JP2005278030A - 合成樹脂部品の係合構造 - Google Patents

Abstract

【課題】爪による係合部の位置決めと係合は多種多様にあるが、係合後の分解を容易に可能とすることは、課題が多く解決されていなかった。本発明は、係合部の回転方向に対する位置決めと同時に、容易な係合解除構造を目標とする。
【解決手段】スピーカーキャビネットに設けた係合部に、スピーカーパネルの爪が係止する係合部を設け、その係合部に爪幅より広い所に段差を形成し回転方向に対する位置決めを行うことを特徴とする。更に、スピーカーキャビネットの係合部に、前記段差の始まりから円周内肉厚部まで傾斜ガイドを円周方向に形成させ、スピーカーパネルの爪を円周方向に回転させることにより爪が傾斜ガイドに沿って回転し、容易に爪の係合解除を行うことを特徴とする。
【選択図】図１

Description

本発明は、スピーカーパネルに形成された取り付け爪と、この爪と嵌合するスピーカーキャビネット係合部を改良した合成樹脂部品の係合構造と、その容易な係合解除構造に関するものである。

図９に示すように、例えばスピーカーパネル１に形成された取り付け爪２を、この爪と嵌合するスピーカーキャビネット３の開口部４ｃに軽く押し付けることにより、爪２が撓んで爪と系合部４ｃとが容易に係合する。系合解除は、開口部４ｃの外側から爪２を撓ませスピーカーパネル１を引き離し系合解除する。この構成のものは、爪の突起と係合部の開口により、位置決めと係合を行うものである。また、組み立て及び分解を容易にする方法には図９、図１０があるが、図９に示した形状は、爪の係合部に外観面に達する開口４ｃがあるため、外観品位を劣化させる欠点がある。図１０に示したネジ固定もあるが、固定部品８が増える事と外観面に大きな開口７ができるため、外観品位を著しく劣化させる欠点があった。

また、これに関連する背景技術として以下のものがある（例えば、特許文献１参照。非特許文献１参照）。
特開２００１−１９１８１８号公報 戸澤一城著 「合成樹脂部品の係合構造」特許出版 ２００１年

解決しようとする問題点は、爪と係合部の位置出しと係合は可能であるが、外観品位を維持し、係合後の容易な分解方法については何ら課題を解決しているものではない。

本発明は、この点に鑑みてなされたものであり、スピーカーキャビネット３の係合部４に段差４ａを形成することにより回転方向の位置決めを行うと共に、その段差４ａの始まりから円周内肉厚部までの傾斜ガイド４ｂを回転方向に形成させることにより、スピーカーパネル（爪２）を円周方向（９）に回転させて、爪２と係合部４の係合を容易に複数の爪を同時に解除できる合成樹脂部品の回転方向の係合解除構造を提供することを目的とする。

本発明は、スピーカーキャビネットに設けた係合部にスピーカーパネルの爪が係止する係合部を設けその係合部に爪幅より広い所に段差４ａを形成した。更に前記段差４ａの始まりから円周内肉厚部まで傾斜ガイド４ｂを円周方向に形成させたことを特徴とするものである。

本発明は、スピーカーパネル爪２を円周方向（９）に軽く回転させることにより、スピーカーキャビネットの係合部回転方向段差内４ａに嵌合させ位置決めさせたものを、スピーカーパネル爪２に円周方向（９）に回転する力を加えることにより、スピーカーパネル全ての爪嵌合を円周方向に同時に完全解除することが可能となるものである。

本発明は、構成された合成樹脂部品の容易な係合構造であるので、スピーカーパネル爪をＸ軸方向に軽く加重することにより、スピーカーキャビネット係合部の円周方向段差内に、外観品位を損なうことなく嵌合させ、位置決めさせることができる利点がある。及び、嵌合後のスピーカーパネル爪に円周方向の回転する力を更に加えることにより、スピーカーキャビネットの係合部の全ての爪を、同時に円周方向段差上に移動させ、嵌合を容易に解除させることができる。更に、スピーカーパネルを円周方向に継続して回転させることにより、スピーカーパネル全ての爪嵌合を完全に同時に解除させ（特殊）工具無しで容易に分解可能とする利点がある。

容易な組み立て係合による位置決めと、円周方向に回転させて容易に係合解除構造を提供するという目的を、最少の部品点数で、合成樹脂部品の外観品位を損なわずに実現した。

（実施の形態）
本発明の実施の形態を示した図１に基づき、図２は正面より見た係合部、図３は係合部拡大図である。図４は側面より見た係合断面図である。同一の部分には同一の符号を付けて説明する。図１に示すように、スピーカーパネル１にオーディオ等のスピーカー（イ）を取り付けるための開口部１ａが設けられている。この開口部１ａにスピーカーを装着した後、スピーカーパネル１とスピーカーキャビネット３を組み合わせて一体化した外観を保持している。

スピーカーパネル１とスピーカーキャビネット３の構成について説明する。図１において、左側に示されているものが、スピーカーを取り付けるスピーカーパネル１であり、右側に示されているものがこのスピーカーパネル１を取り付けるスピーカーキャビネット３である。スピーカーパネル１の周縁四か所より後方に突説した爪２が形成されており、その爪２は、周縁と同形状で爪先端は外方向に向いて設けられている。図１においては、この爪２は実際に４か所設けられており、スピーカーキャビネット３の係合部４と係合するものである。（図２及び図４を参照。）
図３はスピーカーキャビネット３の係合部Ｂ（４）を拡大して示したものである。係合部４は、爪幅ｄより広い所で段差４ａを形成することにより、回転方向の位置決めを容易にするものである。

図５に基づき回転方向の係合解除構造を説明する。図６は、スピーカーキャビネット３の回転方向の係合解除Ｄを拡大して示したものである。係合部４の段差４ａから円周内肉厚部傾斜ガイド４ｂを形成し、 スピーカーパネル１の爪２を円周方向（９）に回転させる力により、段差４ａを乗り越え傾斜ガイド４ｂに沿って係合解除することができる。
図５と図７は、複数の爪２を同時に解除させることができるものである。図８は、更に軸方向１０に引き抜くことにより、容易に分解できることを示している。

本発明に示すスピーカーシステムの係合構造と係合解除構造は、合成樹脂部品を採用した係合構造部が、円筒形状で爪と段差を構成することにより、容易な組み立て嵌合と回転方向の位置決めが可能となる。更に爪と段差と傾斜ガイドを構成することにより、円周方向に回転力を加えることにより、すべての爪嵌合を同時に完全に解除させ、特殊工具無しで用意に分解できるため、最少の部品点数で、合成樹脂部品の外観高品位化と短時間での分解組み立て用途に適している。

本発明の実施の形態１に於けるスピーカーシステムを概略的に示した斜視図 図１に示すもののＡ矢視図（正面図）で係合部透視図 図２に示すもののＢ部拡大図 図２に示すもののＣ−Ｃ線に沿う断面図 図１に示すもののＡ矢視図（正面図）に円周方向９の回転を加えた図 図５に示すもののＤ部拡大図 図５に示すもののＥ−Ｅ線に沿う断面図 図７に示すもののＸ軸方向に引き抜き力１０を加えた断面図 従来の爪嵌合図斜視図 従来のネジ固定斜視図

符号の説明

１ スピーカーパネル
１ａ 開口部
２ 爪
３ スピーカーキャビネット
４ 係合部
４ａ 係合部段差
４ｂ 係合部傾斜ガイド
４ｃ 係合部開口
５ ボス１
６ ボス２
７ ボス開口
８ ねじ

Claims (1)

1. キャビネットの係合部にパネルの爪が係止する係合部を設け、前記係合部に爪幅より広い所で段差を形成し、前記段差の始まりから円周内肉厚部までの傾斜ガイドを円周方向に形成させることにより、前記パネルの爪を円周方向に回転させて、前記係合部の係合を容易に解除できることを特徴とする合成樹脂部品の係合解除構造。

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