JP2005281603A - パッケージエアコンディショナー用冷凍機油組成物 - Google Patents

パッケージエアコンディショナー用冷凍機油組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 HFC冷媒等が用いられるパッケージエアコンディショナーにおいて、空気や水分に対する安定性、冷媒相溶性、油戻り性及び潤滑性の全てを高水準でバランスよく達成することができ、パッケージエアコンディショナーを長期にわたって安定的に運転することが可能な冷凍機油組成物を提供すること。
【解決手段】 ペンタエリスリトールと脂肪酸とのテトラエステル及びネオペンチルグリコールと脂肪酸とのジエステルの混合基油と、ホスフォロチオネートと、前記ホスフォロチオネート以外のリン系添加剤と、グリシジルエステル系エポキシ化合物とを含有することを特徴とするパッケージエアコンディショナー用冷凍機油組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明はパッケージエアコンディショナー用冷凍機油組成物に関する。なお、本発明でいう「パッケージエアコンディショナー」とは、定格冷房消費電力が3kWを超え、且つ室外機と室内機とを連結する配管の長さ(配管長)が10m以上のものをいう。
モントリオール議定書に基づくオゾン層破壊型フロン類からの冷媒代替化が進められる中、代替冷媒に適した冷凍機油について検討がなされている。例えば、ハイドロフルオロカーボン(HFC)冷媒用冷凍機油としては、HFC冷媒に対して相溶性を示すポリオールエステルやエーテル系などの合成油を使用したものが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特表平3−505602号公報 特開平3−128992号公報 特開平3−200895号公報
これら開発された冷凍機油は主として空調機に用いられている。空調機は、一般的に、家庭用のルームエアコンディショナーとビル空調用の業務用大型エアコンディショナーなどに代表されるパッケージエアコンディショナーとに分類される。
これらのエアコンディショナーには出力の差異だけではなく、構造上の違いもある。例えば、ルームエアコンディショナーの場合は室外機と室内機とを連結する配管の長さが短い(5m程度)のに対し、パッケージエアコンディショナーの場合は室外機と室内機とを連結する配管の長さが最大数十mとなる。したがって、パッケージエアコンディショナーの場合は、配管が長いことにより、施工時に配管を含む冷凍サイクル内に空気や水分が混入する量が多く、冷凍機油の劣化因子が増大することが懸念される。
また、エアコンディショナーに使用される冷凍機油は圧縮機から冷凍サイクル内に吐出され得るため、冷凍機油には冷凍サイクルを循環して再び圧縮機に戻る特性(以下、油戻り性という)が求められる。そして、パッケージエアコンディショナーの場合には、配管が長いため、より高い油戻り性が求められる場合が多い。
これらの解決策として、パッケージエアコンディショナーのハード側では、水分除去のための乾燥器を設ける、真空ポンプでの脱気条件を厳しくするなどの対策が検討されている。また、パッケージエアコンディショナーに使用される冷凍機油では、空気や水に対する安定性を向上する方法の検討、油戻り性の点から冷媒との良好な相溶性を有する基油選定などがなされている。しかし、ハード面及び冷凍機油面のいずれにおいても未だ十分な解決策は得られていない。
さらに、ルームエアコンディショナーの場合と同様に、圧縮機の長期信頼性につながる耐摩耗性、エネルギー効率につながる摩擦特性などのいわゆる潤滑性の向上が要求されている。ハード面では摺動材のグレードアップが検討されているが、この方法は大幅なコストアップになるため望ましいとはいえない。また、冷凍機油の特性を改善すべく、摩耗防止剤や摩擦調整剤の検討がなされているが、実用化の点では未だ不十分である。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、HFC冷媒等が用いられるパッケージエアコンディショナーにおいて、空気や水分に対する安定性、冷媒相溶性、油戻り性及び潤滑性の全てを高水準でバランスよく達成することができ、パッケージエアコンディショナーを長期にわたって安定的に運転することが可能な冷凍機油組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のパッケージエアコンディショナー用冷凍機油組成物は、ペンタエリスリトールと脂肪酸とのテトラエステル及びネオペンチルグリコールと脂肪酸とのジエステルの混合基油と、ホスフォロチオネートと、ホスフォロチオネート以外のリン系添加剤と、グリシジルエステル系エポキシ化合物とを含有することを特徴とする。
本発明のパッケージエアコンディショナー用冷凍機油組成物(以下、場合により「本発明の冷凍機油組成物」という)においては、ペンタエリスリトールの脂肪酸とのテトラエステル及びネオペンチルグリコールと脂肪酸とのジエステルの混合エステルを基油とし、当該基油に、ホスフォロチオネートと、ホスフォロチオネート以外のリン系添加剤(以下、場合により単に「リン系添加剤」という)と、グリシジルエステル系エポキシ化合物とを含有せしめることによって、空気や水分に対する安定性、HFC冷媒等との相溶性、油戻り性及び潤滑性の全てをバランスよく且つ十分に向上させることができるようになる。したがって、本発明の冷凍機油組成物をパッケージエアコンディショナーに用いることで、空気や水分の混入による冷凍機油組成物の劣化の防止、十分な油戻り性の確保、摩耗の防止、並びにエネルギー効率の向上が達成可能となり、パッケージエアコンディショナーを長期にわたって安定的に運転することが可能となる。
本発明によれば、HFC冷媒等が用いられるパッケージエアコンディショナーにおいて、空気や水分に対する安定性、冷媒相溶性、油戻り性及び潤滑性の全てを高水準でバランスよく達成することができ、パッケージエアコンディショナーを長期にわたって安定的に運転することが可能な冷凍機油組成物が提供される。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明の冷凍機油組成物は、(A)ペンタエリスリトールと脂肪酸とのテトラエステル及びネオペンチルグリコールと脂肪酸とのジエステルの混合基油と、(B)ホスフォロチオネートと、(C)ホスフォロチオネート以外のリン系添加剤と、(D)グリシジルエステル系エポキシ化合物とを含有する。
本発明においては、上述の通り、(A−1)ペンタエリスリトールと脂肪酸とのテトラエステル(以下、場合により「エステル(A−1)」という)及び(A−2)ネオペンチルグリコールと脂肪酸とのジエステル(以下、場合により「エステル(A−2)」という)の混合エステルが基油として用いられる。なお、エステル(A−1)を単独で使用した場合は、油戻り性が不十分となる。一方、エステル(A−2)を単独で使用した場合は、耐摩耗性が低下する恐れがある。
エステル(A−1)を構成する脂肪酸の炭素数に制限されないが、通常、炭素数1〜24のものが用いられる。潤滑性の点からは、脂肪酸の炭素数は、3以上が好ましく、4以上がより好ましく、5以上が更に好ましく、6以上が特に好ましい。また、冷媒相溶性の点からは、脂肪酸の炭素数は、18以下が好ましく、12以下がより好ましく、9以下が更に好ましい。
また、エステル(A−1)を構成する脂肪酸は直鎖状脂肪酸、分岐状脂肪酸のいずれであってもよいが、潤滑性の点からは直鎖状脂肪酸が好ましく、加水分解安定性の点からは分岐状脂肪酸が好ましい。また、脂肪酸は飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸のいずれであっても良い。
エステル(A−1)を構成する脂肪酸としては、具体的には、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカンン酸、イコサン酸、オレイン酸等が挙げられ、これら脂肪酸は直鎖状脂肪酸、分岐状脂肪酸のいずれであってもよく、更にはα炭素原子が4級炭素原子である脂肪酸(ネオ酸)であってもよい。これらの中でも吉草酸(n−ペンタン酸)、カプロン酸(n−ヘキサン酸)、エナント酸(n−ヘプタン酸)、カプリル酸(n−オクタン酸)、ペラルゴン酸(n−ノナン酸)、カプリン酸(n−デカン酸)、オレイン酸(cis−9−オクタデセン酸)、イソペンタン酸(3−メチルブタン酸)、2−メチルヘキサン酸、2−エチルペンタン酸、2―エチルヘキサン酸、及び3,5,5−トリメチルヘキサン酸が好ましく用いられる。
なお、エステル(A−1)は、ペンタエリスリトールが有する4つの水酸基の一部がエステル化されずに残っている部分エステルであってもよく、全ての水酸基がエステル化された完全エステルであってもよく、更には部分エステルと完全エステルの混合物であっても良いが、完全エステルであることが好ましい。
エステル(A−1)を構成する脂肪酸は、上記した脂肪酸の1種単独であっても、2種以上の組み合わせであってもよいが、潤滑性、加水分解安定性、更にはHFC冷媒との相溶性などの求められる特性に応じて、ペンタエリスリトールエステルを構成する脂肪酸を選定することが好ましい。
例えば、本発明の冷凍機油組成物を潤滑性が重視される用途に適用する場合、エステル(A−1)の脂肪酸組成は、直鎖状脂肪酸20mol%以上(分岐状脂肪酸80mol%以下)であることが好ましく、直鎖状脂肪酸25mol%以上(分岐状脂肪酸75mol%以下)であることがより好ましく、直鎖状脂肪酸30mol%以上(分岐状脂肪酸70mol%以下)であることが更に好ましい。好ましい直鎖状脂肪酸としては、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、イコサン酸、オレイン酸等が挙げられる。
また、加水分解安定性が重視される場合には、エステル(A−1)の脂肪酸組成は、直鎖状脂肪酸20mol%以下(分岐状脂肪酸80mol%以上)であることが好ましく、直鎖状脂肪酸10mol%以下(分岐状脂肪酸90mol%以上)であることがより好ましく、直鎖状脂肪酸5mol%以下(分岐状脂肪酸95mol%以上)であることが更に好ましく、全ての脂肪酸が分岐状脂肪酸であることが特に好ましい。好ましい分岐状脂肪酸としては、例えば、2−メチルブタン酸、2−メチルペンタン酸、2メチルヘキサン酸、2−エチルペンタン酸、2−メチルヘプタン酸、2−エチルヘキサン酸、2−メチルオクタン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸等が挙げられる。その中でも2−エチルヘキサン酸及び3,5,5−トリメチルヘキサン酸がより好ましく、2−エチルヘキサン酸及び3,5,5−トリメチルヘキサン酸の双方を必須成分とすることが特に好ましい。2−エチルヘキサン酸と3,5,5−トリメチルヘキサン酸との混合比(モル比)は、好ましくは10:90〜90:10、より好ましくは20:80〜80:20、更に好ましくは30:70〜70:30である。
更に、HFC冷媒等との相溶性が重視される場合には、ペンタン酸及び/又はヘプタン酸と3,5,5−トリメチルヘキサン酸の混合脂肪酸を用いることが好ましく、これら3種類の混合脂肪酸を用いることが特に好ましい。3種類の脂肪酸の混合比(モル比)は適宜選定されるが、ペンタン酸の比率は、混合脂肪酸全量を基準として、好ましくは1〜60%、より好ましくは5〜55%、更に好ましくは10〜50%である。また、ヘプタン酸の比率は、好ましくは1〜60%、より好ましくは5〜55%、更に好ましくは10〜50%である。また、3,5,5−トリメチルヘキサン酸の比率は、好ましくは10〜70%、好ましくは20〜60%、より好ましくは、30〜50%である。
以上、求められる特性により3つの態様を示したが、潤滑性、加水分解性及びHFC冷媒等との相溶性をより高水準でバランスよく達成するためには、エステル(A−1)の脂肪酸組成は、直鎖状脂肪酸20mol%以下(分岐状脂肪酸80mol%以上)であることが好ましく、直鎖状脂肪酸10mol%以下(分岐状脂肪酸90mol%以上)であることがより好ましく、直鎖状脂肪酸5mol%以下(分岐状脂肪酸95mol%以上)であることが更に好ましく、全ての脂肪酸が分岐状脂肪酸であることが特に好ましい。好ましい分岐状脂肪酸としては、加水分解安定性が重視される場合の説明において例示した分岐状脂肪酸が挙げられ、2−エチルヘキサン酸及び3,5,5−トリメチルヘキサン酸の双方を必須成分とすることが特に好ましい。2−エチルヘキサン酸と3,5,5−トリメチルヘキサン酸との混合比(モル比)は、好ましくは10:90〜90:10、より好ましくは20:80〜80:20、更に好ましくは30:70〜70:30である。
また、エステル(A−2)を構成する脂肪酸の炭素数は特に制限されないが、通常、炭素数1〜24のものが用いられる。潤滑性の点からは、脂肪酸の炭素数は、3以上が好ましく、4以上がより好ましく、5以上が更に好ましく、6以上が特に好ましい。また、冷媒相溶性の点からは、脂肪酸の炭素数は、18以下が好ましく、12以下がより好ましく、9以下が更に好ましい。
また、エステル(A−2)を構成する脂肪酸は直鎖状脂肪酸、分岐鎖状脂肪酸のいずれであってもよいが、潤滑性の点からは直鎖状脂肪酸が好ましく、加水分解安定性の点からは分岐鎖状脂肪酸が好ましい。また、かかる脂肪酸は飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸のいずれであっても良い。
エステル(A−2)を構成する脂肪酸としては、具体的には、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカンン酸、イコサン酸、オレイン酸等が挙げられ、これら脂肪酸は直鎖状脂肪酸、分岐状脂肪酸のいずれであってもよく、更にはα炭素原子が4級炭素原子である脂肪酸(ネオ酸)であってもよい。これらの中でも、吉草酸(n−ペンタン酸)、カプロン酸(n−ヘキサン酸)、エナント酸(n−ヘプタン酸)、カプリル酸(n−オクタン酸)、ペラルゴン酸(n−ノナン酸)、カプリン酸(n−デカン酸)、オレイン酸(cis−9−オクタデセン酸)、イソペンタン酸(3−メチルブタン酸)、2−メチルヘキサン酸、2−エチルペンタン酸、2―エチルヘキサン酸、及び3,5,5−トリメチルヘキサン酸が好ましく用いられる。
なお、エステル(A−2)は、ネオペンチルグリコールが有する2つの水酸基の一つがエステル化されずに残っている部分エステルであってもよく、全ての水酸基がエステル化された完全エステルであってもよく、更には部分エステルと完全エステルの混合物であっても良いが、完全エステルであることが好ましい。
本発明で用いられるネオペンチルグリコールエステルにおいて、上述した脂肪酸との組み合わせは特に制限されないが、潤滑性、加水分解安定性、更にはHFC冷媒との相溶性などの求められる特性に応じて、ネオペンチルグリコールエステルを構成する脂肪酸を選定することが好ましい。
例えば、本発明の冷凍機油組成物を潤滑性が重視される用途に適用する場合、エステル(A−2)の脂肪酸組成は、直鎖状脂肪酸20mol%以上(分岐状脂肪酸80mol%以下)であることが好ましく、直鎖状脂肪酸25mol%以上(分岐状脂肪酸75mol%以下)であることがより好ましく、直鎖状脂肪酸30mol%以上(分岐状脂肪酸70mol%以下)であることが更に好ましい。好ましい直鎖状脂肪酸としては、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、イコサン酸、オレイン酸等が挙げられる。
また、加水分解安定性が重視される場合には、エステル(A−2)の脂肪酸組成は、直鎖状脂肪酸40mol%以下(分岐状脂肪酸60mol%以上)であることが好ましく、直鎖状脂肪酸30mol%以下(分岐状脂肪酸70mol%以上)であることがより好ましく、直鎖状脂肪酸20mol%以下(分岐状脂肪酸80mol%以上)であることが更に好ましく、直鎖状脂肪酸10mol%以下(分岐状脂肪酸90mol%以上)であることが一層好ましく、全ての脂肪酸が分岐状脂肪酸であることが特に好ましい。好ましい分岐状脂肪酸としては、例えば、2−メチルブタン酸、2−メチルペンタン酸、2メチルヘキサン酸、2−エチルペンタン酸、2−メチルヘプタン酸、2−エチルヘキサン酸、2−メチルオクタン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸等が挙げられる。その中でも2−エチルヘキサン酸及び3,5,5−トリメチルヘキサン酸がより好ましく、2−エチルヘキサン酸及び3,5,5−トリメチルヘキサン酸の双方を必須成分とすることが特に好ましい。2−エチルヘキサン酸と3,5,5−トリメチルヘキサン酸との混合比(モル比)は、好ましくは10:90〜90:10、より好ましくは20:80〜80:20、更に好ましくは30:70〜70:30である。
更に、HFC冷媒等との相溶性が重視される場合には、ペンタン酸及び/又はヘプタン酸と3,5,5−トリメチルヘキサン酸の混合脂肪酸を用いることが好ましく、これら3種類の混合脂肪酸を用いることが特に好ましい。3種類の脂肪酸の混合比(モル比)は適宜選定されるが、ペンタン酸の比率は、混合脂肪酸全量を基準として、好ましくは1〜60%、より好ましくは5〜55%、更に好ましくは10〜50%である。また、ヘプタン酸の比率は、好ましくは1〜60%、より好ましくは5〜55%、更に好ましくは10〜50%である。また、3,5,5−トリメチルヘキサン酸の比率は、好ましくは10〜70%、好ましくは20〜60%、より好ましくは、30〜50%である。
以上、求められる特性により3つの態様を示したが、潤滑性、加水分解性及びHFC冷媒等との相溶性をより高水準でバランスよく達成するためには、エステル(A−2)の脂肪酸組成は、直鎖状脂肪酸40mol%以下(分岐状脂肪酸60mol%以上)であることが好ましく、直鎖状脂肪酸30mol%以下(分岐状脂肪酸90mol%以上)であることがより好ましく、直鎖状脂肪酸20mol%以下(分岐状脂肪酸80mol%以上)であることが更に好ましく、直鎖状脂肪酸10mol%以下(分岐状脂肪酸90mol%以上)であることが更に好ましく、全ての脂肪酸が分岐状脂肪酸であることが特に好ましい。好ましい分岐状脂肪酸としては、加水分解安定性が重視される場合の説明において例示した分岐状脂肪酸が挙げられ、2−エチルヘキサン酸及び3,5,5−トリメチルヘキサン酸であることがより好ましく、2−エチルヘキサン酸であることが特に好ましい。
本発明において、エステル(A−1)とエステル(A−2)との混合比は任意であるが、より油戻り性に優れることから、エステル(A−1)及びエステル(A−2)の全量を基準として、エステル(A−2)が5質量%以上(エステル(A−1)が95質量%以下)であることが好ましく、エステル(A−2)が10質量%以上(エステル(A−1)が90質量%以下)であることがより好ましく、エステル(A−2)が15質量%以上(エステル(A−1)が85質量%以下)であることがさらにより好ましく、エステル(A−2)が20質量%以上(エステル(A−1)が80質量%以下)であることがさらにより一層好ましく、エステル(A−2)が25質量%以上(エステル(A−1)が75質量%以下)であることが最も好ましい。一方、より耐摩耗性に優れることから、エステル(A−2)が80質量%以下(エステル(A−1)が20質量%以上)であることがより好ましく、エステル(A−2)が60質量%以下(エステル(A−1)が40質量%以上)であることがさらにより好ましく、エステル(A−2)が40質量%以下(エステル(A−1)が60質量%以上)であることがさらにより一層好ましい。
また、エステル(A−1)及びエステル(A−2)の混合基油の動粘度は特に制限されないが、長配管での油戻り性の点から、その40℃における動粘度は、好ましくは60mm/s以下、より好ましくは50mm/s以下、更に好ましくは46mm/s以下、特に好ましくは40mm/s以下である。一方、耐摩耗性の点から、40℃における動粘度は、好ましくは8mm/s以上、より好ましくは10mm/s以上、さらに好ましくは15mm/s以上、特に好ましくは20mm/s以上である。
また、エステル(A−1)及びエステル(A−2)の混合基油の流動点は特に制限されないが、低温性能の点から、好ましくは−20℃以下,より好ましくは−25℃以下、さらに好ましくは−30℃以下である。更に、当該混合基油の酸価は特に制限されないが、安定性の点から好ましくは0.10mgKOH/g以下、より好ましくは、0.05mgKOH/g以下である。
なお、本発明の冷凍機油組成物は、その優れた特性を損なわない限りにおいて、エステル(A−1)、(A−2)の混合基油以外の基油(以下、「その他の基油」という)を更に含有してもよい。その他の基油としては、エステル(A−1)、(A−2)以外のエステル油、鉱油、オレフィン重合体、ナフタレン化合物、アルキルベンゼン、ポリビニルエーテル、ケトン、ポリフェニルエーテル、シリコーン、ポリシロキサン、パーフルオロエーテルなどが挙げられる。
エステル(A−1)、(A−2)以外のエステル油としては、芳香族エステル、二塩基酸エステル、エステル(A−1)、(A−2)以外のポリオールエステル、コンプレックスエステル、炭酸エステル及びこれらの混合物等が包含される。
芳香族エステルとしては、1〜6価、好ましくは1〜4価、より好ましくは1〜3価の芳香族カルボン酸と、炭素数1〜18、好ましくは1〜12の脂肪族アルコールとのエステル等が挙げられる。1〜6価の芳香族カルボン酸としては、具体的には、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びこれらの混合物等が挙げられる。また、炭素数1〜18の脂肪族アルコールとしては、直鎖状のものでも分枝状のものであってもよく、具体的には、メタノール、エタノール、直鎖状又は分枝状のプロパノール、直鎖状又は分枝状のブタノール、直鎖状又は分枝状のペンタノール、直鎖状又は分枝状のヘキサノール、直鎖状又は分枝状のヘプタノール、直鎖状又は分枝状のオクタノール、直鎖状又は分枝状のノナノール、直鎖状又は分枝状のデカノール、直鎖状又は分枝状のウンデカノール、直鎖状又は分枝状のドデカノール、直鎖状又は分枝状のトリデカノール、直鎖状又は分枝状のテトラデカノール、直鎖状又は分枝状のペンタデカノール、直鎖状又は分枝状のヘキサデカノール、直鎖状又は分枝状のヘプタデカノール、直鎖状又は分枝状のオクタデカノール及びこれらの混合物等が挙げられる。
上記の芳香族化合物と脂肪族アルコールとを用いて得られる芳香族エステルとしては、具体的には、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジノニル、フタル酸ジデシル、フタル酸ジドデシル、フタル酸ジトリデシル、トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリ(2−エチルヘキシル)、トリメリット酸トリノニル、トリメリット酸トリデシル、トリメリット酸トリドデシル、トリメリット酸トリトリデシル等が挙げられる。なお、当然のことながら、2価以上の芳香族カルボン酸を用いた場合、1種の脂肪族アルコールからなる単純エステルであってもよいし、2種以上の脂肪族アルコールからなる複合エステルであってもよい。
二塩基酸エステルとしては、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸等の炭素数5〜10の鎖状若しくは環状の脂肪族二塩基酸と、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール等の直鎖又は分枝の炭素数1〜15の1価アルコールとのエステル及びこれらの混合物が好ましく用いられ、より具体的には、ジトリデシルグルタレート、ジ2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジ2−エチルヘキシルセバケート、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸と炭素数4〜9の1価アルコールとのジエステル、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸と炭素数4〜9の1価アルコールとのジエステル及びこれらの混合物等が挙げられる。
また、エステル(A−1)、(A−2)以外のポリオールエステルとしては、ジオールあるいは水酸基を3〜20個有するポリオールと、炭素数6〜20の脂肪酸とのエステルが好ましく用いられる。ここで、ジオールとしては、具体的には、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2ーメチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,7−ヘプタンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール等が挙げられる。ポリオールとしては、具体的には、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ジ−(トリメチロールプロパン)、トリ−(トリメチロールプロパン)、ジ−(ペンタエリスリトール)、トリ−(ペンタエリスリトール)、グリセリン、ポリグリセリン(グリセリンの2〜20量体)、1,3,5ーペンタントリオール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等の多価アルコール、キシロース、アラビノース、リボース、ラムノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、セロビオース、マルトース、イソマルトース、トレハロース、シュクロース、ラフィノース、ゲンチアノース、メレジトース等の糖類及びこれらの部分エーテル化物、並びにメチルグルコシド(配糖体)が挙げられる。これらの中でもポリオールとしては、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ジ−(トリメチロールプロパン)、トリ−(トリメチロールプロパン)、ペンタエリスリトール、ジ−(ペンタエリスリトール)、トリ−(ペンタエリスリトール)等のヒンダードアルコールが好ましい。
ポリオールエステルに用いられる脂肪酸において、その炭素数は特に制限されないが、通常、炭素数1〜24のものが用いられる。炭素数1〜24の脂肪酸の中でも、潤滑性の点から炭素数3以上のものが好ましく、炭素数4以上のものがより好ましく、炭素数5以上のものがさらに好ましく、炭素数10以上のものが特に好ましい。また、冷媒との相溶性の点から、炭素数18以下のものが好ましく、炭素数12以下のものがより好ましく、炭素数9以下のものがさらに好ましい。
また、かかる脂肪酸は直鎖状脂肪酸、分枝状脂肪酸のいずれであってもよいが、潤滑性の点からは直鎖状脂肪酸が好ましく、加水分解安定性の点からは分枝状脂肪酸が好ましい。さらに、かかる脂肪酸は飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸のいずれであってもよい。
脂肪酸としては、具体的には、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、イコサン酸、オレイン酸等が挙げられ、これらの脂肪酸は直鎖状脂肪酸、分枝状脂肪酸のいずれであってもよく、さらにはα炭素原子が4級炭素原子である脂肪酸(ネオ酸)であってもよい。これらの中でも、吉草酸(n−ペンタン酸)、カプロン酸(n−ヘキサン酸)、エナント酸(n−ヘプタン酸)、カプリル酸(n−オクタン酸)、ペラルゴン酸(n−ノナン酸)、カプリン酸(n−デカン酸)、オレイン酸(cis−9−オクタデセン酸)、イソペンタン酸(3−メチルブタン酸)、2−メチルヘキサン酸、2−エチルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸及び3,5,5−トリメチルヘキサン酸が好ましく用いられる。
なお、ポリオールエステルは、2個以上のエステル基を有する限りにおいて、ポリオールが有する水酸基のうちの一部がエステル化されずに残っている部分エステルであってもよく、全ての水酸基がエステル化された完全エステルであってもよく、さらには部分エステルと完全エステルの混合物であってもよいが、完全エステルであることが好ましい。
コンプレックスエステルとは、脂肪酸及び二塩基酸と、1価アルコール及びポリオールとのエステルのことであり、脂肪酸、二塩基酸、1価アルコール、ポリオールとしては、上記二塩基酸エステル及びポリオールエステルの説明において例示された脂肪酸、二塩基酸、1価アルコール及びポリオールが使用できる。
また、炭酸エステルとは、分子内に下記式(1):
−O−CO−O− (1)
で表される炭酸エステル結合を有する化合物である。なお、上記式(1)で表される炭酸エステル結合の個数は一分子当たり1個でもよく2個以上でもよい。
炭酸エステルを構成するアルコールとしては、上記二塩基酸エステル及びポリオールエステルの説明において例示された1価アルコール、ポリオール等、並びにポリグリコールやポリオールにポリグリコールを付加させたものを使用することができる。また、炭酸と脂肪酸及び/又は二塩基酸とから得られる化合物を使用してもよい。
また、当然のことながら、エステルを用いる場合は、単一の構造の化合物を単独で用いてもよく、構造の異なる化合物の2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記のエステルの中でも、冷媒との相溶性に優れることから、二塩基酸エステル、ポリオールエステル及び炭酸エステルが好ましい。
さらには、二塩基酸エステルの中でも、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸エステルは、冷媒との相溶性及び熱・加水分解安定性の点からより好ましい。
本発明において好ましく用いられる二塩基酸エステルの具体例としては、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール及びノナノールからなる群より選ばれる少なくとも1種の1価アルコールと、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の二塩基酸とから得られる二塩基酸エステル、並びにこれらの混合物が挙げられる。
本発明にかかる二塩基酸エステルにおいては、冷凍機油組成物の低温特性や冷媒との相溶性が向上する傾向にあることから、当該二塩基酸エステルを構成する1価アルコールが2種以上であることが好ましい。なお、2種以上の1価アルコールから構成される二塩基酸エステルとは、二塩基酸と1種のアルコールとのエステルの2種以上の混合物、並びに二塩基酸と2種以上の混合アルコールとのエステルを包含するものである。
また、エステル(A−1)、(A−2)以外のポリオールエステルとしては、より加水分解安定性に優れることから、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ジ−(トリメチロールプロパン)、トリ−(トリメチロールプロパン)、ジ−(ペンタエリスリトール)、トリ−(ペンタエリスリトール)等のヒンダードアルコールのエステルがより好ましく、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン及びトリメチロールブタンのエステルがさらに好ましい。
エステル(A−1)、(A−2)以外のポリオールエステルの好ましい例としては、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、オレイン酸、イソペンタン酸、2−メチルヘキサン酸、2−エチルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸及び3,5,5−トリメチルヘキサン酸から選ばれる少なくとも1種の脂肪酸と、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン及びトリメチロールブタンから選ばれる少なくとも1種のアルコールとから得られるジエステル、トリエステル、テトラエステル及びこれらの混合物が挙げられる。
上記のポリオールエステルにおいては、冷凍機油組成物の低温特性や冷媒との相溶性が向上する傾向にあることから、ポリオールエステルを構成する脂肪酸が2種以上であることが好ましい。なお、2種以上の脂肪酸で構成されるポリオールエステルとは、ポリオールと1種の脂肪酸とのエステルの2種以上の混合物、並びにポリオールと2種以上の混合脂肪酸とのエステルを包含するものである。
また、炭酸エステルの中でも、下記一般式(2):
(XO)−B−[O−(AO)−CO−O−(AO)−Y (2)
[式(2)中、Xは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又は下記一般式(3):
−(OAe− (3)
(式(3)中、Yは水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表し、Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示し、eは1〜50の整数を示す)
で表される基を表し、A及びAは同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数2〜4のアルキレン基を表し、Yは水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表し、Bは水酸基3〜20個を有する化合物の残基を表し、aは1〜20、bは0〜19で且つa+bが3〜20となる整数を表し、cは0〜50の整数を表し、dは1〜50の整数を表す]
で表される構造を有するものが好ましい。
上記式(2)において、Xは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又は上記式(3)で表される基を表す。ここでいうアルキル基の炭素数は特に制限されないが、通常1〜24、好ましくは1〜18、より好ましくは1〜12である。また、当該アルキル基は直鎖状、分枝状のいずれであってもよい。
炭素数1〜24のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖又は分枝ペンチル基、直鎖又は分枝ヘキシル基、直鎖又は分枝ヘプチル基、直鎖又は分枝オクチル基、直鎖又は分枝ノニル基、直鎖又は分枝デシル基、直鎖又は分枝ウンデシル基、直鎖又は分枝ドデシル基、直鎖又は分枝トリデシル基、直鎖又は分枝テトラデシル基、直鎖又は分枝ペンタデシル基、直鎖又は分枝ヘキサデシル基、直鎖又は分枝ヘプタデシル基、直鎖又は分枝オクタデシル基、直鎖又は分枝ノナデシル基、直鎖又は分枝イコシル基、直鎖又は分枝ヘンイコシル基、直鎖又は分枝ドコシル基、直鎖又は分枝トリコシル基、直鎖又は分枝テトラコシル基等が挙げられる。
また、シクロアルキル基としては、具体的には、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などが挙げられる。
上記式(2)においてAで表される炭素数2〜4のアルキレン基としては、具体的には、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、ブチレン基、テトラメチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、1,2−ジメチルエチレン基等が挙げられる。
上記式(2)におけるYは、水素原子、アルキル基又はシクロアルキルキル基を表す。ここでいうアルキル基の炭素数は特に制限されないが、通常1〜24、好ましくは1〜18、より好ましくは1〜12である。また、当該アルキル基は直鎖状、分枝状のいずれであってもよい。炭素数1〜24のアルキル基としては、上記Xの説明において例示されたアルキル基が挙げられる。
また、シクロアルキル基としては、具体的には例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などが挙げられる。
上記Yで表される基の中でも、水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、neo−ペンチル基、n−ヘキシル基、iso−ヘキシル基、n−ヘプチル基、iso−ヘプチル基、 n−オクチル基、iso−オクチル基、n−ノニル基、iso−ノニル基、 n−デシル基、iso−デシル基、n−ウンデシル基、iso−ウンデシル基、n−ドデシル基又はiso−ドデシル基のうちのいずれかであることがより好ましい。また、eは1〜50の整数を表す。
また、Xで表される基としては、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又は上記一般式(3)で表される基であることが好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、neo−ペンチル基、n−ヘキシル基、iso−ヘキシル基、n−ヘプチル基、iso−ヘプチル基、n−オクチル基、iso−オクチル基、n−ノニル基、iso−ノニル基、n−デシル基、iso−デシル基、n−ウンデシル基、iso−ウンデシル基、n−ドデシル基、iso−ドデシル基又は一般式(3)で表される基のうちのいずれかであることがより好ましい。
Bを残基とし3〜20個の水酸基を有する化合物としては、具体的には、前述のポリオールが挙げられる。
また、A及びAは同一でも異なっていても良く、それぞれ炭素数2〜4のアルキレン基を表す。当該アルキレン基としては、具体的には、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、ブチレン基、テトラメチレン基、1−メチルトリメチレン基、2−メチルトリメチレン基、1,1−ジメチルエチレン基、1,2−ジメチルエチレン基等が挙げられる。
また、Yは、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。ここでいうアルキル基の炭素数は特に制限されないが、通常1〜24、好ましくは1〜18、より好ましくは1〜12である。また、当該アルキル基は直鎖状、分枝状のいずれであってもよい。炭素数1〜24のアルキル基としては、具体的には、Xの説明において例示されたアルキル基が挙げられる。
また、シクロアルキル基としては、具体的には、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が挙げられる。
これらの中でもYで表される基としては、水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基であることが好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、neo−ペンチル基、n−ヘキシル基、iso−ヘキシル基、n−ヘプチル基、iso−ヘプチル基、n−オクチル基、iso−オクチル基、n−ノニル基、iso−ノニル基、 n−デシル基、iso−デシル基、n−ウンデシル基、iso−ウンデシル基、n−ドデシル基又はiso−ドデシル基のうちのいずれかであることがより好ましい。
上記式(2)及び(3)において、c、d及びeはポリオキシアルキレン鎖の重合度を表すが、分子中のポリオキシアルキレン鎖は同一でも異なっていてもよい。また、上記式(2)で表される炭酸エステルが複数の異なるポリオキシアルキレン鎖を有する場合、オキシアルキレン基の重合形式に特に制限はなく、ランダム共重合していてもブロック共重合していてもよい。
本発明に用いられる炭酸エステルの製造法は任意であるが、例えば、ポリオール化合物にアルキレンオキサイドを付加せしめてポリアルキレングリコールポリオールエーテルを製造し、これとクロロフォーメートとを、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等のアルカリ金属アルコキシド、あるいは金属ナトリウム等のアルカリの存在下、0〜30℃で反応せしめることにより得られる。あるいはポリアルキレングリコールポリオールエーテルに、炭酸ジエステル、ホスゲン等の炭酸の供給源を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等のアルカリ金属アルコキシド又は金属ナトリウム等のアルカリの存在下、80〜150℃で反応せしめることにより得られる。この後、必要に応じて遊離の水酸基をエーテル化せしめる。
上記の原料より得られた生成物を精製して副生成物や未反応物を除去してもよいが、少量の副生成物や未反応物は、本発明の潤滑油の優れた性能を損なわない限り、存在していても支障はない。
本発明において炭酸エステルを用いる場合は、単一の構造の化合物を単独で用いてもよく、構造の異なる化合物の2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明にかかる炭酸エステルの分子量は特に限定されるものではないが、圧縮機の密閉性をより向上させる点から、数平均分子量が200〜4000であることが好ましく、300〜3000であることがより好ましい。さらに、本発明にかかる炭酸エステルの動粘度は、100℃において好ましくは2〜150mm/s、より好ましくは4〜100mm/sである。
また、鉱油としては、例えば、パラフィン基系原油、中間基系原油又はナフテン基系原油を常圧蒸留及び減圧蒸留して得られた潤滑油留分に対して、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処理の1種もしくは2種以上の精製手段を適宜組み合わせて適用して得られるパラフィン系鉱油又はナフテン系鉱油が挙げられる。
これらの鉱油の中でも、熱安定性により優れる点から、高度に精製された鉱油(以下、「高度精製鉱油」という)を用いることが好ましい。高度精製鉱油の具体例としては、パラフィン基系原油、中間基系原油又はナフテン基系原油を常圧蒸留するかあるいは常圧蒸留の残渣油を減圧蒸留して得られる留出油を常法に従って精製することによって得られる精製油;精製後さらに深脱ロウ処理することによって得られる深脱ろう油;水素化処理によって得られる水添処理油、等が挙げられる。
なお、上記の精製工程における精製法は特に制限されず、従来公知の方法を使用することができるが、例えば、(a)水素化処理、(b)脱ロウ処理(溶剤脱ロウ又は水添脱ロウ)、(c)溶剤抽出処理、(d)アルカリ洗浄又は硫酸洗浄処理、(e)白土処理のうちのいずれかの処理を単独で、あるいは2つ以上を適宜の順序で組み合わせて行う方法が挙げられる。また、上記処理(a)〜(e)のうちのいずれかの処理を複数段に分けて繰り返し行うことも有効である。より具体的には、(i)留出油を水素化処理する方法、又は水素化処理した後、アルカリ洗浄又は硫酸洗浄処理を行う方法;(ii)留出油を水素化処理した後、脱ロウ処理する方法;(iii)留出油を溶剤抽出処理した後、水素化処理する方法;(iv)留出油に二段あるいは三段の水素化処理を行う、又はその後にアルカリ洗浄又は硫酸洗浄処理する方法;(v)上述した処理(i)〜(iv)の後、再度脱ロウ処理して深脱ロウ油とする方法、等が挙げられる。
上記の精製方法により得られる高度精製鉱油の中でも、ナフテン系鉱油及び深脱ロウ処理することにより得られる鉱油が、低温流動性、低温時でのワックス析出がない等の点から好適である。この深脱ロウ処理は、通常、苛酷な条件下での溶剤脱ロウ処理法やゼオライト触媒を用いた接触脱ロウ処理法などによって行われる。
また、かかる高度精製鉱油の非芳香族不飽和分(不飽和度)は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下、特に好ましくは0.1質量%以下である。非芳香族不飽和分が10質量%を超えると、スラッジが発生しやすくなり、その結果、冷媒循環システムを構成するキャピラリー等の膨張機構が閉塞しやすくなる傾向にある。
オレフィン重合体としては、炭素数2〜12のオレフィンを重合させて得られるもの、並びにその重合により得られる化合物を水素化処理したもの等が挙げられ、ポリブテン、ポリイソブテン、炭素数5〜12のα−オレフィンのオリゴマー(ポリαオレフィン)、エチレン−プロピレン共重合体及びこれらの水素化処理したものなどが好ましく用いられる。
オレフィン重合体の製造方法は特に制限されず、種々の公知の方法で製造できる。例えば、ポリαオレフィンは、エチレンから製造されたαオレフィンを原料とし、これをチーグラー触媒法、ラジカル重合法、塩化アルミニウム法、フッ化ホウ素法等の公知の重合方法によって処理することにより製造される。
ナフタレン化合物としては、ナフタレン骨格を有するものであれば特に限定はないが、冷媒に対する相溶性に優れる点から、炭素数1〜10のアルキル基を1〜4個有し、かつアルキル基の合計炭素数が1〜10であるものが好ましく、炭素数1〜8のアルキル基を1〜3個有し、かつアルキル基の合計炭素数が3〜8であるものがより好ましい。
ナフタレン化合物が有する炭素数1〜10のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、直鎖状又は分枝状のブチル基、直鎖状又は分枝状のペンチル基、直鎖状又は分枝状のヘキシル基、直鎖状又は分枝状のヘプチル基、直鎖状又は分枝状のオクチル基、直鎖状又は分枝状のノニル基、直鎖状又は分枝状のデシル基等が挙げられる。
なお、ナフタレン化合物を用いる場合は、単一の構造の化合物を単独で用いてもよく、構造の異なる化合物の2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記ナフタレン化合物の製造方法は特に制限されず、種々の公知の方法で製造できる。この例としては例えば、炭素数1〜10の炭化水素のハロゲン化物、炭素数2〜10のオレフィン類又は炭素数8〜10のスチレン類を硫酸、リン酸、ケイタングステン酸、フッ化水素酸等の鉱酸、酸性白土、活性白土等の固体酸性物質又は塩化アルミニウム、塩化亜鉛等のハロゲン化金属であるフリーデルクラフツ触媒等の酸触媒の存在下、ナフタレンへ付加する方法等が挙げられる。
アルキルベンゼンとしては、特に限定されないが、冷媒に対する相溶性に優れる点から、炭素数1〜40のアルキル基を1〜4個有し、かつアルキル基の合計炭素数が1〜40であるものが好ましく、炭素数1〜30のアルキル基を1〜4個有し、かつアルキル基の合計炭素数が3〜30であるものがより好ましい。
アルキルベンゼンが有する炭素数1〜40のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、直鎖状又は分枝状のブチル基、直鎖状又は分枝状のペンチル基、直鎖状又は分枝状のヘキシル基、直鎖状又は分枝状のヘプチル基、直鎖状又は分枝状のオクチル基、直鎖状又は分枝状のノニル基、直鎖状又は分枝状のデシル基、直鎖状又は分枝状のウンデシル基、直鎖状又は分枝状のドデシル基、直鎖状又は分枝状のトリデシル基、直鎖状又は分枝状のテトラデシル基、直鎖状又は分枝状のペンタデシル基、直鎖状又は分枝状のヘキサデシル基、直鎖状又は分枝状のヘプタデシル基、直鎖状又は分枝状のオクタデシル基、直鎖状又は分枝状のノナデシル基、直鎖状又は分枝状のイコシル基、直鎖状又は分枝状のヘンイコシル基、直鎖状又は分枝状のドコシル基、直鎖状又は分枝状のトリコシル基、直鎖状又は分枝状のテトラコシル基、直鎖状又は分枝状のペンタコシル基、直鎖状又は分枝状のヘキサコシル基、直鎖状又は分枝状のヘプタコシル基、直鎖状又は分枝状のオクタコシル基、直鎖状又は分枝状のノナコシル基、直鎖状又は分枝状のトリアコンチル基、直鎖状又は分枝状のヘントリアコンチル基、直鎖状又は分枝状のドトリアコンチル基、直鎖状又は分枝状のトリトリアコンチル基、直鎖状又は分枝状のテトラトリアコンチル基、直鎖状又は分枝状のペンタトリアコンチル基、直鎖状又は分枝状のヘキサトリアコンチル基、直鎖状又は分枝状のヘプタトリアコンチル基、直鎖状又は分枝状のオクタトリアコンチル基、直鎖状又は分枝状のノナトリアコンチル基、直鎖状又は分枝状のテトラコンチル基(すべての異性体を含む)等が挙げられる。
上記のアルキル基は直鎖状、分枝状のいずれであってもよいが、冷媒循環システムに使用される有機材料との適合性の点では直鎖状アルキル基が好ましい。一方、冷媒相溶性、熱安定性、潤滑性等の点から分枝状アルキル基が好ましく、特に入手可能性の点から、プロピレン、ブテン、イソブチレンなどのオレフィンのオリゴマーから誘導される分枝状アルキル基がより好ましい。
なお、アルキルベンゼンを用いる場合は、単一の構造の化合物を単独で用いてもよく、構造の異なる化合物の2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記アルキルベンゼンの製造方法は任意であり、何ら限定されるものでないが、例えば以下に示す合成法によって製造できる。
原料となる芳香族化合物としては、具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、ジエチルベンゼン及びこれらの混合物等が用いられる。またアルキル化剤として、エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン等の低級モノオレフィン(好ましくはプロピレン)の重合によって得られる炭素数6〜40の直鎖状又は分枝状のオレフィン;ワックス、重質油、石油留分、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱分解によって得られる炭素数6〜40の直鎖状又は分枝状のオレフィン;灯油、軽油等の石油留分からn−パラフィンを分離し、これを触媒によりオレフィン化することによって得られる炭素数9〜40の直鎖状オレフィン、並びにこれらの混合物等を使用することができる。
また、上記の芳香族化合物とアルキル化剤とを反応させる際には、塩化アルミニウム、塩化亜鉛等のフリーデルクラフツ型触媒、硫酸、リン酸、ケイタングステン酸、フッ化水素酸、活性白土等の酸性触媒等の従来より公知のアルキル化触媒を用いることができる。
また、本発明において用いられるポリビニルエーテルとしては、例えば下記一般式(4):
Figure 2005281603
[式(4)中、R〜Rは同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜10の2価の炭化水素基又は炭素数2〜20の2価のエーテル結合酸素含有炭化水素基を表し、Rは炭素数1〜20の炭化水素基を表し、sはその平均値が0〜10の数を表し、R〜Rは構成単位毎に同一であってもそれぞれ異なっていてもよく、また一般式(4)で表される構成単位が複数のROを有するとき、複数のROは同一でも異なっていてもよい]
で表される構成単位を有するポリビニルエーテル系化合物が挙げられる。
また、上記一般式(4)で表される構成単位と、下記一般式(5):
Figure 2005281603
[式(5)中、R〜Rは同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R〜Rは構成単位毎に同一でも異なっていてもよい]
で表される構成単位とを有するブロック共重合体又はランダム共重合体からなるポリビニルエーテル系化合物も使用することができる。
上記一般式(4)中のR〜Rはそれぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基(好ましくは1〜4の炭化水素基)を表し、それらは互いに同一でも異なっていてもよい。かかる炭化水素基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、各種メチルシクロヘキシル基、各種エチルシクロヘキシル基、各種ジメチルシクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニル基、各種メチルフェニル基、各種エチルフェニル基、各種ジメチルフェニル基等のアリール基;ベンジル基、各種フェニルエチル基、各種メチルベンジル基等のアリールアルキル基、等が挙げられるが、R22〜R24としては素原子が好ましい。
一方、上記一般式(4)中のRは、炭素数1〜10(好ましくは2〜10)の2価の炭化水素基又は炭素数2〜20の2価のエーテル結合酸素含有炭化水素基を表す。炭素数1〜10の2価の炭化水素基としては、具体的には、メチレン基、エチレン基、フェニルエチレン基、1,2−プロピレン基、2−フェニル−1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、各種ブチレン基、各種ペンチレン基、各種ヘキシレン基、各種ヘプチレン基、各種オクチレン基、各種ノニレン基、各種デシレン基等の2価の脂肪族鎖式炭化水素基;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、プロピルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素に2個の結合部位を有する脂環式炭化水素基;各種フェニレン基、各種メチルフェニレン基、各種エチルフェニレン基、各種ジメチルフェニレン基、各種ナフチレン基等の2価の芳香族炭化水素基;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等のアルキル芳香族炭化水素のアルキル基部分と芳香族部分にそれぞれ1価の結合部位を有するアルキル芳香族炭化水素基;キシレン、ジエチルベンゼン等のポリアルキル芳香族炭化水素のアルキル基部分に結合部位を有するアルキル芳香族炭化水素基、等が挙げられる。これらの中でも炭素数2〜4の脂肪族鎖式炭化水素基が特に好ましい。
また、炭素数2〜20の2価のエーテル結合酸素含有炭化水素基の具体例としては、メトキシメチレン基、メトキシエチレン基、メトキシメチルエチレン基、1,1−ビスメトキシメチルエチレン基、1,2−ビスメトキシメチルエチレン基、エトキシメチルエチレン基、(2−メトキシエトキシ)メチルエチレン基、(1−メチル−2−メトキシ)メチルエチレン基等を好ましく挙げることができる。なお、上記一般式(15)中のsはR19Oの繰り返し数を表し、その平均値が0〜10、好ましくは0〜5の範囲の数である。同一の構成単位内にR19Oが複数ある場合には、複数のR19Oは同一でも異なっていてもよい。
さらに、上記一般式(4)におけるRは炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素基を表すが、かかる炭化水素基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、各種メチルシクロヘキシル基、各種エチルシクロヘキシル基、各種プロピルシクロヘキシル基、各種ジメチルシクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、各種メチルフェニル基、各種エチルフェニル基、各種ジメチルフェニル基、各種プロピルフェニル基、各種トリメチルフェニル基、各種ブチルフェニル基、各種ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、各種フェニルエチル基、各種メチルベンジル基、各種フェニルプロピル基、各種フェニルブチル基等のアリールアルキル基、等が挙げられる。なお、R22〜R26は構成単位毎に同一であっても異なっていてもよい。
ポリビニルエーテルが上記一般式(4)で表される構成単位のみからなる単独重合体である場合、その炭素/酸素モル比は4.2〜7.0の範囲にあるものが好ましい。当該モル比が4.2未満であると吸湿性が過剰に高くなり、また、7.0を超えると冷媒との相溶性が低下する傾向にある。
上記一般式(5)において、R〜Rは同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表す。ここで、炭素数1〜20の炭化水素基としては、上記一般式(4)中のRの説明において例示された炭化水素基が挙げられる。なお、R〜Rは構成単位毎に同一であってもそれぞれ異なっていてもよい。
本発明にかかるポリビニルエーテルが一般式(4)で表される構成単位と一般式(5)で表される構成単位とを有するブロック共重合体又はランダム共重合体である場合、その炭素/酸素モル比は4.2〜7.0の範囲にあることが好ましい。当該モル比が4.2未満であると吸湿性が過剰に高くなり、また、7.0を超えると冷媒との相溶性が低下する傾向にある。
さらに本発明においては、上記一般式(4)で表される構成単位のみからなる単独重合体と、上記一般式(4)で表される構成単位と上記一般式(5)で表される構成単位とからなるブロック共重合体又はランダム共重合体と、の混合物も使用することができる。これらの単独重合体及び共重合体は、それぞれ対応するビニルエーテル系モノマーの重合、及び対応するオレフィン性二重結合を有する炭化水素モノマーと対応するビニルエーテル系モノマーとの共重合により製造することができる。
本発明に用いられるポリビニルエーテルとしては、その末端構造のうちの一方が、下記一般式(6)又は(7):
Figure 2005281603
[式(6)中、R10〜R12は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を表し、R13は炭素数1〜10の2価の炭化水素基又は炭素数2〜20の2価のエーテル結合酸素含有炭化水素基を表し、R14は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、tはその平均値が0〜10の数を表し、上記一般式(6)で表される末端構造が複数のR13Oを有するとき、複数のR13Oはそれぞれ同一でも異なっていてもよい]
Figure 2005281603
[式(7)中、R15〜R18は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表す]
で表されるものであり、且つ他方が下記一般式(8)又は(9):
Figure 2005281603
[式(19)中、R19〜R21は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を表し、R22は炭素数1〜10の2価の炭化水素基又は炭素数2〜20の2価のエーテル結合酸素含有炭化水素基を表し、R23は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、tはその平均値が0〜10の数を表し、上記一般式(8)で表される末端構造が複数のR22Oを有するとき、複数のR22Oはそれぞれ同一でも異なっていてもよい]
Figure 2005281603
[式(9)中、R24〜R27は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を表す]
で表される構造を有するもの;及び
その末端の一方が、上記一般式(6)又は(7)で表され、且つ他方が下記一般式(10):
Figure 2005281603
[式(10)中、R28〜R30は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を表す]
で表される構造を有するものが好ましい。このようなポリビニルエーテルの中でも、次に挙げるものが特に好適である。
(1)末端の一方が一般式(6)又は(7)で表され、他方が一般式(8)又は(9)で表される構造を有しており、一般式(4)におけるR〜Rがいずれも水素原子であり、sが0〜4の数であり、Rが炭素数2〜4の2価の炭化水素基であり、且つRが炭素数1〜20の炭化水素基であるもの;
(2)一般式(4)で表される構成単位のみを有するものであって、その末端の一方が一般式(6)で表され、他方が一般式(7)で表される構造を有しており、一般式(4)におけるR〜Rがいずれも水素原子であり、sが0〜4の数であり、Rが炭素数2〜4の2価の炭化水素基であり、且つRが炭素数1〜20の炭化水素基であるもの;
(3)末端の一方が一般式(6)又は(7)で表され、他方が一般式(8)で表される構造を有しており、一般式(4)におけるR〜Rがいずれも水素原子であり、sが0〜4の数であり、Rが炭素数2〜4の2価の炭化水素基であり、且つRが炭素数1〜20の炭化水素基であるもの;
(4)一般式(4)で表される構成単位のみを有するものであって、その末端の一方が一般式(6)で表され、他方が一般式(9)で表される構造を有しており、一般式(4)におけるR〜Rがいずれも水素原子であり、sが0〜4の数であり、Rが炭素数2〜4の2価の炭化水素基であり、且つRが炭素数1〜20の炭化水素基であるもの。
また、本発明においては、上記一般式(4)で表される構成単位を有し、その末端の一方が一般式(6)で表され、かつ他方が下記一般式(11):
Figure 2005281603
[式(11)中、R31〜R33は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を表し、R34及びR36は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数2〜10の2価の炭化水素基を表し、R35及びR37は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜10の炭化水素基を表し、u及びvは同一でも異なっていてもよく、それぞれその平均値が0〜10の数を表し、上記一般式(22)で表される末端構造が複数のR34O又はR36Oを有するとき、複数のR34O又はR36Oは同一であっても異なっていてもよい]
で表される構造を有するポリビニルエーテル系化合物も使用することができる。
さらに、本発明においては、下記一般式(12)又は(13):
Figure 2005281603
[式(12)中、R38は炭素数1〜8の炭化水素基を示す]
Figure 2005281603
[式(13)中、R39は炭素数1〜8の炭化水素基を示す]
で表される構成単位からなり、かつ重量平均分子量が300〜5,000であって、末端の一方が下記一般式(14)又は(15):
Figure 2005281603
[式(14)中、R40は炭素数1〜3のアルキル基を表し、R41は炭素数1〜8の炭化水素基を示す]
Figure 2005281603
[式(15)中、R42は炭素数1〜8の炭化水素基を示す]
で表される構造を有するアルキルビニルエーテルの単独重合物又は共重合物からなるポリビニルエーテル系化合物も使用することができる。
本発明においては、その他の基油のうちの1種又は2種以上をエステル(A−1)、(A−2)と組み合わせて用いることができるが、パッケージエアコンディショナー用冷凍機油の基材としては、アルキルベンゼン、エステル(A−1)、(A−2)以外のエステル油、ポリビニルエーテルが好ましく用いられる。
本発明において、これらの他の基油の含有量に特に制限はないが、油戻り性、潤滑性、安定性などの各種性能のバランスの点から、組成物全量基準で、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることが更に好ましく、他の基油を含有しないことが最も好ましい。
本発明では、上記所定の基油に、(B)ホスフォロチオネート、(C)ホスフォロチオネート以外のリン系添加剤、及び(D)グリシジルエステル系エポキシ化合物が配合される。
(B)ホスフォロチオネートとしては、下記一般式(16)で表される化合物が好ましく用いられる。
Figure 2005281603
式中、R43、R44及びR45は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜24の炭化水素基を示す。R43〜R45で示される炭素数1〜24の炭化水素基としては、具体的には、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキルシクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基等が挙げられる。
アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基等のアルキル基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい)が挙げられる。
シクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の炭素数5〜7のシクロアルキル基を挙げることができる。また上記アルキルシクロアルキル基としては、例えば、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、メチルエチルシクロペンチル基、ジエチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、メチルエチルシクロヘキシル基、ジエチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、ジメチルシクロヘプチル基、メチルエチルシクロヘプチル基、ジエチルシクロヘプチル基等の炭素数6〜11のアルキルシクロアルキル基(アルキル基のシクロアルキル基への置換位置も任意である)が挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基等のアルケニル基(これらアルケニル基は直鎖状でも分枝状でもよく、また二重結合の位置も任意である)が挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等のアリール基を挙げることができる。また上記アルキルアリール基としては、例えば、トリル基、キシリル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基等の炭素数7〜18のアルキルアリール基(アルキル基は直鎖状でも分枝状でもよく、またアリール基への置換位置も任意である)が挙げられる。
アリールアルキル基としては、例えばベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基等の炭素数7〜12のアリールアルキル基(これらアルキル基は直鎖状でも分枝状でもよい)が挙げられる。
上記R〜Rで示される炭素数1〜24の炭化水素基は、アルキル基、アリール基、アルキルアリール基であることが好ましく、炭素数4〜18のアルキル基、炭素数7〜24のアルキルアリール基、フェニル基がより好ましい。
一般式(16)で表されるホスフォロチオネートとしては、具体的には、トリブチルホスフォロチオネート、トリペンチルホスフォロチオネート、トリヘキシルホスフォロチオネート、トリヘプチルホスフォロチオネート、トリオクチルホスフォロチオネート、トリノニルホスフォロチオネート、トリデシルホスフォロチオネート、トリウンデシルホスフォロチオネート、トリドデシルホスフォロチオネート、トリトリデシルホスフォロチオネート、トリテトラデシルホスフォロチオネート、トリペンタデシルホスフォロチオネート、トリヘキサデシルホスフォロチオネート、トリヘプタデシルホスフォロチオネート、トリオクタデシルホスフォロチオネート、トリオレイルホスフォロチオネート、トリフェニルホスフォロチオネート、トリクレジルホスフォロチオネート、トリキシレニルホスフォロチオネート、クレジルジフェニルホスフォロチオネート、キシレニルジフェニルホスフォロチオネート、トリス(n−プロピルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(n−ブチルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(イソブチルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(s−ブチルフェニル)ホスフォロチオネート、トリス(t−ブチルフェニル)ホスフォロチオネート等、が挙げられる。また、これらの混合物も使用できる。
本発明の冷凍機油組成物における(B)ホスフォロチオネートの含有量は、組成物全量基準で、0.01〜5質量%以下であることが好ましい。ホスフォロチオネートの含有量を上記範囲内とすることで、冷凍機油組成物の耐摩耗性及び安定性(特に熱・酸化安定性)を更に向上させることができる。より具体的には、高水準の耐摩耗性が得られる点から、ホスフォロチオネートの添加量は、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上である。また、含有量をこれ以上多くしても、含有量に見合う摩耗低減効果が得られず、却って安定性の低下又は腐食摩耗の発生の原因となり得ることから、ホスフォロチオネートの含有量は、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下である。
(C)リン系添加剤としては、リン酸エステル、酸性リン酸エステル、酸性リン酸エステルのアミン塩、塩素化リン酸エステル及び亜リン酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも1種のリン化合物が好ましい。これらのリン化合物は、リン酸又は亜リン酸とアルカノール、ポリエーテル型アルコールとのエステルあるいはその誘導体である。
リン酸エステルとしては、トリブチルホスフェート、トリペンチルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリヘプチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリノニルホスフェート、トリデシルホスフェート、トリウンデシルホスフェート、トリドデシルホスフェート、トリトリデシルホスフェート、トリテトラデシルホスフェート、トリペンタデシルホスフェート、トリヘキサデシルホスフェート、トリヘプタデシルホスフェート、トリオクタデシルホスフェート、トリオレイルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等;
酸性リン酸エステルとしては、モノブチルアシッドホスフェート、モノペンチルアシッドホスフェート、モノヘキシルアシッドホスフェート、モノヘプチルアシッドホスフェート、モノオクチルアシッドホスフェート、モノノニルアシッドホスフェート、モノデシルアシッドホスフェート、モノウンデシルアシッドホスフェート、モノドデシルアシッドホスフェート、モノトリデシルアシッドホスフェート、モノテトラデシルアシッドホスフェート、モノペンタデシルアシッドホスフェート、モノヘキサデシルアシッドホスフェート、モノヘプタデシルアシッドホスフェート、モノオクタデシルアシッドホスフェート、モノオレイルアシッドホスフェート、ジブチルアシッドホスフェート、ジペンチルアシッドホスフェート、ジヘキシルアシッドホスフェート、ジヘプチルアシッドホスフェート、ジオクチルアシッドホスフェート、ジノニルアシッドホスフェート、ジデシルアシッドホスフェート、ジウンデシルアシッドホスフェート、ジドデシルアシッドホスフェート、ジトリデシルアシッドホスフェート、ジテトラデシルアシッドホスフェート、ジペンタデシルアシッドホスフェート、ジヘキサデシルアシッドホスフェート、ジヘプタデシルアシッドホスフェート、ジオクタデシルアシッドホスフェート、ジオレイルアシッドホスフェート等;
酸性リン酸エステルのアミン塩としては、前記酸性リン酸エステルのメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン等のアミンとの塩等;
塩素化リン酸エステルとしては、トリス・ジクロロプロピルホスフェート、トリス・クロロエチルホスフェート、トリス・クロロフェニルホスフェート、ポリオキシアルキレン・ビス[ジ(クロロアルキル)]ホスフェート等;
亜リン酸エステルとしては、ジブチルホスファイト、ジペンチルホスファイト、ジヘキシルホスファイト、ジヘプチルホスファイト、ジオクチルホスファイト、ジノニルホスファイト、ジデシルホスファイト、ジウンデシルホスファイト、ジドデシルホスファイト、ジオレイルホスファイト、ジフェニルホスファイト、ジクレジルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリペンチルホスファイト、トリヘキシルホスファイト、トリヘプチルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリノニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリウンデシルホスファイト、トリドデシルホスファイト、トリオレイルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト等、が挙げられる。また、これらの混合物も使用できる。
本発明の冷凍機油組成物における(C)リン系添加剤の含有量は、組成物全量基準で、0.01〜5質量%以下であることが好ましい。エステル系添加剤の含有量を上記範囲内とすることで、耐摩耗性及び安定性(特に熱・酸化安定性)を更に向上させることができる。より具体的には、高水準の耐摩耗性が得られる点から、リン系添加剤の添加量は、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上である。また、含有量をこれ以上多くしても、含有量に見合う摩耗低減効果が得られず、却って安定性の低下又は腐食摩耗の発生の原因となり得ることから、リン系添加剤の含有量は、5質量%以下とするが、好ましくは4質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下である。
本発明の冷凍機油組成物は、上記の(B)ホスフォロチオネート及び(C)リン系添加剤に加えて、(D)グリシジルエステル型エポキシ化合物を更に含有する。本発明により奏される耐摩耗性及び安定性の両立という効果は、これら3成分の相乗作用によるものである。また、本発明で用いられる(D)グリシジルエステル型エポキシ化合物は、グリシジルエーテル型エポキシ化合物やシクロヘキセンジオキシドなどの他のエポキシ化合物に比べて、冷凍機油用エポキシ系添加剤として使用した場合に金属触媒の腐食抑制や潤滑性向上効果の点で優れているのが特徴である。
(D)グリシジルエステル型エポキシ化合物の好ましい例としては、下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2005281603
上記式(17)中、R46は炭素数1〜18の炭化水素基を表す。このような炭化水素基としては、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜18のアルキルシクロアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜18のアルキルアリール基、炭素数7〜18のアリールアルキル基等が挙げられる。この中でも、炭素数5〜15のアルキル基、炭素数2〜15のアルケニル基、フェニル基及び炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルフェニル基が好ましい。
グリシジルエステル型エポキシ化合物の中でも、好ましいものとしては、具体的には例えば、グリシジル−2,2−ジメチルオクタノエート、グリシジルベンゾエート、グリシジル−tert−ブチルベンゾエート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等が例示できる。
本発明の冷凍機油組成物における(D)グリシジルエステル型エポキシ化合物の含有量は、組成物全量基準で、0.01〜5質量%以下であることが好ましい。(D)グリシジルエステル型エポキシ化合物の含有量を上記範囲内とすることで、潤滑性及び安定性(特に熱・酸化安定性)を更に向上させることができる。より具体的には、高水準の潤滑性及び安定性が得られる点から、(D)グリシジルエステル型エポキシ化合物の添加量は、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.1質量%以上である。また、含有量をこれ以上多くしても、含有量に見合う効果が得られないことから、(D)グリシジルエステル型エポキシ化合物の含有量は、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下である。
本発明の冷凍機油組成物は、上述のようにエステル(A−1)、(A−2)の混合エステルを基油とし、これに(B)ホスフォロチオネート、(C)リン系添加剤及び(D)グリシジルエステル型エポキシを必須成分として含有するが、後述する(E)油性剤、(F)ベンゾトリアゾール及び/又はその誘導体、(G)グリシジルエステル型エポキシ化合物以外のエポキシ化合物、さらにはその他の添加剤をさらに含有してもよい。
(E)油性剤としては、エステル油性剤、一価アルコール油性剤、カルボン酸油性剤、エーテル油性剤などが挙げられる。
エステル油性剤は、アルコールとカルボン酸とを反応させることにより得られる。アルコールとしては、1価アルコールでも多価アルコールでもよい。また、カルボン酸としては、一塩基酸でも多塩基酸であってもよい。
エステル油性剤を構成する一価アルコールとしては、通常炭素数1〜24、好ましくは1〜12、より好ましくは1〜8のものが用いられ、このようなアルコールとしては直鎖のものでも分岐のものでもよく、また飽和のものであっても不飽和のものであってもよい。炭素数1〜24のアルコールとしては、具体的には例えば、メタノール、エタノール、直鎖状又は分岐状のプロパノール、直鎖状又は分岐状のブタノール、直鎖状又は分岐状のペンタノール、直鎖状又は分岐状のヘキサノール、直鎖状又は分岐状のヘプタノール、直鎖状又は分岐状のオクタノール、直鎖状又は分岐状のノナノール、直鎖状又は分岐状のデカノール、直鎖状又は分岐状のウンデカノール、直鎖状又は分岐状のドデカノール、直鎖状又は分岐状のトリデカノール、直鎖状又は分岐状のテトラデカノール、直鎖状又は分岐状のペンタデカノール、直鎖状又は分岐状のヘキサデカノール、直鎖状又は分岐状のヘプタデカノール、直鎖状又は分岐状のオクタデカノール、直鎖状又は分岐状のノナデカノール、直鎖状又は分岐状のイコサノール、直鎖状又は分岐状のヘンイコサノール、直鎖状又は分岐状のトリコサノール、直鎖状又は分岐状のテトラコサノール及びこれらの混合物等が挙げられる。
また、エステル油性剤を構成する多価アルコールとしては、通常2〜10価、好ましくは2〜6価のものが用いられる。2〜10の多価アルコールとしては、具体的には例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの3〜15量体)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの3〜15量体)、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール;グリセリン、ポリグリセリン(グリセリンの2〜8量体、例えばジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン等)、トリメチロールアルカン(トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン等)及びこれらの2〜8量体、ペンタエリスリトール及びこれらの2〜4量体、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等の多価アルコール;キシロース、アラビノース、リボース、ラムノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、ソルボース、セロビオース、マルトース、イソマルトース、トレハロース、スクロース等の糖類、及びこれらの混合物等が挙げられる。
これらの多価アルコールの中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(エチレングリコールの3〜10量体)、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(プロピレングリコールの3〜10量体)、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、トリメチロールアルカン(トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン等)及びこれらの2〜4量体、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール等の2〜6価の多価アルコール及びこれらの混合物等が好ましい。さらにより好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビタン、及びこれらの混合物等である。これらの中でも、より高い酸化安定性が得られることから、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、及びこれらの混合物等が好ましい。
エステル油性剤を構成するアルコールは、上述したように一価アルコールであっても多価アルコールであってもよいが、耐摩耗性及び摩擦特性がより高められる点、冷媒雰囲気下及び低温下での析出防止性の点などから、一価アルコールであることが好ましい。
また、エステル油性剤を構成する酸のうち、一塩基酸としては、通常炭素数2〜24の脂肪酸が用いられ、その脂肪酸は直鎖のものでも分岐のものでもよく、また飽和のものでも不飽和のものでもよい。具体的には、例えば、酢酸、プロピオン酸、直鎖状又は分岐状のブタン酸、直鎖状又は分岐状のペンタン酸、直鎖状又は分岐状のヘキサン酸、直鎖状又は分岐状のヘプタン酸、直鎖状又は分岐状のオクタン酸、直鎖状又は分岐状のノナン酸、直鎖状又は分岐状のデカン酸、直鎖状又は分岐状のウンデカン酸、直鎖状又は分岐状のドデカン酸、直鎖状又は分岐状のトリデカン酸、直鎖状又は分岐状のテトラデカン酸、直鎖状又は分岐状のペンタデカン酸、直鎖状又は分岐状のヘキサデカン酸、直鎖状又は分岐状のヘプタデカン酸、直鎖状又は分岐状のオクタデカン酸、直鎖状又は分岐状のヒドロキシオクタデカン酸、直鎖状又は分岐状のノナデカン酸、直鎖状又は分岐状のイコサン酸、直鎖状又は分岐状のヘンイコサン酸、直鎖状又は分岐状のドコサン酸、直鎖状又は分岐状のトリコサン酸、直鎖状又は分岐状のテトラコサン酸等の飽和脂肪酸、アクリル酸、直鎖状又は分岐状のブテン酸、直鎖状又は分岐状のペンテン酸、直鎖状又は分岐状のヘキセン酸、直鎖状又は分岐状のヘプテン酸、直鎖状又は分岐状のオクテン酸、直鎖状又は分岐状のノネン酸、直鎖状又は分岐状のデセン酸、直鎖状又は分岐状のウンデセン酸、直鎖状又は分岐状のドデセン酸、直鎖状又は分岐状のトリデセン酸、直鎖状又は分岐状のテトラデセン酸、直鎖状又は分岐状のペンタデセン酸、直鎖状又は分岐状のヘキサデセン酸、直鎖状又は分岐状のヘプタデセン酸、直鎖状又は分岐状のオクタデセン酸、直鎖状又は分岐状のヒドロキシオクタデセン酸、直鎖状又は分岐状のノナデセン酸、直鎖状又は分岐状のイコセン酸、直鎖状又は分岐状のヘンイコセン酸、直鎖状又は分岐状のドコセン酸、直鎖状又は分岐状のトリコセン酸、直鎖状又は分岐状のテトラコセン酸等の不飽和脂肪酸、及びこれらの混合物等が挙げられる。
多塩基酸としては、二塩基酸、トリメリット酸等が挙げられるが、冷媒雰囲気下及び低温下での析出防止性の点から、二塩基酸であることが好ましい。二塩基酸は鎖状二塩基酸、環状二塩基酸のいずれであってもよい。また、鎖状二塩基酸の場合、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、また、飽和、不飽和のいずれであってもよい。鎖状二塩基酸としては、炭素数2〜16の鎖状二塩基酸が好ましく、具体的には例えば、エタン二酸、プロパン二酸、直鎖状又は分岐状のブタン二酸、直鎖状又は分岐状のペンタン二酸、直鎖状又は分岐状のヘキサン二酸、直鎖状又は分岐状のヘプタン二酸、直鎖状又は分岐状のオクタン二酸、直鎖状又は分岐状のノナン二酸、直鎖状又は分岐状のデカン二酸、直鎖状又は分岐状のウンデカン二酸、直鎖状又は分岐状のドデカン二酸、直鎖状又は分岐状のトリデカン二酸、直鎖状又は分岐状のテトラデカン二酸、直鎖状又は分岐状のヘプタデカン二酸、直鎖状又は分岐状のヘキサデカン二酸、直鎖状又は分岐状のヘキセン二酸、直鎖状又は分岐状のヘプテン二酸、直鎖状又は分岐状のオクテン二酸、直鎖状又は分岐状のノネン二酸、直鎖状又は分岐状のデセン二酸、直鎖状又は分岐状のウンデセン二酸、直鎖状又は分岐状のドデセン二酸、直鎖状又は分岐状のトリデセン二酸、直鎖状又は分岐状のテトラデセン二酸、直鎖状又は分岐状のヘプタデセン二酸、直鎖状又は分岐状のヘキサデセン二酸及びこれらの混合物等が挙げられる。また、環状二塩基酸としては、1、2−シクロヘキサンジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。これらの中でも、安定性の点から、鎖状二塩基酸が好ましい。
エステル油性剤を構成する酸としては、上述したように一塩基酸であっても多塩基酸であってもよいが、耐摩耗性及び摩擦特性の向上効果がより優れる点から、一塩基酸が好ましい。
エステル油性剤におけるアルコールと酸との組み合わせは任意であって特に制限されないが、例えば下記(i)〜(vii)の組み合わせによるエステルを挙げることができる。
(i)一価アルコールと一塩基酸とのエステル
(ii)多価アルコールと一塩基酸とのエステル
(iii)一価アルコールと多塩基酸とのエステル
(iv)多価アルコールと多塩基酸とのエステル
(v)一価アルコール、多価アルコールとの混合物と多塩基酸との混合エステル
(vi)多価アルコールと一塩基酸、多塩基酸との混合物との混合エステル
(vii)一価アルコール、多価アルコールとの混合物と一塩基酸、多塩基酸との混合エステル。
上記(ii)〜(vii)のエステル油性剤は、それぞれ、多価アルコールの水酸基又は多塩基酸のカルボキシル基の全てがエステル化された完全エステルであってもよく、また、一部が水酸基又はカルボキシル基として残存する部分エステルであってもよいが、冷媒雰囲気下及び低温下での析出防止性への影響がより小さい点からは完全エステルであることが好ましく、また、摩擦特性の向上効果の点からは部分エステルであることが好ましい。
上記(i)〜(vii)のエステル油性剤の中でも、(i)一価アルコールと一塩基酸とのエステル、(iii)一価アルコールと多塩基酸とのエステルが好ましく、(i)のエステルがより好ましい。これらのエステルは、耐摩耗性及び摩擦特性の向上効果が非常に高く、また、冷媒雰囲気下及び低温下での析出防止性や熱・酸化安定性に及ぼす影響も小さいものである。
また、上記(i)のエステル油性剤において、一塩基酸の炭素数は、耐摩耗性及び摩擦特性がより向上する点、並びに熱・酸化安定性の点から、好ましくは10以上、より好ましくは12以上、さらに好ましくは14以上である。また、一塩基酸の炭素数は、冷媒雰囲気下及び低温下での析出防止性の点から、好ましくは28以下、より好ましくは26以下、さらに好ましくは24以下である。このようなエステルとしては、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸イソプロピルなどが挙げられる。
また、上記(iii)のエステルにおいて、二塩基酸は鎖状であることが好ましい。このようなエステルとしては、ジイソデシルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジイソブチルアジペートなどが挙げられる。
上記のエステル油性剤の中でも、一価アルコールと一塩基酸とのエステル及び鎖状二塩基酸と一価アルコールとのエステルから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、1価アルコール油性剤としては、上記エステル油性剤の説明において例示された1価アルコールが挙げられる。1価アルコール油性剤の合計炭素数は、摩擦特性及び摩耗特性の向上の点から、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、10以上が最も好ましい。また、合計炭素数が大き過ぎると冷媒雰囲気下で析出しやすくなる恐れがあることから、合計炭素数は20以下が好ましく、18以下がより好ましく、16以下が最も好ましい。
カルボン酸油性剤としては、一塩基酸でも多塩基酸でもよい。このようなカルボン酸としては、例えば、エステル油性剤の説明において例示された一塩基酸及び多塩基酸が挙げられる。これらの中では、摩擦特性及び摩耗特性の向上の点から一塩基酸が好ましい。また、カルボン酸油性剤の合計炭素数は、摩擦特性及び摩耗特性の向上の点から、6以上が好ましく、8以上がより好ましく、10以上が最も好ましい。また、カルボン酸油性剤の合計炭素数が大き過ぎると冷媒雰囲気下で析出しやすくなる恐れがあることから、合計炭素数は20以下が好ましく、18以下がより好ましく、16以下が最も好ましい。
エーテル油性剤としては、3〜6価の脂肪族多価アルコールのエーテル化物、3〜6価の脂肪族多価アルコールの二分子縮合物又は三分子縮合物のエーテル化物などが挙げられる。
3〜6価の脂肪族多価アルコールのエーテル化物は、例えば、下記一般式(18)〜(23)で表される。
Figure 2005281603
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[式中、R47〜R71は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子又は炭素数1〜18の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、アリール基、アラルキル基、−(RO)−R(Rは炭素数2〜6のアルキレン基、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アラルキル基、nは1〜10の整数を示す)で示されるグリコールエーテル残基を示す。]
3〜6価の脂肪族多価アルコールの具体例としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、アラビトール、ソルビトール、マンニトールなどが挙げられる。上記一般式(18)〜(23)中のR47〜R71としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種ウンデシル基、各種ドデシル基、各種トリデシル基、各種テトラデシル基、各種ペンタデシル基、各種ヘキサデシル基、各種ヘプタデシル基、各種オクタデシル基、フェニル基、ベンジル基などが挙げられる。また、上記エーテル化物は、R47〜R71の一部が水素原子である部分エーテル化物も包含する。
3〜6価の脂肪族多価アルコールの二分子縮合物又は三分子縮合物のエーテル化物としては、上記一般式(18)〜(23)で表される化合物のうちの同種又は異種の縮合物が挙げられる。例えば、一般式(18)で表されるアルコールの二分子縮合物及び三分子縮合物のエーテル化物はそれぞれ一般式(24)及び(25)で表される。また、一般式(21)で表されるアルコールの二分子縮合物及び三分子縮合物のエーテル化物はそれぞれ一般式(26)及び(27)で表される。
Figure 2005281603
Figure 2005281603
Figure 2005281603
Figure 2005281603
[式中、R47〜R49及びR57〜R60はそれぞれ式(18)中のR47〜R49及び式(21)中のR57〜R60と同一の定義内容を示す。]
3〜6価の脂肪族多価アルコールの二分子縮合物,三分子縮合物の具体例としては、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、ジソルビトール、トリグリセリン、トリトリメチロールプロパン、トリペンタエリスリトール、トリソルビトールなどが挙げられる。
一般式(18)〜(23)で表されるエーテル油性剤の具体例としては、グリセリンのトリヘキシルエーテル、グリセリンのジメチルオクチルトリエーテル、グリセリンのジ(メチルオキシイソプロピレン)ドデシルトリエーテル、グリセリンのジフェニルオクチルトリエーテル、グリセリンのジ(フェニルオキシイソプロピレン)ドデシルトリエーテル、トリメチロールプロパンのトリヘキシルエーテル、トリメチロールプロパンのジメチルオクチルトリエーテル、トリメチロールプロパンのジ(メチルオキシイソプロピレン)ドデシルトリエーテル、ペンタエリスリトールのテトラヘキシルエーテル、ペンタエリスリトールのトリメチルオクチルテトラエーテル、ペンタエリスリトールのトリ(メチルオキシイソプロピレン)ドデシルテトラエーテル、ソルビトールのヘキサプロピルエーテル、ソルビトールのテトラメチルオクチルペンタエーテル、ソルビトールのヘキサ(メチルオキシイソプロピレン)エーテル、ジグリセリンのテトラブチルエーテル、ジグリセリンのジメチルジオクチルテトラエーテル、ジグリセリンのトリ(メチルオキシイソプロピレン)ドデシルテトラエーテル、トリグリセリンのペンタエチルエーテル、トリグリセリンのトリメチルジオクチルペンタエーテル、トリグリセリンのテトラ(メチルオキシイソプロピレン)デシルペンタエーテル、ジトリメチロールプロパンのテトラブチルエーテル、ジトリメチロールプロパンのジメチルジオクチルテトラエーテル、ジトリメチロールプロパンのトリ(メチルオキシイソプロピレン)ドデシルテトラエーテル、トリトリメチロールプロパンのペンタエチルエーテル、トリトリメチロールプロパンのトリメチルジオクチルペンタエーテル、トリトリメチロールプロパンのテトラ(メチルオキシイソプロピレン)デシルペンタエーテル、ジペンタエリスリトールのヘキサプロピルエーテル、ジペンタエリスリトールのペンタメチルオクチルヘキサエーテル、ジペンタエリスリトールのヘキサ(メチルオキシイソプロピレン)エーテル、トリペンタエリスリトールのオクタプロピルエーテル、トリペンタエリスリトールのペンタメチルオクチルヘキサエーテル、トリペンタエリスリトールのヘキサ(メチルオキシイソプロピレン)エーテル、ジソルビトールのオクタメチルジオクチルデカエーテル、ジソルビトールのデカ(メチルオキシイソプロピレン)エーテルなどが挙げられる。これらの中でも、グリセリンのジフェニルオクチルトリエーテル、トリメチロールプロパンのジ(メチルオキシイソプロピレン)ドデシルトリエーテル、ペンタエリスリトールのテトラヘキシルエーテル、ソルビトールのヘキサプロピルエーテル、ジグリセリンのジメチルジオクチルテトラエーテル、トリグリセリンのテトラ(メチルオキシイソプロピレン)デシルペンタエーテル、ジペンタエリスリトールのヘキサプロピルエーテル、トリペンタエリスリトールのペンタメチルオクチルヘキサエーテルが好ましい。
本発明の冷凍機油組成物においては、(B)ホスフォロチオネート、(C)リン系添加剤及び(D)グリシジルエステル型エポキシ添加剤と共に使用する限りにおいて、エステル油性剤、一価アルコール油性剤、カルボン酸油性剤及びエーテル油性剤のうちの1種を単独で用いてもよく、又、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの油性剤の中でも、摩擦特性、摩耗特性、析出防止性、及び安定性を高水準でバランスよく達成する点から、エステル油性剤及びエーテル油性剤が好ましい。エステル油性剤及びエーテル油性剤は、耐摩耗性及び摩擦特性を高水準で達成可能とするだけでなく、一価アルコール油性剤よりも析出防止性に優れており、また、カルボン酸油性剤よりも安定性に優れている。
(E)油性剤の含有量は任意であるが、耐摩耗性及び摩擦特性の向上効果に優れる点から、組成物全量を基準として、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上である。また、当該含有量は、冷媒雰囲気下及び低温下での析出防止性、並びに冷凍機油組成物の熱・酸化安定性により優れる点から、組成物全量を基準として、好ましくは10質量%以下、より好ましくは7.5質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
本発明の冷凍機油組成物は、(F)ベンゾトリアゾール及び/又はその誘導体をさらに含有することが好ましい。(F)ベンゾトリアゾール及び/又はその誘導体を含有せしめることで、耐摩耗性及び摩擦特性の向上効果をより高めることができる。
ベンゾトリアゾールとは、下記式(28)で表される化合物である。
Figure 2005281603
また、ベンゾトリアゾール誘導体としては、例えば、下記一般式(29)で表されるアルキルベンゾトリアゾールや、下記一般式(30)で表される(アルキル)アミノアルキルベンゾトリアゾール等が挙げられる。
Figure 2005281603
Figure 2005281603
上記式(29)中、R72は炭素数1〜4の直鎖状又は分枝状のアルキル基を、好ましくはメチル基又はエチル基を示し、またxは1〜3、好ましくは1又は2の数を示す。R72としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。一般式(14)で表されるアルキルベンゾトリアゾールとしては、特に酸化防止性に優れるという点から、R72がメチル基又はエチル基であり、xが1又は2である化合物が好ましく、例えば、メチルベンゾトリアゾール(トリルトリアゾール)、ジメチルベンゾトリアゾール、エチルベンゾトリアゾール、エチルメチルベンゾトリアゾール、ジエチルベンゾトリアゾール又はこれらの混合物等が挙げられる。
上記式(30)中、R73は炭素数1〜4の直鎖状又は分枝状のアルキル基、好ましくはメチル基又はエチル基を示し、R74はメチレン基又はエチレン基を示し、R75及びR76は同一でも異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜18の直鎖状若しくは分枝状のアルキル基、好ましくは炭素数1〜12の直鎖状又は分枝状のアルキル基を示し、またyは0〜3、好ましくは0又は1の数を示す。R73としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。R75及びR76としては、例えば、別個に、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、直鎖又は分枝のペンチル基、直鎖又は分枝のヘキシル基、直鎖又は分枝のヘプチル基、直鎖又は分枝のオクチル基、直鎖又は分枝のノニル基、直鎖又は分枝のデシル基、直鎖又は分枝のウンデシル基、直鎖又は分枝のドデシル基、直鎖又は分枝のトリデシル基、直鎖又は分枝のテトラデシル基、直鎖又は分枝のペンタデシル基、直鎖又は分枝のヘキサデシル基、直鎖又は分枝のヘプタデシル基、直鎖又は分枝のオクタデシル基等のアルキル基が挙げられる。
上記式(30)で表される(アルキル)アミノベンゾトリアゾールとしては、特に酸化防止性に優れるという点から、R73がメチル基であり、yが0又は1であり、R74がメチレン基又はエチレン基であり、R75及びR76が炭素数1〜12の直鎖状又は分枝状のアルキル基であるジアルキルアミノアルキルベンゾトリアゾールやジアルキルアミノアルキルトリルトリアゾール又はこれらの混合物等が好ましく用いられる。これらのジアルキルアミノアルキルベンゾトリアゾールとしては、例えば、ジメチルアミノメチルベンゾトリアゾール、ジエチルアミノメチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)プロピルアミノメチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ブチルアミノメチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ペンチルアミノメチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ヘキシルアミノメチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ヘプチルアミノメチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)オクチルアミノメチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ノニルアミノメチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)デシルアミノメチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ウンデシルアミノメチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ドデシルアミノメチルベンゾトリアゾール;ジメチルアミノエチルベンゾトリアゾール、ジエチルアミノエチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)プロピルアミノエチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ブチルアミノエチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ペンチルアミノエチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ヘキシルアミノエチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ヘプチルアミノエチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)オクチルアミノエチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ノニルアミノエチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)デシルアミノエチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ウンデシルアミノエチルベンゾトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ドデシルアミノエチルベンゾトリアゾール;ジメチルアミノメチルトリルトリアゾール、ジエチルアミノメチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)プロピルアミノメチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ブチルアミノメチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ペンチルアミノメチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ヘキシルアミノメチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ヘプチルアミノメチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)オクチルアミノメチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ノニルアミノメチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)デシルアミノメチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ウンデシルアミノメチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ドデシルアミノメチルトリルトリアゾール;ジメチルアミノエチルトリルトリアゾール、ジエチルアミノエチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)プロピルアミノエチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ブチルアミノエチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ペンチルアミノエチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ヘキシルアミノエチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ヘプチルアミノエチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)オクチルアミノエチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ノニルアミノエチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)デシルアミノエチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ウンデシルアミノエチルトリルトリアゾール、ジ(直鎖又は分枝)ドデシルアミノエチルトリルトリアゾール;又はこれらの混合物等が挙げられる。
本発明の冷凍機油組成物における(F)ベンゾトリアゾール及び/又はその誘導体の含有量は任意であるが、組成物全量基準で、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上である。0.001質量%未満の場合には、ベンゾトリアゾール及び/又はその誘導体の含有による耐摩耗性及び摩擦特性の向上効果が不十分となるおそれがある。また、(F)ベンゾトリアゾール及び/又はその誘導体の含有量は、組成物全量基準で、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。1.0質量%を超える場合は、含有量に見合うだけの耐摩耗性及び摩擦特性の向上効果が得られず経済的に不利となるおそれがある。
本発明の冷凍機油組成物においては、グリシジルエステル型エポキシ化合物以外に、下記(G−1)〜(G−7)に示すエポキシ化合物を更に含有してもよい。(G−1)〜(G−7)に示すエポキシ化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(G−1)フェニルグリシジルエーテル型エポキシ化合物
(G−2)アルキルグリシジルエーテル型エポキシ化合物
(G−3)アリルオキシラン化合物
(G−4)アルキルオキシラン化合物
(G−5)脂環式エポキシ化合物
(G−6)エポキシ化脂肪酸モノエステル
(G−7)エポキシ化植物油。
(G−1)フェニルグリシジルエーテル型エポキシ化合物としては、具体的には、フェニルグリシジルエーテル又はアルキルフェニルグリシジルエーテルが例示できる。ここでいうアルキルフェニルグリシジルエーテルとは、炭素数1〜13のアルキル基を1〜3個有するものが挙げられ、中でも炭素数4〜10のアルキル基を1個有するもの、例えばn−ブチルフェニルグリシジルエーテル、i−ブチルフェニルグリシジルエーテル、sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ペンチルフェニルグリシジルエーテル、ヘキシルフェニルグリシジルエーテル、ヘプチルフェニルグリシジルエーテル、オクチルフェニルグリシジルエーテル、ノニルフェニルグリシジルエーテル、デシルフェニルグリシジルエーテル等が好ましいものとして例示できる。
(G−2)アルキルグリシジルエーテル型エポキシ化合物としては、具体的には、デシルグリシジルエーテル、ウンデシルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル、トリデシルグリシジルエーテル、テトラデシルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコールモノグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル等が例示できる。
(G−3)アリルオキシラン化合物としては、具体的には、1,2−エポキシスチレン、アルキル−1,2−エポキシスチレン等が例示できる。
(G−4)アルキルオキシラン化合物としては、具体的には、1,2−エポキシブタン、1,2−エポキシペンタン、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシヘプタン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシノナン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシウンデカン、1,2−エポキシドデカン、1,2−エポキシトリデカン、1,2−エポキシテトラデカン、1,2−エポキシペンタデカン、1,2−エポキシヘキサデカン、1,2−エポキシヘプタデカン、1,1,2−エポキシオクタデカン、2−エポキシノナデカン、1,2−エポキシイコサン等が例示できる。
(G−5)脂環式エポキシ化合物としては、下記一般式(31):
Figure 2005281603
で表される化合物のように、エポキシ基を構成する炭素原子が直接脂環式環を構成している化合物が挙げられる。
脂環式エポキシ化合物としては、具体的には、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシシクロペンタン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、エキソ−2,3−エポキシノルボルナン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、2−(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)−スピロ(1,3−ジオキサン−5,3’−[7]オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン、4−(1’−メチルエポキシエチル)−1,2−エポキシ−2−メチルシクロヘキサン、4−エポキシエチル−1,2−エポキシシクロヘキサン等が例示できる。
(G−6)エポキシ化脂肪酸モノエステルとしては、具体的には、エポキシ化された炭素数12〜20の脂肪酸と炭素数1〜8のアルコール又はフェノール、アルキルフェノールとのエステル等が例示できる。特にエポキシステアリン酸のブチル、ヘキシル、ベンジル、シクロヘキシル、メトキシエチル、オクチル、フェニル及びブチルフェニルエステルが好ましく用いられる。
(G−7)エポキシ化植物油としては、具体的には、大豆油、アマニ油、綿実油等の植物油のエポキシ化合物等が例示できる。
これらのエポキシ化合物の中でも、より熱・加水分解安定性を向上させることができることから、フェニルグリシジルエーテル型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、エポキシ化脂肪酸モノエステルが好ましく、脂環式エポキシ化合物がより好ましい。
これらのエポキシ化合物を本発明の冷凍機油組成物に配合する場合、その配合量は特に制限されないが、その他のエポキシ化合物の合計の含有量は、組成物全量基準で、好ましくは0.1〜5.0質量%、より好ましくは0.2〜2.0質量%である。
さらに、本発明における冷凍機油組成物に対して、その性能をさらに高めるため、必要に応じて従来より公知の冷凍機油添加剤、例えばジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ビスフェノールA等のフェノール系の酸化防止剤、フェニル−α−ナフチルアミン、N,N−ジ(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン等のアミン系の酸化防止剤、ジチオリン酸亜鉛等の摩耗防止剤、塩素化パラフィン、硫黄化合物等の極圧剤、シリコーン系等の消泡剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、清浄分散剤等の添加剤を単独で、又は数種類組み合わせて配合することも可能である。これらの添加剤の合計配合量は特に制限されないが、冷凍機油組成物全量基準(基油と全配合添加剤の合計量基準)で好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。
本発明の冷凍機油組成物の動粘度は特に制限されないが、長配管での油戻り性の点から、その40℃における動粘度は、好ましくは60mm/s以下、より好ましくは50mm/s以下、更に好ましくは46mm/s以下、特に好ましくは40mm/s以下である。一方、耐摩耗性の点から、40℃における動粘度は、好ましくは8mm/s以上、より好ましくは10mm/s以上、さらに好ましくは15mm/s以上、特に好ましくは20mm/s以上である。また、本発明の冷凍機油組成物の流動点は特に制限されないが、低温性能の点から、好ましくは−20℃以下,より好ましくは−25℃以下、さらに好ましくは−30℃以下である。
また、本発明の冷凍機油組成物の体積抵抗率は特に限定されないが、1.0×10Ω・cm以上であることが好ましい。特に、密閉型冷凍機に用いる場合には高い電気絶縁性が必要となる傾向にある。なお、ここでいう体積抵抗率とは、JIS C 2101「電気絶縁油試験方法」に準拠して測定した25℃での値[Ω・cm]を意味する。
さらに、本発明の冷凍機油組成物の水分含有量は特に限定されないが、冷凍機油組成物全量基準で好ましくは200ppm以下、より好ましくは100ppm以下、最も好ましくは50ppm以下とすることができる。特に密閉型の冷凍機用に用いる場合には、油の熱・加水分解安定性や電気絶縁性への影響の観点から、水分含有量が少ないことが求められる。
さらにまた、本発明の冷凍機油組成物の酸価は特に限定されないが、冷凍機又は配管に用いられている金属への腐食を防止するため、好ましくは0.1mgKOH/g以下、より好ましくは0.05mgKOH/g以下とすることができる。なお、ここでいう酸価とは、JIS K 2501「石油製品及び潤滑油−中和価試験方法」に準拠して測定した値[mgKOH/g]を意味する。
さらにまた、本発明の冷凍機油組成物の灰分は特に限定されないが、本発明の冷凍機油組成物の熱・加水分解安定性を高めスラッジ等の発生を抑制するため、好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下とすることができる。なお、本発明において、灰分とは、JIS K 2272「原油及び石油製品の灰分並びに硫酸灰分試験方法」に準拠して測定した値[ppm]を意味する。
本発明の冷凍機油組成物を用いる冷凍機に用いられる冷媒は、HFC冷媒、パーフルオロエーテル類等の含フッ素エーテル系冷媒、ジメチルエーテル等の非フッ素含有エーテル系冷媒及び二酸化炭素やアンモニア,炭化水素等の自然系冷媒であるが、これらは各々単独で用いてもよいし、2種以上の混合物として用いてもよい。
HFC冷媒としては、炭素数1〜3、好ましくは1〜2のハイドロフルオロカーボンが挙げられる。具体的には例えば、ジフルオロメタン(HFC−32)、トリフルオロメタン(HFC−23)、ペンタフルオロエタン(HFC−125)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC−143a)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)等のHFC、又はこれらの2種以上の混合物等が挙げられる。これらの冷媒は用途や要求性能に応じて適宜選択されるが、例えばHFC−32単独;HFC−23単独;HFC−134a単独;HFC−125単独;HFC−134a/HFC−32=60〜80質量%/40〜20質量%の混合物;HFC−32/HFC−125=40〜70質量%/60〜30質量%の混合物;HFC−125/HFC−143a=40〜60質量%/60〜40質量%の混合物;HFC−134a/HFC−32/HFC−125=60質量%/30質量%/10質量%の混合物;HFC−134a/HFC−32/HFC−125=40〜70質量%/15〜35質量%/5〜40質量%の混合物;HFC−125/HFC−134a/HFC−143a=35〜55質量%/1〜15質量%/40〜60質量%の混合物等が好ましい例として挙げられる。さらに具体的には、HFC−134a/HFC−32=70/30質量%の混合物;HFC−32/HFC−125=60/40質量%の混合物;HFC−32/HFC−125=50/50質量%の混合物(R410A);HFC−32/HFC−125=45/55質量%の混合物(R410B);HFC−125/HFC−143a=50/50質量%の混合物(R507C);HFC−32/HFC−125/HFC−134a=30/10/60質量%の混合物;HFC−32/HFC−125/HFC−134a=23/25/52質量%の混合物(R407C);HFC−32/HFC−125/HFC−134a=25/15/60質量%の混合物(R407E);HFC−125/HFC−134a/HFC−143a=44/4/52質量%の混合物(R404A)等が挙げられる。これらの中でも、冷却効率の点から、R407C及びR410Aが好ましい。
また、自然系冷媒としては二酸化炭素やアンモニア、炭化水素等が挙げられる。ここで、炭化水素冷媒としては、25℃、1気圧で気体のものが好ましく用いられる。具体的には炭素数1〜5、好ましくは1〜4のアルカン、シクロアルカン、アルケン又はこれらの混合物である。具体的には例えば、メタン、エチレン、エタン、プロピレン、プロパン、シクロプロパン、ブタン、イソブタン、シクロブタン、メチルシクロプロパン又はこれらの2種以上の混合物等があげられる。これらの中でも、プロパン、ブタン、イソブタン又はこれらの混合物が好ましい。
本発明の冷凍機油組成物は、通常、冷凍機中においては上述したような冷媒と混合された冷凍機用流体組成物の形で存在している。この流体組成物における冷凍機油と冷媒との配合割合は特に制限されないが、冷媒100重量部に対して冷凍機油が好ましくは1〜500重量部、より好ましくは2〜400重量部である。
本発明の冷凍機油組成物は、潤滑性、冷媒相溶性、低温流動性、安定性などの要求性能全てをバランスよく十分に満足させるものであり、パッケージエアコンディショナー用冷凍機油として用いた場合に、その性能が最も引き出される。さらに、本発明の冷凍機油組成物は、往復動式、回転式、遠心式等のいずれの形式の圧縮機にも使用可能であり、また、開放型、半密閉型、密閉型のいずれの形式の圧縮機にも使用可能である。
本発明の冷凍機油組成物を好適に用いることのできる冷媒循環システムの構成としては、代表的には、冷媒圧縮機、凝縮器、膨張機構、蒸発器がこの順でそれぞれ流路を介して接続されており、必要に応じて該流路中に乾燥器を具備するものが例示される。
冷媒圧縮機としては、冷凍機油を貯留する密閉容器内に回転子と固定子からなるモーターと、回転子に嵌着された回転軸と、この回転軸を介して、モータに連結された圧縮機部とを収納し、圧縮機部より吐出された高圧冷媒ガスが密閉容器内に滞留する高圧容器方式の圧縮機、冷凍機油を貯留する密閉容器内に回転子と固定子からなるモーターと、回転子に嵌着された回転軸と、この回転軸を介して、モータに連結された圧縮機部とを収納し、圧縮機部より吐出された高圧冷媒ガスが密閉容器外へ直接排出される低圧容器方式の圧縮機、等が例示される。
モータ部の電機絶縁システム材料である絶縁フィルムとしては、ガラス転移点50℃以上の結晶性プラスチックフィルム、具体的には例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンナフタレート、ポリアミドイミド、ポリイミド群から選ばれる少なくとも一種の絶縁フィルム、あるいはガラス転移温度の低いフィルム上にガラス転移温度の高い樹脂層を被覆した複合フィルムが、引っ張り強度特性、電気絶縁特性の劣化現象が生じにくく、好ましく用いられる。また、モータ部に使用されるマグネットワイヤとしては、ガラス転移温度120℃以上のエナメル被覆、例えば、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリアミド及びポリアミドイミド等の単一層、あるいはガラス転移温度の低い層を下層に、高い層を上層に複合被覆したエナメル被覆を有するものが好ましく用いられる。複合被覆したエナメル線としては、ポリエステルイミドを下層に、ポリアミドイミドを上層に被覆したもの(AI/EI)、ポリエステルを下層に、ポリアミドイミドを上層に被覆したもの(AI/PE)等が挙げられる。
乾燥器に充填する乾燥剤としては、細孔径3.3オングストローム以下、25℃の炭酸ガス分圧250mmHgにおける炭酸ガス吸収容量が、1.0%以下であるケイ酸、アルミン酸アルカリ金属複合塩よりなる合成ゼオライトが好ましく用いられる。具体的には例えば、ユニオン昭和(株)製の商品名XH−9,XH−10,XH−11,XH−600等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例に基づき本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1〜4、比較例1〜10]
実施例1〜4及び比較例1〜10においては、それぞれ以下に示す基油及び添加剤を用いて表1〜3に示す組成を有する冷凍機油組成物を調製した。
(基油)
A1:ペンタエリスリトールと2−エチルヘキサン酸及び3,5,5−トリメチルヘキサン酸の等モル混合物とのテトラエステル(40℃における動粘度:68.5mm/s、流動点:−25℃)
A2:ネオペンチルグリコールと2−エチルヘキサン酸とのテトラエステル(40℃における動粘度:7.8mm/s、流動点:−40℃以下)
X1:ペンタエリスリトールとノルマルペンタン酸とのエステル(40℃における動粘度15mm/s、流動点:−40℃以下)
X2:ネオペンチルグリコールとオレイン酸とのジエステル(40℃における動粘度:24mm/s、流動点:−40℃以下)
(添加剤)
B1:トリフェニルホスフォロチオネート
C1:トリクレジルホスフェート
D1:グリジシル−2,2’−ジメチルオクタノエート
G1:ビニルシクロヘキセンジオキシド
G2:フェニルグリシジルエーテル。
次に、実施例1〜4及び比較例1〜10の冷凍機油組成物について以下の評価試験を実施した。
(安定性試験(1):SGT試験)
JIS K 2211に準拠し、鉄、銅及びアルミニウムを触媒としてシールドガラスチューブ試験を行い、200℃で1週間保持した後のスラッジの有無及び触媒外観を観察した。冷媒はR410Aを使用した。得られた結果を表1〜3に示す。表1〜3のスラッジの欄中、Aはスラッジが認められなかったことを、Bはスラッジが認められたことをそれぞれ意味する。また、表1〜3の触媒外観の欄中、Aは触媒の変化の認められなかったこと、Bは触媒変化が若干認められたこと、Cは触媒外観が大幅に変化したことをそれぞれ意味する。
(安定性評価試験(2):オートクレーブ試験)
含水率を500ppmに調整した冷凍機油組成物50gを200mlオートクレーブ中に入れ、真空ポンプにより系内の空気を完全に除去し、その後常圧(760mmHg)の半分(380mmHg)まで空気で戻し、これに冷媒15gを封入し、175℃で2週間保持した後の酸価(mgKOH/g)を測定した。評価は、比較例1の酸価を基準とし、比較例1の酸価よりも小さい酸価を示すものを「A」、比較例1の酸価よりも大きい酸価を示したものを「B」とした。得られた結果を表1〜3に示す。
(耐摩耗性評価試験)
冷凍機油組成物に冷媒を吹き込みながら、下記条件でFALEX試験(ASTM D2670)を実施した。このときのブロック及びピンの摩耗量をこれらの重量の減少量として求めた。得られた結果を表1〜3に示す。
試験開始温度:25℃
試験時間:30分
荷重:1000N
冷媒の吹き込み量:10L/h
冷媒:R407C
(摩擦特性評価試験)
FALEX試験機(ASTM D2714)の摺動部を耐圧容器内に設置し、容器内に冷媒を導入して下記条件でFALEX試験を実施した。摩擦特性は平均摩擦係数により評価した。平均摩擦係数は試験時間中、1秒毎に摩擦力を測定し、得られた摩擦力を荷重で除し算出した。得られた結果を表1〜3に示す。
試験材:鋼リング、鋼ブロック
試験開始温度:80℃
試験時間:1時間
すべり速度:0.5m/s
荷重:1250N
冷媒雰囲気の圧力:500kPa。
(油戻り性評価試験)
家庭用エアコンディショナー(三菱電機製、型番:PLZ−RP40A、定格冷房能力:3.6kW)の圧縮機に覗き窓を設け、室内機と室外機の高低差を20mとし、かつ、油戻り性の差異が顕著に現れるように、室外機を室内機の上方に配置した。このエアコンディショナーの圧縮機に各冷凍機油組成物を導入し、まず、静止状態での油面高さを測定した。次いで、エアコンディショナーの運転を開始し、油面が元の高さに回復するまでの時間(回復時間)を測定した。得られた結果を表1〜3に示す。表中、回復時間が短い程。油戻り性に優れていることを意味する。
Figure 2005281603
Figure 2005281603
Figure 2005281603

Claims (1)

  1. ペンタエリスリトールと脂肪酸とのテトラエステル及びネオペンチルグリコールと脂肪酸とのジエステルの混合基油と、ホスフォロチオネートと、前記ホスフォロチオネート以外のリン系添加剤と、グリシジルエステル系エポキシ化合物とを含有することを特徴とするパッケージエアコンディショナー用冷凍機油組成物。
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