JP2008214495A - 固体撮像素子用硬化性組成物及びそれを用いた固体撮像素子 - Google Patents

固体撮像素子用硬化性組成物及びそれを用いた固体撮像素子 Download PDF

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周一 菅原
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宜康 篠原
Hideaki Takase
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Abstract

【課題】一液型としてもポットライフが長い固体撮像素子用硬化性組成物、及びそれを用いた高屈折率の固体撮像素子用硬化膜を提供する。
【解決手段】(A)水酸基含有含フッ素重合体、(B)下記一般式(b−1)又は(b−2)で示される構造を有し、フッ素を含有しない化合物
Figure 2008214495

、(D)放射線の照射により酸を発生する化合物及び(E)有機溶剤を含有し、かつ、組成物全量を100重量%としたときに、酸及び熱酸発生剤の含有量が0.01重量%未満である固体撮像素子用硬化性組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、固体撮像素子用硬化性組成物及びそれを用いた固体撮像素子用硬化膜に関する。
ファクシミリ、電子複写機、固体撮像素子等のオンチップカラーフィルターの結像光学系あるいは光ファイバーコネクタの光学系材料として、3〜100μm程度のレンズ径を有するマイクロレンズ、又はそれらのマイクロレンズを規則的に配列したマイクロレンズアレイが使用されている。
マイクロレンズは、外部からの光を、固体撮像素子等の感光部に集光する機能を有するレンズであるが、近年の素子の高集積化により、素子のサイズが小さくなっており、1つの素子に入射する光量は減少する傾向にある。そのため、素子に入射する光を損失なく感光部に集光させること(集光率の向上)が課題となっている。
この課題に対して、例えば、マイクロレンズの表層に反射防止膜を形成し、空気媒体とレンズとの屈折率変化に起因する光の反射を抑制することが検討されている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、従来の低屈折率層形成用のフッ素材料では、塗布したときのハジキ、ムラ等により膜厚ムラが生じ、均一な画像が得られないという問題があった。また、固体撮像素子等のマイクロレンズでは、カメラレンズから入射する光の強度が大きいと、カメラレンズ、リッドガラスを透過した光の一部が、カラーフィルタ表面で反射し、その光がリッドガラスで再度反射して固体撮像素子に入り、映像に映る、フレアという現象が生じることが問題となっている。
上記問題に対して、固体撮像素子に平坦化層を設けることにより上記課題を解決しようとする技術が知られている(特許文献2〜4)。固体撮像素子に用いられる平坦化層としては、集光用のマイクロレンズ間の受光部平坦化層(特許文献2)、光電変換を行う受光部の表面を平坦化する受光部平坦化層(特許文献4)、受光部平坦化層上に形成されるカラーフィルタ上に形成されるカラーフィルタ平坦化層(特許文献3)等が挙げられる。
しかし、平坦化層は液状硬化性樹脂組成物をスピンコート方等により塗布した後これを硬化せしめて製造されるものであるところ、従来の平坦化層に用いられた材料では、屈折率が十分に低くないため、フレアを効果的に防止することが困難であり、集光率を十分に向上させることができないという問題があった。また、液状組成物を塗布した際のハジキや塗布ムラを生じやすく、このため平坦化層の膜厚を均一にすることが困難であり、その結果、均一な光透過性を付与する上で問題があった。
上記問題点の他、従来の平坦化層形成用組成物はポットライフが短いため二液型の製品となっており、また、熱酸発生剤を用いて一液型にすると、貯蔵安定性が悪く、時間の経過と共に粘度が変化し、これを用いて一定のスピン回転数でスピンコート塗布を行うと膜厚が一定にならないという問題があった。
特開平4−223371号公報 特開平06−232379号公報 特開平06−204441号公報 特開2001−308300号公報
本発明は、一液型としてもポットライフが長い固体撮像素子用硬化性組成物、及びそれを用いた高屈折率の固体撮像素子用硬化膜を提供することを目的とする。
さらに、スピンコート法による塗布性、硬化性にも優れ、屈折率が低く、耐溶剤性、パターニング性にも優れた硬化膜が得られる固体撮像素子用硬化性組成物、及びそれを用いた高屈折率の固体撮像素子用硬化膜を提供することも目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意検討した結果、水酸基含有含フッ素重合体、特定構造を有する架橋性化合物に、放射線の照射により酸を発生する化合物を加えて一液型の組成物とすることにより、ポットライフも大幅に向上され、得られる硬化膜の特性も熱酸発生剤による場合と同等であることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、下記の固体撮像素子用硬化性組成物、それからなる硬化膜、硬化膜の製造方法及び固体撮像素子が提供される。
1.下記成分(A)、(B)、(D)及び(E):
(A)水酸基含有含フッ素重合体
(B)下記一般式(b−1)又は(b−2)で示される構造を有し、フッ素を含有しない化合物
Figure 2008214495
(式(b−1)及び(b−2)中、R21、R23、R25は炭素数1〜4のアルキレン基又は炭素数1〜4のアルキリデン基を示し、R22、R24、R26は水素又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
(D)放射線の照射により酸を発生する化合物
(E)有機溶剤
を含有し、かつ、組成物全量を100重量%としたときに、酸及び熱酸発生剤の含有量が0.01重量%未満である固体撮像素子用硬化性組成物。
2.下記成分(C)〜(E):
(C)水酸基及び下記一般式(c−1)又は(c−2)で示される構造を有する含フッ素重合体
Figure 2008214495
(式(c−1)及び(c−2)中、R27、R29、R31は炭素数1〜4のアルキレン基又は炭素数1〜4のアルキリデン基を示し、R28、R30、R32は水素又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
(D)放射線の照射により酸を発生する化合物
(E)有機溶剤
を含有し、かつ、組成物全量を100重量%としたときに、酸及び熱酸発生剤の含有量が0.01重量%未満である固体撮像素子用硬化性組成物。
3.前記(D)放射線の照射により酸を発生する化合物の配合量が、組成物全量を100重量%としたときに、0.01〜2重量%の範囲内である上記1又は2に記載の固体撮像素子用硬化性組成物。
4.前記(A)水酸基含有含フッ素重合体が、下記式(1)で表される構造単位(a)、下記式(2)で表される構造単位(b)及び下記式(3)で表される構造単位(c)を含有し、
構造単位(a)、(b)及び(c)を、これらの合計100モル%に対して(a)20〜70モル%、(b)5〜70モル%及び(c)5〜70モル%の割合で含有する、上記1又は3に記載の固体撮像素子用硬化性組成物。
(a)下記一般式(1)で表される構造単位
(b)下記一般式(2)で表される構造単位
(c)下記一般式(3)で表される構造単位
Figure 2008214495
[一般式(1)中、R1はフッ素原子、フルオロアルキル基、又は−OR2で表される基(R2はアルキル基、又はフルオロアルキル基を示す)を示す]
Figure 2008214495
[一般式(2)中、R3は水素原子又はメチル基を、R4はアルキル基、−(CH2)x−OR5若しくは−OCOR5で表される基(R5はアルキル基、又はグリシジル基を、xは0又は1の数を示す)、カルボキシル基、又はアルコキシカルボニル基を示す]
Figure 2008214495
[一般式(3)中、R6は水素原子、又はメチル基を、R7は水素原子、又はヒドロキシアルキル基を、vは0又は1の数を示す]
5.前記(A)水酸基含有含フッ素重合体が、前記構造単位(a)、(b)及び(c)の合計100モル部に対して、下記構造単位(e)を0.1〜5モル部含む上記4に記載の固体撮像素子用硬化性組成物。
(e)下記一般式(5)で表される構造単位
Figure 2008214495
[一般式(5)中、R18は下記式(6)で示される基を示す]
Figure 2008214495
[一般式(6)中、nは1〜20の数、mは0〜4の数、uは3〜50の数を示す]
6.前記(B)の化合物が、アルコキシメチル化メラミン化合物である上記1及び3〜5のいずれかに記載の固体撮像素子用硬化性組成物。
7.前記成分(D)放射線の照射により酸を発生する化合物が、p−トルエンスルホン酸誘導体からなる群から選択される一種以上の化合物である上記1〜6のいずれかに記載の固体撮像素子用硬化性組成物。
8.前記(C)一般式(c−1)又は(c−2)で示される構造を有する含フッ素重合体が、前記(A)水酸基含有含フッ素重合体と前記(B)の化合物とを架橋させて得られる上記2、3、6及び7のいずれかに記載の固体撮像素子用硬化性組成物。
9.前記(E)有機溶剤が、ケトン類及びエステル類からなる群から選択される一以上の溶剤を含むものである上記1〜8のいずれかに記載の固体撮像素子用硬化性組成物。
10.上記1〜9のいずれかに記載の固体撮像素子用硬化性組成物を硬化させてなる、Na−D線の屈折率が1.45以下の固体撮像素子用硬化膜。
11.上記10に記載の硬化膜からなる平坦化層。
12.上記10に記載の硬化膜からなるマイクロレンズ用反射防止膜。
13.上記1〜9のいずれかに記載の固体撮像素子用硬化性組成物をスピンコート法により塗布して該組成物の塗布膜を形成した後に、放射線を照射して該塗布膜を硬化せしめる工程を有する上記6に記載の固体撮像素子用硬化膜の製造方法。
14.受光部、上記10に記載の硬化膜、マイクロレンズを含む固体撮像素子。
本発明の固体撮像素子用硬化性組成物は、一液化が可能であり、ポットライフも大幅に向上されている。
本発明の固体撮像素子用硬化性組成物は、低屈折率でハジキ、塗布むらが無く、特にスピンコート法による塗布性に優れているため、均一な硬化層を形成することができる。
本発明の固体撮像素子用硬化性組成物を硬化させて得られ硬化膜は、低屈折率で、透明性に優れている。
本発明の硬化膜にはパターニング性も付与でき、任意の形状の低屈折率膜が形成可能になった。
本発明の固体撮像素子用硬化性組成物から形成された硬化膜を有する固体撮像素子は、固体撮像素子等のマイクロレンズで問題となるフレアが有効に防止され、集光率が向上する。
以下、本発明について詳細に説明する。
図1に示すように、一般に、固体撮像素子1は、CCD基板2上に設けられたフォトダイオード3、ハレーション防止層4、カラーレジスト層5、平坦化層6及びマイクロレンズ7を有している。平坦化層6は、本発明の固体撮像素子用硬化性組成物を硬化させて得られる硬化膜からなる。
ここで、本発明でいう、「平坦化層」とは、図1に示すようなマイクロレンズ7とカラーレジスト層5の間に設けられるもの(6a;カラーフィルタ平坦化層ともいう。)のみでなく、図2(a)に示すようなマイクロレンズ7を覆う形態のもの(6b;マイクロレンズ間の受光部平坦化層ともいう)、図2(b)に示すようなハレーション防止層4とカラーレジスト層との間に設けられるもの(6c;受光部平坦化層ともいう)をも含む概念である。
本発明のマイクロレンズ用反射防止膜は、図3に示すように、少なくともマイクロレンズ24表面に、本発明の組成物から得られた硬化膜である低屈折率膜22を有する反射防止膜20である。低屈折率層22は、本発明の光硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる硬化膜からなる。
尚、本発明において、マイクロレンズとは、マイクロレンズアレイ(マイクロレンズを複数形成した基板)を含む意味で使用している。
I.固体撮像素子用硬化性組成物
本発明の固体撮像素子用硬化性組成物(以下、本発明の組成物という)は、
(A)水酸基含有含フッ素重合体
(B)一般式(b−1)又は(b−2)で示される構造を有する化合物
(D)放射線の照射により酸を発生する化合物
(E)有機溶剤
を必須成分として含有するか、又は
(C)一般式(c−1)又は(c−2)で示される構造を有する含フッ素重合体
(D)放射線の照射により酸を発生する化合物
(E)有機溶剤
を必須成分として含有することを特徴とする。
以下、各成分について説明する。
(A)水酸基含有含フッ素重合体
本発明で用いる(A)水酸基含有含フッ素重合体は、少なくとも下記構造単位(a)、(b)及び(c)の共重合体であることが好ましい。また、これらの構造単位の合計100モル%に対して(a)20〜70モル%、(b)5〜70モル%及び(c)5〜70モル%の割合で含有することが好ましい。
[1]構造単位(a)
構造単位(a)は、下記一般式(1)で表される構造単位である。
Figure 2008214495
[一般式(1)中、R1はフッ素原子、フルオロアルキル基、又は−OR2で表される基(R2はアルキル基、又はフルオロアルキル基を示す)を示す]
上記一般式(1)において、R1及びR2のフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロシクロヘキシル基等の炭素数1〜6のフルオロアルキル基が挙げられる。また、R2のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。
構造単位(a)は、含フッ素ビニル単量体を重合成分として用いることにより導入することができる。このような含フッ素ビニル単量体としては、少なくとも1個の重合性不飽和二重結合と、少なくとも1個のフッ素原子とを有する化合物であれば特に制限されるものではない。このような例としてはテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン等のフルオロレフィン類;アルキルパーフルオロビニルエーテル又はアルコキシアルキルパーフルオロビニルエーテル類;パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、(プロピルビニルエーテル)、パーフルオロ(ブチルビニルエーテル)、パーフルオロ(イソブチルビニルエーテル)等のパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)類;パーフルオロ(プロポキシプロピルビニルエーテル)等のパーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)類の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
これらの中でも、ヘキサフルオロプロピレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)又はパーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)がより好ましく、これらを組み合わせて用いることがさらに好ましい。
尚、構造単位(a)の含有率は、水酸基含有含フッ素重合体中の構造単位(a)、(b)及び(c)の合計を100モル%としたときに、20〜70モル%である。この理由は、含有率が20モル%未満になると、本発明が意図するところのフッ素含有材料の光学的特徴である、低屈折率の発現が困難となる場合があるためであり、一方、含有率が70モル%を超えると、水酸基含有含フッ素重合体の有機溶剤への溶解性、透明性、又は基材への密着性が低下する場合があるためである。
また、このような理由により、構造単位(a)の含有率を、構造単位(a)、(b)及び(c)の合計を100モル%としたときに、25〜65モル%とするのがより好ましく、30〜60モル%とするのがさらに好ましい。
[2]構造単位(b)
構造単位(b)は、下記一般式(2)で表される構造単位である。
Figure 2008214495
[一般式(2)中、R3は水素原子又はメチル基を、R4はアルキル基、−(CH2)x−OR5若しくは−OCOR5で表される基(R5はアルキル基、又はグリシジル基を、xは0又は1の数を示す)、カルボキシル基、又はアルコキシカルボニル基を示す]
一般式(2)において、R4又はR5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ラウリル基等の炭素数1〜12のアルキル基が挙げられ、アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等が挙げられる。
構造単位(b)は、上述の置換基を有するビニル単量体を重合成分として用いることにより導入することができる。このようなビニル単量体の例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテルもしくはシクロアルキルビニルエーテル類;エチルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル等のアリルエーテル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(n−プロポキシ)エチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸類等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
尚、構造単位(b)の含有率は、水酸基含有含フッ素重合体中の構造単位(a)、(b)及び(c)の合計を100モル%としたときに、5〜70モル%である。この理由は、含有率が5モル%未満になると、水酸基含有含フッ素重合体の有機溶剤への溶解性が低下する場合があるためであり、一方、含有率が70モル%を超えると、水酸基含有含フッ素重合体の透明性、及び低反射率性等の光学特性が低下する場合があるためである。
また、このような理由により、構造単位(b)の含有率を、水酸基含有含フッ素重合体中の構造単位(a)、(b)及び(c)の合計を100モル%としたときに、5〜65モル%とするのがより好ましく、5〜60モル%とするのがさらに好ましい。
[3]構造単位(c)
構造単位(c)は、下記一般式(3)で表される構造単位である。
Figure 2008214495
[一般式(3)中、R6は水素原子、又はメチル基を、R7は水素原子、又はヒドロキシアルキル基を、vは0又は1の数を示す]
一般式(3)において、R7のヒドロキシアルキル基としては、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、5−ヒドロキシペンチル基、6−ヒドロキシヘキシル基が挙げられる。
構造単位(c)は、水酸基含有ビニル単量体を重合成分として用いることにより導入することができる。このような水酸基含有ビニル単量体の例としては、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル等の水酸基含有ビニルエーテル類、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテル等の水酸基含有アリルエーテル類、アリルアルコール等が挙げられる。
また、水酸基含有ビニル単量体としては、上記以外にも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等を用いることができる。
尚、構造単位(c)の含有率を、水酸基含有含フッ素重合体中の構造単位(a)、(b)及び(c)の合計を100モル%としたときに、5〜70モル%とすることが好ましい。この理由は、含有率が5モル%未満になると、水酸基含有含フッ素重合体の有機溶剤への溶解性が低下する場合があるためであり、一方、含有率が70モル%を超えると、水酸基含有含フッ素重合体の透明性、及び低反射率性等の光学特性が低下する場合があるためである。
また、このような理由により、構造単位(c)の含有率を、水酸基含有含フッ素重合体中の構造単位(a)、(b)及び(c)の合計を100モル%としたときに、5〜65モル%とするのがより好ましく、5〜60モル%とするのがさらに好ましい。
[4]構造単位(d)
また、水酸基含有含フッ素重合体は、さらに上記構造単位(d)を含んで構成することも好ましい。構造単位(d)は、下記一般式(4)で示される構造単位である。
Figure 2008214495
[一般式(4)中、R10〜R13は水素原子、アルキル基、又はシアノ基を示し、R14〜R17は水素原子又はアルキル基を示し、p、qは1〜6の数、s、tは0〜6の数、yは1〜200の数を示す。]
構造単位(d)は、下記式(7)で示されるアゾ基含有ポリシロキサン化合物を用いることにより導入することができる。
Figure 2008214495
[一般式(7)中、R10〜R13、R14〜R17、p、q、s、t、及びyは、上記一般式(4)と同じであり、zは1〜20の数である。]
本発明において、上記一般式(7)で表されるアゾ基含有ポリシロキサン化合物としては、下記一般式(8)で表される化合物が特に好ましい。
Figure 2008214495
[一般式(8)中、y及びzは、上記一般式(7)と同じである。]
尚、構造単位(d)の含有率を、水酸基含有含フッ素重合体中の構造単位(a)、(b)及び(c)の合計100重量部に対して、0.1〜10重量部とすることが好ましい。この理由は、含有率が0.1重量部未満になると、硬化後の塗膜の表面滑り性が低下し、塗膜の耐擦傷性が低下する場合があるためであり、一方、含有率が10重量部を超えると、水酸基含有含フッ素重合体の透明性に劣り、コート材として使用する際に、塗布時にハジキ等が発生し易くなる場合があるためである。
また、このような理由により、構造単位(d)の含有率を、水酸基含有含フッ素重合体中の構造単位(a)、(b)及び(c)の合計100重量部に対して、0.5〜8重量部とするのがより好ましく、0.5〜6重量部とするのがさらに好ましい。
[5]構造単位(e)
また、水酸基含有含フッ素重合体は、さらに上記構造単位(e)を含んで構成することも好ましい。構造単位(e)は、下記一般式(5)で示される構造単位である。
Figure 2008214495
[一般式(5)において、R18は、下記一般式(6)で表される基を示す。]
Figure 2008214495
[一般式(6)中、nは1〜20の数、mは0〜4の数、uは3〜50の数を示す]
構造単位(e)は、反応性乳化剤を重合成分として用いることにより導入することができる。このような反応性乳化剤としては、下記一般式(9)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2008214495
[一般式(9)中、n、m、及びuは、上記一般式(6)と同様である]
尚、構造単位(e)の含有率を、水酸基含有含フッ素重合体中の構造単位(a)、(b)及び(c)の合計100重量部に対して、0.1〜30重量部とすることが好ましい。この理由は、含有率が0.1重量部以上になると、水酸基含有含フッ素重合体の溶剤への溶解性が向上し、一方、含有率が30重量部以下であれば、硬化性組成物の粘着性が過度に増加せず、取り扱いが容易になり、コート材等に用いても耐湿性が低下しないためである。
また、このような理由により、構造単位(e)の含有率を、水酸基含有含フッ素重合体中の構造単位(a)、(b)及び(c)の合計100重量部に対して、0.5〜25重量部とするのがより好ましく、1〜20重量部とするのがさらに好ましい。
[6]分子量
水酸基含有含フッ素重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下「GPC」という。)で、テトラヒドロフラン(以下「THF」という。)を溶剤として測定したポリスチレン換算数平均分子量が5,000〜500,000であることが好ましい。この理由は、数平均分子量が5,000未満になると、水酸基含有含フッ素重合体の機械的強度が低下する場合があるためであり、一方、数平均分子量が500,000を超えると、後述する硬化性組成物の粘度が高くなり、薄膜コーティングが困難となる場合がるためである。
また、このような理由により、水酸基含有含フッ素重合体のポリスチレン換算数平均分子量を10,000〜500,000とするのがより好ましく、10,000〜100,000とするのがさらに好ましい。
本発明の組成物中における成分(A)の配合量は、組成物全量を100重量%としたときに、通常1〜40重量%、好ましくは5〜20重量%である。成分(A)の配合量が1重量%未満であると、屈折率が高くなってしまうおそれがあり、40重量%を超えると、硬化性が低下するおそれがある。
(B)式(b−1)又は(b−2)で示される構造を有する化合物
本発明の組成物においては、硬化性化合物として、下記式(b−1)又は(b−2)で示される構造を有する化合物を用いる。
Figure 2008214495
式(b−1)及び(b−2)中、R21、R23、R25は炭素数1〜4のアルキレン基又は炭素数1〜4のアルキリデン基を示し、好ましくはメチレン基である。R22、R24、R26は水素又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、好ましくはメチル基である。
上記式(b−1)又は(b−2)で示される構造を有する化合物としては、メラミン化合物、尿素化合物、ベンゾグアナミン化合物、グリコールウリル化合物等が挙げられ、メラミン化合物が好ましい。硬化性化合物として、メラミン化合物を用いることにより、硬化性組成物の保存安定性を向上させることができる。また、比較的低温、例えば、200℃以下での短時間硬化が可能となる。
メラミン化合物は、一般にトリアジン環に窒素原子が結合した骨格を有する化合物として知られているものであり、具体的には、メラミン、アルキル化メラミン、メチロールメラミン、アルコキシ化メチルメラミン等を挙げることができるが、1分子中にメチロール基及びアルコキシ化メチル基のいずれか一方又は両方を合計で2個以上有するものが好ましい。具体的には、メラミンとホルムアルデヒドとを塩基性条件下で反応させて得られるメチロール化メラミン、アルコキシ化メチルメラミン、又はそれらの誘導体が好ましく、特に本発明の組成物に良好な保存安定性が得られる点、及び良好な反応性が得られる点で、アルコキシ化メチルメラミンが好ましい。硬化性化合物として用いられるメチロール化メラミン及びアルコシ化メチルメラミンには特に制限はなく、例えば、文献「プラスチック材料講座[8]ユリア・メラミン樹脂」(日刊工業新聞社)に記載されている方法で得られる各種の樹脂状物の使用も可能である。
メラミン化合物としては、分子内にメチロール基及びアルコキシ化メチル基又はいずれか一方を2個以上有するメラミン化合物が最も好ましい。また、これらのメラミン化合物のうちでも、ヘキサメチルエーテル化メチロールメラミン化合物、ヘキサブチルエーテル化メチロールメラミン化合物、メチルブチル混合エーテル化メチロールメラミン化合物、メチルエーテル化メチロールメラミン化合物、ブチルエーテル化メチロールメラミン化合物等のメチル化メラミン化合物がより好ましい。
上記一般式(b−1)又は(b−2)で示される構造を有する化合物の例としては、サイメル300、301、303、350、370、771、325、327、703、712、272、202、207、212、253、254、506、508、1123、1123−10、1128、1170、1172、1141、1125−80、マイコート102、105、106、130(いずれも三井サイテック製)等が挙げられる。
本発明の組成物中における成分(B)の配合量は、組成物全量を100重量%としたときに、通常1〜10重量%、好ましくは2〜5重量%、より好ましくは3〜4重量%である。成分(B)の配合量が1重量%未満であると、硬化膜の硬化性が不十分になるおそれがあり、10重量%を超えると、屈折率が1.45以上まで上昇してしまうおそれがある。
(C)一般式(c−1)又は(c−2)で示される構造を有する含フッ素重合体
本発明で用いる成分(C)は、水酸基及び下記式(c−1)又は(c−2)で示される構造を有する含フッ素重合体であり、前述した成分(A)及び(B)の反応生成物であることが好ましい。
成分(A)及び(B)の反応生成物である成分(C)を用いることによって、塗工性の向上と膜厚調整が容易になることの利点が得られる。
Figure 2008214495
式(c−1)及び(c−2)中、R27、R29、R31は炭素数1〜4のアルキレン基又は炭素数1〜4のアルキリデン基を示し、好ましくはメチレン基である。R28、R30、R32は水素又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、好ましくはメチル基である。
前述の成分(A)と(B)との反応は、次のように行うことができる。
例えば、(A)水酸基含有含フッ素重合体を溶解させた有機溶剤の溶液に成分(B)の化合物を添加し、適宜の時間加熱、攪拌等により反応系を均一化させながら反応させる。この反応のための加熱温度は、好ましくは30〜150℃の範囲であり、さらに好ましくは50〜120℃の範囲である。この加熱温度が30℃未満では、反応の進行が極めて遅く、150℃を超えると、目的とする反応の他に、成分(B)の化合物中のメチロール基やアルコキシ化メチル基同士の反応による橋掛け反応が生じてゲルが生成するので、好ましくない。反応の進行は、メチロール基又はアルコキシ化メチル基を赤外分光分析等により定量する方法、あるいは溶解している重合体を再沈殿法によって回収して、その増加量を測定することにより、定量的な確認を行うことができる。
また、(A)水酸基含有含フッ素重合体と成分(B)の化合物との反応には、有機溶剤、例えば、(A)水酸基含有含フッ素重合体の製造において用いられる有機溶剤と同じもの用いることが好ましい。本発明においては、このようにして得られる、(A)水酸基含有含フッ素重合体と成分(B)の化合物による反応溶液を、そのまま本発明の組成物の溶液として用いることもできるし、必要に応じて各種の添加剤を配合した上で使用することもできる。
本発明の組成物中における成分(C)の配合量は、組成物全量を100重量%としたときに、通常1〜30重量%、好ましくは5〜25重量%、より好ましくは10〜20重量%である。成分(C)の配合量が1重量%未満であると、硬化不足になるおそれがあり、30重量%を超えると、塗膜の均一性が低下するおそれがある。
(D)放射線の照射により酸を発生する化合物
本発明で用いる重合開始剤は、放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、光酸発生剤ということがある)である。従来は、加熱によって酸を発生する化合物(熱酸発生剤)が用いられており、これを含有する組成物を常温で保存した場合であっても、重合反応が生じてしまい、ポットライフが短かった。光酸発生剤を用いる本発明では、放射線を照射するまでは重合反応は開始されないため、ポットライフが大幅に向上し、一液型とすることが可能となった。
尚、熱酸発生剤に代えて光酸発生剤を用いた場合、得られる硬化膜の特性は熱酸発生剤を用いた場合と同等である。
また、光酸発生剤を用いることにより、パターニング性も付与することが可能となり、任意の形状の硬化膜を形成することができるようになった。
本発明で用いる光酸発生剤としては、特に限定されないが、例えば、p−トルエンスルホン酸誘導体、メタンスルホン酸、トリフルロメタンスルホン酸、等が挙げられ、これらのうち、p−トルエンスルホン酸誘導体が好ましい。
p−トルエンスルホン酸誘導体の市販品の例としては、PAI−101、DPI−105、DPI−109、DPI−201、MPI−105、MPI−106、MPI−109、BBI−105、BBI−106、BBI−109、BBI−201、BBI−301、TPS−105、TPS−109、MDS−105、MDS−109、MDS−205、NAT−105、NDS−105、NDS−155、NDS−165、MBZ−101、MBZ−201、MBZ−301、PYR−100、DNB−101、NB−101、NB−201、SI−100、SI−101、SI−105、SI−106、PI−105、NDI−101、NDI−105NAI−100、NAI−1002、NAI−1003、NAI−1004、NAI−101、NAI−105、NAI−106、PAI−101(以上、みどり化学社製);SP−095、SP−080、SP−082、SP−083、SP−084、SP−090、SP−063、IP−019、N−1919、SP−062(以上、旭電化社製)等が挙げられる。
本発明の組成物中における成分(D)の配合量は、組成物全量を100重量%としたときに、通常0.01〜2重量%の範囲内であり、0.01〜1重量%の範囲内であることがより好ましい。成分(D)の配合量が、0.01重量%未満であるとであると、得られる硬化膜の膜強度、耐溶剤性、パターニング性が低下するおそれがあり、2重量%を超えると、得られる硬化膜の外観が悪化したり、パターニング性が損なわれるおそれがある。
尚、成分(D)は、不純物として微量の酸(光酸発生剤の分解物)を含有している場合がある。組成物中に酸や熱酸発生剤が一定量以上存在すると、保存状態においても反応が起こってしまう。
そのため、本発明の組成物は、組成物全量を100重量%としたときに、酸及び熱酸発生剤の合計量が0.01重量部未満であることが必要であり、0.005重量%以下であることが好ましく、0.001重量%以下であることがより好ましい。酸及び熱酸発生剤の合計量を0.01重量%以上含有した場合、保存安定性が低下し、一液型とすることはできず、ポットライフの改善も見られない。
(E)有機溶剤
有機溶剤は、通常、前記(A)水酸基含有含フッ素重合体の製造に用いた溶剤、あるいは(A)水酸基含有含フッ素重合体と(B)の化合物との反応に用いた溶剤による溶液として得られ、従って、通常は、そのままで溶剤を含有するものであるが、本発明の組成物の塗布性等を改善すること、その他の目的で、別途溶剤を添加し、配合することができる。
また、本発明の組成物に含有される好ましい溶剤としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、アセトン等のケトン類、メトキシプロピルアセテート、乳酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、sec−ブタノール、t−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼン、クロロベンゼン、フェノール等の芳香族類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類を挙げることができる。これらの溶剤の中でケトン類、アルコール類、エステル類が特に好ましい。
本発明の組成物中における成分(E)の配合量は、組成物全量を100重量%としたときに、通常50〜95重量%であり、70〜90重量%が好ましく、80〜90重量%がより好ましい。
(F)添加剤
本発明の組成物には、当該組成物の塗布性及び硬化後の薄膜の物性の改善や、塗膜に対する感光性の付与等を目的として、例えば、水酸基を有する種々のポリマーやモノマー、顔料又は染料等の着色剤、老化防止剤や紫外線吸収剤等の安定化剤、界面活性剤、重合禁止剤、溶剤、シリカを主成分とする中空粒子、シリカを主成分とする中実粒子等の各種の添加剤を含有させることができる。
(i)水酸基を有するポリマー
本発明の組成物に配合することができる水酸基を有するポリマーとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有共重合性単量体を共重合して得られるポリマー、ノボラック樹脂又はレゾール樹脂として公知のフェノール骨格を有する樹脂等を挙げることができる。
(ii)顔料又は染料等の着色剤
本発明の組成物に配合することができる着色剤としては、例えば、(1)アルミナ白、クレー、炭酸バリウム、硫酸バリウム等の体質顔料;(2)亜鉛華、鉛白、黄鉛、鉛丹、群青、紺青、酸化チタン、クロム酸亜鉛、ベンガラ、カーボンブラック等の無機顔料;(3)ブリリアントカーミン6B、パーマネントレッド6B、パーマネントレッドR、ベンジジンイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の有機顔料;(4)マゼンタ、ローダミン等の塩基性染料;(5)ダイレクトスカーレット、ダイレクトオレンジ等の直接染料;(6)ローセリン、メタニルイエロー等の酸性染料;その他を挙げることができる。
(iii)老化防止剤、紫外線吸収剤等の安定化剤
本発明の組成物に配合することができる老化防止剤、紫外線吸収剤としては、公知のものを使用することができる。
老化防止剤の具体例としては、例えば、ジ−tert−ブチルフェノール、ピロガロール、ベンゾキノン、ヒドロキノン、メチレンブルー、tert−ブチルカテコール、モノベンジルエーテル、メチルヒドロキノン、アミルキノン、アミロキシヒドロキノン、n−ブチルフェノール、フェノール、ヒドロキノンモノプロピルエーテル、4,4′−[1−〔4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル〕エチリデン]ジフェノール、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン、ジフェニルアミン類、フェニレンジアミン類、フェノチアジン、メルカプトベンズイミダゾール等を挙げることができる。
また、紫外線吸収剤の具体例としては、例えば、フェニルサリシレートに代表されるサリチル酸系紫外線吸収剤、ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等の各種プラスチックの添加剤として使用される紫外線吸収剤を利用することができる。
(iv)界面活性剤
本発明の組成物には、当該組成物の塗布性を改善する目的で界面活性剤を配合することができる。この界面活性剤としては、公知のものを使用することができ、具体的には、例えば、各種アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤を利用することができるが、特に、硬化膜が優れた強度を有し、しかも良好な光学特性を有するものとするために、カチオン系界面活性剤を用いることが好ましい。さらには、第4級アンモニウム塩であることが好ましく、その中でも第4級ポリエーテルアンモニウム塩を用いると、埃拭き取り性がさらに改善される点で特に好ましい。第4級ポリエーテルアンモニウム塩であるカチオン系界面活性剤としては、旭電化工業社製アデカコールCC−15、CC−36、CC−42等が挙げられる。界面活性剤の使用割合は、本発明の組成物100重量部に対して、好ましくは5重量部以下である。
次に、本発明の組成物の製造方法を説明する。
本発明の組成物は、(A)水酸基含有含フッ素重合体、成分(B)の化合物、(D)光酸発生剤及び(E)有機溶剤、必要に応じて(F)添加剤をそれぞれ添加して、室温又は加熱条件下で混合することにより調製することができる。
或いは、本発明の組成物は、(C)成分(A)水酸基含有含フッ素重合体と成分(B)の化合物との反応生成物、(D)光酸発生剤及び(E)有機溶剤、必要に応じて(F)添加剤をそれぞれ添加して、室温又は加熱条件下で混合することにより調製することができる。
具体的には、ミキサ、ニーダー、ボールミル、三本ロール等の混合機を用いて、調製することができる。ただし、加熱条件下で混合する場合には、熱重合開始剤の分解開始温度以下で行うことが好ましい。
II.硬化膜及びその製造方法
本発明の固体撮像素子用硬化膜は、上記本発明の組成物を硬化させてなり、屈折率(Na−D線の屈折率、測定温度25℃)が1.45以下、好ましくは1.43〜1.25の範囲内である。屈折率が前記範囲であれば、固体撮像素子の平坦化層として用いた場合、フレアが有効に防止され、集光率が向上し、マイクロレンズ用反射防止膜として用いた場合には、高い反射防止効果が得られる。
本発明の硬化膜は、上記本発明の組成物をコーティングした後、これを硬化させて形成される。このようなコーティング方法としては、ディッピング法、スプレー法、ダイコート法、スリットコート法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、又はインクジェット法等の方法を用いることができるが、スピンコート法が均一な硬化膜が得られ易い点で優れている。
本発明の組成物の硬化条件については特に制限されるものではないが、放射線の露光量を0.01〜10J/cm2の範囲内の値とするのが好ましい。
この理由は、露光量が0.01J/cm2未満となると、硬化不良が生じる場合があるためであり、一方、露光量が10J/cm2を超えると、硬化時間が過度に長くなる場合があるためである。
また、このような理由により、露光量を0.05〜5J/cm2の範囲内の値とするのがより好ましく、0.1〜3J/cm2の範囲内の値とするのがより好ましい。
さらに酸素による重合阻害を防ぐために硬化雰囲気を不活性ガス雰囲気とすることが望ましい。不活性ガスとは、ヘリウム、アルゴン、窒素、二酸化炭素等が挙げられる。これらの不活性ガスの雰囲気としては、残存酸素濃度が5000ppm以下となることが好ましく、さらに好ましくは1000ppm以下、特に好ましくは100ppm以下である。残存酸素濃度が5000ppmを超えると硬化不良が生じることがある。
また、本発明の組成物を、加熱して硬化させる場合には、30〜200℃の範囲内の温度で、1〜180分間加熱するのが好ましい。このように加熱することにより、基材等を損傷することなく、より効率的に耐擦傷性に優れた反射防止膜を得ることができる。
また、このような理由から、50〜180℃の範囲内の温度で、2〜120分間加熱するのがより好ましく、80〜150℃の範囲内の温度で、5〜60分間加熱するのがさらに好ましい。
本発明の硬化膜は、屈折率が非常に低く、膜強度、耐溶剤性に優れている。
III.固体撮像素子
本発明の固体撮像素子は、少なくとも受光部、前記本発明の硬化膜及びマイクロレンズを含む。本発明の固体撮像素子において、本発明の硬化膜は平坦化層及び/又はマイクロレンズ用反射防止膜として機能する。
(1)平坦化層
前述したように、本発明の平坦化層は、(1)マイクロレンズとカラーレジスト層の間に設けられるもの(カラーフィルタ平坦化層)のみでなく、(2)マイクロレンズを覆う形態のもの(マイクロレンズ間の受光部平坦化層)、(3)ハレーション防止層とカラーレジスト層との間に設けられるもの(受光部平坦化層)の全てを含む。
上記(1)の位置に平坦化層を設けることは従来から知られており、この位置に平坦化層を設けることにより、集光率の向上という効果が得られる。
上記(2)の位置に平坦化層を設けることにより、フレアを防止することができる。
上記(3)の位置に平坦化層を設けることにより、集光率の向上という効果が得られる。
(3)マイクロレンズ用反射防止膜
本発明の組成物は、スピンコート性にすぐれているため、マイクロレンズ用反射防止膜形成材料として好適に用いることができる。本発明のマイクロレンズ用反射防止膜は、図3に示すようにマイクロレンズ24表面に、本発明の組成物から得られた硬化膜である低屈折率膜22を有する反射防止膜20である。
低屈折率膜における屈折率(Na−D線の屈折率、測定温度25℃)は、低い程、高屈折率膜と組み合わせた場合に優れた反射防止効果が得られる。低屈折率膜の屈折率は、高屈折率膜の屈折率よりも小さく、具体的には、1.45未満とするのが好ましい。屈折率が1.45を超えると、高屈折率膜と組み合わせた場合に、反射防止効果が著しく低下する場合がある。低屈折率膜の屈折率は、より好ましくは1.43以下であり、さらに好ましくは1.40以下である。
また、低屈折率膜を複数設ける場合には、そのうちの少なくとも一層が上述した範囲内の屈折率の値を有していればよい。従って、その他の低屈折率膜は1.45を超える場合があってもよい。
また、低屈折率膜の厚さについても特に制限されないが、例えば、50〜300nmが好ましい。低屈折率膜の厚さが50nm未満となると、下地としての高屈折率膜に対する密着性が低下する場合がある。一方、厚さが300nmを超えると、光干渉が生じて、反射防止効果が低下する場合がある。低屈折率膜の厚さは、50〜250nmがより好ましく、60〜200nmがさらに好ましい。
尚、より高い反射防止性を得るために、低屈折率膜を複数層設けて多層構造とする場合には、その合計の厚さを50〜300nmとすればよい。
本発明の反射防止膜が形成されるマイクロレンズとしては、ファクシミリ、電子複写機、固体撮像素子等オンチップカラーフィルターの結像光学系あるいは光ファイバーコネクタの光学系等に、一般的に使用されているものであれば、問題なく使用できる。マイクロレンズの製造法としては、例えば、イオン交換法による分布屈折率型平板マイクロレンズを作る方法、感光性ガラスによる凸型マイクロレンズを作る方法、半導体集積回路用ポジ型フォトレジスト等を用いてメルトフロー法による作製法やメルトフローさせた感光性樹脂をマスクにしてドライエッチングにより下地にレンズ形状を転写させる方法等がある。
高屈折率材料や低屈折率材料から、それぞれ高屈折率膜や低屈折率膜を形成する場合、マイクロレンズに対してコーティングすることが好ましい。このようなコーティング方法としては、ディッピング法、スプレー法、スピンコート法又はインクジェット法等の方法を用いることができる。このなかで、スピンコート法やディッピング法が均一な硬化膜が得られやすい点で優れている。
また、高屈折率材料や低屈折率材料を硬化する手段も特に制限されないが、例えば、加熱することが好ましい。その場合、30〜200℃で、1〜180分間加熱するのが好ましい。このように加熱することにより、マイクロレンズや形成される反射防止膜を損傷することなく、より効率的に反射防止性に優れた反射防止用積層体を得ることができる。好ましくは、50〜180℃で、2〜120分間、より好ましくは、80〜150℃で、5〜60分間加熱する。
尚、高屈折率材料や低屈折率材料の硬化程度は、例えば、硬化性化合物としてメラミン化合物を用いた場合は、メラミン化合物のメチロール基又はアルコキシ化メチル基の量を赤外分光分析したり、又は、ゲル化率を、ソックスレー抽出器を用いて測定することにより、定量的に確認することができる。
本発明のマイクロレンズ用反射防止膜は、図3に示す低屈折率膜の他に、各種機能層を含んでいてもよい。例えば、図4に示すように、マイクロレンズ24と高屈折率膜21との間にハードコート層23を介在させてもよい。即ち、マイクロレンズ24上に、ハードコート層23と、高屈折率膜21と、低屈折率膜22とを順次に含む反射防止膜20としてもよい。この場合高屈折率層21を設けることで反射率をさらに低減することができる。また、ハードコート層23を介在させることにより、高屈折率膜21のマイクロレンズ24に対する密着性をより向上させることができる。また、ハードコート層23の機械的特性により、反射防止膜20の耐久性をより向上させることができる。さらに、図5に示すようにハードコート層を設けず、低屈折率層22と高屈折率膜21とで反射防止膜を形成することもできる。この場合、高屈折率膜21がハードコート層の機能を担保しているため、反射防止膜20の構成がシンプルとなり、生産プロセスの簡略化と低コスト化が可能になる。
以下、反射防止膜における高屈折率層とハードコート層について説明する。
また、高屈折率膜を設ける場合、より優れた反射防止効果が得られることから、高屈折率膜と低屈折率膜との間の屈折率差を0.05以上とするのが好ましい。屈折率差が0.05未満となると、これらの反射防止膜層での相乗効果が得られず、却って反射防止効果が低下する場合がある。屈折率差は、0.1〜0.8がより好ましく、0.15〜0.7がさらに好ましい。
次に、高屈折率膜及び低屈折率膜の厚さについて説明する。まず、高屈折率膜の厚さは特に制限されないが、例えば、50〜30,000nmが好ましい。高屈折率膜の厚さが50nm未満となると、低屈折率膜と組み合わせた場合に、反射防止効果やマイクロレンズに対する密着性が低下する場合がある。一方、厚さが30,000nmを超えると、光干渉が生じて、逆に反射防止効果が低下する場合がある。高屈折率膜の厚さは、50〜1,000nmがより好ましく、60〜500nmがさらに好ましい。
また、より高い反射防止性を得るために、高屈折率膜を複数層設けて多層構造とすることもでき、この場合には、複数の高屈折率膜の合計の厚さを50〜30,000nmとすればよい。
尚、高屈折率膜とマイクロレンズとの間にハードコート層を設ける場合には、高屈折率膜の厚さを50〜300nmとすることができる。
ハードコート層は、例えば、SiO、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂等の材料から構成するのが好ましい。
ハードコート層の厚さは特に制限されないが、具体的には、1〜50μmが好ましく、5〜10μmがより好ましい。厚さが1μm未満となると、反射防止膜のマイクロレンズに対する密着性を向上させることができない場合がある。一方、厚さが50μmを超えると、ハードコート層を、均一に形成するのが困難となる場合がある。
(3)固体撮像素子の製造方法
本発明の固体撮像素子を製造する方法について説明する。
本発明の固体撮像素子におけるマイクロレンズを形成する方法について述べる。マイクロレンズ作製用のアルカリ可溶性樹脂を含む放射線硬化性樹脂組成物は、下地基板表面に塗布し、プレベークにより溶媒を除去することによって塗膜とすることができる。塗布方法として、例えばスプレー法、ロールコート法、回転塗布法等の各種の方法を採用することができる。また、プレベークの条件は、各成分の種類、配合割合等によっても異なるが、通常70〜90℃で1〜15分間程度の条件が最適である。次にプレベークされた塗膜に所定パターンマスクを介して紫外線等の放射線を照射し、さらにアルカリ現像液により現像し、不要な部分を除去して所定パターンを形成する。現像方法は液盛り法、ディッピング法、シャワー法等のいずれでもよく、現像時間は通常30〜180秒間である。
上記現像液としては、アルカリ水溶液、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア等の無機アルカリ類;エチルアミン、n−プロピルアミン等の1級アミン類;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の2級アミン類;トリメチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエチルアミン、トリエチルアミン等の3級アミン類;ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の3級アミン類;ピロール、ピペリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等の環状3級アミン類;ピリジン、コリジン、ルチジン、キノリン等の芳香族3級アミン類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウム塩の水溶液を使用することができる。また上記アルカリ水溶液に、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒及び/又は界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
現像後、流水洗浄を30〜90秒間行い、不要な部分を除去し、さらに圧縮空気や圧縮窒素で風乾させることによって、パターンが形成される。形成されたパターンに紫外線等の放射線を照射し、その後このパターンを、ホットプレート、オーブン等の加熱装置により、所定温度、例えば150〜250℃で、所定時間、例えばホットプレート上なら5〜30分間、オーブン中では30〜90分間加熱処理をすることにより、目的とするマイクロレンズであるパターン状塗膜を得ることができる。
高屈折率材料や低屈折率材料から、それぞれ高屈折率膜や低屈折率膜を形成する場合、マイクロレンズに対してコーティングすることが好ましい。このようなコーティング方法としては、ディッピング法、スプレー法、スピンコート法又はインクジェット法等の方法を用いることができる。このなかで、スピンコート法やディッピング法が均一な硬化膜が得られやすい点で優れている。
また、高屈折率材料や低屈折率材料を硬化する手段も特に制限されないが、例えば、加熱することが好ましい。その場合、30〜200℃で、1〜180分間加熱するのが好ましい。このように加熱することにより、マイクロレンズや形成される反射防止膜を損傷することなく、より効率的に反射防止性に優れた反射防止用積層体を得ることができる。好ましくは、50〜180℃で、2〜120分間、より好ましくは、80〜150℃で、5〜60分間加熱する。
尚、高屈折率材料や低屈折率材料の硬化程度は、例えば、硬化性化合物としてメラミン化合物を用いた場合は、メラミン化合物のメチロール基又はアルコキシ化メチル基の量を赤外分光分析したり、又は、ゲル化率を、ソックスレー抽出器を用いて測定することにより、定量的に確認することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の説明において「部」及び「%」は、特に断らない限り、それぞれ重量部及び重量%を示す。
合成例1:水酸基含有含フッ素重合体Aの製造
内容積33リットルの攪拌機付きステンレス製オートクレーブを窒素ガスで十分置換した後、溶剤の酢酸エチル15.0kg、エチルビニルエーテル(EVE)1.512kgと、ヒドロキシエチルビニルエーテル(HEVE)0.792kg、ノニオン性反応性乳化剤として「アデカリアソープNE−30」(旭電化工業株式会社製)1.5kg、重合開始剤の過酸化ラウロイル(LPO)0.0375kgを仕込み、次に、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)4.320kg、パープルオロ(プロピルビニルエーテル)(FPVE)1.596kgを仕込み、昇温を開始した。70℃で20時間反応を継続した時点で、オートクレーブを水冷して反応を停止させた。反応物が室温に達した後、未反応モノマーを放出してオートクレーブを開放し、ポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液をメタノールに投入し、ポリマーを析出させた後、メタノールにて洗浄し、50℃にて真空乾燥を行って、約5kgの水酸基含有含フッ素重合体Aを得た。表1に、この水酸基含有含フッ素重合体Aを得るための単量体の仕込み量を示す。
この水酸基含有含フッ素重合体Aをテトラヒドロフラン(THF)に溶解して調製した0.5%溶液を用いて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによりポリスチレン換算による数平均分子量を求めたところ、45000であった。さらに、アリザリンコンプレクソン法によるフッ素含量を測定した。また、H−NMR、13C−NMRの両NMR分析、元素分析を行い、これらの結果から水酸基含有フッ素含有重合体Aを構成する各単量体成分のモル比を求めた。結果は表2のとおりである
Figure 2008214495
Figure 2008214495
実施例1:固体撮像素子用硬化性組成物の製造
水酸基含有含フッ素重合体A11.5gを、架橋性化合物のメトキシ化メチルメラミン「サイメル303」(三井サイテック株式会社製)3.5gと共に、溶剤のメチル n−アミルケトン46.1g中に溶解し、100℃にて5時間攪拌下で反応させた。反応後、室温まで冷却して、水酸基含有含フッ素重合体Aと架橋性化合物サイメル303との反応生成物である架橋重合体の溶液(C)を得た。
表3に示す配合に従って、先に調製した(C)と、光酸発生剤であるPAI−101(みどり化学社製)0.2g、メチル n−アミルケトン8g、メトキシプロピルアセテート18.0g、乳酸エチル12.7gを混合し、溶解させて硬化性組成物を得た。
実施例2〜4及び比較例1〜4
表3に示す組成とした以外は実施例1と同様にして各硬化性組成物を得た。
評価例1:硬化性組成物の評価
実施例及び比較例で得られた硬化性組成物の下記特性を評価した。結果を表3に示す。
(1)一液化
実施例及び比較例で製造した硬化性組成物を、23±2℃の条件下で1日間保管し、初期粘度からの変化量が±0.5mPa・sの場合を○とし、それ以外の場合を×と評価した。
(2)ポットライフ
実施例及び比較例で製造した硬化性組成物を23±2℃の条件下で14日間保管し、初期粘度からの変化量が±2mPa・sの場合を○とし、それ以外の場合を×と評価した。
評価例2:硬化膜の特性
実施例1〜2で得られた硬化性組成物をシリコンウエハ上にスピンコート塗布して、UVを100mJ/cm照射後、200℃で10分間加熱して硬化膜を形成した。実施例2〜4及び比較例1〜4で得られた硬化性組成物をシリコンウエハ上にスピンコート塗布して、200℃で10分間加熱し硬化膜を形成した。得られた硬化膜について、以下に示す各種物性を測定・評価した。結果を表3に示す。
(a)外観
硬化膜を目視で観察し、塗布欠陥やストリエーションが無く、均一な場合を○とし、それ以外の場合を×と評価した。
(b)屈折率
エリプソメーターを用いて23℃での波長589nmにおける屈折率(n 23)を測定した。
(c)膜強度
硬化膜をベンコットンでラビングし、硬化膜の外観を目視にて観察し、初期と比較して変化があったものを×、変化がなかったものを○と評価した。
(d)耐溶剤性
硬化膜を、23℃にて30分間、アセトンに浸漬した。乾燥した後の硬化膜の外観を目視にて観察し、初期と比較して変化があったものを×、変化がなかったものを○と評価した。
(e)パターニング性
硬化性組成物をシリコンウエハ上にスピンコート塗布して、80℃のホットプレート上で加熱し、マスクアライナーPLA−501F(Canon製)を用い、365nm(光源は高圧水銀ランプ)で、照射光量100mJ/cmで露光した。アセトンで現像処理し、所望のパターンが形成されているか否かを光学顕微鏡で確認した。パターニングが可能な場合を○、それ以外の場合を×と評価した。
Figure 2008214495
表3中の商品名は下記のものを示す。
サイメル303:三井サイテック社製架橋性化合物;メトキシ化メチルメラミン
PAI−101:みどり化学社製光酸発生剤;p−トルエンスルホン酸誘導体
SP−095:アデカ社製光酸発生剤;p−トルエンスルホン酸誘導体
Cat4040:日本サイテック社製酸触媒;p−トルエンスルホン酸IPA溶液
Cat4050:日本サイテック社製熱酸発生剤;p−トルエンスルホン酸アミンブロック体
表3の結果から、酸触媒又は熱酸発生剤を含まず、光酸発生剤を含有する実施例1〜4の硬化性組成物は、一液化及びポットライフに優れていることがわかる。これに対し、光酸発生剤と酸触媒又は熱酸発生剤を併用した比較例1、2、並びに酸触媒又は熱酸発生剤のみを含有した比較例3、4では、一液化及びポットライフに劣ることがわかる。
光酸発生剤の配合量が0.01重量%と少ない実施例3では、硬化膜の特性のうち、外観及び屈折率は良好であるものの、膜強度、耐溶剤性及びパターニング性に劣り、光酸発生剤の添加量が2.0重量%と多い実施例4では、硬化膜の外観、パターニング性が劣っている。これに対し、実施例1、2では、硬化膜の外観、膜強度、耐溶剤性、パターニング性のいずれにも優れていることがわかる。
本発明の固体撮像素子用硬化性組成物は、ポットライフに優れ、一液型とすることができる。
本発明の固体撮像素子用硬化性組成物は、低屈折率でハジキ、塗布むらが無く、特にスピンコート法による塗布性に優れているため、均一な平坦化層、マイクロレンズ用反射防止膜を形成することができる。
本発明の固体撮像素子用硬化性組成物を硬化させて得られる平坦化層は、低屈折率で、透明性及び耐湿熱性に優れている。
本発明の固体撮像素子用硬化性組成物によって形成された平坦化層を有する固体撮像素子は、固体撮像素子等のマイクロレンズで問題となるフレア及び湿熱条件下で問題となるスポットの形成が有効に防止され、集光率、信頼性が向上する。
本発明の平坦化層は、固体撮像素子、CCD、CMOSその他レンズ形状の物品に適用できる。
本発明のマイクロレンズ用反射防止膜は、塗布性に優れ、屈折率が低く、膜強度、耐溶剤性に優れている。
本発明の一実施形態である固体撮像素子の断面図である。 本発明の他の実施形態である固体撮像素子の断面図である。 本発明の一実施形態であるマイクロレンズ用反射防止膜の断面図である。 本発明の他の実施形態であるマイクロレンズ用反射防止膜の断面図である。 本発明の他の実施形態であるマイクロレンズ用反射防止膜の断面図である。
符号の説明
1 固体撮像素子
2 CCD基板
3 フォトダイオード
4 ハレーション防止層
5 カラーレジスト層
6a、6b、6c 平坦化層
7 マイクロレンズ
20 反射防止膜
21 高屈折率層
22 低屈折率層
23 ハードコート層
24 マイクロレンズ

Claims (14)

  1. 下記成分(A)、(B)、(D)及び(E):
    (A)水酸基含有含フッ素重合体
    (B)下記一般式(b−1)又は(b−2)で示される構造を有し、フッ素を含有しない化合物
    Figure 2008214495
    (式(b−1)及び(b−2)中、R21、R23、R25は炭素数1〜4のアルキレン基又は炭素数1〜4のアルキリデン基を示し、R22、R24、R26は水素又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
    (D)放射線の照射により酸を発生する化合物
    (E)有機溶剤
    を含有し、かつ、組成物全量を100重量%としたときに、酸及び熱酸発生剤の含有量が0.01重量%未満である固体撮像素子用硬化性組成物。
  2. 下記成分(C)〜(E):
    (C)水酸基及び下記一般式(c−1)又は(c−2)で示される構造を有する含フッ素重合体
    Figure 2008214495
    (式(c−1)及び(c−2)中、R27、R29、R31は炭素数1〜4のアルキレン基又は炭素数1〜4のアルキリデン基を示し、R28、R30、R32は水素又は炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
    (D)放射線の照射により酸を発生する化合物
    (E)有機溶剤
    を含有し、かつ、組成物全量を100重量%としたときに、酸及び熱酸発生剤の含有量が0.01重量%未満である固体撮像素子用硬化性組成物。
  3. 前記(D)放射線の照射により酸を発生する化合物の配合量が、組成物全量を100重量%としたときに、0.01〜2重量%の範囲内である請求項1又は2に記載の固体撮像素子用硬化性組成物。
  4. 前記(A)水酸基含有含フッ素重合体が、下記式(1)で表される構造単位(a)、下記式(2)で表される構造単位(b)及び下記式(3)で表される構造単位(c)を含有し、
    構造単位(a)、(b)及び(c)を、これらの合計100モル%に対して(a)20〜70モル%、(b)5〜70モル%及び(c)5〜70モル%の割合で含有する、請求項1又は3に記載の固体撮像素子用硬化性組成物。
    (a)下記一般式(1)で表される構造単位
    (b)下記一般式(2)で表される構造単位
    (c)下記一般式(3)で表される構造単位
    Figure 2008214495
    [一般式(1)中、R1はフッ素原子、フルオロアルキル基、又は−OR2で表される基(R2はアルキル基、又はフルオロアルキル基を示す)を示す]
    Figure 2008214495
    [一般式(2)中、R3は水素原子又はメチル基を、R4はアルキル基、−(CH2)x−OR5若しくは−OCOR5で表される基(R5はアルキル基、又はグリシジル基を、xは0又は1の数を示す)、カルボキシル基、又はアルコキシカルボニル基を示す]
    Figure 2008214495
    [一般式(3)中、R6は水素原子、又はメチル基を、R7は水素原子、又はヒドロキシアルキル基を、vは0又は1の数を示す]
  5. 前記(A)水酸基含有含フッ素重合体が、前記構造単位(a)、(b)及び(c)の合計100モル部に対して、下記構造単位(e)を0.1〜5モル部含む請求項4に記載の固体撮像素子用硬化性組成物。
    (e)下記一般式(5)で表される構造単位
    Figure 2008214495
    [一般式(5)中、R18は下記式(6)で示される基を示す]
    Figure 2008214495
    [一般式(6)中、nは1〜20の数、mは0〜4の数、uは3〜50の数を示す]
  6. 前記(B)の化合物が、アルコキシメチル化メラミン化合物である請求項1及び3〜5のいずれか1項に記載の固体撮像素子用硬化性組成物。
  7. 前記成分(D)放射線の照射により酸を発生する化合物が、p−トルエンスルホン酸誘導体からなる群から選択される一種以上の化合物である請求項1〜6のいずれか1項に記載の固体撮像素子用硬化性組成物。
  8. 前記(C)一般式(c−1)又は(c−2)で示される構造を有する含フッ素重合体が、前記(A)水酸基含有含フッ素重合体と前記(B)の化合物とを架橋させて得られる請求項2、3、6及び7のいずれか1項に記載の固体撮像素子用硬化性組成物。
  9. 前記(E)有機溶剤が、ケトン類及びエステル類からなる群から選択される一以上の溶剤を含むものである請求項1〜8のいずれか1項に記載の固体撮像素子用硬化性組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の固体撮像素子用硬化性組成物を硬化させてなる、Na−D線の屈折率が1.45以下の固体撮像素子用硬化膜。
  11. 請求項10に記載の硬化膜からなる平坦化層。
  12. 請求項10に記載の硬化膜からなるマイクロレンズ用反射防止膜。
  13. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の固体撮像素子用硬化性組成物をスピンコート法により塗布して該組成物の塗布膜を形成した後に、放射線を照射して該塗布膜を硬化せしめる工程を有する請求項6に記載の固体撮像素子用硬化膜の製造方法。
  14. 受光部、請求項10に記載の硬化膜、マイクロレンズを含む固体撮像素子。
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