JP2005281248A - 有機発光性化合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 有機溶媒への溶解性が高く、高い発光効率にて青色の強い発光を示す有機発光性化合物を提供する。
【解決手段】 本発明の有機発光性化合物は次式(I)、
Figure 2005281248

(上記式(I)中、R1、R2、R3およびR4は、夫々独立に水素原子、アルキル基、アシル基、アリール基およびハロゲン原子からなる群から選択される基等、R5およびR6は、夫々独立に未置換、または窒素原子、酸素原子、硫黄原子および/またはハロゲン原子を含んでもよいアルキル基、アルケニル基もしくはアルキニル基等、X1およびX2は夫々独立に水素原子、アルキル基、アシル基、アリール基およびハロゲン原子等、pおよびqは0または1、mおよびnは0〜3の整数)で表される。
【選択図】 なし

Description

本発明は、有機発光性化合物に関し、詳しくは高い発光効率にて青色の強い発光を示す従来の有機発光性化合物より有機溶媒への溶解性を向上させた新規な有機発光性化合物に関する。
有機発光性化合物の場合は、置換基導入などによる誘導体化により励起ならびに発光波長を変化させることができるばかりでなく、被測定化合物などの認識機能の付加や高分子化など様々な高機能化が可能である。したがって、発光性を示す新規な基本骨格構造(キー構造)の発見は多様な発展をもたらすことから、精力的に研究がされている。有機発光材料の用途としては、発光分子の周囲の生物学的、生化学的、局所環境の変化などを、発光強度、発光時間など発光特性の変化などとして捉える、例えば、細胞内蛍光プローブとしての利用、天然色画像の表現に必要な波長領域の光を出す有機EL(エレクトロルミネセンス)の発光体としての利用、色素レーザーの多様な波長に対応した色素としての利用などがあり、多様な用途に好ましい材料の開発が鋭意行われてきた。
発光材料としての利用には、充分な発光量と、色の再現に適した、他の発光材料とのバランスの取れた組み合わせが可能なものが望まれる。また、蛍光材料としては、基本的には発光量子収率が高いことが望ましく、プローブ材料としては、励起光と蛍光との識別性が良く、生物学的な測定においては、励起波長が被測定材料を損傷させないものが望まれる。
したがって、新規な基本骨格構造(キー構造)の発光材料などの開発は、前記多様な用途に適した誘導体が合成し易い化学構造の化合物を提供できることが重要である。高効率発光性化合物、特に高効率の青色発光性化合物はあまりないこと、コンパクトディスク(CD)などの高密度記録に青色レーザーが利用され需要が大きいなどから、青色発光可能な新しいキー構造の発見が望まれている。公知の有機低分子の青色発光材料としては、ジスチリルビフェニル系発光材、アリールエチニルベンゼン系発光材、セキシフェニル系発光材、ベンゾイミダゾール誘導体系発光材などの中に見られるが、合成が容易とはいえないし、かつ、高輝度、高効率の発光材料とは言い難いものである。
そこで本発明者らは、以前、ビピリジン誘導体の合成技術の容易性などに着目し、ビピリジン誘導体、特にビピリジンとベンゾイミダゾールとを組み合わせた化合物、特に化学構造上配位子としては魅力がないために、合成が試みられていない、ビピリジンの5,5’−位にベンゾイミダゾールを2位で結合した化合物を合成し、その発光特性を調べたところ、極めて高効率で青色の強い発光を示すことを発見した。また、前記構造の半分の構造を持つ、2−ピリジン−3−イル−1H−ベンゾイミダゾール(py−Bzim)にもかなり優れた発光特性を見出し、2−ピリジン−3−イル、5,5’−ビピリジルとベンゾイミダゾール−2−イルとの結合は、新規なキー蛍光構造を提供することを確認した(特許文献1記載)。
特開2004−75603号公報(特許請求の範囲等)
しかし、特許文献1記載の5,5’−ビス(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−[2,2’]ビピリジン(以下、「5,5’−Bzim−2,2’−bpy」と称す)およびpy−Bzimは青色に強く蛍光発光する有機材料であり、そのような青色に強く蛍光発光する有機材料は限られているため、上記3分野への利用が期待されたが、溶媒に対する溶解性が低いため、利用は困難であるという問題点を有している。
そこで、本発明の目的は、有機溶媒への溶解性が高く、高い発光効率にて青色の強い発光を示す有機発光性化合物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、青色に強く蛍光発光する高効率な発光性化合物でありながら一般的な溶媒への溶解性が低い5,5’−Bzim−2,2’−bpy等のベンゾイミダゾール基の窒素原子に置換基を導入することによって、光化学特性とくに発光量子収率を低下させずに、有機溶媒に可溶となること、即ち、上記課題を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の有機発光性化合物は次式(I)、
Figure 2005281248
(上記式(I)中、R1、R2、R3およびR4は、夫々独立に水素原子、アルキル基、アシル基、アリール基およびハロゲン原子からなる群から選択される基、またはR1、R2およびイミダゾール環により、および/またはR3、R4およびイミダゾール環により、未置換またはアルキル基、アシル基、アリール基およびハロゲン原子からなる群から独立に選択される基で置換されたベンゾイミダゾール基を形成する原子団であり、R5およびR6は、夫々独立に未置換、または窒素原子、酸素原子、硫黄原子および/またはハロゲン原子を含んでもよいアルキル基、アルケニル基もしくはアルキニル基;未置換またはアルキル基、アリール基、アシル基、水酸基、アミノ基、スルホン酸基および/またはハロゲン原子で置換されたアリール基であり、X1およびX2は夫々独立に水素原子、アルキル基、アシル基、アリール基およびハロゲン原子からなる群から選択される基であり、pおよびqは夫々独立に0または1の整数であり、mおよびnは夫々独立に0〜3の整数である)で表されることを特徴とするものである。
5,5’−Bzim−2,2’−bpy等は青色に強く蛍光発光し、高い発光量子収率を示すものの、ほとんどの有機溶媒に対して溶解性が低く、工業的に利用する上での大きな障害となっていた。それに対し、5,5’−Bzim−2,2’−bpy等のイミダゾールの窒素原子にアルキル基等を導入した本発明の新規な化合物は、クロロホルム、メタノール、エタノール、酢酸エチルなどの一般的な有機溶媒への溶解性が飛躍的に向上する。
更に5,5’−Bzim−2,2’−bpy等のイミダゾールの窒素原子に置換基が導入されていない場合、二級アミンによる分子間相互作用が生じ、高濃度にて有機発光性化合物として利用した際に光学的性質に悪影響を及ぼすが、イミダゾールの窒素原子にアルキル基等を導入した本発明の化合物は、そのような影響を軽減することができる。
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
本発明の有機発光性化合物は、前記特許文献1記載の有機発光性化合物のイミダゾール基の窒素原子に特定の置換基を導入したものである。上記一般式(I)で表される本発明の有機発光性化合物のうち、好ましくは、式(I)において、R1、R2、R3およびR4が、R1、R2およびイミダゾール環により、および/またはR3、R4およびイミダゾール環により、未置換または置換されたベンゾイミダゾール基を形成する原子団である次式(II)、
Figure 2005281248
(上記式(II)中、R5、R6、X1、X2、p、q、mおよびnは夫々上記のものと同じものであり、Y1およびY2は未置換またはアルキル基、アシル基、アリール基およびハロゲン原子からなる群から独立に選択される基であり、rおよびsは夫々独立に0〜4の整数である)で表される有機発光性化合物である。
より好ましくは式(II)において、pおよびqが1である次式(III)、
Figure 2005281248
(上記式(III)中、R5、R6、X1、X2、Y1、Y2、m、n、rおよびsは夫々上記のものと同じものである)で表される有機発光性化合物である。
一層好ましくは式(III)において、X1、X2、Y1およびY2が水素原子であり、m、n、rおよびsが1である次式(IV)、
Figure 2005281248
(上記式(IV)中、R5およびR6は、夫々独立にアルキル基である)で表される有機発光性化合物である。
本発明の有機発光性化合物の一好適合成方法を下記の反応式に従い説明する。反応式に示されるように3ステップにより構成され、最終ステップにより本発明である有機発光性化合物を得ることができる。各反応工程自体は、既知の有機合成方法であるため、化合物は新規であるが、容易に合成することができる(Liebigs Ann.Chem.1979,1818-1827参照)。
Figure 2005281248
先ず、1−クロロ−2−ニトロベンゼン(V)と一級アミン(RNH2)を酢酸ナトリウム存在下にて加熱還流することにより(2−ニトロフェニル)−アルキルアミン(VI)を得ることができる。一級アミン(RNH2)のアルキルが本発明の化合物のイミダゾールの窒素原子に置換するアルキル基となる。次に得られた(2−ニトロフェニル)−アルキルアミン(VI)に塩化スズ(II)・二水和物を濃塩酸で溶解した溶液を加え、加熱還流することによりN−アルキル−ベンゼン−1,2−ジアミン(VII)を得ることができる。化合物(V)、(VI)および(VII)のベンゼン環は本発明の化合物である最終生成物のベンゾイミダゾール基を構成するベンゼン環となるため、いずれかの段階で置換基を導入することにより、ベンゾイミダゾール基に置換基の導入された最終生成物を得ることができる。ただし、導入する置換基は各反応を阻害するものであってはならない。
次に、ポリリン酸とN−アルキル−ベンゼン−1,2−ジアミン(VII)を加熱し、そこに2,2’−ビピリジル−5,5’−ジカルボン酸(VIII)を加え、加熱することにより本発明の化合物である5,5’−ビス(1N−アルキル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−[2,2’]ビピリジン(IX)を得ることができる。2,2’−ビピリジル−5,5’−ジカルボン酸(VIII)の代わりにピリジン環に置換基が導入されたものを用いることにより置換基の導入されている本発明の化合物を得ることができる。ただし、導入する置換基は反応を阻害するものであってはならない。
また、イミダゾールの窒素原子に導入する置換基であるアルキル基、アルケニル基、アルキニル基およびアリール基は原則的に炭素数が多いものほど有機溶媒に対する溶解性を向上させることができる。かかる置換基は、目的に応じ適宜選定すればよいが、炭素数1〜18のアルキル基を好適に使用することができる。また、アルキル基は直鎖および分岐鎖のどちらでも好適に使用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実験例1
5,5’−ビス(1N−オクチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−[2,2’]ビピリジン(以下、「5,5’−Bzim(C8)−2,2’−bpy」と称す)の合成
一般的な有機合成反応を用い、5,5’−Bzim(C8)−2,2’−bpyの合成を、具体的に説明する。先ず、(2−ニトロフェニル)−オクチルアミンの合成を下記の反応に従い行った。
Figure 2005281248
先ず、溶媒としてニトロベンゼン100mlを用い、酢酸ナトリウム12gの存在下にて、1−クロロ−2−ニトロベンゼン(V)25g(分子量:157.55、0.159mol)と1−アミノオクタン(X)26ml(分子量:129.24、0.157mol)を210℃で1時間加熱還流した。その後、酢酸ナトリウムを濾過にて取り除き、ジエチルエーテルでよく洗った。ろ液であるジエチルエーテルならびに反応溶媒であるニトロベンゼンを減圧蒸留により取り除き、橙色の液体を得た。得られた液体をジエチルエーテルで洗いながら吸引濾過を行い、ガラスフィルターに残った固体も水で洗いながら吸引濾過を行った。水で洗った際のろ液(水溶液)をジエチルエーテルで抽出(100ml×3回)した。得られたエーテル層と先程のろ液を合わせ、エバポレーターを用いて濃縮することにより、粗生成物として橙色液体の(2−ニトロフェニル)−オクチルアミン(XI)(分子量:250.34)を41.87g得た後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(φ 6.0×32cm、溶離液:n−ヘキサン:ジエチルエーテル(4:1);Rf0.8)により精製を行い、18.68g(収率:46.9%)の(2−ニトロフェニル)−オクチルアミン(XI)を得た。
得られた(2−ニトロフェニル)−オクチルアミン(XI)の解析結果を以下に示す。
1H−NMR(300 MHz、CDCl3
δ:8.162(dd,J=8.6,1.6Hz,1H),8.058 (br,1H),7.455−7.398(m,1H),6.837(dd,J=8.6,0.87,1H),6.694−6.597(m,1H),3.326−3.261(m,2H),1.780−1.683(m,2H),1.470−1.289(m,10H),0.955−0.866(m,3H)
MS(EI):C14242 +:250(計算値:250.33)
次に、N−オクチル−ベンゼン−1,2−ジアミン(XII)の合成を下記の反応に従い行った。
Figure 2005281248
先ず、(2−ニトロフェニル)−オクチルアミンを2.0g(8.0 mmol)に塩化スズ(II)・二水和物18.9g(80mmol)を濃塩酸20mlで溶解した溶液を加え、120℃で4.5時間加熱還流を行った。その後、室温まで放冷し、さらに30分間氷冷した。氷冷すると黄白色固体が析出した。この固体を吸引ろ過(11G4ガラスフィルター)により集め、少量の濃塩酸で洗うことによりスズを取り除いた後、水で洗いながら集めた。水溶液は10%水酸化ナトリウム水溶液によりpH7−8に調整し、不溶の固体と共に、ジエチルエーテルにより抽出した。エーテルは水100ml×3回で洗った後、硫酸マグネシウムにより乾燥した。溶液をろ過、濃縮することによりN−オクチル−ベンゼン−1,2−ジアミン(XII)(分子量:220.35)を黄色液体として1.56 g(粗収率:88.5%)得た。なお、同化合物は空気中、不安定なため、合成後、すぐに次の操作を行った。
得られたN−オクチル−ベンゼン−1,2−ジアミン(XII)の解析結果を以下に示す。
1H−NMR(300MHz,CDCl3
δ:6.855−6.9779(m,1H),6.736−6.640(m,3H),3.296(br,2H),3.095(t,2H),1.714−1.618(m,2H),1.340−1.255(m,10H),0.910−0.821(m,3H)
MS(EI):C14242 +:220(計算値:220.35)
最後に本発明の化合物である5,5’−Bzim(C8)−bpy(XIII)の合成を下記の反応式に従い行った。
Figure 2005281248
先ず、ポリリン酸17gとN−オクチル−ベンゼン−1,2−ジアミン(XII)1.56g(7.07mmol)を120℃で加熱した。そこに2,2’−ビピリジル−5,5’−ジカルボン酸(VIII)802mg(3.28mmol)を加え、ゆっくりと温度を上げて、200℃で16時間加熱し、反応させた。その後、100℃以下に放冷したところで、水300mlを加えると緑白色の固体が析出した。水溶液のpHを水酸化カリウムでpH7−8に調整した後、クロロホルムにより生成物を抽出した。クロロホルム層を水(100 ml×3回)で洗い、硫酸マグネシウムにより乾燥した後、エバポレーターにより減圧蒸留し、5,5’−Bzim(C8)−2,2’−bpy(XIII)(分子量:612.85)の粗生成物を1.83g得た。得られた化合物はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(φ 6.0×33cm,溶離液:酢酸エチル)により精製し、酢酸エチルにより結晶化させ、5,5’−Bzim(C8)−2,2’−bpy(XIII)(分子量:612.85)を白色固体として0.486g(収率:24.2%)得た。
得られた5,5’Bzim(C8)−2,2’−bpy(XIII)の解析結果を以下に示す。
1H−NMR(400MHz,CDCl3
δ:9.094(d,J=2.4Hz,2H),8.684(d,J=8.0 Hz,2H),8.276(dd,J=9.6,2.4Hz,2H),7.875(dd,J=6.0,2.8Hz,2H),7.463(d,J=6.4Hz,2H),7.367−7.349(m,4H),4.303(t,4H),1.880(t,4H),1.259−1.217(m,20H), 0.862−0.829(m,6H)
13C−NMR(400MHz,CDCl3
δ:155.914、150.280、149.142、143.202、137.815、135.728、127.206、123.214、122.686、121.192、120.161、110.204、45.099、31.735、30.077、29.120、29.087、26.818、22.628、14.114
MS(EI):C14242+:612(計算値:612.85)
元素分析:C40486・0.5H2O、計算値:C,77.26;H, 7.94;N,13.51、実測値:C,77.42;H,7.96;N, 13.51
X線構造解析:Formula;C40486、Temp.(K);113(2).Cryst.Sys.;Monoclinic.Space Group;P21/c.a(Å);11.7903(14).b(Å); 9.4594(10).c(Å);17.7407(14).b(°);122.861(5).V(Å3);1662.0(3).D(g/cm3);1.184.Z;2.reflns.;3224(I>2σ).params.;210.R1;0.0564.wR2;0.1439.G. O.F.;1.086.
実験例2
光化学的性質
得られた5,5’−Bzim(C8)−2,2’−bpy(XIII)のアセトニトリル中における吸収スペクトル、蛍光スペクトルの測定を行った。その結果を、図1に示す。図中の実線は吸収スペクトル、破線は蛍光スペクトルを表す。その結果、吸収スペクトルでは、アセトニトリル中、334nmに極大波長(ε=40000M-1cm-1)を示した。この吸収を光励起することにより、λem=432nm(λex=334nm)に極大をもつ強い発光スペクトルを示した。また、蛍光量子収率(Φ)を硫酸キニーネを基準物質(0.5M硫酸溶液中、10-4M以下の濃度、25℃において、蛍光量子収率が54.6%)として求めたところ、蛍光量子収率(Φ)=0.79(79%)であり、5,5’−Bzim(C8)−2,2’−bpyのオクチル基が置換されていない化合物(5,5’−Bzim−2,2’−bpy)場合のΦ=0.93(93%)に比べて、若干小さな値となったが、十分に高効率な発光性材料であることを示した。さらに、励起寿命をHORIBA NAES−700を用いて測定した。その結果、1.52ナノ秒(ns)と求められ、寿命が短い一重項からの発光、すなわち蛍光発光であると考えられる。これらのことから、5,5’−Bzim(C8)−2,2’−bpyもまた、極めて高効率な青色発光(蛍光)化合物であることが分かった。
実験例3
溶解性
5,5’−Bzim(C8)−2,2’−bpyと5,5’−Bzim−2,2’−bpyの溶解性を比較した。溶媒としては、アセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチルおよびジエチルエーテルを用いて行った。その結果、5,5’−Bzim(C8)−2,2’−bpyはいずれの溶媒に関しても非常に優れた溶解性を示した。一方、5,5’−Bzim−2,2’−bpyはいずれの溶媒を用いてもほとんど溶解しなかった。このことにより、イミダゾールの窒素原子にアルキル基を導入することにより溶解性が向上することが分かった。
高効率な発光性物質は、現在、主に有機ELの発光体、レーザー色素、蛍光プローブとしての利用が注目されており、発光量子収率が高く、有機溶媒に対する溶解性が高いことから、これらの分野における発光材料としての利用が期待される。
5,5’−Bzim(C8)−2,2’−bpyのアセトニトリル中における吸収スペクトル(実線)、蛍光スペクトル(破線)を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 有機発光性化合物において、次式(I)、
    Figure 2005281248
    (上記式(I)中、R1、R2、R3およびR4は、夫々独立に水素原子、アルキル基、アシル基、アリール基およびハロゲン原子からなる群から選択される基、またはR1、R2およびイミダゾール環により、および/またはR3、R4およびイミダゾール環により、未置換またはアルキル基、アシル基、アリール基およびハロゲン原子からなる群から独立に選択される基で置換されたベンゾイミダゾール基を形成する原子団であり、R5およびR6は、夫々独立に未置換、または窒素原子、酸素原子、硫黄原子および/またはハロゲン原子を含んでもよいアルキル基、アルケニル基もしくはアルキニル基;未置換またはアルキル基、アリール基、アシル基、水酸基、アミノ基、スルホン酸基および/またはハロゲン原子で置換されたアリール基であり、X1およびX2は夫々独立に水素原子、アルキル基、アシル基、アリール基およびハロゲン原子からなる群から選択される基であり、pおよびqは夫々独立に0または1の整数であり、mおよびnは夫々独立に0〜3の整数である)で表されることを特徴とする有機発光性化合物。
  2. 上記式(I)において、R1、R2、R3およびR4が、R1、R2およびイミダゾール環により、および/またはR3、R4およびイミダゾール環により、未置換または置換されたベンゾイミダゾール基を形成する原子団である次式(II)、
    Figure 2005281248
    (上記式(II)中、R5、R6、X1、X2、p、q、mおよびnは夫々上記のものと同じものであり、Y1およびY2は未置換またはアルキル基、アシル基、アリール基およびハロゲン原子からなる群から独立に選択される基であり、rおよびsは夫々独立に0〜4の整数である)で表される請求項1記載の有機発光性化合物。
  3. 上記式(II)において、pおよびqが1である次式(III)、
    Figure 2005281248
    (上記式(III)中、R5、R6、X1、X2、Y1、Y2、m、n、rおよびsは夫々上記のものと同じものである)で表される請求項2記載の有機発光性化合物。
  4. 上記式(III)において、X1、X2、Y1およびY2が水素原子であり、m、n、rおよびsが1である次式(IV)、
    Figure 2005281248
    (上記式(IV)中、R5およびR6は、夫々独立にアルキル基である)で表される請求項3記載の有機発光性化合物。
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