JP2005281663A - プリプレグ及びこれを用いた金属箔張積層板、印刷回路板。 - Google Patents
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Abstract
【課題】 十分に高い寸法安定性を有する銅張積層板及び印刷回路板を得ることが可能なプリプレグを提供する。
【解決手段】 上記課題を解決する本発明のプリプレグ100は、繊維基材と、これに含浸した樹脂組成物とを備え、前記樹脂組成物が、イミド基を有する樹脂と、熱硬化性樹脂とを含有し、前記繊維基材の厚みが5〜50μmである。
【選択図】 図1
【解決手段】 上記課題を解決する本発明のプリプレグ100は、繊維基材と、これに含浸した樹脂組成物とを備え、前記樹脂組成物が、イミド基を有する樹脂と、熱硬化性樹脂とを含有し、前記繊維基材の厚みが5〜50μmである。
【選択図】 図1
Description
本発明はプリプレグ及びこれを用いた金属箔張積層板、印刷回路板に関する。
印刷回路板は、通常、絶縁性の基板と、この基板の片面又は両面に設けられた印刷回路とで構成される。基板としては、例えば、繊維基材に電気絶縁性の樹脂をマトリックスとして含浸したプリプレグを所定枚数重ね、これを加熱加圧して一体化して得られる積層板(プリント配線板用積層板)が用いられる。印刷回路(プリント回路)をサブトラクティブ法により形成して印刷回路板を得る場合には、上記の積層板からなる基板の片面又は両面に金属箔が積層された金属張積層板が用いられる。この金属張積層板は、例えば、プリプレグの表面(片面又は両面)に銅箔等の金属箔を重ね、これを加熱加圧することにより製造される。電気絶縁性の樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂などの熱硬化性樹脂が汎用され、フッ素樹脂やポリフェニレンエーテル樹脂などの熱可塑性樹脂が用いられることもある。
パーソナルコンピュータや携帯電話等の情報端末機器の普及に伴って、これらに搭載される印刷回路板は小型化、高密度化が進んでいる。そして、その実装形態はピン挿入型から表面実装型へ、さらには上述のような積層板からなるプラスチック基板等の基板を使用した、BGA(ボールグリッドアレイ)に代表されるエリアアレイ型へと進んでいる。BGAのように、ベアチップを基板に直接実装する場合、ベアチップと基板との接続は、熱超音波圧着によるワイヤボンディングで行うのが一般的である。このため、ベアチップを実装する基板は150℃以上の高温にさらされることになり、基板に用いる電気絶縁性の樹脂にはある程度の耐熱性が要求される。
ところで、環境問題の観点から、はんだの鉛フリー化が進んでいる。しかし、鉛フリーのはんだを用いて実装する場合、その溶融温度が高温であるために、基板にはより高い耐熱性が要求される。また、基板の材料をハロゲンフリーとする要求も高まっており、臭素系難燃剤の使用が難しくなってきている。
さらに、印刷回路板には、一度実装したチップを外す、いわゆるリペア性も要求される場合があるが、チップを外すためにはチップ実装時と同程度の熱が加えられ、再度チップが実装されるときにも熱が加わることになる。したがって、リペア性の要求される印刷回路板では、高温での周期的な熱衝撃に対する耐久性(耐熱衝撃性)も要求される。耐熱衝撃性が不足すると、リペアを受けたときに繊維基材と樹脂との間で剥離等を起こしやすくなる傾向にある。
そこで、例えば、耐熱衝撃性等に優れるポリアミドイミド樹脂を必須成分とする樹脂組成物を繊維基材に含浸したプリプレグ及びこれを用いて得られる基板が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、シリコーン変性ポリイミド樹脂等の直鎖型のポリイミド樹脂と熱硬化性樹脂からなる樹脂組成物を繊維基材に含浸した耐熱性の基材が提案されている(例えば特許文献2参照。)。
特開2003−55486号公報
特開平8−193139号公報
上述のような特許文献1、2を始めとする従来の基板は、ポリアミドイミド樹脂又はポリイミド樹脂を含有するため、耐熱衝撃性や耐熱性に優れるが、製造工程時の高温多湿処理や保管環境変化によってもその寸法変化が生じ難い特性、すなわち、いわゆる寸法安定性の点でまだ改良の余地がある。本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、十分に高い寸法安定性を有する銅張積層板及び印刷回路板、並びにこれを得るためのプリプレグを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明のプリプレグは、繊維基材と、これに含浸した樹脂組成物とを備え、樹脂組成物が、イミド基を有する樹脂と、熱硬化性樹脂とを含有し、繊維基材の厚みが5〜50μmであることを特徴とする。
本発明のプリプレグは、イミド基を有する樹脂を厚みが上記範囲にある繊維基材に含浸することにより、寸法安定性に十分優れた基板を形成することができる。このため、従来の銅張積層板又は印刷回路板の製造の際に必要であった、製造工程中での高温多湿処理による寸法変化を見越してこの変化分を見込んだスケーリングを行うなどの処置をとることが不要となる。
本発明のプリプレグにおいて、イミド基を有する樹脂がポリシロキサン鎖からなる2価の基を更に有することが好ましい。これにより、可とう性(柔軟性)の向上した硬化材が得られるので、このプリプレグを用いて形成される印刷回路板は、一層容易に任意に折り曲げ可能となり、電子機器の筐体内により高密度に収納することができる。
本発明のプリプレグにおいて、イミド基を有する樹脂が、下記一般式(1a)で表される2価の基を有するとより好ましい。このようなポリイミド樹脂は、ポリシロキサン鎖を主鎖中に有しており、樹脂内の高分子鎖は高い自由度を備えている。そのため、プリプレグの硬化材の可とう性(柔軟性)を更に向上させることができる。
式(1a)中、Ar1は4価の芳香族基を示し、R1及びR2はそれぞれ独立に2価の脂肪族炭化水素基を示し、R3、R4、R5及びR6(「R3〜R6」と表記する。以下同様。)はそれぞれ独立に炭素数1〜6の脂肪族炭化水素基を示し、mは1〜50の整数を示す。
また、本発明のプリプレグにおいて、イミド基を有する樹脂が、下記一般式(1b)で表される2価の基を更に有するものであってもよい。
式(1b)中、Ar1は4価の芳香族基を示し、Ar2は2価の芳香族基を示す。
本発明のプリプレグにおいて、耐熱性の観点から、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂であることが好ましい。
本発明の金属箔張積層板は、上述の本発明のプリプレグを所定枚数積層した積層体を加熱及び加圧して得られる基板と、当該基板の少なくとも一方面上に設けられた金属箔とを備えることを特徴とする。この本発明の金属箔張積層板は、印刷回路板を得るために好適に用いることができる。また、本発明の印刷回路板は、上記本発明の金属箔張積層板に回路を形成して得られることを特徴とする。
これら金属箔張積層板及び印刷回路板は、上記本発明のプリプレグを用いて製造されることにより、可とう性及び難燃性の両方を同時に十分に高いレベルで達成可能となる。
本発明によれば、十分に高い寸法安定性を有する金属箔張積層板及び印刷回路板、並びにこれらを得ることが可能なプリプレグを提供することができる。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
図1は、本発明によるプリプレグの一実施形態を示す部分斜視図である。図1に示すプリプレグ100は、繊維基材と、これに含浸した樹脂組成物とで構成されるシート状のプリプレグである。
プリプレグ100中の繊維基材は、任意に折り曲げ可能な、可とう性を有する繊維基材であり、その厚みは5〜50μmである。これにより、得られる印刷回路板の寸法安定性が大きくなり、製造プロセスにおける加熱、吸湿等に伴う寸法変化を小さくすることが可能となる。また、印刷回路板等の寸法安定性を更に改善するため、この厚さは5μm以上30μm未満であることがより好ましい。
繊維基材の形態としては、金属箔張積層板や多層印刷回路板を製造する際に用いられるものであれば特に制限されないが、通常、織布や不織布等の繊維基材が用いられる。繊維基材を構成する繊維としては、ガラス、アルミナ、アスベスト、ボロン、シリカアルミナガラス、シリカガラス、チラノ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ジルコニア等の無機繊維や、アラミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、カーボン、セルロース等の有機繊維、あるいはこれらの混抄系が挙げられる。これらのなかでも、ガラス繊維が好ましい。特に、繊維基材としてはガラスクロス(ガラス繊維の織布)が好ましく用いられる。
プリプレグ100を構成する樹脂組成物は、a成分のイミド構造を有する樹脂と、b成分の熱硬化性樹脂とを含有する。また、通常、プリプレグ中の樹脂組成物は、少量の溶媒を残存揮発分として含有する。
a成分としては、主鎖中にイミド基(−CO−NR−CO−;以下、「イミド構造」ともいう。)を有する高分子からなる樹脂、すなわちポリイミド樹脂であれば特に限定されない。ポリイミド樹脂を用いることによって、得られる金属箔張積層板及び印刷回路板の耐熱性や耐熱衝撃性が優れるものとなり、微細配線の形成に対しても有利となる。
a成分は、シロキサン構造、より詳しくはポリシロキサン鎖からなる2価の基、を有するポリイミド樹脂であることが好ましい。言い換えると、a成分はシロキサン変性ポリイミド樹脂であることが好ましい。
具体的には、a成分は、上記一般式(1a)で表される2価の基を有するポリイミド樹脂であることが好ましい。このようなポリイミド樹脂は、テトラカルボン酸二無水物とシロキサンジアミンとの反応により得ることができる。
テトラカルボン酸二無水物としては、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、3,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)フタル酸二無水物などが挙げられる。
また、シロキサンジアミンとしては、ポリシロキサン鎖を有するジアミン化合物であれば特に制限されず、例えば、下記一般式(2a)、(2b)、(2c)又は(2d)(以下、「(2a)〜(2d)」と表記する。)で表されるものが挙げられる。
上記式(2a)〜(2d)において、n1、n2、n3及びn4は、それぞれ独立に正の整数を示す。n1、n2、n3及びn4は、それぞれ1〜50であることが好ましい。
一般式(2a)で表されるシロキサンジアミンとしては、「X−22−161AS」(アミン当量450)、「X−22−161A」(アミン当量840)、「X−22−161B」(アミン当量1500)(以上信越化学工業株式会社製、商品名)、「BY16−853」(アミン当量650)、「BY16−853B」(アミン当量2200)(以上東レダウコーニングシリコーン株式会社製、商品名)等が市販品として入手可能である。
上記一般式(2d)で表されるシロキサンジアミンとしては、「X−22−9409」(アミン当量700)、「X−22−1660B−3」(アミン当量2200)(以上信越化学工業株式会社製、商品名)等が市販品として入手可能である。
また、a成分は、上記一般式(1a)で表される2価の基を有し、更に上記一般式(1b)で表される2価の基を有していてもよい。このようなポリイミド樹脂は、上述のテトラカルボン酸二無水物及びシロキサンジアミンに加え、更に芳香族ジアミンを反応させることにより得ることができる。
芳香族ジアミンとしては、例えば、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジアミン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル−4,4’−ジアミン、2,6,2’,6’−テトラメチル−4,4’−ジアミン、5,5’−ジメチル−2,2’−スルフォニル−ビフェニル−4,4’−ジアミン、3,3’−ジヒドロキシビフェニル−4,4’−ジアミン、(4,4’−ジアミノ)ジフェニルエーテル、(4,4’−ジアミノ)ジフェニルスルホン、(4,4’−ジアミノ)ベンゾフェノン、(3,3’―ジアミノ)ベンゾフェノン、(4,4’−ジアミノ)ジフェニルメタン、(4,4’−ジアミノ)ジフェニルエーテル、(3,3’―ジアミノ)ジフェニルエーテル等が例示できる。芳香族ジアミンとしては、これらを単独で又は複数組み合わせて用いることができる。
芳香族ジアミンの量xとシロキサンジアミンの量yとの比率(モル比、x/y)は、99.9/0.1〜0/100であることが好ましく、95/5〜30/70であることがより好ましく、90/10〜40/60であることがより一層好ましい。シロキサンジアミンの混合比率が上記範囲より多くなると硬化物のガラス転移温度(Tg)が低下する傾向にあり、上記範囲より少ないと、樹脂組成物のワニスの調製に用いた有機溶剤(ワニス溶剤、後述)が、プリプレグ中に残存しやすくなる傾向にある。
本実施形態で用いる熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ビスマレイミド樹脂、トリアジン−ビスマレイミド樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。これらの中でも、エポキシ樹脂が好ましい。
熱硬化性樹脂の含有割合は、ポリアミドイミド樹脂100質量部に対して1〜200質量部であることが好ましく、3〜100質量部であることがより好ましく、10〜60質量部であることがさらに好ましい。この含有量が1質量部未満の場合は耐溶剤性が低下する傾向にあり、140質量部を超えた場合は未反応の熱硬化性樹脂により基板中の樹脂のTgが低下したり、可とう性が低下したりする傾向にある。
エポキシ樹脂としては、ポリグリシジルエーテル、ポリグリシジルエステル、ポリグリシジルアミン(N−グリシジル誘導体)、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。ポリグリシジルエーテルは、例えば、ビスフェノールA、ノボラック型フェノール樹脂及びオルトクレゾールノボラック型フェノール樹脂等の多価フェノール、又は1,4−ブタンジオール等の多価アルコールと、エピクロルヒドリンとを反応させて得られ、ポリグリシジルエステルは、例えば、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等の多塩基酸と、エピクロルヒドリンとを反応させて得られ、N−グリシジル誘導体は、例えば、アミン、アミド又は複素環式窒素塩基を有する化合物と、エピクロルヒドリンとを反応させて得られる。
熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いることにより、180℃以下の温度で硬化が可能で、熱的、機械的及び電気的特性が特に良好な印刷回路板が得られる。なお、エポキシ樹脂は、グリシジル基を有することが好ましく、グリシジル基を複数、特に3個以上有することがより好ましい。エポキシ樹脂の好適な含有量は、その有するグリシジル基の数によって異なる。エポキシ樹脂が有するグリシジル基の数が多いほど、その含有量を少なくすることができる。
熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、後述のワニス中に、エポキシ樹脂の硬化剤及び/又は硬化促進剤を更に含有させることが好ましい。エポキシ樹脂の硬化剤及び硬化促進剤は、それぞれ、エポキシ樹脂と反応するもの、または、エポキシ樹脂の硬化を促進させるものであれば特に限定されない。あるいは、硬化剤及び硬化促進剤の両方の働きを有するものを用いてもよい。
硬化剤としては、例えば、アミン類、イミダゾール類、多官能フェノール類、酸無水物類等が使用できる。アミン類としては、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、グアニル尿素等が使用でき、多官能フェノール類としては、ヒドロキノン、レゾルシノール、ビスフェノールA及びこれらのハロゲン化合物、さらにホルムアルデヒドとの縮合物であるノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などが使用でき、酸無水物類としては、無水フタル酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、メチルハイミック酸等が使用できる。硬化促進剤としては、例えば、アルキル基置換イミダゾール、ベンゾイミダゾール等のイミダゾール類が使用できる。
硬化剤がアミン類である場合、その配合量は、その活性水素の当量と、エポキシ樹脂のエポキシ当量とがほぼ等しくなるような量であることが好ましい。また、硬化促進剤がイミダゾールの場合、その配合量は、単純に活性水素との当量比とするよりも、エポキシ樹脂100質量部に対して0.001〜10質量部とするほうが、経験的に好ましい。硬化剤が多官能フェノール類や酸無水物類の場合、その配合量は、エポキシ樹脂1当量に対して、フェノール性水酸基やカルボキシル基0.6〜1.2当量の比率となる量であることが好ましい。これらの硬化剤または硬化促進剤の量が少ないと、未反応のエポキシ樹脂が基板中に残存してTg(ガラス転移温度)の低下を招く傾向にあり、多すぎると未反応の硬化剤及び硬化促進剤が残存して絶縁性が低下する傾向にある。
プリプレグ100は、例えば、以上説明したような樹脂組成物を有機溶媒等の溶媒中に溶解又は分散して得られるワニスを繊維基材に含浸する含浸工程と、溶媒を除去(乾燥)する乾燥工程とを備える製造方法により、作製できる。ワニスに用いる有機溶媒としては、樹脂組成物が溶解可能なものが好ましい。このような有機溶媒としては、例えば、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、スルホラン、シクロヘキサノン等が挙げられる。
樹脂組成物における熱硬化性樹脂の含有割合は、シロキサン変性ポリイミド樹脂等のポリイミド樹脂100質量部に対して1〜200質量部であると好ましい。これにより、ワニス中の溶媒の揮発速度が速くなる傾向にある。溶媒の揮発速度が高いと、乾燥工程において、熱硬化性樹脂の硬化反応があまり促進されない150℃以下の低温で溶媒を除去して、その残存揮発分を例えば5質量%以下のような低いレベルにすることが可能となる。残存揮発分を低くすることにより、繊維基材及び金属箔(銅箔等)と、樹脂組成物の硬化物との密着性の良好な金属張積層板を得ることができる。これは、特に耐熱性の高いポリイミド樹脂をシロキサン変性している場合に顕著となる。また、残存揮発分が少ないと、銅箔等の金属箔との積層工程において、溶媒の揮発によるフクレの発生が抑制され、また、得られる金属張積層板のはんだ耐熱性もさらに優れるものとすることができる。
含浸工程において、ワニスを含浸する方法は特に限定されず、ワニスに繊維基材を浸漬させる等、従来公知の方法によって含浸することができる。ワニスの含浸量は、ワニス中の樹脂固形分(溶媒以外の成分)及び繊維基材の合計量に対して、樹脂固形分が30〜80質量%になるような量とすることが好ましい。
溶媒除去(乾燥)工程においては、ワニスが含有する溶媒を除去する。言い換えると、プリプレグを乾燥する。溶媒の除去は、ワニス中の溶媒のうち80質量%以上が揮発するように乾燥することが好ましい。具体的には、80〜180℃に加熱して溶媒を除去することが好ましい。また、加熱する時間はワニスのゲル化時間を考慮して、ワニスがゲル化しないような時間の範囲内とすることが好ましい。
本発明の好適な実施形態に係る金属箔張積層板は、上述のプリプレグを所定枚数積層した積層体を加熱及び加圧して得られる基板と、当該基板の少なくとも一方面上に設けられた金属箔と、を備える金属箔張積層板である。この金属箔張積層板は、上記本発明に係るプリプレグを用いていることにより、寸法安定性に十分優れたものとすることができる。
図2は、本発明による金属箔張積層板の一実施形態を示す部分断面図である。金属箔張積層板200は、所定枚数のプリプレグ100を積層した積層体を加熱及び加圧して得られるシート状の基板30と、基板30の両面に密着して設けられた2枚の金属箔10とで構成される。
基板30は、複数のプリプレグ100に由来する複数の繊維強化樹脂層3が積層された積層体からなる。金属箔張積層板及び印刷回路板の柔軟性を高めるため、基板30の厚みは10〜300μmであることが好ましい。それぞれの繊維強化樹脂層3においては、繊維基材に樹脂がマトリックスとして含浸している。ワニスにエポキシ樹脂を用いた場合、この樹脂においては、ポリアミドイミド樹脂とエポキシ樹脂との架橋反応等により架橋構造が形成されている。
金属箔張積層板は、所定枚数(好ましくは10枚以下)のプリプレグ100を積層した積層体の両面に金属箔を重ね、これを加熱及び加圧することにより、得られる。このとき、加熱する温度及び圧力は特に限定されないが、通常、加熱する温度は通常150〜280℃(好ましくは180〜250℃)で、圧力は通常0.5〜20MPa(好ましくは1〜8MPa)の範囲である。
金属箔10としては、銅箔やアルミニウム箔が一般的に用いられるが、銅箔が好ましい。銅箔としては、通常銅張積層板に用いられている、5〜200μmの厚さのものを使用できるが、印刷回路板の柔軟性を高めるために、その厚さは5〜18μmであることがより好ましい。あるいは、ニッケル、ニッケル−リン、ニッケル−スズ合金、ニッケル−鉄合金、鉛、鉛−スズ合金等を中間層とし、この両面に0.5〜15μmの銅層と10〜300μmの銅層を設けた3層構造の複合箔あるいはアルミニウムと銅箔とを複合した2層構造複合箔を用いることもできる。
金属箔張積層板の実施形態は、上記のような態様に限定されない。例えば、1枚のプリプレグ100を用いて、基板を1層の繊維強化樹脂層からなるものとしてもよいし、基板の片側のみに金属箔を設けてもよい。なお、金属箔を積層せずにプリプレグ100のみを加熱及び加圧して、繊維強化樹脂層で構成される積層体からなる絶縁板を得ることもできる。
図3は、本発明による印刷回路板の一実施形態を示す部分断面図である。図3に示す印刷回路板300は、上記と同様の基板30と、基板30の両面に接着された2枚の金属箔10とで主として構成され、金属箔10にはその一部が除去されて配線パターンが形成されている。さらに、印刷回路板300をその主面に略直行する方向に貫通する複数の貫通孔70が形成されており、この貫通孔70の孔壁には所定の厚さの金属めっき層60が形成されている。
印刷回路板300は、上記の金属箔張積層板200に回路を形成して得られる。回路の形成(回路加工)は、サブトラクティブ法等の従来公知の方法によって行うことができる。また、印刷回路板300には、通常、所定の回路部品(図示せず)が実装されている。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(合成例1)
環流冷却器を連結したコック付き25mLの水分定量受器、温度計及び撹拌器を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物31.0g(0.10mol)、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)200g、m−キシレン200gを投入して反応液とし、これを室温(25℃)で30分間攪拌した。そして、シロキサンジアミンである反応性シリコンオイル「KF−8010」(信越化学工業株式会社製、商品名、アミン当量430)34.4g(0.04mol)を滴下ロートを用いて反応液中に滴下し、この反応液を攪拌下で氷冷した。さらに、芳香族ジアミンであるBAPP(2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン)24.6g(0.06mol)を反応液中に投入して、これを室温(25℃)で2時間攪拌して、ポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液を190℃まで温度を上げて、この状態で20時間攪拌し、イミド閉環に伴って生成する水をm−キシレンと共沸させて除去した。反応終了後、シロキサン変性ポリイミド樹脂のNMP溶液を得た。
環流冷却器を連結したコック付き25mLの水分定量受器、温度計及び撹拌器を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物31.0g(0.10mol)、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)200g、m−キシレン200gを投入して反応液とし、これを室温(25℃)で30分間攪拌した。そして、シロキサンジアミンである反応性シリコンオイル「KF−8010」(信越化学工業株式会社製、商品名、アミン当量430)34.4g(0.04mol)を滴下ロートを用いて反応液中に滴下し、この反応液を攪拌下で氷冷した。さらに、芳香族ジアミンであるBAPP(2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン)24.6g(0.06mol)を反応液中に投入して、これを室温(25℃)で2時間攪拌して、ポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液を190℃まで温度を上げて、この状態で20時間攪拌し、イミド閉環に伴って生成する水をm−キシレンと共沸させて除去した。反応終了後、シロキサン変性ポリイミド樹脂のNMP溶液を得た。
(合成例2)
環流冷却器を連結したコック付き25mLの水分定量受器、温度計及び撹拌器を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物29.4g(0.10mol)、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)200g、m−キシレン200gを投入して反応液とし、これを室温(25℃)で30分間攪拌した。そして、シロキサンジアミンである反応性シリコンオイル「KF−8010」(信越化学工業株式会社製、商品名、アミン当量430)34.4g(0.04mol)を滴下ロートを用いて反応液中に滴下し、この反応液を攪拌下で氷冷した。さらに、芳香族ジアミンであるBAPP(2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン)24.6g(0.06mol)を反応液中に投入して、これを室温(25℃)で2時間攪拌して、ポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液を190℃まで温度を上げて、この状態で20時間攪拌し、イミド閉環に伴って生成する水をm−キシレンと共沸させて除去した。反応終了後、シロキサン変性ポリイミド樹脂のNMP溶液を得た。
環流冷却器を連結したコック付き25mLの水分定量受器、温度計及び撹拌器を備えた1リットルのセパラブルフラスコに、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物29.4g(0.10mol)、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)200g、m−キシレン200gを投入して反応液とし、これを室温(25℃)で30分間攪拌した。そして、シロキサンジアミンである反応性シリコンオイル「KF−8010」(信越化学工業株式会社製、商品名、アミン当量430)34.4g(0.04mol)を滴下ロートを用いて反応液中に滴下し、この反応液を攪拌下で氷冷した。さらに、芳香族ジアミンであるBAPP(2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン)24.6g(0.06mol)を反応液中に投入して、これを室温(25℃)で2時間攪拌して、ポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液を190℃まで温度を上げて、この状態で20時間攪拌し、イミド閉環に伴って生成する水をm−キシレンと共沸させて除去した。反応終了後、シロキサン変性ポリイミド樹脂のNMP溶液を得た。
(実施例1)
<プリプレグ及び銅張積層板の作製>
合成例1で得たシロキサン変性ポリイミド樹脂(PI)のNMP溶液265.0g(樹脂固形分30.2質量%)と、エポキシ樹脂(Ep)のジメチルアセトアミド溶液である「NC3000」(日本化薬株式会社製、商品名、樹脂固形分50質量%)40.0gと、2−エチル−4−メチルイミダゾール0.2gとを混合した混合液を、均一になるまで約1時間撹拌した後、脱泡のため24時間、室温(25℃)で静置して樹脂組成物のワニスを得た。
<プリプレグ及び銅張積層板の作製>
合成例1で得たシロキサン変性ポリイミド樹脂(PI)のNMP溶液265.0g(樹脂固形分30.2質量%)と、エポキシ樹脂(Ep)のジメチルアセトアミド溶液である「NC3000」(日本化薬株式会社製、商品名、樹脂固形分50質量%)40.0gと、2−エチル−4−メチルイミダゾール0.2gとを混合した混合液を、均一になるまで約1時間撹拌した後、脱泡のため24時間、室温(25℃)で静置して樹脂組成物のワニスを得た。
得られた樹脂組成物のワニスを厚さ0.028mm(28μm)のガラスクロス(ガラス布、旭シュエーベル株式会社製、商品名「1037」)に含浸後、150℃で15分間加熱することにより乾燥して、樹脂組成物の含有割合が70質量%(プリプレグ全体の質量基準)のプリプレグを得た。このプリプレグ1枚の両側に厚さ12μmの電解銅箔(古河電工株式会社製、商品名「F2−WS−12」)を、その接着面がプリプレグと合わさるようにして重ねた積層体を、230℃、90分、4.0MPaのプレス条件で加熱及び加圧して、両面銅張積層板を作製した。
(実施例2)
合成例2で得たシロキサン変性ポリイミド樹脂(PI)のNMP溶液216.8g(樹脂固形分36.9質量%)と、エポキシ樹脂(Ep)のジメチルアセトアミド溶液である「NC3000」(日本化薬株式会社製、商品名、樹脂固形分50質量%)40.0gと、2−エチル−4−メチルイミダゾール0.2gとを混合した混合液を、均一になるまで約1時間撹拌した後、脱泡のため24時間、室温(25℃)で静置して樹脂組成物のワニスを得た。
合成例2で得たシロキサン変性ポリイミド樹脂(PI)のNMP溶液216.8g(樹脂固形分36.9質量%)と、エポキシ樹脂(Ep)のジメチルアセトアミド溶液である「NC3000」(日本化薬株式会社製、商品名、樹脂固形分50質量%)40.0gと、2−エチル−4−メチルイミダゾール0.2gとを混合した混合液を、均一になるまで約1時間撹拌した後、脱泡のため24時間、室温(25℃)で静置して樹脂組成物のワニスを得た。
得られたワニスを用いて、実施例1と同様にして、プリプレグ及び両面銅張積層板の作製を行った。
(実施例3)
合成例1で得たシロキサン変性ポリイミド樹脂(PI)のNMP溶液248.3g(樹脂固形分30.2質量%)と、エポキシ樹脂(Ep)のジメチルアセトアミド溶液である「DER331L」(大日本インキ株式会社製、商品名、樹脂固形分50質量%)50.0gと、2−エチル−4−メチルイミダゾール0.25gとを混合した混合液を、均一になるまで約1時間撹拌した後、脱泡のため24時間、室温(25℃)で静置して樹脂組成物のワニスを得た。
合成例1で得たシロキサン変性ポリイミド樹脂(PI)のNMP溶液248.3g(樹脂固形分30.2質量%)と、エポキシ樹脂(Ep)のジメチルアセトアミド溶液である「DER331L」(大日本インキ株式会社製、商品名、樹脂固形分50質量%)50.0gと、2−エチル−4−メチルイミダゾール0.25gとを混合した混合液を、均一になるまで約1時間撹拌した後、脱泡のため24時間、室温(25℃)で静置して樹脂組成物のワニスを得た。
得られたワニスを用いて、実施例1と同様にして、プリプレグ及び両面銅張積層板の作製を行った。
(比較例1)
実施例1の樹脂組成物のワニスを厚さ0.10mm(100μm)のガラスクロス(ガラス布、日東紡績株式会社製、商品名「F2−WS−12」)に含浸後、150℃で25分間加熱することにより乾燥して、樹脂組成物の含有割合が70質量%(プリプレグ全体の質量基準)のプリプレグを得た。
実施例1の樹脂組成物のワニスを厚さ0.10mm(100μm)のガラスクロス(ガラス布、日東紡績株式会社製、商品名「F2−WS−12」)に含浸後、150℃で25分間加熱することにより乾燥して、樹脂組成物の含有割合が70質量%(プリプレグ全体の質量基準)のプリプレグを得た。
得られたプリプレグを用いて、実施例1と同様にして、両面銅張積層板の作製を行った。
<寸法安定性評価>
図4に示すように、実施例1の両面銅張積層板に125mmの間隔(図4の距離L1)ごとに直径1mmの穴を積層方向にドリルで開けた後、銅をエッチングにより除去した。12箇所での各ドリル穴間の距離を三次元測定器により測定した後、40℃、90%の高温多湿槽中で96時間静置して高温多湿処理を行い、再度、同じ箇所でのドリル穴間の距離L2を測定した。各箇所において、下記式(A)で定義する寸法変化率を算出し、その平均値を求めたところ、0.02%であった。
寸法変化率(%)=(L1−L2)×100/L1) (A)
図4に示すように、実施例1の両面銅張積層板に125mmの間隔(図4の距離L1)ごとに直径1mmの穴を積層方向にドリルで開けた後、銅をエッチングにより除去した。12箇所での各ドリル穴間の距離を三次元測定器により測定した後、40℃、90%の高温多湿槽中で96時間静置して高温多湿処理を行い、再度、同じ箇所でのドリル穴間の距離L2を測定した。各箇所において、下記式(A)で定義する寸法変化率を算出し、その平均値を求めたところ、0.02%であった。
寸法変化率(%)=(L1−L2)×100/L1) (A)
また、厚さ0.05mm(50μm)のポリイミドフィルム(宇部興産株式会社製、商品名「ユーピレックスS50」)を用いて同様の処理を施し、処理前後の各ドリル穴間の距離を測定した。各箇所において上記と同様にして寸法変化率を算出し、その平均値を求めたところ、0.03%であった。
<両面銅張積層板の評価項目>
実施例1〜3、比較例1の両面銅張積層板を用いて以下に示す評価を行った。結果を表1に示す。
実施例1〜3、比較例1の両面銅張積層板を用いて以下に示す評価を行った。結果を表1に示す。
(1)銅箔引き剥がし強さ
得られた両面銅張積層板について90°方向の引き剥がし試験を行い、そのときの最大荷重を銅箔引き剥がし強さとした。
得られた両面銅張積層板について90°方向の引き剥がし試験を行い、そのときの最大荷重を銅箔引き剥がし強さとした。
(2)はんだ耐熱性
260℃、288℃又は300℃に加熱したはんだ浴に5分間浸漬した。その後、はんだ浴から取り出した両面銅張積層板を観察して、ふくれ、剥がれ等の異常の有無によりはんだ耐熱性を評価した。
A:異常なし、B:異常あり。
260℃、288℃又は300℃に加熱したはんだ浴に5分間浸漬した。その後、はんだ浴から取り出した両面銅張積層板を観察して、ふくれ、剥がれ等の異常の有無によりはんだ耐熱性を評価した。
A:異常なし、B:異常あり。
(3)柔軟性(可とう性)
作製した両面銅張積層板の銅箔をエッチングにより除去して得られた積層板を折り曲げ、そのときの破断の有無により柔軟性(可とう性)を評価した。
A:破断なし、B:破断あり。
作製した両面銅張積層板の銅箔をエッチングにより除去して得られた積層板を折り曲げ、そのときの破断の有無により柔軟性(可とう性)を評価した。
A:破断なし、B:破断あり。
(4)熱衝撃試験
両面銅張積層板に回路加工を施し、デイジーチェーンパターンの試験片を作製した。各試験片について−65℃/30分、125℃/30分を1サイクルとする熱衝撃試験を1000サイクル行い、抵抗値変化を測定し、下記の基準で評価した。
OK:抵抗値変化10%以内、NG:抵抗値変化10%超。
両面銅張積層板に回路加工を施し、デイジーチェーンパターンの試験片を作製した。各試験片について−65℃/30分、125℃/30分を1サイクルとする熱衝撃試験を1000サイクル行い、抵抗値変化を測定し、下記の基準で評価した。
OK:抵抗値変化10%以内、NG:抵抗値変化10%超。
実施例1〜3のいずれのプリプレグも、銅箔ピール強度(銅箔引き剥がし強さ)は0.9〜1.2kN/mと高い値を示し良好であった。また、はんだ耐熱性(260℃、288℃、300℃)は、いずれの温度でも、ふくれ、剥がれ等の異常が見られなく良好であった。また、熱衝撃試験においても1000サイクルで、抵抗値変化10%以内であり、接続信頼性は良好であった。
一方、比較例1は銅箔ピール強度、はんだ耐熱性及び熱衝撃試験のいずれも良好な結果が得られたが、可とう性に乏しく、両面銅張積層板を折り曲げた際に破断した。
3…繊維強化樹脂層、10…金属箔、30…基板、60…金属めっき層、70…貫通孔、100…プリプレグ、200…金属箔張積層板、300…印刷回路板。
Claims (7)
- 繊維基材と、これに含浸した樹脂組成物と、を備え、
前記樹脂組成物が、イミド基を有する樹脂と、熱硬化性樹脂と、を含有し、
前記繊維基材の厚みが5〜50μmである、プリプレグ。 - 前記イミド基を有する樹脂が、ポリシロキサン鎖からなる2価の基を更に有する、請求項1に記載のプリプレグ。
- 前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプリプレグ。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のプリプレグを加熱することにより前記樹脂組成物を硬化して得られる基板と、
当該基板の少なくとも一方面上に設けられた金属箔と、を備える金属張積層板。 - 請求項6に記載の金属張積層板に回路を形成して得られる印刷回路板。
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-
2004
- 2004-08-10 JP JP2004233735A patent/JP2005281663A/ja active Pending
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