JP2005282343A - ねじれ非拘束性の免震支承部を備えた建物免震システム - Google Patents

ねじれ非拘束性の免震支承部を備えた建物免震システム Download PDF

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JP2005282343A JP2004288869A JP2004288869A JP2005282343A JP 2005282343 A JP2005282343 A JP 2005282343A JP 2004288869 A JP2004288869 A JP 2004288869A JP 2004288869 A JP2004288869 A JP 2004288869A JP 2005282343 A JP2005282343 A JP 2005282343A
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Abstract

【課題】地震時に免震で上部構造部と下部構造部とが相対的にねじれ動いてしまうのを効果的に防ぐことができ、しかも、それを建物や免震層の設計の自由度を狭くすることなく実現することができる、免震システムを提供する。
【解決手段】下部構造部である基礎1と上部構造部2との間に免震支承部3が介設され、該免震支承部3で上部構造部2が水平二次元方向において免震されるようになされており、かつ、上部構造部2の前記免震を許容しながら基礎1と上部構造部2との相対的なねじれを拘束するねじれ拘束機構部4が、前記免震支承部3とは別に備えられている。
【選択図】 図7

Description

本発明は、ねじれ非拘束性の免震支承部を備えた建物免震システムに関する。
従来より、戸建て住宅などの建物において、下部構造部である基礎と上部構造部との間にねじれ非拘束性の免震支承部、例えば、転動体として球体を用いた転がり免震支承部を介設することで、地震時に、上部構造部が水平二次元方向において免震されるようになされた免震建物は、従来より提供されている。
しかしながら、上記のようなねじれ非拘束性の免震支承部を備えた免震建物では、厳しい偏心率規定を満足させる必要があり、そのため、設計上種々の制約を生じ、建物や免震層の設計の自由度を狭くしてしまうという問題がある。
本発明は、上記のような従来の問題点に鑑み、地震時に免震で上部構造部と下部構造部とが相対的にねじれ動いてしまうのを防ぐことができ、しかも、それを建物や免震層の設計の自由度を狭くすることなく実現することができる、免震システムを提供することを課題とする。
上記の課題は、下部構造部と上部構造部との間にねじれ非拘束性の免震支承部が介設され、該免震支承部で上部構造部が水平二次元方向において免震されるようになされた建物免震システムにおいて、
上部構造部の前記免震を許容しながら下部構造部と上部構造部との相対的なねじれを拘束するねじれ拘束機構部が、前記免震支承部とは別に備えられていることを特徴とする建物免震システムによって実現される。
この免震システムでは、ねじれ拘束機構部が備えられているので、該ねじれ拘束機構部によって、地震時の免震で上部構造部と下部構造部とが相対的にねじれ動いてしまうのを防ぐことができる。
しかも、免震支承部とは別に備えられたねじれ拘束機構部で地震時の上部構造部と下部構造部との相対的なねじれを防ぐようにしているので、建物や免震層についての設計の自由度を狭くしてしまうこともないし、建物のねじれ動きを効果的に防ぐことができる。
加えて、ねじれ拘束機構部は免震支承部とは別に備えられていて、上部構造部の支承は免震支承部で行われるようになされているので、ねじれ拘束機構部に上部構造部を支承させる必要がなく、そのため、ねじれ拘束機構部を支承機能を排除した経済的なつくりにすることができ、また、免震支承部をねじれ拘束機構部を排除した経済的なつくりにすることも任意的選択として可能になる。
上記の免震システムにおいて、ねじれ拘束機構部は、
下部構造部の側に設けられて水平方向に延ばされた下直線レール部と、
上部構造部の側に設けられて下直線レール部と交差する水平方向に延ばされた上直線レール部と、
ねじれ拘束子と
を備え、
該ねじれ拘束子が、下直線レール部に対し、ねじれを拘束されて該下直線レール部の延びる方向に相対移動できるように係合されると共に、上直線レール部に対し、ねじれを拘束されて該上直線レール部の延びる方向に相対移動できるように係合されているものからなるとよい。
このねじれ拘束機構部では、互いに交差する水平方向に延ばされた上下の直線レール部に対し、ねじれ拘束子が、各レール部の延びる方向に相対移動できるように係合されていることで、免震支承部による上部構造部の免震が許容される。また、ねじれ拘束子が各レール部に対し、ねじれを拘束されるように係合されていることで、上部構造部と下部構造部とが相対的にねじれ動いてしまうのを防ぐことができる。そして、このねじれ拘束機構部によれば、ねじれ抵抗の大きさを、各レール部に対するねじれ拘束子の係合部分のスパンを変更するだけで効果的に変化させることができ、必要なねじれ抵抗を備えたねじれ拘束機構部を経済的かつ容易に製作することができる。また、このように係合部分のスパンを大きく設定することができることで、ねじれ拘束機構部におけるねじれ方向のガタツキねじれ角を小さくすることができる。
また、上記の免震システムにおいて、ねじれ拘束機構部は、ねじれ拘束子を備え、
該ねじれ拘束子が、
下部構造部の側に面するように水平方向に延ばされた下直線レール部と、
上部構造部の側に面するように下直線レール部と交差する水平方向に延ばされた上直線レール部とを備え、
該ねじれ拘束子の下直線レール部が、下部構造部の側に対し、ねじれを拘束されて下直線レール部の延びる方向に相対移動できるように係合されると共に、ねじれ拘束子の上直線レール部が、上部構造部の側に対し、ねじれを拘束されて上直線レール部の延びる方向に相対移動できるように係合されているものからなっているのもよい。
このねじれ拘束機構部では、ねじれ拘束子の上下の直線レール部が、上下の構造部に対して、各レール部の延びる方向に相対移動できるように係合されていることで、免震支承部による上部構造部の免震が許容される。また、ねじれ拘束子の上下の直線レール部が、上下の構造部に対し、ねじれを拘束されるように係合されていることで、上部構造部と下部構造部とが相対的にねじれ動いてしまうのを防ぐことができる。そして、このねじれ拘束機構部によれば、ねじれ抵抗の大きさを、ねじれ拘束子の各レール部に対する上下の構造部の係合部分のスパンを変更するだけで効果的に変化させることができ、必要なねじれ抵抗を備えたねじれ拘束機構部を経済的かつ容易に製作することができる。また、このように、係合部分のスパンを大きく設定することができることで、ねじれ拘束機構部におけるねじれ方向のガタツキねじれ角を小さくすることができる。
更に、免震支承部が重力利用復元式の免震支承部からなり、
ねじれ拘束機構部のねじれ拘束子が、免震作動中、下部構造部と上部構造部の両方、又は、いずれか一方に対して上下方向に相対変位できるようになされているのもよい。
このシステムでは、免震支承部が重力利用復元式の免震支承部からなることによって、免震中、上部構造部が上下に変位するが、ねじれ拘束機構部は、ねじれ拘束子が、下部構造部と上部構造部の両方、又は、いずれか一方に対して上下方向に相対変位するようになされているので、この相対変位によって、ねじれ拘束機構部が、免震中の上部構造部の上下の変位を吸収することができる。しかも、ねじれ拘束機構部のねじれ拘束子を下部構造部と上部構造部の両方、又は、いずれか一方に対して上下方向に相対変位できるようにしただけのものであるから、免震中の上部構造部の上下の変位を、簡素で経済的なつくりのねじれ拘束機構部で吸収することができる。
本発明は、以上のとおりのものであるから、地震時に免震で上部構造部と下部構造部とが相対的にねじれ動いてしまうのを効果的に防ぐことができ、しかも、それを建物や免震層の設計の自由度を狭くすることなく実現することができる。
また、ねじれ拘束機構部が、互いに交差して水平方向に延びる直線レール部を採用するものである場合には、交差部から延びる直線レール部の長さを長くし、係合部分のスパンを大きくすることができることにより、ねじれ拘束機構部におけるねじれ方向のガタツキねじれ角を小さくすることができ、ひいては、上部構造部のガタツキねじれ角を小さくすることができる。
次に、本発明の実施最良形態を図面に基づいて説明する。
実施形態の建物を示す図7(イ)(ロ)において、1は下部構造部としての基礎、2は上部構造部、3…は免震支承部、4,4はねじれ拘束機構部である。
各免震支承部3…は、転がり免震支承部からなっていて、ねじれ非拘束性のものであってかつ重力利用復元式のものからなっている。即ち、各免震支承部3は、図6(イ)に示すように、基礎1側に固着された下皿5と、上部構造部2の側に固着された上皿6と、これら上下の皿5,6間に転動可能に設けられた球体7とを備えて、上下の皿5,6の水平二次元方向の相対移動が球体7の転動によって許容されるようになされており、それにより、地震時に、ねじれを拘束することなく、上部構造部2を水平二次元方向において免震するようになされている。また、上下の皿5,6の向き合う面部は、球面状のくぼみ5a,6aに形成されていて、免震によって上下の皿5,6が図6(ロ)(ハ)に示すように水平二次元方向に相対移動してずれ、上部構造部2が上昇変位をすると、上部構造部2にその自重によって図6(イ)に示すような元位置に復帰しようとする力が作用するようになされている。
そして、ねじれ拘束機構部4には免震支承機能は含まれておらず、地震時に上部構造部2の免震を許容しながら、基礎1と上部構造部2との相対的なねじれを拘束するもので、第1実施形態での免震システムは、ねじれ拘束機構部4が、図1及び図2に示すように、鋼材などからなる上下の直線レール部8,9と、同じく鋼材などからなるねじれ拘束子10とを備えている。
各直線レール部8,9はそれぞれ溝形をしていて、下直線レール部8は、溝を上に向けるようにして水平方向に延ばされて基礎1の側に固着され、また、上直線レール部9は、下直線レール部8と直交交差する水平方向に延ばされ、溝を下に向けるようにして上部構造部2の側に固着されている。
また、ねじれ拘束子10は、平面十字状をしていて、交差する一方の辺の両端部のそれぞれに、回転軸線を上下方向に向けて上方に突出する遊転ローラー10a,10aが備えられると共に、交差するもう一方の辺の両端部のそれぞれに、同じく回転軸線を上下方向に向けて下方に突出する遊転ローラー10b,10bが備えられている。
そして、ねじれ拘束子10は、下方に突出する両遊転ローラー10b,10bが下直線レール部8の溝内に転動可能に嵌め込まれて下直線レール部8に係合されると共に、上方に突出する両遊転ローラー10a,10aが上直線レール部9の溝内に転動可能に嵌め込まれて上直線レール部9に係合されている。それにより、ねじれ拘束子10は、図4(イ)(ハ)に示すように、下直線レール部8に対し、ねじれを拘束されて該下直線レール部8の延びる方向に相対移動できるようになされていると共に、図4(ロ)(ハ)に示すように、上直線レール部9に対し、ねじれを拘束されて該上直線レール部9の延びる方向に相対移動できるようになされている。
更に、このねじれ拘束機構部4において、ねじれ拘束子10は、上下の直線レール部8,9間で上下方向の遊びをもたされていて、図6に示すように、重力利用復元式の転がり免震支承部3による地震時の免震で上部構造部2が上下方向に変位をしても、それを、ねじれ拘束子10が、上記の遊びで、図5(イ)〜(ハ)に示すように、上下の直線レール部8,9の両方、又は、いずれか一方に対して上下方向に相対変位をすることで吸収することができるようになされている。
なお、本実施形態では、図7(ロ)に示すように、ねじれ拘束機構部4,4が二つ、建物の対角隅部に位置して備えられているが、使用するねじれ拘束機構部4の個数や配置は、建物や免震層の構造によって適宜決められてよい。
上記の免震システムでは、ねじれ拘束機構部4,4が備えられているので、地震時の免震で上部構造部2と基礎1とが相対的にねじれ動いてしまうのを、ねじれ拘束機構部4,4によって防ぐことができ、しかも、免震支承部3…とは別に備えられたねじれ拘束機構部4,4によって地震時の上部構造部2と基礎1との相対的なねじれを防ぐようにしているので、建物や免震層についての設計の自由度を狭くしてしまうこともなく、また、建物のねじれ動きを効果的に防ぐことができる。
加えて、ねじれ拘束機構部4,4は免震支承部3…とは別に備えられていて、上部構造部2の支承は免震支承部3…で行われるようになされているので、ねじれ拘束機構部4,4を、支承機能を排除した経済的なつくりにすることができ、また、免震支承部3…を、本実施形態のようにねじれ拘束機能を排除した経済的なつくりにすることもできる。
また、上記のような構造のねじれ拘束機構部4によれば、ねじれ抵抗の大きさを、図3(イ)〜(ハ)に示すように建物、各レール部8,9に対するねじれ拘束子10の係合部分、即ち、遊転ローラー10a,10a間及び10b,10b間のスパンを種々変更するだけで効果的に変化させることができ、必要なねじれ抵抗を備えたねじれ拘束機構部を経済的かつ容易に製作することができる。
更に、こうして、図3(ハ)に示すように、係合部分のスパンである遊転ローラー10a,10a間及び10b,10b間のスパンを大きく設定することができることで、ねじれ拘束機構部4におけるねじれ方向のガタツキねじれ角を小さくすることができ、ひいては、上部構造部2のガタツキねじれ角を小さくすることができる。
第2実施形態の建物免震システムは、図8及び図9に示すように、ねじれ拘束機構部4に備えられたねじれ拘束子11が、基礎1の側に面するように水平方向に延ばされた下直線レール部12と、上部構造部2の側に面するように下直線レール部12と直交交差する水平方向に延ばされた上直線レール部13とで構成されている。
即ち、図8(イ)(ロ)に示すように、上下の直線レール部12,13は、鋼材などからなって溝形をしており、下直線レール部12は、溝を下に向けるようにして水平方向に延ばされる共に、上直線レール部13は、溝を上に向け、下直線レール部12の上側を該下直線レール部12に直交交差する水平方向に延ばされて、十字状にされ、それらの交差部において、上下の直線レール部12,13は、ボルト14…などで緊結一体化され、さらに、ねじれ方向における剛性を高めるため、各レール部12,13の両端部にはリブ15…付きのプレート16…が付けられ、隣り合うプレート16,16同士がブレース17…で連結されている。
そして、基礎1の側には、回転軸線を上下方向に向けた対の遊転ローラー18a,18aが上方に突出するようにして互いに間隔をおいて備えられると共に、上部構造部2の側には、同じく回転軸線を上下方向に向けた対の遊転ローラー18b,18bが下方に突出するようにして互いに間隔をおいて備えられ、ねじれ拘束子11は、基礎1と上部構造部2との間に配設され、基礎1の側の対の遊転ローラー18a,18aが下直線レール部12の溝内に転動自在に嵌め込まれて、基礎の側に対し、図9(イ)(ハ)に示すように、ねじれを拘束されて下直線レール部12の延びる方向に相対移動できるように係合されると共に、上部構造部2側の対の遊転ローラー18b,18bが上直線レール部13の溝内に転動自在に嵌め込まれて、上部構造部の側に対し、図9(ロ)(ハ)に示すように、ねじれを拘束されて上直線レール部13の延びる方向に相対移動できるように係合されている。
更に、このねじれ拘束機構部4において、ねじれ拘束子11は、上下の対の遊転ローラー18a,18a,18b,18bに対して上下方向の遊びをもたされていて、重力利用復元式の転がり免震支承部による地震時の免震で上部構造部が上下方向に変位をしても、それを、ねじれ拘束子11が、上記の遊びで、上下の遊転ローラー18a,18a,18b,18bの上下両方、又は、上下いずれか一方に対して上下方向に相対変位をすることで吸収することができるようになされている。その他は、第1実施形態と同様である。
なお、本第2実施形態では、「下直線レール部」における「下」の語は、下部構造部用、即ち基礎用の意味で用いられ、「上直線レール部」における「上」の語は上部構造部用の意味で用いられている。
本実施形態の免震システムにおいても、第1実施形態の免震システムと同様に、地震時に免震で上部構造部2と基礎1とが相対的にねじれ動いてしまうのを効果的に防ぐことができ、しかも、それを建物や免震層の設計の自由度を狭くすることなく実現することができ、加えて、ねじれ拘束機構部4…を、支承機能を排除した経済的なつくりにすることができると共に、免震支承部3…をねじれ拘束機能を排除した経済的なつくりにする選択も任意的選択として可能になる。
また同様に、上記のような構造のねじれ拘束機構部4によれば、ねじれ抵抗の大きさを、上部構造部2と基礎1に対するねじれ拘束子11の係合部分、即ち、遊転ローラー18a,18a間及び18b,18b間のスパンを種々変更するだけで効果的に変化させることができ、必要なねじれ抵抗を備えたねじれ拘束機構部を経済的かつ容易に製作することができると共に、係合部分のスパンである遊転ローラー18a,18a間及び18b,18b間のスパンを大きく設定することができることで、ねじれ拘束機構部4におけるねじれ方向のガタツキねじれ角を小さくすることができ、ひいては、上部構造部2のガタツキねじれ角を小さくすることができる。
図10(イ)は、第2実施形態におけるねじれ拘束機構部4の変形例を示すもので、ねじれ拘束子11を構成する上下の直線レール部12,13の高さ位置を一致ないしは略一致させ、ピン19a,19a,19b,19bが互いに同じないしは略同じ高さ位置で上下の直線レール部12,13とねじれ方向において係合するようになされたものである。この構造によれば、ねじれ方向の力がねじれ拘束子11に働いたときのねじれ拘束子11の面外方向の変形を効果的に抑制ないしは防止することができる。なお、このように、直線レール部12,13に対する基礎や上部構造部のねじれ方向における係合は、遊転ローラーに限らず、ピンなど各種係合手段が採用されてよい。
図10(ロ)は、第2実施形態におけるねじれ拘束機構部4の他の変形例を示すもので、上下の直線レール部12,13が、鋼材などからなって角パイプ状をして十字状に組まれて一体化されており、下直線レール部12の両端下面部に該レール方向に延びる長孔12a,12aが形成されると共に、上直線レール部13の両端上面部に該レール方向に延びる長孔13a,13aが形成されている。そして、基礎の側には、遊転ローラーに代えて、対のピン19a,19aが上方に突出するように備えられると共に、上部構造部の側には、同じく遊転ローラーに代えて、ピン19b,19bが下方に突出するようにして備えられ、基礎の側の対のピン19a,19aが下直線レール部12の長孔12a,12a内に摺動自在に嵌め込まれ、上部構造部側の対のピン19b,19bが上直線レール部13の長孔13a,13a内に摺動自在に嵌め込まれている。また、ねじれ拘束子11は、上下の対のピン19a,19a,19b,19bに対して上下方向の遊びをもたされていて、重力利用復元式の転がり免震支承部3…による地震時の免震で上部構造部2が上下方向に変位をしても、それを、ねじれ拘束子11が、上記の遊びで、上下のピン19a,19a,19b,19bの上下両方、又は、上下いずれか一方に対して上下方向に相対変位をすることで吸収することができるようになされている。このように、直線レール部12,13は、溝形に限らず、角パイプなど各種形態をしていてよい。
図11は、第2実施形態におけるねじれ拘束機構部4の更に他の変形例を示すもので、ねじれ拘束子11は、直線レール部が鋼材などからなって溝形をしていて、互いに平行な対の上直線レール部13,13と、互いに平行な対の下直線レール部12,12とを井桁状に組んで一体化したものからなっている。また、ブレース17,17によって、ねじれ方向における剛性が更に高められている。そして、基礎の側には、2対のピン19a,19a,19a,19aが上方に突出するように備えられると共に、上部構造部の側には、2対のピン19b,19b,19b,19bが下方に突出するようにして備えられ、基礎の側のピン19a…が対の下直線レール部12,12の溝内に摺動自在に嵌め込まれ、上部構造部側の2対のピン19b…が対の上直線レール部13,13の溝内に摺動自在に嵌め込まれている。このように、上下の直線レール部12,13は、各1つに限られるものではなく、本数に制限はない。第1実施形態の直線レール部8,9についても同様である。上記の構造によれば、基礎1及び上部構造部2と、ねじれ拘束子11との係合を強固なものにすることができると共に、ねじれ拘束子11それ自体の剛性も高くすることができて、上部構造部2がねじれ動くのをしっかり防ぐことができる。また、一カ所当たりのピンの耐力を小さくすることも可能になる。
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。例えば、上記の第1実施形態の免震システムのねじれ拘束機構部4において、地震による引抜き力で上部構造部2が基礎1から浮き上がらないように、上下の直線レール部8,9をリップ付きの溝型にして、ローラー10a,10a,10b,10bがリップにひっかかるようにするものよい。第2実施形態及びその変形例において、引抜き防止機構を備えさせるのもよい。また、上記の各実施形態では、免震支承部として、転がり免震支承部を用いた場合を示しているが、滑り支承などであってもよい。また、本発明の免震システムでは、免震支承部は、重力利用復元式のもの、即ち免震時に上部構造部を上下に変位させるタイプのものからなっていなくてもよい。また、ねじれ拘束機構部は、上下のレール部8,9とねじれ拘束子10とによるものなどに限らず、要は、上部構造部2の免震を許容しながら下部構造部1と上部構造部2との相対的なねじれを拘束する構造のものからなっていればよい。
なお、本発明においていう「ねじれ非拘束性の免震支承部」の語は、ねじれ拘束機構部が組み込まれていない免震支承部のほか、ねじれ拘束機構部が組み込まれている免震支承部をも含む概念である。即ち、免震支承部にねじれ拘束機構部が組み込まれていて、そのねじれ拘束機構部で建物のねじれを有効的に防ぐことができるのであれば、本発明のように、ねじれ拘束機構部を免震機構とは別に備えさせることはしないのであり、本発明のように、ねじれ拘束機構部が免震支承部とは別に備えられている場合のその理由は、免震機構部に組み込まれたねじれ拘束機構部のみでは実質的に建物のねじれを拘束しえないからであり、免震支承部に組み込れたねじれ拘束機構のみで建物のねじれを実質的に拘束できないような、ねじれ拘束機構部組込み型の免震支承部は、本発明においていう「ねじれ非拘束性の免震支承部」の概念に含まれるのである。言い換えれば、本発明では、ねじれ拘束機構部が免震支承部とは別に備えられていれば、免震支承部にねじれ拘束機構部が含まれているか否かにかかわらず、その免震支承部はねじれ非拘束性の免震支承部と解釈することになる。
図(イ)は、第1実施形態の免震システムで用いられるねじれ拘束機構部の組込み状態を示す断面正面図、図(ロ)は同ねじれ拘束機構部の平面図である。 ねじれ拘束機構部の分解斜視図である。 図(イ)〜図(ハ)はそれぞれ、ねじれ拘束機構部のねじれ抵抗を異ならせるためのねじれ拘束子の種々の形態を示す平面図である。 図(イ)〜図(ハ)はそれぞれ、ねじれ拘束機構部が上部構造部の免震を許容しながらねじれを拘束している状態を示す平面図である。 図(イ)〜図(ハ)はそれぞれ、ねじれ拘束機構部が上部構造部の免震時の上下の変位を吸収している状態を示す断面正面図である。 図(イ)は、実施形態のシステムで用いられる転がり免震支承部の断面正面図、図(ロ)及び図(ハ)は免震作動状態を示す断面正面図である。 図(イ)は実施形態のシステムが用いられる建物の正面図、図(ロ)は同平面図である。 図(イ)は、第2実施形態の免震システムで用いられるねじれ拘束機構部の組込み状態を示す断面正面図、図(ロ)は同ねじれ拘束機構部の平面図である。 図(イ)〜図(ハ)はそれぞれ、ねじれ拘束機構部が上部構造部の免震を許容しながらねじれを拘束している状態を示す平面図である。 図(イ)は第2実施形態におけるねじれ拘束機構部の変形例を示す斜視図、図(ロ)は他の変形例を示す斜視図である。 第2実施形態におけるねじれ拘束機構部の更に他の変形例を示す分解斜視図である。
符号の説明
1…基礎(下部構造部)
2…上部構造部
3…免震支承部
4…拘束機構部
8…下直線レール部
9…上直線レール部
10…ねじれ拘束子
11…ねじれ拘束子
12…下直線レール部
13…上直線レール部

Claims (4)

  1. 下部構造部と上部構造部との間にねじれ非拘束性の免震支承部が介設され、該免震支承部で上部構造部が水平二次元方向において免震されるようになされた建物免震システムにおいて、
    上部構造部の前記免震を許容しながら下部構造部と上部構造部との相対的なねじれを拘束するねじれ拘束機構部が、前記免震支承部とは別に備えられていることを特徴とする建物免震システム。
  2. 前記ねじれ拘束機構部が、
    下部構造部の側に設けられて水平方向に延ばされた下直線レール部と、
    上部構造部の側に設けられて下直線レール部と交差する水平方向に延ばされた上直線レール部と、
    ねじれ拘束子と
    を備え、
    該ねじれ拘束子が、下直線レール部に対し、ねじれを拘束されて該下直線レール部の延びる方向に相対移動できるように係合されると共に、上直線レール部に対し、ねじれを拘束されて該上直線レール部の延びる方向に相対移動できるように係合されているものからなる請求項1に記載の建物免震システム。
  3. 前記ねじれ拘束機構部は、ねじれ拘束子を備え、
    該ねじれ拘束子が、
    下部構造部の側に面するように水平方向に延ばされた下直線レール部と、
    上部構造部の側に面するように下直線レール部と交差する水平方向に延ばされた上直線レール部とを備え、
    該ねじれ拘束子の下直線レール部が、下部構造部の側に対し、ねじれを拘束されて下直線レール部の延びる方向に相対移動できるように係合されると共に、ねじれ拘束子の上直線レール部が、上部構造部の側に対し、ねじれを拘束されて上直線レール部の延びる方向に相対移動できるように係合されているものからなる請求項1に記載の建物免震システム。
  4. 前記免震支承部が重力利用復元式の免震支承部からなり、
    前記ねじれ拘束機構部のねじれ拘束子が、免震作動中、下部構造部と上部構造部の両方、又は、いずれか一方に対して上下方向に相対変位できるようになされている請求項2又は3に記載の建物免震システム。
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