JP2005283786A - マイクロレンズ反射防止膜用硬化性組成物及びこれを用いたマイクロレンズ用反射防止積層体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 屈折率が高く、耐光性に優れた硬化膜が得られるマイクロレンズ反射防止膜用硬化性組成物及びこれを用いたマイクロレンズ用反射防止積層体を提供する。
【解決手段】 (A)ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、スズ、アンチモン及び亜鉛からなる群から選択される一以上の金属元素の酸化物で被覆された酸化チタン粒子100重量部と、
(B)硬化性化合物1〜300重量部と、
(C)硬化触媒0.1〜60重量部とを含有するマイクロレンズ反射防止膜用硬化性組成物。この組成物から得られる硬化膜を含むマイクロレンズ用反射防止積層体は、優れた反射防止性を示す。
【選択図】 図1
【解決手段】 (A)ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、スズ、アンチモン及び亜鉛からなる群から選択される一以上の金属元素の酸化物で被覆された酸化チタン粒子100重量部と、
(B)硬化性化合物1〜300重量部と、
(C)硬化触媒0.1〜60重量部とを含有するマイクロレンズ反射防止膜用硬化性組成物。この組成物から得られる硬化膜を含むマイクロレンズ用反射防止積層体は、優れた反射防止性を示す。
【選択図】 図1
Description
本発明は、マイクロレンズ反射防止膜用硬化性組成物、この硬化膜及びマイクロレンズ用反射防止積層体に関する。さらに詳しくは、空気媒体とマイクロレンズとの屈折率差に起因するレンズ表面での光の反射を抑制し、マイクロレンズの光線透過性能を向上するマイクロレンズ用反射防止積層体、及びこれに使用する硬化性組成物に関する。
ファクシミリ、電子複写機、固体撮像素子等のオンチップカラーフィルターの結像光学系あるいは光ファイバコネクタの光学系材料として、3〜100μm程度のレンズ径を有するマイクロレンズ、又はそれらのマイクロレンズを規則的に配列したマイクロレンズアレイが使用されている。
マイクロレンズは、外部からの光を、固体撮像素子等の感光部に集光する機能を有するレンズであるが、近年の素子の高集積化により、素子のサイズが小さくなっており、1つの素子に入射する光量は減少する傾向にある。そのため、素子に入射する光を損失なく感光部に集光させることが課題となっている。
この課題に対して、例えば、マイクロレンズの表層に反射防止膜を形成し、空気媒体とレンズとの屈折率変化に起因する光の反射を抑制することが検討されている(例えば、特許文献1参照。)。
ここで、反射防止膜は、高屈折率膜と低屈折率膜とを積層した構造を有している。反射防止膜積層体を形成する高屈折率材料として、例えば、金属酸化物粒子に酸化ジルコニウムを用い、1.7程度の屈折率を有し、保存安定性を改良した反射防止膜用高屈折率材料が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
ここで、反射防止膜は、高屈折率膜と低屈折率膜とを積層した構造を有している。反射防止膜積層体を形成する高屈折率材料として、例えば、金属酸化物粒子に酸化ジルコニウムを用い、1.7程度の屈折率を有し、保存安定性を改良した反射防止膜用高屈折率材料が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
特許文献2には、反射防止膜積層体の性能を向上するため、さらに高屈折率材料の屈折率を向上させる観点から、屈折率の高い金属酸化物粒子である酸化チタン粒子を用いることが示唆されている。
しかし、酸化チタン粒子は、一般に光触媒能を有するため、このような金属酸化物粒子を含有する反射防止膜は、その耐光性が低下するという欠点があった。
そこで、酸化チタン粒子を含む、耐光性に優れた反射防止膜用高屈折率材料、及びこれを用いた高性能なマイクロレンズ用の反射防止膜積層体が要望されていた。
特開平4−223371号公報
2000−186216号公報
しかし、酸化チタン粒子は、一般に光触媒能を有するため、このような金属酸化物粒子を含有する反射防止膜は、その耐光性が低下するという欠点があった。
そこで、酸化チタン粒子を含む、耐光性に優れた反射防止膜用高屈折率材料、及びこれを用いた高性能なマイクロレンズ用の反射防止膜積層体が要望されていた。
本発明は上述の問題に鑑みなされたものであり、屈折率が高く、耐光性に優れた硬化膜が得られる硬化性組成物、及び優れた反射防止性を有するマイクロレンズ用反射防止積層体を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、(A)ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、スズ、アンチモン及び亜鉛からなる群から選択される一以上の金属元素の酸化物で被覆された酸化チタン粒子(以下、「被覆酸化チタン粒子」という。)と、(B)硬化性化合物と、(C)硬化触媒とを、所定の範囲内の添加量で混合した硬化性組成物を、又は、さらに水酸基含有化合物を所定の範囲内の添加量で混合した硬化性組成物を、高屈折率材料として用いることにより、屈折率が高く、耐光性に優れた硬化膜が得られ、この硬化膜を使用した反射防止用積層体が、マイクロレンズの反射防止に有効であることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下に示すマイクロレンズ反射防止膜用硬化性組成物、その硬化膜及びマイクロレンズ用反射防止積層体が提供される。
1.(A)ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、スズ、アンチモン及び亜鉛からなる群から選択される一以上の金属元素の酸化物で被覆された酸化チタン粒子100重量部と、
(B)硬化性化合物1〜300重量部と、
(C)硬化触媒0.1〜60重量部と
を含有するマイクロレンズ反射防止膜用硬化性組成物。
2.前記硬化性化合物が、メラミン化合物である1に記載のマイクロレンズ反射防止膜用硬化性組成物。
3.さらに、(D)有機溶媒を100〜10000重量部含有する1又は2に記載のマイクロレンズ反射防止膜用硬化性組成物。
1.(A)ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、スズ、アンチモン及び亜鉛からなる群から選択される一以上の金属元素の酸化物で被覆された酸化チタン粒子100重量部と、
(B)硬化性化合物1〜300重量部と、
(C)硬化触媒0.1〜60重量部と
を含有するマイクロレンズ反射防止膜用硬化性組成物。
2.前記硬化性化合物が、メラミン化合物である1に記載のマイクロレンズ反射防止膜用硬化性組成物。
3.さらに、(D)有機溶媒を100〜10000重量部含有する1又は2に記載のマイクロレンズ反射防止膜用硬化性組成物。
4.前記(D)有機溶媒が、直鎖または分岐した炭素数4〜6のアルキル基を有する単官能アルコール類、下記式(1)で表される化合物及び下記式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の溶媒を有機溶媒全体量の50重量%以上含む1〜3のいずれかに記載のマイクロレンズ反射防止膜用硬化性組成物。
R2−(O−R1)n−O−R3 ・・・(1)
[式中、R1は−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−又は−CH(CH3)CH2−であり、R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基及びCH3CO−であり、nは1〜2である。]
CH3CH(OH)−COO−R4 (2)
[式中、R4は、それぞれ独立に、直鎖または分岐した炭素数1〜5のアルキル基である。]
5.さらに、(E)水酸基含有化合物0.1〜150重量部を含有する1〜4のいずれかに記載のマイクロレンズ反射防止膜用硬化性組成物。
R2−(O−R1)n−O−R3 ・・・(1)
[式中、R1は−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−又は−CH(CH3)CH2−であり、R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基及びCH3CO−であり、nは1〜2である。]
CH3CH(OH)−COO−R4 (2)
[式中、R4は、それぞれ独立に、直鎖または分岐した炭素数1〜5のアルキル基である。]
5.さらに、(E)水酸基含有化合物0.1〜150重量部を含有する1〜4のいずれかに記載のマイクロレンズ反射防止膜用硬化性組成物。
6.さらに、(F)界面活性剤0.0001〜10重量部を含有する1〜5のいずれかに記載のマイクロレンズ反射防止膜用硬化性組成物。
7.上記1〜6のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化させてなる屈折率が1.60以上のマイクロレンズ反射防止膜用硬化膜。
8.7に記載の硬化膜と、これより低屈折率の硬化膜とを有するマイクロレンズ用反射防止積層体。
9.前記低屈折率の硬化膜が、含フッ素重合体を含む組成物の硬化体である8に記載のマイクロレンズ用反射防止積層体。
10.前記低屈折率の硬化膜が、下記成分を含む組成物の硬化体である8又は9に記載のマイクロレンズ用反射防止用積層体。
(G)水酸基を有する含フッ素重合体
(H)水酸基と反応し得る官能基を有する硬化性化合物
(C)硬化触媒(ただし、1〜6に記載の硬化性組成物中に含まれる硬化触媒と同一種である必要はない。)
7.上記1〜6のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化させてなる屈折率が1.60以上のマイクロレンズ反射防止膜用硬化膜。
8.7に記載の硬化膜と、これより低屈折率の硬化膜とを有するマイクロレンズ用反射防止積層体。
9.前記低屈折率の硬化膜が、含フッ素重合体を含む組成物の硬化体である8に記載のマイクロレンズ用反射防止積層体。
10.前記低屈折率の硬化膜が、下記成分を含む組成物の硬化体である8又は9に記載のマイクロレンズ用反射防止用積層体。
(G)水酸基を有する含フッ素重合体
(H)水酸基と反応し得る官能基を有する硬化性化合物
(C)硬化触媒(ただし、1〜6に記載の硬化性組成物中に含まれる硬化触媒と同一種である必要はない。)
本発明のマイクロレンズ反射防止膜用硬化性組成物を使用した硬化膜は、屈折率が高く、耐光性に優れている。この硬化膜を含むマイクロレンズ用反射防止積層体は、空気媒体とマイクロレンズとの屈折率差に起因するレンズ表面での光の反射を抑制できるため、マイクロレンズの光線透過率を向上させることができる。このため、固体撮像素子等の感光部に入射する光量を向上することができる。
本発明のマイクロレンズ反射防止膜用硬化性組成物に関する実施の形態(第1の実施形態)及びマイクロレンズ用反射防止積層体に関する実施の形態(第2の実施形態)を具体的に説明する。
[第1の実施形態]
本発明のマイクロレンズ反射防止膜用硬化性組成物は、(A)被覆酸化チタン粒子100重量部と、(B)硬化性化合物1〜300重量部と、(C)硬化触媒0.1〜60重量部とを含有する。
本発明のマイクロレンズ反射防止膜用硬化性組成物は、(A)被覆酸化チタン粒子100重量部と、(B)硬化性化合物1〜300重量部と、(C)硬化触媒0.1〜60重量部とを含有する。
(A)被覆酸化チタン粒子
被覆酸化チタン粒子とは、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、スズ、アンチモン及び亜鉛からなる群から選択される一以上の金属元素の酸化物で被覆された酸化チタン粒子である。ここで酸化チタン粒子の被覆方法は、特に限定されるものではないが、例えば、「酸化チタン 物性と応用技術」(清野 学 著)技報堂出版p.28〜31(1991)に記載されている方法により、酸化チタン粒子を所定の金属塩の水溶液中で処理することにより金属水酸化物で被覆した後、焼成する方法等が挙げられる。この場合、金属水酸化物の大半は焼成により金属酸化物となる。このため、本願発明において、被覆酸化チタン粒子とは、被覆部分を形成する金属酸化物中に金属水酸化物が残存している態様をも含む概念である。
被覆酸化チタン粒子とは、ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、スズ、アンチモン及び亜鉛からなる群から選択される一以上の金属元素の酸化物で被覆された酸化チタン粒子である。ここで酸化チタン粒子の被覆方法は、特に限定されるものではないが、例えば、「酸化チタン 物性と応用技術」(清野 学 著)技報堂出版p.28〜31(1991)に記載されている方法により、酸化チタン粒子を所定の金属塩の水溶液中で処理することにより金属水酸化物で被覆した後、焼成する方法等が挙げられる。この場合、金属水酸化物の大半は焼成により金属酸化物となる。このため、本願発明において、被覆酸化チタン粒子とは、被覆部分を形成する金属酸化物中に金属水酸化物が残存している態様をも含む概念である。
また、被覆とは、必ずしも酸化チタン粒子の表面全体が金属酸化物によって覆われている態様に限定されるものではなく、緻密なあるいは多孔質であってよい。また、被覆酸化チタン粒子は、酸化チタン粒子と明確に分離した被覆層を有する粒子に限定されるものではなく、前記の金属酸化物又は金属水酸化物が主に粒子の外殻付近に存在しており被覆層と酸化チタン粒子が明確に分離した層を形成していない粒子をも含まれる。
被覆は、上記の金属元素の酸化物うち、2種以上の金属元素の酸化物で行うことができる。この場合、各金属酸化物による被覆がそれぞれ被覆層を形成していてもよいし、2種以上の金属元素の酸化物が共沈して一つの被覆層を形成していても良い。
被覆は、上記の金属元素の酸化物うち、2種以上の金属元素の酸化物で行うことができる。この場合、各金属酸化物による被覆がそれぞれ被覆層を形成していてもよいし、2種以上の金属元素の酸化物が共沈して一つの被覆層を形成していても良い。
前記被覆物は、屈折率1.50以上の高屈折率を有する金属酸化物を含むことが好ましく、具体的には酸化チタン、ジルコニア、アルミナ、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化スズなどを含有すると、少ない粒子添加量で高い屈折率が得られるため、硬化膜の透明性を損なうことなく、高屈折率の硬化膜を得ることができる点で好ましい。
被覆酸化チタン粒子の数平均粒子径(凝集している場合には、一次粒子径)は、0.1μm以下が好ましい。数平均粒子径が0.1μmを超えると、被覆酸化チタン粒子を均一に分散させることが困難となる場合がある。また、被覆酸化チタン粒子が沈降し易くなり、保存安定性に欠ける場合がある。さらには、得られる硬化膜の透明性が低下したり、濁度(Haze値)が上昇する場合がある。数平均粒子径は、0.01〜0.08μmがより好ましく、0.01〜0.05μmがさらに好ましい。
このような被覆酸化チタン粒子を用いることにより、酸化チタンの光触媒活性を抑制することができ、硬化物の分解を抑止することができる。その結果、高屈折率で、耐光性に優れた硬化膜を得ることができる。
被覆酸化チタン粒子の数平均粒子径(凝集している場合には、一次粒子径)は、0.1μm以下が好ましい。数平均粒子径が0.1μmを超えると、被覆酸化チタン粒子を均一に分散させることが困難となる場合がある。また、被覆酸化チタン粒子が沈降し易くなり、保存安定性に欠ける場合がある。さらには、得られる硬化膜の透明性が低下したり、濁度(Haze値)が上昇する場合がある。数平均粒子径は、0.01〜0.08μmがより好ましく、0.01〜0.05μmがさらに好ましい。
このような被覆酸化チタン粒子を用いることにより、酸化チタンの光触媒活性を抑制することができ、硬化物の分解を抑止することができる。その結果、高屈折率で、耐光性に優れた硬化膜を得ることができる。
(B)硬化性化合物
硬化性化合物としては、メラミン化合物、尿素化合物、グアナミン化合物、フェノール化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、多塩基酸等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
これらのうち、保存安定性に比較的優れ、比較的低温での硬化が可能な点から、分子内にメチロール基及びアルコキシ化メチル基又はいずれか一方を2個以上有するメラミン化合物が最も好ましい。また、これらのメラミン化合物のうちでも、ヘキサメチルエーテル化メチロールメラミン化合物、ヘキサブチルエーテル化メチロールメラミン化合物、メチルブチル混合エーテル化メチロールメラミン化合物、メチルエーテル化メチロールメラミン化合物、ブチルエーテル化メチロールメラミン化合物等のメチル化メラミン化合物がより好ましい。
硬化性化合物としては、メラミン化合物、尿素化合物、グアナミン化合物、フェノール化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、多塩基酸等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
これらのうち、保存安定性に比較的優れ、比較的低温での硬化が可能な点から、分子内にメチロール基及びアルコキシ化メチル基又はいずれか一方を2個以上有するメラミン化合物が最も好ましい。また、これらのメラミン化合物のうちでも、ヘキサメチルエーテル化メチロールメラミン化合物、ヘキサブチルエーテル化メチロールメラミン化合物、メチルブチル混合エーテル化メチロールメラミン化合物、メチルエーテル化メチロールメラミン化合物、ブチルエーテル化メチロールメラミン化合物等のメチル化メラミン化合物がより好ましい。
硬化性化合物の添加量は、被覆酸化チタン粒子100重量部に対して、1〜300重量部、好ましくは10〜250重量部である。添加量が1重量部未満となると、塗膜の機械的強度が低下する。一方、添加量が300重量部を超えると、硬化性組成物の保存安定性が低下する。
(C)硬化触媒
硬化触媒としては、硬化性化合物の反応を促進するものであれば、好適に使用することができる。より具体的には、脂肪族スルホン酸、脂肪族スルホン酸塩、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸塩、芳香族スルホン酸、芳香族スルホン酸塩、芳香族カルボン酸、芳香族カルボン酸塩、金属塩、リン酸エステル等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
これらのうち、メチル化メラミン化合物等の硬化性化合物の硬化速度をより向上させることができる点から、芳香族スルホン酸が最も好ましい。
硬化触媒としては、硬化性化合物の反応を促進するものであれば、好適に使用することができる。より具体的には、脂肪族スルホン酸、脂肪族スルホン酸塩、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸塩、芳香族スルホン酸、芳香族スルホン酸塩、芳香族カルボン酸、芳香族カルボン酸塩、金属塩、リン酸エステル等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
これらのうち、メチル化メラミン化合物等の硬化性化合物の硬化速度をより向上させることができる点から、芳香族スルホン酸が最も好ましい。
硬化触媒の添加量は、被覆酸化チタン粒子100重量部に対して、0.1〜60重量部、好ましくは0.5〜50重量部、より好ましくは0.5〜40重量部である。添加量が0.1重量部未満となると、硬化触媒の添加効果が発現しない。一方、添加量が60重量部を超えると、硬化性組成物の保存安定性が低下する。
(D)有機溶媒
硬化性組成物中には、有機溶媒を添加することが好ましい。有機溶媒を添加することにより、薄膜の硬化膜を均一に形成することができる。このような有機溶媒としては、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、2−ペンタン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール(IPA)、n−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、t−ペンチルアルコール、ネオペンチルアルコール、n−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、n−へプタノール、2−へプタノール、3−へプタノール、n−オクタノール、2−オクタノール、シクロヘキサノールなどの単官能アルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸シクロヘキシル、3−メトキシブチルアセテート、2−エチルブチルアセテート、2−エチルヘキシルアセテート、酢酸ベンジル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソペンチル、炭酸ジエチル、炭酸プロピレン、γ―ブチロラクトンなどのエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどの芳香族類、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールブチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、3−メトキシ−1−プロパノール、3−エトキシ−1−プロパノール、3−プロポキシ−1−プロパノール、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、乳酸ペンチルなどの2つ以上の官能基を有する化合物が挙げられる。これらは1種または2種以上を同時に使用することができる。
硬化性組成物中には、有機溶媒を添加することが好ましい。有機溶媒を添加することにより、薄膜の硬化膜を均一に形成することができる。このような有機溶媒としては、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、2−ペンタン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノール(IPA)、n−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、t−ペンチルアルコール、ネオペンチルアルコール、n−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、n−へプタノール、2−へプタノール、3−へプタノール、n−オクタノール、2−オクタノール、シクロヘキサノールなどの単官能アルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸シクロヘキシル、3−メトキシブチルアセテート、2−エチルブチルアセテート、2−エチルヘキシルアセテート、酢酸ベンジル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソペンチル、炭酸ジエチル、炭酸プロピレン、γ―ブチロラクトンなどのエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどの芳香族類、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールブチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、3−メトキシ−1−プロパノール、3−エトキシ−1−プロパノール、3−プロポキシ−1−プロパノール、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、乳酸ペンチルなどの2つ以上の官能基を有する化合物が挙げられる。これらは1種または2種以上を同時に使用することができる。
本発明において溶媒は、塗布性を確保するために高沸点溶剤として、直鎖または分岐した炭素数4〜6を有する単官能アルコール類、下記式(1)で表される化合物及び下記式(2)で表される化合物からなる群から少なくとも1種類以上の溶剤を含有することが好ましい。
R2−(O−R1)n−O−R3 ・・・(1)
[式中、R1は−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−又は−CH(CH3)CH2−であり、R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基及びCH3CO−であり、nは1〜2である。]
CH3CH(OH)−COO−R4 (2)
[式中、R4は、それぞれ独立に、直鎖または分岐した炭素数1〜5のアルキル基である。]
R2−(O−R1)n−O−R3 ・・・(1)
[式中、R1は−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−又は−CH(CH3)CH2−であり、R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基及びCH3CO−であり、nは1〜2である。]
CH3CH(OH)−COO−R4 (2)
[式中、R4は、それぞれ独立に、直鎖または分岐した炭素数1〜5のアルキル基である。]
直鎖または分岐した炭素数4〜6を有する単官能アルコール類としては、n−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、t−ペンチルアルコール、ネオペンチルアルコール、n−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノールが挙げられる。
式(1)で表される化合物としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールブチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールジアセテート、3−メトキシ−1−プロパノール、3−エトキシ−1−プロパノール、3−プロポキシ−1−プロパノールなどが挙げられる。
式(2)で表される化合物としては、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、乳酸ペンチルなどが挙げられる。
これら溶剤で、特にn−ブタノール、t−ブタノール、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、PGME、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテートが好ましく、さらに乳酸エチル、n−ブタノール、PGMEが良好な塗布性を与えるため特に好ましい。
これら前記の高沸点溶剤は、有機溶剤全体量の50重量%以上含有することが望ましく、50重量%〜100重量%であることがさらに望ましい。高沸点溶剤の含有量が50重量%未満の場合、良好な塗布性が得られないことがある。
有機溶媒の添加量は特に制限されないが、被覆酸化チタン粒子100重量部に対し、100〜10,000重量部とするのが好ましい。添加量が100重量部未満となると、硬化性組成物の粘度調整が困難となる場合がある。一方、添加量が10,000重量部を超えると、硬化性組成物の保存安定性が低下したり、また、粘度が低下し過ぎて、取り扱いが困難となる場合がある。
有機溶媒の添加量は、300〜10,000重量部がより好ましく、500〜5,000重量部さらに好ましい。
有機溶媒の添加量は、300〜10,000重量部がより好ましく、500〜5,000重量部さらに好ましい。
(E)水酸基含有化合物
硬化性組成物中には、基材の密着性や反射防止積層体の耐擦傷性改良のために水酸基含有化合物を添加することができる。ここで言う水酸基含有化合物とは、分子内に水酸基を有する高分子量体である。より具体的には、ポリビニルアセタール樹脂(ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリフェノール系樹脂、フェノキシ樹脂等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
これらのうち、マイクロレンズに対する密着性や機械的特性に優れた点から、ポリビニルブチラール樹脂(変性ポリビニルブチラール樹脂を含む。)が最も好ましい。また、ポリビニルブチラール樹脂のうちでも、平均重合度が1,000以下であり、一分子中のポリビニルアルコール単位が18重量%以上であり、かつ、ガラス転移点が70℃以上の物性を有するものがより好ましい。
硬化性組成物中には、基材の密着性や反射防止積層体の耐擦傷性改良のために水酸基含有化合物を添加することができる。ここで言う水酸基含有化合物とは、分子内に水酸基を有する高分子量体である。より具体的には、ポリビニルアセタール樹脂(ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリフェノール系樹脂、フェノキシ樹脂等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
これらのうち、マイクロレンズに対する密着性や機械的特性に優れた点から、ポリビニルブチラール樹脂(変性ポリビニルブチラール樹脂を含む。)が最も好ましい。また、ポリビニルブチラール樹脂のうちでも、平均重合度が1,000以下であり、一分子中のポリビニルアルコール単位が18重量%以上であり、かつ、ガラス転移点が70℃以上の物性を有するものがより好ましい。
前記水酸基含有化合物の添加量は、被覆酸化チタン粒子100重量部に対して、0.1〜150重量部が好ましい。添加量が0.1重量部の場合、期待される効果が得られない。また、添加量が150重量部以上の場合、硬化膜の強度や屈折率の低下を招く。水酸基含有化合物の添加量は、0.1〜50重量部がより好ましく、0.1〜30重量部がさらに好ましい。
本発明の組成物には、塗布性を改良するために(F)界面活性剤を配合することもできる。界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシエチレンオレイルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアリールエーテル類、ポリエチレングリコールジラウリレート、ポリエチレングリコールジステアレートなどのポリエチレングリコールジアルキルエステル類などノニオン系界面活性剤やフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーやアクリル酸系またはメタクリル酸系、ビニルエーテル系(共)重合体などが挙げられる。
これら界面活性剤の市販品としては、エマルゲン120、210、320、420、810、903、エマノーン3299、エフトップEF301、303、352(新秋田化成(株)製)、メガファックF171、172,173、179、470(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105,106(旭硝子(株)製)、KP341(信越化学工業(株)製)、ポリフローNo.57、90、フローレンAC303(共栄社化学(株)製)、DC11PA、SH28PA、29PA、30PA(東レ・ダウコーング・シリコーン(株)製)などが挙げられる。
界面活性剤は、好ましくは、0.0001〜10重量部、特に0.01〜5重量部配合することが好ましい。
界面活性剤は、好ましくは、0.0001〜10重量部、特に0.01〜5重量部配合することが好ましい。
その他の添加剤
硬化性組成物には、以上に述べた成分の他、本発明の目的や効果を損なわない範囲において、ラジカル性光重合開始剤、光増感剤、重合禁止剤、重合開始助剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、無機充填剤、顔料、染料等の添加剤をさらに含有させることができる。
硬化性組成物には、以上に述べた成分の他、本発明の目的や効果を損なわない範囲において、ラジカル性光重合開始剤、光増感剤、重合禁止剤、重合開始助剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、無機充填剤、顔料、染料等の添加剤をさらに含有させることができる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態であるマイクロレンズ用反射防止積層体は、図1に示すように、マイクロレンズ2表面に、硬化性組成物から得られた第一の硬化膜である高屈折率膜11と、同じく硬化性組成物から得られた第二の硬化膜である低屈折率膜12とを順次に含む反射防止用積層体1である。
反射防止用積層体1では、ハードコート層を設けておらず、高屈折率膜11がハードコート層の機能を担保しているため、反射防止用積層体1の構成がシンプルとなり、また、反射防止用積層体1を精度良く形成することができる。
以下、第2の実施形態について具体的に説明する。
尚、本発明において、マイクロレンズとは、マイクロレンズアレイ(マイクロレンズを複数形成した基板)を含む意味で使用している。
本発明の第2の実施形態であるマイクロレンズ用反射防止積層体は、図1に示すように、マイクロレンズ2表面に、硬化性組成物から得られた第一の硬化膜である高屈折率膜11と、同じく硬化性組成物から得られた第二の硬化膜である低屈折率膜12とを順次に含む反射防止用積層体1である。
反射防止用積層体1では、ハードコート層を設けておらず、高屈折率膜11がハードコート層の機能を担保しているため、反射防止用積層体1の構成がシンプルとなり、また、反射防止用積層体1を精度良く形成することができる。
以下、第2の実施形態について具体的に説明する。
尚、本発明において、マイクロレンズとは、マイクロレンズアレイ(マイクロレンズを複数形成した基板)を含む意味で使用している。
本発明の硬化性組成物を硬化させてなる高屈折率膜の屈折率(Na−D線の屈折率、測定温度25℃)は、1.60以上であることが好ましい。屈折率が1.60未満となると、低屈折率膜と組み合わせた場合に、反射防止効果が著しく低下する。屈折率は、より好ましくは1.60〜2.20であり、さらに好ましくは1.65〜2.20である。尚、屈折率が2.20を超えると、使用可能な材料の種類が過度に制限される場合がある。
また、高屈折率膜を複数層設ける場合には、そのうちの少なくとも一層が上述した範囲内の屈折率を有していれば良い。従って、その他の高屈折率膜は1.60未満の屈折率を有していても良い。
また、高屈折率膜を複数層設ける場合には、そのうちの少なくとも一層が上述した範囲内の屈折率を有していれば良い。従って、その他の高屈折率膜は1.60未満の屈折率を有していても良い。
本発明の反射防止積層体を形成する低屈折率膜は、例えば、(G)水酸基を有する含フッ素重合体100重量部と、(H)水酸基と反応し得る官能基を有する硬化性化合物1〜70重量部と、(C)硬化触媒0.1〜15重量部と、必要により(D)有機溶媒500〜10,000重量部とから構成される硬化性組成物を硬化させることにより得られる。ただし、ここで用いられる(C)成分及び(D)成分は、本発明の高屈折率膜用硬化性組成物に含まれる該当成分と同一種である必要はない。
水酸基を有する含フッ素重合体(G)としては、分子内に水酸基を有する含フッ素重合体であれば、好適に使用することができる。より具体的には、フッ素原子を含有する単量体(G1成分)と、水酸基を含有する単量体(G2成分)とを共重合して得ることができる。また、必要に応じて、a成分及びb成分以外のエチレン性不飽和単量体(G3成分)を添加することが好ましい。
G1成分であるフッ素原子を含有する単量体としては、好ましくはテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、(フルオロアルキル)ビニルエーテル、(フルオロアルコキシアルキル)ビニルエーテル、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、パーフルオロ(アルコキシビニルエーテル)、フッ素含有(メタ)アクリル酸エステル等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
G1成分の配合量は、特に制限されないが、例えば、10〜99モル%が好ましく、15〜97モル%がより好ましい。
G1成分の配合量は、特に制限されないが、例えば、10〜99モル%が好ましく、15〜97モル%がより好ましい。
また、G2成分である水酸基を含有する単量体としては、好ましくはヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシペンチルビニルエーテル、ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシエチルアリルエーテル、ヒドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテル、アリルアルコール、ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステル等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
G2成分の配合量は特に制限されないが、例えば、1〜20モル%が好ましく、3〜15モル%がより好ましい。
G2成分の配合量は特に制限されないが、例えば、1〜20モル%が好ましく、3〜15モル%がより好ましい。
水酸基を有する含フッ素重合体(G)の粘度は、低屈折率膜の機械的強度や塗布性を考慮して定めることが好ましいが、例えば、固有粘度(N,N−ジメチルアセトアミド溶媒使用、測定温度25℃)を0.05〜2.0dl/gとするのが好ましく、0.1〜1.5dl/gとするのがより好ましい。このような範囲とすることにより、低屈折率膜において、優れた機械的強度や塗布性を得ることができる。
また、このような固有粘度にするための重合方法は、特に制限されるものでなく、ラジカル重合開始剤を用いた溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法、塊状重合法等を採用することができる。
また、このような固有粘度にするための重合方法は、特に制限されるものでなく、ラジカル重合開始剤を用いた溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法、塊状重合法等を採用することができる。
水酸基と反応し得る官能基を有する硬化性化合物(H)としては、高屈折率材料における硬化性化合物と同様の硬化性化合物が使用可能である。例えば、分子内にメチロール基及びアルコキシ化メチル基又はいずれか一方を2個以上有するメラミン化合物を使用することが好ましい。
また、低屈折率材料における硬化性化合物を、高屈折率材料における硬化性化合物と同種とすることが好ましい。即ち、高屈折率膜と低屈折率膜とが、それぞれ同種の硬化性化合物により硬化してなるものであることが好ましい。このようにすると、高屈折率膜と低屈折率膜との相性がより良好となり、より優れた反射防止性や密着性を得ることができる。
同種の硬化性化合物としては、上述したメラミン化合物が挙げられ、より具体的には、ヒドロキシルアルキル化アミノ基含有メラミン化合物やアルコキシアルキル化アミノ基含有メラミン化合物等が挙げられる。
また、低屈折率材料における硬化性化合物を、高屈折率材料における硬化性化合物と同種とすることが好ましい。即ち、高屈折率膜と低屈折率膜とが、それぞれ同種の硬化性化合物により硬化してなるものであることが好ましい。このようにすると、高屈折率膜と低屈折率膜との相性がより良好となり、より優れた反射防止性や密着性を得ることができる。
同種の硬化性化合物としては、上述したメラミン化合物が挙げられ、より具体的には、ヒドロキシルアルキル化アミノ基含有メラミン化合物やアルコキシアルキル化アミノ基含有メラミン化合物等が挙げられる。
低屈折率材料における硬化触媒(C)及び有機溶媒(D)の種類や添加量は、高屈折率材料における内容と同様であるため、これらについての説明は省略する。
低屈折率膜における屈折率(Na−D線の屈折率、測定温度25℃)は、低い程、高屈折率膜と組み合わせた場合に優れた反射防止効果が得られる。低屈折率膜の屈折率は、高屈折率膜の屈折率よりも小さく、具体的には、1.60未満とするのが好ましい。屈折率が1.60を超えると、高屈折率膜と組み合わせた場合に、反射防止効果が著しく低下する場合がある。低屈折率膜の屈折率は、より好ましくは1.30〜1.60であり、さらに好ましくは1.30〜1.50である。尚、屈折率が1.30未満となると、使用可能な材料の種類が過度に制限される場合がある。
また、低屈折率膜を複数設ける場合には、そのうちの少なくとも一層が上述した範囲内の屈折率の値を有していれば良い。従って、その他の低屈折率膜は1.60を超える場合があっても良い。
また、低屈折率膜を複数設ける場合には、そのうちの少なくとも一層が上述した範囲内の屈折率の値を有していれば良い。従って、その他の低屈折率膜は1.60を超える場合があっても良い。
また、低屈折率膜を設ける場合、より優れた反射防止効果が得られることから、高屈折率膜との間の屈折率差を0.05以上とするのが好ましい。屈折率差が0.05未満となると、これらの反射防止膜層での相乗効果が得られず、却って反射防止効果が低下する場合がある。屈折率差は、0.1〜0.8がより好ましく、0.15〜0.7がさらに好ましい。
次に、高屈折率膜及び低屈折率膜の厚さについて説明する。まず、高屈折率膜の厚さは特に制限されないが、例えば、50〜30,000nmが好ましい。高屈折率膜の厚さが50nm未満となると、低屈折率膜と組み合わせた場合に、反射防止効果やマイクロレンズに対する密着性が低下する場合がある。一方、厚さが30,000nmを超えると、光干渉が生じて、逆に反射防止効果が低下する場合がある。高屈折率膜の厚さは、50〜1,000nmがより好ましく、60〜500nmがさらに好ましい。
また、より高い反射防止性を得るために、高屈折率膜を複数層設けて多層構造とする場合には、その合計の厚さを50〜30,000nmとすれば良い。
尚、高屈折率膜とマイクロレンズとの間にハードコート層を設ける場合には、高屈折率膜の厚さを50〜300nmとすることができる。
また、より高い反射防止性を得るために、高屈折率膜を複数層設けて多層構造とする場合には、その合計の厚さを50〜30,000nmとすれば良い。
尚、高屈折率膜とマイクロレンズとの間にハードコート層を設ける場合には、高屈折率膜の厚さを50〜300nmとすることができる。
また、低屈折率膜の厚さについても特に制限されないが、例えば、50〜300nmが好ましい。低屈折率膜の厚さが50nm未満となると、下地としての高屈折率膜に対する密着性が低下する場合がある。一方、厚さが300nmを超えると、光干渉が生じて、反射防止効果が低下する場合がある。低屈折率膜の厚さは、50〜250nmがより好ましく、60〜200nmがさらに好ましい。
尚、より高い反射防止性を得るために、低屈折率膜を複数層設けて多層構造とする場合には、その合計の厚さを50〜300nmとすれば良い。
尚、より高い反射防止性を得るために、低屈折率膜を複数層設けて多層構造とする場合には、その合計の厚さを50〜300nmとすれば良い。
本発明の反射防止用積層体が形成されるマイクロレンズとしては、ファクシミリ、電子複写機、固体撮像素子等オンチップカラーフィルターの結像光学系あるいは光ファイバーコネクタの光学系等に、一般的に使用されているものであれば、問題なく使用できる。マイクロレンズの製造法としては、例えば、イオン交換法による分布屈折率型平板マイクロレンズを作る方法、感光性ガラスによる凸型マイクロレンズを作る方法、半導体集積回路用ポジ型フォトレジスト等を用いてメルトフロー法による作製法やメルトフローさせた感光性樹脂をマスクにしてドライエッチングにより下地にレンズ形状を転写させる方法などがある。
本発明におけるマイクロレンズを形成する方法について述べる。マイクロレンズ作製用のアルカリ可溶性樹脂を含む放射線性樹脂組成物は、下地基板表面に塗布し、プレベークにより溶媒を除去することによって塗膜とすることができる。塗布方法として、例えばスプレー法、ロールコート法、回転塗布法などの各種の方法を採用することができる。また、プレベークの条件は、各成分の種類、配合割合などによっても異なるが、通常70〜90℃で1〜15分間程度の条件が最適である。次にプレベークされた塗膜に所定パターンマスクを介して紫外線などの放射線を照射し、さらにアルカリ現像液により現像し、不要な部分を除去して所定パターンを形成する。現像方法は液盛り法、ディッピング法、シャワー法などのいずれでも良く、現像時間は通常30〜180秒間である。
上記現像液としては、アルカリ水溶液、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニアなどの無機アルカリ類;エチルアミン、n−プロピルアミンなどの1級アミン類;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミンなどの2級アミン類;トリメチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエチルアミン、トリエチルアミンなどの3級アミン類;ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどの3級アミン類;ピロール、ピペリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネンなどの環状3級アミン類;ピリジン、コリジン、ルチジン、キノリンなどの芳香族3級アミン類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシドなどの4級アンモニウム塩の水溶液を使用することができる。また上記アルカリ水溶液に、メタノール、エタノールなどの水溶性有機溶媒および/または界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
現像後、流水洗浄を30〜90秒間行い、不要な部分を除去し、さらに圧縮空気や圧縮窒素で風乾させることによって、パターンが形成される。形成されたパターンに紫外線などの放射線を照射し、その後このパターンを、ホットプレート、オーブンなどの加熱装置により、所定温度、例えば150〜250℃で、所定時間、例えばホットプレート上なら5〜30分間、オーブン中では30〜90分間加熱処理をすることにより、目的とするマイクロレンズであるパターン状塗膜を得ることができる。
高屈折率材料や低屈折率材料から、それぞれ高屈折率膜や低屈折率膜を形成する場合、マイクロレンズに対してコーテイングすることが好ましい。このようなコーテイング方法としては、ディッピング法、スプレー法、スピンコート法又はインクジェット法等の方法を用いることができる。このなかで、スピンコート法やディッピング法が均一な硬化膜が得られやすい点で優れている。
また、高屈折率材料や低屈折率材料を硬化する手段も特に制限されないが、例えば、加熱することが好ましい。その場合、30〜200℃で、1〜180分間加熱するのが好ましい。このように加熱することにより、マイクロレンズや形成される反射防止膜を損傷することなく、より効率的に反射防止性に優れた反射防止用積層体を得ることができる。好ましくは、50〜180℃で、2〜120分間、より好ましくは、80〜150℃で、5〜60分間加熱する。
尚、高屈折率材料や低屈折率材料の硬化程度は、例えば、硬化性化合物としてメラミン化合物を用いた場合は、メラミン化合物のメチロール基又はアルコキシ化メチル基の量を赤外分光分析したり、又は、ゲル化率を、ソックスレー抽出器を用いて測定することにより、定量的に確認することができる。
尚、高屈折率材料や低屈折率材料の硬化程度は、例えば、硬化性化合物としてメラミン化合物を用いた場合は、メラミン化合物のメチロール基又はアルコキシ化メチル基の量を赤外分光分析したり、又は、ゲル化率を、ソックスレー抽出器を用いて測定することにより、定量的に確認することができる。
本発明のマイクロレンズ用反射防止積層体は、図1に示す高屈折率膜及び低屈折率膜の他に、各種機能層を含んでいてもよい。例えば、図2に示すように、マイクロレンズ2と高屈折率膜11との間にハードコート層13を介在させてもよい。即ち、マイクロレンズ2上に、ハードコート層13と、高屈折率膜11と、低屈折率膜12とを順次に含む反射防止用積層体1’としてもよい。ハードコート層13を介在させることにより、高屈折率膜11のマイクロレンズ2に対する密着性をより向上させることができる。また、ハードコート層13の機械的特性により、反射防止用積層体1’の耐久性をより向上させることができる。
以下、本例の特徴であるハードコート層について説明する。尚、マイクロレンズ、高屈折率膜、及び低屈折率膜又はこれらの形成方法については、第1の実施形態で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
以下、本例の特徴であるハードコート層について説明する。尚、マイクロレンズ、高屈折率膜、及び低屈折率膜又はこれらの形成方法については、第1の実施形態で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
ハードコート層は、例えば、SiO2、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂等の材料から構成するのが好ましい。
ハードコート層の厚さは特に制限されないが、具体的には、1〜50μmが好ましく、5〜10μmがより好ましい。厚さが1μm未満となると、反射防止膜のマイクロレンズに対する密着性を向上させることができない場合がある。一方、厚さが50μmを超えると、ハードコート層を、均一に形成するのが困難となる場合がある。
ハードコート層の厚さは特に制限されないが、具体的には、1〜50μmが好ましく、5〜10μmがより好ましい。厚さが1μm未満となると、反射防止膜のマイクロレンズに対する密着性を向上させることができない場合がある。一方、厚さが50μmを超えると、ハードコート層を、均一に形成するのが困難となる場合がある。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明の範囲は、これら実施例の記載に限定されるものではない。
製造例1
[被覆酸化チタン粒子分散液−1の調製]
ジルコニア及びアルミナ被覆された酸化チタン微粉末(数平均粒子径10〜20nm)6重量部、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体(平均重合度:約20)1重量部、トルエン8.5重量部、イソプロピルアルコール8.5重量部をガラスビーズにて10時間分散を行い、ガラスビーズを除去して、被覆酸化チタン粒子分散液−1を24重量部得た。
製造例1
[被覆酸化チタン粒子分散液−1の調製]
ジルコニア及びアルミナ被覆された酸化チタン微粉末(数平均粒子径10〜20nm)6重量部、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体(平均重合度:約20)1重量部、トルエン8.5重量部、イソプロピルアルコール8.5重量部をガラスビーズにて10時間分散を行い、ガラスビーズを除去して、被覆酸化チタン粒子分散液−1を24重量部得た。
製造例2
[非被覆酸化チタン粒子分散液−1の調製]
ルチル型酸化チタン微粉末(数平均粒子径10〜20nm)6重量部、ポリビニルブチラール樹脂(電気化学工業(株)製デンカブチラール#2000−L)1重量部、MIBK10重量部、n−ブタノール7重量部を用い、製造例1と同様にして非被覆酸化チタン粒子分散液−1を調製した。
[非被覆酸化チタン粒子分散液−1の調製]
ルチル型酸化チタン微粉末(数平均粒子径10〜20nm)6重量部、ポリビニルブチラール樹脂(電気化学工業(株)製デンカブチラール#2000−L)1重量部、MIBK10重量部、n−ブタノール7重量部を用い、製造例1と同様にして非被覆酸化チタン粒子分散液−1を調製した。
製造例3
[非被覆酸化チタン粒子分散液−2の調製]
アナターゼ型酸化チタン微粉末(数平均粒子径10〜20nm)6重量部、ポリビニルブチラール樹脂(電気化学工業(株)製デンカブチラール#2000−L)1重量部、MIBK10重量部、n−ブタノール7重量部を用い、製造例1と同様にして非被覆酸化チタン粒子分散液−2を調製した。
[非被覆酸化チタン粒子分散液−2の調製]
アナターゼ型酸化チタン微粉末(数平均粒子径10〜20nm)6重量部、ポリビニルブチラール樹脂(電気化学工業(株)製デンカブチラール#2000−L)1重量部、MIBK10重量部、n−ブタノール7重量部を用い、製造例1と同様にして非被覆酸化チタン粒子分散液−2を調製した。
製造例4
[含フッ素重合体の製造]
内容積1.5Lの電磁攪拌機付きステンレス製オートクレーブを、窒素ガスで十分置換した後、酢酸エチル500g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(FPVE)43.2g、エチルビニルエーテル(EVE)41.2g、ヒドロキシエチルビニルエーテル(HEVE)21.5g、ノニオン性反応性乳化剤として「アデカリアソープNE−30」(旭電化工業(株)製)40.5g、アゾ基含有ポリジメチルシロキサンとして「VPS−1001」(和光純薬工業(株)製)6.0g及び過酸化ラウロイル1.25gを加え、ドライアイス−メタノールで−50℃まで冷却した後、再度窒素ガスで系内の酸素を除去した。
次いで、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)97.4gを加え、昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が60℃に達した時点での圧力は5.3×105Paを示した。その後、70℃で20時間攪拌下に反応を継続し、圧力が1.7×105Paに低下した時点でオートクレーブを水冷し、反応を停止させた。室温に達した後、未反応モノマーを放出し、オートクレーブを開放して、固形分濃度26.4%のポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液をメタノールに投入しポリマーを析出させた後、メタノールにて洗浄し、50℃にて真空乾燥を行い220gの含フッ素重合体を得た。
[含フッ素重合体の製造]
内容積1.5Lの電磁攪拌機付きステンレス製オートクレーブを、窒素ガスで十分置換した後、酢酸エチル500g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(FPVE)43.2g、エチルビニルエーテル(EVE)41.2g、ヒドロキシエチルビニルエーテル(HEVE)21.5g、ノニオン性反応性乳化剤として「アデカリアソープNE−30」(旭電化工業(株)製)40.5g、アゾ基含有ポリジメチルシロキサンとして「VPS−1001」(和光純薬工業(株)製)6.0g及び過酸化ラウロイル1.25gを加え、ドライアイス−メタノールで−50℃まで冷却した後、再度窒素ガスで系内の酸素を除去した。
次いで、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)97.4gを加え、昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が60℃に達した時点での圧力は5.3×105Paを示した。その後、70℃で20時間攪拌下に反応を継続し、圧力が1.7×105Paに低下した時点でオートクレーブを水冷し、反応を停止させた。室温に達した後、未反応モノマーを放出し、オートクレーブを開放して、固形分濃度26.4%のポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液をメタノールに投入しポリマーを析出させた後、メタノールにて洗浄し、50℃にて真空乾燥を行い220gの含フッ素重合体を得た。
得られたポリマーにつき、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)が48,000、DSCによるガラス転移温度(Tg)が26.8℃、及びアリザリンコンプレクソン法によるフッ素含量が50.3%であることを確認した。
製造例5
[低屈折率硬化性組成物の調製]
製造例4で得られた含フッ素重合体100gを、硬化性化合物であるメトキシ化メチルメラミン「サイメル303」(三井サイテック(株)製)30gと共に溶剤のMIBK900g中に溶解し、100℃にて5時間攪拌下で反応させ、反応液を得た。得られた反応液100gと、硬化触媒である芳香族スルホン酸化合物キャタリスト4050(三井サイテック(株)製)2gとを、MIBK900gに添加して溶解させることにより、低屈折率硬化性組成物を調製した。
この硬化性組成物のMIBK溶液を、スピンコーターによりシリコンウェーハー上に、乾燥後の厚みが約0.1μmとなるように塗布し、次いで、オーブンを用いて、120℃、60分の条件で加熱し、低屈折率硬化膜を得た。得られた硬化膜について、エリプソメーターを用いて、25℃での波長589nmにおける屈折率(nD 25)を測定したところ、1.41であった。
[低屈折率硬化性組成物の調製]
製造例4で得られた含フッ素重合体100gを、硬化性化合物であるメトキシ化メチルメラミン「サイメル303」(三井サイテック(株)製)30gと共に溶剤のMIBK900g中に溶解し、100℃にて5時間攪拌下で反応させ、反応液を得た。得られた反応液100gと、硬化触媒である芳香族スルホン酸化合物キャタリスト4050(三井サイテック(株)製)2gとを、MIBK900gに添加して溶解させることにより、低屈折率硬化性組成物を調製した。
この硬化性組成物のMIBK溶液を、スピンコーターによりシリコンウェーハー上に、乾燥後の厚みが約0.1μmとなるように塗布し、次いで、オーブンを用いて、120℃、60分の条件で加熱し、低屈折率硬化膜を得た。得られた硬化膜について、エリプソメーターを用いて、25℃での波長589nmにおける屈折率(nD 25)を測定したところ、1.41であった。
製造例6
[マイクロレンズ用アルカリ可溶性樹脂の合成(1)]
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を装着したセパラブルフラスコにp−tert−ブトキシスチレン95g、スチレン5g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル10g、ジオキサン100gを仕込み、30分間窒素でパージした後、セパラブルフラスコを油浴に浸し、内温を80℃に保ち、攪拌しながら5時間重合を行い、樹脂を合成した。得られた樹脂溶液に7.2%塩酸水溶液60gを加え、80℃で3時間攪拌し、t−ブトキシ基の加水分解によりポリマーに水酸基を導入した。反応混合物をメタノール/水混合液(メタノール:水=2:8(容積比))に注ぎ、得られたスラリーをメタノール/水混合液で2回再沈精製した。50℃で12時間減圧乾燥させ、白色樹脂粉末を得た(以下、この樹脂を「樹脂A」と称する)。得られた樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)が10,000であった。
[マイクロレンズ用アルカリ可溶性樹脂の合成(1)]
攪拌機、冷却管、窒素導入管及び温度計を装着したセパラブルフラスコにp−tert−ブトキシスチレン95g、スチレン5g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル10g、ジオキサン100gを仕込み、30分間窒素でパージした後、セパラブルフラスコを油浴に浸し、内温を80℃に保ち、攪拌しながら5時間重合を行い、樹脂を合成した。得られた樹脂溶液に7.2%塩酸水溶液60gを加え、80℃で3時間攪拌し、t−ブトキシ基の加水分解によりポリマーに水酸基を導入した。反応混合物をメタノール/水混合液(メタノール:水=2:8(容積比))に注ぎ、得られたスラリーをメタノール/水混合液で2回再沈精製した。50℃で12時間減圧乾燥させ、白色樹脂粉末を得た(以下、この樹脂を「樹脂A」と称する)。得られた樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)が10,000であった。
製造例7
[マイクロレンズ用アルカリ可溶性樹脂の合成(2)]
製造例6と同様なセパラブルフラスコに、ブタジエン7.5g、メタクリル酸20.0g、メタクリル酸ジシクロペンタニル22.5g、メタクリル酸グリシジル50.0g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル4.0g、ジグライム250.0gを仕込み、30分間窒素でパージした後、セパラブルフラスコを油浴に浸し、内温を80℃に保ち、攪拌しながら4時間重合を行い、樹脂を合成した(以下、この樹脂を「樹脂B」と称する)。
[マイクロレンズ用アルカリ可溶性樹脂の合成(2)]
製造例6と同様なセパラブルフラスコに、ブタジエン7.5g、メタクリル酸20.0g、メタクリル酸ジシクロペンタニル22.5g、メタクリル酸グリシジル50.0g、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル4.0g、ジグライム250.0gを仕込み、30分間窒素でパージした後、セパラブルフラスコを油浴に浸し、内温を80℃に保ち、攪拌しながら4時間重合を行い、樹脂を合成した(以下、この樹脂を「樹脂B」と称する)。
製造例8
[マイクロレンズ用感光性樹脂組成物の調製]
製造例6で得られた樹脂A100重量部に対して、製造例7で得られた樹脂B40.0重量部(固形分換算)、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン(1モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド(1.9モル)との縮合物30.0重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂エピコート828(ジャパンエポキシレジン(株)製)30.0重量部、サイメル300(三井サイアナミッド(株)製)10.0重量部、2−(4−メトキシ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−S−トリアジン0.5重量部を混合し、全体の固形分濃度が32%になるように3−メトキシプロピオン酸メチル(MMP)で希釈・溶解させた後、孔径0.1μmのメンブランフィルターで濾過し、マイクロレンズ用感光性樹脂組成物を得た。
[マイクロレンズ用感光性樹脂組成物の調製]
製造例6で得られた樹脂A100重量部に対して、製造例7で得られた樹脂B40.0重量部(固形分換算)、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン(1モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド(1.9モル)との縮合物30.0重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂エピコート828(ジャパンエポキシレジン(株)製)30.0重量部、サイメル300(三井サイアナミッド(株)製)10.0重量部、2−(4−メトキシ−β−スチリル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−S−トリアジン0.5重量部を混合し、全体の固形分濃度が32%になるように3−メトキシプロピオン酸メチル(MMP)で希釈・溶解させた後、孔径0.1μmのメンブランフィルターで濾過し、マイクロレンズ用感光性樹脂組成物を得た。
製造例9
[マイクロレンズの作製]
製造例8で得られたマイクロレンズ用感光性樹脂組成物を石英基板に、2.5μmの膜厚になるようにスピンコートし、70℃にて3分間ホットプレート上でプレベークした。ニコン製NSR1755i7A縮小投影露光機(NA=0.50,λ=365nm)で露光を行った後、1.5%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて25℃、1分間現像した。水でリンスし、乾燥して石英板上にパターンを形成した。得られたパターン付き石英板を10mW/cm2の紫外線で60秒間照射した。その後ホットプレート上、150℃で10分間加熱してパターンをメルトフローさせマイクロレンズを形成した。
[マイクロレンズの作製]
製造例8で得られたマイクロレンズ用感光性樹脂組成物を石英基板に、2.5μmの膜厚になるようにスピンコートし、70℃にて3分間ホットプレート上でプレベークした。ニコン製NSR1755i7A縮小投影露光機(NA=0.50,λ=365nm)で露光を行った後、1.5%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて25℃、1分間現像した。水でリンスし、乾燥して石英板上にパターンを形成した。得られたパターン付き石英板を10mW/cm2の紫外線で60秒間照射した。その後ホットプレート上、150℃で10分間加熱してパターンをメルトフローさせマイクロレンズを形成した。
実施例1〜8及び比較例1〜2
下記表1に示す配合処方に従って各成分を攪拌容器内に仕込み、室温で3時間攪拌することにより、高屈折率の硬化膜を与える液状樹脂組成物を製造した。尚、表1の配合処方は、重量部で示してある。
下記表1に示す配合処方に従って各成分を攪拌容器内に仕込み、室温で3時間攪拌することにより、高屈折率の硬化膜を与える液状樹脂組成物を製造した。尚、表1の配合処方は、重量部で示してある。
表1中に記載の各成分の詳細は以下の通りである:
1)被覆酸化チタン粒子分散液−1(製造例1)
2)非被覆酸化チタン粒子分散液−1(製造例2)
3)非被覆酸化チタン粒子分散液−2(製造例3)
4)メラミン化合物(三井サイテック(株)製サイメル303)
5)熱硬化触媒(三井サイテック(株)製キャタリスト4050)
6)界面活性剤―1(大日本インキ(株)製メガファックF−470)
7)界面活性剤―2(共栄社化学工業(株)製ポリフローNo.90)
8)界面活性剤―3(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製SH28PA)
9)ポリビニルブチラール樹脂(電気化学工業(株)製デンカブチラール#2000−L)
10)乳酸エチル
11)プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)
12)n−ブタノール
13)メチルイソブチルケトン(MIBK)
1)被覆酸化チタン粒子分散液−1(製造例1)
2)非被覆酸化チタン粒子分散液−1(製造例2)
3)非被覆酸化チタン粒子分散液−2(製造例3)
4)メラミン化合物(三井サイテック(株)製サイメル303)
5)熱硬化触媒(三井サイテック(株)製キャタリスト4050)
6)界面活性剤―1(大日本インキ(株)製メガファックF−470)
7)界面活性剤―2(共栄社化学工業(株)製ポリフローNo.90)
8)界面活性剤―3(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製SH28PA)
9)ポリビニルブチラール樹脂(電気化学工業(株)製デンカブチラール#2000−L)
10)乳酸エチル
11)プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)
12)n−ブタノール
13)メチルイソブチルケトン(MIBK)
[高屈折率膜]
上記表1に記載の硬化性組成物について、高屈折率硬化膜を作製し評価した。
1)高屈折率材料の塗布性評価
各実施例及び比較例で調製した高屈折率の硬化性組成物を、マイクロレンズ付き基板上にスピンコーター(MIKASA社製1H−360S型)を用いて塗布した。スピンコーターの回転条件は、300rpmで5秒回転させた後に、さらに2000rpmで20秒回転させた。次いで、オーブンを用いて、120℃、10分の条件で加熱し、膜厚約0.1μmの高屈折率硬化膜をマイクロレンズ上に形成した。得られた高屈折率膜を有するマイクロレンズ付き基板を以下の基準で目視評価した。
◎:基板全体に塗布ムラ、風紋、スジ等が全く無く、均一塗布されている。
○:基板のごく一部に塗布ムラ等があるものの全体的に均一に塗布されている。
△:基板の半分以上に塗布ムラ、風紋、スジがある。
×:基板全体に塗布ムラ、風紋、スジがある。
上記表1に記載の硬化性組成物について、高屈折率硬化膜を作製し評価した。
1)高屈折率材料の塗布性評価
各実施例及び比較例で調製した高屈折率の硬化性組成物を、マイクロレンズ付き基板上にスピンコーター(MIKASA社製1H−360S型)を用いて塗布した。スピンコーターの回転条件は、300rpmで5秒回転させた後に、さらに2000rpmで20秒回転させた。次いで、オーブンを用いて、120℃、10分の条件で加熱し、膜厚約0.1μmの高屈折率硬化膜をマイクロレンズ上に形成した。得られた高屈折率膜を有するマイクロレンズ付き基板を以下の基準で目視評価した。
◎:基板全体に塗布ムラ、風紋、スジ等が全く無く、均一塗布されている。
○:基板のごく一部に塗布ムラ等があるものの全体的に均一に塗布されている。
△:基板の半分以上に塗布ムラ、風紋、スジがある。
×:基板全体に塗布ムラ、風紋、スジがある。
2)硬化膜の屈折率
各実施例及び比較例で調製した高屈折率の硬化性組成物を、4インチシリコンウェハー上にスピンコーター(MIKASA社製1H−360S型)を用いて塗布した。スピンコーターの回転条件および硬化条件は、前記と同様にして行った。
得られたシリコンウェハー上の各高屈折率硬化膜について、エリプソメーターを用いて、25℃での波長589nmにおける屈折率(nD 25)を測定した。
評価結果を表1に示す。
各実施例及び比較例で調製した高屈折率の硬化性組成物を、4インチシリコンウェハー上にスピンコーター(MIKASA社製1H−360S型)を用いて塗布した。スピンコーターの回転条件および硬化条件は、前記と同様にして行った。
得られたシリコンウェハー上の各高屈折率硬化膜について、エリプソメーターを用いて、25℃での波長589nmにおける屈折率(nD 25)を測定した。
評価結果を表1に示す。
[反射防止積層体]
1)高屈折率膜の形成
表1に示した各実施例及び比較例で調製した高屈折率の硬化性組成物を、製造例9で得たマイクロレンズ付き基板にスピンコーター(MIKASA社製1H−360S型)を用いて塗布した。スピンコーターの回転条件は、300rpmで5秒回転させた後に、さらに2000rpmで20秒回転させた。次いで、オーブンを用いて、120℃、10分の条件で加熱し、膜厚約0.1μmの高屈折率硬化膜をマイクロレンズ上に形成した。
1)高屈折率膜の形成
表1に示した各実施例及び比較例で調製した高屈折率の硬化性組成物を、製造例9で得たマイクロレンズ付き基板にスピンコーター(MIKASA社製1H−360S型)を用いて塗布した。スピンコーターの回転条件は、300rpmで5秒回転させた後に、さらに2000rpmで20秒回転させた。次いで、オーブンを用いて、120℃、10分の条件で加熱し、膜厚約0.1μmの高屈折率硬化膜をマイクロレンズ上に形成した。
2)低屈折率膜の形成
上記で得られた高屈折率膜を有するマイクロレンズ付き基板に、製造例5で得られた低屈折率の硬化性組成物を、ディップコート装置を用いて塗布した。基板をディップ層に10秒間浸漬後、300mm/分の一定速度で引き上げた。次いで、オーブンを用いて、120℃、1時間の条件で加熱し、膜厚約0.1μmの低屈折率硬化膜を高屈折率膜上に形成した。
上記で得られた高屈折率膜を有するマイクロレンズ付き基板に、製造例5で得られた低屈折率の硬化性組成物を、ディップコート装置を用いて塗布した。基板をディップ層に10秒間浸漬後、300mm/分の一定速度で引き上げた。次いで、オーブンを用いて、120℃、1時間の条件で加熱し、膜厚約0.1μmの低屈折率硬化膜を高屈折率膜上に形成した。
このようにして、図3に示す反射防止積層体を形成したマイクロレンズを作製した。
このマイクロレンズについて、反射防止積層体の性能を以下の方法により評価した。
1)積層体の反射防止性評価
反射防止用積層体付きマイクロレンズ基板の裏面を黒色スプレーで塗装し、分光反射率測定装置(大型試料室積分球付属装置150−09090を組み込んだ自記分光光度計U−3410、日立製作所(株)製)により、波長340〜700nmの範囲で反射率をマイクロレンズ側から測定して評価した。具体的には、アルミの蒸着膜における反射率を基準(100%)として、各波長における反射防止用積層体(反射防止膜)の反射率を測定し、そのうち波長550nmにおける光の反射率から、反射防止性を、以下の基準で評価した。
◎:反射率が0.5%以下である。
○:反射率が1.0%以下である。
△:反射率が1.5%以下である。
×:反射率が1.5%以上である。
このマイクロレンズについて、反射防止積層体の性能を以下の方法により評価した。
1)積層体の反射防止性評価
反射防止用積層体付きマイクロレンズ基板の裏面を黒色スプレーで塗装し、分光反射率測定装置(大型試料室積分球付属装置150−09090を組み込んだ自記分光光度計U−3410、日立製作所(株)製)により、波長340〜700nmの範囲で反射率をマイクロレンズ側から測定して評価した。具体的には、アルミの蒸着膜における反射率を基準(100%)として、各波長における反射防止用積層体(反射防止膜)の反射率を測定し、そのうち波長550nmにおける光の反射率から、反射防止性を、以下の基準で評価した。
◎:反射率が0.5%以下である。
○:反射率が1.0%以下である。
△:反射率が1.5%以下である。
×:反射率が1.5%以上である。
2)積層体の透明性評価
反射防止用積層体付きマイクロレンズ基板の濁度(Haze値)を、カラーヘイズメーターを用いて測定し、以下の基準で評価した。
○:Haze値が2%以下である。
△:Haze値が3%以下である。
×:Haze値が5%以上である。
3)積層体の基材密着性評価
反射防止用積層体付きマイクロレンズ基板上に6cmのセロハンテープを3cm(持ちしろ3cm)接着させ、手で瞬間的に剥がした。セロハンテープの剥離面を以下の基準で目視評価した。
○:変化なし。
△:一部に積層体の剥離が確認できる。
×:積層体が全体的に剥離している。
反射防止用積層体付きマイクロレンズ基板の濁度(Haze値)を、カラーヘイズメーターを用いて測定し、以下の基準で評価した。
○:Haze値が2%以下である。
△:Haze値が3%以下である。
×:Haze値が5%以上である。
3)積層体の基材密着性評価
反射防止用積層体付きマイクロレンズ基板上に6cmのセロハンテープを3cm(持ちしろ3cm)接着させ、手で瞬間的に剥がした。セロハンテープの剥離面を以下の基準で目視評価した。
○:変化なし。
△:一部に積層体の剥離が確認できる。
×:積層体が全体的に剥離している。
4)積層体の耐光性評価
反射防止用積層体付きマイクロレンズ基板の反射率を、分光反射率測定装置(大型試料室積分球付属装置150−09090を組み込んだ自記分光光度計U−3410、日立製作所(株)製)で測定して評価した。具体的には、アルミの蒸着膜における反射率を基準(100%)として、各波長における硬化膜の反射率を測定し、さらに硬化膜に対して、QUV促進耐候試験機(Q−Panel社製)を用いて、150時間紫外線を照射した後、同様に反射率を測定して、以下の基準で評価した。
○:耐光性試験前後で、反射率曲線の最低反射率の波長シフトが、−50nm以下、又は最高反射率値の減少が1%以下である。
×:耐光性試験前後で、反射率曲線の最低反射率の波長シフトが、−100nm以下、又は最高反射率値の減少が2%以下である。
反射防止用積層体付きマイクロレンズ基板の反射率を、分光反射率測定装置(大型試料室積分球付属装置150−09090を組み込んだ自記分光光度計U−3410、日立製作所(株)製)で測定して評価した。具体的には、アルミの蒸着膜における反射率を基準(100%)として、各波長における硬化膜の反射率を測定し、さらに硬化膜に対して、QUV促進耐候試験機(Q−Panel社製)を用いて、150時間紫外線を照射した後、同様に反射率を測定して、以下の基準で評価した。
○:耐光性試験前後で、反射率曲線の最低反射率の波長シフトが、−50nm以下、又は最高反射率値の減少が1%以下である。
×:耐光性試験前後で、反射率曲線の最低反射率の波長シフトが、−100nm以下、又は最高反射率値の減少が2%以下である。
5)積層体の耐擦傷性評価
反射防止用積層体付きマイクロレンズ基板を、学振式試験機を用いて、カーゼで100回擦り試験を行った。カーゼの荷重は100gとした。擦り試験後の表面を以下の基準で目視評価した。
◎:擦り面の全体に傷無し。
○:擦り面のごく一部に傷が発生するも、全体的に傷無し。
△:擦り面の一部に傷あり。
×:擦り面全体に傷あり。
以上の評価項目について、評価結果を表1に示す。
反射防止用積層体付きマイクロレンズ基板を、学振式試験機を用いて、カーゼで100回擦り試験を行った。カーゼの荷重は100gとした。擦り試験後の表面を以下の基準で目視評価した。
◎:擦り面の全体に傷無し。
○:擦り面のごく一部に傷が発生するも、全体的に傷無し。
△:擦り面の一部に傷あり。
×:擦り面全体に傷あり。
以上の評価項目について、評価結果を表1に示す。
実施例1〜8で用いたアルミナ及びジルコニア被覆酸化チタンはいずれも優れた耐光性を有する屈折率1.89以上の硬化膜を与えた。しかしながら、比較例1〜2で用いられた非被覆酸化チタンでは、十分な耐光性が得られず、実用性に乏しい。これは酸化チタン特有の光反応性に由来するもので、非被覆酸化チタン粒子以外の有機マトリックスが、該粒子の光作用により硬化膜の非可逆的な光学特性変化を起こしたものと考えられる。しかし、実施例で用いられた無機酸化物等で被覆された酸化チタン粒子は、有機マトリックスに及ぼす光作用が完全に抑制され、実用的な耐光性を有していることが判明した。実施例1〜3において用いられた界面活性剤1〜3は、実施例4と比較して反射防止性等の光学特性を維持したまま、塗布性を改良できることを示している。
実施例4〜6では、有機溶剤として乳酸エチルやPGME、n−ブタノールのような高沸点溶剤を用いることで良好な塗布性が得られることが解る。実施例8では同様に高沸点溶剤としてMIBKを用いているが、実施例4〜6より塗布性が劣っている。従って、実施例4〜6に例示された溶剤種が特に塗布性に有用であることを示している。また、実施例7では水酸基含有化合物としてブチラール樹脂を添加することで基材との密着性と反射防止積層体の耐擦傷性を改善できることを示している。この効果はブチラール樹脂の水酸基と基材または低屈折率材料の水酸基と反応可能な官能基が成膜過程において化学的な結合を形成し、層界面が強化されたことに起因している。
本発明のマイクロレンズ反射防止膜用硬化性組成物は、屈折率が高く、耐光性に優れた硬化膜を与え、しかも塗工性もよい。また、本発明のマイクロレンズ反射防止用積層体は、空気媒体とマイクロレンズとの屈折率差に起因するレンズ表面での光の反射を抑制できるため、マイクロレンズの光線透過率を向上させることができる。従って、ファクシミリ、電子複写機、固体撮像素子等オンチップカラーフィルターの結像光学系あるいは光ファイバーコネクタの光学系等のマイクロレンズに好適に使用できる。特に、固体撮像素子の感光部に入射する光量を増加できることから、固体撮像素子用のマイクロレンズに好適に使用できる。
1、1’ 反射防止用積層体
11 高屈折率膜
12 低屈折率膜
13 ハードコート層
2 マイクロレンズ
3 石英基板
11 高屈折率膜
12 低屈折率膜
13 ハードコート層
2 マイクロレンズ
3 石英基板
Claims (10)
- (A)ケイ素、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、スズ、アンチモン及び亜鉛からなる群から選択される一以上の金属元素の酸化物で被覆された酸化チタン粒子100重量部と、
(B)硬化性化合物1〜300重量部と、
(C)硬化触媒0.1〜60重量部と
を含有するマイクロレンズ反射防止膜用硬化性組成物。 - 前記(B)硬化性化合物が、メラミン化合物である請求項1に記載のマイクロレンズ反射防止膜用硬化性組成物。
- さらに、(D)有機溶媒を100〜10000重量部含有する請求項1又は2に記載のマイクロレンズ反射防止膜用硬化性組成物。
- 前記(D)有機溶媒が、直鎖または分岐した炭素数4〜6を有する単官能アルコール類、下記式(1)で表される化合物及び下記式(2)で表される化合物からなる群から選択される1種以上の溶媒を有機溶媒全体量の50重量%以上含む請求項1〜3のいずれかに記載のマイクロレンズ反射防止膜用硬化性組成物。
R2−(O−R1)n−O−R3 ・・・(1)
[式中、R1は−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−又は−CH(CH3)CH2−であり、R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基及びCH3CO−であり、nは1〜2である。]
CH3CH(OH)−COO−R4 (2)
[式中、R4は、それぞれ独立に、直鎖または分岐した炭素数1〜5のアルキル基である。] - さらに、(E)水酸基含有化合物0.1〜150重量部を含有する請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロレンズ反射防止膜用硬化性組成物。
- さらに、(F)界面活性剤0.0001〜10重量部を含有する請求項1〜5のいずれかに記載のマイクロレンズ反射防止膜用硬化性組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化させてなる屈折率が1.60以上のマイクロレンズ反射防止膜用硬化膜。
- 請求項7に記載の硬化膜と、これより低屈折率の硬化膜とを有するマイクロレンズ用反射防止積層体。
- 前記低屈折率の硬化膜が、含フッ素重合体を含む組成物の硬化体である請求項8に記載のマイクロレンズ用反射防止積層体。
- 前記低屈折率の硬化膜が、下記成分を含む組成物の硬化体である請求項8又は9に記載のマイクロレンズ用反射防止用積層体。
(G)水酸基を有する含フッ素重合体
(H)水酸基と反応し得る官能基を有する硬化性化合物
(C)硬化触媒(ただし、請求項1〜6に記載の硬化性組成物中に含まれる硬化触媒と同一種である必要はない。)
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