JP2005280330A - タイヤ加硫成形金型 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡易セクショナルタイプであって、一部のセクターへの過大な負荷の発生を防止し、耐久性の向上を可能にしたタイヤ加硫成形金型を提供する。
【解決手段】 タイヤ軸方向に分割された一対の金型本体1,2と、少なくとも一方の金型本体1,2のタイヤトレッド部の成形を担う部位に配置されると共にタイヤ周方向に分割された複数個のセクター3とを備え、これらセクター3を金型本体1,2に対してタイヤ径方向及びタイヤ軸方向へ移動自在に搭載すると共に、セクター3を金型本体1,2の外へ突出させるための突出装置としてバネ4を設けたタイヤ加硫成形金型において、セクター3とバネ4との間に、少なくともタイヤ周方向に隣り合うセクター3,3間に跨がるプレート7を配置する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、簡易セクショナルタイプのタイヤ加硫成形金型に関し、さらに詳しくは、一部のセクターへの過大な負荷の発生を防止し、耐久性の向上を可能にしたタイヤ加硫成形金型に関する。
タイヤ加硫成形金型として、2分割タイプの金型とセクショナルタイプの金型が広く普及している。2分割タイプの金型は、タイヤ軸方向に分割された一対の金型本体と、タイヤトレッド部の成形を担うトレッドリングとを備え、そのトレッドリングを金型本体に埋設した構成になっている。一方、セクショナルタイプの金型は、タイヤサイド部を成形する一対のサイドプレートと、タイヤトレッド部を成形する複数個のセクターとを備え、これらサイドプレート及びセクターを加硫装置の付帯設備であるコンテナに組み込んで使用するものである。
上述した2分割タイプの金型は、安価である反面、加硫タイヤの離型時に金型内面の溝成形用凸部がタイヤトレッド部と擦れ合うため、トレッド部のゴム欠けやタイヤの変形などの製品故障を起こし易いという欠点がある。これに対して、セクショナルタイプの金型は、タイヤトレッド部を成形するセクターをタイヤ径方向に移動させることが可能であるため、2分割タイプの金型のようにトレッド部のゴム欠けやタイヤの変形といった製品故障を生じる可能性は低いが、加硫装置の動作機構や構造が複雑になり、加硫装置自体が高価なものになるという欠点がある。
そこで、高価な設備を必要とすることなく、セクショナルタイプの金型と同様にセクターをタイヤ径方向に移動可能にする機能を備えた簡易セクショナルタイプの金型が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図17〜図20は、従来の簡易セクショナルタイプのタイヤ加硫成形金型を示すものである。図17〜図20に示すように、この簡易セクショナルタイプのタイヤ加硫成形金型は、タイヤ軸方向に分割された一対の金型本体21,22と、これら金型本体21,22のタイヤトレッド部の成形を担う部位に配置された複数個のセクター23とを備えている。金型本体21,22のセクター23が組み込まれる部分にはタイヤ軸方向に対して傾斜する摺動面が形成されており、セクター23は金型本体21,22の摺動面に沿って摺動することでタイヤ径方向及びタイヤ軸方向へ移動自在になっている。また、金型本体21,22は各セクター23を金型本体21,22の外へ突出させるための複数本のバネ24を内蔵している。
このように構成される簡易セクショナルタイプの金型は、閉型状態において、図17及び図18に示すように、バネ24が圧縮されてセクター23がそれぞれ金型本体21,22の中に引っ込んだ状態となり、所定のタイヤ成形空間を形成する。一方、開型状態においては、図19及び図20に示すように、バネ24の付勢力によってセクター23がそれぞれ金型本体21,22の外に突出し、それによってセクター23がタイヤ径方向外側へ移動する。このように簡易セクショナルタイプの金型は、バネ24の付勢力に基づいてセクター23をタイヤ径方向に移動させるので、簡単な装置構成でありながら、トレッド部のゴム欠けやタイヤの変形といった製品故障を防止することが可能である。
しかしながら、上述の簡易セクショナルタイプの金型では、バネ24が個々のセクター23だけに作用するため、複数個のセクター23が金型本体21,22から突出する際の動作が不揃いになり易い(図20参照)。そのため、加硫タイヤの取り出し時に一部のセクター23に過大な負荷が生じることにより、セクター23を支える摺動部品等に緩みや損傷を生じ易く、耐久性が低いという問題がある。そして、従来の簡易セクショナルタイプの金型は、耐久性が低いが故に、生産量が多い一般タイヤの生産には不向きである。
特開平9−239735号公報
本発明の目的は、簡易セクショナルタイプのタイヤ加硫成形金型であって、一部のセクターへの過大な負荷の発生を防止し、耐久性の向上を可能にしたタイヤ加硫成形金型を提供することにある。
上記目的を解決するための本発明のタイヤ加硫成形金型は、タイヤ軸方向に分割された一対の金型本体と、少なくとも一方の金型本体のタイヤトレッド部の成形を担う部位に配置されると共にタイヤ周方向に分割された複数個のセクターとを備え、これらセクターを金型本体に対してタイヤ径方向及びタイヤ軸方向へ移動自在に搭載すると共に、前記セクターを金型本体の外へ突出させるための突出装置を設けたタイヤ加硫成形金型において、前記セクターと前記突出装置との間に、少なくともタイヤ周方向に隣り合うセクター間に跨がるプレートを配置したことを特徴とするものである。
本発明によれば、簡易セクショナルタイプの金型において、セクターと突出装置との間に、少なくともタイヤ周方向に隣り合うセクター間に跨がるプレートを配置したから、複数個のセクターが金型本体から突出する際の動作を揃えることができ、加硫タイヤの取り出し時に一部のセクターに過大な負荷が生じるのを防止することができる。従って、セクターを支える摺動部品等に緩みや損傷を生じ難くなり、耐久性を向上することができる。更に、耐久性の向上により、安価で製品故障が少ない簡易セクショナルタイプの金型を生産量が多い一般タイヤの生産に適用することが可能になる。
本発明のタイヤ加硫成形金型では、プレートはタイヤ軸方向に移動自在であると良く、セクターとプレートとは互いに摺動可能な面で接触すると良い。更に、セクターの突出動作を安定化するために、以下の構成を備えることが望ましい。即ち、セクターとプレートとの間にはタイヤ周方向の互いの動きを規制するガイドを取り付けると良い。セクターとプレートとの間には両者の母材同士での摺動抵抗よりも抵抗を低くする補助部品を介在させると良い。また、セクターとプレートとの間には潤滑剤を介在させると良い。
本発明のタイヤ加硫成形金型は、上述のように優れた作用効果を有するものであるが、金型本体に突出装置を備えているため、洗浄には十分な配慮が必要である。即ち、タイヤ加硫成形金型の洗浄には、一般に、ガラス、アルミナ、プラスチック等からなる微粒子状の物体(粉体)を金型に吹き付けて行うショットブラスト法が用いられるが、この洗浄方法を上記タイヤ加硫成形金型に適用した場合、金型本体の内部にブラストの粉体が入り込んでしまうため、洗浄後に粉体を取り除くのに手間が掛かる。また、粉体の取り残しがあった場合、セクターの摺動性を阻害したり、加硫タイヤに粉体が付着する恐れがある。
そこで、本発明のタイヤ加硫成形金型において、突出装置を備える金型本体のタイヤサイド部の成形を担う部位にサイド成形部材を配置し、セクター及びサイド成形部材を金型本体から分離可能に構成することが好ましい。このような構成であれば、金型洗浄時にセクター及びサイド成形部材を金型本体から取り外し、これらセクター及びサイド成形部材だけを洗浄することが可能になる。
この場合、サイド成形部材を金型本体の内面側から着脱自在の構造とし、必要に応じてサイド成形部材と金型本体の一方に位置決め用の合わせピンを設け、他方に該合わせピンと一致するピン穴を設けることが好ましい。これにより、サイド成形部材を金型本体に装着する際の位置決めを容易に行うことができる。特に、位置決め用の合わせピンを金型本体の周上3箇所に配置した場合、サイド成形部材と金型本体との芯合わせの精度を高めることができる。また、一対の金型本体の両方にサイド成形部材を装着する場合、位置決め用の合わせピンの配置を一対の金型本体で互いに異ならせることが好ましい。これにより、サイド成形部材の金型本体への組み付け間違えを確実に防止することができる。
本発明のタイヤ加硫成形金型においては、セクターの合わせ面が負荷を受けながら互いに擦れ合うため、開閉の繰り返しに伴ってセクターの合わせ面が荒れることがある。この現象は、硬度が互いに異なる金属同士では発生し難いが、同一金属同士の場合は発生し易い。特に、擦れ合う一対のセクターがいずれもアルミニウム合金から構成される場合、その合わせ面の荒れが顕著になる。
そこで、本発明のタイヤ加硫成形金型では、セクターの合わせ面の荒れを予防することが好ましい。例えば、セクターの合わせ面に潤滑剤を塗布したり、セクターの合わせ面に皮膜を形成しても良い。最も好ましい手段として、セクターの合わせ面に摺動板を取り付けることが好ましい。この場合、摺動板の摺動面の面積はセクターの合わせ面の面積の60%以上であると良い。また、セクターの合わせ面に複数枚の摺動板を取り付ける場合、摺動板の摺動面の面積の総和はセクターの合わせ面の面積の60%以上であると良い。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1〜図7は本発明の実施形態からなる簡易セクショナルタイプのタイヤ加硫成形金型を示すものである。図1〜図4に示すように、この簡易セクショナルタイプのタイヤ加硫成形金型は、タイヤ軸方向に分割された一対の金型本体1,2と、これら金型本体1,2のタイヤトレッド部の成形を担う部位に配置された複数個のセクター3とを備えている。複数個のセクター3はタイヤ周方向に分割されており、組み合わされた状態でリングを構成する。
金型本体1,2のセクター3が組み込まれる部分にはタイヤ軸方向に対して傾斜する摺動面が形成されており、セクター3は金型本体1,2の摺動面に沿って摺動することでタイヤ径方向及びタイヤ軸方向へ移動自在になっている。金型本体1,2の摺動面にはタイヤ軸方向に延びるガイド5が形成され、金型本体1,2に当接するセクター3の摺動面にはガイド5に係合する溝6が形成されている。ガイド5と溝6は互いに噛み合う断面形状(不図示)を有し、金型本体1,2の摺動面からのセクター3の離脱を規制している。
金型本体1,2は、各セクター3を金型本体1,2の外へ突出させるための突出装置としてタイヤ軸方向に延長する複数本のバネ4を内蔵している。このような突出装置としては、バネ以外に、空気圧や油圧を利用した装置などを使用することが可能である。
上記タイヤ加硫成形金型において、セクター3とバネ4との間には、図5に示すように、タイヤ周方向に並ぶ全てのセクター3に跨がるようにリング状のプレート7が挿入されている。このプレート7はセクター3と共にタイヤ軸方向に移動可能である。つまり、バネ4はセクター3を直接付勢するのではなく、プレート7を介してセクター3を間接的に付勢するようになっている。
セクター3とプレート7とは平滑な摺動面を介して接触している。図6及び図7に示すように、プレート7の摺動面にはタイヤ径方向に延びるガイド8が形成され、プレート7に当接するセクター3の摺動面にはガイド8に係合する溝9が形成されている。これにより、セクター3とプレート7のタイヤ周方向への相対的な動きが規制されている。また、ガイド8と溝9は互いに噛み合う断面形状を有し、プレート7の摺動面からのセクター3の離脱を規制している。
次に、上述した簡易セクショナルタイプのタイヤ加硫成形金型の動作について説明する。このタイヤ加硫成形金型は、閉型状態において、図1及び図2に示すように、バネ4が圧縮されてセクター3がそれぞれ金型本体1,2の中に引っ込んだ状態となり、所定のタイヤ成形空間を形成する。一方、開型状態においては、図3及び図4に示すように、バネ4の付勢力によってセクター3がそれぞれ金型本体1,2の外に突出し、それによってセクター3がタイヤ径方向外側へ移動する。そのため、加硫タイヤの離型時に金型内面の溝成形用凸部がタイヤトレッド部と擦れ合うことに起因する製品故障を起こし難い。
加硫タイヤの離型時において、セクター3とバネ4との間にはタイヤ周方向に並ぶ全てのセクター3に跨がるプレート7が存在しているので、セクター3が金型本体1,2から突出する際の動作を揃えることができ、加硫タイヤの取り出し時に一部のセクター3に過大な負荷が生じるのを防止することができる。従って、セクター3を支える摺動部品等に緩みや損傷を生じ難くなり、耐久性を向上することができる。更に、耐久性の向上により、安価で製品故障が少ない簡易セクショナルタイプの金型を生産量が多い一般タイヤの生産に適用することが可能になる。その結果、加硫装置に対する設備コストを抑えることが可能になる。
上記タイヤ加硫成形金型において、セクター3とプレート7との間に大きな摺動抵抗があると金型の開閉動作が円滑に行われなくなる。そのため、セクター3とプレート7との間に両者の母材同士での摺動抵抗よりも抵抗を低くするような補助部品を介在させると良い。例えば、セクター3又はプレート7の表面にカーボン含有の金属材料からなる被覆材を積層することが可能である。また、セクター3とプレート7との間に潤滑剤を介在させると良い。このような潤滑剤としては、二硫化モリブデン系グリースやフッ素系グリース等を用いることができる。
図8はセクターと突出装置との間に挿入されるプレートの変形例を示すものである。図8において、セクター3とバネ4との間に挿入されるプレート7は、タイヤ周方向に分割され、タイヤ周方向に隣り合う一対のセクター3,3に跨がっている。プレート7は一体的なリングであるほうがセクター3の動作を揃える効果が高いが、少なくともタイヤ周方向に隣り合う一対のセクター3,3間に跨がっていれば、それらセクター3,3の動作を揃えることができる。
図9及び図10は本発明の他の実施形態からなる簡易セクショナルタイプのタイヤ加硫成形金型を示すものである。本実施形態は、前述の実施形態に比べて上型となる金型本体の構造だけが異なるものであるので、同一物には同一符号を付してその部分の詳細な説明は省略する。
図9及び図10に示すように、この簡易セクショナルタイプのタイヤ加硫成形金型は、タイヤ軸方向に分割された一対の金型本体1,2と、金型本体1(下型)においてタイヤトレッド部の成形を担う部位に配設された複数個のセクター3と、金型本体2(上型)においてタイヤトレッド部の成形を担う部位に配設されたトレッドリング13とを備えている。金型本体1は、各セクター3を金型本体1の外へ突出させるための突出装置としてタイヤ軸方向に延長する複数本のバネ4を内蔵している。また、セクター3とバネ4との間には、タイヤ周方向に並ぶ全てのセクター3に跨がるようにリング状のプレート7が挿入されている。
上記タイヤ加硫成形金型においても、開型時にバネ4の付勢力に基づいてセクター3が金型本体1の外に突出し、それによってセクター3がタイヤ径方向外側へ移動し、加硫タイヤの離型を円滑に行うことができる。このとき、セクター3とバネ4との間にはタイヤ周方向に並ぶ全てのセクター3に跨がるプレート7が存在しているので、セクター3が金型本体1から突出する際の動作を揃えることができ、その結果として、耐久性を向上することができる。
このように本発明は、少なくとも一方の金型本体のタイヤトレッド部の成形を担う部位に複数個のセクターを備えたタイヤ加硫成形金型に対して適用可能である。勿論、上記実施形態における下型と上型が逆の関係であっても良い。
図11及び図12は本発明の更に他の実施形態からなる簡易セクショナルタイプのタイヤ加硫成形金型を示すものである。本実施形態は、前述の各実施形態に比べて突出装置を備える金型本体の構造だけが異なるものであるので、同一物には同一符号を付してその部分の詳細な説明は省略する。
図11に示すように、簡易セクショナルタイプのタイヤ加硫成形金型を構成する金型本体1(下型)において、タイヤトレッド部の成形を担う部位には複数個のセクター3が配設され、タイヤサイド部の成形を担う部位にはリング状のサイド成形部材(サイドリング)14が配設されている。金型本体1は、各セクター3を金型本体1の外へ突出させるための突出装置としてタイヤ軸方向に延長する複数本のバネ4を内蔵している。また、セクター3とバネ4との間には、タイヤ周方向に並ぶ全てのセクター3に跨がるようにリング状のプレート7が挿入されている。
サイド成形部材14は、金型本体1に対して複数本のボルト15により固定され、金型本体1の内面側から着脱自在になっている。一方、セクター3は、前述のように溝とガイドとの係合に基づいて金型本体1及びプレート7に対して取り付けられているので、その係合状態を解除することで金型本体1から分離することが可能である。図12はセクター3及びサイド成形部材14を金型本体1から取り外した状態を示している。
図12において、金型本体1には位置決め用の合わせピン16が形成され、サイド成形部材14には合わせピン16と一致するピン穴17が形成されている。このようにサイド成形部材14と金型本体1の一方に位置決め用の合わせピン16を設け、他方に合わせピン16と一致するピン穴17を設けることにより、サイド成形部材14を金型本体1に装着する際の位置決めを容易に行うことができる。特に、位置決め用の合わせピン16を金型本体1の周上3箇所に設けた場合、サイド成形部材14と金型本体1との芯合わせを精度良く行うことができる。
上記タイヤ加硫成形金型によれば、加硫タイヤの離型時にセクター3の動作を揃えるという作用効果が得られることは勿論であるが、金型洗浄時においてはセクター3及びサイド成形部材14を金型本体1から取り外し、これらセクター3及びサイド成形部材14だけをショットブラスト法により効果的に洗浄することが可能になる。この場合、ブラストの粉体が金型本体1には付着しないので、その後の加硫作業においてセクター3の摺動性を阻害したり、加硫タイヤに粉体が付着するという不都合を回避することができる。
上記実施形態では下型の金型本体にサイド成形部材を設けた場合について説明したが、本発明では一対の金型本体の両方にサイド成形部材を設けることができる。そのような場合には、位置決め用の合わせピンの配置を一対の金型本体で互いに異ならせると良い。これにより、サイド成形部材の金型本体への組み付け間違えを確実に防止することができる。
図13及び図14は本発明の簡易セクショナルタイプのタイヤ加硫成形金型におけるセクターを示すものである。図13に示すように、各セクター3の合わせ面(閉型時に他のセクターと当接する面)には複数枚の摺動板18がそれぞれボルト19によって着脱自在に取り付けられている。摺動板18はセクター3よりも摩擦抵抗が小さい樹脂や金属等の材料から構成されている。例えば、真鍮等の低摩擦金属材料、金属にカーボン粉末を分散させた複合金属材料、金属の一部にカーボンを点在させた複合金属材料、その他、自己潤滑機能を有する材料等を用いることができる。図14に示すように、摺動板18はセクター3の合わせ面と実質的に面一であるが、セクター3の合わせ面よりも僅かに突出していることが好ましい。
このようにセクター3の合わせ面に摺動板18を配置することにより、セクター3の合わせ面の摺動性を改善し、その合わせ面が荒れるのを防止することができる。特に、摺動板18を使用した場合、タイヤ製品に悪影響を及ぼすことがないという利点がある。また、摺動板18は耐久性に優れ、磨滅した場合には交換することで所望の機能を容易に回復することができる。
摺動板18は各セクター3の合わせ面に1枚ずつ取り付けることも可能であるが、1枚の大きな摺動板を用いる場合、形状的な制約を受け易く、その形状が複雑になる。そのため、各セクター3の合わせ面には単純な形状を有する小型の摺動板18を複数枚取り付けると良い。摺動板18の摺動面の面積の総和はセクター3の合わせ面の面積の100%であることが理想であるが、加工コストを考慮すると、その比率は極力小さい方が良い。但し、摺動板18の摺動面の面積の総和がセクター3の合わせ面の面積の60%より小さい場合は摺動性の改善効果が不十分になる。そのため、摺動板18の摺動面の面積の総和はセクター3の合わせ面の面積の60%以上であることが好ましい。
図15及び図16は本発明の簡易セクショナルタイプのタイヤ加硫成形金型におけるセクターの変形例を示すものである。図15及び図16に示すように、各セクター3の合わせ面(閉型時に他のセクターと当接する面)には皮膜20が形成されている。皮膜20は、金属メッキ処理やフッ素樹脂等の被覆処理によって形成されたものである。特に、金属メッキ処理を施す場合、セクター3を構成する材料とは硬さが異なる金属材料を選択することが好ましい。
このようにセクター3の合わせ面に皮膜20を形成することにより、セクター3の合わせ面の摺動性を改善し、その合わせ面が荒れるのを防止することができる。但し、皮膜20の形成は摺動板18の交換に比べて手間が掛かり、しかも得られた皮膜20は摺動板18に比べて耐久性が劣るものである。
上記以外に、セクターの合わせ面の荒れを予防する手段として、セクターの合わせ面に二硫化モリブデン系グリース、フッ素系グリース、シリコーン等の潤滑剤を塗布することが可能である。このような潤滑剤を用いる場合、その塗布が容易で、必要に応じて潤滑剤を補充することができるという利点があるものの、潤滑剤が金型の成形面に流れ込み、タイヤ製品に悪影響を及ぼす可能性がある。そのため、セクターの合わせ面の荒れを予防する手段としては、上述した摺動板や皮膜を採用することが望ましい。
本発明の実施形態からなる簡易セクショナルタイプのタイヤ加硫成形金型(閉型状態)を示す断面図である。 図1のA−A矢視断面図である。 本発明の実施形態からなる簡易セクショナルタイプのタイヤ加硫成形金型(開型状態)を示す断面図である。 図3のB−B矢視断面図である。 本発明の実施形態からなる簡易セクショナルタイプのタイヤ加硫成形金型の要部を示す斜視図である。 本発明の実施形態からなるタイヤ加硫成形金型におけるセクター及びプレートの連結構造を示す正面図である。 本発明の実施形態からなるタイヤ加硫成形金型におけるセクター及びプレートの連結構造を示す側面図である。 本発明におけるプレートの変形例を示す斜視図である。 本発明の他の実施形態からなる簡易セクショナルタイプのタイヤ加硫成形金型(閉型状態)を示す断面図である。 本発明の他の実施形態からなる簡易セクショナルタイプのタイヤ加硫成形金型(開型状態)を示す断面図である。 本発明の更に他の実施形態からなる簡易セクショナルタイプのタイヤ加硫成形金型を示す断面図である。 本発明の更に他の実施形態からなる簡易セクショナルタイプのタイヤ加硫成形金型を分解した状態を示す断面図である。 本発明の簡易セクショナルタイプのタイヤ加硫成形金型におけるセクターを示す平面図である。 図13のX−X矢視断面図である。 本発明の簡易セクショナルタイプのタイヤ加硫成形金型におけるセクターの変形例を示す平面図である。 図15のY−Y矢視断面図である。 従来の簡易セクショナルタイプのタイヤ加硫成形金型(閉型状態)を示す断面図である。 図17のC−C矢視断面図である。 従来の簡易セクショナルタイプのタイヤ加硫成形金型(開型状態)を示す断面図である。 図19のD−D矢視断面図である。
符号の説明
1,2 金型本体
3 セクター
4 バネ(突出装置)
5,8 ガイド
6,9 溝
7 プレート
14 サイド成形部材
15 ボルト
16 合わせピン
17 ピン穴
18 摺動板
19 ボルト
20 皮膜

Claims (17)

  1. タイヤ軸方向に分割された一対の金型本体と、少なくとも一方の金型本体のタイヤトレッド部の成形を担う部位に配置されると共にタイヤ周方向に分割された複数個のセクターとを備え、これらセクターを金型本体に対してタイヤ径方向及びタイヤ軸方向へ移動自在に搭載すると共に、前記セクターを金型本体の外へ突出させるための突出装置を設けたタイヤ加硫成形金型において、前記セクターと前記突出装置との間に、少なくともタイヤ周方向に隣り合うセクター間に跨がるプレートを配置したタイヤ加硫成形金型。
  2. 前記プレートがタイヤ軸方向に移動自在である請求項1に記載のタイヤ加硫成形金型。
  3. 前記セクターと前記プレートとが互いに摺動可能な面で接触する請求項2に記載のタイヤ加硫成形金型。
  4. 前記セクターと前記プレートとの間にタイヤ周方向の互いの動きを規制するガイドを取り付けた請求項3に記載のタイヤ加硫成形金型。
  5. 前記セクターと前記プレートとの間に両者の母材同士での摺動抵抗よりも抵抗を低くする補助部品を介在させた請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ加硫成形金型。
  6. 前記セクターと前記プレートとの間に潤滑剤を介在させた請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ加硫成形金型。
  7. タイヤ軸方向に分割された一対の金型本体と、少なくとも一方の金型本体のタイヤトレッド部の成形を担う部位に配置されると共にタイヤ周方向に分割された複数個のセクターとを備え、これらセクターを金型本体に対してタイヤ径方向及びタイヤ軸方向へ移動自在に搭載すると共に、前記セクターを金型本体の外へ突出させるための突出装置を設けたタイヤ加硫成形金型において、前記セクターと前記突出装置との間に、少なくともタイヤ周方向に隣り合うセクター間に跨がるプレートを配置すると共に、前記突出装置を備える金型本体のタイヤサイド部の成形を担う部位にサイド成形部材を配置し、前記セクター及び前記サイド成形部材を前記金型本体から分離可能に構成したタイヤ加硫成形金型。
  8. 前記サイド成形部材を前記金型本体の内面側から着脱自在の構造とした請求項7に記載のタイヤ加硫成形金型。
  9. 前記サイド成形部材と前記金型本体の一方に位置決め用の合わせピンを設け、他方に該合わせピンと一致するピン穴を設けた請求項7又は請求項8に記載のタイヤ加硫成形金型。
  10. 前記位置決め用の合わせピンを前記金型本体の周上3箇所に配置した請求項9に記載のタイヤ加硫成形金型。
  11. 位置決め用の合わせピンの配置を一対の金型本体で互いに異ならせた請求項10に記載のタイヤ加硫成形金型。
  12. 前記セクターの合わせ面に潤滑剤を塗布した請求項1〜10のいずれかに記載のタイヤ加硫成形金型。
  13. 前記セクターの合わせ面に皮膜を形成した請求項1〜10のいずれかに記載のタイヤ加硫成形金型。
  14. 前記セクターの合わせ面に摺動板を取り付けた請求項1〜10のいずれかに記載のタイヤ加硫成形金型。
  15. 前記摺動板の摺動面の面積が前記セクターの合わせ面の面積の60%以上である請求項14に記載のタイヤ加硫成形金型。
  16. 前記セクターの合わせ面に複数枚の摺動板を取り付けた請求項1〜10のいずれかに記載のタイヤ加硫成形金型。
  17. 前記摺動板の摺動面の面積の総和が前記セクターの合わせ面の面積の60%以上である請求項16に記載のタイヤ加硫成形金型。
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