JP2005280533A - 帆装商船 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
帆装商船において、船体内から上甲板上に達する基礎ポストを設け、該基礎ポスト上に、旋回可能にデッキクレーンを備え、基礎ポスト内からクレーン機械室を貫通して上方に突出し、旋回可能に支持してメインマストを立設し、メインマストの上部と下部にベースフレームを固定して設け、下部と上部のベースフレーム間に、回転可能な軟帆巻き取り装置と、旋回可能な硬帆マストと、旋回可能なスラットマストとを設け、軟帆巻き取り装置に軟帆を展帆、縮帆自在に装着し、硬帆マストに硬帆を展帆、縮帆自在に装着し、スラットマストにスラットを展帆、縮帆自在に装着するようにした。
【選択図】 図1
Description
こうした帆装商船は、自然の風力を推進力に利用するものであり、省エネルギー効果が得られるものであるが、風力を充分に活用するためには、それなりに大きな帆を装備する必要がある。
この帆装装置は、省エネルギー対策として設備されるものであるから、省エネルギー効果と設備コストとの対比、つまり、費用対効果が大きくないと、設備する意味がなく、このことが帆装商船が広く普及しない要因となっている。
また、硬帆は縮帆できない構造であるため、強風時など帆走できない事態の時には、硬帆を風向きに合わせ、極力風の抵抗を受けないようにしなければならないが、このような強風時にデッキクレーンのブームをその方向に旋回させた状態で保持しなければならないことになる。
本発明は、従来型の不都合な点を解決するものであって、俯仰ブーム型デッキクレーンを有し、該デッキクレーンを利用して帆装装置を備えた帆装商船において、スラットと硬帆および軟帆の展帆角度を別々に調整でき、また、デッキクレーンの俯仰ブームの旋回とは別の調整機構により、硬帆およびスラットの展帆角度を調整することができる帆装商船を得ることを目的とする。
なお、軟帆の展帆はデッキクレーンのブームを利用して展帆するようにしている。
また、デッキクレーンとメインマストの固定連結により、軟帆、硬帆、スラットの相対的角度位置を最適な関係に固定し、メインマストの旋回によって複合帆としての展帆角度が調整できる。したがって、推進力が最大となるように展帆角度を調整することができるようになった。
また、俯仰ブーム5は機械室4にピン枢着されているので、基礎ポスト1に基部をピン着され、先部を俯仰ブーム5にピン着された俯仰シリンダ6の作動により俯仰される。
なお、10は機械室4に設けられた旋回固定装置であって、油圧作動により、メインマスト11の外面に取り付けられた固定板を挟み、機械室4,つまりは、デッキクレーン3をメインマスト11に一体的に連結し、デッキクレーン3とメインマスト11の旋回を固定する。
15は、下部ベースフレーム13との間に旋回軸受を介して装着された環状の内歯歯車であり、16は環状の内歯歯車15と噛合するピニオンであって、下部ベースフレーム13に支承されると共に、下部ベースフレーム13に設けられている回転作動装置17により回転作動される。
なお、軟帆巻き取り装置19のワイヤロープ20に替えて、回転駆動装置により回転される芯軸を使用することも可能である。
24は硬帆マスト23の上端部に装着された歯車であり、該歯車24には上部ベースフレーム14に設置された回転作動装置25のピニオンが噛合されている。
該スラット固定連結材35は、硬帆マスト23とスラットマスト29との間隔を一定に保ち、スラットマスト29の撓みを防止している。
そして、スライダー37にはシャックル40が固定されており、軟帆22の底辺隅部に設けられた締結ホール41にシャックル40を通して展帆ロープ37が締結される。したがって、軟帆22はスライダー37の移動により展帆される。
まず、停泊中荷役作業を行うときには、軟帆22を軟帆巻き取り装置19に巻き取り、メインマスト11に沿って、縦向きに収納する。
この状態で俯仰ブーム5は俯仰可能となるから、俯仰シリンダ6およびクレーン旋回装置7の操作によりデッキクレーン3は帆装装置の制約を受けることなく、帆装装置を備えないものと同様に自在なクレーン作業ができ、荷役作業が行われる。
なお、縮帆するときも硬帆26とスラット32が干渉しないようにしなければならず、縮帆するときに直角方向にして縮帆されているから、展帆するときはベースフレームに対して直角方向に有るのが通常である。
さらに、回転作動装置17、25によって硬帆マスト23を旋回させ、硬帆26の展帆角度を調整し、同様に作動装置31によってスラットマスト29を旋回させ、スラット32の展帆角度を調整する。
そして、風向きに対して軟帆22に所定の展帆角度を与える。この操作は俯仰ブーム5を旋回して行う。
例えば、図2に示すように航行方向に対して、軟帆22を5度、硬帆26を25度、スラット32を40度にセットするような調整を行うことができる。
この状態にした場合は、メインマスト11の旋回装置12またはデッキクレーン3の旋回装置7を作動して、軟帆22,硬帆26、スラット32の展帆角度の関係を一定に保ったまま、全体的に風向きに対する調整ができる。
この操作は、先ず、硬帆26とスラット32を下部および上部のベースフレーム13、14に直角方向となるように、回転作動装置17、25を作動して硬帆マスト23を旋回させ、硬帆26を直角に向け、併せて、作動装置31を作動してスラットマスト29を旋回させ、スラット32を直角に向ける。
このとき、軟帆22は軟帆巻き取り装置19に巻き取られ、収納されているので、俯仰ブーム5は所定の収納位置に収納される。
3 デッキクレーン 4 機械室
5 俯仰ブーム 6 俯仰シリンダ
7 クレーン旋回装置 8 運転室
9 旋回軸受 10 旋回固定装置
11 メインマスト 12 マスト旋回装置
13 下部ベースフレーム 14 上部ベースフレーム
15 内歯歯車 16 ピニオン
17 回転作動装置 18 底板
19 軟帆巻き取り装置 20 ワイヤロープ
21 回転駆動装置 22 軟帆
23 硬帆マスト 24 歯車
25 回転作動装置 26 硬帆
27 アーム 28 シリンダ
29 スラットマスト 30 歯車
31 回転作動装置 32 スラット
33 アーム 34 シリンダ
35 スラット固定連結材 36 ガイド部材
37 スライダー 38 展帆ウインチ
39 展帆ロープ 40シャックル
41 締結ホール
Claims (5)
- 船体内から上甲板上に達する基礎ポストを設け、該基礎ポスト上に、旋回可能に俯仰ブーム型デッキクレーンを備え、基礎ポスト内からデッキクレーンの機械室を貫通して上方に突出し、旋回可能に支持してメインマストを立設し、該メインマストに下部ベースフレームと上部ベースフレームを固定して設け、該下部ベースフレームと上部ベースフレームとの間に、回転可能な軟帆巻き取り装置と、旋回可能な硬帆マストと、旋回可能なスラットマストとを設け、軟帆巻き取り装置に軟帆を展帆、縮帆自在に装着し、硬帆マストに硬帆を展帆、縮帆自在に装着し、スラットマストにスラットを展帆、縮帆自在に装着したことを特徴とする帆装商船。
- 硬帆マストは、メインマストに遊嵌して配置し、下部ベースフレームとの間に旋回軸受を介在させて支持される大径の旋回歯車上に装着すると共に、上端部に歯車を装着し、該大径の旋回歯車と上端部に装着した歯車とを、それぞれ下部ベースフレームと上部ベースフレームに設けられた回転作動装置のピニオンと噛合させ、該回転作動装置のピニオンの回転により下部ベースフレーム上で旋回可能としたことを特徴とする請求項1記載の帆装商船。
- スラットマストは、その下端部と上端部に歯車を装着し、該上端部と下端部に装着した歯車を、それぞれ下部ベースフレームと上部ベースフレームに設けられた回転作動装置のピニオンと噛合させ、該回転作動装置のピニオンの回転により下部ベースフレーム上で旋回可能としたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の帆装商船。
- デッキクレーンの機械室とメインマスト間に開放、締結可能な旋回固定装置を設け、デッキクレーンとメインマストとを連結可能としたことを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載の帆装商船。
- 硬帆マストとスラットマストとの間に、該硬帆マストおよびスラットマストの旋回を許容するスラット固定連結材を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3または請求項4記載の帆装商船。
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- 2004-03-30 JP JP2004098709A patent/JP2005280533A/ja active Pending
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