JP2005282998A - 暖房パネルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 断熱材と枠材の隙間・裁断ムダ・未充填部分の発生等の問題を生じることなく、断熱材密度の均一な暖房パネルを簡便に製造する方法を提供すること。
【解決手段】 表面板材の裏面周縁部に枠材を固定し、該枠材によって形成された区画内に面状発熱体を貼着してパネル骨格を形成する工程、パネル骨格と注入ノズルとを相対的に移動させながら枠材により形成された区画内に発泡ポリウレタン原料を注入ノズルより注入する工程およびパネル骨格上に裏面材を積層したのちパネル骨格に圧力を付与しながら発泡ポリウレタン原料を発泡させて発泡ポリウレタン断熱層を形成する工程を含むことを特徴とする暖房パネルの製造方法に関する。
【選択図】なし


Description

本発明は暖房パネル、特に面状発熱体および発泡ポリウレタン断熱材を一体的に組み込んだ床暖房パネルの製造方法に関する。
従来より、面状発熱体および発泡ウレタン断熱材を一体的に組み込んだ暖房パネルとしては、図5の概略断面図に示すように、表面板材51、該表面板材の裏面周縁部に固定される枠材52、表面板材の裏面に当接して配置される面状発熱体53、該面状発熱体の下面に配置される発泡ポリウレタン断熱材54、および全体を裏面から覆うための裏面材55からなる構成を有するのが一般的である。また、表面板材51、枠材52および裏面材55によって形成される領域は所望により仕切材56によって区切られる。
そのような暖房パネルの製造方法として以下に示す方法が知られている。
第1の方法(例えば、特許文献1および特許文献2参照)においては、まず表面板材の裏面側に枠を構成するための枠材を固定する。つづいて、その枠内に面状発熱体を積層接着し、その裏面側から予め成形された発泡プラスチック断熱材を接着する。なお、裏面材は発泡プラスチック断熱材にあらかじめ付与していてもよく、また発泡プラスチック断熱材を接着後に裏面に貼着してもよい。
しかしながら、上記第1の方法は、発泡プラスチック断熱材をあらかじめ枠材の内部に設置できるよう所定形状に裁断するものであり、どうしても枠材との間に隙間が生じ、断熱効果が低下してしまう。さらに、当該裁断による発泡プラスチック断熱材のムダが生じる。また、発泡プラスチック断熱材を接着するための別途接着剤が必要となり、製造工程が煩雑になってしまう。
そこで、発泡前の断熱材用プラスチックを注入し、発泡・固化させる第2の方法が提案されている。第2の方法(例えば、特許文献3参照)においては、図6に示すように、まず表面板材61の裏面に枠材62および仕切材66を固定し、枠材および仕切材によって形成された区画内に載置して、パネル骨格を得る。ここで、図面上、下辺の枠材62aには、発泡前の溶融ポリウレタンを注入するための切欠孔68が設けられている。次いで、下型の成型室内に、パネル骨格を表面板材の裏面が上になるように収容し、枠材の上面に裏面材を載せたのち、前記成型室を、面状発熱体の上方に所要の空間が形成されるように上型により密閉し、該空間部分内に切欠孔より発泡前の溶融ポリウレタンを注入して固化させ、断熱材を形成する。
特開2000-263358号公報 実用新案登録第3077586号公報 特開2002-221330号公報
第2の方法は、発泡前の断熱材用ポリウレタンを注入し、発泡・固化させるものであるため、隙間が生じることがなく、裁断等による材料のムダも生じず、また接着剤を必要としないため製造が非常に容易である。しかしながら、枠材に切欠孔を設け、そこから密閉空間内に注入する方法であるため、以下のような問題点を有する。
(1)断熱材の厚みが30mm以下、特に20mm以下であるような比較的薄いパネルを製造する場合、断熱材密度の均一なパネルができないという問題が生じる。すなわち、断熱材樹脂が発泡し、密閉空間内を充填・進行するとき、空間高さが低すぎると、上下面材からの摩擦抵抗に大きな影響を受け、密閉空間の隅々にまで発泡ポリウレタンが行き渡らなかったり、行き渡ったとしてもムラが生じ、結果として断熱材密度の均一なパネルを製造できないという問題が生じる。
(2)枠材の切欠孔に合わせた発泡機の注入アダプターが必要であると共に、注入位置が切欠孔に固定され、さらには断熱材樹脂注入後、枠材の切欠孔部分を閉塞する必要がある。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、断熱材と枠材の隙間・裁断ムダ・未充填部分の発生等の問題を生じることなく、断熱材の密度が均一な暖房パネル、特に厚みの薄い暖房パネルを容易に製造する方法を提供することを目的とする。
本発明は、表面板材の裏面周縁部に枠材を固定し、該枠材によって形成された区画内に発熱部が位置するよう、面状発熱体を貼着して、パネル骨格を形成する工程、
パネル骨格の枠材固定側を上にして、パネル骨格と注入ノズルとを相対的に移動させながら、枠材により形成された区画内に発泡ポリウレタン原料を注入ノズルより注入する工程、および
発泡ポリウレタン原料が注入されたパネル骨格上に枠材固定側から裏面材を積層したのち、該裏面材を介してパネル骨格に圧力を付与しながら、発泡ポリウレタン原料を発泡させて、密度40〜100kg/m、独立気泡率90%以上の発泡ポリウレタン断熱層を形成する工程
を含むことを特徴とする暖房パネルの製造方法に関する。
本発明の方法は、あらかじめ成形した断熱材を枠材の中に貼り付ける方法のように枠材と断熱材との間に隙間が発生することがなく、また実施が容易である。また裏面材を積層した後の密閉空間に注入する方法に比べ、断熱材の密度のバラツキが顕著に少なく、未充填部分の発生がない。さらに、面状発熱体と表面板材とが全面接着されると、発泡ポリウレタン原料の侵入の恐れがなく、また表面板材と面状発熱体との隙間から生じる歩行感の低下も生じない。
(パネル骨格の形成工程)
本発明の暖房パネルの製造方法においては、まず、図2に示すように、表面板材1の裏面周縁部に枠材(2a〜2e)を固定し、該枠材によって形成された区画内における表面板材裏面に面状発熱体3を貼着して、パネル骨格を形成する。本発明においては区画(表面板材)の大きさに応じて、表面板材裏面の任意の位置に、図2に示すように、仕切材6を1本又は複数本固定し、区画を区切っても良い。仕切材を使用し、表面板材裏面を複数区画に分ける場合は、図2に示すように仕切材を固定した後で区画ごとに面状発熱体3を貼着しても良いし、または仕切材固定前の区画内に、後で詳述するような、複数の面状発熱体が絶縁樹脂シートに挟持されてなる1枚の面状発熱体シートを貼着しておき、その上から仕切材を固定するようにしてもよい。
表面板材はパネルの床面側(パネル施工時において上面側)にあたる部材であり、いわゆる床材(例えばフローリング材、ベニヤ板)又は板状部材(例えば、合板、木質繊維板、単板積層板等の木質板、金属板材、合成樹脂製板材)等から構成される。板状部材の表面に予め床材を積層したものを用いてもよい。なお、板状部材を用いる場合、実際の床施工においては、この暖房パネルの施工後、さらにフローリング材、ベニヤ板、カーペットその他が敷設されることが多い。通常使用される表面板材の厚みとしては、1〜15mm程度が好適である。
表面板材の寸法は製造される暖房パネルの寸法を決定するので、当該パネルの取扱い性および施工効率等を考慮して適宜決定されればよい。
表面板材の形状は特に制限されず、表面板材はそのままの長方形状あるいは正方形状等で使用されてよいが、通常、面状発熱体3の配線コード7を連結するためのコネクタ(図示せず)をパネル施工後において表面板材側から調整できるように、図2に示すような凹部10を有している。
枠材および仕切材の固定手段は特に制限されず、例えば、釘、ビス、タッカー等であってよいが、枠材および仕切材と表面板材および面状発熱体との間隙への発泡ポリウレタン原料の侵入を防ぐ観点から、接着剤・粘着テープ等を併用して間隙が生じないようにすることが好ましい。
枠材および仕切材は通常木質材料で形成されるが、表面板材との上記固定手段が有効な材料であれば材質は特に限定しない。木質材料以外としては、合成樹脂製材料も使用可能である。
枠材および仕切材の断面寸法は特に制限されないが、本発明において枠材および仕切材は、それらの断面形状における長辺(幅方向の辺)が表面板材等と接触するように使用され、また断面形状における短辺(厚み方向の辺)が発泡断熱層の厚みを決定するので、特に、枠材および仕切材の厚みは発泡ポリウレタン断熱層の厚みが後述する範囲内になるような大きさとする。枠材および仕切材の幅は通常、10〜50mm程度が好ましい。
また枠材には発泡時の内圧上昇を防止するための空気抜き孔が設けられる。空気抜き孔は通常、枠材および所望により仕切材で形成された区画の各コーナー部分に2個程度設けられる。例えば、表面板材裏面側周縁部の枠材によって形成される区画を仕切材により区切らない場合は通常、合計で4個以上、特に8個以上の空気抜き孔が設けられることが好ましい。また例えば、表面板材裏面側周縁部の枠材によって形成される区画を仕切材により区切る場合において、1本の仕切材にて2区画に区切る場合は合計で8箇所以上、2本の仕切材にて3区画に区切る場合は合計で10箇所以上が好適である。図2のパネル骨格における空気抜き孔の好ましい位置を矢印で示した。空気抜き孔をもたない場合、特にコーナー部分に空気だまりが生じてしまい、発泡ポリウレタン断熱層の充填性が非常に悪くなる。未充填部分の存在は、暖房パネルとしてみた場合の、断熱性能を損なうこととなる。空気抜き孔の直径は1〜5mm程度であるが、あまり大きいと発泡ポリウレタンの漏れが多くなり、あまり小さいと発泡ポリウレタンによる詰まりを起こし、空気抜き性能が落ちる。好ましい直径は1.5〜3.5mmである。さらに、空気抜き孔には不織布、軟質プラスチック片等の通気性を有するプラスチック漏れ防止材を内側から付与しておいてもよい。
また枠材および仕切材には通常、それらの一部をカットしたり、孔や溝を設けたりして、面状発熱体3の配線コード7をパネル外部に誘導するための誘導路が確保されている(図2参照)。
面状発熱体は表面板材の裏面側に貼着される。暖房効率の観点から、面状発熱体は粘着テープ、両面テープ、接着剤、粘着剤等の貼着手段によって貼着面の少なくとも周縁部において貼着されればよい。面状発熱体が貼着面の周縁部のみで貼着されていると、貼着面の中央部において面状発熱体と表面板材との間に隙間が生じ、歩行感の低下につながるので、面状発熱体貼着面の全面で貼着が達成されることが最も好ましい。また面状発熱体が貼着面の周縁部のみで粘着されていると、貼着が不十分であった場合、面状発熱体と表面板材との間に、後から注入される発泡ポリウレタン原料が入り込み、暖房効率が低下するおそれがあるので、やはり全面において貼着が達成されていることが好ましい。
面状発熱体は、発熱機能を有するものであれば何ら限定されるものではない。好ましくは、過熱を防止することが可能であるPTC特性を備えたものであるが、そのような特性がなく、面状発熱体裏面側に温度測定装置を取り付けたようなものであっても何ら差し支えない。面状発熱体は少なくとも表面板材との接触面、通常は両面が絶縁樹脂シートで被覆されている。絶縁樹脂としては、電気絶縁特性を有するものであれば特に制限されず、例えば、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などが挙げられる。またさらに、アルミシート等を被覆したものなどを使用してもよい。面状発熱体が絶縁シート等にて被覆されていると、木質板との接着性があまりよいものではない。したがって、接着剤、粘着剤等の手段により面状発熱体の全面を表面板材裏面に接着することが好ましい。接着剤、粘着剤は面状発熱体表面の絶縁シート等の材質及び表面板材の材質から適宜接着性の良好なものを選択すればよい。
面状発熱体を、複数の面状発熱体が絶縁樹脂シートに挟持されてなる面状発熱体シートの形態で使用すると、該面状発熱体シートを表面板材の裏面に貼着した後で、その上から仕切材を固定することができ、複数の面状発熱体を使用・配置する必要がないので、製造効率が向上する。そのような面状発熱体シートの具体例として、例えば、図4に示すものが挙げられる。図4は面状発熱体シートの上面見取り図を示し、該シートは3つの面状発熱体3が絶縁樹脂シートによって挟持されてなものであり、図2に示すような3つの区画を有するパネル骨格を製造するのに適している。図4において面状発熱体間には樹脂シートのみの部分16が存在し、当該部分に仕切材が固定されるため、仕切材の固定手段によって面状発熱体が損傷しないようになっている。
(発泡ポリウレタン原料の注入工程)
パネル骨格を形成した後は、パネル骨格の枠材固定側を上にして、パネル骨格と注入ノズルとを相対的に移動させながら、各区画ごとに発泡ポリウレタン原料を注入ノズルより吐出・注入する。相対移動は、注入ノズルからの発泡ポリウレタン原料の吐出時においてパネル骨格または注入ノズルの少なくとも一方を移動させることによって、結果として骨格パネル上において発泡ポリウレタン原料が撒布されればよい。詳しくは、パネル骨格と注入ノズルとのどちらを動かしても、または両方ともに移動させても良いが、生産ライン上での製造容易性の観点からは、少なくとも注入ノズルを移動させるようにすることが好ましい。注入は、区画内をなるべく満遍なく、発泡原料を撒くのが最も好ましいが、限られた注入時間において、区画内に満遍なく原液を撒くのは時間的に困難であることから、本発明においては区画の長手方向に対して平行に注入ノズルを移動させることが好ましい。すなわち、枠材および仕切材で形成された区画は、上面から見て略長方形状であることが多いので、その長方形状の長手方向に注入ノズルを移動させる。その際、所定の注入量の吐出が注入ノズルの片道移動で完了する場合は、例えば、図3(A)に示すように注入ノズルを矢印11の方向において該矢印の始点から終点まで片道移動させながら注入を行う。このとき注入ノズルの片道移動距離は、本発明の目的が達成される限り特に制限されるものではないが、当該区画の長手方向長さに対して60〜95%、特に70〜95%となるような長さであることが好ましい。一方、所定の注入量の吐出が注入ノズルの片道移動で完了しない場合は、注入ノズルを所定の折り返し点において逆方向に戻り移動させ、結果として往復移動させながら注入を行う。このとき注入ノズルの往復移動距離は本発明の目的が達成される限り特に制限されないが、移動開始点から折り返し点までの距離が、当該区画の長手方向長さに対して、上記片道移動距離の好ましい割合と同様の範囲内になるような長さであることが好ましい。
発泡ポリウレタン原料の注入は各区画ごとに独立して行われる。例えば、図3(A)に示すように注入ノズルを矢印11に従って片道移動しながら注入を行う場合は、当該注入が終わった後で、順次、矢印12および13に従って、それぞれの区画で片道移動しながら注入を行っても良いし、または注入ノズルを矢印11に従って片道移動させると同時に、他の区画においても矢印11と同様の方向で別の注入ノズルを片道移動させて、注入を行っても良い。
本発明においては上記のようにパネル骨格と注入ノズルとを相対的に移動させながら各区画内に発泡ポリウレタン原料を注入ノズルより吐出・注入するので、発泡充填距離が短くなる。そのため、区画内のコーナー部における未充填空間の発生を防ぐことができるとともに、上下面材との摩擦に影響を受けることなく密度の均一性を確保できる。ここで、発泡充填距離とは発泡時に原料が体積増加によって区画内コーナー部に到達するまでの距離を意味するものとする。
パネル骨格と注入ノズルとを相対的に移動させないと、パネル骨格内の区画の1点に原料を注入するのみとなり、その後の発泡充填性が悪く、区画のコーナー部分に未充填の部分が生じ、さらには発泡充填距離が長いため、上下面材との摩擦により密度の不均一部分が生じる。
一方、発泡ポリウレタン原料の注入に際して、当該原料は発泡機内で混合されて、注入ノズルより前記のような吐出速度で吐出されればよい。発泡機は注入ノズルに連結可能であれば特に制限されず、例えば、高圧発泡機などが使用可能である。注入ノズルは、パネル骨格に対して上記のような相対的移動を行うことができれば、特に制限されるものではないが、コンピュータ制御等によって2次元的に、好ましくは3次元的に移動可能なものが望ましい。
発泡ポリウレタン断熱材は、水酸基(OH基)とイソシアネート基との反応を主として形成される、いわゆる硬質ウレタンフォームであり、一般的に硬質ウレタンフォームの定義に含められるイソシアヌレートフォームも含む概念である。前記水酸基(OH基)を有するポリオール等成分原料とイソシアネート基を有するイソシアネート成分原料とを、発泡機において混合することにより発泡・硬化がなされるものである。発泡ウレタン断熱材は、断熱性に優れるうえ、自己接着性を有するため、注入原液の発泡硬化により表面板材と裏面材とが一体的に形成される。
本発明において発泡ポリウレタン原料は発泡剤として通常、フロン系発泡剤、塩素系発泡剤(例えばCH2Cl2)、低沸点炭化水素系発泡剤(例えば、ペンタン)、水等を含む。これらの中で特に耐熱性と成形性の観点から水のみを発泡剤として含むことが好ましい。
また発泡ポリウレタン原料は、製造効率の観点から、発泡が約3分〜15分後、特に、5分〜10分後に完了するように調製されたものを使用することが好ましい。
(原料の発泡工程)
パネル骨格に発泡ポリウレタン原料を注入した後は、速やかに当該パネル骨格上に枠材固定側から裏面材を積層したのち、該裏面材を介してパネル骨格に圧力を付与しながら、発泡ポリウレタン原料を発泡させて発泡ポリウレタン断熱層を形成する。
裏面材としては、特に限定するものではなく、例えば、合板、木質繊維板、単板積層板、金属板材および合成樹脂製板材等の硬質ボード材、ならびにクラフト紙、アルミシート、アルミクラフトシートおよび合成樹脂ラミネートクラフト紙等の軟質シート材が挙げられる。本発明においては、暖房パネルにおける軽量性および取扱い性の観点から、軟質シート材が好ましく、特にアルミシート、アルミクラフトシートがより好ましい。さらにシワによる外観低下をより有効に防止する観点から、軟質シート材は凹凸加工、特にエンボス加工が施されていることが最も好ましい。
裏面材が軟質シート材の場合、単に載置したのみではシート材のたわみにより、発泡時に裏面材にシワが発生するという新たな問題が生じ、商品価値および外観が低下してしまう。発泡によって原料の落下位置からその周りに向かって体積増加する原料と、区画を構成する枠材や仕切材との衝突によって折り返してくる原料とが混ざり合うとき、裏面材から表面板材への方向の原料の流れが生じ、その流れに裏面材が引っ張られ、巻き込まれるため、シワが発生すると考えられる。本発明においては、そのようなシワの発生を防止するために、裏面材にテンションを付与するか、または裏面材を補助板材に貼り付けておく等の措置を施しておけばよい。たとえシワがわずかに発生したとしても、上記のように軟質シート材としてアルミシート、アルミクラフトシートを使用すること、または/および軟質シート材に凹凸加工、特にエンボス加工を施すことによって、外観低下をより有効に防止できる。凹凸加工、特にエンボス加工を施したアルミシートまたはアルミクラフトシートを使用すると、最も有効に外観低下を防止できる。
裏面材を補助板材に貼り付けておく場合には、例えば、図3(B)に示すように、裏面材5を補助板材20に貼り付け、当該補助板材20を裏面材5側を下にしながら枠材2の上に積層し、該裏面材を介してパネル骨格に圧力を付与すればよい。図3(B)は原料の発泡工程途中の概略断面図であり、当該図における14は発泡途中の発泡ポリウレタン原料を示す。なお、図3(B)における図2と同様の符号は図2と同様の部材を示すため、説明を省略する。
パネルに付与される圧力は、原料の発泡によって発泡体が裏面材と枠材および仕切材との間に入り込まない範囲内であれば特に制限されない。
固化が完了した後は、圧力を解除して本発明の暖房パネルを得ることができる。本発明の暖房パネルの一例の概略断面構成図を図1に示す。図1における図2と同様の符号は図2と同様の部材を示すため、説明を省略する。4は前記断熱層、5は前記裏面材を示す。
本発明の暖房パネルにおける発泡ポリウレタン断熱層4は厚みが1〜30mm、好ましくは5〜30mm、より好ましくは5〜20mmであり、当該厚みは枠材および仕切材の厚みおよび必要により面状発熱体の厚みを調整することによって制御可能である。なお、断熱層の厚みは面状発熱体が存在する位置での厚みを意味するものとする。本発明においてはこのように断熱層の厚みを薄くしても、発泡時において、発泡体は上下面材からの摩擦抵抗に大きな影響を受けることがないので、断熱層コーナー部分において未充填部分が発生せず、均一な密度の断熱層を得ることができる。しかも、断熱層4と枠材2cおよび仕切材6との間に隙間は生じない。
発泡ポリウレタン断熱層4は、密度が平均で40〜100kg/m、特に50〜85kg/mであり、独立気泡率が平均で90%以上、特に95%以上である。密度がより低い場合、厚みの薄いパネルにおいては充填性能が悪化し、未充填部分の発生のおそれがある。さらに強度的にも好ましくない。密度がより高い場合、本発明のように注入後に裏面材を積層する方法では、発泡圧に耐えることが出来ず、発泡ウレタンが枠外に漏れるおそれが高い。特にパネル厚みが薄く、裏面材に軟質シート材を使用する場合、枠外に漏れる可能性が高い。さらに密度を高くした場合、断熱性能が悪化する。しかも、パネル内における密度のバラツキが少ない。独立気泡率が90%未満の場合、特に断熱層の厚みが5〜15mmのような薄い場合、強度低下を生じる。また断熱性能も低下する。なお、上記発泡ポリウレタン断熱層密度は、製品パネルからウレタンを切りだして、測定したときの密度である。いわゆるフリー発泡させた場合の密度は、上記密度よりも低い。
本発明において密度は、JIS A−9511の記載に基づく値を用いている。独立気泡率は、ASTM D−2856の記載に基づく値を用いている。
本発明の暖房パネルは、家屋や倉庫や車体における床暖房パネル、壁暖房パネル等、特に家屋の床暖房パネルとして有用である。
構成部材として以下のものを用いた。
表面板材:木質合板(長さ1820mm、幅910mm、厚み3mm)
枠材および仕切材:各種長さの木質合板(幅25mm、厚み9mm)
面状発熱体:ポリエチレン樹脂により被覆されたもの、長さ1700mm、幅250mm、厚み0.6mm)
発泡ポリウレタン原料:2成分系発泡ウレタン原料(クララフォーム−R;倉敷紡績株式会社製、フリー発泡密度30Kg/m
裏面材:エンボス加工されたアルミクラフトシート
まず、図2に示すようなパネル骨格(全長1820mm、全幅910mm)を作製した。すなわち、外周縁が図2に示す斜線部の外周になるような形状にカットした表面板材1の裏面に、枠材(2a〜2e)および仕切材6を図2に示すような配置で固定した。固定は、枠材および仕切材の表面板材との接触面に予め両面テープを貼着しておき、当該テープにて表面板材と枠材および仕切材との接着を行った後、表面板材の表面からタッカーを打つことにより行った。なお、枠材2dおよび仕切材6における枠材2a側の端部の一部に溝を設けることにより、面状発熱体3の配線コード7を通すための誘導路を確保した。枠材にはあらかじめ空気抜き孔として直径2mmの穴を開けておいた。詳しくは各区画のコーナー(図2上矢印で示す位置)に合計18箇所の空気抜き孔を付与しておいた。面状発熱体3を枠材および仕切材で囲まれた区画内に貼着した。面状発熱体3は合成ゴム系接着剤を全面に塗布し、表面板材1の裏面に押圧して接着した。接着後は乾燥を行い、図2に示すようなパネル骨格を得た。
次いで、パネル骨格を、パネル骨格の枠材固定側(図2の紙上、表側)が上になるよう水平治具の上に載置し、注入ノズルを移動させながら、該注入ノズルより発泡ウレタン原料を、枠材および仕切材により形成された区画内に注入した。詳しくは、高圧発泡機により混合した発泡ウレタン原料を3次元移動可能な注入ノズルより吐出させつつ、該注入ノズルを図3(A)に示すように矢印11に従って移動させることにより、発泡ウレタン原料を注入した。注入ノズルの移動距離は約1500mm、移動時間は約2秒である。なお、注入ノズルは移動しているときのみ、原料を吐出するようになっている。さらに、注入ノズルを図3(A)に示す矢印12および13に従って移動させること以外、上記と同様の注入操作を繰り返した。
原料の注入作業完了後、裏面材を積層した。裏面材はアルミクラフトシートであって、可撓性を有するため、図3(B)に示すように、当該シート5を補助木質板20にあらかじめテンションをかけて貼り付けておき、当該補助木質板をシート側を下にしながら枠材の上に積層した。その後、表面板材と裏面材とを押圧しながら、そのままの状態を約5分維持し、発泡・固化を完了させた。前記押圧を解除し、裏面材を補助木質板から剥がすことにより、暖房パネルが得られた。
暖房パネルの裏面材を剥がしたところ、断熱層と枠材および仕切材との間に隙間は生じていなかった。
また、暖房パネルを分解して、3個の区画内の断熱層を取り出した。図3(A)における中央の区画内にあった断熱層には8個のコーナーが存在し、未充填部分の発生はなかった。図3(A)における両端の区画内の断熱層には10個のコーナーが存在し、未充填部分の発生はなかった。さらにそれら3個の断熱層からサンプル3個を切りだし、独立気泡率および密度を算出した。独立気泡率は平均96%であった。また、密度は平均で75kg/mであり、部位によるバラツキは小さいものであった。
また暖房パネル外観を観察すると、裏面材にシワがわずかに生じていたが、裏面材としてエンボス加工を施したものを使用したので、外観上はほとんど認識されなかった。
本発明の製造方法で製造された暖房パネルの一例の概略断面図を示す。 本発明の製造方法の工程途中で形成されるパネル骨格の一例の概略上面見取り図を示す。 (A)は本発明の製造方法における原料注入工程を説明するための概略上面見取り図を示し、(B)は原料発泡工程を説明するための概略断面図を示す。 本発明で使用可能な面状発熱体シートの一例の概略上面見取り図を示す。 従来技術により製造された暖房パネルの概略断面図を示す。 従来技術による暖房パネルの製造方法を説明するための概略上面見取り図を示す。
符号の説明
1:表面板材、2a〜2e:枠材、3:面状発熱体、4:発泡断熱層、5:裏面材、6:仕切材、7:面状発熱体の配線コード、10:表面板材の切り込み凹部、11〜13:ノズルの移動方向、14:発泡中の発泡ポリウレタン原料、16:面状発熱体シートにおける樹脂シートのみの部分、20:補助板材、51:表面板材、52:枠材、53:面状発熱体、54:発泡断熱材、55:裏面材、56:仕切材、61:表面板材、62:枠材、63:面状発熱体、66:仕切材。


Claims (6)

  1. 表面板材の裏面周縁部に枠材を固定し、該枠材によって形成された区画内に発熱部が位置するよう、面状発熱体を表面板材の裏面に貼着して、パネル骨格を形成する工程、
    パネル骨格の枠材固定側を上にして、パネル骨格と注入ノズルとを相対的に移動させながら、枠材により形成された区画内に発泡ポリウレタン原料を注入ノズルより注入する工程、および
    発泡ポリウレタン原料が注入されたパネル骨格上に枠材固定側から裏面材を積層したのち、該裏面材を介してパネル骨格に圧力を付与しながら、発泡ポリウレタン原料を発泡させて、密度40〜100kg/m、独立気泡率90%以上の発泡ポリウレタン断熱層を形成する工程
    を含むことを特徴とする暖房パネルの製造方法。
  2. 発泡ポリウレタン断熱層の厚みが5〜20mmであることを特徴とする請求項1に記載の暖房パネルの製造方法。
  3. 発泡ポリウレタン断熱層の密度が、50〜85kg/mであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の暖房パネルの製造方法
  4. 裏面材が軟質シート材であり、凹凸加工を施されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の暖房パネルの製造方法。
  5. 枠材により形成される区画の各コーナー部分に1〜4個づつ直径1〜5mmの空気抜き孔が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の暖房パネルの製造方法。
  6. 発泡ポリウレタン原料に含まれる発泡剤が水のみからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の暖房パネルの製造方法。


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