JP2005288443A - 電極機構、粉体水分値の測定装置及び鋳物砂水分値の測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】セット空間の広さや形態の点において制約をほとんど受けることがない電極機構およびこの電極機構を用いた鋳物砂水分値の測定装置を提供する。
【解決手段】導電性を有する棒状を成しかつ相互に適宜の間隔をおいてほぼ平行して配設された複数の電極部材2・2と、複数の電極部材2・2をこれらの長手方の各上面を露出させて保持する絶縁性の保持部材3と、複数の電極部材2・2のうち一つおきのもの同士を相互に接続して複数の電極部材2・2が2極を構成できるようした電導性の連結手段4と、を備えた。
【選択図】図1
【解決手段】導電性を有する棒状を成しかつ相互に適宜の間隔をおいてほぼ平行して配設された複数の電極部材2・2と、複数の電極部材2・2をこれらの長手方の各上面を露出させて保持する絶縁性の保持部材3と、複数の電極部材2・2のうち一つおきのもの同士を相互に接続して複数の電極部材2・2が2極を構成できるようした電導性の連結手段4と、を備えた。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋳物砂に電流を流して鋳物砂の水分値を測定するに当たり、前記鋳物砂に電流を流すための電極機構およびこの電極機構を用いて鋳物砂の水分値を測定する装置に関する。また、本発明は、粉体の水分値を測定するに当たり、前記粉体に電流を流すための電極機構およびこの電極機構を用いて粉体の水分値を測定する装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、鋳物砂に電流を流して鋳物砂の水分値を測定するようにした鋳物砂水分値の測定装置においては、電流を流すための電極は、通常は板状を成すものが一般的であった(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−190975号公報、図1、図2
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この公報に記載された従来の電極では、電極を測定場所にセットするに当たり、セット空間の広さや形態の点から大きな制約を受ける問題があった。
例えば、従来、生型砂処理ラインでは、サンドクーラー前、混練機前で回収砂の水分、温度を計測し、注水制御を行っている。しかし、従来の水分値の測定装置は、特許文献1の図1、図2に示すように、ベルトコンベヤ上に設置するのが基本形となっている。このため、ベルトが必要な構造であり、また、このベルトからの砂こぼれなどがあり、環境改善が困難なものとなっていた。さらに、レイアウト上から設置スペースが大きくなっている。
また、セラミックス原料、耐火物原料などの窯業原料、製鋼ダストなどの廃棄物リサイクル原料、肥料原料などの粉体処理では、圧縮、押し出し、転造などの成形、造粒の前工程で、原料の水分を測定して混練装置で水分の調整を行っている。この粉体処理ラインでも、前記生型砂処理ラインと同様に原料の水分測定工程が必要であり、粉塵の発生など環境悪化と設置スペースが大きくなる問題があった。
【0005】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、セット空間の広さや形態の点で制約をほとんど受けることがない電極機構およびこの電極機構を用いた鋳物砂水分値の測定装置を提供することにある。
また、本発明は、前記電極機構を用いた粉体水分値の測定装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために請求項1の電極機構は、鋳物砂に電流を流して鋳物砂の水分を測定するに当たり、前記鋳物砂に電流を流すための電極機構であって、導電性を有する棒状を成しかつ相互に適宜の間隔をおいてほぼ平行して配設された複数の電極部材と、前記複数の電極部材をこれらの長手方の各上面を露出させて保持する絶縁性の保持部材と、前記複数の電極部材のうち一つおきのもの同士を相互に接続して複数の電極部材が2極を構成できるようにした電導性の連結手段と、を備えていて、鋳物砂を介して電極部材間に電気を流すようにしたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2の鋳物砂水分値の測定装置は、請求項1の電極機構を用いて鋳物砂の水分値を測定する装置であって、前記電極機構と、この電極機構の2極の端子に低周波矩形波定電流を供給する矩形波定電流供給手段と、鋳物砂の介在による電流の流れにより前記電極機構の2極間に生じる電圧を測定し、平滑化する電圧平滑測定手段と、前記電圧平滑測定手段から得た平滑電圧値から水分値を換算する水分値換算手段と、を具備したことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、水分値を測定すべき鋳物砂を電極機構上に載せた後、矩形波定電流供給手段により電極機構に低周波矩形波定電流を供給して電極機構の電極部材間に鋳物砂を介して電流を流し、この時電極機構の2極間に生じる電圧を電圧平滑測定手段によって測定する。この測定結果から水分値換算手段により水分値を求める。
【0009】
さらに、請求項2の電極機構及び請求項4の鋳物砂水分値の測定装置は、請求項1の電極機構及び請求項3の鋳物砂水分値の測定装置に、絶縁性の保持部材を介して加熱手段を、更に設けたことを特徴とする。本発明の加熱手段によれば、電極部に砂付着することがない。
【0010】
そして、請求項5の鋳物砂水分値の測定装置は、砂処理ラインの貯蔵装置の側壁、混練装置の側面、砂冷却装置の側面、造型機に設けられたホッパの側面、造型機の直上に設けられたホッパの側面、砂の移し替え部に設けられたシュートの側面のいずれか一つ以上に、これらの側面又は側壁の内面に電極機構の電極部材を内側に露出させて装着したものであり、かつ、この電極機構の2極の端子に低周波矩形波定電流を供給する矩形波定電流供給手段と、鋳物砂の介在による電流の流れにより前記電極機構の2極間に生じる電圧を測定し、平滑化する電圧平滑測定手段と、前記電圧平滑測定手段から得た平滑電圧値から水分値を換算する水分値換算手段と、を具備したことを特徴とする。
本発明によれば、鋳物砂水分値を砂処理ラインや造型機の様々な場所で簡単に測定をすることができる。
また、各種の粉体の場合にも同様の手段によって、水分測定工程で生じる、粉塵の発生など環境悪化と設置スペースが大きくなる問題を解決ができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明において、鋳物砂とは、生型鋳物砂、すなわちベントナイトを粘結材として用いるものが最適である。その他の水分を用いた粘結材であれば、デンプン、PVAなど水溶性粘結材を用いる鋳物砂も本発明を容易に適用できる。なお、その他の粉体の水分値も同様に測定できる。
ここで粉体とは、粒子が多数集合している状態に在るもののうち、微粉〔0.1〜1μm〕、通常の粉体〔1〜100μm〕、粗粉〔0.1〜1mm〕、粒体〔1〜3mm〕に大別されたものの少なくとも1つ以上を混合したものをいう。
これらの粉体としては、セラミックス原料、耐火物原料などの窯業原料、製鋼ダストなどの廃棄物リサイクル原料、肥料原料などを挙げることができる。
【0012】
鋳物砂又は粉体の水分値とは、鋳物砂等に含まれる水分量であり、単位重量に含まれる水分重量を百分率で示したものである。
なお、鋳物砂の水分値を測定することにより、鋳型の造型に最適な鋳物砂を調整することができる。また、粉体の水分値を測定することにより、圧縮、押し出し、転造などの成形、造粒に最適な粉体を調整することができる。
【0013】
本発明において電極部材とは、導電性の耐腐食性に優れた金属部材で、端部に電導性の連結手段の締結部を有したものである。絶縁性の保持部材とは、例えば、アルミナセラミックス製のものであり、成型後焼成して作成できる。
電導性の連結手段は、例えば、一般に広く用いられている電気配線用の電線などで、連結したものである。低周波矩形波定電流とは、1kHz以下の矩形波の一定の電流である。矩形波定電流供給手段とは、前記の低周波矩形波定電流を電極に供給するものである。電圧平滑測定手段とは、2極の電極間の電圧を平滑処理して、平滑電圧値として出力するものである。
【0014】
本発明において、砂温補正手段とは、測定しようとする鋳物砂又は粉体の温度を、熱電対などの温度センサで測定し、電圧平滑測定手段から得た平滑電圧値を次の関係式により演算して、温度補正電圧値を得るものである。
温度補正電圧値=平滑電圧値+(定数−鋳物砂温度)×定数
絶縁性の保持部材を介して設けた加熱手段とは、電極面への結露を防止し、砂付着を防止するために設けたもので、シート状電気ヒータにより絶縁性の保持部材を介して電極を加熱するもので、加熱温度制御機能を備えたものである。
【0015】
砂処理ラインの貯蔵装置とは、サンドビン、砂ホッパなどの他、砂処理ラインを構成するふるい装置、砂冷却装置に付帯するホッパなどを含んだ砂処理ラインを流れる砂の貯蔵装置である。また、粉体の貯蔵装置とは、空気輸送の始点、終点などの貯蔵手段をいう。
混練装置とは、鋳物砂に用いる場合は、粘結材、水等を加えて混練して造型に適した鋳物砂を調整する装置である。混練装置とは、粉体に用いる場合は、粉体の使用目的に合わせて水等を加えて混ぜる装置をいう。
砂冷却装置とは、注湯時に溶湯で加熱された鋳物砂を、砂処理ラインの過程で冷却する装置である。
造型機に設けられたホッパとは、造型機内に配置されて造型に使用される鋳物砂を貯蔵するホッパである。
造型機の直上に設けられたホッパとは、造型機に設けられたホッパに鋳物砂を所定量ずつ供給するためのホッパである。
砂の移し替え部に設けられたシュートとは、バッケットエレベータ、ベルトコンベア、オシレーティングコンベアなどの鋳物砂搬送装置と砂処理ラインの貯蔵装置などの各機器間に設けられた砂移し替え用のシュートである。
【0016】
さらに、ブリケットマシン、ペレタイザーなどの圧縮造粒機のホッパ部に本粉体水分値の測定装置を取り付け、その値に応じた回転速度、圧縮力を制御することもできる。
これらの側面又は側壁とは、必ずしも、垂直面を指すのではなく傾斜面、底面もこれに含まれる。
【0017】
【実施例1】
以下、本発明の一実施例について図面に基づき詳細に説明する。本電極機構1は、図1に示すように、導電性を有する棒状を成しかつ相互に適宜の間隔をおいてほぼ平行して配設された複数の電極部材2・2と、2枚の板状体を重ね合わせた構造を成して前記複数の電極部材2・2をこれらの長手方の各上面を露出させて保持する絶縁性の保持部材3と、前記複数の電極部材2・2のうち一つおきのもの同士を相互に接続して複数の電極部材2・2が2極を構成できるようにした電導性の連結手段4と、で構成してある。
【0018】
また、前記電極機構1を用いた鋳物砂水分値の測定装置は、図2に示すように、前記電極機構1と、この電極機構1の2極の端子に低周波矩形波定電流を供給する矩形波定電流供給手段5と、鋳物砂の介在による電流の流れにより前記電極機構1の2極間に生じる電圧を測定し、平滑化する電圧平滑測定手段6と、この電圧平滑測定手段6から得た平滑電圧値から水分値を換算する水分値換算手段7と、で構成してある。
【0019】
また、上述の鋳物砂水分値の測定装置を適用した装置としては、図3に示すように、ホッパ8と切り出し装置としてのベルトコンベヤ9から成る鋳物砂貯蔵装置10のホッパ8の内面に電極機構1の電極部材2・2を内側に露出させて装着したものがある。
【0020】
このように構成されたものは、水分値を測定すべき鋳物砂Sを鋳物砂貯蔵装置10内に投入した後、矩形波定電流供給手段5により電極機構1に低周波矩形波定電流を供給して電極機構1の電極部材2・2間に鋳物砂を介して電流を流し、この時電極機構1の2極間に生じる電圧を電圧平滑測定手段6によって測定する。この測定結果から水分値換算手段7により水分値を求める。こうして求めた水分値は、例えば、図4で示すようなものになる。ただし、図4では電圧平滑測定手段6によって測定した電圧データを用いている。
ここで、図4は2種類の鋳物砂AとBの測定結果を示しており、粘土分などの性状が異なる鋳物砂AとB共に砂の水分と水分電圧との間に良好な相関関係が認められる。
この結果、0.8%から3%までの鋳物砂の水分を適正に計測できることが確認できた。
なお、図4では水分電圧が10Vで頭打ちとなっているが、これは、電圧平滑測定手段で10V以上のデータを10Vとしているためであり、この規制を変更することで10V以上、すなわち砂の水分3%以上も測定できるものである。また、砂の水分1%程度以下では水分電圧が0Vとなっているが、矩形波定電流供給手段から電極機構への供給電圧レベルを変更することにより、砂の水分1%以下も測定可能になるものである。
【0021】
なお、基礎テストでは、平板上に複数の電極を並べ、電極間のインピーダンスをLCZメータで測定した。テストは、電極の形状、電極への印加周波数、生砂の水分、温度などを変化させて行った。図5は、10mm巾×200mm長さの電極を20mmピッチで配置して、この電極の数を変化させたときの、生砂の水分と電極間のインピーダンスの相関関係を調査した結果を示している。図5から、電極数3個では水分とインピーダンスの相関関係は低く、電極数5個でも十分な相関関係が得られていない。さらに電極数を7,9,11個と増やしていくと、高い相関関係が得られることが判った。さらに電極数を増やすと、電極機構の面積が増大してセット空間に制約を受けることになる。この結果、10mm巾×200mm長さの電極を20mmピッチで7個から11個程度配置することにより精度良く安定して生砂の水分レベルの測定が可能であることを確認した。
【0022】
【実施例2】
図6は、図1に示した電極構造に絶縁性の保持部材を介して加熱部材11を、更に設けた電極機構1’である。ここで、加熱部材11は、シート状電気ヒータであり、図7に示す加熱手段12により電力が供給されると共に、加熱温度が制御される。また、図7に示す鋳物砂水分値の測定装置には、温度センサ13で測定した砂温度を基に、平滑電圧値を温度補正電圧値に演算する砂温補正手段14を設けた。
【0023】
本発明に係る鋳物砂水分値の測定装置を砂処理ラインの混練機バッチホッパに取り付け、水分レベルの計測状況を既設の従来装置(以下BMICという)と比較検討するため、図7に示す鋳物砂水分値の測定装置の試作装置を製作して、フィールドテストを実施した。
図8はフィールドテストの結果を示し、試作装置の水分測定値と、BMICの水分測定値とを比較したものである。本発明に係る試作装置の水分換算値はBMICの水分と同様の推移を示し、BMICの水分±2%の範囲より外れることはなかった。また、電極部への砂の付着は認められなかった。
また、鋳物砂水分値の測定装置に砂温補正手段を設けたことにより、鋳物砂の水分と温度補正電圧値との相関関係が一層強くなったことを確認した。
【0024】
なお、実施例においては、混練機バッチホッパに適用したが、砂処理ラインの貯蔵装置、混練装置、砂冷却装置、造型機に設けられたホッパ、造型機の直上に設けられたホッパ、砂の移し替え部に設けられたシュートなどの側壁面、底面などに適用することができる。また、鋳物砂だけでなく、その他の粉体にも適用可能である。
【0025】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように請求項1の電極機構は、鋳物砂に電流を流して鋳物砂の水分を測定するに当たり、前記鋳物砂に電流を流すための電極機構であって、導電性を有する棒状を成しかつ相互に適宜の間隔をおいてほぼ平行して配設された複数の電極部材と、前記複数の電極部材をこれらの長手方の各上面を露出させて保持する絶縁性の保持部材と、前記複数の電極部材のうち一つおきのもの同士を相互に接続して複数の電極部材が2極を構成できるようにした電導性の連結手段と、を備えているから、セット空間の広さや形態の点において本電極機構は制約をほとんど受けることがないなどの優れた実用的効果を奏する。鋳物砂の水分測定に従来必要だったベルトコンベヤが不要になった。また、平板型で構造がシンプルであり、粉体を限定せずに様々なホッパや貯蔵装置、混練機などに取り付けが可能である。
【0026】
また、請求項2の鋳物砂水分値の測定装置は、請求項1の電極機構を用いて鋳物砂の水分値を測定する装置であって、前記電極機構と、この電極機構の2極の端子に低周波矩形波定電流を供給する矩形波定電流供給手段と、鋳物砂の介在による電流の流れにより前記電極機構の2極間に生じる電圧を測定し、平滑化する電圧平滑測定手段と、前記電圧平滑測定手段から得た平滑電圧値から水分値を換算する水分値換算手段と、を具備したから、鋳物砂の水分値を正確にして容易に測定することができるなどの優れた実用的効果を奏する。
【0027】
さらに、請求項3の電極機構及び請求項4の鋳物砂水分値の測定装置は請求項1の電極機構及び請求項2の鋳物砂水分値の測定装置に、絶縁性の保持部材を介して加熱手段を、更に設けると共に、測定対象砂の砂温度を測定する温度センサからの信号を取り込み、前記電圧平滑測定手段から得た平滑電圧値を温度補正する砂温補正手段を設けたことから、電極面に砂が付着することがなく、砂温補正を行うことができ、精度の良い安定した測定値を得ることができる。
【0028】
そして、請求項5の鋳物砂水分値の測定装置は、砂処理ラインの貯蔵装置の側壁、混練装置の側面、砂冷却装置の側面、造型機に設けられたホッパの側面、造型機の直上に設けられたホッパの側面、砂の移し替え部に設けられたシュートの側面のいずれか一つ以上に、これらの側面又は側壁の内面に電極機構の電極部材を内側に露出させて装着したものであり、かつ、この電極機構の2極の端子に低周波矩形波定電流を供給する矩形波定電流供給手段と、鋳物砂の介在による電流の流れにより前記電極機構の2極間に生じる電圧を測定し、平滑化する電圧平滑測定手段と、測定対象砂の砂温度を測定する温度センサからの信号を取り込み、前記電圧平滑測定手段から得た平滑電圧値を温度補正する砂温補正手段と、前記砂温補正手段から得た温度補正電圧値から水分値を換算する水分値換算手段と、を具備したことから、測定する鋳物砂の温度に影響されず、鋳物砂水分値を砂処理ラインや造型機の様々な場所で、簡単に高精度で安定した水分の測定をすることができる。
さらに、様々な粉体に対しても同様に水分値の測定が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明である電極機構の一実施例であって、イは平面図、ロは縦断面図である。
【図2】本発明である鋳物砂水分値の測定装置の一実施例のブロック図である。
【図3】本発明である鋳物砂水分値の測定装置を用いた一実施例の縦断面図である。
【図4】本発明である鋳物砂水分値の測定装置を用いて得た測定値の一例を示すグラフである。
【図5】本発明である生砂の水分と電極間のインピーダンスの相関関係図である。
【図6】本発明である電極機構の別の実施例の縦断面図である。
【図7】本発明である鋳物砂水分値の測定装置の別の実施例のブロック図である。
【図8】本発明である鋳物砂水分値の測定装置を用いて得た測定値の一例と従来例を示すグラフである。
【符号の説明】
1,1' 電極機構
2 電極部材
3 保持部材
4 連結手段
5 矩形波定電流供給手段
6 電圧平滑測定手段
7 水分値換算手段
11 加熱部材
12 加熱手段
13 温度センサ
14 砂温補正手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋳物砂に電流を流して鋳物砂の水分値を測定するに当たり、前記鋳物砂に電流を流すための電極機構およびこの電極機構を用いて鋳物砂の水分値を測定する装置に関する。また、本発明は、粉体の水分値を測定するに当たり、前記粉体に電流を流すための電極機構およびこの電極機構を用いて粉体の水分値を測定する装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、鋳物砂に電流を流して鋳物砂の水分値を測定するようにした鋳物砂水分値の測定装置においては、電流を流すための電極は、通常は板状を成すものが一般的であった(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平7−190975号公報、図1、図2
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この公報に記載された従来の電極では、電極を測定場所にセットするに当たり、セット空間の広さや形態の点から大きな制約を受ける問題があった。
例えば、従来、生型砂処理ラインでは、サンドクーラー前、混練機前で回収砂の水分、温度を計測し、注水制御を行っている。しかし、従来の水分値の測定装置は、特許文献1の図1、図2に示すように、ベルトコンベヤ上に設置するのが基本形となっている。このため、ベルトが必要な構造であり、また、このベルトからの砂こぼれなどがあり、環境改善が困難なものとなっていた。さらに、レイアウト上から設置スペースが大きくなっている。
また、セラミックス原料、耐火物原料などの窯業原料、製鋼ダストなどの廃棄物リサイクル原料、肥料原料などの粉体処理では、圧縮、押し出し、転造などの成形、造粒の前工程で、原料の水分を測定して混練装置で水分の調整を行っている。この粉体処理ラインでも、前記生型砂処理ラインと同様に原料の水分測定工程が必要であり、粉塵の発生など環境悪化と設置スペースが大きくなる問題があった。
【0005】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的は、セット空間の広さや形態の点で制約をほとんど受けることがない電極機構およびこの電極機構を用いた鋳物砂水分値の測定装置を提供することにある。
また、本発明は、前記電極機構を用いた粉体水分値の測定装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために請求項1の電極機構は、鋳物砂に電流を流して鋳物砂の水分を測定するに当たり、前記鋳物砂に電流を流すための電極機構であって、導電性を有する棒状を成しかつ相互に適宜の間隔をおいてほぼ平行して配設された複数の電極部材と、前記複数の電極部材をこれらの長手方の各上面を露出させて保持する絶縁性の保持部材と、前記複数の電極部材のうち一つおきのもの同士を相互に接続して複数の電極部材が2極を構成できるようにした電導性の連結手段と、を備えていて、鋳物砂を介して電極部材間に電気を流すようにしたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2の鋳物砂水分値の測定装置は、請求項1の電極機構を用いて鋳物砂の水分値を測定する装置であって、前記電極機構と、この電極機構の2極の端子に低周波矩形波定電流を供給する矩形波定電流供給手段と、鋳物砂の介在による電流の流れにより前記電極機構の2極間に生じる電圧を測定し、平滑化する電圧平滑測定手段と、前記電圧平滑測定手段から得た平滑電圧値から水分値を換算する水分値換算手段と、を具備したことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、水分値を測定すべき鋳物砂を電極機構上に載せた後、矩形波定電流供給手段により電極機構に低周波矩形波定電流を供給して電極機構の電極部材間に鋳物砂を介して電流を流し、この時電極機構の2極間に生じる電圧を電圧平滑測定手段によって測定する。この測定結果から水分値換算手段により水分値を求める。
【0009】
さらに、請求項2の電極機構及び請求項4の鋳物砂水分値の測定装置は、請求項1の電極機構及び請求項3の鋳物砂水分値の測定装置に、絶縁性の保持部材を介して加熱手段を、更に設けたことを特徴とする。本発明の加熱手段によれば、電極部に砂付着することがない。
【0010】
そして、請求項5の鋳物砂水分値の測定装置は、砂処理ラインの貯蔵装置の側壁、混練装置の側面、砂冷却装置の側面、造型機に設けられたホッパの側面、造型機の直上に設けられたホッパの側面、砂の移し替え部に設けられたシュートの側面のいずれか一つ以上に、これらの側面又は側壁の内面に電極機構の電極部材を内側に露出させて装着したものであり、かつ、この電極機構の2極の端子に低周波矩形波定電流を供給する矩形波定電流供給手段と、鋳物砂の介在による電流の流れにより前記電極機構の2極間に生じる電圧を測定し、平滑化する電圧平滑測定手段と、前記電圧平滑測定手段から得た平滑電圧値から水分値を換算する水分値換算手段と、を具備したことを特徴とする。
本発明によれば、鋳物砂水分値を砂処理ラインや造型機の様々な場所で簡単に測定をすることができる。
また、各種の粉体の場合にも同様の手段によって、水分測定工程で生じる、粉塵の発生など環境悪化と設置スペースが大きくなる問題を解決ができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明において、鋳物砂とは、生型鋳物砂、すなわちベントナイトを粘結材として用いるものが最適である。その他の水分を用いた粘結材であれば、デンプン、PVAなど水溶性粘結材を用いる鋳物砂も本発明を容易に適用できる。なお、その他の粉体の水分値も同様に測定できる。
ここで粉体とは、粒子が多数集合している状態に在るもののうち、微粉〔0.1〜1μm〕、通常の粉体〔1〜100μm〕、粗粉〔0.1〜1mm〕、粒体〔1〜3mm〕に大別されたものの少なくとも1つ以上を混合したものをいう。
これらの粉体としては、セラミックス原料、耐火物原料などの窯業原料、製鋼ダストなどの廃棄物リサイクル原料、肥料原料などを挙げることができる。
【0012】
鋳物砂又は粉体の水分値とは、鋳物砂等に含まれる水分量であり、単位重量に含まれる水分重量を百分率で示したものである。
なお、鋳物砂の水分値を測定することにより、鋳型の造型に最適な鋳物砂を調整することができる。また、粉体の水分値を測定することにより、圧縮、押し出し、転造などの成形、造粒に最適な粉体を調整することができる。
【0013】
本発明において電極部材とは、導電性の耐腐食性に優れた金属部材で、端部に電導性の連結手段の締結部を有したものである。絶縁性の保持部材とは、例えば、アルミナセラミックス製のものであり、成型後焼成して作成できる。
電導性の連結手段は、例えば、一般に広く用いられている電気配線用の電線などで、連結したものである。低周波矩形波定電流とは、1kHz以下の矩形波の一定の電流である。矩形波定電流供給手段とは、前記の低周波矩形波定電流を電極に供給するものである。電圧平滑測定手段とは、2極の電極間の電圧を平滑処理して、平滑電圧値として出力するものである。
【0014】
本発明において、砂温補正手段とは、測定しようとする鋳物砂又は粉体の温度を、熱電対などの温度センサで測定し、電圧平滑測定手段から得た平滑電圧値を次の関係式により演算して、温度補正電圧値を得るものである。
温度補正電圧値=平滑電圧値+(定数−鋳物砂温度)×定数
絶縁性の保持部材を介して設けた加熱手段とは、電極面への結露を防止し、砂付着を防止するために設けたもので、シート状電気ヒータにより絶縁性の保持部材を介して電極を加熱するもので、加熱温度制御機能を備えたものである。
【0015】
砂処理ラインの貯蔵装置とは、サンドビン、砂ホッパなどの他、砂処理ラインを構成するふるい装置、砂冷却装置に付帯するホッパなどを含んだ砂処理ラインを流れる砂の貯蔵装置である。また、粉体の貯蔵装置とは、空気輸送の始点、終点などの貯蔵手段をいう。
混練装置とは、鋳物砂に用いる場合は、粘結材、水等を加えて混練して造型に適した鋳物砂を調整する装置である。混練装置とは、粉体に用いる場合は、粉体の使用目的に合わせて水等を加えて混ぜる装置をいう。
砂冷却装置とは、注湯時に溶湯で加熱された鋳物砂を、砂処理ラインの過程で冷却する装置である。
造型機に設けられたホッパとは、造型機内に配置されて造型に使用される鋳物砂を貯蔵するホッパである。
造型機の直上に設けられたホッパとは、造型機に設けられたホッパに鋳物砂を所定量ずつ供給するためのホッパである。
砂の移し替え部に設けられたシュートとは、バッケットエレベータ、ベルトコンベア、オシレーティングコンベアなどの鋳物砂搬送装置と砂処理ラインの貯蔵装置などの各機器間に設けられた砂移し替え用のシュートである。
【0016】
さらに、ブリケットマシン、ペレタイザーなどの圧縮造粒機のホッパ部に本粉体水分値の測定装置を取り付け、その値に応じた回転速度、圧縮力を制御することもできる。
これらの側面又は側壁とは、必ずしも、垂直面を指すのではなく傾斜面、底面もこれに含まれる。
【0017】
【実施例1】
以下、本発明の一実施例について図面に基づき詳細に説明する。本電極機構1は、図1に示すように、導電性を有する棒状を成しかつ相互に適宜の間隔をおいてほぼ平行して配設された複数の電極部材2・2と、2枚の板状体を重ね合わせた構造を成して前記複数の電極部材2・2をこれらの長手方の各上面を露出させて保持する絶縁性の保持部材3と、前記複数の電極部材2・2のうち一つおきのもの同士を相互に接続して複数の電極部材2・2が2極を構成できるようにした電導性の連結手段4と、で構成してある。
【0018】
また、前記電極機構1を用いた鋳物砂水分値の測定装置は、図2に示すように、前記電極機構1と、この電極機構1の2極の端子に低周波矩形波定電流を供給する矩形波定電流供給手段5と、鋳物砂の介在による電流の流れにより前記電極機構1の2極間に生じる電圧を測定し、平滑化する電圧平滑測定手段6と、この電圧平滑測定手段6から得た平滑電圧値から水分値を換算する水分値換算手段7と、で構成してある。
【0019】
また、上述の鋳物砂水分値の測定装置を適用した装置としては、図3に示すように、ホッパ8と切り出し装置としてのベルトコンベヤ9から成る鋳物砂貯蔵装置10のホッパ8の内面に電極機構1の電極部材2・2を内側に露出させて装着したものがある。
【0020】
このように構成されたものは、水分値を測定すべき鋳物砂Sを鋳物砂貯蔵装置10内に投入した後、矩形波定電流供給手段5により電極機構1に低周波矩形波定電流を供給して電極機構1の電極部材2・2間に鋳物砂を介して電流を流し、この時電極機構1の2極間に生じる電圧を電圧平滑測定手段6によって測定する。この測定結果から水分値換算手段7により水分値を求める。こうして求めた水分値は、例えば、図4で示すようなものになる。ただし、図4では電圧平滑測定手段6によって測定した電圧データを用いている。
ここで、図4は2種類の鋳物砂AとBの測定結果を示しており、粘土分などの性状が異なる鋳物砂AとB共に砂の水分と水分電圧との間に良好な相関関係が認められる。
この結果、0.8%から3%までの鋳物砂の水分を適正に計測できることが確認できた。
なお、図4では水分電圧が10Vで頭打ちとなっているが、これは、電圧平滑測定手段で10V以上のデータを10Vとしているためであり、この規制を変更することで10V以上、すなわち砂の水分3%以上も測定できるものである。また、砂の水分1%程度以下では水分電圧が0Vとなっているが、矩形波定電流供給手段から電極機構への供給電圧レベルを変更することにより、砂の水分1%以下も測定可能になるものである。
【0021】
なお、基礎テストでは、平板上に複数の電極を並べ、電極間のインピーダンスをLCZメータで測定した。テストは、電極の形状、電極への印加周波数、生砂の水分、温度などを変化させて行った。図5は、10mm巾×200mm長さの電極を20mmピッチで配置して、この電極の数を変化させたときの、生砂の水分と電極間のインピーダンスの相関関係を調査した結果を示している。図5から、電極数3個では水分とインピーダンスの相関関係は低く、電極数5個でも十分な相関関係が得られていない。さらに電極数を7,9,11個と増やしていくと、高い相関関係が得られることが判った。さらに電極数を増やすと、電極機構の面積が増大してセット空間に制約を受けることになる。この結果、10mm巾×200mm長さの電極を20mmピッチで7個から11個程度配置することにより精度良く安定して生砂の水分レベルの測定が可能であることを確認した。
【0022】
【実施例2】
図6は、図1に示した電極構造に絶縁性の保持部材を介して加熱部材11を、更に設けた電極機構1’である。ここで、加熱部材11は、シート状電気ヒータであり、図7に示す加熱手段12により電力が供給されると共に、加熱温度が制御される。また、図7に示す鋳物砂水分値の測定装置には、温度センサ13で測定した砂温度を基に、平滑電圧値を温度補正電圧値に演算する砂温補正手段14を設けた。
【0023】
本発明に係る鋳物砂水分値の測定装置を砂処理ラインの混練機バッチホッパに取り付け、水分レベルの計測状況を既設の従来装置(以下BMICという)と比較検討するため、図7に示す鋳物砂水分値の測定装置の試作装置を製作して、フィールドテストを実施した。
図8はフィールドテストの結果を示し、試作装置の水分測定値と、BMICの水分測定値とを比較したものである。本発明に係る試作装置の水分換算値はBMICの水分と同様の推移を示し、BMICの水分±2%の範囲より外れることはなかった。また、電極部への砂の付着は認められなかった。
また、鋳物砂水分値の測定装置に砂温補正手段を設けたことにより、鋳物砂の水分と温度補正電圧値との相関関係が一層強くなったことを確認した。
【0024】
なお、実施例においては、混練機バッチホッパに適用したが、砂処理ラインの貯蔵装置、混練装置、砂冷却装置、造型機に設けられたホッパ、造型機の直上に設けられたホッパ、砂の移し替え部に設けられたシュートなどの側壁面、底面などに適用することができる。また、鋳物砂だけでなく、その他の粉体にも適用可能である。
【0025】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように請求項1の電極機構は、鋳物砂に電流を流して鋳物砂の水分を測定するに当たり、前記鋳物砂に電流を流すための電極機構であって、導電性を有する棒状を成しかつ相互に適宜の間隔をおいてほぼ平行して配設された複数の電極部材と、前記複数の電極部材をこれらの長手方の各上面を露出させて保持する絶縁性の保持部材と、前記複数の電極部材のうち一つおきのもの同士を相互に接続して複数の電極部材が2極を構成できるようにした電導性の連結手段と、を備えているから、セット空間の広さや形態の点において本電極機構は制約をほとんど受けることがないなどの優れた実用的効果を奏する。鋳物砂の水分測定に従来必要だったベルトコンベヤが不要になった。また、平板型で構造がシンプルであり、粉体を限定せずに様々なホッパや貯蔵装置、混練機などに取り付けが可能である。
【0026】
また、請求項2の鋳物砂水分値の測定装置は、請求項1の電極機構を用いて鋳物砂の水分値を測定する装置であって、前記電極機構と、この電極機構の2極の端子に低周波矩形波定電流を供給する矩形波定電流供給手段と、鋳物砂の介在による電流の流れにより前記電極機構の2極間に生じる電圧を測定し、平滑化する電圧平滑測定手段と、前記電圧平滑測定手段から得た平滑電圧値から水分値を換算する水分値換算手段と、を具備したから、鋳物砂の水分値を正確にして容易に測定することができるなどの優れた実用的効果を奏する。
【0027】
さらに、請求項3の電極機構及び請求項4の鋳物砂水分値の測定装置は請求項1の電極機構及び請求項2の鋳物砂水分値の測定装置に、絶縁性の保持部材を介して加熱手段を、更に設けると共に、測定対象砂の砂温度を測定する温度センサからの信号を取り込み、前記電圧平滑測定手段から得た平滑電圧値を温度補正する砂温補正手段を設けたことから、電極面に砂が付着することがなく、砂温補正を行うことができ、精度の良い安定した測定値を得ることができる。
【0028】
そして、請求項5の鋳物砂水分値の測定装置は、砂処理ラインの貯蔵装置の側壁、混練装置の側面、砂冷却装置の側面、造型機に設けられたホッパの側面、造型機の直上に設けられたホッパの側面、砂の移し替え部に設けられたシュートの側面のいずれか一つ以上に、これらの側面又は側壁の内面に電極機構の電極部材を内側に露出させて装着したものであり、かつ、この電極機構の2極の端子に低周波矩形波定電流を供給する矩形波定電流供給手段と、鋳物砂の介在による電流の流れにより前記電極機構の2極間に生じる電圧を測定し、平滑化する電圧平滑測定手段と、測定対象砂の砂温度を測定する温度センサからの信号を取り込み、前記電圧平滑測定手段から得た平滑電圧値を温度補正する砂温補正手段と、前記砂温補正手段から得た温度補正電圧値から水分値を換算する水分値換算手段と、を具備したことから、測定する鋳物砂の温度に影響されず、鋳物砂水分値を砂処理ラインや造型機の様々な場所で、簡単に高精度で安定した水分の測定をすることができる。
さらに、様々な粉体に対しても同様に水分値の測定が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明である電極機構の一実施例であって、イは平面図、ロは縦断面図である。
【図2】本発明である鋳物砂水分値の測定装置の一実施例のブロック図である。
【図3】本発明である鋳物砂水分値の測定装置を用いた一実施例の縦断面図である。
【図4】本発明である鋳物砂水分値の測定装置を用いて得た測定値の一例を示すグラフである。
【図5】本発明である生砂の水分と電極間のインピーダンスの相関関係図である。
【図6】本発明である電極機構の別の実施例の縦断面図である。
【図7】本発明である鋳物砂水分値の測定装置の別の実施例のブロック図である。
【図8】本発明である鋳物砂水分値の測定装置を用いて得た測定値の一例と従来例を示すグラフである。
【符号の説明】
1,1' 電極機構
2 電極部材
3 保持部材
4 連結手段
5 矩形波定電流供給手段
6 電圧平滑測定手段
7 水分値換算手段
11 加熱部材
12 加熱手段
13 温度センサ
14 砂温補正手段
Claims (7)
- 鋳物砂に電流を流して鋳物砂の水分値を測定するに当たり、前記鋳物砂に電流を流すための電極機構であって、
導電性を有する棒状を成しかつ相互に適宜の間隔をおいてほぼ平行して配設された複数の電極部材と、
前記複数の電極部材をこれらの長手方の各上面を露出させて保持する絶縁性の保持部材と、
前記複数の電極部材のうち一つおきのもの同士を相互に接続して複数の電極部材が2極を構成できるようにした電導性の連結手段と、
を備えたことを特徴とする電極機構。 - 請求項1の電極機構を用いて鋳物砂の水分値を測定する装置であって、前記電極機構と、
この電極機構の2極の端子に低周波矩形波定電流を供給する矩形波定電流供給手段と、
鋳物砂の介在による電流の流れにより前記電極機構の2極間に生じる電圧を測定し、平滑化する電圧平滑測定手段と、
前記電圧平滑測定手段から得た平滑電圧値から水分値を換算する水分値換算手段と、
を具備したことを特徴とする鋳物砂水分値の測定装置。 - 前記絶縁性の保持部材を介して加熱手段を更に設けたことを特徴とする請求項1に記載の電極機構。
- 請求項3の電極機構を用いて鋳物砂の水分値を測定する装置であって、前記電極機構と、
この電極機構の2極の端子に低周波矩形波定電流を供給する矩形波定電流供給手段と、
鋳物砂の介在による電流の流れにより前記電極機構の2極間に生じる電圧を測定し、平滑化する電圧平滑測定手段と、
測定対象砂の砂温度を測定する温度センサからの信号を取り込み、前記電圧平滑測定手段から得た平滑電圧値を温度補正する砂温補正手段と、
前記砂温補正手段から得た温度補正電圧値から水分値を換算する水分値換算手段と、
を具備したことを特徴とする鋳物砂水分値の測定装置。 - 砂処理ラインの貯蔵装置の側壁、混練装置の側面、砂冷却装置の側面、造型機に設けられたホッパの側面、造型機の直上に設けられたホッパの側面、砂の移し替え部に設けられたシュートの側面のいずれか一つ以上に、これらの側面又は側壁の内面に電極機構の電極部材を内側に露出させて装着した請求項1又は請求項3に記載の電極機構と、この電極機構の2極の端子に低周波矩形波定電流を供給する矩形波定電流供給手段と、鋳物砂の介在による電流の流れにより前記電極機構の2極間に生じる電圧を測定し、平滑化する電圧平滑測定手段と、
測定対象砂の砂温度を測定する温度センサからの信号を取り込み、前記電圧平滑測定手段から得た平滑電圧値を温度補正する砂温補正手段と、
前記砂温補正手段から得た温度補正電圧値から水分値を換算する水分値換算手段と、を具備したことを特徴とする鋳物砂水分値の測定装置。 - 粉体に電流を流して粉体の水分値を測定するに当たり、前記粉体に電流を流すための電極機構であって、
導電性を有する棒状を成しかつ相互に適宜の間隔をおいてほぼ平行して配設された複数の電極部材と、
前記複数の電極部材をこれらの長手方の各上面を露出させて保持する絶縁性の保持部材と、
前記複数の電極部材のうち一つおきのもの同士を相互に接続して複数の電極部材が2極を構成できるようにした電導性の連結手段と、
を備えたことを特徴とする電極機構。 - 請求項6の電極機構を用いて粉体の水分値を測定する装置であって、前記電極機構と、
この電極機構の2極の端子に低周波矩形波定電流を供給する矩形波定電流供給手段と、
粉体の介在による電流の流れにより前記電極機構の2極間に生じる電圧を測定し、平滑化する電圧平滑測定手段と、
前記電圧平滑測定手段から得た平滑電圧値から水分値を換算する水分値換算手段と、
を具備したことを特徴とする粉体水分値の測定装置。
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