーチ)であり、基端側に柔軟性を有するコンジットチューブ204を備える。符号206はトーチ205に固定され線材201を保持するとともに線材201に電流を供給する電極チップ(コンタクトチップ)であり、WMは溶接部、MPは溶融池である。MIG溶接によれば高能率化とともに、溶融エネルギーの向上により溶け込みが深くなって溶接不良の発生が抑えられ、また、トーチ205先端部が小型になって狭い場所での溶接が容易となる利点がある。
ところで、近年ではTi溶接工程の高能率化及び溶接施工の短納期化を目指すため、線材201の送給速度はますます高速化する傾向にある。この場合、線材201の表面とコンジットチューブ204との間の摩擦力が大きいと、線材201の送給がスムーズになされなくなり、最悪の場合コンジットチューブ204内で線材201に詰まりや座屈が発生するおそれがある。
特に、従来の溶接用Ti系線材の場合、線材の表面を機械的あるいは化学的に研磨して、金属光沢仕上げとすることが行なわれているが、このような処理を施した線材は表面が粗く送給性に劣る難点がある。また、金属光沢状の外観を有する線材は、溶接時のアークの安定性が見かけほどには良好でなく、自動溶接機を用いたMIG溶接では、アークが安定点を求めて細かく移動するため、良好なビード形状が得られない問題がある。これは、送給速度が不安定化すると、溶融する線材先端と溶接される母材との間の距離が微妙に変化することも関係していると思われる。
なお、Fe系部材のMIG溶接においてはFe系溶接線材の表面に、摩擦低減のためにCuメッキを施したり、潤滑油を塗布したりすることが行なわれている。しかしながら、活性金属であるTiの溶接の場合、線材表面にCuメッキを施したり潤滑油を塗布したりすることは、脆弱なCu−Ti系金属間化合物や炭化物の形成により、溶接継手強度の低下を招くので採用することができない。他方、溶接時のアークの安定化を図る方法としては、シールドガス中に炭酸ガスや酸素を導入する方法が古くから採用されているが、この方法はシールドガスからの溶接部への酸素の吸収が大きく、Ti溶接の場合は溶接継手の伸びの低下につながるため好ましくない。
また、Ti溶射を行なう場合においても、基本的には溶接の場合と同様の問題が生ずる。例えばアーク溶射の場合、2本のTi系線材間にアーク形成することから、一方の線材の供給速度が乱れるだけでもアーク放電ギャップ間隔が変化して、アークが不安定化する。従って、アーク安定性の問題は、溶接の場合よりもより生じやすいといえる。そこで、特許文献1には、Ti金属もしくはTiを主成分とするTi合金にて構成されるとともに、自然酸化膜よりも厚いTi系酸化膜が線材表面に形成された溶接ないし溶射用のTi系線材が開示されている。このようなTi系酸化膜を有したTi系線材を用いることにより、コンジットチューブ等を介した線材の送給性を大幅に向上することができ、アークの安定性も大幅に改善することができる。
ところで、Ti系金属からなる構造体は、強度確保や信頼性向上のために、酸素含有率の上限が規格により制限される。特に、Ti系線材を用いて溶接形成される継手の場合、溶接中に吸収される酸素は有害とみなされることも多い。従って、特許文献1のような厚いTi系酸化膜を有したTi系線材を用いる場合、厚い酸化膜からも相当の酸素が混入することを考慮して、母材となる線材本体部の酸素含有率はできるだけ低く留めるよう、考慮される。
しかしながら、本発明者らが詳細に検討した結果、線材本体部の酸素量を過度に低減したTi系酸化膜付きの線材を用いて溶接を行なった場合、溶接継ぎ手の強度が却って悪化することが判明した。
本発明の課題は、溶接あるいは溶射等を行なう際の、線材の送給性とアークの安定性との双方に優れ、しかも得られる溶接部の機械的特性や溶射層の品質も良好に確保できる溶接用Ti系線材を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記の課題を解決するために、本発明の溶接用Ti系線材は、先端側から順次加熱溶融してTi系金属からなる溶融金属を形成するための溶接用Ti系線材であって、線材本体がTi系金属にて構成され、該線材本体の表面に自然酸化膜よりも厚いTi系酸化膜が形成されてなり、
線材本体の酸素含有率WOが0.02質量%以上0.4質量%であり、
かつ、線材本体とTi系酸化膜とを合わせた線材全体の全酸素含有率WOが0.1質量%以上0.55質量%以下に調整されたことを特徴とする。
なお、本明細書において「Ti系金属」とは、Ti金属もしくはTiを主成分(50質量%以上)とするTi合金のことをいう。また、Ti系酸化膜とは、カチオン元素の50質量%以上がTiである酸化物被膜のことをいう。さらに、「主成分」とは質量含有量の最も高い成分のことをいい、2種以上の成分からなる「主成分」とは、それらの成分の合計質量含有量が、他の成分の全てに対し、各単独の質量含有量を上回っていることをいう。
自然酸化膜よりも厚いTi系酸化膜を有したTi系線材を用いることにより、コンジットチューブ等を介した線材の送給性を大幅に向上することができ、アークの安定性も大幅に改善することができる。他方、Ti系酸化膜の内側にある線材本体の酸素含有率WOを本発明では0.02質量%以上0.4質量%以下に規定する。線材本体をなすTi系金属は、Tiが活性金属であることもあって酸素の混入が不可避的に発生する。従って、その酸素含有率を0.02質量%未満にすることは製造コストの大幅な増大を招く。他方、Ti系金属の酸素含有率が0.4質量%を超えると、線材本体の延性が低下し、送給時に断線等のトラブルを生じやすくなる線材本体をなすTi系金属の酸素含有率は、より望ましくは0.03質量%以上0.38質量%以下に設定するのがよい。
そして、本発明においては、線材本体とTi系酸化膜とを合わせた線材全体の全酸素含有率WOを0.1質量%以上0.55質量%以下に調整する。これにより、該線材を用いて形成した溶接部の強度を向上でき、ひいてはTi系金属部材の溶接の信頼性を向上することができる。
線材全体の全酸素含有率WOが0.1質量%未満になると、形成される溶接部の酸素量が不足し、溶接部の強度が不足することにつながる。特に、溶接対象となるTi系金属母材は、一定量、例えば0.1質量%以上0.4質量%以下の酸素が含有されているほうが、材料強度を向上する上で却って有利な場合がある。しかし、溶接に使用するTi系金属線材の酸素含有量が低ければ、形成される溶接部の酸素濃度が不足して、母材に対し溶接部の強度が相対的に低下し、該溶接部により形成された当接継手などの溶接構造部の機械的な信頼性を損なうことにつながる。他方、線材側の全酸素含有率WOは、母材側の酸素濃度より多少高くなっても、線材からの酸素が母材側の材料により希釈され、溶接部の酸素濃度を、高強度維持に好都合な母材側の酸素濃度に近づけることができる。しかし、線材全体の全酸素含有率WOが0.55質量%を超えると、母材による希釈を考慮しても溶接部の酸素濃度が過度に高くなりすぎ、溶接部の強度や靭性が低下することにつながる。線材全体の全酸素含有率WOは、より望ましくは0.12質量%以上0.45質量%以下とするのがよい。
Ti系酸化膜の厚さは以下のようにして特定することができる。すなわち、線材の断面を鏡面研磨し、EPMA(Electron Probe Micro Analysis)により酸素濃度分布を面分析するとともに、酸素濃度が7質量%以上となる周縁領域をTi系酸化膜として特定する。
線材の表面に形成するTi系酸化膜の厚さは0.3μm以上30μm以下の範囲内で調整するのがよい。Ti系酸化膜の厚さが0.3μm未満では、線材の送給性改善効果が不十分となり、また、アークが不安定化しやすくなって、均一な溶接部を形成する上で不利となる。一方、Ti系酸化膜の厚さが30μmを超えると、溶接部への酸素混入比率が高くなり、強度低下などの弊害につながる場合がある。
溶接用Ti系線材として一般に多用される線径は、0.6mm以上2.0mm以下の範囲である。この場合、線材長手方向の引張強度は、線径をDwとすると、
Smin=−230Dw+850 (単位:MPa)
Smax=−620Dw+2000 (単位:MPa)
にて表されるSmin以上Smax以下の範囲内とするのがよい。
線材の引張強度が過度に小さいと、送給時に線材がコンジットチューブ等の内部で座屈変形を起しやすくなり、線材詰まり等の不具合を引き起こしやすくなる。他方、線材の引張強度が過度に大きいと線材の可撓性が不足し、コンジットチューブ等による曲がった経路に沿った線材のスムーズな送給が妨げられる場合がある。また、コンジットチューブ等の経路形成部材の屈曲が特に大きくなる部分では、剛性の高い線材との干渉のため、経路形成部材の内面が齧られたりする不具合も生じやすくなる。そこで、上記の不具合を抑制するために、線材の長手方向の引張強度は、線材の座屈強度を考慮して、線径に応じた上記範囲に規定するのがよいのである。
具体的には、自然酸化膜よりも厚いTi系酸化膜を、線材本体表面の酸化熱処理により形成したのち、適切な加工率(減面率)で冷間伸線加工することにより線材長手方向の引張強度を前述のSmin以上Smax以下の範囲にコントロールすることが可能となる。加工前線材の表面に形成してあるTi系酸化膜は、冷間伸線加工時において線材と伸線用ダイスとの間の潤滑機能を一部担うことにもなるが、該Ti系酸化膜が薄すぎると、この潤滑効果が不足して線材表面にダイスマークが深く刻まれやすくなり、不良の原因となる。他方、Ti系酸化膜が過度に厚すぎると、Ti系酸化膜の延性は本来あまり高くないことから、伸線用ダイスを通したときにTi系酸化膜の剥離を生じやすくなり、線材の全長にわたって均一なTi系酸化膜の被覆状態を得にくくなる。Ti系酸化膜は、延性が低いことに加え、下地となる線材本体との間の熱膨張係数の差も大きいため、膜厚が増加したときの密着力の低下が著しく、線材の繰り出し時やコンジットチューブ内での送給時にTi系酸化膜の脱落が生じやすい。また、冷間伸線加工によって相当量のクラックを生じてしまうこともある。クラックが著しく発生するとクラック内部に伸線時の潤滑剤などが残留しやすくなり、溶着金属中にそれらの不純物が混入する恐れがある。
以上をまとめると、長手方向の引張強度が前述のSmin未満では、線材の剛性不足により送給時の座屈変形、ひいてはコンジットチューブ等の内部での線材詰まり等を招きやすくなる。また、線材の長手方向の引張強度が前述のSmaxを超えると、曲がった経路に沿った線材のスムーズな送給が妨げられ、特に屈曲の大きい部位では、コンジットチューブ等の経路形成部材の内面が齧られたりする不具合を生じやすくなる。従って、線材の引張強度はSmin以上Smax以下の範囲に調整する必要があるが、このような強度のTi系線材は冷間伸線加工の加工率(減面率)を調整してやれば製造可能である。
線径Dwを0.6mm以上2.0mm以下とする場合、Ti系酸化膜の厚さTwは0.75μm以上12μm以下とするのがよい。Twが0.75μm以下であると、上記線径Dwの範囲において、全酸素含有率WOを0.1質量%以上に確保することが不可能になる。また、上記線径Dwの範囲において、Twが12μmを超えると、全酸素含有率WOを0.5質量%以下に留めることが不可能になる。同様に観点において、Tw/Dwは0.00125以上0.006以下の範囲に設定するのがよい
加工により得られる溶接用Ti系線材のTi系酸化膜の厚さは1μm以上5μm以下に規定するのがよい。Ti系酸化膜の厚さが1μm未満になると、伸線加工時の潤滑効果が不足して、得られる線材表面にダイスマークが深く刻まれ、線材表面の摩擦係数を悪化させる原因となる。他方、Ti系酸化膜の厚さが5μmを超えると、伸線用ダイスを通したときにTi系酸化膜の剥離を生じやすくなり、線材の全長にわたって均一なTi系酸化膜の被覆状態を得にくくなる。また、Ti系酸化膜と線材本体表面との密着性が低下し、線材使用時にTi系酸化膜の脱落が生じやすくなったり、クラックが著しく発生して伸線時に潤滑剤が残留しやすくなる。しかし、Ti系酸化膜の厚さは1μm以上5μm以下とすることで、線材本体の表面に平滑で均一なTi系酸化膜を形成することが可能となる。この場合、Ti系酸化膜(自然酸化膜よりも厚い部分)による金属本体表面の被覆面積率は70%以上、望ましくは80%以上となっているのがよい。
なお、冷間伸線加工後において、線材本体に付加される熱履歴を300℃以下に留めることが望ましい。300℃を超える熱履歴が加わると、線材表面に密着性の劣る新たなTi系酸化膜が生成する惧れがある。また、熱履歴が300℃以下であれば、線材の引張強度はほとんど低下しない。線材本体に付加される熱履歴は、より望ましくは200℃以下に留めるのがよい。
また、線材の送給性やアークの安定性向上といった効果を顕著にするには、Ti系酸化膜による金属本体表面の被覆面積率を70%以上、望ましくは80%以上確保する必要がある。このような面積被覆率を達成するには、冷間伸線加工時の減面率を20%以上70%以下に調整することが望ましい。減面率が20%未満になると、線材にビビリや波打ちが発生しやすくなったり、寸法が不安定となったりしてアーク安定性を低下させる原因となる。また、純Ti線材などの場合、加工により導入される歪が十分でなくなり、線材長手方向の引張強度を前述のSmin以上に確保することが難しくなる。さらに、Ti系酸化膜の金属本体への食い込み力を高める効果、ひいては膜の密着性改善効果も期待できなくなるため、結果としてTi系酸化膜の被覆率を悪化させる結果を招くことがある。一方、減面率が70%を超えると、得られる溶接用Ti系線材のTi系酸化膜に形成されるクラックが20%を超える可能性が高まり、潤滑剤が多量に残留しやすくなるという不具合につながる。
本発明の溶接用Ti線材は、溶融金属として溶接金属を形成する溶接用Ti線材として使用することができる。また、溶融金属として溶射金属層を形成する溶射用Ti線材として使用することもできる。
また、本発明の溶接用Ti系線材はTiを主成分とするものである。本明細書にて「Tiを主成分とする」とは、最も含有率の高い成分がTiであることを意味し、望ましくは50質量%以上をTiとする。Ti合金を採用する場合、得られる溶接部や溶射層の強度あるいは延性向上等を目的として、種々の添加元素を副成分として含有させることができる。以下、採用可能な添加元素の例と望ましい添加量の範囲とを示す。
(1)Al:9質量%以下
AlはTiの低温相であるα相を安定化させるとともに、α相中に固溶してこれを強化する働きを有する。ただし、その含有量が9質量%を超えると、TiAl等の中間相(金属間化合物)が多量に形成され、靭性あるいは延性が阻害されることにつながる。他方、上記効果を顕著なものとするためには、1質量%以上は添加することが望ましく、より望ましくは2〜8質量%の範囲で添加するのがよい。
(2)N及びOの少なくともいずれか:合計で0.5質量%以下
N及びOも、Alと同様のα相安定化及び強化元素として機能し、特にOの添加効果が顕著である。ただし、その合計含有量が0.5質量%を超えると、靭性あるいは延性が阻害されることにつながる。他方、上記効果を顕著なものとするためには、合計で0.03質量%以上は添加することが望ましく、より望ましくは、合計で0.08〜0.2質量%の範囲で添加するのがよい。なお、ここでの酸素含有量は、いずれも、Ti系酸化膜以外の線材本体部の酸素含有量を意味する。
(3)V、Mo、Nb及びTaの1種又は2種以上:合計で45質量%以下
これらの元素は、いずれもTi高温相であるβ相の安定化元素であり、熱間加工性の向上と、熱処理性改善による高強度化を図る上で有効である。ただし、これらの元素はいずれも高比重かつ高融点であり、過剰な添加はTi合金特有の軽量及び高比強度の効果を損なわせることにつながるほか、合金融点の上昇により溶製による製造の困難化を招来するので、合計添加量の上限を45質量%とする。他方、上記効果を顕著なものとするためには、合計で1質量%以上は添加することが望ましい。また、MoやTaは、合金の耐食性改善のために少量添加される場合もある。
(4)Cr、Fe、Ni、Mn及びCuの1種又は2種以上:合計で15質量%以下
これらの元素もβ相の安定化効果を有し、熱間加工性の向上と、熱処理性改善による高強度化を図る上で有効である。ただし、いずれもTiとの間に中間相(例えば、TiCr、TiFe、TiNi、TiMnあるいはTiCuなど)を形成しやすく、過剰な添加は延性及び靭性を損なわせることにつながるために、合計添加量の上限を15質量%とする。他方、上記効果を顕著なものとするためには、合計で0.5質量%以上は添加することが望ましい。また、Niは合金の耐食性改善のために少量添加される場合もある。
(5)Sn及びZrの少なくともいずれか:合計で20質量%以下
これらの元素はα相とβ相との双方を強化する中性形添加元素として知られる。ただし、過剰な添加は効果の飽和を招くため、合計添加量の上限を20質量%とする。他方、上記効果を顕著なものとするためには、合計で0.5質量%以上は添加することが望ましい。
(6)Si:0.7質量%以下
合金の耐クリープ性(クリープラプチャ強度)を増し、耐熱性改善効果を有する。ただし、過剰な添加はTiSi等の金属間化合物の形成により、クリープラプチャ強度あるいは延性の低下を却って引き起こすため、添加量の上限を0.7質量%とする。他方、上記効果を顕著なものとするためには、0.03質量%以上は添加することが望ましく、より望ましくは、0.05〜0.5質量%の範囲で添加するのがよい。
(7)Pd及びRuの少なくともいずれか:合計で0.5質量%以下
合金の耐食性を改善する効果を有する。ただし、いずれも貴金属であり高価なことから、効果の飽和等も考慮して添加量の上限を0.5質量%とする。他方、上記効果を顕著なものとするためには、0.02質量%以上は添加することが望ましい。
具体的な合金組成として、以下のようなものを例示できる(なお、組成に関しては、主成分元素であるTiを先頭に、副成分元素を、質量%の単位を省略した組成数値とともにハイフンで結合して記載する(例えば、Ti−6質量%Al−4質量%V合金は、Ti−6Al−4Vと記載する))。
(1)α型合金
Ti−5Al−2.5Sn、Ti−5.5Al−3.5Sn−3Zr−1Nb−0.3Mo−0.3Si、Ti−2.5Cu
(2)ニアα型合金:Ti−6Al−2Sn−4Zr−2Mo−0.1Si、Ti−8Al−1Mo−1V、Ti−2.25Al−2Sn−4Zr−2Mo、Ti−6Al−2Sn−2Zr−2Mo−0.25Si、Ti−6Al−2Nb−1Ta−0.8Mo、Ti−6Al−2Sn−1.5Zr−1Mo−0.35Bi−0.1Si、Ti−6Al−5Zr−0.5Mo−0.2Si、Ti−5Al−6Sn−2Zr−1Mo−0.25Si
(3)α+β型合金
Ti−8Mn、Ti−3Al−2.5V、Ti−6Al−4V、Ti−6Al−6V−2Sn、Ti−7Al−4Mo、Ti−6Al−2Sn−4Zr−6Mo、Ti−6Al−2Sn−2Zr−2Mo−2Cr−0.25Si、Ti−10V−2Fe−3Al、Ti−4Al−2Sn−4Mo−0.2Si、Ti−4Al−4Sn−4Mo−0.2Si、Ti−2.25Al−11Sn−4Mo−0.2Si、Ti−5Al−2Zr−4Mo−4Cr、Ti−4.5Al−5Mo−1.5Cr、Ti−6Al−5Zr−4Mo−1Cu−0.2Si、Ti−5Al−2Cr−1Fe
(4)β型合金
Ti−13V−11Cr−3Al、Ti−8Mo−8V−2Fe−3Al、Ti−3Al−8V−6Cr−4Mo−4Zr、Ti−11.5Mo−6Zr−4.5Sn、Ti−11V−11Zr−2Al−2Sn、Ti−15Mo−5Zr、Ti−15Mo−5Zr−3Al、Ti−15V−3Cr−3Al−3Sn、Ti−22V−4Al、Ti−15V−6Cr−4Al
(5)ニアβ型合金:Ti−10V−2Fe−3Al、
(6)耐食合金(溶接用としても使用できるが、溶射により耐食被覆層を形成したい場合に、特に有用である)
Ti−0.15Pd、Ti−0.3Mo−0.8Ni、Ti−5Ta
本発明の溶接用Ti系線材においてTi系酸化膜は、Ti系金属線材を、酸素を含有した雰囲気中にて熱酸化処理することにより形成できる。酸素を含有した雰囲気としては、酸素含有窒素雰囲気(大気雰囲気を含む)あるいは酸素含有不活性ガス雰囲気のほか、水蒸気など、酸素化合物を含有した気体雰囲気を用いてもよい。必要十分な厚さのTi系酸化膜を効率的に形成するには、酸素分圧が5〜21×10Paの酸素含有雰囲気を用いるのがよく、処理温度は例えば500〜800℃に設定するのがよい。また、熱酸化処理以外に、電気化学的に表層を酸化する方法も採用可能である。具体的には、リン酸溶液中での陽極酸化法が有効である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の溶接用Ti系線材を用いてMIG溶接を行なう装置系の一例を示すものである。この装置300は、母材として例えば純チタン製又はチタン合金製のエンジン用エキゾーストパイプEPのMIG溶接を行なうものとして例示しているが、本発明はもちろん、これに限定されるものではなく、例えば自動TIG溶接等にも適用可能である。また、溶接用Ti系線材(以下、単に線材ともいう)は、TiもしくはTi合金(例えば、Ti−6%Al−4%V等)より構成される。リール50から巻き出された線材301は、矯正ローラ303により線癖を矯正された後、送給ローラ302により可撓性を有するコンジットチューブ304内に導かれる。コンジットチューブ304の先端にはトーチ305が設けられ、コンジットチューブ304の後端側から導入されたアルゴン等の不活性ガスIGは、トーチ305の先端から被溶接部材であるエキゾーストパイプEPの溶接部位に吹き付けられてこれをガスシールドする。
トーチ305内には線材301の送りを許容した形でこれと導通する電極チップ306が設けられ、線材301の先端とエキゾーストパイプEPとの空隙に高圧を印加してアークARを発生させる。線材301はこのアークの熱エネルギーにより溶融し、溶接部位に滴下されて溶接部WMを形成する。なお、送給ローラ302は、線材301が溶融・消耗する速度に合わせてこれを連続的又は断続的にアークARに向けて送給する。なお、溶接部WMは、凝固直後は高温であり、すぐにシールドが破れると酸化が進行するので、溶接部WMの上方を覆うアフターシールド用ジグ307と、同じく溶接部WMの裏側を覆うバックシールド用ジグ308とが設けられている。
図2は、線材301の断面を模式的に示すものである。線材301は、線材本体3(酸素含有率が7質量%未満となる部分である)がTi金属にて構成されている。線材本体3の酸素含有率WOは0.02質量%以上0.4質量%であり、線材本体とTi系酸化膜とを合わせた線材全体の全酸素含有率WOが0.1質量%以上0.55質量%以下に調整されている。また、線材本体3の表面には、Ti系酸化膜2が0.3μm以上30μm以下の厚さにて形成される。
本実施形態では、線径Dwが0.6mm以上2mm以下であり、線材長手方向の引張強度が、
Smin=−230D+850 (単位:MPa)
Smax=−620D+2000 (単位:MPa)
にて表されるSmin以上Smax以下の範囲に、冷間加工により調整されている。また、Ti系酸化膜2の厚さは、より具体的な値としてTi系酸化膜の厚さTwは0.75μm以上12μm以下(より望ましくは1μm以上5μm以下)に調整されている。また、Tw/Dwは0.00125以上0.006以下である。
上記のようなTi系酸化膜2を有した線材301を用いることにより、アークの安定性が改善される。その理由は以下のように推察される。すなわち、線材301は、アーク発生時に表皮電流によって表層部から優先的に加熱され、温度的にも高温となる。その結果、表層部をなすTi系酸化膜2中に局在化した酸素は、アーク溶融の初期段階で蒸発してシールドガス雰囲気中に流出し、酸素を含有したシールドガスを用いた場合と同様の状態となって、アークが安定化するものと考えられる。また、従来のように、シールドガス自体に相当量の酸素が導入されるのと異なり、アーク安定化に必要十分な量の酸素が、Ti系酸化膜からの蒸発により直接補われるため、シールドガスへの酸素添加に比べ、少量でも有効に作用し、結果として溶接部に取り込まれる酸素量も従来の方法と比較して減ずることかでき、溶接継手強度の向上を図ることができるようになる。また、アークは酸化物を指向する性質があり、規則的な酸化物形成により、安定した陰極点と陽極点とを形成するため、アークが安定化するという説もある。
線材本体3の酸素含有率WOを0.02質量%以上0.4質量%以下に規定することで、線材本体3の延性が確保され、送給時に断線等のトラブルを生じにくい。また、線材本体3とTi系酸化膜2とを合わせた線材全体の全酸素含有率WOを0.1質量%以上0.55質量%以下に調整することで、該線材を用いて形成した溶接部の強度を向上できる。
Ti系酸化膜2が形成された線材表面の表面粗さは、最大高さをRyとして、10μm以下にすることが、線材301のコンジットチューブ304内の送給性を向上させる観点において望ましい。そして、前記したような厚さ及び酸素濃度にてTi系酸化膜2を形成することは、表面粗さがこのような数値に調整された線材表面を得る上でも当然に有利に作用する。また、上記表面粗さにおいては、算術平均粗さRaが0.5μm以下となっていることが望ましい。また、最大高さRy及び算術平均粗さRaの下限値については特に制限はなく、コストとの兼ね合いにより適宜設定される(本発明者らは、Ryが少なくとも1.0μm程度まで、Raが少なくとも0.1μm程度まで小さくできることを確認している)。なお、本明細書において表面粗さは、JIS:B0601(2001)に規定された方法により測定されたものを意味する。
線材301は、上記のようなTi系酸化膜2の形成により、線材表面の動摩擦係数を大幅に低減できる。具体的には、表面を研磨した従来型のTi線材の表面動摩擦係数は0.5〜0.6程度であるが、本発明の採用により、その動摩擦係数を、0.1以上0.4以下程度に軽減することができる。そして、線材301として一般に多用される線径Dwは、0.6〜2.0mm程度の範囲であるが、このような線径Dwを採用する場合、Ti系酸化膜2の形成により、具体的に達成可能な送給安定性のレベルとして、例えば、線材送給装置における反力を測定した送給反力測定プロファイルの平均振幅にて15N以下を実現できる。送給反力をこのように小さくできることで、コンジットチューブ304内での線材301の詰まり等の発生を効果的に抑制することができる。
また、コンジットチューブ内304での線材301の挫屈を防止するためには、線材長手方向の引張強度が、前述のSmin以上Smax以下に調整されている必要がある。すなわち、長手方向の引張強度がSmin未満では、線材301の剛性不足により送給時の座屈変形、ひいてはコンジットチューブ304(図1)の内部での線材詰まり等を招きやすくなる。一方、線材301の長手方向の引張強度がSmaxを超えると、図1のごとく、自由に屈曲可能な可撓性のコンジットチューブ304内での線材のスムーズな送給が妨げられ、特に屈曲の大きい部位では、コンジットチューブ304の内面が齧られたりする不具合を生じやすくなる。
上記のような強度の線材301は、冷間伸線加工により製造することができる。以下、具体的に説明する。まず、Tiインゴット(例えば工業用純チタン1種又は2種からなるもの)を原料素材として線材圧延後、脱スケールすることにより加工前線材301’を得る。前述のごとく、Ti系酸化膜を形成する前の加工前線材301’
(線材本体3となるべきTi系素材である)の酸素含有率は、WOmax−ΔWO(質量%)以下、具体的には、WOmax−0.05質量%以下に調整されたものを使用する。
図3に示すように、この加工前線材301’は、ストランド状態で熱酸化処理炉46内に連続的に搬送され、表面が酸化処理されて、Ti系酸化膜が形成される。酸化処理は、例えば酸素分圧が5〜21×10Paの酸素含有雰囲気、例えば酸素含有窒素雰囲気(大気雰囲気を含む)が使用され、処理温度は500℃〜800℃(例えば750℃)に設定される。加工前線材301’の表面に形成するTi系酸化膜の厚さは1μm以上5μm以下であり、該厚さを得るためには、上記処理温度に設定された酸化処理炉41の加熱区間の、加工前線材301’の通過時間が1〜10分間(例えば6分間)となるように、上記加熱区間の長さに応じて加工前線材301’の搬送速度が調整される。この熱処理により加工前線材は回復・再結晶により展延性が向上し、後工程の冷間伸線加工等が容易になる。本実施形態では、送り側ロール47に巻かれた加工前線材301’を、モータ48mにより受け側ロール48によりコイル状に巻き取りつつ上記搬送を行なうようにしている。
Ti系酸化膜を形成後の加工前線材301’は、図4に示すように、潤滑剤槽20内の、潤滑剤(粉末状)21内を通過し、表面に潤滑剤が付与される。該潤滑剤は、次の伸線工程において伸線ダイスとの間に潤滑作用を付与し、伸線性を向上させる。なお、加工前線材301’に対する潤滑剤21の付与は、図5に示すように、コイル状の線材を潤滑剤槽20内に装入して行なうこともできる。
潤滑剤は、種々の金属セッケン類のほか、フッ化グラファイト、二硫化モリブデンなどを使用でき、2種以上のものを組み合わせて使用することもできる。線材表面には後述する洗浄を行っても微量の潤滑剤が残留することがあり、特に溶接用線材の場合には、潤滑剤成分混入による溶接継手強度の低下やばらつきなどにつながることもある。そこで潤滑剤は、線材を溶融させたときに分解ないし蒸発が進みやすく、溶接金属中への混入を生じにくいものを使用することがより望ましいといえる。この観点において特に望ましい潤滑剤は、ステアリン酸カルシウム及び水酸化カルシウムの少なくともいずれか主成分として含有するものである。また、二硫化モリブデンを主成分として含有するものも採用できる。
なお、加工前線材301’の表面に形成したTi系酸化膜は平滑で摩擦係数も小さく、潤滑剤の付着性もそれほど良好でない。従って、加工前線材301’をそのまま潤滑剤粉末中に埋没させても、十分な量の潤滑剤を付着できないことがある。そこで、図7に示すように、散点状の凸部が一様に分散した形態を有する前処理皮膜49を形成し、その状態で該加工前線材301’を潤滑剤粉末21中にて長手方向へ移動させる方法を採用することが有効である。このようにすると、前処理皮膜49の凸部にて潤滑剤粉末21が連れ出されながら加工前線材301’の表面に付着し、潤滑剤粉末層321が形成される。前処理皮膜49の凸部により潤滑剤粉末21の引っ掛けによる連れ出し効果により、潤滑剤粉末量の付着量が大幅に増加し、また、凸部を線材表面に分散形成することで、潤滑剤粉末21を線材表面に一様に付着させることができる。
前処理皮膜49は、例えば前処理皮膜形成剤の溶液を加工前線材の表面に塗布し、これを乾燥させることにより、容易にかつ簡便に形成することができる。前処理皮膜形成剤としては、水溶性の金属硫酸塩、水溶性の金属炭酸塩、脂肪酸カルシウム及び水酸化カルシウムのいずれかを使用し、該前処理皮膜形成剤の水溶液を加工前線材の表面に塗布する方法を採用するとよい。上記の前処理皮膜形成剤は、線材を溶融させたときに分解ないし蒸発が進みやすく、溶接金属中への混入を生じにくい利点がある。
本実施形態では、Ti系金属線材を、酸素を含有した雰囲気中にて熱酸化処理することによりTi系酸化膜を加工前線材301’の表面に形成しているが、これを利用して、前処理皮膜49は次のような方法により形成することができる。すなわち、図3に示すように、該熱酸化処理後において昇温状態の加工前線材301’の表面に前処理皮膜形成剤の溶液を塗布し、該線材301’の余熱で該溶液の溶媒を蒸発させて前処理皮膜を形成する。この方法によると、Ti系酸化膜形成の熱履歴により線材301’は例えば500℃以上800℃以下の高温状態で溶液塗布されるので、その余熱により溶媒(水分)が速やかに蒸発し、図6に示すように、塗付装置147の下流側に乾燥装置を特に設けなくとも、前処理皮膜49を均一に分散した形で簡便に形成できる。また溶媒の蒸発も速やかに進むので、線材表面に前処理皮膜49を強固に密着させることができる。
この場合、図3に示すように、加工前線材301’の熱酸化処理炉46の直後に前処理皮膜形成剤の溶液の塗付装置147(本実施形態では溶液の噴霧ノズルを加工前線材301’の周囲に複数個配置したものとして構成している)を設け、加工前線材301’を長手方向に(ストランド状で)搬送しつつ熱酸化処理炉46内を通してTi系酸化膜を形成し、引き続き該Ti系酸化膜形成後の加工前線材301’を塗付装置147に搬送して前処理皮膜形成剤の溶液を塗布するようにすれば、線材301’の温度が十分高いうちに溶液の塗布を行なうことができるので、前処理皮膜をより確実に形成することができる。塗布装置147は、皮膜形成剤の溶液中に加工前線材301’を浸漬する方式で代用してもよい。
前処理皮膜形成済みの加工前線材301’は、図3に示すように受け側ロール48により巻き取られ、一時保管される。その後、ロール48から加工前線材301’を繰り出しつつ、前処理皮膜形成済みの加工前線材301’を潤滑剤槽20に供給し、図7に示す潤滑剤粉末層321を形成する。このとき、前述の水溶性の金属硫酸塩、水溶性の金属炭酸塩、脂肪酸カルシウム及び水酸化カルシウムなどからなる前処理皮膜形成剤は吸湿性が比較的高いので、加工前線材301’を予備乾燥炉45にて予備乾燥した後、潤滑剤槽20に供給すると潤滑性能向上が期待できる。
以上のようにして潤滑剤が付与された加工前線材301’は、ダイスホルダ31と、該ダイスホルダ31に固定された伸線ダイス32(例えば超硬合金製のものである)とを有する冷間伸線装置30に導入される。具体的には、加工前線材301’を、入口側よりも出口側が小径となるように断面がほぼ円錐状に形成された伸線ダイス32にのダイス孔に挿通し、常温下で出口側から引っ張ることにより、伸線ダイス32の出口の断面形状とほぼ同一断面を有する線材301が得られる。該線材301は、矯正部49を経て線材スプール50へ巻き取られ、前記したMIG溶接に使用される。
図8に示すように、加工前線材301’はTi系酸化膜2’の表面に潤滑剤層321が形成され、その状態で伸線ダイス32を用いて冷間伸線加工を施す。伸線ダイス32のダイス孔31hの孔径は、加工前線材301’の線径に応じ、冷間伸線加工の減面率が20%以上70%以下の範囲となるよう調整されている。該減面率は、Ti系酸化膜2の膜厚を考慮して、伸線後のクラックCKの面積率が20%以下となるように設定される。加工前線材301’の表面に付与された潤滑剤321’は、伸線の断面縮小時にTi系酸化膜2’にクラックCKが形成されると、そのクラックCK内に潤滑剤が押し込まれる。クラック内に残留した潤滑剤は線材表面に残留しやすいので、後述のごとく、Ti系酸化膜2の剥離抑制を考慮しつつ洗浄液中への浸漬により十分除去する必要がある。
酸化熱処理により加工前線材301’の表面に形成されたTi系酸化膜は、酸化時の体積膨張の影響などもあり、低密度で線材本体に対する密着力も低くなっていることが多い。しかし、上記のように冷間伸線加工を施すことにより、Ti系酸化膜2’は、伸線ダイス内にて線材縮径方向に圧縮されて高密度化し、かつ、金属からなる線材本体への食い込み効果により密着力が高められたTi系酸化膜2となる。
図12に示すごとく、加工前線材301’において、Ti系酸化膜2’は、延性が低いことに加え、下地となる線材本体3’との間の熱膨張係数の差も大きいため、Ti系酸化膜2’の厚さTw’が過度に増加するし、具体的には5μmを超えて大きくなっていると、膜中に相当量のクラック2cを生じていることも多い。このクラック2cは、潤滑剤を多量に保持するため、溶接部へ混入する不純物量が増加するという悪影響を及ぼすことがある。
一方、加工前線材301’のTi系酸化膜2’の厚さTw’が1μm未満に小さくなっていると、Ti系酸化膜2’による伸線加工時の潤滑効果への寄与が不足して、潤滑剤を塗付しても、得られる線材301の表面にダイスマークが深く刻まれ、線材表面の摩擦係数を悪化させる原因となる場合がある。Ti系酸化膜2’の厚さを1μm以上5μm以下とすれば、より平滑で均一なTi系酸化膜2を形成することが可能となる。
前述のごとく、線材の引張強度は前述のSmin以上Smax以下に調整する必要がある。Ti系酸化膜2’の厚さは1μm以上5μm以下に調整され、加工前線材301’の線径は0.7mm以上2.5mm以下である。これを伸線により線径0.6mm以上2.0mm以下の線材301を得ようとする場合、冷間伸線加工の減面率を20%以上70%以下に調整する。なお、1回の伸線で望みの線径まで減面できないときは、ダイス径が順次縮小する複数のダイスを用いて、複数回の伸線を繰り返せばよい。
Ti系酸化膜2’の厚を1μm以上5μm以下と小さくした場合、図10に示すように、加工前線材301’の断面の真円度が悪いと、真円度がそれよりは良好なダイス孔31hの内面と、加工前線材301’の外面との接触が不均一となる。その結果、線径が過剰となる領域はダイス孔31hの内面から十分な圧縮力を受けて、Ti系酸化膜2へのクラックCKの形成も促進される。一方、線径が不足する領域では、ダイス孔31hの内面から受ける圧縮力が不足して、Ti系酸化膜2へのクラックCKはあまり進まず、線材の表面肌が周方向で不均一となる。これはクラック部に残留する潤滑剤量にも影響を及ぼす。こうした不具合を防止するために、加工前線材301’が0.7mm以上2.5mm以下であって円形断面を有するものであり、これに20%以上の減面率で冷間伸線加工を施す場合、加工前線材301’の真円度を10μm以下に調整することが望ましい。この場合、加工前線材301’は、例えば次のようにして真円度を高めることができる。すなわち、図11に示すように、例えばロール孔型201g,201gを有した圧延ロール201,201を用いて、加工能率の高い線材圧延により、伸線直前の線径まで減面する。そして、Ti系酸化膜の形成前に、矯正用ダイス231を用い、真円度を10μm以下に調整するための矯正伸線加工(伸線加工の方が圧延よりも加工精度が高い)を施し、その後、Ti系酸化膜を形成すればよい。
図8に戻り、上記のごとく冷間伸線加工が終了した加工済み線材301は、クラックCK内に潤滑剤231が残留しやすい。また、Ti系酸化膜2上にも多少の潤滑剤が残留する場合がある。そこで、図9に示すように、加工済み線材301を洗浄槽56に導き、洗浄液57中に加工済み線材301を浸漬して洗浄する(洗浄工程)。洗浄液としては、例えば前述の潤滑剤の主体をなす金属せっけん等に対し溶解性を有するアルカリ系洗浄液(例えば界面活性剤を主体とするもの)を使用できる。この洗浄により、クラックCK以外の領域に付着した水溶性の前処理皮膜と潤滑剤とが除去できる。前処理皮膜形成剤として、水溶性の金属硫酸塩、水溶性の金属炭酸塩、脂肪酸カルシウム及び水酸化カルシウムを用いれば、上記の洗浄及び補助洗浄にて前処理皮膜形成剤を容易に溶解・除去することができ、処理後の線材表面への残留量も少なくできる。その結果、前処理皮膜形成剤からの残留酸素も少なくなり、線材全体の酸素含有率を規格上限値内に収めることがより容易になる。また、Ti系酸化膜の形成とは無関係な、炭素や水素などの不純物も、前処理皮膜形成剤の残留が減ることで減少し、線材全体の炭素含有率や水素含有率も規格上限値内に容易に収めることができる。なお、洗浄後は、下流側に設けられたエアー吹付け等による乾燥装置65により洗浄後の線材301を乾燥する。
他方、潤滑剤については、上記洗浄により、クラックCK以外の領域に付着したものは比較的容易に除去できるが、クラックCKの内部に保持されている潤滑剤は、洗浄のみで十分に除去することは困難な場合がある。そこで、洗浄工程後に、洗浄液にて湿潤した状態の加工済み線材301の表面を、線材よりも軟質の拭き取り媒体62にて摩擦することにより、クラックCK内に圧入された潤滑剤を拭き取り除去することが効果的である。この拭き取りにより、クラックCKからも潤滑剤が十分に除去され、線材301表面への潤滑剤残留量が大幅に減じられる。その結果、潤滑剤からの残留酸素が少なくなり、線材全体の酸素含有率を規格上限値内に収めることがより容易になる。また、Ti系酸化膜の形成とは無関係な、炭素や水素などの不純物も、潤滑剤の残留が減ることで減少し、線材全体の炭素含有率や水素含有率も規格上限値内に容易に収めることができる。この場合、拭き取り媒体62の材質、押し付け圧力を適切に選定し、Ti系酸化膜の剥離を招いてはならない。
本実施形態では、洗浄槽56の下流側に温水噴霧による補助洗浄槽50を設け、さらに、洗浄槽56及び補助洗浄槽50を通過して搬送される線材301に対し、線材搬送を継続しつつこれに帯状の拭き取り媒体62を当接させて線材表面の拭き取り処理を行なう拭取り装置60を設けている。
図8に戻り、上記のようにしてクラックCK内の残留潤滑剤を減少させることで、該線材を用いて形成される溶接部への不純物としての混入も抑制でき、該溶接部の強度や特性に悪影響を及ぼすことはない。潤滑剤の残留量は、線材10kg当たり1g以下、望ましくは0.5g以下であるのがよい(ゼロgを含む)。また、クラックの形成面積率は20%以下に調整するのがよい。
なお、以上説明した実施形態では、図2に示すように線材301の全体をTi金属にて構成していたが、図2に一点鎖線で示すように、線材301の表層部のみをTi金属にて形成し、内部に別の金属層4を形成した複合線材とすることもできる。例えば、溶接部ないし溶射層をTi合金製のものとしたいとき、その合金成分からなる金属層4(例えば、Al、V、Al−V合金など)を設けておき、溶融金属を形成する際に、外層部をなすTi金属と合金化することができる。外層部がTi系酸化膜2の形成されたTi金属層とされることで、線材全体を単一合金層とする場合よりも、線材の送給安定性及びアーク安定性を良好に確保することができる。また、金属層4の代わりに、セラミック粉末を充填した線材を用いれば、金属−セラミック複合材料(例えば、サーメット)を溶射することもできる。さらに、溶射方法はアーク溶射に限定されるものではなく、線状の溶射材料を用いることが可能であれば、例えばフレーム溶射、レーザー溶射、ガス溶射、プラズマ溶射などを採用することもできる。これらの溶射方法においても、線材の送給を安定化させる効果は同様に達成され、均一な溶射層を形成することに寄与する。
以下、本発明の効果を確認するために行なった実験結果について説明する。
(実施例1)
まず、素材としてチタン線素材(JIS:H4670(1993)に規定された工業用純チタン1種、ないしそれより若干酸素含有率の多い組成に相当:線径1.6mm、酸素含有率:0.04〜0.21質量%)を、窒素雰囲気(酸素分圧21×10Pa)に維持された加熱炉で、500〜800℃にて1分〜60分間加熱することにより酸素拡散を行なった。これらの素材に、既に詳述した方法により冷間伸線加工を施し、線径が1.0mmであって、表1に示す種々の厚さのTi系酸化膜を有する溶接用Ti系線材を得た(番号1〜4)。これらの線材につき、以下の測定及び評価を行なった。
(1)Ti系酸化膜の厚さTw及び平均酸素濃度
線材の断面(ランダムに抜き出した10箇所)を鏡面研磨し、EPMA(Electron
Probe Micro Analysis)により酸素濃度分布を面分析するとともに、酸素濃度が7%以上となる周縁領域をTi系酸化膜として特定し、周方向及び線長方向の平均厚さとして算出した。また、線材本体部と線材全体の各酸素含有率も同じEPMA分析結果に基づいて算出した。
(2)引張強さ
線材から長さ100mmの試験片を切り出し、インストロン型引張試験機を用いてクロスヘッド速度1.0mm/分にて引張を行い、応力−歪曲線を測定するとともに、その最大応力値を引張強さとして読み取った。
(3)動摩擦係数
バウデン−リーベン型摩擦試験機を用いて測定した。具体的には、線材試料を試料台上に取り付け、上から押圧用の鋼材を重ね、その鋼材を一定重量の分銅にて押圧しながら試料台を一定速度で移動させたときの摩擦力を、歪ゲージ式の荷重検出器により検出する。
(4)送給安定性評価
線材を図1のMIG溶接装置300にセットして、線材送り速度75mm/秒、電流90Aにて溶接を実施した。コンジットチューブ304の長さは3mとし、線材送給にトラブルなく溶接可能な場合に○(送給性良好)、溶接開始時に線材に座屈が発生した場合に×(送給性不安定)として判定した。
(5)アーク安定性評価
溶接時におけるアークの乱れを目視することでアーク安定性評価を行なった。溶接時に目視にてほとんど乱れずにアークが発生する場合に○(アーク安定)、他方、アークが安定点を求めて頻繁に乱れる状態の場合を×(アーク不安定)として判定した。
(6)継手の機械的特性(強度/伸び)評価
JIS:Z3121(1993)に従い1A号試験片を作製し、継手の引張試験(JIS:Z2241)を行なうことで、その伸び評価を行った。評価は、溶接金属部にて破断を起すものは不良(×)、溶接熱影響部で破断を起すものは可(△)、母材又は境界位置で破断を起すものは良好(○)として行なった。
(7)製造性評価
減面率50%で冷間伸線加工を各10kg行い、伸線できたものを良好(○)、断線が生じたものを不良(×)として評価した。
以上の結果を表1に示す。
Figure 2005288485
これによると、全体酸素量が0.1質量%以上0.55質量%以下の範囲内で、継手の機械的特性と線材の製造性の双方ともに良好となることがわかる。
(実施例2)
素材として、Ti−6Al−4V合金(酸素含有率:0.06質量%)を用い、(6)の継手の機械的特性(強度/伸び)評価において、溶接対象となる母材を、酸素含有率が0.10質量%のTi−6Al−4V合金板材を用い、(7)の製造性評価において冷間伸線加工を減面率25%で行った点を除き、他は同様の条件にて実施例1と同様の実験を行なった。以上の結果を表2に示す。
Figure 2005288485
実施例1とほぼ同様の傾向の結果が得られていることがわかる。
本発明の適用対象となるTiのMIG溶接装置の概略を示す模式図。 本発明の溶接用Ti系線材の断面模式図。 本発明の溶接用Ti系線材の製造工程説明図。 図3に続く説明図 図4の別工程を示す説明図。 前処理皮膜の形成概念を説明する図。 前処理皮膜の効果説明図。 Ti系酸化膜の性状に伸線加工が及ぼす効果を説明する図。 伸線後の洗浄及び拭き取り工程の概念説明図。 加工前線材の断面真円度が潤滑剤分布に影響を与える様子を説明する図。 断面真円度を高めるための予備工程の説明図。 Ti系酸化膜を過度に厚く形成した場合の問題点を説明する図。 MIG溶接装置の要部を示す模式図。
符号の説明
2 Ti系酸化膜
3 線材本体部
21 潤滑剤
301 溶接用Ti系線材

Claims (6)

  1. 先端側から順次加熱溶融してTi系金属からなる溶融金属を形成するための溶接用Ti系線材であって、線材本体がTi系金属にて構成され、該線材本体の表面に自然酸化膜よりも厚いTi系酸化膜が形成されてなり、
    前記線材本体の酸素含有率WOが0.02質量%以上0.4質量%であり、
    かつ、前記線材本体と前記Ti系酸化膜とを合わせた線材全体の全酸素含有率WOが0.1質量%以上0.55質量%以下に調整されたことを特徴とする溶接用Ti系線材。
  2. 前記Ti系酸化膜の厚さが0.3μm以上30μm以下である請求項1記載の溶接用Ti系線材。
  3. 線径Dwが0.6mm以上2mm以下であり、線材長手方向の引張強度が、
    Smin=−230D+850 (単位:MPa)
    Smax=−620D+2000 (単位:MPa)
    にて表されるSmin以上Smax以下の範囲にある請求項1又は請求項2に記載の溶接用Ti系線材。
  4. 前記Ti系酸化膜の厚さTwが0.75μm以上12μm以下、Tw/Dwが0.00125以上0.006以下である請求項3に記載の溶接用Ti系線材。
  5. 前記Ti系酸化膜の厚さTwが1μm以上5μm以下である請求項4記載の溶接用Ti系線材。
  6. 線材表面の動摩擦係数が0.1以上0.4以下である請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の溶接用Ti系線材。
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