JP2005285487A - 非水電解質二次電池、非水電解質二次電池用正極活物質および非水電解質二次電池用正極合剤 - Google Patents

非水電解質二次電池、非水電解質二次電池用正極活物質および非水電解質二次電池用正極合剤 Download PDF

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Abstract

【課題】
より一層厳しい使用環境下においても優れた電池特性を有する非水電解質二次電池、非水電解質二次電池用正極活物質および非水電解質二次電池用正極合剤を提供する。
【解決手段】
非水電解質二次電池を、層状構造リチウム遷移金属複合酸化物の結晶子界面の少なくとも一部にジルコニウムを有してなる、正極活物質を用いた正極活物質層を帯状正極集電体の少なくとも片面に形成させることにより構成した帯状正極と、金属リチウム、リチウム合金、リチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素材料またはリチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物から選択される1種を負極活物質として用いた負極活物質層を、帯状負極集電体の少なくとも片面に形成させることにより構成した帯状負極と、帯状セパレータとを具備し、前記帯状正極と前記帯状負極との間に前記帯状セパレータが介在している構成とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池、非水電解質二次電池用正極活物質(以下、単に「正極活物質」ともいう。)および非水電解質二次電池用正極合剤(以下、単に「正極合剤」ともいう。)に関する。詳しくは、電池特性が非常に向上した、層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物を有する非水電解質二次電池、正極活物質および正極合剤に関する。
非水電解質二次電池は、従来のニッケルカドミウム二次電池などに比べて作動電圧が高く、かつエネルギー密度が高いという特徴を有しており、携帯電話、ノート型パソコン、デジタルカメラ等のモバイル電子機器の電源等として広く利用されている。この非水電解質二次電池の正極活物質としては、LiCoO、LiNiO、LiMnに代表されるリチウム遷移金属複合酸化物が挙げられるが、中でも、モバイル電子機器にはLiCoOが従来用いられており、十分な電池特性が得られていた。
しかしながら、現在では、モバイル電子機器は、さまざまな機能が付与される等の高機能化や、高温や低温での使用等のため、使用環境がより一層厳しいものとなっている。また、電気自動車用バッテリー等の電源への応用が期待されており、これまでのLiCoOを用いた非水電解質二次電池では、十分な電池特性が得られず、更なる改良が求められている。
特許文献1には、ジルコニウム(Zr)を添加したLi1−xCoO(0≦x<1)またはそのコバルトの一部を他の遷移金属で置換したものからなる正極が記載されている。そして、LiCoO粒子の表面が酸化ジルコニウム(ZrO)またはリチウムとジルコニウムとの複合酸化物LiZrOに覆われることによって安定化され、その結果、高い電位においても電解液の分解反応や結晶破壊を起こすことなく、優れたサイクル特性および保存特性を示す正極活物質が得られることが記載されている。
しかしながら、この正極活物質では、近年の非水電解質二次電池に要求されている負荷特性、低温特性および熱安定性を満足することができなかった。また、サイクル特性にも向上の余地があった。
特開平4−319260号公報
本発明の目的は、より一層厳しい使用環境下においても優れた電池特性を有する非水電解質二次電池、非水電解質二次電池用正極活物質および非水電解質二次電池用正極合剤を提供することにある。
本発明は、以下の(1)〜(5)を提供する。
(1)層状構造リチウム遷移金属複合酸化物の結晶子界面の少なくとも一部にジルコニウムを有してなる、正極活物質を用いた正極活物質層を帯状正極集電体の少なくとも片面に形成させることにより構成した帯状正極と、
金属リチウム、
リチウム合金、
リチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素材料
またはリチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物
から選択される1種を負極活物質として用いた負極活物質層を、帯状負極集電体の少なくとも片面に形成させることにより構成した帯状負極と、
帯状セパレータとを具備し、
前記帯状正極と前記帯状負極との間に前記帯状セパレータが介在している非水電解質二次電池。
(2)前記帯状正極と前記帯状負極とを前記帯状セパレータを介して積層した状態で複数回巻回させて、前記帯状正極と前記帯状負極との間に前記帯状セパレータが介在している渦巻型の巻回体を構成してなる上記(1)に記載の非水電解質二次電池。
(3)前記帯状正極と前記帯状負極とを前記帯状セパレータを介して積層した状態で積み重ねて、前記帯状正極と前記帯状負極との間に前記帯状セパレータが介在しているスタック体を構成してなる上記(1)に記載の非水電解質二次電池。
(4)少なくとも層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物を有する非水電解質二次電池用正極活物質であって、
前記リチウム遷移金属複合酸化物は、その結晶子界面の少なくとも一部にジルコニウムを有する、非水電解質二次電池用正極活物質。
(5)少なくとも層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物を有する正極活物質と導電剤を有する非水電解質二次電池用正極合剤であって、
前記リチウム遷移金属複合酸化物は、その結晶子界面の少なくとも一部にジルコニウムを有し、
前記正極活物質と前記導電剤との間にジルコニウムが存在する、非水電解質二次電池用正極合剤。
(1)に記載の非水電解質二次電池は、層状構造リチウム遷移金属複合酸化物の結晶子界面の少なくとも一部にジルコニウムを有してなる、正極活物質を用いた正極活物質層を帯状正極集電体に形成させることにより帯状正極を構成する。
リチウム遷移金属複合酸化物の結晶子界面の少なくとも一部にジルコニウムを有しているため、界面抵抗が減少し、これにより常温下および低温下での負荷時の放電電位が高くなり、負荷時の容量維持率が向上する。即ち、負荷特性および低温特性が向上すると考えられる。
また、充電時において負極にリチウムが局所的に析出するのを抑えることができると考えられる。このため、充電時にガスが発生することを抑制し、ドライアウトを防止することができるためサイクル特性が向上すると考えられる。
更に、結晶子界面の少なくとも一部にジルコニウムを有していることにより、酸素の脱離が抑制され熱安定性が向上すると考えられる。
したがって、負荷特性、低温特性、サイクル特性および熱安定性の向上した非水電解質二次電池が得られる。
(2)に記載の非水電解質二次電池は、帯状正極と帯状負極とを帯状セパレータを介して積層した状態で複数回巻回させて、帯状正極と帯状負極との間に帯状セパレータが介在している渦巻型の巻回体を構成してなる。このような構成にすることにより、負荷特性、低温特性、サイクル特性および熱安定性の向上を損なうことなく、量産性に優れた非水電解質二次電池が得られる。
(3)に記載の非水電解質二次電池は、帯状正極と帯状負極とを帯状セパレータを介して積層した状態で積み重ねて、帯状正極と帯状負極との間に帯状セパレータが介在しているスタック体を構成してなる。このような構成にすることにより、負荷特性、低温特性、サイクル特性および熱安定性の向上を損なうことなく、電池の内部抵抗を下げることができるため、入出力特性の向上した非水電解質二次電池が得られる。
(4)に記載の正極活物質は、リチウム遷移金属複合酸化物の結晶子界面の少なくとも一部にジルコニウムを有する。
リチウム遷移金属複合酸化物の結晶子界面の少なくとも一部にジルコニウムを有しているため、界面抵抗が減少すると考えられる。これにより常温下および低温下での負荷時の放電電位が高くなり、負荷時の容量維持率が向上する。即ち、負荷特性および低温特性が向上する。
また、充電時において負極にリチウムが局所的に析出するのを抑えることができ、充電時にガスが発生することを抑制し、ドライアウトを防止することができると考えられる。このためサイクル特性が向上する。
更に、結晶子界面の少なくとも一部にジルコニウムを有していることにより、酸素の脱離が抑制されると考えられる。このため熱安定性が向上する。
(5)に記載の正極活合剤は、リチウム遷移金属複合酸化物の結晶子界面の少なくとも一部にジルコニウムを有していることにより、上述したように負荷特性、低温特性、サイクル特性および熱安定性が向上する。
また、リチウム遷移金属複合酸化物と導電剤との間にジルコニウムが存在していることにより、リチウム遷移金属複合酸化物と導電剤とが分離しにくくなると考えられる。これにより上記の効果を損なうことなく、正極合剤の集電体への塗布特性が向上する。
以下、本発明に係る非水電解質二次電池、非水電解質二次電池用正極活物質および非水電解質二次電池用正極合剤を具体的に説明する。ただし、本発明は、この実施の形態に限定されない。
<非水電解質二次電池用正極活物質>
本発明の非水電解質二次電池用正極活物質は、少なくとも層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物からなる。層状構造とは、リチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造が層状であることを意味する。
図1は、層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物の結晶構造を示す模式図である。
層状構造は、特に限定されず、例えば、層状岩塩構造、ジグザグ層状岩塩構造が挙げられる。中でも、層状岩塩構造が好ましい。
層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物は特に限定されない。例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、クロム酸リチウム、バナジン酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケルコバルト酸リチウム、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム、ニッケルコバルトアルミン酸リチウムである。好適には、コバルト酸リチウム、ニッケルコバルト酸リチウム、ニッケルコバルトアルミン酸リチウムおよびニッケルコバルトマンガン酸リチウムが挙げられる。
コバルト酸リチウムのLi、CoおよびOの組成比を一般式LiCoOで表したときに、xが0.95≦x≦1.10を満たす数を表し、yが1.8≦y≦2.2を満たす数を表すのが好ましい。
ニッケルコバルト酸リチウムのLi、Ni、CoおよびOの組成比を一般式LiNiCoで表したときに、kが0.95≦k≦1.10を満たす数を表し、mが0.1≦m≦0.9を満たす数を表し、pが0.1≦p≦0.9を満たす数を表し、rが1.8≦r≦2.2を満たす数を表すのが好ましい。
ニッケルコバルトアルミン酸リチウムのLi、Ni、Co、AlおよびOの組成比を一般式LiNiCoAl(1−m−p)で表したときに、kが0.95≦k≦1.10を満たす数を表し、mが0.1≦m≦0.9を満たす数を表し、pが0.1≦p≦0.9を満たす数を表し、m+pがm+p≦1を満たす数を表し、rが1.8≦r≦2.2を満たす数を表すのが好ましい。
ニッケルコバルトマンガン酸リチウムのLi、Ni、Co、MnおよびOの組成比を一般式LiNiCoMn(1−m−p)で表したときに、kが0.95≦k≦1.10を満たす数を表し、mが0.1≦m≦0.9を満たす数を表し、pが0.1≦p≦0.9を満たす数を表し、m+pがm+p≦1を満たす数を表し、rが1.8≦r≦2.2を満たす数を表すのが好ましい。
本発明の正極活物質において、リチウム遷移金属複合酸化物は、その結晶子界面の少なくとも一部にジルコニウムを有する。
結晶子は、単結晶と考えられる最大限の集合を意味する。一般に、結晶粒それ自体は複数の単結晶から構成される。隣接する2つ以上の単結晶の結晶方位が一致する場合には、その2つ以上の単結晶の全体を1つの結晶子と考える。隣接する単結晶の結晶方位が異なる場合には、各単結晶がそれぞれ別の結晶子となる。
結晶子界面の少なくとも一部にジルコニウムを有することは、種々の方法で確認することができる。例えば、SEM像、SIM像、TEM像、STEM像等で確認することができる。リチウム遷移金属複合酸化物の断面をSEM像、SIM像、TEM像、STEM像等で確認してもよい。
本発明の正極活物質において、リチウム遷移金属複合酸化物は、通常、粒子であるが、その形態は特に限定されず、例えば、膜状であってもよい。粒子は、一次粒子であっても、二次粒子であってもよく、これらが混在していてもよい。
ジルコニウムは、その存在形態を特に限定されず、単体や化合物として存在することができる。
ジルコニウム化合物としては、酸化ジルコニウム、ジルコン酸リチウムが好ましい。更に好ましいジルコニウム化合物は、ZrO、LiZrOである。より好ましくは、LiZrOである。
本発明の正極活物質においては、リチウム遷移金属複合酸化物に対し、ジルコニウムが0.01mol%以上であるのが好ましく、0.02mol%以上であるのがより好ましく、0.04mol%以上であるのが更に好ましく、かつ、2mol%以下であるのが好ましく、0.3mol%以下であるのがより好ましく、0.25mol%以下であるのが更に好ましい。ジルコニウムが少なすぎると結晶子界面の一部にジルコニウムを有する割合が少なくなるため本発明の効果が得られにくい。ジルコニウムが多すぎると放電容量が小さくなる。
以下、本発明に好適に用いられるリチウム遷移金属複合酸化物を例示する。
(1)コバルト酸リチウム、ニッケルコバルト酸リチウム、ニッケルコバルトアルミン酸リチウムおよびニッケルコバルトマンガン酸リチウムからなる群から選ばれる少なくとも1種
リチウム遷移金属複合酸化物がコバルト酸リチウムまたはニッケルコバルト酸リチウムの場合、サイクル特性を更に向上させ、優れた負荷特性、低温特性および熱安定性の非水電解質二次電池用正極活物質となる。したがって、この正極活物質を用いた非水電解質二次電池を、携帯電話やノートパソコン等の用途に好適に用いることができる。
リチウム遷移金属複合酸化物がニッケルコバルトアルミン酸リチウムの場合、更に負荷特性、低温特性、出力特性、サイクル特性および熱安定性が向上した非水電解質二次電池用正極活物質になる。したがって、この正極活物質を用いた非水電解質二次電池を電気自動車、携帯電話およびノートパソコン等の用途に好適に用いることができる。
リチウム遷移金属複合酸化物がニッケルコバルトマンガン酸リチウムの場合、更に負荷特性、低温特性、出力特性およびサイクル特性が向上し、より熱安定性が向上した非水電解質二次電池用正極活物質になる。したがって、この正極活物質を用いた非水電解質二次電池を携帯電話、電動工具および電気自動車等の用途に好適に用いることができる。
ニッケルコバルト酸リチウム、ニッケルコバルトアルミン酸リチウムおよびニッケルコバルトマンガン酸リチウムは、コバルト酸リチウムと同様の層状構造の結晶構造を有する。
しかしながら、これらには、従来、コバルト酸リチウムに比べて、ガスが多量に発生し、放電時の電位も低くなるという問題があった。
本発明においては、これらの結晶子界面の少なくとも一部にジルコニウムを存在させるため、原料中の残留リチウムが減少し、充電時のガスの発生を防止することができると考えられる。
また、界面抵抗が減少し、これにより常温下および低温下での負荷時の放電電位が高くなり、負荷時の容量維持率が向上する。即ち、負荷特性および低温特性が向上すると考えられる。
更に、充電時において負極にリチウムが局所的に析出するのを抑えることができると考えられる。このため、充電時にガスが発生することを抑制し、ドライアウトを防止することができるためサイクル特性が向上すると考えられる。
更に、結晶子界面の少なくとも一部にジルコニウムが存在することにより、酸素の脱離が抑制され熱安定性が向上すると考えられる。
したがって、リチウム遷移金属複合酸化物が、その結晶子界面の少なくとも一部にジルコニウムを有する、ニッケルコバルト酸リチウム、ニッケルコバルトアルミン酸リチウムおよびニッケルコバルトマンガン酸リチウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である、態様は有用である。
(2)コバルトと同一でない遷移金属、周期表の2族、13族および14族の元素、ハロゲン元素ならびに硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む、コバルト酸リチウム
これらの元素を含むことで、負荷特性、低温特性、サイクル特性および熱安定性が更に向上する。
中でも、コバルト酸リチウムが、一般式LiCoO(式中、xは0.95≦x≦1.10を満たす数を表し、yは1.8≦y≦2.2を満たす数を表す。)で表されるのが好ましい。
好適な具体例として、一般式がLiCo1−b(式中、Mはコバルトと同一でない遷移金属ならびに周期表の2族、13族および14族の元素からなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、Xはハロゲン元素から選ばれる少なくとも1種を表し、aは0.95≦a≦1.10を満たす数を表し、bは0<b≦0.10を満たす数を表し、cは1.8≦c≦2.2を満たす数を表し、dは0≦d≦0.10を満たす数を表し、eは0≦e≦0.015を満たす数を表す。)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物が挙げられる。
(3)ニッケルおよびコバルトと同一でない遷移金属、周期表の2族、13族および14族の元素、ハロゲン元素ならびに硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む、ニッケルコバルト酸リチウム;ニッケルおよびコバルトと同一でない遷移金属、周期表の2族、アルミニウムと同一でない13族および14族の元素、ハロゲン元素ならびに硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む、ニッケルコバルトアルミン酸リチウム;または、ニッケル、コバルトおよびマンガンと同一でない遷移金属、周期表の2族、13族および14族の元素、ハロゲン元素ならびに硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム
これらの元素を含むことで、負荷特性、低温特性、出力特性、サイクル特性および熱安定性の更なる向上を実現することができる。したがって、この正極活物質を用いた非水電解質二次電池を電動工具、電気自動車、携帯電話、ノートパソコン等の用途に好適に用いることができる。
中でも、CoおよびNiと同一でない遷移金属(下記式においてZがMnの場合はCo、NiおよびMnと同一でない遷移金属)、周期表の2族、13族(下記式においてZがAlの場合はAlと同一でない13族の元素)および14族の元素、ハロゲン元素ならびにSからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む、一般式がLiNiCo(1−m−p)(式中、ZはAlまたはMnを表し、kは0.95≦k≦1.10を満たす数を表し、mは0.1≦m≦0.9を満たす数を表し、pは0.1≦p≦0.9を満たす数を表し、m+pはm+p≦1を満たす数を表し、rは1.8≦r≦2.2を満たす数を表す。)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物が好ましい。
好適な具体例として、一般式がLiNiCo(1−m−p)(式中、ZはAlまたはMnを表し、kは0.95≦k≦1.10を満たす数を表し、mは0.1≦m≦0.9を満たす数を表し、pは0.1≦p≦0.9を満たす数を表し、m+pはm+p≦1を満たす数を表し、rは1.8≦r≦2.2を満たす数を表す。)で表されるリチウム遷移金属複合酸化物が挙げられる。
(4)チタン、アルミニウム、バナジウム、ジルコニウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよび硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む、コバルト酸リチウム
これらの元素が存在することによってピラー効果が生じ、結晶構造が安定することによりサイクル特性が向上すると考えられる。また、表面修飾によりサイクル特性が向上すると考えられる。
より好ましくはチタン、アルミニウム、ジルコニウムおよびマグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むことである。チタン、アルミニウム、ジルコニウムおよびマグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むことにより、更にサイクル特性が向上する。またマグネシウムを含むことによりこれらの効果に加えて、更に熱安定性が向上する。
態様(4)においては、硫黄の存在により電子の通りやすさが向上するため、更に、サイクル特性および負荷特性が向上すると考えられる。
硫黄の含有量は、リチウム遷移金属複合酸化物と硫黄の合計に対して、0.03〜0.7重量%であるのが好ましい。0.03重量%より少ないと、電子の移動抵抗が低減しにくい場合がある。0.7重量%より多いと、水分吸着によりガス発生が生じる場合がある。
態様(4)においては、硫黄はどのような形で存在していてもよい。例えば、硫酸根の形で存在していてもよい。
硫酸根は、硫酸イオン、硫酸イオンからその電子を除いた原子の集団およびスルホ基を含む。アルカリ金属の硫酸塩、アルカリ土類金属の硫酸塩、有機硫酸塩ならびに有機スルホン酸およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種に基づくのが好ましい。
中でも、アルカリ金属の硫酸塩およびアルカリ土類金属の硫酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種に基づくのが好ましく、アルカリ金属の硫酸塩に基づくのがより好ましい。これらは、強酸強塩基の結合からなるため、化学的に安定だからである。
態様(4)においては、硫酸根はリチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面に存在していることが好ましい。粒子の表面に硫酸根を有することにより、硫酸根が電子を通りやすくすると考えられる。そのため、さらに負荷特性が向上する。
硫酸根がリチウム遷移金属複合酸化物の粒子表面の全体を被覆している場合であっても、硫酸根がリチウム遷移金属複合酸化物の粒子表面の一部を被覆している場合であっても、さらに負荷特性が向上する。
態様(4)においては、コバルト酸リチウムのLi、CoおよびOの組成比を一般式LiCoOで表したときに、xが0.95≦x≦1.10を満たす数を表し、yが1.8≦y≦2.2を満たす数を表すのが好ましい。
(5)リチウム遷移金属複合酸化物が、一般式LiCo1−b(MはTi、Al、V、Zr、Mg、CaおよびSrからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を表し、Xはハロゲン元素から選ばれる少なくとも1種を表し、aは0.95≦a≦1.10を満たす数を表し、bは0≦b≦0.10を満たす数を表し、cは1.8≦c≦2.2を満たす数を表し、dは0≦d≦0.10を満たす数を表し、eは0≦e≦0.015を満たす数を表す。)で表される態様。
態様(4)と同様の理由により好ましい。
(5)チタン、アルミニウム、バナジウム、ジルコニウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよび硫黄からなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含む、ニッケルコバルト酸リチウム、ニッケルコバルトアルミン酸リチウムおよびニッケルコバルトマンガン酸リチウムからなる群から選ばれる少なくとも1種
これらの元素が存在することによってピラー効果が生じ、結晶構造が安定することによりサイクル特性が向上すると考えられる。また表面修飾によりサイクル特性が向上すると考えられる。
より好ましくはチタン、アルミニウム、ジルコニウムおよびマグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むことである。チタン、アルミニウム、ジルコニウムおよびマグネシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むことにより、更にサイクル特性が向上する。またマグネシウムを含むことによりこれらの効果に加えて、更に熱安定性が向上する。
態様(5)においては、硫黄の存在により電子の通りやすさが向上するため、更に、サイクル特性および負荷特性が向上すると考えられる。
硫黄の含有量は、リチウム遷移金属複合酸化物と硫黄の合計に対して、0.03〜0.7重量%であるのが好ましい。0.03重量%より少ないと、電子の移動抵抗が低減しにくい場合がある。0.7重量%より多いと、水分吸着によりガス発生が生じる場合がある。
態様(5)においては、硫黄はどのような形で存在していてもよい。例えば、硫酸根の形で存在していてもよい。
硫酸根は、硫酸イオン、硫酸イオンからその電子を除いた原子の集団およびスルホ基を含む。アルカリ金属の硫酸塩、アルカリ土類金属の硫酸塩、有機硫酸塩ならびに有機スルホン酸およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種に基づくのが好ましい。
中でも、アルカリ金属の硫酸塩およびアルカリ土類金属の硫酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種に基づくのが好ましく、アルカリ金属の硫酸塩に基づくのがより好ましい。これらは、強酸強塩基の結合からなるため、化学的に安定だからである。
態様(5)においては、硫酸根はリチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面に存在していることが好ましい。粒子の表面に硫酸根を有することにより、硫酸根が電子を通りやすくすると考えられる。そのため、さらに負荷特性が向上する。
硫酸根がリチウム遷移金属複合酸化物の粒子表面の全体を被覆している場合であっても、硫酸根がリチウム遷移金属複合酸化物の粒子表面の一部を被覆している場合であっても、さらに負荷特性が向上する。
態様(5)においては、ニッケルコバルト酸リチウムのLi、Ni、CoおよびOの組成比を一般式LiNiCoで表したときに、kが0.95≦k≦1.10を満たす数を表し、mが0.1≦m≦0.9を満たす数を表し、pが0.1≦p≦0.9を満たす数を表し、rが1.8≦r≦2.2を満たす数を表すのが好ましい。
態様(5)においては、ニッケルコバルトアルミン酸リチウムのLi、Ni、Co、AlおよびOの組成比を一般式LiNiCoAl(1−m−p)で表したときに、kが0.95≦k≦1.10を満たす数を表し、mが0.1≦m≦0.9を満たす数を表し、pが0.1≦p≦0.9を満たす数を表し、m+pがm+p≦1を満たす数を表し、rが1.8≦r≦2.2を満たす数を表すのが好ましい。
態様(5)においては、ニッケルコバルトマンガン酸リチウムのLi、Ni、Co、MnおよびOの組成比を一般式LiNiCoMn(1−m−p)で表したときに、kが0.95≦k≦1.10を満たす数を表し、mが0.1≦m≦0.9を満たす数を表し、pが0.1≦p≦0.9を満たす数を表し、m+pがm+p≦1を満たす数を表し、rが1.8≦r≦2.2を満たす数を表すのが好ましい。
本発明の正極活物質において、リチウム遷移金属複合酸化物は、ニッケルコバルト酸リチウムとニッケルコバルトアルミン酸リチウムの混合物であっても、ニッケルコバルト酸リチウムとニッケルコバルトマンガン酸リチウムの混合物であっても、ニッケルコバルトアルミン酸リチウムとニッケルコバルトマンガン酸リチウムの混合物であってもよい。また、これらとコバルト酸リチウムとの混合物であってもよい。
本発明の正極活物質においては、リチウム遷移金属複合酸化物の体積基準の粒子径が50μm以上の粒子の割合は、全粒子の10体積%以下であることが好ましい。この範囲内の正極活物質であることで、高充電電位のサイクル特性および熱安定性の向上を損なうことなく、塗布特性、スラリー性状を向上することができる。
リチウム遷移金属複合酸化物の比表面積は、0.2〜3m/gであるのが好ましい。
比表面積が小さすぎると、正極活物質の粒径が大きくなりすぎて、電池特性が低下する。比表面積が大きすぎると、正極活物質表面またはその近傍で起こる電解液の酸化分解反応が増し、発生するガス量が増える。上記範囲であると、低温特性、出力特性および熱安定性の向上を損なうことなく、ガス発生を低減でき、より優れたサイクル特性および負荷特性が得られる。
比表面積は、窒素ガス吸着法により測定することができる。
リチウム遷移金属複合酸化物は、体積基準の粒子径が50μm以上の粒子の割合が、全粒子の10体積%以下であるのが好ましい。上記範囲であると、負荷特性、低温特性、出力特性および熱安定性の向上を損なうことなく、塗布特性およびスラリー性状を向上させることができる。
本発明においては、リチウム遷移金属複合酸化物の表面の少なくとも一部をAlおよび/またはLiTiOの粉末からなる被覆層が被覆しているのが、好ましい態様の一つである。
被覆層がAlの粉末からなると、電気二重層中の移動速度を多少低下することができ、結晶格子中のリチウムイオンの移動速度とバランスを保つことができると考えられる。したがって、電圧降下を改善することができる。
また、被覆層がLiTiOの粉末からなると、充放電時にリチウムイオンの授受を行う際、特異な現象が起きているため、更に負荷特性を向上させることができる。LiTiOは空間群Fm3mに属するのが好ましい。
<非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法>
本発明の正極活物質の製造方法は特に限定されないが、例えば、以下の(1)および(2)さらには(3)のようにして製造することができる。
(1)原料混合物の作製
後述する化合物を各構成元素が所定の組成比となるように混合して、原料混合物を得る。原料混合物に用いられる化合物は、目的とする組成を構成する元素に応じて選択される。
混合の方法は、特に限定されず、例えば、水および/または有機溶媒を用いてスラリー状として混合した後、乾燥させて原料混合物とする方法;上述した化合物の水溶液を混合して沈殿させ、得られた沈殿物を乾燥させて原料混合物とする方法;これらを併用する方法が挙げられる。
以下に、原料混合物に用いられる化合物を例示する。
リチウム化合物は、特に限定されないが、例えば、LiCO、LiOH、LiOH・HO、LiO、LiCl、LiNO、LiSO、LiHCO、Li(CHCOO)、フッ化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、過酸化リチウムが挙げられる。中でも、LiCO、LiOH、LiOH・HO、LiO、LiCl、LiNO、LiSO、LiHCO、Li(CHCOO)が好ましい。
コバルト化合物は、特に限定されないが、例えば、酸化コバルト、水酸化コバルト、炭酸コバルト、塩化コバルト、ヨウ化コバルト、硫酸コバルト、臭素酸コバルト、硝酸コバルトが挙げられる。中でも、CoSO・7HO、Co(NO・6HOが好ましい。
ニッケル化合物は、特に限定されないが、例えば、酸化ニッケル、水酸化ニッケル、炭酸ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、ギ酸ニッケルが挙げられる。中でも、NiSO・6HO、Ni(NO・6HOが好ましい。
アルミニウム化合物は、特に限定されないが、例えば、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、炭酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウムが挙げられる。中でも、Al(SO、Al(NO、Al、Al(OH)が好ましい。
マンガン化合物は、特に限定されないが、例えば、酸化マンガン、水酸化マンガン、炭酸マンガン、塩化マンガン、ヨウ化マンガン、硫酸マンガン、硝酸マンガンが挙げられる。中でも、MnSO、MnClが好ましい。
バナジウム化合物は、特に限定されないが、例えば、酸化バナジウム、水酸化バナジウム、塩化バナジウム、硫酸バナジウムが挙げられる。中でも、V、VClが好ましい。
ストロンチウム化合物は、特に限定されないが、例えば、酸化ストロンチウム、水酸化ストロンチウム、塩化ストロンチウム、硫酸ストロンチウムが挙げられる。中でも、SrO、Sr(OH)が好ましい。
カルシウム化合物は、特に限定されないが、例えば、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウムが挙げられる。中でも、CaO、CaCOが好ましい。
硫黄含有化合物は、特に限定されないが、例えば、硫化物、ヨウ化硫黄、硫化水素、硫酸とその塩、硫化窒素が挙げられる。中でも、LiSO、MnSO、(NHSO、Al(SO、MgSOが好ましい。
ハロゲン元素を含む化合物は、特に限定されないが、例えば、フッ化水素、フッ化酸素、フッ化水素酸、塩化水素、塩酸、酸化塩素、フッ化酸化塩素、酸化臭素、フルオロ硫酸臭素、ヨウ化水素、酸化ヨウ素、過ヨウ素酸が挙げられる。中でも、NHF、NHCl、NHBr、NHI、LiF、LiCl、LiBr、LiI、MnF、MnCl、MnBr、MnIが好ましい。
マグネシウム化合物は、特に限定されないが、例えば、MgO、MgCO、Mg(OH)、MgCl、MgSO、Mg(NO、Mg(CHCOO)、ヨウ化マグネシウム、過塩素酸マグネシウムが挙げられる。中でも、MgSO、Mg(NOが好ましい。
チタン化合物は、特に限定されない。例えばフッ化チタン、塩化チタン、臭化チタン、ヨウ化チタン、酸化チタン、硫化チタン、硫酸チタン等が挙げられる。中でもTiO、TiO、Ti、TiCl、Ti(SOが好ましい。
ジルコニウム化合物は、特に限定されない。例えば、フッ化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、臭化ジルコニウム、ヨウ化ジルコニウム、酸化ジルコニウム、硫化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム等が挙げられる。中でもZrF、ZrCl、ZrCl、ZrBr、ZrI、ZrO、ZrO、ZrS、Zr(OH)等が好ましい。
また、上述した各元素の2種以上を含有する化合物を用いてもよい。
以下に、原料混合物を得る好適な方法を、具体的に説明する。
(i)上述したコバルト化合物、ジルコニウム化合物およびマグネシウム化合物から調製した。所定の組成比のコバルトイオン、ジルコニウムイオンおよびマグネシウムイオンを含有する水溶液を、攪拌している純水中に滴下する。 ついで、pH7〜11となるように水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、40〜80℃、回転数500〜1500rpmで攪拌し反応させる。所定の組成比のコバルトイオン、ジルコニウムイオンおよびマグネシウムイオンを含有する水溶液の滴下を終了させた後、水酸化ナトリウム水溶液のみをpH9〜10になるまで滴下しつづけ、コバルト、ジルコニウムおよびマグネシウムの沈殿物を得る。なお、水酸化ナトリウム水溶液の代わりに、炭酸水素アンモニウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液等のアルカリ溶液を用いることもできる。
つぎに、水溶液をろ過して沈殿物を採取し、採取した沈殿物を水洗し、熱処理した後、上述したリチウム化合物と混合して、原料混合物を得る。
(ii)上述したコバルト化合物、ニッケル化合物、マンガン化合物、ジルコニウム化合物から調製した。所定の組成比のコバルトイオン、ニッケルイオン、マンガンイオンおよびジルコニウムイオンを含有する水溶液を、攪拌している純水中に滴下する。 ここに、pH8〜11となるように水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、40〜80℃、回転数500〜1500rpmで攪拌し反応させる。所定の組成比のコバルトイオン、ニッケルイオン、マンガンイオンおよびジルコニウムイオンを含有する水溶液の滴下を終了させた後、水酸化ナトリウム水溶液のみをpH9〜10になるまで滴下しつづけ、コバルト、ニッケル、マンガンおよびジルコニウムの沈殿物を得る。なお、水酸化ナトリウム水溶液の代わりに、炭酸水素アンモニウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液等のアルカリ溶液を用いることもできる。
つぎに、水溶液をろ過して沈殿物を採取し、採取した沈殿物を水洗し、熱処理した後、上述したリチウム化合物と混合して、原料混合物を得る。
(iii)上述したコバルト化合物、ニッケル化合物、アルミニウム化合物、ジルコニウム化合物から調製した。所定の組成比のコバルトイオン、ニッケルイオン、アルミニウムイオンおよびジルコニウムイオンを含有する水溶液を、攪拌している純水中に滴下する。ここに、pH8〜11となるように水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、40〜80℃、回転数500〜1500rpmで攪拌し反応させる。所定の組成比のコバルトイオン、ニッケルイオン、アルミニウムイオンおよびジルコニウムイオンを含有する水溶液の滴下後、水酸化ナトリウム水溶液のみをpH9〜10になるまで滴下しつづけ、コバルト、ニッケル、マンガンおよびジルコニウムの沈殿物を得る。なお、水酸化ナトリウム水溶液の代わりに、炭酸水素アンモニウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液等のアルカリ溶液を用いることもできる。
つぎに、水溶液をろ過して沈殿物を採取し、採取した沈殿物を水洗し、熱処理した後、上述したリチウム化合物と混合して、原料混合物を得る。
(2)原料混合物の焼成および粉砕
ついで、原料混合物を焼成する。焼成の温度、時間、雰囲気等は、特に限定されず、目的に応じて適宜決定することができる。
焼成温度は、700℃以上であるのが好ましく、800℃以上であるのがより好ましく、850℃以上であるのがさらに好ましい。焼成温度が低すぎると、未反応の原料が正極活物質中に残留し、正極活物質の本来の特徴を生かせない場合がある。また、焼成温度は、1200℃以下であるのが好ましく、1150℃以下であるのがより好ましく、1100℃以下であるのがさらに好ましい。焼成温度が高すぎると、副生成物が生成しやすくなり、単位重量当たりの放電容量の低下、サイクル特性の低下、作動電圧の低下を招く。
焼成の時間は、1時間以上であるのが好ましく、6時間以上であるのがより好ましい。上記範囲であると、混合物の粒子間の拡散反応が十分に進行する。
また、焼成の時間は、36時間以下であるのが好ましく、30時間以下であるのがより好ましい。上記範囲であると、合成が十分に進む。
焼成の雰囲気は、例えば、大気、酸素ガス、これらと窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスとの混合ガス、酸素濃度(酸素分圧)を制御した雰囲気、弱酸化雰囲気が挙げられる。
焼成後、所望により、らいかい乳鉢、ボールミル、振動ミル、ピンミル、ジェットミル等を用いて粉砕し、目的とする粒度の粉体とすることもできる。
以上の製造方法を使用することにより、目的とする本発明の正極活物質を得ることができる。
以下、本発明の正極活物質の具体的な製造方法について説明する。
所定の組成比のコバルトイオン、ニッケルイオンおよびジルコニウムイオンを含有する水溶液を、攪拌している純水中に滴下する。ここに、pH=9となるように水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、80℃、回転数650rpmでコバルトおよびニッケルを沈殿させ、コバルトおよびニッケルの沈殿物を得る。得られる沈殿物をろ過、水洗後、熱処理したのち、酸化アルミニウムおよび水酸化リチウム一水和物と混合し、大気雰囲気中にて約750℃で約10時間焼成する。これを粉砕して正極活物質を得る。
得られる正極活物質の組成比は、Li:Ni:Co:Al:Zr=1.04:0.7:0.2:0.1:0.01である。
断面STEM像で確認したところ、結晶子界面の一部にジルコニウムを有していることが分かる。
所定の組成比のコバルトイオン、ニッケルイオン、マンガンイオンおよびジルコニウムイオンを含有する水溶液を、攪拌している純水中に滴下する。ここに、pH=9となるように水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、コバルト、ニッケル、マンガンおよびジルコニウムを沈殿させ、コバルト、ニッケル、マンガンおよびジルコニウムの沈殿物を得る。得られる沈殿物をろ過、水洗後、熱処理したのち、炭酸リチウムを混合し、大気雰囲気中にて約950℃で約10時間焼成する。これを粉砕して、正極活物質を得る。
得られる正極活物質の組成比は、Li:Ni:Co:Mn:Zr=1.04:0.33:0.33:0.33:0.01である。
断面STEM像で確認したところ、結晶子界面の一部にジルコニウムを有していることが分かる。
<正極合剤>
つぎに、本発明の正極合剤について説明する。
本発明の正極合剤は、少なくとも層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物を有する正極活物質と導電剤を有する。
本発明の正極合剤に用いられる正極活物質は、上述した本発明の正極活物質である。
本発明の正極合剤において、導電剤は、特に限定されないが、例えば、天延黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛、アセチレンブラック等のカーボンブラック、ニードルコースト等の無定形炭素などの炭素材料が挙げられる。
好ましくは、アセチレンブラックおよび/または人造黒鉛である。これらは伝導性に優れるため、さらにサイクル特性および負荷特性が向上する。
本発明の正極合剤において、間とは、リチウム遷移金属複合酸化物と接触する導電剤との間をいう。
本発明において、正極合剤は、正極活物質、導電剤、結着剤および結着剤の溶媒からなるペースト状のものだけでなく、正極集電体に塗布した後、乾燥させて結着剤の溶媒をとばした後の状態も含む。
本発明の正極合剤は、上述した本発明の正極活物質を用いることにより、それぞれの正極活物質の効果を損なうことなく、集電体への塗布特性が向上する。これにより、電池特性が向上し、さらに塗布特性の向上した正極合剤となる。
本発明の正極合剤は、製造方法を特に限定されないが、例えば、以下のようにして製造することができる。
(1)正極活物質の作製
上述した本発明の正極活物質の製造方法により、正極活物質を得ることができる。
(2)正極合剤の調整
得られた正極活物質の粉末に、アセチレンブラック、黒鉛等のカーボン系導電剤、結着剤および結着剤の溶媒または分散媒とを混合することにより正極合剤を調製する。
本発明の正極活物質および正極合剤は、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池等の非水電解質二次電池に好適に用いられる。
<非水電解質二次電池>
本発明の非水電解質二次電池は、上述した本発明の正極活物質を用いた非水電解質二次電池である。本発明の正極活物質は、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池等の非水電解質二次電池に好適に用いられる。
非水電解質二次電池は、従来公知の非水電解質二次電池において、正極活物質の少なくとも一部として本発明の正極活物質を用いればよく、他の構成は特に限定されない。例えば、リチウムイオン二次電池には電解液が用いられ、リチウムイオンポリマー二次電池には固体電解質(ポリマー電解質)が用いられる。リチウムイオンポリマー二次電池に用いられる固体電解質としては、後述する固体電解質が挙げられる。
以下、リチウムイオン二次電池を例に挙げて説明する。
負極活物質としては、金属リチウム、リチウム合金、リチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素材料またはリチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物を使用することができる。リチウム合金としては、例えば、LiAl合金,LiSn合金,LiPb合金が挙げられる。リチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素材料としては、例えば、グラファイト,黒鉛等の炭素材料が挙げられる。リチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物としては、例えば、酸化スズ、酸化チタン等の酸化物が挙げられる。
電解液としては、作動電圧で変質したり、分解したりしない化合物であれば特に限定されない。電解質には、電解液も含まれる。
電解液に用いられる溶媒としては、例えば、ジメトキシエタン,ジエトキシエタン,エチレンカーボネート,プロピレンカーボネート,ジメチルカーボネート,ジエチルカーボネート,エチルメチルカーボネート,メチルホルメート,γ−ブチロラクトン,2−メチルテトラヒドロフラン,ジメチルスルホキシド,スルホラン等の有機溶媒が挙げられる。これらは単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。
電解液に用いられる電解質としては、例えば、過塩素酸リチウム,四フッ化ホウ酸リチウム,六フッ化リン酸リチウム,トリフルオロメタン酸リチウム等のリチウム塩が挙げられる。
上述した溶媒と電解質とを混合して電解液とする。ここで、ゲル化剤等を添加し、ゲル状として使用してもよい。また、吸湿性ポリマーに吸収させて使用してもよい。
更に、無機系または有機系のリチウムイオンの導電性を有する固体電解質を使用してもよい。
セパレーターとしては、例えば、ポリエチレン製、ポリプロピレン製等の多孔性膜等が挙げられる。
結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミドアクリル樹脂等が挙げられる。
本発明の正極活物質と、上述した負極活物質、電解質、セパレーターおよび結
着剤を用いて、定法に従い、本発明の非水電解質二次電池を得ることができる。
正極活物質として、本発明の正極活物質とともにマンガン酸リチウムを用いることにより、サイクル特性、負荷特性および熱安定性が向上するだけでなく、過充電特性および安全性にも優れた非水電解質二次電池を得ることができる。
一般式LiMn3−a4+f(aは0.8≦a≦1.2を満たす数を表し、fは−0.5≦f≦0.5を満たす数を表す。)で表されるマンガン酸リチウムが好ましい。前記マンガン酸リチウムは、その一部がマグネシウム、アルミニウム、カルシウム、バナジウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ストロンチウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ホウ素およびスズからなる群から選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい。
本発明の正極活物質とともに用いるマンガン酸リチウムは、少なくともスピネル構造のリチウム遷移金属複合酸化物を有する非水電解質二次電池用正極活物質である。このリチウム遷移金属複合酸化物の好適な態様として、以下の(i)〜(vii)が挙げられる。
(i)一般式Li1+aMgTiMn2−a−b−c4+e(aは−0.2≦a≦0.2を満たす数を表し、bは0.005≦b≦0.10を満たす数を表し、cは0.005≦c≦0.05を満たす数を表し、dは0.002≦d≦0.02を満たす数を表し、eは−0.5≦e≦0.5を満たす数を表す。)で表される態様。
態様(i)は、サイクル特性、高温サイクル特性および負荷特性に優れる。
態様(i)において、aは、0より大きいのが好ましい。リチウムでマンガンの一部を置換することにより、サイクル特性が向上すると考えられる。
態様(i)において、bは、0.01以上であるのが好ましく、0.02以上であるのがより好ましく、また、0.08以下であるのが好ましく、0.07以下であるのがより好ましい。bが大きすぎると、+3価のマンガンイオンが減少するため充放電容量は低下する。bが小さすぎると、遷移金属のイオンの溶出が増大し、ガス発生を引き起こすため、高温特性が劣化する。
態様(i)において、cは、0.01以上であるのが好ましく、0.02以上であるのがより好ましく、また、0.08以下であるのが好ましく、0.07以下であるのがより好ましい。cが大きすぎると、充放電効率が低下する。cが小さすぎると、十分な負荷特性、サイクル特性が得られない。
態様(i)において、dは、0.003以上であるのが好ましく、また、0.008以下であるのが好ましい。dが大きすぎると、初期容量が低下する。また、遷移金属のイオンの溶出が増大し、ガス発生を引き起こすため、高温特性が劣化する。dが小さすぎると、一次粒子径が成長しないため、粒子の充填性が向上しない。
(ii)リチウム遷移金属複合酸化物が、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を有するリチウムマンガン複合酸化物である態様。
チタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を有することで、リチウムマンガン複合酸化物粒子の単位格子の格子定数は上昇し、粒子内のリチウムイオンの易動度は上昇しインピーダンスを低減することができると考えられる。このためサイクル特性および高温サイクル特性の向上を損なわずに、出力特性が向上すると考えられる。
(iii)リチウム遷移金属複合酸化物が、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種と、硫黄とを有するリチウムマンガン複合酸化物である態様。
態様(iii)においては、硫黄の存在により電子の通りやすさが向上するため、さらに、サイクル特性および負荷特性が向上すると考えられる。
硫黄の含有量は、リチウム遷移金属複合酸化物と硫黄の合計に対して、0.03〜0.3重量%であるのが好ましい。0.03重量%より少ないと、電子の移動抵抗が低減しにくい場合がある。0.3重量%より多いと、水分吸着により電池の膨れが生じる場合がある。
硫黄はどのような形で存在してもよい。例えば、硫酸根の形で存在していてもよい。
硫酸根は、硫酸イオン、硫酸イオンからその電荷を除いた原子の集団およびスルホ基を含む。アルカリ金属の硫酸塩、アルカリ土類金属の硫酸塩、有機硫酸塩ならびに有機スルホン酸およびその塩からなる群から選ばれる少なくとも1種に基づくのが好ましい。
中でも、アルカリ金属の硫酸塩およびアルカリ土類金属の硫酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種に基づくのが好ましく、アルカリ金属の硫酸塩に基づくのがより好ましい。これらは、強酸強塩基の結合からなるため、化学的に安定だからである。
態様(iii)において、硫黄以外の元素を含有する理由は、態様(ii)と同様である。
態様(iii)においては、上記各元素を含有することで、各元素の相乗効果により、高い充放電容量を有し、かつ、結着性および表面の平滑性に優れる正極板を得ることができる。
リチウム遷移金属複合酸化物は、少なくとも粒子の表面に硫酸根を有していてもよい。
硫酸根がリチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面に存在することにより、粒子の周りの電子の移動抵抗が極めて小さくなり、その結果、電子の通りやすさが向上し、サイクル特性および負荷特性が向上すると考えられる。
また、本発明の正極活物質を用いて高電圧電池(例えば、リチウム遷移金属複合酸化物としてLiMn1.5Ni0.5を用いた電池)とした場合、従来の高電圧電池において問題であった充電時における電解質の分解が抑制され、その結果、サイクル特性が向上する。電解質の分解反応は、リチウム遷移金属複合酸化物の粒子と電解質との界面において、リチウム遷移金属複合酸化物が触媒として起こると考えられているが、電解質を分解させる働きのない硫酸根でリチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面の全部または一部が被覆されることにより、電解質と触媒との接触面積が減り、上記反応が抑制されると考えられる。
本発明において、硫酸根はリチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面にどのような形で存在していても本発明の効果を発揮する。例えば、硫酸根がリチウム遷移金属複合酸化物の粒子表面の全体を被覆している場合であっても、硫酸根がリチウム遷移金属複合酸化物の粒子表面の一部を被覆している場合であっても、サイクル特性および負荷特性が向上する。
また、硫酸根は、少なくとも粒子の表面に存在していればよい。したがって、硫酸根の一部が粒子の内部に存在していてもよい。
硫酸根がリチウム遷移金属複合酸化物の粒子の表面に存在しているかどうかは、種々の方法によって解析することができる。例えば、オージェ電子分光法、X線光電子分光法で解析することができる。
また、硫酸根の定量としては、種々の方法を用いることができる。例えば、ICP発光分光分析法、滴定法で定量することができる。
(iv)リチウム遷移金属複合酸化物が、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群から選ばれる少なくとも1種と、硫黄と、ナトリウムおよび/またはカルシウムとを有するリチウムマンガン複合酸化物である態様。
態様(iv)においては、ナトリウムおよび/またはカルシウムを含有することにより、ホウ素(好ましくは、ホウ素と硫黄)との相乗効果により、マンガンイオンの溶出をさらに抑制することができ、実用レベルの優れたサイクル特性を実現することができる。
態様(iv)において、ナトリウムおよび/またはカルシウム以外の元素を含有する理由は、態様(ii)および(iii)と同様である。
(v)リチウム遷移金属複合酸化物が、アルミニウムおよび/またはマグネシウムとを有するリチウムマンガン複合酸化物である態様。
アルミニウムおよび/またはマグネシウムを含有すると、結晶構造が安定化するため、保存特性、負荷特性および出力特性を損なわずに、サイクル特性が優れたものになり、かつ、電池の膨れをさらに抑制することができる。
(vi)リチウム遷移金属複合酸化物が、アルミニウムおよび/またはマグネシウムと、ホウ素とを有するリチウムマンガン複合酸化物である態様。
ホウ素はフラックスとして作用し、結晶成長を促進させ、さらに、サイクル特性および保存特性を向上させる。
(vii)リチウム遷移金属複合酸化物が、一般式Li1+aMn2−a−b4+d(Mはアルミニウムおよび/またはマグネシウムを表し、aは−0.2≦a≦0.2を満たす数を表し、bは0≦b≦0.2を満たす数を表し、cは0≦c≦0.02を満たす数を表し、dは−0.5≦d≦0.5を満たす数を表す。)で表される態様。
態様(vii)は、サイクル特性、負荷特性、保存特性および充放電容量に優れ、かつ、電池の膨れが少ない。
態様(vii)において、aは、0より大きいのが好ましい。リチウムでマンガンの一部を置換することにより、サイクル特性が向上すると考えられる。
態様(vii)において、bは、0より大きいのが好ましく、0.05以上であるのがより好ましい。アルミニウムおよび/またはマグネシウムを含有すると、結晶構造が安定化するため、保存特性、負荷特性および出力特性を損なわずに、サイクル特性が優れたものになり、かつ、電池の膨れを更に抑制することができる。bは0.15以下であるのが好ましい。bが大きすぎると、放電容量が低下する。
態様(vii)において、cは、0より大きいのが好ましく、0.001以上であるのがより好ましい。ホウ素はフラックスとして作用し、結晶成長を促進させ、さらに、サイクル特性および保存特性を向上させる。cは0.01以下であるのが好ましい。cが大きすぎると、サイクル特性が低下する。
本発明の正極活物質とともに用いるマンガン酸リチウムは、製造方法は特に限定されないが、例えば、次のようにして製造することができる。
化合物を各構成元素が所定の組成比となるように混合して、原料混合物を得る。原料混合物に用いられる化合物は、目的とする組成を構成する元素に応じて選択される。
混合の方法は、特に限定されず、例えば、粉末状の化合物をそのまま混合して原料混合物とする方法;水および/または有機溶媒を用いてスラリー状として混合した後、乾燥させて原料混合物とする方法;上述した化合物の水溶液を混合して沈降させ、得られた沈殿物を乾燥させて原料混合物とする方法;これらを併用する方法が挙げられる。
ついで、原料混合物を焼成し、マンガン酸リチウムが得られる。焼成の温度、時間、雰囲気等は、特に限定されず、目的に応じて適宜決定することができる。
焼成後、所望により、らいかい乳鉢、ボールミル、振動ミル、ピンミル、ジェットミル等を用いて粉砕し、目的とする粒度の粉体とすることもできる。
本発明の正極活物質を用いて正極を製造する好ましい方法を以下に説明する。
本発明の正極活物質の粉末に、アセチレンブラック、黒鉛等のカーボン系導電剤、結着剤および結着剤の溶媒または分散媒とを混合することにより正極合剤を調製する。得られた正極合剤をスラリーまたは混練物とし、アルミニウム箔等の帯状の集電体に塗布し、または担持させ、プレス圧延して正極活物質層を帯状集電体に形成させる。
図2は、正極の模式的な断面図である。図2に示されているように、正極13は、正極活物質5を結着剤4により帯状集電体12上に保持させてなる。
本発明の正極活物質は、導電剤粉末との混合性に優れ、電池の内部抵抗が小さいと考えられる。したがって、充放電特性、特に放電容量に優れる。
また、本発明の正極合剤は、結着剤と混練するとき、流動性に優れ、また、結着剤の高分子と絡まりやすく、優れた結着性を有する。
本発明の非水電解質二次電池の好適な態様として、本発明の正極活物質を用いた正極活物質層を、帯状正極集電体の両面に形成させることにより構成した帯状正極と、金属リチウム、リチウム合金、リチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素材料またはリチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物から選択される1種を負極活物質として用いた負極活物質層を、帯状負極集電体の両面に形成させることにより構成した帯状負極と、帯状セパレータとを具備し、前記帯状正極と前記帯状負極との間に前記帯状セパレータが介在している非水電解質二次電池が挙げられる。
本発明の正極活物質を用いた正極活物質層を、帯状正極集電体の両面に形成させ、上記負極活物質を用いた負極活物質層を、帯状負極集電体の両面に形成させることにより、本発明の電池特性を損なわずに、より高い充放電容量を有する非水電解質二次電池を得ることができる。
また、本発明の非水電解質二次電池の別の好適な態様として、正極、負極、セパレータおよび非水電解質を有する非水電解質二次電池であって、下記Iを正極の正極活物質として、下記IIを負極の負極活物質として用いる非水電解質二次電池が挙げられる。この非水電解質二次電池は、負荷特性、低温特性、出力特性および熱安定性だけでなく、過充電特性および安全性にも優れている。
I:一般式がLiMn3−a4+f(aは0.8≦a≦1.2を満たす数を表し、fは−0.5≦f≦0.5を満たす数を表す。)で表されるマンガン酸リチウムと、本発明の正極活物質に用いられるリチウム遷移金属複合酸化物とを、前記マンガン酸リチウムの重量をAとし、前記リチウム遷移金属複合酸化物の重量をBとした場合に0.2≦B/(A+B)≦0.8の範囲になるように混合する非水電解質二次電池用正極活物質。
II:金属リチウム、リチウム合金およびリチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素材料およびリチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種からなる負極活物質。
上記Iの正極活物質においては、0.4≦B/(A+B)≦0.6の範囲になるように混合することが好ましい。0.4≦B/(A+B)≦0.6の範囲であれば、負荷特性、低温特性、出力特性および熱安定性だけでなく、過充電特性および安全性の向上が著しいからである。
なお、上記Iの正極活物質においては、マンガン酸リチウムの一部が、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、バナジウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ストロンチウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ホウ素およびスズからなる群から選ばれる少なくとも1種で置換されていてもよい。
上記IIの負極活物質に用いられるリチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物としては、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属を含むスピネル構造からなる一般式がLiTi4+c(aは0.8≦a≦1.5を満たす数を表し、bは1.5≦b≦2.2を満たす数を表し、cは−0.5≦c≦0.5を満たす数を表す。)で表される非水電解質二次電池用負極活物質が好ましい。このとき負荷特性、低温特性、出力特性および熱安定性だけでなく、サイクル特性が非常に向上した非水電解質二次電池を得ることができる。
本発明の非水電解質二次電池の形状は、特に限定されず、円筒型、コイン型、角型、ラミネート型等とすることができる。
図3は、円筒型電池の模式的な断面図である。図3に示されるように、円筒型電池20においては、集電体12上に正極活物質層を形成させた正極13と、集電体12上に負極活物質層を形成させた負極11とがセパレーター14を介して、繰り返し積層されている。
図4は、コイン型電池の模式的な部分断面図である。図4に示されるように、コイン型電池30においては、集電体12上に正極活物質層を形成させた正極13と、負極11とが、セパレーター14を介して、積層されている。
図5は、角型電池の模式的な斜視図である。図5に示されるように、角型電池40においては、集電体12上に正極活物質層を形成させた正極13と、集電体12上に負極活物質層を形成させた負極11とが、セパレーター14を介して、繰り返し積層されている。
<非水電解質二次電池の用途>
本発明の正極活物質を用いた非水電解質二次電池の用途は特に限定されない。例えばノートパソコン、ペン入力パソコン、ポケットパソコン、ノート型ワープロ、ポケットワープロ、電子ブックプレーヤ、携帯電話、コードレスフォン子機、電子手帳、電卓、液晶テレビ、電気シェーバ、電動工具、電子翻訳機、自動車電話、携帯プリンタ、トランシーバ、ページャ、ハンディターミナル、携帯コピー、音声入力機器、メモリカード、バックアップ電源、テープレコーダ、ラジオ、ヘッドホンステレオ、ハンディクリーナ、ポータブルコンパクトディスク(CD)プレーヤ、ビデオムービ、ナビゲーションシステム等の機器の電源として用いることができる。
また、照明機器、エアコン、テレビ、ステレオ、温水器、冷蔵庫、オーブン電子レンジ、食器洗浄器、洗濯機、乾燥器、ゲーム機器、玩具、ロードコンディショナ、医療機器、自動車、電気自動車、ゴルフカート、電動カート、電力貯蔵システム等の電源として用いることができる。
さらに、用途は、民生用に限定されず、軍需用または宇宙用とすることもできる。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限られるものではない。
1.正極活物質の作製
〔実施例1〕
かくはんしている純水中に所定の組成比となるように硫酸コバルト水溶液とオキシ塩化ジルコニウム水溶液を滴下した。オキシ塩化ジルコニウム水溶液は、ジルコニウムがコバルトに対して0.2mol%となるように滴下した。更にpH7〜7.5となるように水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、60℃、回転数650rpmで反応させた。硫酸コバルト水溶液およびオキシ塩化ジルコニウム水溶液の滴下を終了させた後、水酸化ナトリウム水溶液のみをpH9.4〜9.6になるまで滴下しつづけ、コバルトとジルコニウムを沈殿させ、沈殿物を得た。得られた沈殿物をろ過、水洗後、熱処理したのち、炭酸リチウムと混合し、大気中にて995℃で7時間焼成した。このようにして正極活物質を得た。
〔実施例2〕
かくはんしている純水中に所定の組成比となるように硫酸コバルト水溶液とオキシ塩化ジルコニウム水溶液を滴下した。オキシ塩化ジルコニウム水溶液は、ジルコニウムがコバルトに対して0.04mol%となるように滴下した。更にpH7〜7.5となるように水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、60℃、回転数650rpmで反応させた。硫酸コバルト水溶液およびオキシ塩化ジルコニウム水溶液の滴下を終了させた後、水酸化ナトリウム水溶液のみをpH9.4〜9.6になるまで滴下しつづけ、コバルトとジルコニウムを沈殿させ、沈殿物を得た。得られた沈殿物をろ過、水洗後、熱処理したのち、炭酸リチウムと混合し、大気中にて995℃で7時間焼成した。このようにして正極活物質を得た。
〔比較例1〕
原料となる化合物として炭酸リチウム(LiCO)、四三酸化コバルト(Co)、酸化ジルコニウム(ZrO)を使用した。所定の組成比となるように前記原料となる化合物を秤量し、乾式混合して原料混合粉末とした。得られた原料混合粉末を大気雰囲気中にて995℃で7時間焼成した。このようにして正極活物質を得た。
〔比較例2〕
かくはんしている純水中に所定の組成比となるように硫酸コバルト水溶液を滴下した。ここでpH7となるように水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、60℃、回転数650rpmでコバルトを沈殿させ、沈殿物を得た。得られた沈殿物をろ過、水洗後、熱処理したのち、炭酸リチウムと混合し、大気中にて1045℃で7時間焼成した。このようにして正極活物質を得た。
2.正極活物質の性状
(1)正極活物質の構成
実施例1および2、比較例1および2で得られた正極活物質について、ICP分光分析法を行った。
実施例1で得られた正極活物質は、0.2mol%のジルコニウムが存在するLiCoOであった。
実施例1得られた正極活物質の数ある粒子の中から、平均粒子径のリチウム遷移金属複合酸化物を選択し、選択したリチウム遷移金属複合酸化物の粒子断面図が最大径となる部分までFIBにて加工する方法により断面出しを行った。この粒子断面像をSTEM像で表したところ、結晶子界面の一部にジルコニウムを有していることが分かった。この粒子断面STEM像を図6に示す。
実施例2で得られた正極活物質は、0.04mol%のジルコニウムが存在するLiCoOであった。
実施例2で得られた正極活物質について、実施例1で得られた正極活物質と同様に断面出しを行った。この粒子断面像をSTEM像で表したところ、結晶子界面の一部にジルコニウムを有していることが分かった。
比較例1で得られた正極活物質は、0.2mol%のジルコニウムが存在するLiCoOであった。
比較例1で得られた正極活物質について、実施例1で得られた正極活物質と同様に断面出しを行った。この粒子断面像をSTEM像で表したところ、結晶子界面にジルコニウムが存在していないことが分かった。この粒子断面図を図7に示す。
比較例2で得られた正極活物質は、LiCoOであった。
(2)正極活物質の比表面積
得られた正極活物質の比表面積は、窒素ガスを用いた定圧式BET吸着法により求めた。
実施例1で得られた正極活物質の比表面積は、0.55m/gであった。比較例1で得られた正極活物質の比表面積は、0.47m/gであった。
3.正極活物質の評価(1)
(1)リチウムイオン二次電池の作製
実施例1および2ならびに比較例1で得られた各正極活物質について、試験用二次電池を作製して、以下のようにして評価した。
正極活物質の粉末90重量部と、導電剤となる炭素粉末5重量部と、ポリフッ化ビニリデンのノルマルメチルピロリドン溶液(ポリフッ化ビニリデン量として5重量部)とを混練してペーストを調製した。得られたペーストを正極集電体に塗布し、負極がリチウム金属である試験用二次電池を作製した。
(2)負荷特性
放電負荷0.2C(なお、1Cは、1時間で放電が終了する電流負荷である。以下、同じ。)、充電電位4.3V、放電電位2.75Vの条件で、初期放電容量を測定した後、放電負荷1C、充電電位4.3V、放電電位2.75Vの条件で、負荷放電容量を測定した。放電負荷1Cのときの、負荷容量維持率(%)を下記の式から求めた。
負荷容量維持率(%)=(1Cの放電容量)/(0.2Cの放電容量)×100
つぎに、放電負荷2C、充電電位4.3V、放電電位2.75Vの条件で、高負荷放電容量を測定した。放電負荷2Cのときの、負荷容量維持率(%)を下記の式から求めた。
負荷容量維持率(%)=(2Cの放電容量)/(0.2Cの放電容量)×100
(3)平均電圧
放電負荷0.2C、充電電位4.3V、放電電圧2.75Vの条件で、初期放電容量と電力量を測定した。平均電圧を下記の式から求めた。
平均電圧(V)=電力量(mWh/g)/容量(mAh/g)
結果を第1表に示す。
Figure 2005285487
第1表から明らかなように、本発明の正極活物質(実施例1および2)は、高電位で、負荷特性および高負荷特性が優れていることが分かる。
これに対して、乾式混合して原料混合粉末を得られた、リチウム遷移金属複合酸化物の結晶子界面にジルコニウムを有さない正極活物質(比較例1)は、電位が低く、負荷特性、高負荷特性に劣っている。
4.正極活物質の評価(2)
(1)ラミネート電池の作製
実施例1および比較例2で得られた各正極活物質について、ラミネート電池を作製して、以下のようにして評価した。
試験用二次電池の場合と同様の方法により、正極板を得た。また、負極活物質として炭素材料を用い、正極板の場合と同様にして負極集電体に塗布し乾燥させて負極板とした。セパレータには多孔性ポリプロピレンフィルムを用いた。電解液には、エチレンカーボネート/メチルエチルカーボネート=3/7(体積比)の混合溶媒にLiPFを1mol/Lの濃度になるように溶解させた溶液を用いた。正極板、負極板およびセパレータを薄いシート状に成形し、これを積層させてラミネートフィルムの電池ケースに収納し、電池ケース内に電解液を注入して、ラミネート電池を作製した。
(2)インピーダンス
測定にはインピーダンス測定装置(SI1287およびSI1260、いずれもSOLARTRON社製)を使用した。
ラミネート電池の正負極に設けたリード線に測定装置のクリップを取り付け、交流インピーダンス法によりSOC60%、0℃の条件で、0.1Hz時の内部インピーダンスを測定した。インピーダンスが小さいほど出力特性に優れると言える。
(3)熱安定性
ラミネート電池を用いて、定電流による充放電を行い、なじませた。その後、CC―CV充電、終止電圧4.2V、充電終止電流0.02mAにて0.2Cレートで充電を行った。充電が完了した後、ラミネート電池から正極を取り出し、ラミネート電池に使用した電解液に含まれる一成分の溶液で洗浄して乾燥させ、正極から正極活物質を削り取った。アルミニウムセルに、電解液に使用するエチレンカーボネートと、正極から削り取った正極活物質を0.40:1.00の重量比で入れ、示差走査熱量を昇温速度5.0℃/minで測定した。
示差走査熱量分析(DSC:Differential Scanning Calorimetry)は、物質および基準物質の温度をプログラムに従って変化させながら、その物質と基準物質に対するエネルギー入力の差を温度の関数として測定する方法である。低温部では温度が上昇しても示差走査熱量は変化しなかったが、ある温度以上では示差走査熱量が大きく増大した。この時の温度を発熱開始温度とした。発熱開始温度が高いほど熱安定性がよい。
(4)サイクル特性
放電負荷1C、充電電位4.2V、放電電位2.75Vの条件で、初期放電容量を測定した後、同様の条件で充放電を繰り返し行い、100サイクル後の放電容量を測定した。容量維持率(%)を下記の式から求めた。
容量維持率(%)=(100サイクル後の放電容量)/(1サイクル後の放電容量)×100
結果を第2表に示す。
Figure 2005285487
第2表から、本発明の正極活物質(実施例1)は、インピーダンスが低減しており、出力特性に優れていることが分かる。また、熱安定性およびサイクル特性に優れていることが分かる。
また、本発明の正極活物質は、低温インピーダンスが小さいため、低温出力特性に優れ、低温負荷特性にも優れている。
層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物を示す模式図である。 正極の模式的な断面図である。 円筒型電池の模式的な断面図である。 コイン型電池の模式的な部分断面図である。 角形電池の模式的な断面斜視図である。 実施例1のリチウム遷移金属複合酸化物の断面STEM像である。 比較例1のリチウム遷移金属複合酸化物の断面STEM像である。
符号の説明
1 3aサイト
2 6cサイト
3 3bサイト
4 結着剤
5 活物質
6 ジルコニウム
11 負極
12 集電体
13 正極
14 セパレーター
20 円筒型電池
30 コイン型電池
40 角型電池

Claims (5)

  1. 層状構造リチウム遷移金属複合酸化物の結晶子界面の少なくとも一部にジルコニウムを有してなる、正極活物質を用いた正極活物質層を帯状正極集電体の少なくとも片面に形成させることにより構成した帯状正極と、
    金属リチウム、
    リチウム合金、
    リチウムイオンを吸蔵放出可能な炭素材料
    またはリチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物
    から選択される1種を負極活物質として用いた負極活物質層を、帯状負極集電体の少なくとも片面に形成させることにより構成した帯状負極と、
    帯状セパレータとを具備し、
    前記帯状正極と前記帯状負極との間に前記帯状セパレータが介在している非水電解質二次電池。
  2. 前記帯状正極と前記帯状負極とを前記帯状セパレータを介して積層した状態で複数回巻回させて、前記帯状正極と前記帯状負極との間に前記帯状セパレータが介在している渦巻型の巻回体を構成してなる請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記帯状正極と前記帯状負極とを前記帯状セパレータを介して積層した状態で積み重ねて、前記帯状正極と前記帯状負極との間に前記帯状セパレータが介在しているスタック体を構成してなる請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  4. 少なくとも層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物を有する非水電解質二次電池用正極活物質であって、
    前記リチウム遷移金属複合酸化物は、その結晶子界面の少なくとも一部にジルコニウムを有する、非水電解質二次電池用正極活物質。
  5. 少なくとも層状構造のリチウム遷移金属複合酸化物を有する正極活物質と導電剤を有する非水電解質二次電池用正極合剤であって、
    前記リチウム遷移金属複合酸化物は、その結晶子界面の少なくとも一部にジルコニウムを有し、
    前記正極活物質と前記導電剤との間にジルコニウムが存在する、非水電解質二次電池用正極合剤。
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