JPH0620101Y2 - 高温流動体の流量計 - Google Patents

高温流動体の流量計

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JPH0620101Y2
JPH0620101Y2 JP16084588U JP16084588U JPH0620101Y2 JP H0620101 Y2 JPH0620101 Y2 JP H0620101Y2 JP 16084588 U JP16084588 U JP 16084588U JP 16084588 U JP16084588 U JP 16084588U JP H0620101 Y2 JPH0620101 Y2 JP H0620101Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、電気伝導性をもつ溶銑,溶鋼,溶融スラグな
どの高温流動体の流量を計測するための流量計に関す
る。
[従来の技術] 一般に、高炉鋳床において出銑中の溶融スラグの改質
(主として塩基度調整)を行なう場合、石灰等の材料が
投入されるが、その量はスラグ量に応じて決定されるの
で、溶鋼スラグの量を計測する必要がある。また、溶融
スラグから水砕スラグを作るプロセスにおいても、溶融
スラグ量に応じた水量を添加する必要があるため、溶鋼
スラグの量を計測する必要がある。
このような溶融スラグの一般的な処理を第3図により説
明すると、高炉1からの出銑時に同時に排出される溶融
スラグは、樋2に沿い主として溶銑の上部を流れてゆ
く。そして、溶融スラグと溶銑とは、樋2内のスキンマ
と呼ばれる板(図示せず)を溢れ流れた部分を溶融スラ
グとして分離される。
分離された溶融スラグを例えばセメント用骨材にするに
は圧壊強度が必要であるため、塩基度を調整する必要が
ある(塩基度が低いと強度が得られない)。このため、
溶融スラグにCaO,CaO等を添加するが、これら
の添加剤をいれすぎると温度低下を生じて溶融スラグが
固化してしまう一方、添加剤が少ないと塩基度調整した
ことにならない。
従って、溶融スラグ量を計測し、それに応じた量の添加
剤をホッパー3から秤量して溶融スラグ中に添加する必
要がある。
また、塩基度を調整された溶融スラグは、シーソー樋な
どの樋落下点8から水砕ピット5内へ送出される。この
水砕ピット5では、スラグの冷却速度を制御するため
に、冷却水供給系4から冷却水が添加される。この冷却
水の量も、製品品質の一つである比重に大きく影響を及
ぼす。冷却水量が溶融スラグ量に体して多過ぎると比重
の大きなものができるが、セメント用骨材としては比重
の小さな方が望ましい。しかし、冷却水量が不足する
と、この水砕ピット5内で溶融スラグが微砕化せずに滞
留し、連続生産プロセスとして成り立たなくなってしま
う。
従って、ここでも溶融スラグ量を計測する必要があり、
溶融スラグの流量を連続的に監視することが望まれる。
水砕ピット5の溶融スラグは、適当量の冷却水を添加さ
れると、水砕ピット6へ送られ、スリューコンベア7等
により貯蔵ホッパーやヤードへ送られる。また、この水
砕製造ラインで処理できない溶融スラグは、樋2から別
のラインでドライピットへ送られ空冷により自然冷却さ
れるが、微砕化されていないため、クラッシャ等による
破砕工程を必要とする。このため、水砕スラグに比べて
製造コストが高くなる。
このような処理プロセスでは、コンベア7のモータMの
電流を監視し、モータ電流大の時には生成スラグ量が多
いと判定して、前述の添加剤や冷却水の量を調整してい
るが、このような調整法では、極めて不正確で且つ時間
的な遅れも大きく、結局、熟練者等による目視に頼らざ
るを得ず自動化の障害になっている。
いづれにしても、上述のような自動化の障害を解消する
ためには、樋2の中(もしくは落下点8)での高温流動
体の溶融スラグ流量を連続的に測定ことが必要不可欠で
ある。
ところで、第4図は溶融スラグが流動している際の樋2
の断面図であり、溶融スラグ10は、樋2内を、および
幅500〜600mm,深さ100〜200mm、通常1〜2m/秒程度
の流速で流れる。この溶融スラグ10の温度は1450℃前
後で、その表面(固化スラグ9)は約1cmほど固化し皮
を張ったようになるが、その固化傾向は熱伝導率が悪い
ために内部まで進まない。なお、樋2の材質としては、
水冷した鉄板もしくは鉄板を耐火物でライニングしたも
のが用いられる。
このような溶融スラグ(高温流動体)の流量を連続的に
測定するために、従来、第5図(a)〜(d)に示すような流
量測定方式が提案/実験されている。
第5図(a)に示す方式(日本鉄鋼協会第77回計測部会
資料「高炉溶融スラグ流量計の開発」日本鋼管株式会社
参照)では、固体素子カメラ11,14を利用し、ま
ず、樋2内の溶融スラグ10の表面を、固体素子カメラ
11により空間フィルタ12を通して撮像し、流速演算
部13にて映像のムラの自己相関をとって表面流速を測
定する一方、樋2内の溶融スラグ10の表面を固体素子
カメラ14により撮像し、レベル演算部15にてその映
像位置から溶融スラグ10のレベルを演算する。そし
て、演算された流速とレベルとを流量演算部16におい
て乗算することにより、溶融スラグ10の流量が計測さ
れる。
第5図(b)に示す方式では、耐火物または高融点金属で
作成したドラッグプレート17を、ロッド18先端に取
り付けて溶融スラグ10中に浸漬させ、このドラッグプ
レート17が溶融スラグ10から受ける力を、ロッド1
8の歪として歪ゲージ19により測定し、歪ゲージ19
の測定結果を流量演算部20において溶融スラグ10の
流量に換算する。
第5図(c)に示す方式では、マイクロ波あるいはミリ波
によるドップラレーダ21を利用して溶融スラグ10の
流速を測定している。つまり、溶融スラグ10の表面速
度vに対しドップラ周波数dは、d=(2v/λ)
・cosθである(ただし、λはマイクロ波またはミリ波
の波長、θはマイクロ波ビームまたはミリ波ビームと溶
融スラグ10の表面との成す角度)ことを利用して、流
速演算部22によりドップラシフトから溶融スラグ10
の表面速度vを測定している。例えば、マイクロ波の波
長λを6mm(周波数50GHz)にした場合、θ=45°
で22〜23Hz程度のドップラシフトが得られる。そし
て、溶融スラグ10のレベルを計測するレベル計23か
らの計測結果と、流速演算部22からの演算結果とを流
速演算部24において乗算することで、溶融スラグ10
の流量が得られる。
第5図(d)に示す方式では、溶融スラグ10が樋2から
落下する地点で、その落下エネルギのうち水平分力を衝
突板25および検出器26により計測し、計測された水
平分力を流量演算部27にて溶融スラグ10の流量に換
算している。
また、第5図(a)〜(d)に示した方式の他にも、第6図に
示すような流量計も提案されている(三菱電機技報Vol.
46No.2,1972年参照)。この第6図に示す流量計では、
樋2の周囲に検出コイル28を配置し、この検出コイル
28に高周波発振機29を接続して高周波の電磁界を与
え、検出コイル28のインピーダンス変化から溶融スラ
グ10の流量を計測している。
上述した各方式を分類すると以下のようになる。
溶融スラグの表面流速, …第5図(a),(c) レベルを測定するもの 一定深さの部分流速より …第5図(b) 全流量を測定するもの 全体の流量を直接的に …第5図(d),第6図 測定するもの [考案が解決しようとする課題] しかしながら、従来の各方式では、それぞれ次のような
課題がある。
第5図(a)に示す方式では、溶融スラグ流の表面が固化
し停滞すると流速の測定ができなくなるため、樋2を保
温カバー等で覆って保温するとともに、樋2の断面積を
小さくして流速を2m/秒以上に速めて樋2の周辺に溶
融スラグ10が固着しないようにするなどの工夫が必要
になる。また、固体素子カメラ11,14による光学的
非接触測定のために光路中のダスト等をパージする必要
もある。
第5図(b)に示す方式では、ドラッグプレート17の浸
漬深さや溶融スラグ10のの粘度、流速分布により、歪
ゲージ19により検出されるロッド18の歪が大きく変
動し、定量的な流量測定にはあまり適さない。
第5図(c)に示す方式では、第5図(a)と同様の課題があ
るほか、溶融スラグ10のレベルを計測する手段(レベ
ル計23)が別途必要になる。第5図(a),(c)に示すい
ずれの方式も、溶融スラグ流の表面流速vから平均流速
を得る必要があるが、理論的にはv/=1.5が確か
められており、この関係を用いて平均流速を得てい
る。しかし、実際にはたとえ表層部が固化しなくても樋
2の側壁等への付着により上記関係は成立せず、その比
率は変動してしまう。
第5図(d)に示す方式では、衝突板25が摩耗しやす
く、また溶融スラグ流が飛散して危険であるほか、建屋
その他の振動の影響により正確に水平分力を測定できな
い。
第6図に示す方式では、電子回路としてかなり高精度で
安定なものが必要で装置が高価なものとなるほか、傾斜
樋のような特殊なものが必要である。また、実際の検出
コイル28は耐熱設計の点から樋2よりもかなり大きい
直径にせざるを得ず、(溶融スラグ流断面積)/(検出
コイル面積)=充填率は、たかだか30%程度にしかな
らない。このことは検出力の弱さを意味し結果として測
定精度が低くなる。
そこで、第7図や第8図に示すような電磁流量計も提案
されている。溶融スラグ10は、高炉スラグの場合、Ca
O-SiO2またはCaO-Al2O3-SiO2などの珪酸塩系で1450℃近
辺の温度でも1.5〜12poise程度の幅広い粘度分布を
示し、密度も2.5〜3.5g/cm2と大きい変化を示して
おり、また、比電導度も1400〜1500℃で0.05〜0.7mho/c
mと変化している。電磁流量計の場合、流体の比電導度
(電気伝導度)が少しでもあれば検出起電力eはほぼ溶
融スラグの流速vに比例する。即ち、e=Blvで比電
導度に関係ない(ここで、Bは磁束密度、lは後述する
電極間の距離)。このことは、電磁流量計を用いた場
合、組成,粘性,温度および導電率にも影響されず、局
部的な流速の測定が可能であることを示している。
一般的な電磁流量計では、第7図に示すように、流動体
(水等)が矢印a方向へ流れる密閉管路30には、一対
の電極31,31が管壁から差し込まれ間隔lをあけ相
対向して配置され、所定の磁束密度Bを矢印b方向へ作
用させた際に電極31,31間に生じる起電力eを起電
力検出部32により検出する。前述したように、検出さ
れた起電力eは、流動体の流速vに比例しているので、
この起電力eから流速vを求めることができる。第7図
に示した電磁流量計は、水などの流量を計測する際に用
いられ、通常、0.3〜10m/秒の流速範囲が最も精度
よく測定される。しかし、第7図に示す電磁流量計のよ
うに、溶融スラグを密閉された管路30を流すと、溶融
スラグが固化付着して流れなくなるため、溶融スラグの
流量測定に際してこの方式は使用できない。
また、磁界についても樋2断面方向(第8図の矢印b方
向;溶融スラグ10の流れ方向に直交し且つ樋2の底面
に平行な方向)に対して作用させる際には、第8図に示
すごとく、大型の電磁石33をそなえなければならず、
かなり大掛かりな装置になってしまう。また、樋2の耐
火物の厚さ(250〜300mm)を考えると、磁気回路の抵抗も
大きく励磁コイル33aに流す電流も大きくしなければ
ならない。
実際には、溶融スラグ10の局部的な流速が測定されれ
ば十分であるから、局部的に均一な磁束密度分布が得ら
れるのであれば、励磁回路は、第8図に示すような大型
のものでなくてもよく、小型のものでよいはずである。
また、励磁源としては永久磁石も考えられるが、永久磁
石は−0.8%/℃という大きな温度係数を有しており、
溶融スラグ10の上で磁石温度が100℃も上昇すれば、
磁力が8割も減衰することになり実用的ではない。
本考案は、上述のような課題に鑑みてなされたので、溶
融スラグ,溶鋼,溶銑などの高温流動体の流量を精度よ
く且つ安全に測定できる安価な流量計を提供することを
目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、本考案の高温流動体の流量
計は、高温流動体にその表面上方から所定のレベルに浸
漬されて上記高温流動体のレベルを一定に保持しうる浸
漬ケースと、同浸漬ケース内に収納され上記高温流動体
の流動方向に対して直交する方向の磁界を上記高温流動
体中に発生させる電磁石と、上記浸漬ケースの底面から
上記高温流動体中に突出・浸漬され上記磁界中において
上記高温流動体の流動方向および上記磁界の方向に直交
する方向に所定の間隔をあけて配置される一対の電極と
をそなえ、上記一対の電極間に生じる起電力を検出する
起電力検出部と、検出された起電力に基づき上記高温流
動体の流速を演算する流速演算部と、演算された流速お
よび上記所定のレベルに基づき上記高温流動体の流量を
演算する流量演算部とをそなえたことを特徴としてい
る。
[作用] 上述した本考案の高温流動体の流量計では、電磁石によ
り、浸漬ケースを介して高温流動体中にその流動方向に
直交する磁界が作られ、一対の電極および起動力検出部
により、流動方向および磁界の方向に直交する方向に生
じる起電力eが検出される。この起電力eは、前述した
ようにe=Blv(Bは磁界の磁束密度、lは一対の電
極間距離、vは高温流動体の流速)なる関係をもつの
で、この関係に基づき流速演算部において起電力eから
高温流動体の流速vが演算される。また、浸漬ケースに
より、高温流動体のレベルは一定のレベルに保持されて
いるので、このレベルから高温流動体の断面積が得られ
る。従って、高温流動体のレベルと演算された流速vと
に基づき高温流動体の流量が流量演算部により演算され
る。
[考案の実施例] 以下、本考案の一実施例としての高温流動体の流量計に
ついて説明すると、第1図はその全体構成図である。本
実施例でも、従来の場合と同様に、高温流動体としての
溶融スラグの流量(樋2内を流れる溶融スラグ10の流
量)を計測する場合について説明する。
第1図において、40は樋2内を流れる溶融スラグ10
にその表面上方から浸漬される浸漬ケースで、この浸漬
ケース40は、高温の溶融スラグ10に耐えうるように
例えば耐火物セラミックスにより形成されている。ま
た、浸漬ケース40は、樋2の幅方向についてほぼいっ
ぱいとなるように、溶融スラグ10の表面から所定のレ
ベルで浸漬されており、この浸漬ケース40の底面40
aにより、溶融レベル10のレベルが、ほぼ一定のh
(浸漬ケース40の底面40aと樋2の底面2aとの間
隔)に保持されるようになっている。
また、41は浸漬ケース40内に収納され溶融スラグ1
0の流動方向に対して直交する方向の磁界(磁束密度
B)を溶融スラグ10中に発生させる電磁石で、鉄心4
1aと、この鉄心41aの外周に巻回されたコイル41
bと、このコイル41bに電圧を印加する電源41cと
から構成されており、浸漬ケース40内に収納可能な小
型のものとなっている。このような電磁石41を、浸漬
ケース40を介して溶融スラグ10の表面近傍に設置す
るだけで、磁極間の中央付近の溶融スラグ10中には、
溶融スラグ10の流動方向に対して直交し且つ樋2の底
面2aに平行な磁束密度分布(第1図の細線A参照)が
得られる。
さらに、42a,42bは浸漬ケース40の底面40a
から溶融スラグ10中に突出・浸漬される一対の電極
で、これらの電極42a,42bは、前述した磁界中に
おいて、溶融スラグ10の流動方向および磁界の方向に
直交する方向に所定の間隔lをあけて配置されている。
また、溶融スラグ10は前述のごとく高温では比較的高
い導電率をもつため、溶融スラグ10中の例えば符号B
で示す電極42a,42b間で短絡して所定の起電力が
得られなくなるおそれがあるので、電極42a,42b
は、溶融スラグ10中の先端部のみが導通可能でその他
の部分では絶縁状態にする必要があるほか、1400〜1500
℃の溶融スラグ10中において容易に軟化・溶融しない
材質であることも重要である。これらの条件に適合する
電極42a,42bとしては、例えば、Mo(モリブデ
ン)−サーメットの棒を先端部以外アルミナでコーティ
ングしたものを用いる。このような電極42a,42b
であれば1400〜1500℃での比抵抗は30〜40μΩ-cm
であり溶融スラグ10の比抵抗20μΩ-cmに比べれば
十分に小さいほか、その熱膨張係数は5〜6×10-6
℃でありアルミナの熱膨張係数に近くコーティングを施
す上でも都合がよく、さらに、融点が2620℃であり溶融
スラグ10中においても軟化・溶融などの問題は生じな
い。
一方、43は一対の電極42a,42b間に生じる起電
力eを検出する起電力検出部、44は起電力検出部43
からの起電力e,電極42aと42bとの間隔lおよび
電磁石41により生じる磁束密度Bに基づき溶融スラグ
10の流速vを演算する流速演算部、45は浸漬ケース
40が設定された所定のレベルつまり浸漬ケース40の
底面40aと樋2の底面2aとの間隔hを入力するため
の設定レベル入力部、46は流速演算部44からの流速
vおよび所定のレベルhに基づき溶融スラグ10の流量
を演算する流速演算部である。
なお、第2図に示すように、溶融スラグ10の表面と電
磁石41の磁極端との距離つまりリフトオフ量xの大き
さに応じて、起電力eは変化するが、リフトオフ量x
は、特に起電力eが最大になるx0付近に設定される。
また、電磁石41は溶融スラグ10の高温下に曝される
が、第1図の矢印Cで示すように、冷却空気を浸漬ケー
ス40内に送り込んで冷却することにより、磁性の特性
変化を防止する。
本考案の一実施例としての高温流動体の流量計は上述の
ごとく構成されているので、電磁石41により、浸漬ケ
ース40を介して溶融スラグ10中にその流動方向に直
交する磁界が、局部的に均一な磁束密度分布(B)を有し
て作られる。
このような磁界が形成されると、一対の電極42a,4
2b間には、これらの電極42a,42b近傍の溶融ス
ラグ10の流速vと、磁界の磁束密度Bとのそれぞれに
比例した起電力eが得られる。この起電力eは、前述し
たようにe=Blvなる関係をもつ。この起電力eは、
起電力検出部43により検出されて流速演算部44へ送
られる。流速演算部44においては、e=Blvの関係
に基づき、検出された起電力eから溶融スラグ10の流
速vを演算する。このようにして、電極42a,42b
間の局部的な流速が測定される。
また、浸漬ケース40の底面40aにより、溶融スラグ
10のレベルは、樋2の幅方向について一定のレベルh
に保持されているので、このレベルhから溶融レベル1
0の流動断面積が得られる。従って、流量演算部46に
おいて、設定レベル入力部45からの溶融スラグ10の
レベルhと演算された流速vとに基づき、溶融スラグ1
0の流量が演算される。
ここで、検出される起電力eの具体的な数値を示すと、
電磁石41の磁極先端部の磁束密度を400〜500Gauss、
電磁石41の磁極先端部と溶融スラグ10の表面(浸漬
ケース40の底面40a)との距離を60mm、溶融スラ
グ10の流速が1m/秒である場合、起電力eとしては
0.8〜1.2mVのが値が起電力検出部43により検出さ
れる。ただし、電極42a,42b間距離lを10mm、
電極42a,42bの直径を6mmとする。
このように、本実施例の流量計によれば、溶融スラグ1
0の表面が固化したとしてもその影響を受けることなく
流量の計測できるほか、小型の電磁石41により溶融ス
ラグ10の局部的な流速vを、溶融スラグ10の組成,
粘性,温度,導電率に影響されることなく確実に且つ高
精度で測定できる。また、電磁石41等を収納する浸漬
ケース40を用いて溶融スラグ10のレベルを一定に保
持することができるので、溶融スラグ10の流動断面を
一定に保持でき、前述のごとく高精度で測定され流速v
を用いて、高温の溶融スラグ10の流量が、高い精度で
且つ安全に測定されるのである。
なお、上記実施例では、高温流動体が、溶融スラグであ
る場合について説明したが、これ以外にも、導電率の大
きいウッドメタル(融点60〜80℃)や、溶鋼(例え
ば電磁攪拌時の溶鋼流),溶銑などの流量も上述と同様
にして行なわれる。
[考案の効果] 以上詳述したように、電磁石により浸漬ケースを介して
高温流動体中に流動方向に直交する磁界を作り、一対の
電極および起電力検出部により、流動方向および磁界の
方向に直交する方向に生じる起電力を検出し、この起電
力に基づき高温流動体の流速を演算するとともに、演算
された流速と浸漬ケースにより一定に保持された高温流
動体のレベルとから高温流動体の流量を演算するように
構成することにより、小型の電磁石により高温流動体の
局部的な流速が、高温流動体の組成,粘性,温度,導電
率等に影響されることなく確実に且つ高精度で測定され
るとともに、浸漬ケースにて高温流動体のレベルが一定
に保持されているので、高温流動体の流動断面を一定に
保持でき、その流動断面と高温流動体の流速とから、高
温流動体の流量を高い精度で且つ安全に測定できる安価
な流量計が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例としての高温流動体の流量計
を示す全体構成図、第2図は電磁石の電極端部と溶融ス
ラグ面とのオフセット量と起電力との関係を示すグラ
フ、第3図は一般的な溶融スラグの処理手順を示す模式
図、第4図は溶融スラグを案内する樋の断面図、第5図
(a)〜(d)および第6図はそれぞれ従来の高温流動体の流
量測定方式説明するための図、第7,8図は従来の電磁
流量計を説明するための図である。 図において、2…樋、2a…樋の底面、10…溶融スラ
グ(高温流動体)、40…浸漬ケース、40a…浸漬ケ
ースの底面、41…電磁石、41a…鉄心、41b…コ
イル、41c…電源、42a,42b…電極、43…起
電力検出部、44…流速演算部、45…設定レベル入力
部、46…流量演算部。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】高温流動体にその表面上方から所定のレベ
    ルに浸漬されて上記高温流動体のレベルを一定に保持し
    うる浸漬ケースと、同浸漬ケース内に収納され上記高温
    流動体の流動方向に対して直交する方向の磁界を上記高
    温流動体中に発生させる電磁石と、上記浸漬ケースの底
    面から上記高温流動体中に突出・浸漬され上記磁界中に
    おいて上記高温流動体の流動方向および上記磁界の方向
    に直交する方向に所定の間隔をあけて配置される一対の
    電極とがそなえられるとともに、上記一対の電極間に生
    じる起電力を検出する起電力検出部と、同起電力検出部
    により検出された起電力に基づき上記高温流動体の流速
    を演算する流速演算部と、同流速演算部により演算され
    た流速および上記所定のレベルに基づき上記高温流動体
    の流量を演算する流量演算部とがそなえられたことを特
    徴とする高温流動体の流量計。
JP16084588U 1988-12-13 1988-12-13 高温流動体の流量計 Expired - Lifetime JPH0620101Y2 (ja)

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