JP2005285616A - 薄膜形成方法、電気光学装置の製造方法、カラーフィルタの製造方法および液滴吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】平坦な薄膜を形成することが可能な電気光学装置の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】基板の塗布領域にインクジェット法により薄膜を形成する電気光学装置の製造方法において、薄膜形成材料を溶解または分散させた第1の液状体を、前記塗布領域にインクジェット法で塗布する第1の工程と、前記塗布領域に塗布された第1の液状体上に、第2の液状体を前記インクジェット法で塗布して、前記第1の液状体中の前記薄膜形成材料の溶解または分散状態を崩して当該薄膜形成材料を沈降させる第2の工程と、前記沈降した薄膜形成材料を乾燥させる第3の工程とを含むものである。
【選択図】 図1−5
【解決手段】基板の塗布領域にインクジェット法により薄膜を形成する電気光学装置の製造方法において、薄膜形成材料を溶解または分散させた第1の液状体を、前記塗布領域にインクジェット法で塗布する第1の工程と、前記塗布領域に塗布された第1の液状体上に、第2の液状体を前記インクジェット法で塗布して、前記第1の液状体中の前記薄膜形成材料の溶解または分散状態を崩して当該薄膜形成材料を沈降させる第2の工程と、前記沈降した薄膜形成材料を乾燥させる第3の工程とを含むものである。
【選択図】 図1−5
Description
本発明は、薄膜形成方法、電気光学装置の製造方法、カラーフィルタの製造方法および液滴吐出装置に関し、特には、基板の塗布領域にインクジェット法等により薄膜を形成する薄膜形成方法、および液滴吐出装置に関する。
薄膜の形成には、例えば、薄膜塗布方法の1つであるスピンコート法が一般的に用いられている。このスピンコート法は、液状体を基板上に滴化した後に、基板を回転させて遠心力により基板全面に塗布を行って薄膜を形成する方法であり、回転数、回転保持時間および液状体の粘度などにより膜厚を制御するものである。
しかしながら、スピンコート法では、供給された液状体の大部分が飛散してしまうため、多くの液状体を供給する必要があるとともに無駄が多く、生産コストが高くなるという問題がある。また、基板を回転させるため、遠心力により液状体が内側から外側へと流動し、外周領域の膜厚が内側よりも厚くなる傾向があるため、膜厚が不均一になるという問題がある。
かかる背景から、近時、インクジェット法などの液滴吐出法が提案され、この塗布法を実施するためのものとして、液滴吐出装置が提案されている。この液滴吐出装置は、所定量の液状体を所望する位置に配することができることから主に薄膜を形成するのに好適に用いられいる。例えば、有機EL装置における発光層や正孔注入/輸送層を作製するのに使用されている。
ところで、有機EL装置の正孔注入/輸送層や発光層を液滴吐出装置で作製する場合として特許文献1が公知である。同文献では、予め基板上に隔壁(バンク)を形成しておき、この隔壁で画された領域、すなわち、塗布領域(画素領域)に液状体を吐出し、その後、乾燥させることにより、正孔注入/輸送層や発光層となる薄膜を形成している。この場合、各塗布領域に納まる液状体の量が等しくなるように、液状体中に薄膜形成材料を均一に溶解・分散させている。
しかしながら、上記方法では、バンク内に塗布した液状体を乾燥させと薄膜が凹形状や凸形状になってしまい平坦で均一な薄膜を形成できない場合がある。この現象を図12を参照して説明する。図12−1に示すように、まず、基板501上のバンク501で画される塗布領域に、薄膜形成材料を溶媒または分散液に溶解または分散させた第1の液状体503を液滴吐出ヘッドで塗布する。つぎに、基板501上の第1の液状体503を乾燥させて薄膜を形成する。この乾燥の際に、塗布領域に塗布された液状体503は、バンク502に引き寄せられまたは弾かれ、乾燥後の膜プロファイルはこの影響を大きく受け、図12−2に示すように、凹部形状または凸部形状になって平坦で均一な膜厚の薄膜ができない場合がある。例えば、有機EL装置などでは、画素内の膜形状は、画素の発光状態に大きな影響を与えるため、平坦な薄膜を形成できないと、表示異常等が発生してしまうことになる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、インクジェット法等の湿式法を使用して平坦な薄膜を形成することが可能な薄膜形成方法、電気光学装置の製造方法、カラーフィルタの製造方法および液滴吐出装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極に挟持された電気光学層を有する電気光学装置の製造方法であって、電気光学材料を溶解または分散させた第1の液状体を、前記第1の電極上に配する第1の工程と、前記第1の電極上に塗布された前記第1の液状体に第2の液状体を配して、前記第1の液状体中の前記電気光学材料の溶解または分散状態を崩して当該薄膜形成材料を沈降させる第2の工程とを含むことを特徴とする。
これによれば、第2の液状体により、第1の液状体の溶解性・分散性が崩れてその薄膜形成材料が沈降して平坦な形状となり、この後、乾燥処理を行うことにより、薄膜形成材料の形状を変更させることなく、乾燥を行うことができ、平坦で均一な厚さの薄膜を形成することが可能となる。したがって、電気光学層を平坦な膜とすることができ、例えば画素部などの塗布領域において均一な電流を流すことができるため塗布領域に対して均一な発光を得ることができ、高品質な表示特性を得ることが可能となる。この結果、インクジェット法等の湿式法を使用して平坦な薄膜を形成することが可能な電気光学装置の製造方法を提供することができる。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記沈降した薄膜形成材料を乾燥させる第3の工程を含むことが望ましい。これにより、平坦で均一な厚さの薄膜を形成することが可能となる。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記塗布領域は、親液化処理が施されていることが望ましい。これにより、第1の液状体が塗布領域に塗れやすくなり、塗布領域に均一に第1の液状体を塗布することができる。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記塗布領域は、隔壁によって区画された領域であることが望ましい。これにより、隔壁があることによって、比較的大量の液状体を塗布領域に塗布することが可能となり、したがって、液状体の塗布を繰り返さなくても、1回の吐出で比較的厚い膜の形成が可能となる。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、基板の塗布領域にインクジェット法により薄膜を形成する薄膜形成方法であって、薄膜形成材料を溶解または分散させた第1の液状体を、前記塗布領域にインクジェット法で塗布する第1の工程と、前記塗布領域に塗布された第1の液状体に、第2の液状体を前記インクジェット法で塗布して、前記第1の液状体中の前記薄膜形成材料の溶解または分散状態を崩して当該薄膜形成材料を沈降させる第2の工程と、を含むことを特徴とする。
これによれば、これによれば、第2の液状体により、第1の液状体の溶解性・分散性が崩れてその薄膜形成材料が沈降して平坦な形状となり、この後、乾燥処理を行うことにより、薄膜形成材料の形状を変更させることなく、乾燥を行うことができ、平坦で均一な厚さの薄膜を形成することが可能となる。この結果、インクジェット法を使用して平坦な薄膜を形成することが可能な薄膜形成方法を提供することができる。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、基板の塗布領域に複数のフィルタエレメントを配列して成るカラーフィルタを製造するカラーフィルタの製造方法であって、薄膜形成材料を溶解または分散させた第1の液状体を、前記塗布領域に配する第1の工程と、前記塗布領域に塗布された前記第1の液状体に第2の液状体を配して、前記第1の液状体中の前記電気光学材料の溶解または分散状態を崩して当該薄膜形成材料を沈降させる第2の工程と、を含むことが望ましい。
これにより、カラーフィルタを平坦な膜とすることができ、高品質な表示特性を得ることが可能となる。この結果、インクジェット法等の湿式法を使用して平坦な薄膜を形成することが可能なカラーフィルタの製造方法を提供することができる。
また、上記課題を解決して、本発明の目的を達成するために、本発明は、液滴吐出ヘッドから液状体を吐出する液滴吐出装置であって、薄膜形成材料を溶解または分散させた第1の液状体を吐出する第1の液滴吐出ヘッドと、前記第1の液状体における前記薄膜形成材料の溶解または分散状態を崩して、当該薄膜形成材料を沈降させる第2の液状体を吐出する第2の液滴吐出ヘッドと、を備えたことを特徴とする。これにより、液滴吐出装置を使用して平坦な膜を形成することが可能となる。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記液滴吐出装置は、1回のスキャンで、前記第1の液滴吐出ヘッドから前記基板の塗布領域に前記第1の液状体を吐出し、かつ、当該塗布領域に塗布された第1の液状体上に、前記第2の液滴吐出ヘッドから前記第2の液状体を吐出することが望ましい。これにより、1回のスキャンで、第1の液状体と第2の液状体とを吐出することができ、第1の液状体が乾燥する前に第2の液状体を第1の液状体上に塗布することにより、簡単に第1の液状体中の薄膜形成材料を沈降させることが可能となる。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるものまたは実質的に同一のものが含まれる。なお、以下の実施例においては、有機EL装置を例示して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[本発明の薄膜形成方法の原理]
図1は、本発明に係る薄膜形成方法の原理を説明するための説明図である。まず、基板1上のバンク2で画される塗布領域(画素領域)に、薄膜形成材料を溶媒または分散媒で溶解または分散させた第1の液状体3を液滴吐出ヘッドで塗布する(図1−1参照)。つぎに、第1の液状体3が乾燥する前に、第1の液状体3の溶解性・分解性を崩してその薄膜形成材料を沈降させる第2の液状体5を液滴吐出ヘッド4で、基板1上の第1の液状体3の上に重ねて塗布する(図1−2参照)。この第2の液状体5により、第1の液状体3の溶解性・分散性が崩れてその薄膜形成材料7が沈降して平坦な形状となる(図1−3参照)。この後、混合液体6を蒸発させて薄膜形成材料7を乾燥させることにより(図1−4参照)、平坦な薄膜7を形成する(図1−5参照)。
図1は、本発明に係る薄膜形成方法の原理を説明するための説明図である。まず、基板1上のバンク2で画される塗布領域(画素領域)に、薄膜形成材料を溶媒または分散媒で溶解または分散させた第1の液状体3を液滴吐出ヘッドで塗布する(図1−1参照)。つぎに、第1の液状体3が乾燥する前に、第1の液状体3の溶解性・分解性を崩してその薄膜形成材料を沈降させる第2の液状体5を液滴吐出ヘッド4で、基板1上の第1の液状体3の上に重ねて塗布する(図1−2参照)。この第2の液状体5により、第1の液状体3の溶解性・分散性が崩れてその薄膜形成材料7が沈降して平坦な形状となる(図1−3参照)。この後、混合液体6を蒸発させて薄膜形成材料7を乾燥させることにより(図1−4参照)、平坦な薄膜7を形成する(図1−5参照)。
このように、本発明では、薄膜形成材料を溶解または分散させた第1の液状体を、塗布領域にインクジェット法で塗布する第1の工程と、前記塗布領域に塗布された第1の液状体上に、第2の液状体を前記インクジェット法で塗布して、前記第1の液状体中の前記薄膜形成材料の溶解または分散状態を崩して当該薄膜形成材料を沈降させる第2の工程と、沈降した薄膜形成材料を乾燥させる第3の工程と、を含んでいるで、第2の液状体により、第1の液状体の溶解性・分散性が崩れてその薄膜形成材料が沈降して平坦な形状となり、この後、乾燥処理を行うことにより、薄膜形成材料の形状を変更させることなく乾燥を行うことができ、平坦で均一な厚さの薄膜を形成することができる。以下、具体的な実施例を説明する。
[液滴吐出装置]
(液滴吐出装置の全体構成)
図2は、本発明の実施例に係る液滴吐出装置の全体構成を示す概略斜視図である。本実施例に係る液滴吐出装置は、図2に示すように、基板10の表面に例えば、液状体11を吐出する液滴吐出ヘッド群32を有する液滴吐出手段13と、液滴吐出ヘッド群32を支持するキャリッジ12と基板10との位置を相対的に移動させる移動手段14と、液滴吐出手段13および移動手段14を制御する制御手段15とを具備してなるものである。
(液滴吐出装置の全体構成)
図2は、本発明の実施例に係る液滴吐出装置の全体構成を示す概略斜視図である。本実施例に係る液滴吐出装置は、図2に示すように、基板10の表面に例えば、液状体11を吐出する液滴吐出ヘッド群32を有する液滴吐出手段13と、液滴吐出ヘッド群32を支持するキャリッジ12と基板10との位置を相対的に移動させる移動手段14と、液滴吐出手段13および移動手段14を制御する制御手段15とを具備してなるものである。
移動手段14は、基板ステージ16上に載置された基板10の上方に、液滴吐出ヘッド群32を下方側に向けて支持すると共に移動自在のステージ18によりX軸方向に移動自在のヘッド支持部17と、上方の液滴吐出ヘッド群32に対して基板ステージ16と共に基板をY軸方向に移動させるステージ駆動部19とから構成されている。
ヘッド支持部17は、液滴吐出ヘッド群32を基板10に対してその鉛直軸方向(Z軸)に任意の移動速度で移動可能且つ位置決め可能な例えばリニアモータ等の機構と、鉛直軸を中心に液滴吐出ヘッド群を回転させることによって下方の基板10に対して任意な角度に設定可能なステッピングモータ等の機構とを備えたものである。
ステージ駆動部19は、鉛直軸を中心に基板ステージ16を回転させて上方の液滴吐出ヘッド群32に対して任意な角度に設定可能なθ軸ステージ20と、基板ステージ16とを液滴吐出ヘッド群32に対して水平方向(Y方向)に移動させ且つ位置決めするステージ21とを備えている。なお、θ軸ステージ20は、ステッピングモータ等から構成され、ステージ21はリニアモータ等から構成されている。
吐出手段13は、液滴吐出ヘッド群32とこれにチューブ22を介して接続されたタンク23とを備えている。タンク23は液状体11を貯留し、チューブ22を介してこの液状体11を液滴吐出ヘッド群32に供給するものとなっている。液状体11としては、有機EL材料等を用いることができる。このような構成によって液滴吐出手段13は、タンク23に貯留された液状体11を液滴吐出ヘッド群32から吐出し、これを基板10上に塗布するようにしている。液滴吐出ヘッド群32は、例えばピエゾ素子によって液室を圧縮し、その圧力で液滴(液状材料)を吐出させるものであり、一列又は複数列に配列された複数のノズル(ノズル孔)を有している。
(キャリッジ)
図3は、キャリッジ12をステージ側から観察した図である。図2に示すように、キャリッジ12は、それぞれほぼ同じ構造を有する複数の液滴吐出ヘッドからなる液滴吐出ヘッド群32を保持している。それぞれの液滴吐出ヘッドは、後述する複数のノズルが設けられた底面を有しており、それぞれの液滴吐出ヘッドの底面の形状は、2つの辺と2つの短辺を有する多角形である。液滴吐出ヘッド群32は、そのノズル列がY軸方向(スキャン方向)に直交する方向に配置された8個の液滴吐出ヘッドからなり、2×2個の第1の液滴吐出ヘッド32Aと、2×2個の4個の第2の液滴吐出ヘッド32Bとで構成されている。第1の液滴吐出ヘッド32Aは、第1サブキャリッジ31Aでキャリッジ12に固定され、第2の液滴吐出ヘッド32Bは、第2サブキャリッジ31Bでキャリッジ12に固定されている。
図3は、キャリッジ12をステージ側から観察した図である。図2に示すように、キャリッジ12は、それぞれほぼ同じ構造を有する複数の液滴吐出ヘッドからなる液滴吐出ヘッド群32を保持している。それぞれの液滴吐出ヘッドは、後述する複数のノズルが設けられた底面を有しており、それぞれの液滴吐出ヘッドの底面の形状は、2つの辺と2つの短辺を有する多角形である。液滴吐出ヘッド群32は、そのノズル列がY軸方向(スキャン方向)に直交する方向に配置された8個の液滴吐出ヘッドからなり、2×2個の第1の液滴吐出ヘッド32Aと、2×2個の4個の第2の液滴吐出ヘッド32Bとで構成されている。第1の液滴吐出ヘッド32Aは、第1サブキャリッジ31Aでキャリッジ12に固定され、第2の液滴吐出ヘッド32Bは、第2サブキャリッジ31Bでキャリッジ12に固定されている。
(ヘッド)
図4は、液滴吐出ヘッド32A、32Bの分解斜視図、図5は、液滴吐出ヘッド32A、32Bの断面図である。図2および図3に示すように、液滴吐出ヘッド32A、32Bは、例えばステンレス製のノズルプレート41と振動板42とを備え、仕切り部材(リザーバプレート)43を介して両者を接合したものである。ノズルプレート43と振動板42との間には、仕切り部材によって複数の空間44と液溜まり45とが形成されている。各空間44と液溜まり45の内部は液状体11(図示せず)で満たされており、各空間44と液溜まり45とは供給口46を介して連通したものとなっている。また、ノズルプレート41には、各空間44から液状体11を噴射するための微小孔のノズル47が形成されている。一方、振動板42には、液溜まり45に液状体11を供給するための孔47aが形成されている。
図4は、液滴吐出ヘッド32A、32Bの分解斜視図、図5は、液滴吐出ヘッド32A、32Bの断面図である。図2および図3に示すように、液滴吐出ヘッド32A、32Bは、例えばステンレス製のノズルプレート41と振動板42とを備え、仕切り部材(リザーバプレート)43を介して両者を接合したものである。ノズルプレート43と振動板42との間には、仕切り部材によって複数の空間44と液溜まり45とが形成されている。各空間44と液溜まり45の内部は液状体11(図示せず)で満たされており、各空間44と液溜まり45とは供給口46を介して連通したものとなっている。また、ノズルプレート41には、各空間44から液状体11を噴射するための微小孔のノズル47が形成されている。一方、振動板42には、液溜まり45に液状体11を供給するための孔47aが形成されている。
振動板42の空間に対向する面と反対側の面上には、図4および図5に示すように、圧電素子(ピエゾ素子)48が接合されている。この圧電素子48は、図5に示すように一対の電極49,49の間に位置し、通電するとこれが外側に突出するように撓曲するようになっている。そして、このような構成のもとに圧電素子48が接合されている振動板42は、圧電素子48と一体になって同時に外側へ撓曲するようになっており、これによって空間44の内部容積が増大するようになっている。したがって、空間44内に増大した容積分に相当する液状材料が液溜まり45から供給口46を介して流入する。また、このような状態から圧電素子48への通電を解除すると、圧電素子48と振動板43とは共に元の形状に戻る。したがって、空間44も元の容積に戻ることから、空間内部の液状体11の圧力が上昇し、ノズル47から基板10に向けて液状体11の噴霧状液滴が吐出される。
なお、液滴吐出ヘッド32A、32Bの方式としては、上述したような圧電素子を用いたピエゾジェットタイプ以外の方式でもよく、超音波モータ,リニアモータ等により、振動を付与し、またはタンク内に圧力を印加することにより、上記微小穴から液状体11である液晶を射出させるようにしてもよい。
上記図2の制御手段15は、装置全体の制御を行うマイクロプロセッサ等のCPUや、各種信号の入出力機能を有するコンピュータ等によって構成されたものであり、図2に示したように、液滴吐出手段13および移動手段14にそれぞれ電気的に接続されたことにより、液滴吐出手段13による吐出動作、および移動手段14による移動動作の少なくとも一方、本実施の形態では両方を制御するものとなっている。そして、このような構成により、液状吐出液の吐出条件を調整し、形成する薄膜の塗布量を制御するようにしている。
すなわち、制御手段15は、上記塗布量を制御する機能として、基板に対する液状吐出液の吐出間隔を調整する制御機能と、1ドットあたりの液状体11の吐出量を調整する制御機能と、ノズルの配列方向と移動機構による移動方向との角度(θ)を調整する制御機能と、基板上を複数の領域に分けて各領域に吐出条件を設置する制御機能とを備えている。
さらに、制御手段15は、上記吐出間隔を調整する制御機構として、基板100と液滴吐出ヘッド12との相対的な移動の速度を調整して吐出間隔を調整する制御機能と、移動手段における吐出の時間間隔を調整して吐出間隔を調整する制御機能と、複数のノズルのうち同時に液状体を吐出させるノズルを任意に設定して吐出間隔を調整する制御機能とを備えている。上記構成に代えて、液滴吐出ヘッド12にX軸、Y軸に移動する手段を持たせてもよいし、ステージ16,20又は21にX軸、Y軸、Z軸に移動する手段を持たせてもよい。
(液滴吐出装置のスキャン方法)
図6は、本実施例にかかる液滴吐出装置による液状体の塗布方法を説明するための図である。薄膜形成材料を溶解または分散させた第1の液状体を第1の液滴吐出ヘッド32Aに充填し、第1の液状体における薄膜形成材料の溶解または分散状態を崩して、当該薄膜形成材料を沈降させる第2の液状体を第2の液滴吐出ヘッド32Bに充填する。そして、本実施例に係る液滴吐出装置は、1回のスキャンで、第1の液滴吐出ヘッド32Aから基板10の塗布領域に第1の液状体を吐出し、かつ、当該塗布領域に塗布された第1の液状体上に、第2の液滴吐出ヘッド32Bから第2の液状体を吐出することにより、第1の液状体が乾燥する前に第2の液状体を吐出する。
図6は、本実施例にかかる液滴吐出装置による液状体の塗布方法を説明するための図である。薄膜形成材料を溶解または分散させた第1の液状体を第1の液滴吐出ヘッド32Aに充填し、第1の液状体における薄膜形成材料の溶解または分散状態を崩して、当該薄膜形成材料を沈降させる第2の液状体を第2の液滴吐出ヘッド32Bに充填する。そして、本実施例に係る液滴吐出装置は、1回のスキャンで、第1の液滴吐出ヘッド32Aから基板10の塗布領域に第1の液状体を吐出し、かつ、当該塗布領域に塗布された第1の液状体上に、第2の液滴吐出ヘッド32Bから第2の液状体を吐出することにより、第1の液状体が乾燥する前に第2の液状体を吐出する。
[有機EL装置の製造工程]
次に、本実施例の薄膜形成方法を使用した有機EL装置の製造方法を図7および図8を参照して説明する。図7は、有機EL装置の製造工程を示すフロー図、図8は、有機EL装置の製造工程図を示している。本実施例の有機EL装置の製造工程は、図7に示すように、(1)隔壁形成工程(S101)と、(2)プラズマ処理工程(S102)と、(3)正孔注入/輸送層形成工程(S103)と、(4)表面改質工程(S104)と、(5)発光層形成工程(S105)と、(6)陰極形成工程(S106)と、(7)封止工程(S107)とから構成される。
次に、本実施例の薄膜形成方法を使用した有機EL装置の製造方法を図7および図8を参照して説明する。図7は、有機EL装置の製造工程を示すフロー図、図8は、有機EL装置の製造工程図を示している。本実施例の有機EL装置の製造工程は、図7に示すように、(1)隔壁形成工程(S101)と、(2)プラズマ処理工程(S102)と、(3)正孔注入/輸送層形成工程(S103)と、(4)表面改質工程(S104)と、(5)発光層形成工程(S105)と、(6)陰極形成工程(S106)と、(7)封止工程(S107)とから構成される。
(1)隔壁生成工程
図8−1に示すように、隔壁形成工程では、必要に応じてTFT等(図示せず)が予め設けられている基板100に形成されたITO等からなる透明電極101上に、無機物バンク層102aと有機物バンク層102bを順次積層することにより、各画素領域を隔てるバンク層(隔壁)102を形成する。
図8−1に示すように、隔壁形成工程では、必要に応じてTFT等(図示せず)が予め設けられている基板100に形成されたITO等からなる透明電極101上に、無機物バンク層102aと有機物バンク層102bを順次積層することにより、各画素領域を隔てるバンク層(隔壁)102を形成する。
無機物バンク層102aは、例えばCVD法、スパッタ法、蒸着法等によって基板100および透明電極101の全面に酸化珪素、酸化チタン、窒化珪素等の無機物膜を形成し、次にこの無機物膜をエッチング等によりパターニングして、透明電極101上の画素領域に開口部103aを設けることにより形成する。ただし、このとき、無機物バンク層102aを透明電極101の周縁部まで残しておくものとする。また、無機物バンク層102aの膜厚は50〜200nmの範囲が好ましく、特に150nmがよい。
次に、基板100、透明電極101、無機物バンク層102aの全面に、有機物バンク層102bを形成する。また、有機物バンク層102bは、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の有機樹脂を溶媒に溶かしたものを、スピンコート、ディップコート等により塗布して形成する。そして、有機物バンク層102bをフォトリソグラフィ技術等によりエッチングして開口部103bを設ける。この有機物バンク層102bの開口部103bは、図8−1に示すように、無機物バンク層102aの開口部103aよりやや広く形成することが好ましい。これにより、透明電極101上に、無機物バンク層102aおよび有機物バンク層102bを貫通する開口部103が形成される。なお、開口部103の平面形状は、円形、楕円、四角、ストライプいずれの形状でも構わないが、インク組成物には表面張力があるため、四角形等の場合には、角部に丸みを持たせる方が好ましい。
(2)プラズマ処理工程
次にプラズマ処理工程では、バンク部102の表面に、親インク性を示す領域と、撥インク性を示す領域を形成する。このプラズマ処理工程は、全面を親インク性にする親インク化工程と、有機物バンク層102bを撥インク性にする撥インク化工程とに大別される。
次にプラズマ処理工程では、バンク部102の表面に、親インク性を示す領域と、撥インク性を示す領域を形成する。このプラズマ処理工程は、全面を親インク性にする親インク化工程と、有機物バンク層102bを撥インク性にする撥インク化工程とに大別される。
親インク化工程では、大気雰囲気中で酸素を反応ガスとするプラズマ処理(O2プラズマ処理)を行う。具体的には、バンク部102を含む基板100は加熱ヒータ内蔵の試料ステージ上に載置され、これにプラズマ状態の酸素が照射される。このO2プラズマ処理により、透明電極101および無機物バンク層102aの露出面、並びに有機物バンク層102bの全面に水酸基もしくは酸素原子が導入されて親インク性が付与される。
つぎに、撥インク化工程では、大気雰囲気中でテトラフルオロメタン(四フッ化炭素)を反応ガスとするプラズマ処理(CF4プラズマ処理)を行う。具体的には、バンク部12を含む基板100は加熱ヒータ内蔵の試料ステージ上に載置され、これにプラズマ状態のテトラフルオロメタン(四フッ化炭素)が照射される。なお、処理ガスは、テトラフルオロメタン(四フッ化炭素)に限らず、他のフルオロカーボン系のガスを用いることができる。CF4プラズマ処理により、先の工程で親インク性が付与された有機物バンク層にフッ素基が導入されて撥インク性が付与される。有機物バンク層102bを構成するアクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の有機物は、プラズマ状態のフルオロカーボンを照射することで容易に水酸基もしくは酸素原子がフッ素基もしくはフロロカーボン基で置換され、撥インク化させることができるものである。一方、透明電極101および無機物バンク層102aの露出面もこのCF4プラズマ処理の影響を多少受けるが、親和性に影響を与えることはない。
上記のプラズマ処理工程では、材質が異なる有機物バンク層102bおよび無機物バンク層102aに対して、O2プラズマ処理とCF4プラズマ処理とを順次行うことにより、バンク部102に親インク性の領域と撥インク性の領域を容易に設けることができる。
(3)正孔注入/輸送層形成工程
正孔注入/輸送層形成工程では、第1の液滴吐出ヘッド32Aで、正孔注入/輸送層材料(薄膜形成材料)を含有する第1の液状体105aを透明電極101上の開口部103に吐出した後、第1の液状体105aの乾燥前に、第1の液状体105aの上に、第1の液状体105aの溶解または分散状態を崩す第2の液状体105bを吐出して、第1の液状体105aの溶解または分解性を崩して正孔注入/輸送層材料を平坦に沈降させた後に、乾燥処理および熱処理を行い、正孔注入/輸送層106を形成する。なお、この正孔注入/輸送層形成工程以降は、水分、酸素の無い、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。
正孔注入/輸送層形成工程では、第1の液滴吐出ヘッド32Aで、正孔注入/輸送層材料(薄膜形成材料)を含有する第1の液状体105aを透明電極101上の開口部103に吐出した後、第1の液状体105aの乾燥前に、第1の液状体105aの上に、第1の液状体105aの溶解または分散状態を崩す第2の液状体105bを吐出して、第1の液状体105aの溶解または分解性を崩して正孔注入/輸送層材料を平坦に沈降させた後に、乾燥処理および熱処理を行い、正孔注入/輸送層106を形成する。なお、この正孔注入/輸送層形成工程以降は、水分、酸素の無い、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。
具体的には、図8−2に示すように、液滴吐出装置の第1の液滴吐出ヘッド32Aに正孔注入/輸送層材料を含む第1の液状体105aを充填しておき、第1の液滴吐出ヘッド32Aの吐出ノズルを開口部103に対向させ、液滴吐出ヘッド302Aと基板100とを相対移動させながら、第1の液滴吐出ヘッド105aから1滴当たりの液量が制御された第1の液状体105aを透明電極101上に吐出する。
ここで、吐出された第1の液状体105aは、親インク性の透明電極101および無機物バンク層102aの露出面部になじむ一方で、撥インク処理された有機物バンク層102bにはほとんど付着しないので、第1液状体105aが有機物バンク層102bの上に誤って吐出された場合でも、第1の液状体105aがはじかれて透明電極101および無機物バンク層102aの露出面部に転がり込む。また、有機物バンク層102bが、液状体に対して撥液性を有することにより、隣接する画素の液状体と互いに混じることを防止することができる。
つぎに、図8−3に示すように、液滴吐出装置の第2の液滴吐出ヘッド32Bに、第1の液状体105aの溶解または分散状態を崩す第2の液状体105bを充填しておき、第2の液滴吐出ヘッド32Bの吐出ノズルを開口部103に対向させ、第2の液滴吐出ヘッド32Bと基板100とを相対移動させながら、第2の液滴吐出ヘッド32Bから1滴当たりの液量が制御された第2の液状体105bを、透明電極101上に吐出された第1の液状体105aの上に重ねて吐出する。第2の液状体105bの塗布は、第1の液状体105aが乾燥する前に実行する。
この第2の液状体105bにより、図8−4に示すように、第1の液状体103aの溶解性・分散性が崩れてその正孔注入/輸送層材料105dが沈降して平坦な形状となる。この後、混合液体105c蒸発させて乾燥処理を行うことにより、図8−5に示すように、透明電極101上に平坦な正孔注入/輸送層106を形成することができる。この乾燥処理は、例えば窒素雰囲気中、室温で圧力を133.3Pa(1Torr)程度にして行う。乾燥処理後は、窒素中、好ましくは真空中で200℃で10分程度加熱する熱処理を行うことで、正孔注入/輸送層106内に残存する極性溶媒や水を除去することが好ましい。
ここで用いる第1の液状体105aとしては、[化1]で示す3,4−ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)と、[化2]で示すポリスチレンスルホン酸(PSS)の分散液、すなわち、ポリスチレンスルホン酸(PSS)にポリスチレンスルホン酸(PSS)を混合させ、さらに、これを水に分散させた分散液を用いることができる。また、第2の液状体105bとしては、アルカリ溶液やエタノール、ブタノール等のアルコールを使用することができる。
尚、液状体105aの粘度は2〜20Ps程度が好ましく、特に7〜10cPs程度がより好ましい。かかる粘度とすることにより、液滴吐出ヘッド32Aのノズル47に詰まりが生じることがなく安定吐出できる。また、第1の液状体105aを複数回印字することにしても良い。この場合、各回における第1の液状体105aの量は同一でも良く、各回毎に吐出量を変えても良い。また、正孔注入/輸送層106の材料は、R・G・Bの各発光層に対して同じ材料を用いても良く、各発光層毎に変えても良い。液状体105aの吐出量は、開口部103の大きさ、形成しようとする正孔注入/輸送層の厚さ、液状体中105aの正孔注入/輸送層材料の濃度等により決定される。
(4)表面改質工程
次に、発光層形成工程に先立ち表面改質工程を行う。すなわち、発光層形成工程では、正孔注入/輸送層106の再溶解を防止するために、発光層形成の際に用いる液状体の溶媒として、正孔注入/輸送層106に対して不溶な非極性溶媒を用いる。しかしその一方で正孔注入/輸送層106は、非極性溶媒に対する親和性が低いため、非極性溶媒を含む発光層の液状体を正孔注入/輸送層106上に吐出しても、正孔注入/輸送層106により液状体がはじかれ、正孔注入/輸送層106と発光層とを密着させることができなくなるか、あるいは発光層を均一に塗布できないおそれがある。そこで、非極性溶媒に対する正孔注入/輸送層16の表面の親和性を高めるために、発光層形成の前に表面改質工程を行うことが好ましい。
次に、発光層形成工程に先立ち表面改質工程を行う。すなわち、発光層形成工程では、正孔注入/輸送層106の再溶解を防止するために、発光層形成の際に用いる液状体の溶媒として、正孔注入/輸送層106に対して不溶な非極性溶媒を用いる。しかしその一方で正孔注入/輸送層106は、非極性溶媒に対する親和性が低いため、非極性溶媒を含む発光層の液状体を正孔注入/輸送層106上に吐出しても、正孔注入/輸送層106により液状体がはじかれ、正孔注入/輸送層106と発光層とを密着させることができなくなるか、あるいは発光層を均一に塗布できないおそれがある。そこで、非極性溶媒に対する正孔注入/輸送層16の表面の親和性を高めるために、発光層形成の前に表面改質工程を行うことが好ましい。
(5)発光層形成工程
次に発光層形成工程では、インクジェット法により、R発光層108R、G発光層108G、B発光層108Bを順次作製する。ここでは、R発光層の形成方法についてのみ説明し、G発光層、B発光層の説明は省略する。第1の液滴吐出ヘッド32Aで、R発光層材料(薄膜形成材料)を含有する第1の液状体107aを正孔注入/輸送層106上に吐出した後、第1の液状体107aの乾燥前に、第1の液状体107aの上に、第1の液状体107aの溶解または分散状態を崩す第2の液状体107bを吐出して、第1の液状体107aの溶解または分解性を崩してR発光層材料を平坦に沈降させた後に、乾燥処理および熱処理を行い、R発光層108Rを形成する。
次に発光層形成工程では、インクジェット法により、R発光層108R、G発光層108G、B発光層108Bを順次作製する。ここでは、R発光層の形成方法についてのみ説明し、G発光層、B発光層の説明は省略する。第1の液滴吐出ヘッド32Aで、R発光層材料(薄膜形成材料)を含有する第1の液状体107aを正孔注入/輸送層106上に吐出した後、第1の液状体107aの乾燥前に、第1の液状体107aの上に、第1の液状体107aの溶解または分散状態を崩す第2の液状体107bを吐出して、第1の液状体107aの溶解または分解性を崩してR発光層材料を平坦に沈降させた後に、乾燥処理および熱処理を行い、R発光層108Rを形成する。
具体的には、図8−6に示すように、液滴吐出装置の第1の液滴吐出ヘッド32AにR発光層材料を含む第1の液状体107aを充填しておき、第1の液滴吐出ヘッド32Aの吐出ノズルを正孔注入/輸送層106に対向させ、第1の液滴吐出ヘッド32Aと基板100とを相対移動させながら、吐出ノズルから1滴当たりの液量が制御されたインク滴として吐出し、第1の液状体107aを正孔注入/輸送層106上に吐出する。この場合、吐出された第1の液状体107aは、正孔注入/輸送層106上に広がってなじむ一方で、撥インク処理された有機物バンク層102bにはほとんど付着しないので、液状体107aが有機物バンク層102bの上に誤って吐出された場合でも、液状体107aがはじかれて正孔注入/輸送層106上に転がり込む。これにより、正孔注入/輸送層106に密着して液状体107aの層を形成することができる。また、有機物バンク層102bが、液状体に対して撥液性を有することにより、隣接する画素の液状体と互いに混じることを防止することができる。
液状体107aの量は、形成しようとするR発光層108Rの厚さ、液状体中の発光層材料の濃度等により決定される。また、液状体107aの滴下は1回のみならず、数回に分けて同一の正孔注入/輸送層106上に吐出しても良い。この場合、各回におけるインク滴の量は同一でも良く、各回毎にインク量を変えても良い。更に正孔注入/輸送層106の同一箇所のみならず、各回毎に正孔注入/輸送層106内の異なる箇所にインク滴を吐出しても良い。
つぎに、図8−7に示すように、液滴吐出装置の第2の液滴吐出ヘッド32Bに、第1の液状体107aの溶解または分散状態を崩す第2の液状体107bを充填しておき、第2の液滴吐出ヘッド32Bの吐出ノズルを第1の液状体107aに対向させ、第2の液滴吐出ヘッド32Bと基板100とを相対移動させながら、第2の液滴吐出ヘッド32Bから1滴当たりの液量が制御された第2の液状体107bを、正孔注入/輸送層106上に吐出された第1の液状体107aの上に重ねて吐出する。第2の液状体107bの塗布は、第1の液状体107aが乾燥する前に実行する。
この第2の液状体105bにより、図8−8に示すように、第1の液状体107aの溶解性・分散性が崩れてそのR有機EL材料107dが沈降して平坦な形状となる。この後、混合液体107cを蒸発させて乾燥処理を行うことにより、図8−9に示すような、正孔注入/輸送層106上に平坦なR発光層108Rが形成される。
乾燥条件は、例えば、窒素雰囲気中、室温で圧力を133.3Pa(1Torr)程度として5〜10分行う条件としたり、40℃で窒素の吹き付けを5〜10分行う条件としたりすることができる。その他の乾燥の手段としては、遠赤外線照射法、高温窒素ガス吹付法等を例示できる。同様な方法で、G発光層材料、B発光層材料を含む第1の液状体の塗布後、第2の液状体を塗布して乾燥処理を行うことによりG発光層、B発光層をそれぞれ形成し、図8−10に示すように、3種類の発光層108R、108G、108Bが形成された基板とする。
ここで、発光層材料としては、[化3]に示すポリフェニレンビニレン誘導体、[化4]〜[化6]に示すポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、その他ベンゼン誘導体に可溶な低分子有機EL材料、高分子有機EL材料等も用いることができる。例えば、ルブレン、ペリレン、9,10-ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等を用いることができる。
その非極性溶媒として、シクロヘキシルベンゼン等のベンゼン系溶媒、イソプロピルビフェニル、ジメチルビフェニル等のビフェニル系溶媒を使用することができる。第1の液状体107aは、これら発光層材料を非極性溶媒に溶解させた溶液を使用することができる。また、第2の液状体107bとしては、発光層材料に対して溶解性の低い溶媒が好ましく、ヘキサデカン、ドデシルベンゼン等の直鎖アルキル系溶媒を使用することができる。
(6)陰極形成工程
次に陰極形成工程では、発光層108R、108G、108Bおよび有機物バンク層102bの全面に、陰極109を形成する。陰極109は、複数の材料を積層して形成しても良い。例えば、発光層に近い側には仕事関数が小さい材料で形成することが好ましく、例えばCa、Ba等を用いることが可能であり、また材料によっては下層にLiFを薄く形成した方がよい場合もある。また、上部側(封止側)には下部側(発光層側)の陰極層よりも仕事関数が高いものが好ましく、例えばAl膜、Ag膜、Mg/Ag積層膜等からなることが好ましい。また、その厚さは、例えば100〜1000nmの範囲が好ましく、特に200〜500nm程度がよい。これらの陰極(陰極層)は、例えば蒸着法、スパッタ法、CVD法等で形成することが好ましく、特に蒸着法で形成することが、発光層108R、108G、108Bの熱による損傷を防止できる点で好ましい。また、フッ化リチウムは、発光層108R、108G、108B上のみに形成しても良く、特定の何れかの発光層上のみに形成しても良い。この場合、他の発光層には、カルシウムからなる陰極が接することとなる。また反射層上に、酸化防止のためにSiO、SiO2、SiN等の保護層を設けても良い。
次に陰極形成工程では、発光層108R、108G、108Bおよび有機物バンク層102bの全面に、陰極109を形成する。陰極109は、複数の材料を積層して形成しても良い。例えば、発光層に近い側には仕事関数が小さい材料で形成することが好ましく、例えばCa、Ba等を用いることが可能であり、また材料によっては下層にLiFを薄く形成した方がよい場合もある。また、上部側(封止側)には下部側(発光層側)の陰極層よりも仕事関数が高いものが好ましく、例えばAl膜、Ag膜、Mg/Ag積層膜等からなることが好ましい。また、その厚さは、例えば100〜1000nmの範囲が好ましく、特に200〜500nm程度がよい。これらの陰極(陰極層)は、例えば蒸着法、スパッタ法、CVD法等で形成することが好ましく、特に蒸着法で形成することが、発光層108R、108G、108Bの熱による損傷を防止できる点で好ましい。また、フッ化リチウムは、発光層108R、108G、108B上のみに形成しても良く、特定の何れかの発光層上のみに形成しても良い。この場合、他の発光層には、カルシウムからなる陰極が接することとなる。また反射層上に、酸化防止のためにSiO、SiO2、SiN等の保護層を設けても良い。
(7)封止工程
最後に封止工程では、陰極109上の全面に熱硬化樹脂または紫外線硬化樹脂からなる封止材を塗布し、封止層120を形成する。さらに、封止層120上に封止用基板(図示せず)を積層する。封止工程は、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。大気中で行うと、反射層にピンホール等の欠陥が生じていた場合にこの欠陥部分から水や酸素等が陰極109に侵入して陰極109が酸化されるおそれがあるので好ましくない。このようにして、図8−11に示すような有機EL装置が得られる。
最後に封止工程では、陰極109上の全面に熱硬化樹脂または紫外線硬化樹脂からなる封止材を塗布し、封止層120を形成する。さらに、封止層120上に封止用基板(図示せず)を積層する。封止工程は、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。大気中で行うと、反射層にピンホール等の欠陥が生じていた場合にこの欠陥部分から水や酸素等が陰極109に侵入して陰極109が酸化されるおそれがあるので好ましくない。このようにして、図8−11に示すような有機EL装置が得られる。
[カラーフィルタ基板の製造工程]
次に、本実施例の薄膜形成方法を使用したカラーフィルタ基板の製造方法を図9および図10を参照して説明する。図10は、カラーフィルタ基板の製造工程を示すフロー図、図11は、カラーフィルタ基板の製造工程図を示している。本実施例のカラーフィルタ基板の製造工程は、図10に示すように、(1)ブラックマトリクス形成工程(S201)と、(2)バンク形成工程(S202)と、(3)着色層形成工程(S203)と、(4)保護膜形成工程(S204)とから構成される。
次に、本実施例の薄膜形成方法を使用したカラーフィルタ基板の製造方法を図9および図10を参照して説明する。図10は、カラーフィルタ基板の製造工程を示すフロー図、図11は、カラーフィルタ基板の製造工程図を示している。本実施例のカラーフィルタ基板の製造工程は、図10に示すように、(1)ブラックマトリクス形成工程(S201)と、(2)バンク形成工程(S202)と、(3)着色層形成工程(S203)と、(4)保護膜形成工程(S204)とから構成される。
(1)ブラックマトリクス形成工程
ブラックマトリクス形成工程では、図10−1に示すように、基板201上にブラックマトリクス202を形成する。ブラックマトリクス202は、金属クロムと酸化クロムの積層体、または樹脂マトリクス等により形成する。金属薄膜からなるブラックマトリクス502を形成するには、スパッタ法や蒸着法等を用いることができる。また、樹脂薄膜からなるブラックマトリクスを形成するには、グラビア印刷法、フォトレジスト、熱転写法等を用いることができる。
ブラックマトリクス形成工程では、図10−1に示すように、基板201上にブラックマトリクス202を形成する。ブラックマトリクス202は、金属クロムと酸化クロムの積層体、または樹脂マトリクス等により形成する。金属薄膜からなるブラックマトリクス502を形成するには、スパッタ法や蒸着法等を用いることができる。また、樹脂薄膜からなるブラックマトリクスを形成するには、グラビア印刷法、フォトレジスト、熱転写法等を用いることができる。
(2)バンク形成工程
バンク形成工程では、ブラックマトリクス202上に重畳する状態でバンクを形成する。すなわち、まず、図10−2に示すように、基板201およびブラックマトリクスを覆うように、ネガ型の透明な感光樹脂からなるレジスト層204を形成する。そして、その上面をマトリクスパターン形状に形成されたマスクフィルム205で被覆した状態で露光処理を行う。さらに、図10−3に示すように、レジスト層204の未露光部をエッチング処理することによりレジスト層204をパターニングしてバンク203を形成する。なお、樹脂ブラックにブラックマトリクスを使用する場合には、ブラックマトリクスとバンクとを兼用することが可能となる。
バンク形成工程では、ブラックマトリクス202上に重畳する状態でバンクを形成する。すなわち、まず、図10−2に示すように、基板201およびブラックマトリクスを覆うように、ネガ型の透明な感光樹脂からなるレジスト層204を形成する。そして、その上面をマトリクスパターン形状に形成されたマスクフィルム205で被覆した状態で露光処理を行う。さらに、図10−3に示すように、レジスト層204の未露光部をエッチング処理することによりレジスト層204をパターニングしてバンク203を形成する。なお、樹脂ブラックにブラックマトリクスを使用する場合には、ブラックマトリクスとバンクとを兼用することが可能となる。
このバンク203とその下のブラックマトリクス202は、各画素領域207aを区画する区画壁部207bとなり、後の着色層形成工程において、液滴吐出ヘッドにより着色層(成膜部)208R、208G、208Bを形成する際に液状体の着弾領域を規定する。
以上のブラックマトリクス形成工程およびバンク形成工程を経ることにより、上記フィルタ基体200Aが得られる。なお、本実施の形態においては、バンク203の材料として、塗膜表面が疎液(疎水)性となる樹脂材料を用いている。そして、基板(ガラス基板)201の表面が親液(親水)性であるので、後述する着色層形成工程において、バンク203(区画壁部207b)に囲まれた画素領域207a内への液滴の着弾精度が向上する。
(3)着色層形成工程
着色層形成工程では、液滴吐出ヘッドによって機能液滴を吐出して区画壁部207bで囲まれた各画素領域207a内に着弾させる。具体的には、図10−4に示すように、第1の液滴吐出ヘッド32Aで、R着色層形成材料(薄膜形成材料)を含有する第1の液状体208aを画素領域207a内へ吐出する。第1の液状体208aの乾燥前に、図10−5に示すように、第1の液状体208aの上に、第1の液状体208aの溶解状態または分散状態を崩す第2の液状体208bを吐出して、図10−6に示すように、第1の液状体208aの溶解性または分散性を崩してR着色層形成材料を平坦に沈降させる。この後、乾燥処理および熱処理を行って混合液208cを蒸発させて、図10−7に示すように、R着色層208Rを形成する。同様な方法で、G着色層208G、B着色層208Gを形成して、図10−8に示すように、3種類の着色層208R、208G、208Bが形成された基板とする。
着色層形成工程では、液滴吐出ヘッドによって機能液滴を吐出して区画壁部207bで囲まれた各画素領域207a内に着弾させる。具体的には、図10−4に示すように、第1の液滴吐出ヘッド32Aで、R着色層形成材料(薄膜形成材料)を含有する第1の液状体208aを画素領域207a内へ吐出する。第1の液状体208aの乾燥前に、図10−5に示すように、第1の液状体208aの上に、第1の液状体208aの溶解状態または分散状態を崩す第2の液状体208bを吐出して、図10−6に示すように、第1の液状体208aの溶解性または分散性を崩してR着色層形成材料を平坦に沈降させる。この後、乾燥処理および熱処理を行って混合液208cを蒸発させて、図10−7に示すように、R着色層208Rを形成する。同様な方法で、G着色層208G、B着色層208Gを形成して、図10−8に示すように、3種類の着色層208R、208G、208Bが形成された基板とする。
この場合、第1の液状体208aとして水分散系インクを使用した場合は、第2の液状体208bとして、電荷の大きいマグネシウムやマンガンなどの電解質水溶液を使用することにより、水分散系インクの分散が崩れ着色層材料の沈降が生じる。また、第1の液状体208aとして顔料分散系インクを使用し、その顔料系の溶媒としてブチルカルビトールアセテート(ジエチレングルコールモノブチルエーテルアセテート)を使用した場合には、第2の液状体208bとして、エタノールやイソプロピルアルコール等の低分子直鎖アルコールを使用することにより、顔料分散系インクの分散が崩れ着色層材料の沈降が生じる。
(4)保護膜形成工程
保護膜形成工程では、図10−9に示すように、基板201、区画壁部207b、および着色層208R、208G、208Bの上面を覆うように保護膜209を形成する。すなわち、基板201の着色層208R、208G、208Bが形成されている面全体に保護膜用液状体が塗布された後、乾燥処理を経て保護膜209が形成される。
保護膜形成工程では、図10−9に示すように、基板201、区画壁部207b、および着色層208R、208G、208Bの上面を覆うように保護膜209を形成する。すなわち、基板201の着色層208R、208G、208Bが形成されている面全体に保護膜用液状体が塗布された後、乾燥処理を経て保護膜209が形成される。
(電気光学装置への適用)
本発明の薄膜形成方法は、上記有機EL装置や液晶表示装置の他、各種の電気光学装置の製造に用いることができ、例えば、液晶表示装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動表示装置、電子放出表示装置(Field Emission DisplayおよびSurface-Conduction Electoron-Emitter Display等)、LED(ライトエミッティングダイオード)表示装置、エレクトロミック調光ガラス装置、電子ペーパー装置等に広く適用することができる。
本発明の薄膜形成方法は、上記有機EL装置や液晶表示装置の他、各種の電気光学装置の製造に用いることができ、例えば、液晶表示装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動表示装置、電子放出表示装置(Field Emission DisplayおよびSurface-Conduction Electoron-Emitter Display等)、LED(ライトエミッティングダイオード)表示装置、エレクトロミック調光ガラス装置、電子ペーパー装置等に広く適用することができる。
(電子機器への適用)
次に、本発明に係る電気光学装置を適用可能な電子機器の具体例について図11を参照して説明する。図11−1は、本発明に係る電気光学装置を可搬型のパーソナルコンピュータ(いわゆるノート型パソコン)300の表示部に適用した例を示す斜視図である。同図に示すように、パーソナルコンピュータ300は、キーボード301を備えた本体部302と、本発明に係る電気光学装置を適用した表示部303とを備えている。図11−2は、本発明に係る電気光学装置を携帯電話機400の表示部に適用した例を示す斜視図である。同図に示すように、携帯電話機400は、複数の操作ボタン401のほか、受話口402、送話口403とともに、本発明に係る電気光学装置を適用した表示部404を備えている。
次に、本発明に係る電気光学装置を適用可能な電子機器の具体例について図11を参照して説明する。図11−1は、本発明に係る電気光学装置を可搬型のパーソナルコンピュータ(いわゆるノート型パソコン)300の表示部に適用した例を示す斜視図である。同図に示すように、パーソナルコンピュータ300は、キーボード301を備えた本体部302と、本発明に係る電気光学装置を適用した表示部303とを備えている。図11−2は、本発明に係る電気光学装置を携帯電話機400の表示部に適用した例を示す斜視図である。同図に示すように、携帯電話機400は、複数の操作ボタン401のほか、受話口402、送話口403とともに、本発明に係る電気光学装置を適用した表示部404を備えている。
本発明に係る電気光学装置は、上述した携帯電話機やノートパソコン以外にも、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれる携帯型情報機器、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、デジタルスチルカメラ、車載用モニタ、デジタルビデオカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話機、およびPOS端末機などの電子機器に広く適用することができる。
本発明に係る電気光学装置は、有機ELエレクトロルミネッセンス、液晶表示装置、有機TFT表示装置、プラズマディスプレイ装置、電気泳動表示装置、電子放出表示装置(Field Emission DisplayおよびSurface-Conduction Electoron-Emitter Display等)、LED(ライトエミッティングダイオード)表示装置、エレクトロミック調光ガラス装置、および電子ペーパー装置の電気光学装置に広く利用可能である。また、本発明に係る電子機器は、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)と呼ばれる携帯型情報機器、携帯型パーソナルコンピュータ、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、デジタルスチルカメラ、車載用モニタ、デジタルビデオカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話機、およびPOS端末機などの電子機器に広く利用することができる。
10 インクジェット装置、11 液状体、12 液滴吐出ヘッド、13 液滴吐出手段、14 移動手段、15 制御手段、16 基板ステージ、17 ヘッド支持部 18 ステージ、19 ステージ駆動部、20 θ軸ステージ、21 ステージ、22 チューブ、23 タンク、31 ノズルプレート、32 振動版、33 仕切り部材(リザーバプレート)、34 空間、35 液溜まり、36 供給口、37 ノズル、37a ノズル孔、38 圧電素子(ピエゾ素子)、39 電極、100 基板、101 透明電極、102 バンク部(隔壁)、102a 無機物バンク層、102b 有機物バンク層、103,103a、103b 開口部、105a、105b 液状体、105 PEDT膜、106 正孔注入/輸送層、107a、107b、107c 液状体、108R、108G、108B 発光層、109 陰極、120 封止層、201 基板、202 ブラックマトリクス、208R、208G、208B 着色層、300 パーソナルコンピュータ、301 キーボード、302 本体部、303 表示部、400 携帯電話機、401 操作ボタン、402 受話口、403 送話口、404 表示部
Claims (8)
- 第1の電極と、第2の電極と、前記第1の電極と前記第2の電極に挟持された電気光学層を有する電気光学装置の製造方法であって、
電気光学材料を溶解または分散させた第1の液状体を、前記第1の電極上に配する第1の工程と、
前記第1の電極上に塗布された前記第1の液状体に第2の液状体を配して、前記第1の液状体中の前記電気光学材料の溶解または分散状態を崩して当該薄膜形成材料を沈降させる第2の工程と、
を含むことを特徴とする電気光学装置の製造方法。 - 前記沈降した薄膜形成材料を乾燥させる第3の工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の製造方法。
- 前記塗布領域は、親液化処理が施されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気光学装置の製造方法。
- 前記塗布領域は、隔壁によって区画された領域であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の電気光学装置の製造方法。
- 基板の塗布領域にインクジェット法により薄膜を形成する薄膜形成方法であって、
薄膜形成材料を溶解または分散させた第1の液状体を、前記塗布領域にインクジェット法で塗布する第1の工程と、
前記塗布領域に塗布された第1の液状体に、第2の液状体を前記インクジェット法で塗布して、前記第1の液状体中の前記薄膜形成材料の溶解または分散状態を崩して当該薄膜形成材料を沈降させる第2の工程と、
を含むことを特徴とする薄膜形成方法。 - 基板の塗布領域に複数のフィルタエレメントを配列して成るカラーフィルタを製造するカラーフィルタの製造方法であって、
薄膜形成材料を溶解または分散させた第1の液状体を、前記塗布領域に配する第1の工程と、
前記塗布領域に塗布された前記第1の液状体に第2の液状体を配して、前記第1の液状体中の前記電気光学材料の溶解または分散状態を崩して当該薄膜形成材料を沈降させる第2の工程と、
を含むことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 - 液滴吐出ヘッドから液状体を吐出する液滴吐出装置であって、
薄膜形成材料を溶解または分散させた第1の液状体を吐出する第1の液滴吐出ヘッドと、
前記第1の液状体における前記薄膜形成材料の溶解または分散状態を崩して、当該薄膜形成材料を沈降させる第2の液状体を吐出する第2の液滴吐出ヘッドと、
を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。 - 前記液滴吐出装置は、1回のスキャンで、前記第1の液滴吐出ヘッドから前記基板の塗布領域に前記第1の液状体を吐出し、かつ、当該塗布領域に塗布された第1の液状体上に、前記第2の液滴吐出ヘッドから前記第2の液状体を吐出することを特徴とする請求項7に記載の液滴吐出装置。
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JP2004099215A JP2005285616A (ja) | 2004-03-30 | 2004-03-30 | 薄膜形成方法、電気光学装置の製造方法、カラーフィルタの製造方法および液滴吐出装置 |
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JP2007298944A (ja) * | 2006-05-03 | 2007-11-15 | Korea Mach Res Inst | 高解像度パターンの形成方法 |
JP2012216324A (ja) * | 2011-03-31 | 2012-11-08 | Toppan Printing Co Ltd | 有機el素子及びその製造方法 |
JP2021012815A (ja) * | 2019-07-05 | 2021-02-04 | キヤノン株式会社 | 機能素子の製造方法、インクジェット装置、プログラム、記録媒体 |
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2004
- 2004-03-30 JP JP2004099215A patent/JP2005285616A/ja not_active Withdrawn
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