JP2005282672A - オートテンショナ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 オートテンショナの機能を損なうことなく、ベルトの張力の急変によるスリップの発生を効果的に防止する。
【解決手段】 エンジンの始動後にアクチュエータ52で制御バルブ53を開弁して第1液室47および第2液室48を第2連通路P2を介して連通させた状態では、ベルトの張力の増加によりテンショナ本体29が収縮すると、容積が縮小する第1液室47から押し出された液体が第2連通路P2に設けた絞りを通過して第2液室48に流入することで、ベルトの張力変動が吸収される。このとき、前記絞りに対して直列に配置された第2チェックバルブ64が、第1液室47の圧力が第2液室48の圧力よりも所定値以上高くなるまで開弁しないので、補機の起動等によってベルトの張力が一時的に増加したような場合に、テンショナ本体29の収縮を一時的に阻止してベルトのスリップを未然に防止することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、エンジンのクランクシャフトと補機との間で駆動力を伝達するベルトに張力を付与するための油圧式のオートテンショナ装置に関する。
エンジンのクランクシャフトに設けたクランクプーリと、スタータモータとしてのモータ・ジェネレータに設けたモータ・ジェネレータプーリと、補機に設けた補機プーリとに巻き掛けたベルトにオートテンショナのテンショナプーリをスプリングの弾発的で当接させ、エンジンの運転に伴うベルトの張力変動をテンショナプーリの押付力で抑制するオートテンショナ装置では、エンジンを始動すべくモータ・ジェネレータを駆動したときにオートテンショナの位置でベルトの張力が急激に増加し、テンショナ本体が一旦急激に収縮した後にスプリングの弾発力で急激に伸長することで、ベルトが暴れて動力伝達が不安定になる虞がある。そこで、エンジンの始動時にベルトの張力を確保した状態でテンショナ本体を収縮不能にロックしてベルトの暴れを防止するものが、下記特許文献1により公知である。
特開2003−343307号公報
ところで、上記従来のものは、テンショナ本体がベルトの張力に応じて伸縮可能な通常時に、ベルトの張力が増加してテンショナ本体が収縮すると、一方の液室から他方の液室に絞りを介して液体が移動することで、テンショナ本体がゆっくりと収縮するように減衰力を与えている。
しかしながら、オートテンショナを機能させながらエンジンを運転している間に、空調用コンプレッサのような負荷の大きい補機を起動したような場合に、ベルトの張力が一時的に増加してベルトがスリップする可能性があり、これを防止するために前記絞りの径を小さくすると、今度は絞りによる減衰力が過剰になって通常運転時におけるベルトの張力変動を有効に吸収できなくなる可能性がある。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、オートテンショナの機能を損なうことなく、ベルトの張力の急変によるスリップの発生を効果的に防止することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、エンジンのクランクシャフトと補機との間で駆動力を伝達するベルトに張力を付与すべく、ベルトの張力に応じて伸縮自在なテンショナ本体と、テンショナ本体を伸長方向に付勢するスプリングと、テンショナ本体の収縮に伴って容積が縮小し、伸長に伴って容積が拡大する第1液室と、第1液室に第1連通路および第2連通路を介して連通する第2液室と、第1連通路に設けられ、第1液室から第2液室への液体の移動を阻止して第2液室から第1液室への液体の移動を許容する第1チェックバルブと、第2連通路に設けられ、第1液室および第2液室間の液体の移動を許容および阻止する制御バルブと、第2連通路に設けられた絞りとを備えたオートテンショナ装置において、第2連通路に、制御バルブが開弁し、かつ第1液室の圧力が第2液室の圧力よりも所定値以上高くなったときに開弁する第2チェックバルブを設けたことを特徴とするオートテンショナ装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、第2チェックバルブを、環状の弁座に着座するOリングで構成したことを特徴とするオートテンショナ装置が提案される。
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、テンショナ本体は相互に接近・離反可能な第1、第2ハウジングを備えており、第1、第2ハウジングのうちのエンジン側に支持されたハウジングに制御バルブを設けたことを特徴とするオートテンショナ装置が提案される。
また請求項4に記載された発明によれば、請求項1〜請求項3の何れか1項の構成に加えて、制御バルブおよび第2チェックバルブを有する第2連通路を第1、第2液室の上方に配置したことを特徴とするオートテンショナ装置が提案される。
尚、実施例の空調用コンプレッサ13、ウオータポンプ14およびスタータモータ15は本発明の補機に対応し、実施例のV溝55cは本発明の弁座に対応する。
請求項1の構成によれば、スタータモータによるエンジンの始動時に制御バルブを閉弁して第1、第2連通路を介しての第1液室および第2液室間の連通を阻止するとテンショナ本体が収縮不能にロックされるので、ベルトの暴れを防止してエンジンを確実に始動することができる。エンジンの始動後に制御バルブを開弁して第1液室および第2液室を第2連通路を介して連通させた状態では、ベルトの張力の増加によりテンショナ本体が収縮すると容積が縮小する第1液室から押し出された液体が第2連通路に設けた絞りを通過して第2液室に流入することで、ベルトの張力変動が吸収される。このとき、前記絞りに対して直列に配置した第2チェックバルブが第1液室の圧力が第2液室の圧力よりも所定値以上高くなるまで開弁しないので、補機の起動等によってベルトの張力が一時的に増加したような場合に、テンショナ本体の収縮を一時的に阻止してベルトのスリップを未然に防止することができる。
請求項2の構成によれば、第2チェックバルブを環状の弁座に着座するOリングで構成したので、部品点数を最小限に抑えてコストの削減に寄与することができる。
請求項3の構成によれば、相互に接近・離反可能なテンショナ本体の第1、第2ハウジングのうち、エンジン側に支持されたハウジングに制御バルブを設けたので、ベルトの張力変動に伴うテンショナプーリの振動が制御バルブにできるだけ伝達されないようにし、制御バルブの耐久性を高めることができる。
請求項4の構成によれば、制御バルブおよび第2チェックバルブを有する第2連通路を第1、第2液室の上方に配置したので、上方の第2連通路から液体で満たされた下方の第1液室に空気が侵入するのを第2チェックバルブで阻止し、第1液室の液面が低下してオートテンショナの機能が損なわれるのを防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
図1〜図4は本発明の第1実施例を示すもので、図1は自動車のエンジンの正面図、図2はオートテンショナの縦断面図、図3は図2の3部拡大図、図4は図3に対応する作用説明図である。
図1に示すように、自動車のエンジンEはエンジンブロック11の側面に取り付けた補機ブラケット12を備えており、補機ブラケット12に空調用コンプレッサ13、ウオータポンプ14およびスタータモータ15が支持される。またエンジンブロック11の側面に取り付けたテンショナブラケット16にオートテンショナ17が支持される。エンジンEのクランクシャフト18に設けたクランクプーリ19と、空調用コンプレッサ13の回転軸20に設けた空調用コンプレッサプーリ21と、ウオータポンプ14の回転軸22に設けたウオータポンププーリ23と、スタータモータ15の回転軸24に設けたスタータモータプーリ25と、エンジンブロック11に設けたアイドラプーリ26と、オートテンショナ17に設けたテンショナプーリ27とにベルト28が巻き掛けられる。クランクプーリ19、空調用コンプレッサプーリ21、ウオータポンププーリ23、スタータモータプーリ25、アイドラプーリ26およびテンショナプーリ27の回転方向は矢印で示される。
オートテンショナ17は伸縮自在なテンショナ本体29を備えており、その上端が支点ピン30を介してテンショナブラケット16に枢支される。テンショナブラケット16には支点ピン31を介して揺動アーム32の中間部が枢支されており、揺動アーム32の一端が支点ピン33を介してテンショナ本体29の下端に枢支され、揺動アーム32の他端に回転軸34を介して前記テンショナプーリ27が枢支される。
エンジンEを始動するイグニッションスイッチ35と、エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ36とが電子制御ユニットUに接続されており、電子制御ユニットUはオートテンショナ17の作動を制御するとともに、モータコントローラ37およびインバータ38を介してスタータモータ15の作動を制御する。
図2に示すように、オートテンショナ17のテンショナ本体29は、テンショナブラケット16に接続される第1ハウジング41と、揺動アーム32に接続される第2ハウジング42とを伸縮自在なブーツ43で直列に接続したもので、第1ハウジング41の中心に固定したピストン44が第2ハウジング42の中心に固定したシリンダ45に摺動自在に嵌合する。ピストン44には軸方向に貫通する第2連通路P2が形成されており、この第2連通路P2の下端に絞り44aが形成される。
第1ハウジング41および第2ハウジング42は、その内部に収納したスプリング46によって相互に離反する方向、つまりテンショナ本体29が伸長する方向に付勢されており、テンショナ本体29の伸長により揺動アーム32が支点ピン31まわりに時計方向に揺動することで、テンショナプーリ27がベルト28に張力を付与するようになっている(図1参照)。
ピストン44およびシリンダ45間に区画された第1液室47と、第1ハウジング41、第2ハウジング42およびブーツ43間に区画された第2液室48とが、第2ハウジング42に形成した第1連通路P1を介して接続されており、第1液室47の全部および第2液室48の下部に液体が封入される。テンショナ本体29が収縮すると第1液室47の容積が縮小し、テンショナ本体29が伸長すると第1液室47の容積が拡大する。
第1液室47が第1連通路P1に連通する部分に第1チェックバルブ49が設けられる。第1チェックバルブ49は、シリンダ45の下端に固定された弁座50と、この弁座50に上方から着座可能なボールよりなる弁体51とで構成されるもので、第1液室47から第2液室48への液体の移動を阻止し、第2液室48から第1液室47への液体の移動を許容するように機能する。
図2および図3から明らかなように、第1ハウジング41の側面にアクチュエータ52が設けられており、このアクチュエータ52によって第1ハウジング41の内部に設けた制御バルブ53が開閉制御される。アクチュエータハウジング54に一体に形成されたバルブハウジング55が第1ハウジング41の支持孔41aに一対のOリング56,57を介して嵌合しており、バルブハウジング55の先端に形成した弁室55aの開口部に弁座58が固定される。弁室55aは弁座58および第1ハウジング41の第2連通路P2を介してピストン44の第2連通路P2に連通し、また弁室55aはバルブハウジング55を径方向に貫通する複数の絞り55b…と、絞り55b…の出口を囲む環状の第2連通路P2と、第1ハウジング41に形成した第2連通路P2とを介して第2液室48の上端に連通する。
アクチュエータ52はアクチュエータハウジング54の内部に収納されたソレノイド59と、ソレノイド59により作動するアマチュア60と、アマチュア60を右向きに付勢するスプリング61とからなる。アマチュア60に固定された弁体62がバルブハウジング55の弁室55a内に突出し、その先端が弁座58に着座可能に対向する。この弁体62および弁座58によって制御バルブ53が構成される。またバルブハウジング55の環状の第2連通路P2に臨み、かつ径方向に延びる複数の絞り55b…の出口端を囲むように形成された環状のV溝55cにOリング63が装着されており、弁座を構成するV溝55cと弁体を構成するOリング63とによって第2チェックバルブ64が構成される。
次に、上記構成を備えた本発明の第1実施例の作用を説明する。
先ず、オートテンショナ17の作用について説明すると、エンジンEの通常の運転時に制御バルブ53のアクチュエータ52のソレノイド59は消磁状態にあり、アマチュア60がスプリング61の弾発力で右動して弁体62が弁座58から離反することで、制御バルブ53は開弁状態になる。
オートテンショナ17の位置でのベルト28の張力は、エンジンEが加速すると減少し、エンジンEが減速すると増加する。また前記ベルト28の張力は、空調用コンプレッサ13、ウオータポンプ14あるいはスタータモータ15の負荷が増加すると減少し、前記負荷が減少すると増加する。
このようにしてベルト28の張力が増加しようとすると、ベルト28からテンショナプーリ27に作用する荷重が揺動アーム32を介してオートテンショナ17のテンショナ本体29に伝達され、テンショナ本体29を収縮させようとする。その結果、スプリング46の弾発力に抗して第1ハウジング41および第2ハウジング42が相互に接近して第1液室47の容積が減少するが、このとき第1チェックバルブ49が閉弁することで、第1液室47の液体はピストン44の絞り44a、ピストン44の第2連通路P2、第1ハウジング41の第2連通路P2、開弁した制御バルブ53、弁室55a、Oリング63を備えた第2チェックバルブ64、バルブハウジング55の環状の第2連通路P2および第1ハウジング41の第2連通路P2を介して第2液室48に流入し、ベルト28の張力の増加が抑制される(図4参照)。その際に液体がピストン44の絞り44aおよび第2チェックバルブ64の絞り55b…を通過することで減衰力が発生する。
一方、ベルト28の張力が減少しようとすると、ベルト28からテンショナ本体29に伝達される荷重が減少するため、スプリング46の弾発力で第1ハウジング41および第2ハウジング42が相互に離反して第1液室47の容積が増加する。このとき、第1チェックバルブ49が開弁して第1連通路P1が開放されるため、第2液室48内の液体が第1連通路P1を経て第1液室47に流入し、テンショナ本体29が伸長してベルト28の張力の減少が抑制される。その際に、第2液室48から第1液室47に液体が流れる第1連通路P1に絞りが設けられていなので、第2液室48の液体は第1液室47に速やかに移動してテンショナ本体29が伸長する応答性が高められる。
このように、ベルト28の張力が増減しようとすると、それを補償するようにオートテンショナ17のテンショナ本体29が伸縮することにより、ベルト28の張力を略一定に保持して安定した動力伝達を可能にすることができる。
ところで、オートテンショナ17のテンショナ本体29が伸縮してベルト28の張力調整機能を発揮しているとき、例えば空調用コンプレッサ13が起動して大きな負荷が発生したとする。このとき、テンショナ本体29が収縮して第1液室47の液体が第2連通路P2に配置された絞り44a,55b…を通過して第2液室48に移動するが、その絞り44a,55b…において発生する液体の流通抵抗だけではテンショナ本体29が容易に収縮してしまい、空調用コンプレッサ13の起動に伴う大きな負荷でベルト28にスリップが発生する虞がある。
しかしながら、本実施例では、第2連通路P2に配置した第2チェックバルブ64が、第1液室47の圧力が第2液室48の圧力よりも所定値以上高くなるまで開弁しないので、空調用コンプレッサ13の起動に伴ってベルト28の張力が一時的に増加しても、テンショナ本体29を一時的に収縮不能にロックしてベルト28のスリップを未然に防止することができ、クランクシャフト18から空調用コンプレッサ13への動力伝達を安定させることができる。しかも第2チェックバルブ64を、バルブハウジング55に形成した環状のV溝55cに着座するOリング63で構成したので、部品点数を最小限に抑えてコストの削減に寄与することができる。
さて、エンジンEを始動すべくスタータモータ15を駆動してスタータモータプーリ25を矢印方向に回転させると、オートテンショナ17の位置でベルト28の張力が急激に増加し、テンショナ本体29が一旦急激に収縮した後にスプリング46の弾発力で急激に伸長するため、ベルト28が暴れて動力伝達が不安定になる虞がある。
そこで本実施例では、エンジンEを始動すべくイグニッションスイッチ35をオンしてスタータモータ15の駆動指令を出力すると、電子制御ユニットUからの指令で制御バルブ53のアクチュエータ52のソレノイド59が励磁してアマチュア60を左動させ、弁体62を弁座58に着座させることで制御バルブ53を閉弁状態にする。その結果、制御バルブ53および第1チェックバルブ49の両方に阻止されて第1液室47内の液体が密封されるため、テンショナ本体29は収縮不能にロックされる。
従って、この状態でスタータモータ15を駆動しても、テンショナ本体29は収縮不能にロックされているため、前記ベルト28の暴れを防止してエンジンEをスムーズに始動することができる。そしてエンジン回転数センサ36で検出したエンジン回転数が所定値以上になってエンジンEが完爆したことが確認されると、電子制御ユニットUからの指令で制御バルブ53のアクチュエータ52のソレノイド59が消磁されてテンショナ本体29のロックが解除される。
またアクチュエータ52で作動する制御バルブ53は振動に対する耐久性を考慮する必要があるが、テンショナ本体29の第1ハウジング41および第2ハウジング42のうち、テンショナプーリ27に接続された第2ハウジング42は振動が激しく、エンジンブロック11に接続された第1ハウジング41は振動が小さいことに鑑み、その第1ハウジング41に制御バルブ53が設けられている。これにより、制御バルブ53に伝達される振動を最小限に抑えて耐久性を高めることができる。
また第1実施例では第2連通路P2が第1、第2液室47,48の上方に配置されているため、仮に第2連通路P2に第2チェックバルブ64が設けられていないとすると、第2液室48の上部空間から開弁した制御バルブ53およびピストン44内の第2連通路P2を経て第1液室47に空気が侵入してしまい、第1液室47の液面が低下してしまう可能性がある。このようにして第1液室47の液面が低下すると、ベルト28の張力が増加したときに減衰力を発生することなくテンショナ本体29が収縮してしまい、オートテンショナ17の機能が充分に発揮されなくなる可能性がある。
しかしながら本実施例では、上方の第2連通路P2から液体で満たされた下方の第1液室47に空気が侵入するのを第2チェックバルブ64で阻止することができるので、第1液室47の液面が低下してオートテンショナ17の機能が損なわれるのを防止することができる。
次に、図5および図6に基づいて本発明の第2実施例を説明する。尚、第2実施例において、第1実施例の構成要素に対応する構成要素に第1実施例と同じ符号を付すことで、重複する説明を省略する。
第1実施例では制御バルブ53およびアクチュエータ52が第1ハウジング41に設けられていたが、第2実施例ではそれらが第2ハウジング42に設けられている。即ち、第2ハウジング42の側面に形成した支持孔42aにアクチュエータハウジング54と一体のバルブハウジング55が嵌合しており、バルブハウジング55の内部に、第1実施例と同一構造の制御バルブ53および第2チェックバルブ64が配置される。制御バルブ53の振動に対する耐久性を高める目的から、制御バルブ53が設けられる第2ハウジング42はエンジンブロック11側に取り付けることが望ましい。
シリンダ45に摺動自在に嵌合するピストン44は中実の部材であり、シリンダ45およびピストン44によって区画された第1液室47は、その下方に連なる共通の第1、第2連通路P1,P2を介して中間液室65に連通する。そして中間液室65は第1チェックバルブ49および第1連通路P1を介して第2液室48に連通するとともに、制御バルブ53、第2チェックバルブ64および第2連通路P2を介して第2液室48に連通する。この第2実施例は、第1実施例のピストン44に設けた絞り44aを備えておらず、バルブハウジング55に設けた絞り55b…だけを備えている。
次に、上記構成を備えた本発明の第2実施例の作用を説明する。
エンジンEの通常の運転時に制御バルブ53のアクチュエータ52のソレノイド59は消磁状態にあり、アマチュア60がスプリング61の弾発力で右動して弁体62が弁座58から離反することで、制御バルブ53は開弁状態になる。ベルト28の張力が増加してテンショナ本体29を収縮させようとすると、スプリング46の弾発力に抗して第1ハウジング41および第2ハウジング42が相互に接近して第1液室47の容積が減少するが、このとき第1チェックバルブ49が閉弁することで、第1液室47の液体は第2ハウジング42の第2連通路P2、中間液室65、開弁した制御バルブ53、弁室55a、Oリング63を備えた第2チェックバルブ64、バルブハウジング55の環状の第2連通路P2および第2ハウジング42の第2連通路P2を介して第2液室48に流入し、ベルト28の張力の増加が抑制される。その際に液体が第2チェックバルブ64の絞り55b…を通過することで減衰力が発生する。
一方、ベルト28の張力が減少しようとすると、ベルト28からテンショナ本体29に伝達される荷重が減少するため、スプリング46の弾発力で第1ハウジング41および第2ハウジング42が相互に離反して第1液室47の容積が増加する。このとき、第1チェックバルブ49が開弁して第1連通路P1が開放されるため、第2液室48内の液体が第1連通路P1を経て第1液室47に流入し、テンショナ本体29が伸長してベルト28の張力の減少が抑制される。その際に、第2液室48から第1液室47に液体が流れる第1連通路P1に絞りが設けられていなので、第2液室48の液体は第1液室47に速やかに移動してテンショナ本体29が伸長する応答性が高められる。
またオートテンショナ17のテンショナ本体29が伸縮してベルト28の張力調整機能を発揮しているとき、例えば空調用コンプレッサ13が起動して大きな負荷が発生したような場合には、第1実施例と同様に、第2連通路P2に配置した第2チェックバルブ64が第1液室47の圧力が第2液室48の圧力よりも所定値以上高くなるまで開弁しないので、空調用コンプレッサ13の起動に伴ってベルト28の張力が一時的に増加しても、テンショナ本体29を一時的に収縮不能にロックしてベルト28のスリップを未然に防止することができ、クランクシャフト18から空調用コンプレッサ13への動力伝達を安定させることができる。
また第1実施例と同様に、エンジンEを始動すべくスタータモータ15を駆動する場合には、制御バルブ53を閉弁状態にして第1液室47内の液体を密封し、テンショナ本体29を収縮不能にロックすることで、ベルト28の暴れを防止してエンジンEをスムーズに始動することができる。
尚、第2実施例では制御バルブ53を下側の第2ハウジング42に設けたことで、第1、第2連通路P1,P2が全て液体で満たされており、従って第1液室47に空気が侵入する問題が発生することはない。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、第1実施例ではピストン44に絞り44aを設けているが、その絞り44aは廃止することができ、また第2連通路P2の任意の位置に絞りを設けることができる。
自動車のエンジンの正面図 オートテンショナの縦断面図 図2の3部拡大図 図3に対応する作用説明図 本発明の第2実施例に係るオートテンショナの縦断面図 図5の6部拡大図
符号の説明
13 空調用コンプレッサ(補機)
14 ウオータポンプ(補機)
15 スタータモータ(補機)
18 クランクシャフト
28 ベルト
29 テンショナ本体
41 第1ハウジング
42 第2ハウジング
46 スプリング
47 第1液室
48 第2液室
49 第1チェックバルブ
53 制御バルブ
55b 絞り
55c V溝(弁座)
63 Oリング
64 第2チェックバルブ
E エンジン
P1 第1連通路
P2 第2連通路

Claims (4)

  1. エンジン(E)のクランクシャフト(18)と補機(13,14,15)との間で駆動力を伝達するベルト(28)に張力を付与すべく、
    ベルト(28)の張力に応じて伸縮自在なテンショナ本体(29)と、
    テンショナ本体(29)を伸長方向に付勢するスプリング(46)と、
    テンショナ本体(29)の収縮に伴って容積が縮小し、伸長に伴って容積が拡大する第1液室(47)と、
    第1液室(47)に第1連通路(P1)および第2連通路(P2)を介して連通する第2液室(48)と、
    第1連通路(P1)に設けられ、第1液室(47)から第2液室(48)への液体の 移動を阻止して第2液室(48)から第1液室(47)への液体の移動を許容する第1チェックバルブ(49)と、
    第2連通路(P2)に設けられ、第1液室(47)および第2液室(48)間の液体の移動を許容および阻止する制御バルブ(53)と、
    第2連通路(P2)に設けられた絞り(55b)と、
    を備えたオートテンショナ装置において、
    第2連通路(P2)に、制御バルブ(53)が開弁し、かつ第1液室(47)の圧力が第2液室(48)の圧力よりも所定値以上高くなったときに開弁する第2チェックバルブ(64)を設けたことを特徴とするオートテンショナ装置。
  2. 第2チェックバルブ(64)を、環状の弁座(55c)に着座するOリング(63)で構成したことを特徴とする、請求項1に記載のオートテンショナ装置。
  3. テンショナ本体(29)は相互に接近・離反可能な第1、第2ハウジング(41,42)を備えており、第1、第2ハウジング(41,42)のうちのエンジン(E)側に支持されたハウジングに制御バルブ(53)を設けたことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のオートテンショナ装置。
  4. 制御バルブ(53)および第2チェックバルブ(64)を有する第2連通路(P2)を第1、第2液室(47,48)の上方に配置したことを特徴とする、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載のオートテンショナ装置。
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