JP2005281653A - ポリアルキレンオキサイド修飾ポリオレフィン化合物の製造方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 色相が良好で、臭いがほとんどないポリアルキレンオキサイド修飾ポリオレフィン化合物の製造方法を提供する。
【解決手段】 下記の工程(1)および(2)からなるポリアルキレンオキサイド修飾ポリオレフィン化合物の製造方法において、工程(1)で製造されたポリオレフィンのジオール化合物に還元剤処理を施し、還元剤処理後のポリオレフィンのジオール化合物を工程(2)の原料とすることを特徴とするポリアルキレンオキサイド修飾ポリオレフィン化合物の製造方法。
工程(1):ポリオレフィンに在する二重結合を過酸により酸化してエポキシ化ポリオレフィン化合物を製造し、これを開環させてポリオレフィンのジオール化合物を製造する工程。
工程(2):ポリオレフィンのジオール化合物にアルキレンオキサイドを付加しポリアルキレンオキサイド修飾ポリオレフィン化合物を製造する工程。
【選択図】 なし


Description

本発明は、ポリアルキレンオキサイド修飾ポリオレフィン化合物の製造方法に関する。
最近、化粧分野等においてシリコーン油等の水分散性に優れていることから、分岐アルキル基を有するポリオレフィンを原料としたポリアルキレンオキサイド修飾ポリオレフィン化合物が注目されている。
このポリアルキレンオキサイド修飾ポリオレフィン化合物は、ポリオレフィンに在する二重結合を酸化してエポキシ化ポリオレフィン化合物を製造し、これを開環させてポリオレフィンのジオール化合物を製造し、これにアルキレンオキサイドを付加して製造されている(例えば、特許文献1)。
しかし、開示された方法にて製造されたポリアルキレンオキサイド修飾ポリオレフィン化合物は着色し臭いがあるので、化粧品等の用途に使用する際、これをさらに脱色、脱臭処理をする必要があった。
国際公開第03/091371号パンフレッド
本発明は、色相が良好で、臭いがほとんどないポリアルキレンオキサイド修飾ポリオレフィン化合物の製造方法を提供するものである。
本発明の第1の発明は、下記の工程(1)および(2)からなるポリアルキレンオキサイド修飾ポリオレフィン化合物の製造方法において、工程(1)で製造されたポリオレフィンのジオール化合物に還元剤処理を施し、還元剤処理後のポリオレフィンのジオール化合物を工程(2)の原料とすることを特徴とするポリアルキレンオキサイド修飾ポリオレフィン化合物の製造方法である。
工程(1):ポリオレフィンに在する二重結合を過酸により酸化してエポキシ化ポリオレフィン化合物を製造し、これを開環させてポリオレフィンのジオール化合物を製造する工程。
工程(2):ポリオレフィンのジオール化合物にアルキレンオキサイドを付加しポリアルキレンオキサイド修飾ポリオレフィン化合物を製造する工程。
本発明の第2の発明は、還元剤処理が、(a)第VIII族金属系触媒の存在下、高圧下で水素によりポリオレフィンのジオール化合物に施す処理、又は(b)水素化ホウ素ナトリウム又は水素化リチウムアルミニウムを用いて常圧下でポリオレフィンのジオール化合物に施す処理である第1の発明のポリアルキレンオキサイド修飾ポリオレフィン化合物の製造方法である。
本発明の第1の発明により、色相が良好で、臭いがほとんどないポリアルキレンオキサイド修飾ポリオレフィン化合物を製造できる。このポリアルキレンオキサイド修飾ポリオレフィン化合物を、化粧品その他の用途に使用しても、製品への着色や臭気が問題とならない。
本発明の第2の発明により、第1の発明においてポリアルキレンオキサイド修飾ポリオレフィン化合物を生産効率よく製造できる。
以下に本発明を構成する各工程について説明する。
本発明は下記の工程(1)および(2)を含むポリアルキレンオキサイド修飾ポリオレフィン化合物の製造方法において、工程(1)で製造されたポリオレフィンのジオール化合物に還元剤処理を施し、還元剤処理後のポリオレフィンのジオール化合物を工程(2)の原料とすることを特徴とする。
本発明において、工程(1)は、ポリオレフィンに在する二重結合を過酸により酸化して、エポキシ化ポリオレフィン化合物を製造し、これを開環させてポリオレフィンのジオール化合物を製造する工程である。
本工程において、原料とするポリオレフィンは、炭素数2〜10のオレフィン単量体をラジカル重合したポリオレフィンである。オレフィン単量体が重合する際、不均化反応により重合が停止することになるが、この場合、ポリオレフィンの末端に二重結合が生じるので本工程の原料として使用できる。
ポリオレフィンを構成する炭素数2〜10のオレフィン単量体としてはエチレン、プロピレン、イソブテン、n−ブテン、n−ペンテン等が挙げられ、過酸化物、アゾ化合物、アジン類、オキシム、次亜ハロゲン化酸塩、ジボラン、グリニャール化合物、アルフィン触媒、有機リチウム化合物などを触媒としたラジカル重合によりポリオレフィンが製造される。
本工程において、原料とするポリオレフィンは、製造の目的とするポリアルキレンオキサイド修飾ポリオレフィン化合物の用途により適宜選択される。
例えば、ポリアルキレンオキサイド修飾ポリオレフィン化合物を化粧品用途の高分子界面活性剤として使用する際は、3以上の分岐アルキル基を有する炭素数12以上のポリオレフィンを選択することが好ましい。分岐数が2以下では、シリコーン油等の油成分を分散できる性能が十分に発現できず、炭素数が12以下では、高分子界面活性剤としての親油性が低下することとなる。この場合、好ましいポリオレフィンとしては、ポリイソブテン、イソブテンとn−ブテンとの共重合物、イソブテン、n−ブテンなどの炭素数4のオレフィンと炭素数2、3あるいは5のオレフィンとの共重合物、ポリエチレン、ポリプロピエンなどのα−オレフィンの単独重合体が挙げられる。
ポリオレフィンに存する二重結合の量は、一般には臭素価で評価できる。本発明において、好ましいポリオレフィンの臭素価の範囲は8〜95である。臭素価が8未満では原料の粘度が高く作業性が悪くなる。また、臭素価が95を超えるポリオレフィンは一般に鎖長が短くなるので、高分子界面活性剤用途の原料としては適さなくなる。
本工程において、まず、原料のポリオレフィンに在する二重結合を過酸により酸化しエポキシ化ポリオレフィン化合物を製造する。
過酸によるポリオレフィンのエポキシ化処理は、原料を撹拌しながら過酸を徐々に添加して行うことが好ましい。この処理は原料のポリオレフィン化合物が液状であるときは、無溶媒下でも行うことができるが、原料のポリオレフィン化合物が固体状であるときなどは、ヘキサンやシクロヘキサン等の飽和炭化水素、トルエン等の芳香族炭化水素等の良溶媒の存在下で行うこともできる。
過酸としては、過酢酸、過ギ酸、過安息香酸、過プロピオン酸等の過酸が使用に適している。過酸の使用量はポリオレフィン100重量部に対して20〜500重量部が適している。反応温度は、10〜80℃が安全上、適している。
本工程で製造されるエポキシ化ポリオレフィン化合物は、そのまま、次のポリオレフィンのジオール化合物を製造するための原料に使用できるが、これを単蒸留、水蒸気蒸留などの蒸留精製処理、アルカリ洗浄処理、水洗処理、あるいは各種無機材、ハイドロタルサイト及びイオン交換樹脂による吸着剤処理等し精製した後、これを原料に使用してもかまわない。
本工程において、次に、エポキシ化ポリオレフィン化合物のエポキシ環を開環し、ポリオレフィンのジオール化合物を製造する。エポキシ化ポリオレフィン化合物を、酸処理又はアルカリ処理することにより、エポキシ環を開環させポリオレフィンのジオール化合物を製造することができる。ここで、開環反応が速やかであることから酸処理が適している。
酸処理には、硫酸、ギ酸等を使用できる。酸の使用量は、エポキシ化ポリオレフィン化合物100重量部に対して、0.1〜100重量部が適している。酸との反応条件は、温度が0〜100℃、時間が0.5〜12時間が適している。
反応終了後、製造されたポリオレフィンのジオール化合物は、水洗処理により、酸処理又はアルカリ処理において加えた酸又はアルカリを除去することが好ましい。水洗処理は、化合物に水を加え、撹拌してこれを洗浄し、放置し分層後に水層を除去する方法により行われるが、水洗処理に、アルカリ又は酸による中和処理を組み合わせると効率よく水洗処理することができる。
本発明は、工程(1)で製造されたポリオレフィンのジオール化合物に還元剤処理を施し、還元剤処理後のポリオレフィンのジオール化合物を工程(2)の原料とすることを特徴とする。
本処理が施されたポリオレフィンのジオール化合物を工程(2)おけるアルキレンオキサイド付加工程の原料とすることにより、工程(2)で生じるポリアルキレンオキサイド修飾ポリオレフィン化合物の着色、臭いの発生を抑制することができる。本発明において、本処理を工程(2)の前に、工程(1)で製造されたポリオレフィンのジオール化合物に施すことが必要であり、工程(2)の後に製造物であるポリアルキレンオキサイド修飾ポリオレフィン化合物を還元剤処理しても十分に脱色、脱臭することはできない。
本発明における還元剤処理は、工業的に利用される一般的な還元剤処理から適宜に選択することができるが、(a)第VIII族金属系触媒の存在下、高圧下で水素によりポリオレフィンのジオール化合物に施す処理(以降、(a)処理と略する場合がある。)、又は(b)水素化ホウ素ナトリウム又は水素化リチウムアルミニウムを用いて常圧下でポリオレフィンのジオール化合物に施す処理(以降、(b)処理と略する場合がある。)を本発明に適用すると生産効率よく処理できるので好ましい。
以下、(a)処理について説明する。
(a)処理は、第VIII族金属系触媒の存在下、高圧下で水素によりポリオレフィンのジオール化合物に施す処理である。
第VIII族金属系触媒として、還元ニッケル、銅クロム、パラジウム、白金、ラネーニッケル等を使用できる。還元ニッケル触媒の例としては、N含有量が20〜65重量%で、他に助触媒として各種の金属またはその酸化物を含む触媒が挙げられる。銅クロム触媒の例としては、2CuO・Cr系触媒(CuO含有量44〜46重量%、Cr含有量43〜44重量%)が触媒が挙げられ、助触媒として、Ba、Mn等を含むものであってもよい。パラジウム触媒の例としては、Pd含有量0.5〜10重量%でありカーボン又はアルミナに担持された触媒が挙げられる。白金触媒の例としては、Pt含有量0.5〜10重量%であり、カーボン又はアルミナに担持された触媒が挙げられる。ラネーニッケル触媒の例としては、Ni又はCo含有量90〜98重量%であり、Al含有量が10〜2重量%の触媒が挙げられる。
(a)処理は、バッチで処理、あるいは連続で処理することができる。バッチで処理する場合には、工程(1)で製造されたポリオレフィンのジオール化合物と第VIII族金属系触媒とを反応器に仕込み、これを撹拌する。第VIII族金属系触媒の使用量は、原料の100重量部に対して5〜15重量部が好ましい。使用量が5重量部未満では還元剤処理する効果が十分に発揮できず、また、15重量部以上加えても効果は一定となるので生産効率上好ましくない。また、水素圧は高圧とし、1〜10MPaが好ましい。1MPa未満では還元剤処理する効果が十分に発揮できず、10MPaを超えると設備が膨大となり操作の難易の点からも好ましくない。反応温度は150〜1240℃が好ましい。150℃未満では還元剤処理する効果が十分に発揮できず、240℃を超えると一部分解等により品質劣化を招く。反応時間は1〜12時間が好ましい。1時間未満では還元剤処理する効果が十分に発揮できず、12時間を超えても効果は一定となり、生産効率上好ましくない。連続で処理する場合には、触媒を充填した反応管に原料を連続で供給して処理する。水素圧は1〜10MPa、反応温度は150〜240℃が好ましく、反応液の滞留時間は0.2〜12時間が好ましい。0.2時間未満では還元剤処理する効果が十分に発揮できず、12時間を超えても効果は一定となり、生産効率上好ましくない。
次に、(b)処理について説明する。
(b)処理は、水素化ホウ素ナトリウム又は水素化リチウムアルミニウムを用いて常圧下でポリオレフィンのジオール化合物をバッチで処理する。(b)処理は、還元剤処理を常圧で行うことができるので、作業安全上、好ましい。
(b)処理において、水素化ホウ素ナトリウムの使用量は、原料のポリオレフィンのジオール化合物100重量部に対して0.2〜2.0重量部が好ましい。また、反応を促進させるためにアルコール中で行なうことが好ましい。アルコールは、原料のポリオレフィンのジオール化合物の良溶媒であればよいが、好ましいのは、炭素数2〜6のアルコールである。中でもエタノールが好ましい。アルコールの使用量はポリオレフィンのジオール化合物100重量部に対し10〜200重量部であり、好ましくは30〜120重量部である。10重量部未満では、反応促進効果が十分に得られず、200重量部を超えても効果は一定となり、生産効率上好ましくない。反応温度は、20〜60℃が好ましい。反応時間は15分〜18時間が好ましい。反応時間が15分未満では還元剤処理する効果が十分に発揮できず、18時間を超えても効果は一定となり、生産効率上好ましくない。
(b)処理において、水素化リチウムアルミニウムの使用量は、原料のポリオレフィンのジオール化合物100重量部に対して0.02〜1重量部が好ましい。使用量が0.02部未満では還元剤処理する効果が十分に発揮できず、1重量部を超えても効果は一定となり、生産効率上好ましくない。反応温度は0℃〜40℃が好ましい。0℃未満では還元剤処理する効果が十分に発揮できず、40℃を超えると化合物が劣化し易い。反応時間は15分〜18時間が好ましい。15分未満では還元剤処理する効果が十分に発揮できず、18時間を超えても効果は一定となり、生産効率上好ましくない。
本発明において、還元剤処理されたポリオレフィンのジオール化合物は、そのまま工程(2)の原料に使用することができるが、さらに脱溶剤処理、脱触媒処理、水洗処理、各種無機材、ハイドロタルサイト及びイオン交換樹脂による吸着剤処理等の精製処理したポリオレフィンのジオール化合物を用いることが、不純物等による阻害反応を防止できるので好ましい。
本発明において、工程(2)は還元剤処理を施されたポリオレフィン化合物のジオールにアルキレンオキサイドを付加しポリアルキレンオキサイド修飾ポリオレフィン化合物を製造する工程である。
アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキシサイド、プロピレンオキシサイド、ブチレンオキシサイド等を挙げることができる。ジオールにアルキレンオキサイドを付加反応させる方法は通常の方法から選ばられるが、NaOH、KOH等の塩基性触媒および弗化ホウ素等のルイス酸を反応開始剤とした付加反応が好ましい。
本発明で製造されるポリアルキレンオキサイド修飾ポリオレフィン化合物は、色相が良好で、臭いがほとんどない。また、使用に際し、さらに通常に用いられる精製処理を行ってもよい。精製処理として、例えば、減圧によるトッピングや水蒸気蒸留、各種無機材、ハイドロタルサイト及びイオン交換樹脂による吸着剤処理等が挙げられ、本発明の効果を損なわない範囲で適宜行うことができる。
実施例、比較例において、製造されたポリアルキレンオキサイド修飾ポリオレフィン化合物の色相、臭気は下記の方法で評価した。
色相:JISK0071−2に準じて、ガードナー値を測定した。
臭い:50ccスクリュー瓶に試料10g入れスクリューキャップを閉め60℃の温浴に浸し、5分静置後、開放して中の臭気を確認した。
実施例1
攪拌機、還流冷却器、温度計及びエチレンオキサイド導入ラインを備えたSUS製のオートクレーブ(500ml)にポリイソブテン(重合度4、炭素数1以上の分岐鎖平均5個、臭素価72)50gを仕込んだ。激しく攪拌しながら、これに過酢酸100gを20℃以下の温度に保ちながら1時間で添加した。
反応終了後、ポリイソブテンのIRスペクトルを測定したところ、858cm−1に吸収があり、エポキシ化ポリイソブテン化合物が生成していることが確認できた。
次に、撹拌しながらこれに1重量%硫酸水溶液50gを加え、2時間、室温に保持した後、60℃まで昇温して10時間反応を行った。反応後直ちに40℃まで冷却し、得られた混合液から下層の水溶液層を除去した。更に、これに1重量%硫酸水溶液100gを添加し、95℃で10時間反応を行なった。反応終了後、直ちに60℃まで冷却し、300gの水を加えて水洗した後に下層の水溶液層を除去した。次に2重量%のカセイソーダ水溶液を用いて中和洗浄し、放置した後に下層の水溶液層を除去した。その後、数回水洗を行い、上層のポリイソブテン化合物のPHが7になったら、減圧蒸留により残存水分を除去した。得られたポリイソブテン化合物のIRスペクトルを測定したところ、3600〜3300cm−1に吸収があり、ポリイソブテンのジオール化合物が生成していることが確認できた。
次いで、還元剤処理としてエタノール50gに溶解した水素化ホウ素ナトリウム0.25gをこれに加え、室温で2時間攪拌した後、加温してエタノールを除去した。
得られたオートクレーブ内の還元剤処理後のポリイソブテンのジオール化合物にKOH3gを添加し、直ちに140℃まで昇温してエチレンオキサイド176g(イソブテンオリゴマー1モルに対しエチレンオキサイド18モル相当量)を連続的に導入して付加反応を行なった。エチレンオキサイドを176gの導入を2時間で終了した後、1時間熟成を行なった。常圧に戻しオートクレーブより内容物を取り出して、中和水洗、脱水処理を行い、ポリアルキレンオキサイド修飾ポリオレフィン化合物(ポリオキシエチレン(18)分岐アルキル(C16−5)エーテル)200gを得た。
ここで、ポリオキシエチレン(18)分岐アルキル(C16−5)エーテルは、式(1)の構造を示す。
H(OCO−R−O(CO)H ・・・・式(1)
(ここで、Rは炭素数が16でメチル分岐数5個の炭化水素基、nは2、m+zは18個を意味する。)
なお、製造した化合物を、H−NMR分析すると、ポリオキシエチレン(18)分岐アルキル(C16)エーテルにおいて分岐したメチル基が5個、エチレンオキサイドの付加モル数が18であることが確認できた。製造されたポリオキシエチレン(18)分岐アルキル(C16−5)エーテルの色相は、ガードナー2であり、臭気はほとんどなかった。
実施例2
実施例1と同様の方法で、ポリイソブテン(重合度6、炭素数1以上の分岐鎖平均10個、臭素価50)100g、エチレンオキサイド248gを原料として、ポリオキシエチレン(18)分岐アルキル(C24−10)エーテルを製造した。製造された化合物の色相はガードナー2で臭気はほとんどなかった。
実施例3
実施例1と同様の方法で、ポリイソブテン(重合度5、炭素数1以上の分岐鎖平均7個、臭素価57)50g、エチレンオキサイド157gを原料として、ポリオキシエチレン(20)分岐アルキル(C20−7)エーテルを製造した。製造された化合物の色相はガードナー1で臭気はほとんどなかった。
実施例4
実施例1と同様の方法で、ポリイソブテン(重合度4、炭素数1以上の分岐鎖平均5個、臭素価72)50g、エチレンオキサイド178gを原料として、ポリオキシエチレン(18)分岐アルキル(C16−5)エーテルを製造した。製造された化合物の色相はガードナー1で臭気はほとんどなかった。
実施例5
実施例1と同様の方法で、ポリイソブテン(重合度4、炭素数1以上の分岐鎖平均5個、臭素価72)50gとエチレンオキサイド200gを原料としてポリオキシエチレン(20)分岐アルキル(C16−5)エーテルを製造した。製造された化合物の色相はガードナー1で臭気はほとんどなかった。
実施例6
実施例1において、還元剤処理を以下のように施してポリオキシエチレン(18)分岐アルキル(C16−5)エーテルを得た。
ポリイソブテンのジオール化合物に、2重量%Pd−カーボンを20g加え、水素加圧下(3.92Mpa)、180℃で3時間、反応を行なった。反応物より触媒をろ過除去してポリイソブテンのジオール化合物を製造した。
製造されたポリオキシエチレン(18)分岐アルキル(C16−5)エーテルの色相は、ガードナー1であり、臭気はほとんどなかった。
比較例1
実施例1において還元剤処理を施さなかった以外は、同様にしてポリオキシエチレン(18)分岐アルキル(C16−5)エーテルを製造した。製造された化合物の色相は、ガードナー12であり、異臭がした。
比較例2
実施例2において還元剤処理を施さなかった以外、同様にしてポリオキシエチレン(20)分岐アルキル(C20−7)エーテルを製造した。製造された化合物の色相は、ガードナー11であり、異臭がした。
比較例3
比較例1において製造したポリオキシエチレン(18)分岐アルキル(C16−5)エーテルを実施例1に準じて還元剤処理した。
還元剤処理は、エタノール50gに溶解した水素化ホウ素ナトリウム0.25gをポリオキシエチレン(18)分岐アルキル(C16−5)エーテルに加え、室温で2時間攪拌した後、加温してエタノールを除去しておこなった。
製造された化合物の色相は、ガードナー7であり、異臭がした。
実施例1〜6と比較例1、2を対比すると、還元剤処理を施すことを特徴とする、本発明の製造方法によれば、色相が良好で、臭いがほとんどないポリアルキレンオキサイド修飾ポリオレフィン化合物を製造できることがわかった。
実施例1と比較例3を対比すると、還元剤処理をポリアルキレンオキサイド修飾前のポリオレフィンのジオール化合物に施すことが必要であり、還元剤処理をポリアルキレンオキサイド修飾ポリオレフィン化合物に施しても、色相が良好で、臭いがほとんどないポリアルキレンオキサイド修飾ポリオレフィン化合物は製造できないことがわかった。

Claims (2)

  1. 下記の工程(1)および(2)を含むポリアルキレンオキサイド修飾ポリオレフィン化合物の製造方法において、工程(1)で製造されたポリオレフィンのジオール化合物に還元剤処理を施し、還元剤処理後のポリオレフィンのジオール化合物を工程(2)の原料とすることを特徴とするポリアルキレンオキサイド修飾ポリオレフィン化合物の製造方法。
    工程(1):ポリオレフィンに在する二重結合を過酸により酸化してエポキシ化ポリオレフィン化合物を製造し、これを開環させてポリオレフィンのジオール化合物を製造する工程。
    工程(2):ポリオレフィンのジオール化合物にアルキレンオキサイドを付加しポリアルキレンオキサイド修飾ポリオレフィン化合物を製造する工程。
  2. 還元剤処理が、(a)第VIII族金属系触媒の存在下、高圧下で水素によりポリオレフィンのジオール化合物に施す処理、又は(b)水素化ホウ素ナトリウム又は水素化リチウムアルミニウムを用いて常圧下でポリオレフィンのジオール化合物に施す処理である請求項1記載のポリアルキレンオキサイド修飾ポリオレフィン化合物の製造方法。
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