JP2005282631A - 電磁弁構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 プランジャ作動の安定化を図ることができる電磁弁構造を提供する。
【解決手段】 バルブボディ21に、取付状態にて上方へ開口するドレン口33を設け、連通孔23からのオイルを側部穴32及びドレン口33を介して外部へ排出する。ソレノイド55及びヨーク56の内側にオイルが充填されたプランジャ室61を形成し、プランジャ室61にプランジャ62を設ける。ヨーク56に、円板57に当接するリング状の当接部101を設け、当接部101に、内側と外側を連通するすり割り溝102を凹設する。ヨーク56のフランジ部115に連通溝121を設け、ケース51に、上方へ向けて開口する切欠部131を設ける。切欠部131をドレン口33の近傍に設け、ドレン口33から排出されるオイルが切欠部131に常時供給されるように構成する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、例えば油圧を制御する電磁弁の構造に関する。
従来、自動車の自動変速機を構成する油圧経路には、電磁弁が使用されている。
この電磁弁には、ソレノイドへの通電に応じて可動される可動部品としてのプランジャが設けられている。この電磁弁は、一般的に、油中に設置されており、前記プランジャを収容するプランジャ室には、オイルが充填されるように構成されている。
これにより、オイルの粘性によってダンピングを確保し、プランジャの挙動を安定化できるように構成されている。
しかしながら、このような電磁弁にあっては、油面より上方で空中配置しなければならない場合もある。
この場合、外部との呼吸路から充填油が抜け、プランジャ挙動が不安定になる恐れがあった。
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、プランジャ作動の安定化を図ることができる電磁弁構造を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために本発明の電磁弁構造にあっては、プランジャが収容されたプランジャ室にオイルを充填して前記プランジャの挙動を安定化させる電磁弁において、対象箇所に取り付けられた状態で前記プランジャ室と外部とを連通する呼吸穴が上方を向くように該呼吸穴を配置する一方、作動時にオイルを排出するドレン口を、前記呼吸穴の近傍に配設するとともに、当該ドレン口から排出されるオイルが前記呼吸穴に達する位置に設定した。
すなわち、電磁弁を作動してプランジャを往復駆動すると、プランジャ室内に容積変化が発生する。これにより、プランジャ室に連通した呼吸穴を介して、前記プランジャ室内と外部との間にて流れが生じる。
このとき、前記呼吸穴は、上方へ向くように配置されており、プランジャ室から流出したオイルの呼吸穴からの滴下や流出が抑制される。また、この呼吸穴の近傍には、作動時にオイルを排出するドレン口が設けられており、このドレン口から排出されるオイルが前記呼吸穴に達するように配置されている。これにより、この呼吸穴には、前記ドレン口からのオイルが常時供給される。
以上説明したように本発明の電磁弁構造にあっては、作動時にプランジャ室と外部間での通流を確保する呼吸穴は、上方へ向くように配置されており、この呼吸穴には、近接したドレン穴からのオイルを常時供給することができる。
したがって、この電磁弁を、油面より上方に空中配置した場合であっても、前記プランジャ室内のオイルが前記呼吸穴から抜けるとともに、この呼吸穴から外部の空気が混入するといった不具合を解消することができる。これにより、オイルの粘性によるダンピング効果を維持することができ、プランジャの挙動を安定化させることができる。よって、油圧回路においては、安定した油圧特性を得ることができる。
以下、本発明の一実施の形態を図面に従って説明する。図1は、本実施の形態にかかる電磁弁構造を示す図であり、自動車の自動変速機に適用した例が示されている。
前記自動変速機のトランスミッションケース1には、コントロールバルブボディ2が設けられており、該コントロールバルブボディ2に形成された油圧回路内での油圧は、電磁弁で構成されたリニアソレノイド3によって制御されている。前記コントロールバルブボディ2は、前記トランスミッションケース1に設けられたオイルパン4によって包囲されており、前記リニアソレノイド3は、このオイルパン4内に貯留されたオイル5の油面6より上方に配置されている。
このリニアソレノイド3は、図2に示すように、コントロールユニット11からの信号に応じて作動するように構成されており、タンク12内のオイル5を加圧して供給するオイルポンプ13からのライン油圧をメインバルブ14で制御して、プーリ15を制御できるように構成されている。
前記メインバルブ14を作動させるサブバルブ16は、図3に示すように、メインバルブ14の端部に設けられている。
すなわち、前記メインバルブ14のバルブボディ21の端部には、内嵌部材22が内嵌されており、該内嵌部材22には、メインバルブ14作動時に開閉される連通孔23が設けられている。該連通孔23には、ポペット弁24に形成されたテーパ状の弁部25が挿入されており、該弁部25が長さ方向へ移動することによって、前記連通孔23の開度を制御できるように構成されている。
前記内嵌部材23の基端部周面31には、側方に開口する側部穴32,・・・が設けられており、前記基端部周面31を包囲する前記バルブボディ21の部位には、取付状態において上方へ開口するドレン口33が形成されている。これにより、前記内嵌部材22の連通孔23を通流したオイル5が、前記側部穴32,・・・を介して、基端部周面31の外周部へ流出するとともに、前記バルブボディ21に設けられた前記ドレン口33を介して、外部へ排出されるように構成されている。
前記ポペット弁24は、その外周部と前記内嵌部材22の前記基端部周面31との間に設けられた弾性部材41によって支持されるとともに、前端側に設けられたコイルスプリング42によって基端側へ付勢されている。
また、前記バルブボディ21の基端には、筒状のケース51の端部がカシメられた状態で固定されている。このケース51の中央部には、内側へ突出したコア52が一体形成されており、該コア52の外周部には、ボビン53にコイル54が巻回されてなるソレノイド55が設けられている。該ソレノイド55の先端部には、ヨーク56が配設されており、該ヨーク56と前記バルブボディ21端面との間には、リング状の円板57が配設されている。
前記コア52の先端側であって、前記ソレノイド55及び前記ヨーク56の内側には、プランジャ室61が形成されており、該プランジャ室61内には、ソレノイド55通電時に励磁される前記コア52によって吸引されて作動するプランジャ62が設けられている。このプランジャ62が収容されたプランジャ室61には、前記オイル5が充填されており、オイル5のダンピング効果によってプランジャ62作動時の挙動を安定化できるように構成されている。
前記プランジャ62には、図中左方に開口した先端開口穴71と、図中右方に開口した基端開口穴72とが設けられており、両開口穴71,72間に設けられた壁面73には、両開口部71,72を連通する小孔74が設けられている。
前記プランジャ62の前記先端開口部71には、先端コイルスプリング81が収容されており、該先端コイルスプリング81は、前記ポペット弁24基端の凹部に挿入されている。これにより、前記ポペット弁24は、前記先端コイルスプリング81によって閉弁方向へ付勢されており、前記連通孔23からの油圧で後退することによって、該連通孔23からのオイル5の通流を常時許容できるように構成されている。
前記プランジャ62の前記後端開口部72には、基端コイルスプリング91が収容されており、該基端コイルスプリング91は、前記コア52に設けられた挿入穴92に挿入されている。この挿入穴92が開口した前記ケース51の端面には、ナット93が固設されており、該ナット93には、アジャスタ94が螺入されている。このアジャスタ94の先端には、前記基端コイルスプリング91が当接しており、当該アジャスタ94のねじ込み量によって前記基端コイルスプリング91による前記プランジャ62の先端方向への付勢力を可変できるように構成されている。
前記ヨーク56の先端面には、図4にも示すように、前記円板57に当接するリング状に突出した当接部101が形成されている。この当接部101には、当該ヨーク56の内側と外側とを連通するすり割り溝102が凹設されており、当該ヨーク56は、前記すり割り溝102が取付状態において上部、すなわち前記ソレノイド55から延出したコネクタ接続部103の突出方向に設けられている。
このヨーク56の外周部には、リング状のフィルタ111が設けられており、該フィルタ111の外枠112と内枠113との間には、オイル5の通流は許容する一方、コンタミ等の侵入を阻止するメッシュ114が設けられている。このフィルタ111は、図3に示したように、前記各枠112,113が前記円板57と前記ヨーク56のフランジ部115とに圧接された状態で固定されている。
前記フィルタ111が圧接された前記ヨーク56のフランジ部115には、図4に示したように、前記フィルタ111の外枠112の外周部と該外枠112の内側とを連通する連通溝121,121が凹設されており、この連通溝121,121によって前記フィルタ111を通過するオイル5が通流できるように構成されている。この連通溝121,121は、前記すり割り溝102の両脇に設けられており、両連通溝121,121は、当該ヨーク56の中心部より上方に配置されている。
前記ケース51には、前記コネクタ接続部103を挿通する為の切欠部131が取付状態において上方へ向けて開口するように設けられており、該切欠部131は、当該ケース51の内部と外部とを連通する呼吸穴を構成している。これにより、図3に示したように、前記プランジャ62作動時に前記プランジャ室61内で発生した容積変化に伴うオイル5の通流経路132が、前記ケース51の切欠部131と、前記ヨーク56の連通溝121,121と(図4参照)、前記ヨーク56の前記すり割り溝102とによって形成されており、この通流経路132には、前記フィルタ111が介在するように構成されている。
そして、前記切欠部131は、前記バルブボディ21の前記ドレン口33の近傍に設けられており、前記オイルポンプ13作動時に前記ドレン口33から排出されるオイル5が前記切欠部131に到達し、該切欠部131に前記オイル5を常時供給できる位置に設定されている。
以上の構成にかかる本実施の形態にあっては、電磁弁であるリニアソレノイド3を作動してプランジャ62を往復駆動すると、プランジャ室61内に容積変化が発生する。これにより、ケース51に形成された呼吸穴としての切欠部131を介して、前記プランジャ室61内と外部との間にて流れが生じる。
このとき、前記切欠部131は、取付状態において上方へ向くように配置されており、プランジャ室61から流出したオイル5の切欠部131からの滴下や流出を抑制することができる。また、この切欠部131の近傍には、オイルポンプ13作動時に常時オイル5を排出するドレン口33が設けられており、このドレン口33から排出されるオイル5が前記切欠部131に達するように構成されている。これにより、この切欠部131には、前記ドレン口33からのオイル5が常時供給されている。
このように、前記プランジャ室61と外部との間での通流を確保する上向きに開口した前記切欠部131には、近接するドレン穴33からの前記オイル5を常時供給することができる。
したがって、このリニアソレノイド3を、油面6より上方に空中配置した場合であっても、前記プランジャ室61内のオイル5が前記切欠部131から抜けるとともに、この切欠部131から外部の空気が混入するといった不具合を確実に防止することができる。これにより、オイル5の粘性によるダンピング効果を維持することができ、プランジャ62の挙動を安定化させることができる。よって、前記コントロールバルブボディ2に形成された油圧回路において、安定した油圧特性を得ることができる。
図5は、本実施の形態のリニアソレノイド3と従来のリニアソレノイドとを5時間連続運転させた後でステップ応答させた際の出力圧の変化を示す実験結果であり、本発明を応用した実施品151が実線で、従来品152が破線で示されている。この実験結果より、5時間連続の耐久試験後において、従来品152では、ステップ応答時に大きなオーバーシュートが見られたが、実施品151では、オーバーシュートを確認することができなかった。
本発明の一実施の形態を示す図である。 同実施の形態の使用状態を示すブロック図である。 同実施の形態の要部を拡大した断面図である。 図3のA−A線に沿った断面図である。 同実施の形態での実験結果を示す図である。
符号の説明
2 コントロールバルブボディ
3 リニアソレノイド
5 オイル
6 油面
33 ドレン口
61 プランジャ室
62 プランジャ
102 すり割り溝
121 連通溝
131 切欠部

Claims (1)

  1. プランジャが収容されたプランジャ室にオイルを充填して前記プランジャの挙動を安定化させる電磁弁において、
    対象箇所に取り付けられた状態で前記プランジャ室と外部とを連通する呼吸穴が上方を向くように該呼吸穴を配置する一方、作動時にオイルを排出するドレン口を、前記呼吸穴の近傍に配設するとともに、当該ドレン口から排出されるオイルが前記呼吸穴に達する位置に設定したことを特徴とする電磁弁構造。
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